エアーフローカーテンウォール
【課題】室内側からの工事のみで既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できるエアーフローカーテンウォールとする。
【解決手段】既設のカーテンウォールの方立10における室内側部にインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールの面材とで空間部21を形成し、この空間部21の下部を吸込口22で室内に連通すると共に、その空間部21の上部を排気装置23の吸込側に連通して空間部21内の室内に空気が流通するエアーフローカーテンウォールとする。
【解決手段】既設のカーテンウォールの方立10における室内側部にインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールの面材とで空間部21を形成し、この空間部21の下部を吸込口22で室内に連通すると共に、その空間部21の上部を排気装置23の吸込側に連通して空間部21内の室内に空気が流通するエアーフローカーテンウォールとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気が流通する空間部を有したエアーフローカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールは、建物躯体に取付けられて建物の外壁を構成する。
一方、建物の窓開口部に取付ける窓装置としては、特許文献1に開示したように、枠に室内側のガラスと室外側のガラスを装着して空間部を形成し、その空間部の下部を室内に連通し、かつ上部を排気用ファンに連通し、その排気用ファンを駆動することで室内の空気が空間部を流通して排気されるようにしたものが知られている。
この窓装置であれば、室内側のガラスと室外側のガラスとの間の空間部に室内の空気が流通するので、エアーフロー窓装置と呼ばれ、窓際の温熱環境が改善される。
【0003】
また、空気が流通する空間部を有したカーテンウォールとしては、例えば特許文献2に開示されたように、建物躯体側にインナースキン(室内サッシ)とアウタースキン(室外サッシ)を取付け、その両者の間に空間部(キャビティ部分)を形成し、その空間部を床側と天井側にそれぞれ連通して室内の空気が空間部を流通するようにしたエアーフローカーテンウォールが開示されている。
このカーテンウォールであれば、前述の窓装置と同様に窓際の温熱環境が改善される。
【特許文献1】実公平4−4453号公報
【特許文献2】特開2005−48426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、省エネルギーの面から、建物の窓際の温熱環境の改善、つまり熱負荷軽減が要求されている。
前述した従来のエアーフロー窓装置、エアーフローカーテンウォールであれば、前述したように窓際の温熱環境が改善される。
しかし、前述した従来のエアーフロー窓、エアーフローカーテンウォールは新規な建物を構築する際に用いることができるが、既設の窓装置、カーテンウォールの場合には、既設の窓装置、カーテンウォールを取り外し、その取り外した跡に前述した従来のエアーフロー窓装置、エアーフローカーテンウォールを取付けることになる。
【0005】
前述した窓装置の場合には、窓開口部から既設の窓枠と取り外し、その窓開口部にエアーフロー窓装置の窓枠を取付ければ良いから、比較的容易に施工できる。
しかし、前述したカーテンウォールの場合には建物躯体側から既設のカーテンウォールを取り外し、その跡にインナースキン、アウタースキンを取付けるので、建物外部から工事することになる。
このために、施工コストの面では、外部足場などの仮説工事、道路占有許可の費用が必要であり、工事中には入居者の出入り等が制限されるので、コスト面や入居者の都合で施工が非常に困難である。
また、安全面では建物外部に物を落下することがあったり、雨天時の室内漏水の危険性がある。
【0006】
このように、既設のカーテンウォールを取り外して新たにエアーフローカーテンウォールを取付ける場合には、建物外部から工事するので、施工コストの面、入居者の都合、安全面で問題がある。
【0007】
本発明の目的は、室内側からの工事のみで既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できるようにしたエアーフローカーテンウォールとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、既設のカーテンウォールの左右に隣接した方立間における居住空間と対向した部分にインナースキンを取付け、
このインナースキンと前記既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を構成し、
この空間部の下部を居住空間に連通し、
前記空間部の上部を排気装置の吸込側に連通したことを特徴とするエアーフローカーテンウォールである。
【0009】
本発明においては、前記空間部の上部に、その空間部に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体と、このエアー捕集体内に捕集した空気が流れ込むチャンバーボックスを備えたエアーフローユニットを取付け、
このチャンバーボックスに排気装置の吸込側を連通することができる。
このようにすれば、空間部を流通した空気をエアー捕集体で捕集し、その空気をチャンバーボックスを経て排気装置で吸い込むので、空間部に室内の空気が確実に流通する。
【0010】
本発明においては、前記インナースキンを、開閉自在な障子を有したインナーサッシとし、このインナーサッシの上部を前記エアー捕集体に取付けることができる。
このようにすれば、障子を開放することで空間部内を点検できる。
【0011】
本発明においては、前記左右に隣接した方立の室内側部にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、方立にインナースキンを取付ければ良いので、既設のカーテンウォールを簡単にエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0012】
本発明においては、前記既設のカーテンウォールの方立の室内側部に補助方立を、その方立よりも室内側に張り出して取付け、
この左右に隣接した補助方立間にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と補助方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを補助方立の見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0013】
本発明においては、既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、左右の縦部材を、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記左右に隣接した縦部材間に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記方立の内面と縦部材の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを縦部材の見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0014】
本発明においては、既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、上取付ブラケットと下取付ブラケットを、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記上取付ブラケットにインナースキンの上部を取付け、このインナースキンの下部を前記下取付ブラケットに取付け、
このインナースキンと既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを上取付ブラケット、下取付ブラケットの見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0015】
既設のカーテンウォールを本発明のエアーフローカーテンウォールに改修するには、既設のカーテンウォールの方立における面材よりも室内側寄りで居住空間と対向した部分に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記面材との間に空間部を形成し、
前記空間部の下部を前記居住空間に連通すると共に、その空間部の上部を排気装置の吸込側に連通してエアーフローカーテンウォールとすることを特徴とするカーテンウォールの改修方法が好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既設のカーテンウォールの方立間にインナースキンを、居住空間側から取付けできるので、室内側からの工事のみで既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
既設のカーテンウォールを図1、図2に基づいて説明する。
建物躯体1は、梁1aと床スラブ1bを備え、その床スラブ1bの上面に床材2を取付けて床とし、その床スラブ1bに天井材3を吊り下げて取付けて天井としてある。
前記床材2と天井材3との間が居住空間4で、天井材3と床材2との間が天井裏5である。
前記建物躯体1に方立10を左右方向に間隔を置いてファスナー2aで取付け、この左右に隣接した方立10間に亘って複数の無目枠11を横架連結して複数の枠部を形成し、その各枠部に透光性の面材、例えばガラス12を装着する。
前記天井裏5と対向した部分に耐火ボード13を、床材2よりも上方に突出して取付けて腰部(スパンドレル部)14とし、上下に隣接した腰部14間を窓部(ビジョン部)15として方立式のカーテンウォールとしてある。
前記床材2の室外側寄りには腰部内装材6が取付けてある。
この腰部内装材6の上端部と前記1つの無目枠11とに亘って膳板7を取付け、居住空間4から耐火ボード13が目視されないようにしてある。
前記天井材3の室外側部にカーテンボックス8が設けられ、そのカーテンボックス8内にブラインド9が取付けてある。
【0018】
次に、前述した既設のカーテンウォールを利用したエアーフローカーテンウォールの実施の形態を説明する。
前述した従来の方立式のカーテンウォールは、図1に示すように、方立10の室外側部にガラス12が装着され、その方立10はガラス12よりも室内側に張り出しているので、その方立10の張り出した部分を利用して室内の空気が流通する空間部を構成した。
例えば、図3と図4に示すように、方立10の室内側部における居住空間4と対向した部分に、インナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と前記ガラス12と左右に隣接した方立10の内面10aとで空間部21を構成する。つまり、既設のカーテンウォールのガラス12がアウタースキンを兼用する。
前記空間部21の下部は居住空間4に連通している。
例えば、インナーサッシ20の下端部20aと膳板7との間に隙間を形成し、その隙間を吸込口22として空間部21の下部を居住空間4に連通している。
【0019】
前記空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通している。
