説明

エコー画像表示装置、エコー画像表示方法、およびエコー画像表示プログラム

【課題】表示する情報量を向上させたエコー画像表示装置を提供する。
【解決手段】制御部19は、表示部の表示領域の一部に設定された所定領域の分解能を変更する。分解能を変更するには、例えば、所定領域内における電磁波の所定方位あたりの発射回数を変更する手法がある。この場合、制御部19は、送信部10に対し、指定された拡大領域502に対応する方位について、所定時間あたりの送信信号の出力回数を増加させる指示を行う。仮にレーダ画面上の全ての領域の分解能を向上させると、データ量が増大することになるが、本実施形態では、分解能を向上させる領域を表示領域の一部に絞り込むことで、データ量を抑え、装置の負荷を低減する態様としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発射した電磁波のエコー信号に基づいてエコー画像を表示するエコー画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置では、エコー画像を表示する画面上に、通常画像と、物標の存在する部分を拡大した拡大画像とを同時に表示するものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−296341
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の拡大画像は、通常画像が拡大されて表示されるだけであり、解像度等は変化せず、情報量としては通常画像と変らないものであった。
【0005】
そこで、この発明は、表示するエコー画像の情報量を向上させたエコー画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエコー画像表示装置は、アンテナと、エコー信号入力部と、エコー信号レベル検出部と、画像データ生成部と、表示部と、分解能変更部と、を備えている。アンテナは、電磁波を発射し、物標で反射されたエコー信号を受信する。エコー信号入力部は、アンテナからエコー信号を入力する。エコー信号レベル検出部は、アンテナからの距離と方位に対応させてエコー信号のそれぞれのレベルを検出する。画像データ生成部は、エコー信号のレベルに基づいて画像データを生成する。表示部は、画像データの表示を行う。そして、データ量変更部は、表示部の表示領域の一部に設定された所定領域のデータ量の割合を変更することで表示するエコー画像の情報量を向上させる。画像データのデータ量の割合を変更するには、例えば、所定領域内における電磁波の所定方位あたりの発射回数を変更する手法、所定領域内におけるエコー信号のサンプリングレートを変更する手法、所定領域内における画像データを補間する手法等が用いられる。本発明では、情報量を向上させる領域を表示領域の一部に絞り込むことで、装置の負荷を低減する態様としている。
【0007】
また、データ量の割合変更後の画像データ(高分解能画像)と、データ量の割合変更前の画像データ(通常画像)と、を両方表示する場合、例えば上記所定領域の画像データを一時記憶する画像メモリを備え、画像データ生成部は、画像メモリに記憶されている所定領域の画像データを平均化し、当該所定領域内の割合変更前の画像データを生成すればよい。例えば、通常画像の1画素に対して同じ位置の高分解能画像が4×4の16画素分の画像データから構成されている場合、これら16画素の画像データを平均して通常画像の画像データとする。
【0008】
また、レーダ装置においては、1スキャン前のエコー信号との相関処理(重み付け加算等)を行うスキャン相関処理を行う場合があるが、所定領域の高分解能画像同士のスキャン相関を行うと、より高精度なスキャン相関処理を行うことができる。
【0009】
さらに、高分解能画像と通常画像の両方を表示する場合、通常画像については、1スキャン前の通常画像の画像データと、高分解能画像の今回のスキャンの画像データとの相関処理を行い、通常画像の画像データを更新する。このとき、通常画像のスキャン相関処理では、1スキャン前のエコー信号(通常画像に対応するもの)の重み付けを高分解能画像同士のスキャン相関処理よりも大きくすることが望ましい。
【0010】
なお、スキャン相関では、複数のスキャンにおいて自船の位置が異なることがあるが、移動速度の増加にともなって、1スキャン前のエコー信号の重み付けを大きくすれば(新たなスキャンの寄与率を下げれば)、スキャン間で位置が異なることによる影響を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明のエコー画像表示装置によれば、表示する情報量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(A)は、本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1(B)は表示器に表示されるエコー画像の例を示す図である。
【図2】所定方位あたりの発射回数を変更する手法を示す図である。
【図3】エコー信号のサンプリングレートを変更する手法を示す図である。
【図4】画像データを補間する手法を示す図である。
【図5】標準画像メモリと拡大画像メモリとの関係を示す図である。
