説明

エステル、アクリルポリマー、シクロデキストリン、および界面活性剤を含有する化粧品組成物、ならびにその使用

【課題】真珠光沢外観を有し同時に所望の美観および化粧特性を有する、ケラチン物質を処置するための化粧品組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、化粧品として許容できる水性媒体中、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールの少なくとも1つの液体エステル、少なくとも1つのシクロデキストリンまたはその誘導体、および少なくとも1つのアクリル系増粘性ポリマーを含む組成物に関する。本発明は、少なくとも1つのコンディショニング剤も含む組成物にも関する。本発明による組成物は、具体的にはシャンプーとして使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品として許容できる媒体中に、少なくとも1つのシクロデキストリン、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの特定脂肪酸エステル、および少なくとも1つのアクリル系増粘性ポリマーを含む、(局所的使用のための)化粧品組成物に関する。本発明はまた、少なくとも1つのコンディショニング剤も含む組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
大気作用剤の作用、または染色、脱色、および/もしくはパーマネントウェービングなどのような機械的もしくは化学的な処置により様々な程度に感作された(すなわち、損傷しかつ/または脆化された)毛髪は、もつれを解き、整髪することが困難である場合が多く、柔らかさに欠けることは周知である。
【0003】
毛髪のもつれを解くことが容易になり、毛髪に柔らかさ、光沢、およびしなやかさを与えるためには、毛髪などのようなケラチン物質を洗浄または手入れするための組成物において、コンディショニング剤、特に不溶性コンディショニング剤を使用することが既に推奨されている。
【0004】
しかし、ある種のコンディショニング剤、例えばシリコーンまたはオイルは不溶性であることを考えれば、組成物の粘度、ならびに洗浄および気泡特性を低下させることなく、媒体中でコンディショニング剤の均一な分散を維持することが求められる。処置されたケラチン物質に、用途に応じて柔らかさ、光沢、およびもつれの解き特性を与えるために、コンディショニング剤、特にシリコーンまたはオイルを、処置されたケラチン物質に送搬しなければならない。
【0005】
虹色のモアレまたは金属化された外観または効果を有する製品、具体的には化粧品は、その魅力的な外観のため消費者によって広く真価が認められ、製品に立派な外見を与える。この効果をもたらす作用剤は、組成物中に分散されたままであり、光を反射する結晶を一般に含む真珠光沢剤または真珠母であることも知られている。
【0006】
長鎖エステル誘導体は、組成物、特に化粧品組成物を真珠光沢性にするために広く使用される。しかし、これらの誘導体には、組成物の粘度の経時変化をもたらす結晶化問題がある恐れがある。
【0007】
欧州特許出願公開第457688号および国際公開第98/03155号に記載されているものなどのような長鎖エーテルまたはチオエーテルの誘導体も知られている。しかし、これらの作用剤は、組成物に真珠光沢効果を与えることなく、または十分に与えることなく、組成物を不透明にする。
【0008】
これらの真珠光沢剤は、その低密度により、シャンプーの表面に上がり、その上に魅力的でないと消費者が思う層を形成する欠点を有することが多いことも判明している。
【0009】
さらに、いくつかの場合には、これらの脂肪鎖化合物は、毛髪に重たい感じを与え、ヘアスタイルに不十分な軽さおよび嵩を与えてしまう欠点を有する。
【0010】
さらに、これらの真珠光沢剤はすべて、非水溶性化合物であり、50℃を超える融点を有する。したがって、真珠光沢組成物を製造するためには、組成物を真珠光沢化合物の融点より高く加熱し、次いで冷却する必要があり、その後、組成物の他の化合物を添加する。エネルギー消費を低減し、製造時間を低減するために、加熱せずに組成物を調製することが望ましい。
【0011】
国際公開第03/088934号には、加熱せずに使用することができる真珠光沢剤として、シクロデキストリンを使用することが記述されている。しかし、シクロデキストリンを含有する組成物は、まだ十分には安定でない。
【0012】
不溶性コンディショニング剤を含有する化粧品組成物を増粘し安定化させるために、Carbopol型架橋アクリルポリマーなどのような安定剤が頻繁に使用される。しかし、これらの安定剤は、特に高温(45℃)において良好な経時貯蔵安定性を確実にするのに必ずしも十分でない。
【特許文献1】欧州特許出願公開第457688号
【特許文献2】国際公開第98/03155号
【特許文献3】国際公開第03/088934号
【特許文献4】米国特許第3915921号
【特許文献5】米国特許第4509949号
【特許文献6】国際公開第00/31154号
【特許文献7】欧州特許出願公開第750899号
【特許文献8】米国特許第5089578号
【特許文献9】仏国特許第2416723号
【特許文献10】米国特許第2798053号
【特許文献11】米国特許第2923692号
【特許文献12】ドイツ特許出願公開第19625810号
【特許文献13】米国特許第2528378号
【特許文献14】米国特許第2781354号
【特許文献15】欧州特許出願公開第0337354号
【特許文献16】仏国特許出願公開第2270846号
【特許文献17】仏国特許出願公開第2383660号
【特許文献18】仏国特許出願公開第2598611号
【特許文献19】仏国特許出願公開第2470596号
【特許文献20】仏国特許出願公開第2519863号
【特許文献21】仏国特許出願公開第8516334号
【特許文献22】米国特許第4957732号
【特許文献23】欧州特許第186507号
【特許文献24】欧州特許出願公開第342834号
【特許文献25】欧州特許出願公開第412704号
【特許文献26】欧州特許出願公開第412707号
【特許文献27】欧州特許出願公開第640105号
【特許文献28】国際公開第95/00578号
【特許文献29】欧州特許出願公開第582152号
【特許文献30】国際公開第93/23009号
【特許文献31】米国特許第4693935号
【特許文献32】米国特許第4728571号
【特許文献33】米国特許第4972037号
【特許文献34】ドイツ特許出願公開第4424530号
【特許文献35】ドイツ特許出願公開第4424533号
【特許文献36】ドイツ特許出願公開第4402929号
【特許文献37】ドイツ特許出願公開第4420736号
【特許文献38】国際公開第95/23807号
【特許文献39】国際公開第94/07844号
【特許文献40】欧州特許出願公開第0646572号
【特許文献41】国際公開第95/16665号
【特許文献42】仏国特許出願公開第2673179号
【特許文献43】欧州特許出願公開第0227994号
【特許文献44】国際公開第94/24097号
【特許文献45】国際公開第94/10131号
【非特許文献1】Yotaro Morishima、「Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures」、Chinese Journal of Polymer Science、2000年、18巻、40号、323〜336頁
【非特許文献2】Yotaro Morishima、「Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering」、Macromolecules、2000年、33巻、10号、3694〜3704頁
【非特許文献3】Yotaro Morishima、「Solution properties of micelle networks formed by nonionic moieties covalently bound to a polyelectrolyte: salt effects on rheological behavior」、Langmuir、2000年、16巻、12号、5324〜5332頁
【非特許文献4】Yotaro Morishima、「Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and associative macromonomers」、Polym. Preprint, Div. Polym. Chem.、1999年、40巻、2号、220〜221頁
【非特許文献5】M.R. Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son (Glasgow and London)、1991年発行、116〜178頁
【非特許文献6】Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Press
【非特許文献7】Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」、Cosmetics and Toiletries、1976年1月、91巻、27〜32頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本出願人は、これらの化粧品組成物において、少なくとも1つのシクロデキストリンまたはその誘導体、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの特定脂肪酸エステル、および少なくとも1つのアクリルポリマーを使用することによって、真珠光沢外観を有し同時に所望の美観および化粧特性を有する、ケラチン物質を処置するための化粧品組成物、具体的にはシャンプーを配合することが可能であることを発見した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の対象は、生理的に許容できる、具体的には化粧品として許容できる水性媒体中に、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの少なくとも1つの液体エステル、少なくとも1つのシクロデキストリンまたはその誘導体、および少なくとも1つのアクリル系増粘性ポリマー(未定義)を含む組成物、特に化粧品組成物である。
【0015】
組成物は、真珠母の非常に良好な等質性および良好な安定性、さらにケラチン物質への塗布については十分である粘度を示す。シクロデキストリンおよび/または不溶性コンディショニング剤の経時的な相分離はない。
【0016】
具体的には、組成物の経時的な非制御粒状化または増粘化は起こらない。最終的に、組成物は、垂れない程度の柔らかい質感を有する。その泡をすすぎ落とすのは容易である。
【0017】
本発明の別の対象は、このような組成物を使用した洗浄および/またはコンディショニングプロセスからなる。
【0018】
本発明の別の対象は、少なくとも1つのシクロデキストリンおよび少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む化粧品組成物の貯蔵安定性を改善するための方法であって、前記組成物において、アクリルポリマー、および4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの液体エステルを組み合わせることにある方法に関する。
【0019】
本発明の他の対象は、説明、さらに続いて実施例を読めば明らかになるであろう。
【0020】
本発明によれば、用語「ケラチン物質」は、毛髪、睫毛、眉毛、皮膚、爪、粘膜、または頭皮を意味するが、さらに具体的には毛髪を意味する。
【0021】
用語「真珠光沢剤」および「真珠母」は、真珠光沢で虹色のモアレまたは金属化された外観または効果をもたらす作用剤を意味する。
【0022】
本発明の組成物は、少なくとも1つのアクリル系増粘性ポリマーを含む。
【0023】
本発明では、用語「アクリルポリマー」は、下記の構造:
【0024】
【化1】