この排気装置23は、ファンユニット23aと、そのファンユニット23aの吸込部に連通した吸込ダクト23bと、前記ファンユニット23aの吐出部に連通した吐出ダクト23cを備え、その吸込ダクト23bが空間部21の上部に連通し、吐出ダクト23cは任意の場所まで配設される。
前記ファンユニット23a、吸込ダクト23b、吐出ダクト23cは天井裏5に配設してある。
【0020】
このようであるから、排気装置23を駆動することで、居住空間4内の空気(つまり、室内の空気)が吸込口22から空間部21の下部に流入し、その空間部21を流通して上部から排気される。
したがって、室内の空気が空間部21内を流通するので、窓際(窓部15の近く)の温熱環境が改善される。
【0021】
また、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部にインナーサッシ20を取付け、天井裏5に排気装置23を設けることで、既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに簡単に改修できる。
前述のインナーサッシ20の取付け工事、排気装置23の設置工事は室内側から施工でき、施工におけるコスト面では、外部足場などの仮設工事、道路占有許可の費用が不要である。
また、施工の安全面では、建物外部への落下や、雨天時の室内漏水の危険性が無くなる。
また、工事中に建物内への居住者の出入りの制限を緩和できる。
【0022】
図3、図4に示す実施の形態では、空間部21の上部にエアーフローユニット30が取付けてある。
このエアーフローユニット30は、前記空間部21に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体31と、このエアー捕集体31に取付けたチャンバーボックス32を備えている。
これによって、空間部21内に室内の空気が確実に流通するようにできる。
このエアーフローユニット30の取付け工事は室内側から施工できる。
【0023】
前記エアー捕集体31は、左右の隣接した方立10間に亘る長さで、その長手方向に空間部21内の空気が均等に流入できる間隔および大きさに設定された複数の排気孔33を有している。
前記チャンバーボックス32は、前記エアー捕集体31の長手方向に亘って取付けてあり、前記各排気孔33がチャンバー34内にそれぞれ連通している。
このチャンバーボックス32のチャンバー34内の空気を前記排気装置23で吸引するようにしてある。例えば、前記吸込ダクト23bがチャンバー34内に連通している。
【0024】
このようであるから、排気装置23を駆動することで、各排気孔33から空気を吸引するので、前述の空間部21の上部における左右方向の複数位置から空気が吸引され、空間部21の左右方向全域に亘ってほぼ均一に空気が流通する。
つまり、空間部21の上部の1ヶ所から空気を吸引すると、空間部21内の空気が1ヶ所に向けて流れるので、左右方向全域における一部分に空気の流れが生じないか、空気の流れが弱くなり、左右方向全域に亘ってほぼ均一に空気が流通しない。
したがって、窓部15の全域の温熱環境を改善することができる。
【0025】
また、排気装置23による吸引は1ヶ所で良い。
なお、排気装置23による吸引は2ヶ所、3ヶ所など複数としても良い。
要するに、排気装置23による吸引ヶ所を、排気孔33の数よりも少なくできる。
【0026】
前記インナーサッシ20、エアーフローユニット30は別々として施工現場まで運搬し、施工現場でエアーフローユニット30、インナーサッシ20を順次取付ける。
このようにすれば、インナーサッシ20、エアーフローユニット30をそれぞれ単独で運搬できるから、建物のエレベータ等を利用して施工現場まで簡単に運搬できる。
なお、インナーサッシ20、エアーフローユニット30を組み立てた後に取付けるようにしても良い。
【0027】
また、工場などにおいて前記インナーサッシ20の上部にエアーフローユニット30を取付けて改修ユニットとし、この改修ユニットを施工現場まで運搬して左右に隣接した方立10間に取付けることで、既設のカーテンウォールをアウタースキンとインナースキンの間に空間部21を有したエアーフローカーテンウォールに改修するようにしても良い。
このようにすれば、施工現場での改修工事が簡単で、短時間に既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修でき、居住者への影響を最小限にできる。
【0028】
次に、各部の詳細を説明する。
前記インナーサッシ20は図5に示すように、開閉自在な障子20bを有している。
例えば、上横部材24と、下横部材26と、その上横部材24と下横部材26との間に引き違いに装着した一対の障子20bとで引き違いサッシとしてある。
前記エアーフローユニット30のエアー捕集体31は、図5、図6に示すように室内側縦板31aと上横板31bと室外側縦板31cで下向き凹部31dを有した下向きコ字形状の長尺材で、その室内側縦板31aに複数の排気孔33が形成してある。
前記エアーフローユニット30のチャンバーボックス32は、上面板32aと前面板32bと下面板32cで断面コ字形状の本体32dと、左右の蓋32eを備え、その上面板32a、下面板32cをエアー捕集体31の室内側縦板31aに取付け、蓋32eを取付けることでチャンバーボックス32とエアー捕集体31の室内側縦板31aでチャンバー34を形成している。
前記前面板32bにダクト接続孔32fが形成してある。
【0029】
図6に示すように、前記エアー捕集体31がブラケット35で方立10に固着してある。
例えば、ブラケット35の縦片35aをボルト35bで方立10の面内方向の内面10aに固着し、そのブラケット35の横片35cをボルト35dでエアー捕集体31の上横板31bに固着してエアー捕集体31を方立10に取付ける。
【0030】
前記上横部材24はエアー捕集体31に取付けてある。
例えば、上横部材24の上下一対の係止片24aを、エアー捕集体31の室内側縦板31aの下部に設けた上下一対の係止受片31eに係止すると共に、ビス24bで外れないように保持してある。
前記上横部材24は一対の下向き凹部24cを有し、この下向き凹部24cに障子20bの上部が摺動自在に嵌挿してある。
このようであるから、方立10にエアー捕集体31を取付けた状態で、係止片24aを係止受片31eに係止すると共に、ビス24bを締め付けて係止受片31eに押しつけることで、上横部材24を取付けできるので、その上横部材24の取付けが簡単であり、その上横部材24の構造を変えることで、インナーサッシ20を引違いや、吊り戸、内開き、内突き出しに対応でき、他の部材を兼用可能である。
【0031】
前記エアー捕集体31の下向き凹部31dにブラインド36が取付けてある。
例えば、エアー捕集体31の上横板31bの下面にブラインドアタッチメント36aを取付け、このブラインドアタッチメント36aにブラインド36を吊り下げて取付ける。
このようにすれば、狭い空間でのブラインド位置調整が不用となり、作業が簡素化される。
前記ブラインド36のスラットを上方に移動することでエアー捕集体31の下向き凹部31d内に収容されるようにしてある。
【0032】
図6に示すように、腰部14と窓部15との境に位置する無目枠11の下面11aと天井材3の下面3aは同一高さである。またエアー捕集体31の下面は天井材3の下面3aと同一高さである。
前記エアー捕集体31の室内側縦板31aと天井材3が連続し、エアー捕集体31の室外側縦板31cと無目枠11とに亘ってプレート37が取付けてある。例えば、エアー捕集体31の室外側縦板31cにプレート受け37aをビス37bで固定し、このプレート受け37aにプレート37をビス37cで固定して取付ける。このプレート37は前述の無目枠11の下面11aと同一高さである。
これによって空間部21の上部は天井裏5と区画される。
【0033】
前記方立10の室内側面10bには拘束ブラケット38が取付けてあり、この拘束ブラケット38にエアー捕集体31の室内側縦板31aを接して、エアーフローユニット30の端部を拘束している。
【0034】
前記エアー捕集体31とチャンバーボックス32は図6に示すように、エアー捕集体31の室内側縦板31aの上部に設けた受片31fに、上面板32aに設けた係止片32gを係止して支持し、下面板32cのフランジ32hをビス32iで室内側縦板31aに固着して取付けてある。
【0035】
図7に示すように、下横部材26は方立10にブラケット27で固着してある。
例えば、方立10の内面10aにブラケット27をビス27aで固着し、下横部材26の下向き凹部26aをブラケット27に嵌め合わせ、そのブラケット27と下横部材26をビス27bで固着して取付ける。
このようにすることで、ブラケット27、ビス27a,27bが下横部材26で覆われて居住空間4側から見えないようにできる。
【0036】
前記下横部材26がインナーサッシ20の下端部20aで、膳板7との間に隙間を有し、吸込口22としてある。
このようにすることで、吸込口22は左右に隣接した方立10間に亘って連続する。
【0037】
前記障子20bの下端部が下横部材26に面内方向に移動自在に支持されている。
このようにすることで、障子20bを居住空間4から簡単に開閉でき、空間部21内を居住空間4から点検できる。
【0038】
図8に示すように、前記エアー捕集体31の長手方向の両端面が左右に隣接した方立10の内面10aに接している。
前記チャンバーボックス32はエアー捕集体31よりも短い。
【0039】
図9に示すように、障子20bは閉じ位置のときに方立10の内面10aに直接又は気密材を介して接するようにしてある。
また、方立10の内面10aにはブラインドガイドレール39が取付けてある。
【0040】
図6〜図9に示すように、前記インナーサッシ20の室内側面20cとエアー捕集体31の室内側面(室内側縦板31a)を、方立10の室内側面10bとほぼ面一としてある。
このようであるから、インナーサッシ20の室内側面20c、エアー捕集体31の室内側面、方立10の室内側面ン10bを、居住空間4から見たときに、それらがほぼ面一に連続して見えるので、見栄えが良い。
【0041】
図1、図2に示す既設のカーテンウォールを前述したエアーフローカーテンウォールに改修するには、図1、図2に示す既設のカーテンウォールにおけるカーテンボックス8を取り外し、その後に残存している方立10の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20とエアーフローユニット30を取付け、排気装置23を取付ければ良い。
したがって、室内側からの工事のみによって既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できる。
また、方立10の室内側にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ければ良いので、既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに簡単に改修できる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態を図10〜図15に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部に補助方立40を、その方立10よりも室内側に張り出して取付け、この補助方立40にインナースキン、例えばインナーサッシ20、エアーフローユニット30を取付けたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状及び取付けも第1の実施の形態と同様である。