【図6】スキャン相関処理を行う場合のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図7(A)は、拡大画像でスキャン相関処理を行う場合の例を示す図であり、図7(B)は拡大画像および標準画像のそれぞれにおいてスキャン相関処理を行う場合の例を示す図である。
【図8】自船の移動に伴う拡大領域の変化を示す図である。
【図9】レーダ装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(A)は、本発明のエコー画像表示装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。
【0014】
図1(A)において、レーダ装置は、送信部10、アンテナ11、受信部12、A/D変換器13、スイープメモリ14、画像変換部15、画像メモリ16、表示器17、操作部18、制御部19、および画像処理部20を備えている。
【0015】
レーダ装置は、送信部10から出力された送信信号に応じてアンテナ11から電磁波を発射する。電磁波は、自船の周囲の各方位に発射される。外部からのエコー信号は、アンテナ11で受信され、受信部12に導かれる。
【0016】
受信部12は、アンテナ11で受信したエコー信号のレベルに応じた値をA/D変換器13に出力する。A/D変換器13は、入力されたアナログ値のエコー信号をデジタル変換し、測定データとしてスイープメモリ14に出力する。
【0017】
スイープメモリ14は、測定1周期分(自船の周り360度分)の測定データを記憶する。各測定データは、極座標系の方位および距離と対応付けられたサンプルデータ(スイープデータ)として記憶される。
【0018】
画像変換部15は、スイープメモリ14からスイープデータを入力し、自船の位置を原点とした直交座標系に変換して、各スイープデータのレベルに応じた階調の画素輝度値として出力する。この直交座標系の画素輝度値が画像データとして画像メモリ16に記憶される。
【0019】
表示器17は、画像メモリ16に記憶されている画像データを読み出し、同図(B)に示すようなエコー画像を表示する。例えば、同図(B)に示すように、自船501の前方右側に物標が存在し、この物標の存在する方位および距離で、高レベルのエコー信号が受信されるため、高輝度値(同図では黒色)のエコー画像(標準画像50)を表示する。
【0020】
ここで、本実施形態のレーダ装置では、表示器17の表示領域の一部に拡大領域502を設定し、設定された拡大領域502におけるエコー画像を拡大した拡大ウインドウ503を表示する。この結果、標準画像50が拡大され、拡大ウインドウ503に拡大画像51が表示される。
【0021】
このため、画像メモリ16には、表示領域に表示される標準画像用の画像データが記憶されるメモリ領域(標準画像メモリ)161と、拡大画像用の画像データが記憶されるメモリ領域(拡大画像メモリ)162が確保されている。
【0022】
拡大画像メモリ162に記憶される画像データは、標準画像メモリ161に記憶される画像データよりもデータ量の割合(同じ表示面積あたりのデータ量)が多く、高い分解能(解像度)を有する。例えば、拡大画像データは、標準画像データの1画素に対して、4×4の16画素分の画像データから構成されている。レーダ装置は、この様な拡大画像データを生成するために、以下の様な手法を用いる。
【0023】
(1)所定方位あたりの発射回数を変更する手法
図2は、所定方位あたりの電磁波の発射回数を変更する手法を示す図である。この例では、同図(A)に示すように、自船501の前方右側に物標が存在し、この物標に対応するエコー画像(標準画像50)を拡大するために、標準画像50を含む矩形状の拡大領域502が指定されている。拡大領域502の指定は、ユーザが操作部18を用いてキー入力等により行われるが、レーダ装置が物標を検知して、検知した物標に対応する領域に自動的に指定されるように構成してもよい。
【0024】
制御部19は、送信部10に対し、指定された拡大領域502に対応する方位について、所定時間あたりの送信信号の出力回数を増加させる指示を行う。これにより、拡大領域502に対応する方位について所定方位あたりの電磁波発射回数が増加することになる。同図(A)の例では、拡大領域502に対応する方位について、電磁波を4回発射し、4本のスイープデータがスイープメモリ14に記憶される状態であったが、拡大領域に対応する方位について所定方位あたりの電磁波発射回数を2倍とした結果、同図(B)に示すように、7本のスイープデータがスイープメモリ14に記憶される状態となっている。
【0025】
したがって、拡大画像メモリ162に記憶される拡大画像51の画像データは、標準画像メモリ161に記憶されている画像データに対して、同じ位置(拡大領域502に対応する位置)の方位方向の分解能が向上した状態で記憶されることになる。つまり、拡大ウインドウ503に表示される拡大画像51は、方位方向の解像度が向上した画像として表示されることになる。なお、発射回数を増やすと、電磁波発射間隔(受信区間)が短くなり、探知レンジが短くなる可能性もあるが、例えばアンテナの回転速度を落としたり、送信信号を周波数変調する場合は、この変調方式を送信毎に変更することで、それぞれの送信信号に対するエコー信号を区別したりすることにより、探知レンジを変更しないようにすることも可能である。
【0026】
(2)エコー信号のサンプリングレートを変更する手法