【0025】
(式中、R3は、水素原子、または直鎖状もしくは分枝状のC1〜C4アルキル基を表し、
R4は、水素原子、直鎖状もしくは分枝状のC1〜C4アルキル基、NR5R6基、あるいは1つもしくは複数のヒドロキシル基または第4級アンモニウム基で場合によっては置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝状のC1〜C30アルコキシ基を表し、
R5およびR6は、水素原子、または場合によってはオキシアルキレン化C1〜C30アルキル基を意味し、このアルキル基は場合によりスルホン酸基を含む)
を有する少なくとも1つまたは複数のモノマーの重合から得られたポリマーを意味する。
【0026】
好ましくは、R3は、水素原子またはメチル基を表す。
【0027】
本発明では、用語「増粘性ポリマー」は、25℃において水中またはエタノール中1重量%の活性物質の溶液または分散液として、せん断速度1s-1における粘度が0.2ポアズを超えるポリマーを意味する。粘度は、Thermo ElectronのHaake RS600粘度計で測定する。この粘度計は、コーンプレート幾何形状(例えば、直径60mm)の応力制御粘度計である。
【0028】
増粘性ポリマーは、特に下記から選択される:
(a)アクリル系会合性増粘剤;
(b)架橋アクリル酸ホモポリマー;
(c)(メタ)アクリル酸と(C1〜C6)アルキルアクリレートとの架橋コポリマー;
(d)エステルおよび/またはアミド型のエチレン性不飽和モノマーを含有する非イオン性ホモポリマーおよびコポリマー;
(e)アンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのアンモニウムアクリレートホモポリマーまたはコポリマー;
(f)(メタ)アクリルアミド(C1〜C4)アルキルスルホン酸ホモポリマーおよびコポリマー;
(g)メタクリロイル(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウムの架橋ホモポリマーおよびコポリマー。
【0029】
本発明によれば、表現「会合性増粘剤」は、親水性単位と疎水性単位を共に含む、具体的には少なくとも1つのC8〜C30脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む両親媒性増粘剤を意味する。
【0030】
(a)本発明に従って使用することができるアクリル系会合性増粘剤は、
(i)少なくとも1つの脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性両親媒性ポリマー;
(ii)少なくとも1つの親水性単位と少なくとも1つの脂肪鎖単位とを含むアニオン性両親媒性ポリマー;
(iii)少なくとも1つの親水性単位および/または少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むカチオン性両親媒性ポリマー;
(iv)少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含む両性両親媒性ポリマー;
から選択されたアクリル系会合性ポリマーであり、脂肪鎖は10〜30個の炭素原子を含む。
【0031】
(i)少なくとも1つの脂肪鎖と少なくとも1つの親水性単位とを含む非イオン性アクリル系両親媒性ポリマーは、
(1)C1〜C6アルキルメタクリレートまたはアクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖(例えばオキシエチレン化(C8〜C22)アルキルアクリレート)を含む両親媒性モノマーとのコポリマー、例えばGoldschmidt社からAntil 208の名称で販売されているオキシエチレン化メチルメタクリレート/ステアリルアクリレートコポリマー;
(2)親水性メタクリレートまたはアクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖(例えば、(C8〜C22)アルキル(メタ)アクリレート)を含む疎水性モノマーとのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーから選択されることが好ましい。
【0032】
(ii)アニオン性アクリル系両親媒性ポリマーは、オレフィン性不飽和カルボン酸型の少なくとも1つの親水性単位、およびもっぱら不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルなどのタイプの少なくとも1つの疎水性単位を含むものから選択することができる。これらは、オレフィン性不飽和カルボン酸型の親水性単位が下記の式(IV)のモノマー:
【0033】
【化2】

【0034】
(式中、R1は、HまたはCH3またはC2H5、すなわちアクリル酸、メタクリル酸、またはエタクリル酸単位を表す)に対応するもの、および不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルなどのタイプの疎水性単位が下記の式(V)のモノマー:
【0035】
【化3】

【0036】
(式中、R1は、HまたはCH3またはC2H5(すなわち、アクリレート、メタクリレート、またはエタクリレート単位)、好ましくはH(アクリレート単位)またはCH3(メタクリレート単位)を表し、R2は、C10〜C30、好ましくはC12〜C22アルキル基を表す)に対応するものから選択されることが好ましい。
【0037】
本発明による不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルは、例えばラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、およびドデシルアクリレート、ならびに対応するメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、およびドデシルメタクリレートを含む。
【0038】
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、例えば米国特許第3915921号および第4509949号に従って開示され、調製されている。
【0039】
本発明の文脈において使用することができるアニオン性両親媒性ポリマーは、さらに具体的に
(i)例えば、95重量%〜60重量%のアクリル酸(親水性単位)、4重量%〜40重量%のC10〜C30アルキルアクリレート(疎水性単位)、および0重量%〜6重量%の架橋重合性モノマー、または98重量%〜96重量%のアクリル酸(親水性単位)、1重量%〜4重量%のC10〜C30アルキルアクリレート(疎水性単位)、および0.1重量%〜0.6重量%の架橋重合性モノマーからなるものなどの、下記の式(VI)のアクリル酸および1つまたは複数のエステル:
【0040】
【化4】

【0041】
(式中、R1は、HまたはCH3を表し、R2は、12〜22個の炭素原子を含むアルキル基を表す)ならびに架橋剤を含むモノマー、
(ii)66重量%のアクリル酸および34重量%のラウリルメタクリレートから形成された生成物などの、主にアクリル酸およびラウリルメタクリレートを含むモノマー
の混合物から形成されたポリマーを表す。
【0042】
前記架橋剤は、下記の基
【0043】
【化5】