【0043】
図10と図11に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側面10bに補助方立40を、その室内側面10bよりも室内側(居住空間4側)に張り出して取付けてある。
前記補助方立40の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールのガラス12と、方立10の内面10aと補助方立40の内面40aとの間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
【0044】
このように構成すれば、空間部21の見込み(室内外側方向の寸法)を補助方立40の見込み(室内側方向の寸法)だけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0045】
次に、各部の詳細を説明する。
前記補助方立40は、図10、図11に示すようにカーテンウォールの窓部15を形成する部分に取付けてある。
例えば、補助方立40の上端面40bは天井材3よりも上方に突出して腰部14の下方寄りに位置し、下端面40cは膳板7に接している。
【0046】
このようであるから、補助方立40を室内側から方立10の室内側部に取付けできる。
例えば、図1、図2に示したカーテンボックス8を取り外すと共に、天井板3を取り外すことで補助方立40を方立10の室内側面10bに取付けできる。
【0047】
図12、図13に示すように、補助方立40の上部と下部が補助方立取付用のブラケット41で方立10の室内側面10bに固着して取付けてある。
前記方立10は図14、図15に示すように、室外側縦板10cと室内側縦板10dと一対の側面縦板10eで矩形断面の中空形状の本体部10fとガラス取付部10gを有している。
前記補助方立40は室内側縦板40dと室外側縦板40eと一対の側面縦板40fで矩形断面の中空形状で、その室外側縦板40eの上下部分を図12、図13に示すように切欠きしてある。
前記ブラケット41は取付片41aと一対の支持片41bでコ字形状で、その取付片41aを方立10の室内側縦板10dにビス41cで固着され、補助方立40の前述した切欠き部40gからブラケット41の一対の支持片41bが補助方立40の中空部内に張り出すようにし、一対の側面縦板40fと一対の支持片41bをビス41dで固着して取付ける。
【0048】
このようであるから、方立10に補助方立40を室内側から容易に取付けできる。
【0049】
前記インナーサッシ20は第1の実施の形態と同様に、上横部材24と下横部材26とに亘って一対の障子2bを面内方向に移動自在に取付けたものである。
前記上横部材24が図12に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
前記下横部材26が図13と図15に示すように、第1の実施の形態と同様にブラケット27で補助方立40の内面40aに取付けてある。
前記エアー捕集体31は図12、図14に示すように、第1の実施の形態と同様で、補助方立40の内面40aにブラケット35で固着して取付けてある。
前記チャンバーボックス32は図12、図14に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0050】
次に、本発明の第3の実施の形態を図16〜図21に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部に、左右一対の縦部材50を、その方立10よりも室内側に張り出して取付け、左右に隣接した縦部材50間にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付けたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状は第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態によれば、事前に工場で四方枠として組み立てが可能であり、施工の省力化が行える。
【0051】
図16と図17に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側面10bに左右一対の縦部材50を、その室内側面10bよりも室内側(居住空間4側)に張り出して取付けてある。
前記左右に隣接した縦部材50の室内側部に亘ってインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールのガラス12と、方立10の内面10aと縦部材50の内面50aとの間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
【0052】
このように構成すれば、空間部21の見込み(室内外側方向の寸法)を縦部材50の見込み(室内側方向の寸法)だけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0053】
次に、各部の詳細を説明する。
前記縦部材50は、図16、図17に示すようにカーテンウォールの窓部15を形成する部分に取付けてある。
例えば、縦部材50の上端面50bは天井材3よりも上方に突出して腰部14の下方寄りに位置し、下端面50cは膳板7に接している。
【0054】
このようであるから、縦部材50を室内側から方立10の室内側部に取付けできる。
例えば、図1、図2に示したカーテンボックス8を取り外すと共に、天井板3を取り外すことで縦部材50を方立10の室内側面10bに取付けできる。
【0055】
前記方立10の室内側面10bに縦部材取付用のブラケット51が室内側に向けて固着してあり、このブラケット51に左右一対の縦部材50が取付けてある。
このブラケット51は図20、図21に示すように、取付板52と縦板53でほぼT字形状で、その取付板52に一対の取付片52aが設けてあると共に、縦板53には左右の係止受部53aが室内外側方向に間隔を置いて複数有している。この係止受部53aは室内側に開口した溝形状である。前記取付板52が方立10の室内側面10bに接してビス52bで固着して取付けてある。
前記縦部材50は室内外方向に向かう縦板54に鉤形状の取付部55と複数の係止部56を設けたもので、その縦板54の室外側端面が方立10の室内側面10bに当接し、取付部55が取付板52の取付片52aにビス55aで固着してあると共に、各係止部56が各係止受部53aに係合している。
【0056】
このようであるから、方立10の室内側面10bにブラケット51をビス52bで固着して取付け、この後に一対の縦部材50をブラケット51にそれぞれ取付けできる。
したがって、方立10に一対の縦部材50を室内側から容易に取付けできる。
【0057】
前記インナーサッシ20は第1の実施の形態と同様に、上横部材24と下横部材26とに亘って一対の障子2bを面内方向に移動自在に取付けたものである。
前記上横部材24が図18に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
前記下横部材26が図19に示すように、第1の実施の形態と同様にブラケット27で縦部材50の内面50aに取付けてある。
前記エアー捕集体31は図18、図20に示すように、縦部材50の縦板54(内面50a)に接し、ビス57で固着して取付けてある。
前記チャンバーボックス32は図18、図20に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0058】
この実施の形態では、左右の縦部材50の内面50aにおける上部室内側寄りに間にエアー捕集体31を取付け、そのエアー捕集体30に上横部材24を取付け、左右の縦部材50の内面50aにおける下部室内側寄り間に下横部材26を取付けてサッシ枠体とし、その上横部材24と下横部材26に亘って障子20bを装着してインナーサッシ20を組み立て、左右の縦部材50を方立10の室内側面10bに固着することでインナーサッシ20を取付けるようにすることができる。
【0059】
次に、本発明の第4の実施の形態を図22〜図27に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20を上取付ブラケット60と下取付ブラケット70で取付けたことが、第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状は第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態によれば、壁との取り合いで、第2の実施の形態の補助方立40、第3の実施の形態の縦部材50が取付けできない場合に対応できる。また、前記補助方立40、縦部材50、それに付随する部品が不用になり、安価に提供できる。
【0060】
図22、図23に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側部に、上取付ブラケット60を、方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出して取付け、この上取付ブラケット60にインナースキン、例えばインナーサッシ20の上部、この実施の形態ではエアー捕集体31を取付ける。
前記上取付ブラケット60は腰部14と対向した位置、つまり天井裏5に位置している。
【0061】
前記既設カーテンウォールの方立10の室内側部に、下取付部ラケット70を、方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出して取付け、この下取付部ラケット70にインナースキン、例えばインナーサッシ20の下部、この実施の形態では下横部材26を取付けることで、左右に隣接した上取付ブラケット60と左右に隣接した下取付ブラケット70とに亘ってインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ける。
【0062】
このインナースキン(インナーサッシ20)と既設のカーテンウォールのガラス12との間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
この実施の形態では、空間部21の上部にエアーフローユニット30を取付け、そのエアーフローユニット30に排気装置23の吸込ダクト23bが連通している。
【0063】
このように構成すれば、空間部21の見込みを上取付ブラケット60、下取付ブラケット70の見込みだけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0064】
次に、各部の詳細を説明する。
図24と図26に示すように、前記上取付ブラケット60は縦片61と横片62で鉤形状で、その縦片61の室外側部が方立10の内面10aにおける室内側部にボルト63で固着してあり、1つの方立10の左右の内面10aに一対の上取付ブラケット60がそれぞれ取付けてある。
前記横片62の室内側部がエアー捕集体31の上横板31bにボルト・ナット64で固着され、エアー捕集体31が上取付ブラケット60で方立10に取付けてある。
【0065】
前記エアー捕集体31は第1の実施の形態と同様な断面形状で、その左右の端面に蓋32fを取付けて両端部を閉塞している。