図3は、エコー信号のサンプリングレートを変更する手法を示す図である。この例においても、同図(A)に示すように、自船501の前方右側に物標が存在し、この物標に対応するエコー画像(標準画像50)を拡大するために、標準画像50を含む矩形状の拡大領域502が指定されている。
【0027】
制御部19は、A/D変換器13に対し、指定された拡大領域502に対応する方位および距離について、サンプリングレートを高くする指示を行う。これにより、拡大領域502に対応する各方位について距離方向のサンプルデータの数が増加することになる。同図(A)の例では、拡大領域502に対応する各方位のスイープデータについて、それぞれ5サンプルのデータが含まれ、合計で20サンプルのデータが含まれている状態であったが、同図(B)に示すように、拡大領域に対応する方位および距離についてサンプリングレートを2倍とした結果、それぞれのスイープデータについて9サンプルのデータが含まれることになり、合計で36サンプルのデータが含まれる状態となっている。
【0028】
したがって、拡大画像メモリ162に記憶される拡大画像51の画像データは、標準画像メモリ161に記憶されている画像データに対して、同じ位置(拡大領域502に対応する位置)の距離方向の分解能が向上した状態で記憶されることになる。つまり、拡大ウインドウ503に表示される拡大画像51は、距離方向の解像度が向上した画像として表示されることになる。
【0029】
(3)画像データを補間する手法
図4は、画像データを補間する手法を示す図である。この例においても、同図(A)に示すように、自船501の前方右側に物標が存在し、この物標に対応するエコー画像(標準画像50)を拡大するために、標準画像50を含む矩形状の拡大領域502が指定されている。
【0030】
制御部19は、画像処理部20に対し、指定された拡大領域502に対応する画像データの補間処理を行うように指示する。補間処理は、例えば距離方向および方位方向に隣り合う画素どうしの平均値を算出し、この平均値を隣り合う画素間の新規画素に対応する画像データとして生成する処理である。これにより、拡大領域502に対応する画像データのデータ数が増加することになる。したがって、拡大ウインドウ503に表示される拡大画像51は、距離方向にも方位方向にも解像度が向上した画像として表示されることになる。
【0031】
以上の様に、本実施形態のレーダ装置は、レーダ画面上の一部領域(指定された拡大領域502)の分解能を向上させて拡大画像として表示するため、ユーザが得られる情報量を向上させることができる。また、この領域において物標の種類を検知する(大型船や小型船、ブイ等の判別を行う)場合、この検知精度が向上することになる。なお、仮にレーダ画面上の全ての領域の分解能を向上させると、データ量が増大することになるが、本実施形態では、分解能を向上させる領域を表示領域の一部に絞り込むことで、データ量を抑え、装置の負荷を低減する態様としている。
【0032】
なお、上述の(1)、(2)、(3)の手法は、いずれか1つを用いることも可能であるし、これらを組み合わせることも可能である。
【0033】
図9は、上述したレーダ装置の動作を示すフローチャートである。まず、レーダ装置は、送信部10から出力された送信信号に応じてアンテナ11から電磁波を発射し、エコー信号をアンテナ11で受信する(s11)。そして、受信部12は、アンテナ11で受信したエコー信号を入力し(s12)、エコー信号のレベルに応じた値を出力するレベル検出処理を行う(s13)。このエコー信号のレベルに応じた値は、A/D変換器13でデジタル変換され、スイープメモリ14に記憶される。
【0034】
その後、画像変換部15は、スイープメモリ14からスイープデータを入力し、自船の位置を原点とした直交座標系に変換して、各スイープデータのレベルに応じた階調の画素輝度値として出力する(s14)。表示器17は、画像メモリ16に記憶されている画像データを読み出し、エコー画像を表示する(s15)。
【0035】
そして、制御部19は、操作部18から拡大領域502が設定された場合(s16)、この設定された領域について、データ量の変更処理を行う(s17)。データ量の変更処理は、上述の様に、設定された拡大領域502における所定方位あたりの発射回数を変更する手法、エコー信号のサンプリングレートを変更する手法、画像データを補間する手法、の少なくとも1つが用いられる。このデータ量変更処理によって、拡大画像メモリ162が更新され(s18)、以後は、エコー画像を拡大した拡大ウインドウ503を表示し、拡大画像51が表示される(s19)。
【0036】
次に、画像処理部20のその他の処理について説明する。上記のような標準画像50と、拡大画像51とを両方表示する場合、拡大領域が指定されると、当該指定された領域については、その後に入力されるスイープデータのエコー信号の分解能が変更された状態となり、拡大画像メモリ162の画像データが更新され、このままでは標準画像メモリ161における指定された領域の画像データを更新できない状態となる。そこで、図5に示すように、画像処理部20は、拡大画像メモリ162から、指定された領域における画像データを読み出し、複数の画素の画像データを平均化し、分解能変更前の画像データを生成する。例えば、同図に示すように、標準画像の1画素に対して同じ位置の拡大画像(高分解能画像)が4×4の16画素分の画像データから構成されている場合、これら16画素の画像データを平均して標準画像の画像データとする。
【0037】