【0044】
を不飽和結合が共役していない少なくとも1つの他の重合性基と共に含むモノマーである。具体的には、ポリアリルスクロースやポリアリルペンタエリトリトールなどのようなポリアリルエーテルを具体的に挙げることができる。
【0045】
上記の前記ポリマーのうち、本発明による最も特に好ましいものは、Goodrich社から商標名Pemulen TR1、Pemulen TR2、Carbopol 1382、さらにより好ましくはPemulen TR1で販売されている製品、およびS.E.P.C.社からCoatex SXの名称で販売されている製品である。
【0046】
アニオン性両親媒性脂肪鎖ポリマーとして、Viscophobe DB 1000の名称でAmerchol社から販売されているメタクリル酸/メチルアクリレート/アルキルジメチル-メタイソプロペニルベンジルイソシアネートのエトキシ化コポリマーも挙げることができる。
【0047】
挙げ得る他のアニオン性両親媒性脂肪鎖ポリマーとしては、遊離の形、または部分もしくは完全に中和された形のスルホン酸基を含有する少なくとも1つのアクリルモノマーを含み、かつ少なくとも1つの疎水性部分を含むものが挙げられる。
【0048】
本発明のポリマー中に存在する疎水性部分は、好ましくは8〜22個の炭素原子、より好ましくは8〜18個の炭素原子、さらに具体的には12〜18個の炭素原子を含む。
【0049】
好ましくは、本発明によるスルホン酸系ポリマーは、鉱物性塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアンモニア水)、あるいはモノ、ジ、またはトリエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、N-メチルグルカミン、塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジンなどのような有機塩基、ならびにこれらの化合物の混合物で部分的にまたは完全に中和されている。
【0050】
本発明によるスルホン酸系両親媒性ポリマーは、一般に1000〜20000000g/mol、好ましくは20000〜5000000、さらにより好ましくは100000〜1500000g/molの数平均分子量を有する。
【0051】
本発明によるスルホン酸系両親媒性ポリマーは、架橋していてもしていなくてもよい。架橋両親媒性ポリマーを選択することが好ましい。
【0052】
これらを架橋する場合、架橋剤は、フリーラジカル重合で得られたポリマーを架橋するためによく使用されるポリオレフィン性不飽和化合物から選択することができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、またはテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、テトラアリルエチレンジアミン、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリル(メタ)アクリレート、糖系列のアルコールのアリルエーテル、または多官能アルコールの他のアリルもしくはビニルエーテル、さらにリン酸および/またはビニルリン酸の誘導体のアリルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物を挙げることができる。
【0053】
さらに具体的には、メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリレート、またはトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を使用する。架橋度は、ポリマーに対して、一般には0.01mol%〜10mol%、さらに具体的には0.2mol%〜2mol%とする。
【0054】
スルホン酸基を含むアクリルモノマーは、特に(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸、およびN-(C1〜C22)アルキル(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸、例えばウンデシルアクリルアミドメタンスルホン酸、さらにそれらの部分的にまたは完全に中和された形から選択される。
【0055】
例えば、アクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2,4,4-トリメチル-ペンタンスルホン酸、2-メタクリルアミドドデシルスルホン酸、または2-アクリルアミド-2,6-ジメチル-3-ヘプタンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸、さらにそれらの部分的にまたは完全に中和された形を使用することがより好ましい。
【0056】
さらに具体的には、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、さらにそれらの部分的にまたは完全に中和された形を使用する。
【0057】
本発明による両親媒性ポリマーは、特にC6〜C22 n-モノアルキルアミンまたはジ-n-アルキルアミンとの反応で改質された、国際公開第00/31154号に記載されているもの(明細書の内容の不可欠な部分をなす)などのようなランダム型両親媒性AMPSポリマーから選択することができる。これらのポリマーは、例えば(メタ)アクリル酸、そのβ-置換アルキル誘導体、もしくはモノアルコールを用いて得られたそのエステル、またはモノもしくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸、またはマレイン酸、あるいはこれらの化合物の混合物から選択された他の親水性のエチレン性不飽和モノマーを含むことができる。
【0058】
本発明の好ましいポリマーは、AMPSと、および8〜50個の炭素原子、より好ましくは8〜22個の炭素原子、さらにより好ましくは8〜18個の炭素原子、さらに具体的には12〜18個の炭素原子を含む少なくとも1つの疎水性部分を含む少なくとも1つのエチレン性不飽和疎水性モノマーとの両親媒性コポリマーから選択される。
【0059】
これら同じコポリマーは、(メタ)アクリル酸、そのβ-置換アルキル誘導体、もしくはモノアルコールを用いて得られたそのエステル、またはモノもしくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸、またはマレイン酸、あるいはこれらの化合物の混合物などの脂肪鎖を含まない1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーも含むことができる。
【0060】
これらのコポリマーは、特に欧州特許出願公開第750899号、米国特許第5089578号、およびYotaro Morishimaの下記の刊行物:
-「Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures - Chinese Journal of Polymer Science、2000年、18巻、40号、323〜336頁」;
-「Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering - Macromolecules、2000年、33巻、10号、3694〜3704頁」;
-「Solution properties of micelle networks formed by nonionic moieties covalently bound to a polyelectrolyte: salt effects on rheological behavior - Langmuir、2000年、16巻、12号、5324〜5332頁」;
-「Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and associative macromonomers - Polym. Preprint, Div. Polym. Chem.、1999年、40巻、2号、220〜221頁」
に記載されている。
【0061】
これらの特定コポリマーのエチレン性不飽和疎水性モノマーは、下記の式(I)のアクリレートまたはアクリルアミド:
【0062】
【化6】

【0063】
(式中、R1およびR3は同一でも異なっていてもよく、水素原子または直鎖状もしくは分枝状のC1〜C6アルキル基(好ましくは、メチル)を表し、Yは、0またはNHを表し、R2は、8〜50個の炭素原子、より好ましくは8〜22個の炭素原子、さらにより好ましくは6〜18個の炭素原子、さらに具体的には12〜18個の炭素原子を少なくとも含む疎水性炭化水素系基を表し、xは、アルキレンオキシドのいくつかのモルを表すものであり、0〜100である)から選択されることが好ましい。
【0064】
R2基は、直鎖状C6〜C18アルキル基(例えば、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、n-ヘキサデシル、およびn-ドデシル)、および分枝状または環状C6〜C18アルキル基(例えば、シクロドデカン(C12)またはアダマンタン(C10));C6〜C18アルキルパーフルオロ基(例えば、式-(CH2)2-(CF2)9-CF3の基);コレステリル基(C27)またはコレステロールエステル残基、例えばコレステリルオキシヘキサノエート基;多環式芳香族基、例えばナフタレンまたはピレンから選択することが好ましい。これらの基のうち、さらに特に好ましいものは、直鎖状アルキル基、さらに具体的にはn-ドデシル基である。
【0065】
本発明の特に好ましい1つの形によれば、式(I)のモノマーは、少なくとも1つのアルキレンオキシド単位(x≧1)、好ましくはポリオキシアルキレン化鎖を含む。ポリオキシアルキレン化鎖は、好ましくはエチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位からなり、さらに具体的にはエチレンオキシド単位からなる。オキシアルキレン単位の数は、一般には3〜100、より好ましくは3〜50、さらにより好ましくは7〜25である。
【0066】
これらのポリマーのうち、
-欧州特許出願公開第750899号に記載されているものなどの、ポリマーに対して15重量%〜60重量%のAMPS単位、および40重量%〜85重量%の(C8〜C16)アルキル(メタ)アクリルアミド単位、または(C8〜C16)アルキル(メタ)アクリレート単位を含む架橋されたまたは架橋されていない中和されたまたは中和されていないコポリマー;
-米国特許第5089578号に記載されているものなどの、10mol%〜90mol%のアクリルアミド単位、0.1mol%〜10mol%のAMPS単位、および5mol%〜80mol%のn-(C6〜C18)アルキルアクリルアミド単位を含むターポリマー
を挙げることができる。
【0067】
上記のMorishimaの論文に記載されているものなどの、完全に中和されたAMPSと、ドデシルメタクリレートとのコポリマー、およびAMPSと、およびn-ドデシルメタクリルアミドとの架橋されたまたは架橋されていないコポリマーも挙げることができる。
【0068】
さらに具体的には、下記の式(II)の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)単位:
【0069】
【化7】

【0070】
(式中、X+は、プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、またはアンモニウムイオンである)、および下記の式(III)の単位:
【0071】
【化8】

【0072】
(式中、xは、3〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは7〜25の整数を表し、R1は、式(I)において上記で記載されたものと同じ意味を有し、R4は、直鎖状または分枝状のC6〜C22、より好ましくはC10〜C22アルキルを表す)からなるコポリマーが挙げられる。
【0073】
特に好ましいポリマーは、x=25、R1がメチルを表し、R4がn-ドデシルを表すものである。これらは、上記のMorishimaの論文に記載されている。
【0074】
X+がナトリウムまたはアンモニウムを表すポリマーが、さらに特に好ましい。
【0075】
(iii)本発明で使用するカチオン性両親媒性ポリマーは、アミン側基を含むポリアクリレートから選択することが好ましい。
【0076】
4級化されたまたは4級化されていないアミン側基を含むポリアクリレートは、例えばステアレス-20(ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール)や(C10〜C30)アルキルPEG-20イタコネートなどのタイプの疎水性基を含む。
【0077】
挙げ得るアミノ側鎖を含むポリアクリレートの例は、National Starch社からのポリマー8781-124Bもしくは9492-103、またはStructure Plusである。
【0078】
(iv)少なくとも1つの脂肪鎖を含む両性両親媒性ポリマーとして、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸/C10〜C30アルキルメタクリレートのコポリマーを挙げることができ、アルキル基はステアリル基であることが好ましい。
【0079】
(b)挙げ得る架橋アクリル酸ホモポリマーには、例えばGoodrich社からCarbopol 980、981、954、2984、および5984の名称で販売されている製品や3 VSA社からSynthalen MおよびSynthalen Kの名称で販売されている製品などのような、糖系列のアリルアルコールエーテルで架橋されたものがある。
【0080】
(c)挙げ得る(メタ)アクリル酸およびC1〜C6アルキルアクリレートの架橋コポリマーには、38%の活性物質を含有する水性分散液としてのメタクリル酸とエチルアクリレートとの架橋コポリマーであるCoatex社からViscoatex 538Cの名称で販売されている製品、または28%の活性物質を含有する水性分散液としてのアクリル酸とエチルアクリレートとの架橋コポリマーであるRohm & Haas社からAculyn 33の名称で販売されている製品がある。さらに具体的には、Noveon社からCarbopol Aqua SF-1の名称で製造かつ販売されている30%水分散液の形態のメタクリル酸/エチルアクリレートの架橋コポリマーが挙げられる。
【0081】
(d)エステルおよび/またはアミド型のエチレン性不飽和モノマーを含む非イオン性ホモポリマーまたはコポリマーのうち、Cytec社からCyanamer P250の名称で販売されている製品(ポリアクリルアミド);US Cosmetics社からのPMMA MBX-8C(メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートコポリマー);Rohm & Haas社からのAcryloid B66(ブチルメタクリレート/メチルメタクリレートコポリマー);Kobo社からのBPA 500(ポリメチルメタクリレート)を挙げることができる。
【0082】
(e)挙げ得るアンモニウムアクリレートホモポリマーには、Hoechst社からMicrosap PAS 5193の名称で販売されている製品がある。
【0083】
挙げ得るアンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのコポリマーには、Hoechst社からBozepol C Nouveauの名称で販売されている製品またはPAS 5193という製品がある(仏国特許第2416723号、米国特許第2798053号および米国特許第2923692号に記載され、調製されている)。
【0084】
(f)ポリ(メタ)アクリルアミド(C1〜C4)アルキルスルホン酸。
【0085】
本発明によれば、ポリ(メタ)アクリルアミド(C1〜C4)アルキルスルホン酸は架橋されていることが好ましい。
【0086】
さらに具体的には、これらは部分的にまたは完全に中和されている。これらは水溶性または水膨潤性のポリマーである。
【0087】
特に挙げ得るこれらのポリマーには:
-ポリアクリルアミドメタンスルホン酸、
-ポリアクリルアミドエタンスルホン酸、
-ポリアクリルアミドプロパンスルホン酸、
-ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、
-ポリ-2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、
-ポリ-2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸
がある。
【0088】
このタイプのポリマー、特に部分的にまたは完全に中和されている架橋ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸は、ドイツ特許出願公開第19625810号で知られ、記載され、調製されている。
【0089】
一般に、これらは、ランダムに分布された
a)90重量%〜99.9重量%の下記の式(I)の単位:
【0090】
【化9】