なお、上取付ブラケット60と蓋32fを一体としても良い。
前記エアーフローユニット30のチャンバーボックス32は第1の実施の形態と同様の断面形状で、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0066】
前記下取付ブラケット70は図25と図27に示すように、室内外側方向に向かう基板71の室内側と室外側とに一側取付片72と他側取付片73を有したほぼコ字形状で、その一側取付片72が方立10の室内側面10bにボルト74で固着して取付けてある。
前記他側取付片73が方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出し、その他側取付片73に下横部材26がボルト75で固着して取付けてある。
【0067】
前記インナーサッシ20の上横部材24は第1の実施の形態と同様の断面形状で、エアー捕集体31に第1の実施の形態と同様に取付けてある。
この実施の形態では、左右に隣接した空間部21が上取付ブラケット60と下取付ブラケット70との間で連通しているので、建物の端部において仕切り部材を設けて最も端部の空間部21の左右端を閉塞するか、建物の壁自体で閉塞するようにする。
【0068】
次に、本発明の第5の実施の形態を図28、図29に基づいて説明する。
この実施の形態は、建物躯体1の梁1aと天井材3との間のスペースが小さく、排気装置23の吸込ダクト23bを前述の梁1aと天井材3との間に配設できない場合に対応した実施の形態で、天井材3を段差を有するものとして梁1aと天井材3との間に吸込ダクト23bを配設できるようにしたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0069】
図28に示すように、天井材3を、建物躯体1の梁1aと対向した室外側寄り天井材3bと室内側寄り天井材3cと段差部3dとで段差を有するものとしてある。
前記室外側寄り天井材3bは室内側寄り天井材3cよりも低く、この室外側寄り天井材3bと梁1aとの間のスペースは大きく、排気装置23の吸込ダクト23bを配設できるようにしてある。
例えば、既設のカーテンウォールの天井材が前記室内側寄り天井材3cと同一高さで、その天井材と梁1aとの間のスペースが小さい場合には、その天井材における梁1aと対向した部分のみを取り外して除去し、段差部3dを有して新しい天井材を取付けて室外側寄り天井材3bとする。
【0070】
この場合には、室外側寄り天井材3bと合わせてインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ける。
例えば、図29に示すように、エアーフローユニット30のエアー捕集体31を、方立10の内面10aにブラケット35で取付け、そのエアー捕集体31の室内側縦板31aの下端面を室外側寄り天井材3bの下面3aと同一高さとする。
これによって、エアー捕集体31の室外側縦板31cの下端部は、無目11の下面11aよりも下方位置となるので、前述のプレート受け37aを室外側縦板31cに無目11の下面11aと高さを合わせてビス37bで固定して取付ける。
そして、このプレート受け37aにプレート37をビス37cで固定して取付け、プレート37を無目11の下面11aと同一高さとして取付ける。
【0071】
このように、プレート37をプレート受け37aを用いてエアー捕集体31の室外側縦板31cに取付けることで、そのプレート37とプレート受け37aを共通としてエアー捕集体31の取付け高さ位置が異なる場合に、そのプレート37を無目11の下面11aと同一高さとして取付けできる。
【0072】
前述の説明では、方立10にインナースキン、例えばインナーサッシ20を直接取付けしたが、前述の第2・第3・第4の実施の形態のようにして方立10にインナーサッシ20を取付けても良い。
【0073】
前述の各実施の形態は、建物躯体1を鉄製の梁1aと床スラブ1bを備えたものとしたが、建物躯体1をRC梁を有したRC納りとすることもできる。
例えば、図30に示すように、床部1cと梁部1dを有したRC梁で建物躯体1とする。
この実施の形態では、第2の実施の形態と同様に方立10に補助方立40を取付け、その補助方立40にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付けて空間部21を形成したが、これに限ることはなく、第1・第3・第4の実施の形態のようにして空間部21を形成することもできる。
【0074】
前述の各実施の形態においてはインナーサッシ20の障子20bを下横部材26に移動自在に支持した引き違いサッシとしてあるが、障子20bを上横部材24で移動自在に支持した上吊り式の引き違いサッシ、突き出しサッシ、内開きサッシなどとしても良いし、障子20bを開閉しないようにしても良い。
また、インナースキンはインナーサッシに限ることはなく、ロールブラインドや高気密ブラインドとしても良い。
また、インナーサッシ20を、上横部材24と下横部材26と縦部材で方形状のサッシ枠を有し、そのサッシ枠に障子を装着したものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】既設のカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】インナーサッシとエアーフローユニットの斜視図である。
【図6】図3における空間部の上部分の拡大詳細断面図である。
【図7】図3における空間部の下部分の拡大詳細断面図である。
【図8】図4のC−C拡大詳細断面図である。
【図9】図4のD−D拡大詳細断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図11】図10のE−E断面図である。
【図12】図10におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図13】図10におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図14】図11のF−F拡大詳細断面図である。
【図15】図11のG−G拡大詳細断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図17】図16のH−H断面図である。
【図18】図16におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図19】図16におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図20】図17のI−I拡大詳細断面図である。
【図21】図17のJ−J拡大詳細断面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図23】図22のK−K断面図である。
【図24】図22におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図25】図22におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図26】図23のL−L拡大詳細断面図である。
【図27】図23のM−M拡大詳細断面図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図29】図28における空間部の上部分の拡大詳細断面図である。
【図30】本発明の第6の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1…建物躯体、2…床材、3…天井材、4…居住空間、5…天井裏、7…膳板、10…方立、10a…内面、10b…室内側面、12…ガラス(面材)、14…腰部、15…窓部、20…インナーサッシ(インナースキン)、20a…下端部、20b…障子、20c…室内側面、21…空間部、22…吸込口、23…排気装置、24…上横部材、26…下横部材、27…ブラケット、30…エアーフローユニット、31…エアー捕集体、32…チャンバーボックス、35…ブラケット、40…補助方立、40a…内面、41…ブラケット、50…縦部材、50a…内面、60…上取付ブラケット、70…下取付ブラケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気が流通する空間部を有したエアーフローカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールは、建物躯体に取付けられて建物の外壁を構成する。
一方、建物の窓開口部に取付ける窓装置としては、特許文献1に開示したように、枠に室内側のガラスと室外側のガラスを装着して空間部を形成し、その空間部の下部を室内に連通し、かつ上部を排気用ファンに連通し、その排気用ファンを駆動することで室内の空気が空間部を流通して排気されるようにしたものが知られている。
この窓装置であれば、室内側のガラスと室外側のガラスとの間の空間部に室内の空気が流通するので、エアーフロー窓装置と呼ばれ、窓際の温熱環境が改善される。
【0003】
また、空気が流通する空間部を有したカーテンウォールとしては、例えば特許文献2に開示されたように、建物躯体側にインナースキン(室内サッシ)とアウタースキン(室外サッシ)を取付け、その両者の間に空間部(キャビティ部分)を形成し、その空間部を床側と天井側にそれぞれ連通して室内の空気が空間部を流通するようにしたエアーフローカーテンウォールが開示されている。
このカーテンウォールであれば、前述の窓装置と同様に窓際の温熱環境が改善される。
【特許文献1】実公平4−4453号公報
【特許文献2】特開2005−48426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、省エネルギーの面から、建物の窓際の温熱環境の改善、つまり熱負荷軽減が要求されている。
前述した従来のエアーフロー窓装置、エアーフローカーテンウォールであれば、前述したように窓際の温熱環境が改善される。
しかし、前述した従来のエアーフロー窓、エアーフローカーテンウォールは新規な建物を構築する際に用いることができるが、既設の窓装置、カーテンウォールの場合には、既設の窓装置、カーテンウォールを取り外し、その取り外した跡に前述した従来のエアーフロー窓装置、エアーフローカーテンウォールを取付けることになる。
【0005】
前述した窓装置の場合には、窓開口部から既設の窓枠と取り外し、その窓開口部にエアーフロー窓装置の窓枠を取付ければ良いから、比較的容易に施工できる。
しかし、前述したカーテンウォールの場合には建物躯体側から既設のカーテンウォールを取り外し、その跡にインナースキン、アウタースキンを取付けるので、建物外部から工事することになる。
このために、施工コストの面では、外部足場などの仮説工事、道路占有許可の費用が必要であり、工事中には入居者の出入り等が制限されるので、コスト面や入居者の都合で施工が非常に困難である。
また、安全面では建物外部に物を落下することがあったり、雨天時の室内漏水の危険性がある。
【0006】
このように、既設のカーテンウォールを取り外して新たにエアーフローカーテンウォールを取付ける場合には、建物外部から工事するので、施工コストの面、入居者の都合、安全面で問題がある。
【0007】