次に、スキャン相関処理を行う場合のレーダ装置の構成、動作について説明する。図6は、スキャンスキャン相関処理を行う場合のレーダ装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と共通する構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0038】
同図のレーダ装置では、相関処理部21を備えている。相関処理部21は、画像変換部15から入力される最新のスキャンにおける画像データと、出力側の画像メモリ16から読み出される1スキャン前(スキャン相関処理後)の画像データとの相関(ほぼ同じ位置での観測信号として観測されたエコー信号同士の重み付け加算)を求め、今回のスキャン相関処理後のデータを算出して、画像メモリ16へ出力する。
【0039】
すなわち、相関処理部21は、画像変換部15から入力された画像データをある係数(例えば1−α)で重み付けを行い、画像メモリ16から読み出される画像データをある計数(例えばα)で重み付けを行い、加算することにより画像メモリ16の各画素の画像データを更新する。
【0040】
相関処理部21は、分解能を変更していない領域については、入力された画像データと標準画像メモリ161から読み出される標準画像データとの相関を求める。一方、相関処理部21は、図7(A)に示すように、分解能を変更した領域について、新たに入力される画像データと、拡大画像メモリ162から読み出される拡大画像データとのを求める。例えば、新たに入力される画像データの重み付け係数を1−αとし、拡大画像メモリ162から読み出される拡大画像データの重み付け係数をαとして、重み付け加算を行う。これにより、分解能を変更した領域についてはより高精度なスキャン相関処理を行うことができる。なお、分解能を変更した領域については、拡大画像データについて重み付け加算した後の画像データを用いて、上述のように16画素の画像データを平均して標準画像のスキャン相関処理後の画像データを生成する。
【0041】
また、相関処理部21は、同図(B)に示す様な処理を行ってもよい。すなわち、相関処理部21は、標準画像データについては、標準画像メモリ161に記憶されている1スキャン前の画像データと、画像変換部15から入力される高分解能の画像データを今回のスキャンの画像データとして重み付け加算を行う。このとき、相関処理部21は、新たに入力される画像データの重み付け係数を小さくする。例えばβ=16・α(β>α)として、標準画像データ(1スキャン前のエコー信号に対応するもの)の重み付け係数1−βを高分解能画像データのスキャン相関処理における重み付け係数1−αよりも小さくすることが望ましい。
【0042】
なお、スキャン相関処理では、自船の移動に伴い、複数のスキャンにおいて自船の位置が異なることがある。この場合、高分解能の画像データ同士の重み付け加算を行うとすると、一方の画像データ(新たに入力される画像データ)については高分解能領域を外れ、高分解能の画像データと標準分解能の画像データとの重み付け加算を行うことになる場合がある。そこで、自船の移動速度を検出するセンサ(不図示)を設け、相関処理部21は、移動速度の増加にともなって、新たに入力される画像データの重み付け係数を0に近づける(αの値を大きくする)ことにより、スキャン間で位置が異なることによる影響を小さくすることができる。ただし、分解能変更領域において位置ずれが生じるのは、図8(A)に示すように、自船に対する相対的な位置が固定されて指定されている場合である。同図(B)に示すように分解能変更領域が絶対的な位置として指定されている場合、複数のスキャンにおいて分解能が異なる画像データが入力されることはない。また、標準分解能の画像データについては、絶対位置での相関処理が行われる。
【0043】
なお、本実施形態においては、拡大画像を別ウインドウとして表示する態様であるが、指定領域内の標準分解能の画像を高分解能の画像に置き換える態様であってもよい。この場合、指定領域については標準分解能の画像を表示する必要がないため、指定領域の標準画像データについては標準画像メモリに保持しておく必要がなくなる。
【0044】
なお、拡大画像メモリのデータ容量分だけ、標準画像メモリの容量を小さくすることにより、全体としてのメモリ容量を変更しないように構成する態様も可能である。例えば、レーダ装置において物標が存在しない(例えばエコー信号のレベルが低く、ノイズレベルと同等である)と判定した方位や距離については、標準画像メモリに標準分解能の画像データを保持せず(画像データを削除する)、画像メモリ全体の空き容量を確保することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…送信部
11…アンテナ
12…受信部
13…A/D変換器
14…スイープメモリ
15…画像変換部
16…画像メモリ
17…表示器
18…操作部
19…制御部
20…画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を発射し、物標で反射されたエコー信号を受信するアンテナと、
前記アンテナから前記エコー信号を入力するエコー信号入力部と、
前記アンテナからの距離と方位に対応させて前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するエコー信号レベル検出部と、
前記エコー信号のレベルに基づいて画像データを生成する画像データ生成部と、
前記画像データの表示を行う表示部と、