【0091】
(式中、X+は、H+を含む、カチオンまたはカチオンの混合物を表す)、
b)少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含む0.01重量%〜10重量%の少なくとも1つの架橋単位を含み、
重量比率は、ポリマーの全重量に比べて定義され;
X+は、具体的にはプロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属のそれに等価なカチオン、またはアンモニウムイオンから選択されたカチオンまたはカチオンの混合物を表すことを特徴とする。
【0092】
中和された架橋ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸は、98重量%〜99.5重量%の式(I)の単位、および0.5重量%〜2重量%の架橋単位を含むことが好ましい。
【0093】
少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含む架橋単位は、例えばジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、または他の多官能アルコールアリルまたはビニルエーテル、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、およびジビニルベンゼンから選択される。
【0094】
さらに具体的には、少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含む架橋単位は、下記の一般式(II)に対応するもの:
【0095】
【化10】

【0096】
(式中、R1は、水素原子またはC1〜C4アルキル基、さらに具体的にはメチル基(トリメチロールプロパントリアクリレート)を表す)から選択される。
【0097】
部分的にまたは完全に中和されている架橋ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)は、一般に「アンモニウムポリアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート」または「アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド」(INCI名)の名称で知られている。
【0098】
本発明によれば特に好ましい製品は、Clariant社から商標名Hostacerin AMPSで販売されているものである。これは、アンモニア水で部分中和された架橋ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)である。
【0099】
(g)塩化メチルで4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートの単独重合、またはアクリルアミドと塩化メチルで4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合の後、続いてオレフィン性不飽和化合物、具体的にはメチレンビスアクリルアミドで架橋されることによって得られたポリマーなどのような、メタクリロイルオキシ(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩の架橋ポリマー。さらに具体的には、鉱物油中50重量%の前記コポリマーを含む分散液の形のアクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(20/80(単位重量))を使用することができる。この分散液は、Ciba社から「Salcare(登録商標)SC 92」の名称で販売されている。鉱物油または液体エステル中約50重量%のホモポリマーを含むメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマーも使用することができる。これらの分散液は、Ciba社から「Salcare(登録商標)SC 95」および「Salcare(登録商標)SC 96」の名称で販売されている。
【0100】
本発明によれば、アクリル系増粘性ポリマーは、最終組成物の全重量に対して0.001重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%、さらに具体的には0.1重量%〜3重量%とすることができる。
【0101】
本発明による組成物は、4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの少なくとも1つの液体エステルを必ず含む。これらのエステルは、25℃において0.1%より高い濃度で水に不溶である。これらは、25℃(1気圧)において液体である。
【0102】
本発明による液体エステルは、次式:
R1COOR2 (I)
(式中、
R1は、3〜5個の炭素原子を含む、場合によってはモノまたはポリヒドロキシル化された直鎖状または分枝状の炭化水素系基を表し、
R2は、12〜26個の炭素原子を含む、好ましくは16〜22個の炭素原子を含む、場合によってはモノまたはポリヒドロキシル化された直鎖状または分枝状の炭化水素系基を表す)
を有することが好ましい。
【0103】
R1は、好ましくは3〜5個の炭素原子を含む分枝状アルキル基、さらに具体的にはtert-ブチル基を表す。
【0104】
R2は、好ましくは12〜26個の炭素原子を含み、さらに具体的には分枝状基であり、さらにより具体的にはトリデシル基、イソセチル基、イソステアリル基、オクチルドデシル基、およびイソアラキジル基から選択された飽和または不飽和のアルキル基を表す。
【0105】
特に好ましい分枝状液体エステルは、イソステアリルネオペンタノエート(式(I)、式中、R1=tert-ブチル、かつR2=イソステアリルである)、トリデシルネオペンタノエート、イソセチルネオペンタノエート、およびイソアラキジルネオペンタノエートである。
【0106】
上記に定義する液体エステルは、本発明による組成物中、組成物の全重量に対して一般に0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、さらに具体的には0.5重量%〜5重量%の濃度で使用することができる。
【0107】
シクロデキストリンは、特に次式のオリゴ糖:
【0108】
【化11】