本発明の目的は、室内側からの工事のみで既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できるようにしたエアーフローカーテンウォールとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、既設のカーテンウォールの左右に隣接した方立間における居住空間と対向した部分にインナースキンを取付け、
このインナースキンと前記既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を構成し、
この空間部の下部を居住空間に連通し、
前記空間部の上部を排気装置の吸込側に連通したことを特徴とするエアーフローカーテンウォールである。
【0009】
本発明においては、前記空間部の上部に、その空間部に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体と、このエアー捕集体内に捕集した空気が流れ込むチャンバーボックスを備えたエアーフローユニットを取付け、
このチャンバーボックスに排気装置の吸込側を連通することができる。
このようにすれば、空間部を流通した空気をエアー捕集体で捕集し、その空気をチャンバーボックスを経て排気装置で吸い込むので、空間部に室内の空気が確実に流通する。
【0010】
本発明においては、前記インナースキンを、開閉自在な障子を有したインナーサッシとし、このインナーサッシの上部を前記エアー捕集体に取付けることができる。
このようにすれば、障子を開放することで空間部内を点検できる。
【0011】
本発明においては、前記左右に隣接した方立の室内側部にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、方立にインナースキンを取付ければ良いので、既設のカーテンウォールを簡単にエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0012】
本発明においては、前記既設のカーテンウォールの方立の室内側部に補助方立を、その方立よりも室内側に張り出して取付け、
この左右に隣接した補助方立間にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と補助方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを補助方立の見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0013】
本発明においては、既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、左右の縦部材を、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記左右に隣接した縦部材間に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記方立の内面と縦部材の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを縦部材の見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0014】
本発明においては、既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、上取付ブラケットと下取付ブラケットを、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記上取付ブラケットにインナースキンの上部を取付け、このインナースキンの下部を前記下取付ブラケットに取付け、
このインナースキンと既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を形成することができる。
このようにすれば、空間部の見込みを上取付ブラケット、下取付ブラケットの見込みだけ大きくできるので、見込みの小さな方立を有した既設のカーテンウォールを必要な見込みの空間部を有したエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【0015】
既設のカーテンウォールを本発明のエアーフローカーテンウォールに改修するには、既設のカーテンウォールの方立における面材よりも室内側寄りで居住空間と対向した部分に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記面材との間に空間部を形成し、
前記空間部の下部を前記居住空間に連通すると共に、その空間部の上部を排気装置の吸込側に連通してエアーフローカーテンウォールとすることを特徴とするカーテンウォールの改修方法が好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既設のカーテンウォールの方立間にインナースキンを、居住空間側から取付けできるので、室内側からの工事のみで既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
既設のカーテンウォールを図1、図2に基づいて説明する。
建物躯体1は、梁1aと床スラブ1bを備え、その床スラブ1bの上面に床材2を取付けて床とし、その床スラブ1bに天井材3を吊り下げて取付けて天井としてある。
前記床材2と天井材3との間が居住空間4で、天井材3と床材2との間が天井裏5である。
前記建物躯体1に方立10を左右方向に間隔を置いてファスナー2aで取付け、この左右に隣接した方立10間に亘って複数の無目枠11を横架連結して複数の枠部を形成し、その各枠部に透光性の面材、例えばガラス12を装着する。
前記天井裏5と対向した部分に耐火ボード13を、床材2よりも上方に突出して取付けて腰部(スパンドレル部)14とし、上下に隣接した腰部14間を窓部(ビジョン部)15として方立式のカーテンウォールとしてある。
前記床材2の室外側寄りには腰部内装材6が取付けてある。
この腰部内装材6の上端部と前記1つの無目枠11とに亘って膳板7を取付け、居住空間4から耐火ボード13が目視されないようにしてある。
前記天井材3の室外側部にカーテンボックス8が設けられ、そのカーテンボックス8内にブラインド9が取付けてある。
【0018】
次に、前述した既設のカーテンウォールを利用したエアーフローカーテンウォールの実施の形態を説明する。
前述した従来の方立式のカーテンウォールは、図1に示すように、方立10の室外側部にガラス12が装着され、その方立10はガラス12よりも室内側に張り出しているので、その方立10の張り出した部分を利用して室内の空気が流通する空間部を構成した。
例えば、図3と図4に示すように、方立10の室内側部における居住空間4と対向した部分に、インナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と前記ガラス12と左右に隣接した方立10の内面10aとで空間部21を構成する。つまり、既設のカーテンウォールのガラス12がアウタースキンを兼用する。
前記空間部21の下部は居住空間4に連通している。
例えば、インナーサッシ20の下端部20aと膳板7との間に隙間を形成し、その隙間を吸込口22として空間部21の下部を居住空間4に連通している。
【0019】
前記空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通している。
この排気装置23は、ファンユニット23aと、そのファンユニット23aの吸込部に連通した吸込ダクト23bと、前記ファンユニット23aの吐出部に連通した吐出ダクト23cを備え、その吸込ダクト23bが空間部21の上部に連通し、吐出ダクト23cは任意の場所まで配設される。
前記ファンユニット23a、吸込ダクト23b、吐出ダクト23cは天井裏5に配設してある。
【0020】
このようであるから、排気装置23を駆動することで、居住空間4内の空気(つまり、室内の空気)が吸込口22から空間部21の下部に流入し、その空間部21を流通して上部から排気される。
したがって、室内の空気が空間部21内を流通するので、窓際(窓部15の近く)の温熱環境が改善される。
【0021】
また、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部にインナーサッシ20を取付け、天井裏5に排気装置23を設けることで、既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに簡単に改修できる。
前述のインナーサッシ20の取付け工事、排気装置23の設置工事は室内側から施工でき、施工におけるコスト面では、外部足場などの仮設工事、道路占有許可の費用が不要である。
また、施工の安全面では、建物外部への落下や、雨天時の室内漏水の危険性が無くなる。
また、工事中に建物内への居住者の出入りの制限を緩和できる。
【0022】
図3、図4に示す実施の形態では、空間部21の上部にエアーフローユニット30が取付けてある。
このエアーフローユニット30は、前記空間部21に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体31と、このエアー捕集体31に取付けたチャンバーボックス32を備えている。
これによって、空間部21内に室内の空気が確実に流通するようにできる。
このエアーフローユニット30の取付け工事は室内側から施工できる。
【0023】
前記エアー捕集体31は、左右の隣接した方立10間に亘る長さで、その長手方向に空間部21内の空気が均等に流入できる間隔および大きさに設定された複数の排気孔33を有している。
前記チャンバーボックス32は、前記エアー捕集体31の長手方向に亘って取付けてあり、前記各排気孔33がチャンバー34内にそれぞれ連通している。
このチャンバーボックス32のチャンバー34内の空気を前記排気装置23で吸引するようにしてある。例えば、前記吸込ダクト23bがチャンバー34内に連通している。
【0024】
このようであるから、排気装置23を駆動することで、各排気孔33から空気を吸引するので、前述の空間部21の上部における左右方向の複数位置から空気が吸引され、空間部21の左右方向全域に亘ってほぼ均一に空気が流通する。
つまり、空間部21の上部の1ヶ所から空気を吸引すると、空間部21内の空気が1ヶ所に向けて流れるので、左右方向全域における一部分に空気の流れが生じないか、空気の流れが弱くなり、左右方向全域に亘ってほぼ均一に空気が流通しない。
したがって、窓部15の全域の温熱環境を改善することができる。
【0025】
また、排気装置23による吸引は1ヶ所で良い。
なお、排気装置23による吸引は2ヶ所、3ヶ所など複数としても良い。
要するに、排気装置23による吸引ヶ所を、排気孔33の数よりも少なくできる。
【0026】
前記インナーサッシ20、エアーフローユニット30は別々として施工現場まで運搬し、施工現場でエアーフローユニット30、インナーサッシ20を順次取付ける。
このようにすれば、インナーサッシ20、エアーフローユニット30をそれぞれ単独で運搬できるから、建物のエレベータ等を利用して施工現場まで簡単に運搬できる。
なお、インナーサッシ20、エアーフローユニット30を組み立てた後に取付けるようにしても良い。
【0027】
また、工場などにおいて前記インナーサッシ20の上部にエアーフローユニット30を取付けて改修ユニットとし、この改修ユニットを施工現場まで運搬して左右に隣接した方立10間に取付けることで、既設のカーテンウォールをアウタースキンとインナースキンの間に空間部21を有したエアーフローカーテンウォールに改修するようにしても良い。