を備えたエコー画像表示装置であって、
前記表示部の表示領域の一部に設定された所定領域のデータ量の割合を他の領域と異なる割合に変更するデータ量変更部を備えたことを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエコー画像表示装置において、
前記データ量変更部は、前記所定領域内における前記電磁波の所定方位あたりの発射回数を変更することで前記データ量の割合を変更することを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエコー画像表示装置において、
前記データ量変更部は、前記所定領域内における前記エコー信号のサンプリングレートを変更することで前記データ量の割合を変更することを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエコー画像表示装置において、
前記データ量変更部は、前記所定領域内における前記画像データを補間することで前記分解能を変更することを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエコー画像表示装置において、
前記所定領域の画像データを一時記憶する画像メモリを備え、
前記画像データ生成部は、前記画像メモリに記憶されている前記所定領域の画像データを平均化し、当該所定領域内のデータ量の割合変更前の画像データを生成し、
前記表示部は、前記データ量の割合変更前の画像データの表示を行うことを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のエコー画像表示装置において、
複数方位のエコー信号を1スキャンとして、複数スキャンのエコー信号の相関を求めるスキャン相関処理を行う相関処理部を備えたことを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエコー画像表示装置において、
前記所定領域のデータ量の割合変更後の画像データ、および前記所定領域のデータ量の割合変更前の画像データを一時記憶する画像メモリと、
前記画像メモリに記憶されている前記データ量の割合変更後の画像データを過去のスキャンのエコー信号として、前記複数スキャンのエコー信号の相関を求め、前記データ量の割合変更後の画像データを更新する第1の相関処理を実行するとともに、
前記画像メモリに記憶されている前記データ量の割合変更前の画像データを過去のスキャンのエコー信号として、前記複数スキャンのエコー信号の相関を求め、前記データ量の割合変更前の画像データを更新する第2の相関処理を実行する相関処理部と、
を備えたエコー画像表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載のエコー画像表示装置において、
前記相関処理部は、前記第2の相関処理における過去のスキャンのエコー信号の重み付けを、前記第1の相関処理における過去のスキャンのエコー信号の重み付けよりも大きくして相関を求めることを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のエコー画像表示装置において、
前記エコー画像表示装置が搭載される船舶の移動速度を検出する移動速度検出部を備え、
前記相関処理部は、前記移動速度の増加にともなって、過去のスキャンのエコー信号の重み付けを大きくすることを特徴とするエコー画像表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のエコー画像表示装置を内蔵したことを特徴とするレーダ装置。
【請求項11】
アンテナから電磁波を発射し、物標で反射されたエコー信号を受信するステップと、
前記アンテナから前記エコー信号を入力するステップと、
前記アンテナからの距離と方位に対応させて前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するステップと、
前記エコー信号のレベルに基づいて画像データを生成するステップと、
前記画像データを表示部に表示するステップと、
を備えたエコー画像表示方法において、
前記表示部の表示領域の一部に設定された所定領域のデータ量の割合を他の領域と異なる割合に変更するデータ量変更ステップを備えたことを特徴とするエコー画像表示方法。
【請求項12】
アンテナから電磁波を発射し、物標で反射されたエコー信号を受信するステップと、
前記アンテナから前記エコー信号を入力するステップと、
前記アンテナからの距離と方位に対応させて前記エコー信号のそれぞれのレベルを検出するステップと、
前記エコー信号のレベルに基づいて画像データを生成するステップと、
前記画像データを表示部に表示するステップと、
をコンピュータに実行させるエコー画像表示プログラムにおいて、
前記表示部の表示領域の一部に設定された所定領域のデータ量の割合を他の領域と異なる割合に変更するデータ量変更ステップを実行させることを特徴とするエコー画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−112674(P2012−112674A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259369(P2010−259369)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】