【0109】
(式中、xは、4(α-シクロデキストリンに対応する)、5(β-シクロデキストリン)、または6(γ-シクロデキストリン)に等しい数とすることができる)
である。
【0110】
Wacker社からCavamax W7の名称で販売されているβ-シクロデキストリン、およびWacker社からCavamax W8の名称で販売されているγ-シクロデキストリンを使用することが特に可能である。
【0111】
シクロデキストリン誘導体は、例えばWacker社からCavamax W7Mの名称で販売されているメチル-β-シクロデキストリンなどのようなメチルシクロデキストリン、およびヒドロキシプロピルシクロデキストリン、例えばWacker社からCavasol W7 HPの名称で販売されているヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである。
【0112】
本発明によれば、シクロデキストリンは、最終組成物の全重量に対して1重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、さらにより好ましくは1.5重量%〜5重量%とすることができる。
【0113】
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して好ましくは4%〜35%、さらにより好ましくは8%〜30%の量で存在する少なくとも1つのアニオン性界面活性剤も含む。
【0114】
前記シクロデキストリンまたはその誘導体、および界面活性剤は、組成物を真珠光沢性にし、かつ/または組成物中、シクロデキストリンと界面活性剤の間で不溶性複合体を形成するのに有効な濃度で存在することが好ましい。
【0115】
好ましくは、シクロデキストリンは、非複合体の形で組成物に導入し、または場合によっては界面活性剤と複合体を形成し、すなわち複合体が形成する場合、界面活性剤以外の化合物とは形成されない。
【0116】
組成物では、シクロデキストリンは界面活性剤と複合体を形成する。
【0117】
界面活性剤/シクロデキストリン比は、0.01〜300、好ましくは0.1〜100、さらに具体的には0.3〜25と範囲とすることができる。
【0118】
本発明の文脈において、アニオン性界面活性剤の性質は、厳密にはクリティカルな特徴でない。
【0119】
したがって、本発明の文脈において単独でまたは混合物として使用することができるアニオン性界面活性剤の例として、下記の化合物の塩(具体的には、アルカリ塩、特にナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、またはマグネシウム塩)(非限定的な列挙):アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホスクシナメート;アルキルスルホアセテート;アルキルエーテルホスフェート;アシルサルコシネート;アシルイセチオネート、およびN-アシルタウレートを具体的に挙げることができ、これらの様々な化合物すべてのアルキル基またはアシル基は、好ましくは8〜24個の炭素原子を含み、アリール基は、好ましくはフェニル基またはベンジル基を表す。使用することもできるアニオン性界面活性剤のうち、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、およびステアリン酸、ヤシ油酸または水素化ヤシ油酸;アシル基が8〜20個の炭素原子を含むアシル乳酸の塩などのような脂肪酸塩も挙げることができる。アルキル-D-ガラクトシズロン酸およびそれらの塩、ならびにポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびそれらの塩、具体的には2〜50個のエチレンオキシド基を含むもの、およびその混合物などのような、弱アニオン性界面活性剤を使用することもできる。
【0120】
アニオン性界面活性剤のうち、本発明によれば、アルキルスルフェート塩およびアルキルエーテルスルフェート塩、ならびにその混合物を使用することが好ましい。
【0121】
アニオン性界面活性剤に加えて、組成物は、非イオン性、両性、およびカチオン性の界面活性剤から選択された界面活性剤を含有することができる。追加の界面活性剤は、両性および/または非イオン性であることが好ましい。
【0122】
非イオン性界面活性剤:
非イオン性界面活性剤はそれ自体も、本質的に公知である化合物である(具体的には、この点に関してM.R. Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son (Glasgow and London)、1991年発行、116〜178頁を参照のこと)が、本発明の文脈では、それらの性質はクリティカルな特徴ではない。したがって、これらは、具体的にはポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、またはポリグリセロール化脂肪酸、アルキルフェノール、α-ジオール、またはアルコール(非限定的な列挙)から選択することができ、これらの化合物はすべて、例えば8〜18個の炭素原子を含む脂肪鎖を有し、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基の数が具体的には2〜50であり、グリセロール基の数が具体的には2〜30であることが可能である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの縮合物;好ましくは2〜30molのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド、1〜5個、具体的には1.5〜4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2〜30molのエチレンオキシドを有するソルビタンのオキシエチレン化脂肪酸エステル;ショ糖の脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルカミン誘導体、(C10〜C14)アルキルアミンオキシドやN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのようなアミンオキシドも挙げることができる。アルキルポリグリコシドが、本発明の文脈において特に適切な非イオン性界面活性剤を構成することに留意されたい。
【0123】
両性または双性イオン性の界面活性剤:
本発明の文脈においてその性質がクリティカルな特徴ではない両性または双性イオン性の界面活性剤は、具体的には、脂肪族基が8〜18個の炭素原子を含みかつ少なくとも1つの水溶性のアニオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネート)を含む、直鎖状または分枝状の鎖である脂肪族の第2級または第3級のアミン誘導体(非限定的な列挙)とすることができる。(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド-(C1〜C6)アルキルベタイン、または(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキル-スルホベタインも挙げることができる。
【0124】
アミン誘導体のうち、米国特許第2528378号および第2781354号に記載され、アンホカルボキシグリシネートおよびアンホカルボキシプロピオネートの名称でCTFA辞典、第3版、1982年に分類され、それぞれ次の構造:
R2-CONHCH2CH2-N(R3)(R4)(CH2OO-) (2)
(式中、R2は、加水分解されたヤシ油中に存在する酸R2-COOHから誘導されたアルキル基、ヘプチル基、ノニル基、またはウンデシル基を表し、R3はβ-ヒドロキシエチル基を表し、R4はカルボキシメチル基を表す);および
R2'-CONHCH2CH2-N(B)(C) (3)
(式中、
Bは-CH2CH2OX'を表し、Cは-(CH2)z-Y'を表し、zは=1または2であり、
X'は、-CH2CH2-COOH基または水素原子を表し、
Y'は、-COOHまたは-CH2-CHOH-SO3H基を表し、
R2'は、ヤシ油または加水分解されたアマニ油中に存在する酸R9-COOHのアルキル基、アルキル基、具体的にはC7、C9、C11、またはC13のアルキル基、C17アルキル基、およびそのイソ形、C17不飽和基を表す)
を有する、Miranolの名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0125】
一例として、Rhodia Chimie社から商標名Miranol C2M濃縮NPで販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
【0126】
カチオン性界面活性剤:
カチオン性界面活性剤は、
A)下記の一般式(XII)の第4級アンモニウム塩:
【0127】
【化12】

【0128】
(式中、X-は、ハライド(クロリド、ブロミド、またはヨージド)、または(C2〜C6)アルキルスルフェート、さらに具体的にはメチルスルフェート、ホスフェート、アルキルまたはアルキルアリールスルホネート、アセテートやラクテートなどのような有機酸から誘導されたアニオンの群から選択されたアニオンである)
から選択することができ、
i)基R1〜R3は、同一でも異なっていてもよく、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の脂肪族基、またはアリールやアルキルアリールなどのような芳香族基を表す。脂肪族基は、具体的には酸素、窒素、硫黄、またはハロゲンなどのようなヘテロ原子を含むことができる。脂肪族基は、例えばアルキル基、アルコキシ基、およびアルキルアミド基から選択され、
R4は、16〜30個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基を表す。
【0129】
カチオン性界面活性剤は、好ましくはセチルトリメチルアンモニウム塩(例えば、クロリド)である。
【0130】
ii)基R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、1〜4個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の脂肪族基、またはアリールやアルキルアリールなどのような芳香族基を表す。脂肪族基は、具体的には酸素、窒素、硫黄、またはハロゲンなどのようなヘテロ原子を含むことができる。脂肪族基は、例えば約1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、アルコキシ基、アルキルアミド基、およびヒドロキシアルキル基から選択され;
R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、12〜30個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、前記基は、少なくとも1つのエステルまたはアミド官能基を有し;
R3およびR4は、具体的には(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル基および(C12〜C22)アルキルアセテート基から選択される。
【0131】
カチオン性界面活性剤は、好ましくはステアルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム塩(例えば、クロリド)である。
【0132】
B)-例えば下記の式(XIII)のものなどのようなイミダゾリニウムの第4級アンモニウム塩:
【0133】
【化13】

【0134】
(式中、R5は、8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基またはアルキル基、例えば獣脂の脂肪酸誘導体を表し、R6は、水素原子、C1〜C4アルキル基、または8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基もしくはアルキル基を表し、R7は、C1〜C4アルキル基を表し、R8は、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、Xは、ハライド、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、またはアルキルアリールスルホネートの群から選択されたアニオンである。R5およびR6は、例えば獣脂の脂肪酸誘導体などのような12〜21個の炭素原子を含むアルケニル基またはアルキル基の混合物を表すことが好ましく、R7はメチルを表し、R8は水素を表す)。このような製品は、例えばWitco社から「Rewoquat」W75、W90、W75PG、およびW75HPGの名称で販売されているQuaternium-27(CTFA 1997)またはQuaternium-83(CTFA 1997)であり、
【0135】
C)-次式(XIV)の第4級ジアンモニウム塩:
【0136】
【化14】

【0137】
(式中、R9は、約16〜30個の炭素原子を含む脂肪族基を表し、R10、R11、R12、R13、およびR14は、同一でも異なっていてもよく、水素、および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、Xは、ハライド、アセテート、ホスフェート、ニトレート、およびメチルスルフェートの群から選択されたアニオンである)。このような第4級ジアンモニウム塩は、具体的にはプロパン獣脂ジアンモニウムジクロリドを含む。
【0138】
D)-少なくとも1つのエステル官能基を含む、下記の式(XV)の第4級アンモニウム塩:
【0139】
【化15】

【0140】
(式中、
-R15は、C1〜C6アルキル基、およびC1〜C6ヒドロキシアルキル基またはジヒドロキシアルキル基から選択され;
-R16は、
-基
【0141】
【化16】

【0142】
-直鎖状または分枝状のC1〜C22飽和または不飽和の炭化水素系基R20
-水素原子
から選択され、
-R18は、
-基
【0143】
【化17】

【0144】
-直鎖状または分枝状のC1〜C6飽和または不飽和の炭化水素系基R22
-水素原子
から選択され、
-R17、R19、およびR21は、同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状のC7〜C21飽和または不飽和の炭化水素系基から選択され;
-n、p、およびrは、同一でも異なっていてもよく、2〜6の整数であり;
-yは、1〜10の整数であり;
-xおよびzは、同一でも異なっていてもよく、0〜10の整数であり;
-X-は、単体または錯体の有機または無機のアニオンである;
ただし、x+y+zの合計が1〜15であり、xが0の場合、R16はR20を表し、zが0である場合、R18はR22を表すことを条件とする)。
【0145】
さらに具体的には、式(XV)のアンモニウム塩が使用されている:
(式中、
-R15は、メチル基またはエチル基を表し、
-xおよびyは、1に等しく;
-zは、0または1に等しく;
-n、p、およびrは、2に等しく;
-R16は、
-基
【0146】
【化18】

【0147】
-メチル基、エチル基、またはC14〜C22炭化水素系基、
-水素原子
から選択され;
-R17、R19、およびR21は、同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝状のC7〜C21飽和または不飽和の炭化水素系基から選択され;
-R18は、
-基
【0148】
【化19】

