説明

エコ照明体及びエコ照明体を利用したエコ照明装置

【課題】LEDの光と太陽光とを合体させて発光するエコ照明体を利用して、太陽光を人工照明で補完するのではなく人工照明を太陽光で補完して時間や天候に左右されず安定した明かりを提供することができるエコ照明体とこのエコ照明体を利用したエコ照明装置を提供すること
【解決手段】エコ照明体1は導光性を有する導光体2と、LED3と光ファイバー4とで構成され、上記導光体2の両端面には上記LED3を配設するとともに、太陽光を上記導光体2に導入する上記光ファイバー4の一端をそれぞれ取り付け、上記導光体2の上側面には上記LED3の発光及び光ファイバー4で導入された太陽光を下側面から放射させる反射膜6を形成した

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を利用して省電力を図るエコ照明体及びこのエコ照明体を利用して省電力を図るエコ照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光を利用した省電力の照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この照明装置は、太陽に対し追尾駆動されて太陽光を屋内へと採光する採光手段と、この採光手段の駆動電源となる太陽電池と、この太陽電池で得られた電力を蓄える蓄電池とを備え、簡易照明の光源となるLEDと、該LEDを夜間に蓄電池の余剰電力で発光させる制御手段とを設けたもので、太陽光が利用できる昼間は太陽光を取り込み、太陽光の利用できない夜間は蓄電池を利用して省電力のLEDの発光により夜間の足元照明や消灯時の誘導照明、ムードランプ程度の簡易照明を行うことができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−184913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、太陽光は時間や天候によってその明るさが変る為に一定の明るさを保つことはできないし、太陽光だけでは明るさが足りない問題もあった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、LEDの光と太陽光とを合体させて発光するエコ照明体と、このエコ照明体を利用して太陽光を人工照明で補完するのではなく人工照明を太陽光で補完して時間や天候に左右されず所定の照度が得られるとともに省電力を図ることができるエコ照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係るエコ照明体は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記エコ照明体は導光性を有する導光体と、LEDと光ファイバーとで構成され、上記導光体の両端面にはLEDを配設するとともに、太陽光を上記導光体に導入する光ファイバーの一端をそれぞれ取り付けたこと
(ロ)上記導光体の上側面には反射膜を形成し、上記LEDの発光及び光ファイバーで導入された太陽光を導光体内で拡散させるとともに下側面から放射させ、導光体を面光源として発光させること
【0007】
また、本発明に係るエコ照明装置は、前記請求項1記載のエコ照明体を利用した、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)前記エコ照明体に取り付けた光ファイバーは、その終端が屋外に配置された集光装置から太陽光を伝送する光ファイバーケーブルに接続されていること
(ロ)上記装置本体には、上記エコ照明体から放射される光の明るさを検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいて前記LEDの駆動電流を制御する制御手段とを設けたこと
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、導光体の両端面にそれぞれLEDと光ファイバーを取り付けたので、太陽の自然光と人工照明とを合体させることができるので、省エネルギーのエコ照明体を実現することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、集光装置で集光した太陽光を、LEDの発光による人工照明と合体させ、太陽光が十分に利用できるときはLEDの駆動電流を少なくし、太陽光が利用できないときはLEDの駆動電流を大きくして、昼夜、天候を問わず自然光を最大限利用した省エネルギーを図ることができるエコ照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)(b)は本発明に係る、エコ照明体の平面側斜視図及び底面側斜視図
【図2】上記エコ照明体を適用した照明器具の一例を説明する斜視図
【図3】本発明に係るエコ照明装置の構成を示す説明図
【図4】上記エコ照明装置の電気的構成を説明するブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1(a)(b)は、本発明に係るエコ照明体1の一例を示す平面側斜視図及び底面側斜視図を示し、このエコ照明体1は、透明な導光性を有する素材(例えば、アクリル樹脂)を、図1(a)に示すように、側面視円形に形成した導光体2の両端面2aにLED3(好ましくは、平面実装型のLED)を発光面が導光体2にそれぞれ密着するように接着剤などの適宜手段で固定するとともに、糸状の細い光ファイバー4の端部4aを端面2aに形成された嵌合凹部5にそれぞれ嵌め込んで接着剤で固定し、上側面2bは白色の塗料を塗布または印刷して反射膜6を形成し、LED3の光と光ファイバー4で導かれた太陽光の両方の光を反射膜3で反射させて下側面2cの発光面7から放射するようにしたものである(図1(b)参照)。
【0012】
なお、上記光ファイバー4は端部4aの端面を導光体2の端面2aに接着剤で面接着をしてもよいし、熱溶着をしてもよい。また、上記導光体2は、上側面2bを曲面状、下側面2cを平面状にして略カマボコ状に形成したものでも構わない。
【0013】