このようにすれば、施工現場での改修工事が簡単で、短時間に既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修でき、居住者への影響を最小限にできる。
【0028】
次に、各部の詳細を説明する。
前記インナーサッシ20は図5に示すように、開閉自在な障子20bを有している。
例えば、上横部材24と、下横部材26と、その上横部材24と下横部材26との間に引き違いに装着した一対の障子20bとで引き違いサッシとしてある。
前記エアーフローユニット30のエアー捕集体31は、図5、図6に示すように室内側縦板31aと上横板31bと室外側縦板31cで下向き凹部31dを有した下向きコ字形状の長尺材で、その室内側縦板31aに複数の排気孔33が形成してある。
前記エアーフローユニット30のチャンバーボックス32は、上面板32aと前面板32bと下面板32cで断面コ字形状の本体32dと、左右の蓋32eを備え、その上面板32a、下面板32cをエアー捕集体31の室内側縦板31aに取付け、蓋32eを取付けることでチャンバーボックス32とエアー捕集体31の室内側縦板31aでチャンバー34を形成している。
前記前面板32bにダクト接続孔32fが形成してある。
【0029】
図6に示すように、前記エアー捕集体31がブラケット35で方立10に固着してある。
例えば、ブラケット35の縦片35aをボルト35bで方立10の面内方向の内面10aに固着し、そのブラケット35の横片35cをボルト35dでエアー捕集体31の上横板31bに固着してエアー捕集体31を方立10に取付ける。
【0030】
前記上横部材24はエアー捕集体31に取付けてある。
例えば、上横部材24の上下一対の係止片24aを、エアー捕集体31の室内側縦板31aの下部に設けた上下一対の係止受片31eに係止すると共に、ビス24bで外れないように保持してある。
前記上横部材24は一対の下向き凹部24cを有し、この下向き凹部24cに障子20bの上部が摺動自在に嵌挿してある。
このようであるから、方立10にエアー捕集体31を取付けた状態で、係止片24aを係止受片31eに係止すると共に、ビス24bを締め付けて係止受片31eに押しつけることで、上横部材24を取付けできるので、その上横部材24の取付けが簡単であり、その上横部材24の構造を変えることで、インナーサッシ20を引違いや、吊り戸、内開き、内突き出しに対応でき、他の部材を兼用可能である。
【0031】
前記エアー捕集体31の下向き凹部31dにブラインド36が取付けてある。
例えば、エアー捕集体31の上横板31bの下面にブラインドアタッチメント36aを取付け、このブラインドアタッチメント36aにブラインド36を吊り下げて取付ける。
このようにすれば、狭い空間でのブラインド位置調整が不用となり、作業が簡素化される。
前記ブラインド36のスラットを上方に移動することでエアー捕集体31の下向き凹部31d内に収容されるようにしてある。
【0032】
図6に示すように、腰部14と窓部15との境に位置する無目枠11の下面11aと天井材3の下面3aは同一高さである。またエアー捕集体31の下面は天井材3の下面3aと同一高さである。
前記エアー捕集体31の室内側縦板31aと天井材3が連続し、エアー捕集体31の室外側縦板31cと無目枠11とに亘ってプレート37が取付けてある。例えば、エアー捕集体31の室外側縦板31cにプレート受け37aをビス37bで固定し、このプレート受け37aにプレート37をビス37cで固定して取付ける。このプレート37は前述の無目枠11の下面11aと同一高さである。
これによって空間部21の上部は天井裏5と区画される。
【0033】
前記方立10の室内側面10bには拘束ブラケット38が取付けてあり、この拘束ブラケット38にエアー捕集体31の室内側縦板31aを接して、エアーフローユニット30の端部を拘束している。
【0034】
前記エアー捕集体31とチャンバーボックス32は図6に示すように、エアー捕集体31の室内側縦板31aの上部に設けた受片31fに、上面板32aに設けた係止片32gを係止して支持し、下面板32cのフランジ32hをビス32iで室内側縦板31aに固着して取付けてある。
【0035】
図7に示すように、下横部材26は方立10にブラケット27で固着してある。
例えば、方立10の内面10aにブラケット27をビス27aで固着し、下横部材26の下向き凹部26aをブラケット27に嵌め合わせ、そのブラケット27と下横部材26をビス27bで固着して取付ける。
このようにすることで、ブラケット27、ビス27a,27bが下横部材26で覆われて居住空間4側から見えないようにできる。
【0036】
前記下横部材26がインナーサッシ20の下端部20aで、膳板7との間に隙間を有し、吸込口22としてある。
このようにすることで、吸込口22は左右に隣接した方立10間に亘って連続する。
【0037】
前記障子20bの下端部が下横部材26に面内方向に移動自在に支持されている。
このようにすることで、障子20bを居住空間4から簡単に開閉でき、空間部21内を居住空間4から点検できる。
【0038】
図8に示すように、前記エアー捕集体31の長手方向の両端面が左右に隣接した方立10の内面10aに接している。
前記チャンバーボックス32はエアー捕集体31よりも短い。
【0039】
図9に示すように、障子20bは閉じ位置のときに方立10の内面10aに直接又は気密材を介して接するようにしてある。
また、方立10の内面10aにはブラインドガイドレール39が取付けてある。
【0040】
図6〜図9に示すように、前記インナーサッシ20の室内側面20cとエアー捕集体31の室内側面(室内側縦板31a)を、方立10の室内側面10bとほぼ面一としてある。
このようであるから、インナーサッシ20の室内側面20c、エアー捕集体31の室内側面、方立10の室内側面ン10bを、居住空間4から見たときに、それらがほぼ面一に連続して見えるので、見栄えが良い。
【0041】
図1、図2に示す既設のカーテンウォールを前述したエアーフローカーテンウォールに改修するには、図1、図2に示す既設のカーテンウォールにおけるカーテンボックス8を取り外し、その後に残存している方立10の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20とエアーフローユニット30を取付け、排気装置23を取付ければ良い。
したがって、室内側からの工事のみによって既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに改修できる。
また、方立10の室内側にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ければ良いので、既設のカーテンウォールをエアーフローカーテンウォールに簡単に改修できる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態を図10〜図15に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部に補助方立40を、その方立10よりも室内側に張り出して取付け、この補助方立40にインナースキン、例えばインナーサッシ20、エアーフローユニット30を取付けたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状及び取付けも第1の実施の形態と同様である。
【0043】
図10と図11に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側面10bに補助方立40を、その室内側面10bよりも室内側(居住空間4側)に張り出して取付けてある。
前記補助方立40の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールのガラス12と、方立10の内面10aと補助方立40の内面40aとの間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
【0044】
このように構成すれば、空間部21の見込み(室内外側方向の寸法)を補助方立40の見込み(室内側方向の寸法)だけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0045】
次に、各部の詳細を説明する。
前記補助方立40は、図10、図11に示すようにカーテンウォールの窓部15を形成する部分に取付けてある。
例えば、補助方立40の上端面40bは天井材3よりも上方に突出して腰部14の下方寄りに位置し、下端面40cは膳板7に接している。
【0046】
このようであるから、補助方立40を室内側から方立10の室内側部に取付けできる。
例えば、図1、図2に示したカーテンボックス8を取り外すと共に、天井板3を取り外すことで補助方立40を方立10の室内側面10bに取付けできる。
【0047】
図12、図13に示すように、補助方立40の上部と下部が補助方立取付用のブラケット41で方立10の室内側面10bに固着して取付けてある。
前記方立10は図14、図15に示すように、室外側縦板10cと室内側縦板10dと一対の側面縦板10eで矩形断面の中空形状の本体部10fとガラス取付部10gを有している。
前記補助方立40は室内側縦板40dと室外側縦板40eと一対の側面縦板40fで矩形断面の中空形状で、その室外側縦板40eの上下部分を図12、図13に示すように切欠きしてある。
前記ブラケット41は取付片41aと一対の支持片41bでコ字形状で、その取付片41aを方立10の室内側縦板10dにビス41cで固着され、補助方立40の前述した切欠き部40gからブラケット41の一対の支持片41bが補助方立40の中空部内に張り出すようにし、一対の側面縦板40fと一対の支持片41bをビス41dで固着して取付ける。
【0048】
このようであるから、方立10に補助方立40を室内側から容易に取付けできる。
【0049】
前記インナーサッシ20は第1の実施の形態と同様に、上横部材24と下横部材26とに亘って一対の障子2bを面内方向に移動自在に取付けたものである。
前記上横部材24が図12に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
前記下横部材26が図13と図15に示すように、第1の実施の形態と同様にブラケット27で補助方立40の内面40aに取付けてある。
前記エアー捕集体31は図12、図14に示すように、第1の実施の形態と同様で、補助方立40の内面40aにブラケット35で固着して取付けてある。
前記チャンバーボックス32は図12、図14に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0050】
次に、本発明の第3の実施の形態を図16〜図21に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部に、左右一対の縦部材50を、その方立10よりも室内側に張り出して取付け、左右に隣接した縦部材50間にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付けたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状は第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態によれば、事前に工場で四方枠として組み立てが可能であり、施工の省力化が行える。