【0149】
-水素原子
から選択される)。
【0150】
このような化合物は、例えばCognis社からDehyquartの名称で、Stepan社からStepanquatの名称で、Ceca社からNoxamiumの名称で、およびDegussa-Witco社からRewoquat WE 18の名称で販売されている。
【0151】
好ましい第4級アンモニウム塩には、Degussa社からVarisoft PA TCの名称で販売されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはパルミトアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドがある。
【0152】
アニオン性界面活性剤は、(C12〜C14)アルキルスルフェートのナトリウム、トリエタノールアミン、もしくはアンモニウム塩;2.2molのエチレンオキシドでオキシエチレン化した(C12〜C14)アルキルエーテルスルフェートのナトリウム、トリエタノールアミン、もしくはアンモニウム塩; ナトリウムココイルイセチオネート、およびナトリウムα-(C14〜C16)オレフィンスルホネート、ならびにその混合物が、
-特にRhodia Chimie社から商標名「Miranol(登録商標)C2M CONCNP」で38%の活性物質を含む水溶液として、またはMiranol(登録商標)C32の名称で販売されている、二ナトリウムココアンホジアセテートまたはナトリウムココアンホプロピオネートとして知られているアミン誘導体などのような両性界面活性剤;
-あるいは、アルキルベタインなど、具体的にはCognis社から「Dehyton(登録商標)AB 30」という名称で32%のAMを含む水溶液として販売されているココベタイン、または(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタインなど、具体的にはDegussa社から販売されているTegobetaine(登録商標)F 50のような両性界面活性剤と共に好ましく使用されている。
【0153】
本発明の好ましい一変形によれば、化粧品組成物は、ケラチン物質用のコンディショニング剤も含有することができる。
【0154】
これらの組成物は、毛髪に塗布する場合、良好な毛髪コンディショニング特性を有し、すなわち処置された毛髪は、滑らかであり、もつれが解け易く、手触りが柔らかい。毛髪は、自然で重くない外観を有する。
【0155】
少なくとも1つのコンディショニング剤は、組成物に含有される場合、一般にポリ-α-オレフィンなどのような合成オイル、フルオロオイル、フルオロワックス、フルオロゴム、本発明のもの(4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの液体エステル)以外のカルボン酸脂肪酸エステル、カチオンポリマー、シリコーン、鉱物、植物、または動物のオイル、セラミド、および疑似セラミド、およびその混合物から選択される。
【0156】
ポリオレフィンは、好ましくはポリ-α-オレフィン、具体的には:
-水素化または非水素化のポリブテン型であり、好ましくは水素化または非水素化のポリイソブテンである。
【0157】
1000未満の分子量のイソブチレンオリゴマー、および1000超、好ましくは1000〜15000の分子量の、ポリイソブチレンを含むその混合物を使用することが好ましい。
【0158】
本発明の文脈において使用することができるポリ-α-オレフィンの例として、Presperse Inc.社からPermethyl 99 A、101 A、102 A、104 A(n=16)、および106 A(n=38)の名称で販売されているポリイソブテン、またはICI社からArlamol HD(n=3)の名称で販売されている製品(nは、重合度を表す)の
-水素化または非水素化のポリデセン型をさらに具体的に挙げることができる。
【0159】
このような製品は、例えばEthyl Corp.社からEthylfloの名称で販売され、ICI社からArlamol PAOの名称で販売されている。
【0160】
本発明の組成物で使用することができる鉱物油は、
-ヘキサデカンや流動パラフィンなどのような炭化水素
によって形成された群から優先的に選択されている。
【0161】
本発明に従って使用することができるカチオンポリマーは、洗浄剤組成物で処置された毛髪の化粧特性を改善するものとしてそれ自体既に知られているものすべて、すなわち特に欧州特許出願公開第0337354号、ならびに仏国特許出願公開第2270846号、第2383660号、第2598611号、第2470596号、および第2519863号に記載されているものから選択することができる。
【0162】
さらにより一般的に、本発明では、用語「カチオンポリマー」は、カチオン基および/またはカチオン基にイオン化させることができる基を含む任意のポリマーを表す。
【0163】
本発明の文脈において使用することができるすべてのカチオンポリマーのうち、Amerchol社から「JR 400」の名称で販売されている製品などのような第4級セルロースエーテル誘導体;シクロポリマー、具体的にはNALCO社から「Merquat 100」、「Merquat 550」、および「Merquat S」の名称で販売されているジアリルジメチルアンモニウム塩ホモポリマー、ならびにジアリルジメチルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、具体的には塩化物;カチオン性多糖類、さらに具体的には例えばMeyhall社から「Jaguar C13S」の名称で販売されている2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで改質されたガーゴム;Ciba社から鉱物油中50%溶液として商標名Salcare SC92(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの架橋コポリマー)およびSalcare SC95(メタクリロイルオキシエチル-トリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマー)で販売されている(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩の場合によっては架橋されたホモポリマーおよびコポリマーを使用することが好ましい。
【0164】
次式に対応する繰返し単位:
【0165】
【化20】

【0166】
(式中、R1、R2、R3、およびR4は、同一でも異なっていてもよく、およそ1〜4個の炭素原子を含むアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、nおよびpは、およそ2〜20の整数であり、X-は、鉱酸または有機酸から誘導されたアニオンである)
からなるポリマーを使用することも可能である。
【0167】
本発明に従って使用することができるシリコーンは、具体的には組成物中で不溶であり、かつオイル、ワックス、樹脂、またはゴムの形とすることができるポリオルガノシロキサンである。
【0168】
非水溶性シリコーンは、25℃において水に0.1重量%以上の濃度で不溶である。すなわち、これらは、透明な等方性溶液を形成しない。
【0169】
シリコーンの粘度は、例えばASTM規格445 付録Cに従って25℃で測定する。
【0170】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Pressにさらに詳細に定義されている。これらは、揮発性または非揮発性とすることができる。
【0171】
揮発性である場合、シリコーンは、さらに具体的には60℃〜260℃の沸点を有するもの、さらに具体的には:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状シリコーンから選択される。これらは例えば、具体的にはUnion Carbideから「Volatile Silicone 7207」の名称で、またはRhodia Chimieから「Silbione 70045 V 2」で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン;Union Carbideから「Volatile Silicone 7158」の名称で、およびRhodia Chimieから「Silbione 70045 V 5」で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにその混合物である。
【0172】
Union Carbide社から販売されている「Silicone Volatile FZ 3109」などのような、下記の化学構造:
【0173】
【化21】