上記構成のエコ照明体1によれば、光ファイバー4で導かれた太陽光からなる自然光とLED3の発光による人工照明との二つの光源を用いて導光体2を発光させることができるので、光ファイバー4の先端が点で発光する光源が導光体2の中でLED3の光と相互干渉して均一化され、反射膜6で反射されて発光面から照射されるので点光源が面光源に変換されるエコ照明体を実現することができる。
【0014】
また、図2は上記エコ照明体1を適用した照明器具10の一例を示し、この照明器具10は多数のエコ照明体1を透明な管状の容器11内に並べて配置し、エコ照明体1を発光させることにより照明器具10が帯状に発光するようにしたもので、全体として従来の蛍光管と同様の形状をなすように構成したもので、束ねられた光ファイバー4は両端から引き出され、LED3にはコネクタ12に差し込んだ図示しないプラグから駆動電流が印加されるようになっていればよい。
【0015】
次に、上記エコ照明体1を利用したエコ照明装置Aについて説明する。このエコ照明装置Aは、図3に示すように、建物の中に配置され、エコ照明体1で構成された照明器具10を備えた照明装置20と、建物の外に配置され太陽光を集光する集光装置30とで構成され、集光装置30で集光された太陽光は光ファイバーケーブル31を通して照明装置20に導かれ、上述したエコ照明体1のLED3の点灯による光を太陽光で補完するようにしたものである。
【0016】
上記エコ照明体1に取り付けられた光ファイバー4は束ねられ、最終的には屋外に配置された集光装置30に導かれるが、照明装置20と集光装置30との間には接続器32を配置し、照明装置20から引き出された光ファイバー4は接続器32で集光装置30からの光ファイバーケーブル31と接続されていればよい。
【0017】
集光装置30は建物の南側の屋根など、太陽光があたる場所に配置され、太陽光は集光レンズで集光され、光ファイバーケーブル31に導入されるようになっている。
【0018】
図4は、エコ照明装置Aの構成を説明するブロック図を示し、このエコ照明装置AはAC電源21を直流電源に変換するDCスイッチング電源22と、照明器具10から照射される光の照度を検出する検出手段であるフォトセンサ23と、フォトセンサ23の出力信号に基づいて調光信号を作成しLEDの駆動電流を制御する制御手段である調光回路24と、調光回路24の調光信号に基づいてLED3に流れる電流を変化させてLED3を点灯させるLEDドライバー回路25とで構成され、光ファイバー4で導かれた太陽光の明るさの変動による照明器具10の照度の変動をセンサ23で検出し、検出結果に基づいてLED3の調光をすることにより常に一定の照度が得られるようにしたものである。
【0019】
上記構成のエコ照明装置Aは、集光装置30で集光された太陽光は光ファイバーグラス31を通して接続器32まで伝送され、接続器32内で照明器具10から引き出された光ファイバー4に伝導され、光ファイバー4に伝導された太陽光はエコ照明体1に伝送され、エコ照明体1内に導入された太陽光は、LED3の発光とともに反射膜6で反射されて発光面7から照射されるが、発光面7から照射される光の照度はフォトセンサ23で検出され、検出した結果は調光回路24で所定の照度か否かが判断され、照度が所定の照度に達していなければLED3を駆動する駆動電流を大きくする調光信号をLEDドライバー回路25に入力し、照度が所定の照度と略等しければ、LED3を駆動する駆動電流を現状維持または小さくする調光信号をLEDドライバー回路25に入力し、LED3の光の強弱を調整するようになっている。
【0020】
上述したように、照明器具10の明るさを判断し、太陽光が充分利用できる状態であればLED3を駆動する電流を極力小さくし、太陽光が充分利用できないときはLED3の駆動電流を増加し、夜間や曇りなどで太陽光を利用できない場合はLED3の駆動電流をさらに増加して、常に一定の照度が得られるようにしたので、太陽光が利用できる場合はLED3の駆動電流を小さくし、太陽光が利用できない場合は所定の照度が得られるように駆動電流を制御したので、LED3による人工照明を太陽光で補完して時間や天候に左右されず所定の照度が得られるとともに省電力を図ることができる環境に優しいエコ照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 エコ照明体
2 導光体
3 LED
4 光ファイバー
10 照明器具
20 照明装置
30 集光装置
A エコ照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とするエコ照明体。
(イ)上記エコ照明体は導光性を有する導光体と、LEDと光ファイバーとで構成され、上記導光体の両端面にはLEDを配設するとともに、太陽光を上記導光体に導入する光ファイバーの一端をそれぞれ取り付けたこと
(ロ)上記導光体の上側面には反射膜を形成し、上記LEDの発光及び光ファイバーで導入された太陽光を導光体内で拡散させるとともに下側面から放射させ、導光体を面光源として発光させること
【請求項2】
前記請求項1記載のエコ照明体を利用した、以下の要件を備えることを特徴とするエコ照明装置。
(イ)前記エコ照明体に取り付けた光ファイバーは、その終端が屋外に配置された集光装置から太陽光を伝送する光ファイバーケーブルに接続されていること
(ロ)上記装置本体には、上記エコ照明体から放射される光の明るさを検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいて前記LEDの駆動電流を制御する制御手段とを設けたこと

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−187383(P2011−187383A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53602(P2010−53602)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(594051046)株式会社栗原工業 (13)
【Fターム(参考)】