【0051】
図16と図17に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側面10bに左右一対の縦部材50を、その室内側面10bよりも室内側(居住空間4側)に張り出して取付けてある。
前記左右に隣接した縦部材50の室内側部に亘ってインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付け、このインナーサッシ20と既設のカーテンウォールのガラス12と、方立10の内面10aと縦部材50の内面50aとの間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
【0052】
このように構成すれば、空間部21の見込み(室内外側方向の寸法)を縦部材50の見込み(室内側方向の寸法)だけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0053】
次に、各部の詳細を説明する。
前記縦部材50は、図16、図17に示すようにカーテンウォールの窓部15を形成する部分に取付けてある。
例えば、縦部材50の上端面50bは天井材3よりも上方に突出して腰部14の下方寄りに位置し、下端面50cは膳板7に接している。
【0054】
このようであるから、縦部材50を室内側から方立10の室内側部に取付けできる。
例えば、図1、図2に示したカーテンボックス8を取り外すと共に、天井板3を取り外すことで縦部材50を方立10の室内側面10bに取付けできる。
【0055】
前記方立10の室内側面10bに縦部材取付用のブラケット51が室内側に向けて固着してあり、このブラケット51に左右一対の縦部材50が取付けてある。
このブラケット51は図20、図21に示すように、取付板52と縦板53でほぼT字形状で、その取付板52に一対の取付片52aが設けてあると共に、縦板53には左右の係止受部53aが室内外側方向に間隔を置いて複数有している。この係止受部53aは室内側に開口した溝形状である。前記取付板52が方立10の室内側面10bに接してビス52bで固着して取付けてある。
前記縦部材50は室内外方向に向かう縦板54に鉤形状の取付部55と複数の係止部56を設けたもので、その縦板54の室外側端面が方立10の室内側面10bに当接し、取付部55が取付板52の取付片52aにビス55aで固着してあると共に、各係止部56が各係止受部53aに係合している。
【0056】
このようであるから、方立10の室内側面10bにブラケット51をビス52bで固着して取付け、この後に一対の縦部材50をブラケット51にそれぞれ取付けできる。
したがって、方立10に一対の縦部材50を室内側から容易に取付けできる。
【0057】
前記インナーサッシ20は第1の実施の形態と同様に、上横部材24と下横部材26とに亘って一対の障子2bを面内方向に移動自在に取付けたものである。
前記上横部材24が図18に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
前記下横部材26が図19に示すように、第1の実施の形態と同様にブラケット27で縦部材50の内面50aに取付けてある。
前記エアー捕集体31は図18、図20に示すように、縦部材50の縦板54(内面50a)に接し、ビス57で固着して取付けてある。
前記チャンバーボックス32は図18、図20に示すように、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0058】
この実施の形態では、左右の縦部材50の内面50aにおける上部室内側寄りに間にエアー捕集体31を取付け、そのエアー捕集体30に上横部材24を取付け、左右の縦部材50の内面50aにおける下部室内側寄り間に下横部材26を取付けてサッシ枠体とし、その上横部材24と下横部材26に亘って障子20bを装着してインナーサッシ20を組み立て、左右の縦部材50を方立10の室内側面10bに固着することでインナーサッシ20を取付けるようにすることができる。
【0059】
次に、本発明の第4の実施の形態を図22〜図27に基づいて説明する。
この実施の形態は、既設のカーテンウォールの方立10の室内側部にインナースキン、例えばインナーサッシ20を上取付ブラケット60と下取付ブラケット70で取付けたことが、第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
また、インナーサッシ20、エアーフローユニット30の形状は第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態によれば、壁との取り合いで、第2の実施の形態の補助方立40、第3の実施の形態の縦部材50が取付けできない場合に対応できる。また、前記補助方立40、縦部材50、それに付随する部品が不用になり、安価に提供できる。
【0060】
図22、図23に示すように、既設カーテンウォールの方立10の室内側部に、上取付ブラケット60を、方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出して取付け、この上取付ブラケット60にインナースキン、例えばインナーサッシ20の上部、この実施の形態ではエアー捕集体31を取付ける。
前記上取付ブラケット60は腰部14と対向した位置、つまり天井裏5に位置している。
【0061】
前記既設カーテンウォールの方立10の室内側部に、下取付部ラケット70を、方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出して取付け、この下取付部ラケット70にインナースキン、例えばインナーサッシ20の下部、この実施の形態では下横部材26を取付けることで、左右に隣接した上取付ブラケット60と左右に隣接した下取付ブラケット70とに亘ってインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ける。
【0062】
このインナースキン(インナーサッシ20)と既設のカーテンウォールのガラス12との間に空間部21を形成する。
この空間部21の下部は吸込口22で室内に連通し、その空間部21の上部は排気装置23の吸込側に連通することで、その空間部21に室内の空気が流通するようにする。
この実施の形態では、空間部21の上部にエアーフローユニット30を取付け、そのエアーフローユニット30に排気装置23の吸込ダクト23bが連通している。
【0063】
このように構成すれば、空間部21の見込みを上取付ブラケット60、下取付ブラケット70の見込みだけ大きくできる。
したがって、既設のカーテンウォールの方立10の見込みが小さい場合でも、必要な見込みの空間部21を有するエアーフローカーテンウォールとすることができる。
【0064】
次に、各部の詳細を説明する。
図24と図26に示すように、前記上取付ブラケット60は縦片61と横片62で鉤形状で、その縦片61の室外側部が方立10の内面10aにおける室内側部にボルト63で固着してあり、1つの方立10の左右の内面10aに一対の上取付ブラケット60がそれぞれ取付けてある。
前記横片62の室内側部がエアー捕集体31の上横板31bにボルト・ナット64で固着され、エアー捕集体31が上取付ブラケット60で方立10に取付けてある。
【0065】
前記エアー捕集体31は第1の実施の形態と同様な断面形状で、その左右の端面に蓋32fを取付けて両端部を閉塞している。
なお、上取付ブラケット60と蓋32fを一体としても良い。
前記エアーフローユニット30のチャンバーボックス32は第1の実施の形態と同様の断面形状で、第1の実施の形態と同様にエアー捕集体31に取付けてある。
【0066】
前記下取付ブラケット70は図25と図27に示すように、室内外側方向に向かう基板71の室内側と室外側とに一側取付片72と他側取付片73を有したほぼコ字形状で、その一側取付片72が方立10の室内側面10bにボルト74で固着して取付けてある。
前記他側取付片73が方立10の室内側面10bよりも室内側に張り出し、その他側取付片73に下横部材26がボルト75で固着して取付けてある。
【0067】
前記インナーサッシ20の上横部材24は第1の実施の形態と同様の断面形状で、エアー捕集体31に第1の実施の形態と同様に取付けてある。
この実施の形態では、左右に隣接した空間部21が上取付ブラケット60と下取付ブラケット70との間で連通しているので、建物の端部において仕切り部材を設けて最も端部の空間部21の左右端を閉塞するか、建物の壁自体で閉塞するようにする。
【0068】
次に、本発明の第5の実施の形態を図28、図29に基づいて説明する。
この実施の形態は、建物躯体1の梁1aと天井材3との間のスペースが小さく、排気装置23の吸込ダクト23bを前述の梁1aと天井材3との間に配設できない場合に対応した実施の形態で、天井材3を段差を有するものとして梁1aと天井材3との間に吸込ダクト23bを配設できるようにしたことが第1の実施の形態と相違し、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0069】
図28に示すように、天井材3を、建物躯体1の梁1aと対向した室外側寄り天井材3bと室内側寄り天井材3cと段差部3dとで段差を有するものとしてある。
前記室外側寄り天井材3bは室内側寄り天井材3cよりも低く、この室外側寄り天井材3bと梁1aとの間のスペースは大きく、排気装置23の吸込ダクト23bを配設できるようにしてある。
例えば、既設のカーテンウォールの天井材が前記室内側寄り天井材3cと同一高さで、その天井材と梁1aとの間のスペースが小さい場合には、その天井材における梁1aと対向した部分のみを取り外して除去し、段差部3dを有して新しい天井材を取付けて室外側寄り天井材3bとする。
【0070】
この場合には、室外側寄り天井材3bと合わせてインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付ける。
例えば、図29に示すように、エアーフローユニット30のエアー捕集体31を、方立10の内面10aにブラケット35で取付け、そのエアー捕集体31の室内側縦板31aの下端面を室外側寄り天井材3bの下面3aと同一高さとする。
これによって、エアー捕集体31の室外側縦板31cの下端部は、無目11の下面11aよりも下方位置となるので、前述のプレート受け37aを室外側縦板31cに無目11の下面11aと高さを合わせてビス37bで固定して取付ける。
そして、このプレート受け37aにプレート37をビス37cで固定して取付け、プレート37を無目11の下面11aと同一高さとして取付ける。
【0071】
このように、プレート37をプレート受け37aを用いてエアー捕集体31の室外側縦板31cに取付けることで、そのプレート37とプレート受け37aを共通としてエアー捕集体31の取付け高さ位置が異なる場合に、そのプレート37を無目11の下面11aと同一高さとして取付けできる。
【0072】
前述の説明では、方立10にインナースキン、例えばインナーサッシ20を直接取付けしたが、前述の第2・第3・第4の実施の形態のようにして方立10にインナーサッシ20を取付けても良い。
【0073】
前述の各実施の形態は、建物躯体1を鉄製の梁1aと床スラブ1bを備えたものとしたが、建物躯体1をRC梁を有したRC納りとすることもできる。
例えば、図30に示すように、床部1cと梁部1dを有したRC梁で建物躯体1とする。