【0174】
を有するジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマーも挙げることができる。
【0175】
オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリトリトール(50/50)との混合物やオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物などのような環状シリコーンと有機ケイ素化合物との混合物も挙げることができる。
【0176】
(ii)2〜9個のケイ素原子を含み、25℃において5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性シリコーン。一例は、具体的にはToray Silicone社から「SH 200」の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。このカテゴリーに属するシリコーンは、Todd & Byers、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」、Cosmetics and Toiletries、1976年1月、91巻、27〜32頁で出版されている論文にも記載されている。
【0177】
非揮発性シリコーン、さらに具体的にはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンゴムおよび樹脂、有機官能基で改質されたポリオルガノシロキサン、およびその混合物を使用することが好ましい。
【0178】
これらのシリコーンは、さらに具体的には、ポリアルキルシロキサンから選択され、そのうち25℃において5×10-6〜2.5m2/s、好ましくは1×10-5〜1m2/sの粘度を有する、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。
【0179】
これらのポリアルキルシロキサンのうち、下記の市販製品を非限定的に挙げることができる:
-例えばMirasil DM 500 000オイルなどのような、Rhodia Chimie社から販売されているMirasilシリーズのオイル;
-Dow Corning社の200シリーズのオイル、さらに具体的には粘度60000cStのDC200など;
-General ElectricのViscasilオイル、およびGeneral ElectricのSFシリーズ(SF 96、SF 18)のいくつかのオイル。
【0180】
Rhodia Chimie社の48シリーズのオイルなどのような、ジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサン(CTFA名に従ってジメチコノール)も挙げることができる。
【0181】
ポリアルキルシロキサンのこのカテゴリーでは、Degussa社から「Abil Wax 9800および9801」の名称で販売されている、ポリ(C1〜C20)アルキルシロキサン製品も挙げることができる。
【0182】
ポリアルキルアリールシロキサンは、具体的には25℃において1×l0-5〜5×10-2m2/sの粘度を有する、直鎖状および/もしくは分枝状のポリジメチルメチルフェニルシロキサンまたはポリジメチルジフェニルシロキサンから選択される。
【0183】
これらのポリアルキルアリールシロキサンのうち、下記の名称で販売されている製品を例として挙げることができる:
-Rhodia ChimieのMirasil DPDMオイル;
-Rhodia ChimieのRhodorsil 70 633および763シリーズのオイル;
-Dow CorningのDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidオイル;
-製品PK20などのような、BayerのPKシリーズのシリコーン;
-製品PN1000およびPH1000などのような、BayerのPNおよびPHシリーズのシリコーン;
-SF 1023、SF 1154、SF 1250、SF 1265などのような、General ElectricのSFシリーズのいくつかのオイル。
【0184】
本発明に従って使用することができるシリコーンゴムは、具体的には溶媒中単独でまたは混合物として使用される、200000〜1000000の高い数平均分子量を有するポリジオルガノシロキサンである。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)オイル、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)オイル、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカン、およびトリデカン、またはその混合物から選択することができる。
【0185】
さらに具体的には、下記の製品を挙げることができる:
-ポリジメチルシロキサン、
-ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンゴム、
-ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン、
-ポリジメチルシロキサン/フェニルメチルシロキサン、
-ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサン。
【0186】
本発明に従ってさらに具体的に使用することができる製品は、下記などのような混合物である:
-Dow Corning社から販売されている製品Q2 1401などのような、鎖末端でヒドロキシル化されたポリジメチルシロキサン(CTFA辞典の命名法に従ってジメチコノールと呼ばれる)および環状ポリジメチルシロキサン(CTFA辞典の命名法に従ってシクロメチコンと呼ばれる)から形成された混合物;
-General Electric社からの製品SF 1214 Silicone Fluidなどのような、環状シリコーンを含むポリジメチルシロキサンゴムから形成された混合物;この製品は、デカメチルシクロペンタシロキサンに対応するSF 1202 Silicone Fluidオイルに溶解して500000の数平均分子量を有する、ジメチコンに対応するSF 30ゴムである;
-異なる粘度の2つのPDMS、さらに具体的にはGeneral Electric社の製品SF 1236などのようなPDMSゴムおよびPDMSオイルの混合物。製品SF 1236は、20m2/sの粘度を有する上記に定義するSE 30ゴム、および5×10-6m2/sの粘度のSF 96オイルの混合物である。この製品は、好ましくは15%のSE 30ゴムおよび85%のSF 96オイルを含有する。
【0187】
本発明に従って使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、下記の単位を含む架橋シロキサン系である:
R2SiO2/2、R3SiO1/2、RSiO3/2、およびSiO4/2(式中、Rは、1〜16個の炭素原子を含む炭化水素系基またはフェニル基を表す)。これらの製品のうち、特に好ましいものは、RがC1〜C4低級アルキル基、さらに具体的にはメチル、またはフェニル基を表すものである。
【0188】
これらの樹脂のうち、ジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである、「Dow Corning 593」の名称で販売されている製品、またはGeneral Electric社から「Silicone Fluid SS 4230およびSS 4267」の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0189】
具体的には、Shin-Etsu社からX22-4914、X21-5034、およびX21-5037の名称で販売されているトリメチルシロキシシリケート型樹脂も挙げることができる。
【0190】
本発明に従って使用することができる有機改質シリコーンは、その構造中に炭化水素系基を介して結合された1つまたは複数の有機官能基を含む上記に定義されたシリコーンである。
【0191】
有機改質シリコーンのうち、下記を含むポリオルガノシロキサンを挙げることができる:
-ジメチコンコポリオールとして知られているDow Corning社からDC 1248の名称で販売されている製品、またはUnion Carbide社のSilwet L 722、L 7500、L 77、およびL 711のオイル、ならびにDow Corning社からQ2 5200の名称で販売されている(C12)アルキルメチコンコポリオールなどのような、C6〜C24アルキル基を場合によっては含むポリエチレンオキシ基および/またはポリプロピレンオキシ基;
-Genesee社からGP 4 Silicone FluidおよびGP 7100の名称で販売されている製品、またはDow Corning社からQ2 8220およびDow Corning 929または939の名称で販売されている製品などのような、置換または非置換アミン基。置換アミン基は、具体的にはC1〜C4アミノアルキル基である;
-Geneseeから「GP 72 A」および「GP 71」の名称で販売されている製品などのようなチオール基;
-SWS Siliconesから「Silicone Copolymer F-755」の名称で販売されている製品、ならびにDegussa社からのAbil Wax 2428、2434、および2440などのような、アルコキシル化された基;
-仏国特許出願公開第8516334号に記載のヒドロキシアルキル官能基を含むポリオルガノシロキサンなどのような、ヒドロキシル化された基;
-例えば米国特許第4957732号に記載のポリオルガノシロキサンなどのような、アシルオキシアルキル基;
-例えば欧州特許第186507号に記載のChisso Corporation社の製品中などのようなカルボン酸型のアニオン基、またはShin-Etsu社からの製品X-22-3701Eに存在するものなどのような、アルキルカルボン酸型のアニオン基;2-ヒドロキシアルキルスルホネート;Degussa社から「Abil S201」および「Abil S255」の名称で販売されている製品などのような、2-ヒドロキシアルキルチオスルフェート;
-欧州特許出願公開第342834号に記載のポリオルガノシロキサンなどのような、ヒドロキシアシルアミノ基。例えば、Dow Corning社からの製品Q2-8413を挙げることができる。
【0192】
本発明によれば、ポリシロキサン部分および非シリコーン有機鎖からなる部分を含むシリコーンを使用することが可能である。この2つの部分の一方はポリマーの主鎖を構成し、他方は前記主鎖にグラフト化されている。これらのポリマーは、例えば欧州特許出願公開第412704号、欧州特許出願公開第412707号、欧州特許出願公開第640105号、国際公開第95/00578号、欧州特許出願公開第582152号、および国際公開第93/23009号、ならびに米国特許第4693935号、第4728571号、および第4972037号に記載されている。これらのポリマーは、アニオン性または非イオン性であることが好ましい。
【0193】
このようなポリマーは、例えば:
a)50〜90重量%のtert-ブチルアクリレート;
b)0〜40重量%のアクリル酸;
c)5〜40重量%の次式のシリコーンマクロマー:
【0194】
【化22】