この実施の形態では、第2の実施の形態と同様に方立10に補助方立40を取付け、その補助方立40にインナースキン、例えばインナーサッシ20を取付けて空間部21を形成したが、これに限ることはなく、第1・第3・第4の実施の形態のようにして空間部21を形成することもできる。
【0074】
前述の各実施の形態においてはインナーサッシ20の障子20bを下横部材26に移動自在に支持した引き違いサッシとしてあるが、障子20bを上横部材24で移動自在に支持した上吊り式の引き違いサッシ、突き出しサッシ、内開きサッシなどとしても良いし、障子20bを開閉しないようにしても良い。
また、インナースキンはインナーサッシに限ることはなく、ロールブラインドや高気密ブラインドとしても良い。
また、インナーサッシ20を、上横部材24と下横部材26と縦部材で方形状のサッシ枠を有し、そのサッシ枠に障子を装着したものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】既設のカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】インナーサッシとエアーフローユニットの斜視図である。
【図6】図3における空間部の上部分の拡大詳細断面図である。
【図7】図3における空間部の下部分の拡大詳細断面図である。
【図8】図4のC−C拡大詳細断面図である。
【図9】図4のD−D拡大詳細断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図11】図10のE−E断面図である。
【図12】図10におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図13】図10におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図14】図11のF−F拡大詳細断面図である。
【図15】図11のG−G拡大詳細断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図17】図16のH−H断面図である。
【図18】図16におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図19】図16におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図20】図17のI−I拡大詳細断面図である。
【図21】図17のJ−J拡大詳細断面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図23】図22のK−K断面図である。
【図24】図22におけるインナーサッシの上部分の拡大詳細断面図である。
【図25】図22におけるインナーサッシの下部分の拡大詳細断面図である。
【図26】図23のL−L拡大詳細断面図である。
【図27】図23のM−M拡大詳細断面図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【図29】図28における空間部の上部分の拡大詳細断面図である。
【図30】本発明の第6の実施の形態を示すエアーフローカーテンウォールの概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1…建物躯体、2…床材、3…天井材、4…居住空間、5…天井裏、7…膳板、10…方立、10a…内面、10b…室内側面、12…ガラス(面材)、14…腰部、15…窓部、20…インナーサッシ(インナースキン)、20a…下端部、20b…障子、20c…室内側面、21…空間部、22…吸込口、23…排気装置、24…上横部材、26…下横部材、27…ブラケット、30…エアーフローユニット、31…エアー捕集体、32…チャンバーボックス、35…ブラケット、40…補助方立、40a…内面、41…ブラケット、50…縦部材、50a…内面、60…上取付ブラケット、70…下取付ブラケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設のカーテンウォールの左右に隣接した方立間における居住空間と対向した部分にインナースキンを取付け、
このインナースキンと前記既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を構成し、
この空間部の下部を居住空間に連通し、
前記空間部の上部を排気装置の吸込側に連通したことを特徴とするエアーフローカーテンウォール。
【請求項2】
前記空間部の上部に、その空間部に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体と、このエアー捕集体内に捕集した空気が流れ込むチャンバーボックスを備えたエアーフローユニットを取付け、
このチャンバーボックスに排気装置の吸込側を連通した請求項1記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項3】
前記インナースキンを、開閉自在な障子を有したインナーサッシとし、このインナーサッシの上部を前記エアー捕集体に取付けた請求項2記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項4】
前記左右に隣接した方立の室内側部にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項5】
前記既設のカーテンウォールの方立の室内側部に補助方立を、その方立よりも室内側に張り出して取付け、
この左右に隣接した補助方立間にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と補助方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項6】
既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、左右の縦部材を、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記左右に隣接した縦部材間に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記方立の内面と縦部材の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項7】
既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、上取付ブラケットと下取付ブラケットを、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記上取付ブラケットにインナースキンの上部を取付け、このインナースキンの下部を前記下取付ブラケットに取付け、
このインナースキンと既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項8】
既設のカーテンウォールの方立における面材よりも室内側寄りで居住空間と対向した部分に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記面材との間に空間部を形成し、
前記空間部の下部を前記居住空間に連通すると共に、その空間部の上部を排気装置の吸込側に連通してエアーフローカーテンウォールとすることを特徴とするカーテンウォールの改修方法。
【請求項1】
既設のカーテンウォールの左右に隣接した方立間における居住空間と対向した部分にインナースキンを取付け、
このインナースキンと前記既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を構成し、
この空間部の下部を居住空間に連通し、
前記空間部の上部を排気装置の吸込側に連通したことを特徴とするエアーフローカーテンウォール。
【請求項2】
前記空間部の上部に、その空間部に沿って流れた空気を捕集するエアー捕集体と、このエアー捕集体内に捕集した空気が流れ込むチャンバーボックスを備えたエアーフローユニットを取付け、
このチャンバーボックスに排気装置の吸込側を連通した請求項1記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項3】
前記インナースキンを、開閉自在な障子を有したインナーサッシとし、このインナーサッシの上部を前記エアー捕集体に取付けた請求項2記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項4】
前記左右に隣接した方立の室内側部にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項5】
前記既設のカーテンウォールの方立の室内側部に補助方立を、その方立よりも室内側に張り出して取付け、
この左右に隣接した補助方立間にインナースキンを取付け、このインナースキンと前記方立の内面と補助方立の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項6】
既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、左右の縦部材を、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記左右に隣接した縦部材間に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記方立の内面と縦部材の内面と既設のカーテンウォールの面材とで空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項7】
既設のカーテンウォールの方立の室内側部に、上取付ブラケットと下取付ブラケットを、その方立よりも室内側に張り出してそれぞれ取付け、
前記上取付ブラケットにインナースキンの上部を取付け、このインナースキンの下部を前記下取付ブラケットに取付け、
このインナースキンと既設のカーテンウォールの面材との間に空間部を形成した請求項1又は2又は3記載のエアーフローカーテンウォール。
【請求項8】
既設のカーテンウォールの方立における面材よりも室内側寄りで居住空間と対向した部分に、インナースキンを取付け、
このインナースキンと前記面材との間に空間部を形成し、
前記空間部の下部を前記居住空間に連通すると共に、その空間部の上部を排気装置の吸込側に連通してエアーフローカーテンウォールとすることを特徴とするカーテンウォールの改修方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−144475(P2010−144475A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325608(P2008−325608)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000227618)日比谷総合設備株式会社 (13)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000227618)日比谷総合設備株式会社 (13)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】
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