【0195】
(式中、vは、5〜700の数である)からなるモノマー混合物(重量百分率は、モノマーの全重量に比べて算出される)を出発原料としてフリーラジカル重合により得ることができるコポリマーである。
【0196】
グラフト化シリコーンポリマーの他の例は、具体的にはチオプロピレン型の連結鎖単位を介してポリ(メタ)アクリル酸型とポリアルキル(メタ)アクリレート型との混合ポリマー単位をグラフト化させたポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびチオプロピレン型の連結鎖単位を介してポリイソブチル(メタ)アクリレート型のポリマー単位をグラフト化させたポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0197】
本発明によれば、シリコーンはすべて、乳濁液の形で使用することもできる。
【0198】
本発明によれば特に好ましいポリオルガノシロキサンは、
-Dow CorningのDC200シリーズのオイル、具体的には60000cStの粘度を有するもの、Mirasil DMシリーズのオイル、さらに具体的にはRhodia Chimie社から販売されているMirasil DM 500000オイル、またはWacker社のシリコーン油AK 300000などのような25℃において0.2〜2.5m2/sの粘度を有するオイル、ジメチコノールなどのようなジメチルシラノール末端基を含むポリアルキルシロキサン、あるいはRhodia Chimie社から販売されているMirasil DPDMオイルなどのようなポリアルキルアリールシロキサンなどのような、トリメチルシリル末端基を含むポリアルキルシロキサンのファミリーから選択された非揮発性シリコーン;
-アモジメチコンやトリメチルシリルアモジメチコンなどのような、アミン基を含むポリシロキサンである。
【0199】
本発明によれば、セラミド型の化合物は、具体的には天然もしくは合成のセラミド、および/またはグリコセラミド、および/または疑似セラミド、および/またはネオセラミドである。
【0200】
セラミド型の化合物は、例えば参照によりその教示が本明細書に組み込まれる、ドイツ特許出願公開第4424530号、ドイツ特許出願公開第4424533号、ドイツ特許出願公開第4402929号、ドイツ特許第4420736号、国際公開第95/23807号、国際公開第94/07844号、欧州特許出願公開第0646572号、国際公開第95/16665号、仏国特許出願公開第2673179号、欧州特許出願公開第0227994号、国際公開第94/07844号、国際公開第94/24097号、および国際公開第94/10131号に記載されている。
【0201】
本発明によれば特に好ましいセラミド型の化合物は、例えば:
-2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、
-2-N-オレオイルアミノオクタデカン-l,3-ジオール、
-2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、
-2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、
-2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、
-2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール、
-2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4-トリオール、具体的にはN-ステアロイルフィトスフィンゴシン、
-2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール
-ビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド、
-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシ-プロピル)セチルアミド;
-N-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミン、またはこれらの化合物の混合物である。
【0202】
本発明によれば、本発明のエステル以外のコンディショニング剤は、最終組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜5重量%、さらに優先的には0.01重量%〜3重量%とすることができる。
【0203】
生理的に許容できる媒体は、水、または水と、モノアルコール、ポリアルコール、およびグリコールエーテルなどのような化粧品としてもしくは皮膚科学的に許容できる溶媒との混合物からなり、単独でまたは混合物として使用することができることが好ましい。水は、好ましくは組成物の全重量に対して30重量%〜98重量%、好ましくは50重量%〜98重量%である。
【0204】
さらに具体的には、エタノールやイソプロパノールなどのようなモノアルコール、ジエチレングリコールやグリセロールなどのようなポリアルコール、およびプロピレングリコールアルキルエーテルなどのようなポリオールエーテルを挙げることができる。
【0205】
本発明の組成物は、金属イオン封鎖剤、軟化剤、フォーム改質剤、染料、他の真珠光沢剤、水和剤、抗フケ剤または抗脂漏剤、他の懸濁剤、ヒドロキシ酸、増粘剤、脂肪酸エステル、香料、保存剤、日焼け止め、タンパク質、ビタミンおよびプロビタミン、ポリマー、ならびに化粧品で通常使用されている他の任意の添加剤から選択される少なくとも1つの添加剤を含有することもできる。
【0206】
これらの添加剤は、組成物の全重量に対して0〜40重量%であり得る比率で本発明による組成物に存在する。各添加剤の正確な量は、その性質に依存し、当業者によって容易に決定される。
【0207】
もちろん、本発明による組成物に添加するべき任意の化合物を、本発明による組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定された添加によっては全くまたは実質的に悪影響を受けないように選択するために、当業者は注意を払うであろう。
【0208】
本発明による組成物は、ゲル、ミルク、クリーム、多少増粘させたローション、またはムースの形とすることができる。
【0209】
本発明による組成物は、毛髪、皮膚、睫毛、眉毛、爪、唇、または頭皮などのようなケラチン物質、さらに具体的には毛髪を処置するために使用することができる。
【0210】
組成物は、毛髪や皮膚などのようなケラチン物質を洗浄かつ清浄するために使用することもできる。
【0211】
本発明による組成物は、特にヘアスタイルを洗浄、ケア、コンディショニング、または維持するための、あるいは毛髪などのようなケラチン物質を造形するための製品として一般に使用される。
【0212】
本発明の組成物は、さらに具体的にはシャンプー;リンスアウトまたはリーブインのコンディショナー;パーマネントウェービング、リラクシング、染色、または脱色用組成物の形、あるいは毛髪を染色、脱色、パーマネントウェービング、もしくはリラクシングする前後に、またはパーマネントウェービングもしくは毛髪リラクシング操作の2ステップの間に塗布するべき組成物の形とすることができる。好ましくは、組成物は、毛髪および/または皮膚用の洗浄および起泡組成物である。
【0213】
具体的には、本発明による組成物は、シャンプー、シャワーゲル、および泡立て入浴剤などのような起泡性洗浄剤組成物である。本発明のこの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの洗浄剤界面活性剤を含む。
【0214】
洗浄剤界面活性剤は、単独または混合物に関係なく、上記に記載するアニオン性、両性、非イオン性、双性イオン性、およびカチオン性の界面活性剤から、さらに具体的にはアニオン性界面活性剤、ならびにアニオン性界面活性剤と両性および/または非イオン性の界面活性剤の混合物から選択することができる。
【0215】
界面活性剤の最小量は、最終組成物に十分な起泡力および/または洗浄力を与えるのに足りるものである。
【0216】
したがって、本発明によれば、洗浄剤界面活性剤は、最終組成物の全重量に対して有利には3重量%〜30重量%、好ましくは6重量%〜25重量%、さらに優先的には8重量%〜20重量%とすることができる。
【0217】
泡高によって特徴付けられる本発明による組成物の起泡力は、修正Ross-Miles方法(NF T 73-404/ISO 696)に従って測定して、一般に75mm超、好ましくは100mm超である。
【0218】
方法に対する修正は、以下の通りである。
【0219】
測定は、浸透水を用いて22℃の温度で実施する。溶液の濃度は2g/lである。落高は1mである。組成物の落下量は200mlである。組成物のこの200mlを、50mlの試験組成物が入っている直径50mmのメスシリンダーに落下させる。測定は、組成物の流れを止めて5分後に実施する。
【0220】
本発明の組成物は、リンスアウトまたはリーブインのコンディショナー;パーマネントウェービング、リラクシング、染色組成物、または脱色用組成物の形、あるいは毛髪を染色、脱色、パーマネントウェービング、もしくはリラクシングする前後に、またはパーマネントウェービングもしくは毛髪リラクシング操作の2ステップの間に塗布するべきリンスアウト組成物の形とすることもできる。
【0221】
組成物は、場合によってはリンスアウトすべきコンディショナーの形である場合、カチオン性界面活性剤を有利に含有し、その濃度は、組成物の全重量に対して一般に0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%である。
【0222】
本発明の組成物は、皮膚用の洗浄組成物の形、具体的には入浴もしくはシャワー用の溶液もしくはゲル、または化粧落とし製品の形とすることもできる。
【0223】
本発明による組成物は、皮膚ケアおよび/または毛髪ケア用の水性または水性-アルコール性ローションの形とすることもできる。
【0224】
本発明による化粧品組成物は、ゲル、ミルク、クリーム、乳濁液、増粘させたローション、またはムースの形とすることができ、皮膚、爪、睫毛、唇、さらに具体的には毛髪のために使用することができる。組成物は液体であることが好ましい。
【0225】
組成物は、気化した形またはムースの形の組成物を塗布可能にするために、様々な形、特に気化装置、ポンプ式ディスペンサー瓶、またはエアゾール容器に包装することができる。このような包装の形は、例えば毛髪を処置するためのスプレー、ラッカー、またはムースを得ることが望ましい場合に示唆される。
【0226】
本発明の対象は、上記に定義するような組成物を毛髪に塗布し、場合によっては続いて、任意のリーブイン時間の後に、水ですすぐことにある、毛髪などのようなケラチン物質を処置するための化粧方法でもある。
【0227】
次に、本発明を記載の実施形態に限定するものとしては見なされない下記の実施例を用いて、本発明をより完全に例示する。本明細書の下記の文中で、A.M.は活性物質を意味する。
【0228】
(実施例)
本発明による2つのシャンプーBおよびC、ならびにシャンプーA(本発明によるものでない)を調製した。
【0229】
【表1】

【0230】
組成物BおよびCは、室温および45℃で2か月より長く安定である。これらは、美しい真珠光沢効果、および良好な化粧特性を有する。毛髪は、もつれが解け易く、かつ滑らかである。
【0231】
組成物Aは、45℃で51日後に不安定である(2相の存在)。
【0232】
本発明によるシャンプーを調製した。
【0233】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容できる水性媒体中に、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの少なくとも1つの液体エステル、少なくとも1つのシクロデキストリンまたはその誘導体、および少なくとも1つのアクリル系増粘性ポリマーを含むことを特徴とする、化粧品組成物。
【請求項2】
前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、およびγ-シクロデキストリン、またはその誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シクロデキストリンまたはその誘導体が、最終組成物の全重量に対して1重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エステルが次式:
R1COOR2 (I)
(式中、
R1は、3〜5個の炭素原子を含む、場合によってはモノまたはポリヒドロキシル化された直鎖状または分枝状の炭化水素系基を表し、
R2は、12〜26個の炭素原子を含む、場合によってはモノまたはポリヒドロキシル化された直鎖状または分枝状の炭化水素系基を表す)
を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
R1が、3〜5個の炭素原子を含む分枝状アルキル基を表し、
R2が、さらに具体的には分枝状である、12〜26個の炭素原子を含むアルキル基を表すことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
R1が、tert-ブチル基を表すことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
R2が、トリデシル基、イソセチル基、イソステアリル基、オクチルドデシル基、およびイソアラキジル基から選択されることを特徴とする、請求項5または6に記載の組成物。
【請求項8】
前記エステルが、組成物の全重量に対して0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記アクリル系増粘性ポリマーが、
(a)アクリル系会合性増粘剤;
(b)架橋アクリル酸ホモポリマー;
(c)(メタ)アクリル酸と(C1〜C6)アルキルアクリレートとの架橋コポリマー;
(d)エステルおよび/またはアミド型のエチレン性不飽和モノマーを含む非イオン性ホモポリマーおよびコポリマー;
(e)アンモニウムアクリレートとアクリルアミドとのアンモニウムアクリレートホモポリマーまたはコポリマー;
(f)(メタ)アクリルアミド(C1〜C4)アルキルスルホン酸ホモポリマーおよびコポリマー;
(g)メタクリロイル(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウムの架橋ホモポリマーおよびコポリマー
から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アクリル系会合性増粘性ポリマーが、式(IV)の少なくとも1つの親水性単位と、下記式(V)の不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルなどのタイプの少なくとも1つの疎水性単位:
【化1】

[式中、R1は、HまたはCH3またはC2H5、すなわちアクリル酸、メタクリル酸、またはエタクリン酸単位を表し、かつ不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルなどのタイプの疎水性単位は、下記式(V)のモノマー:
【化2】

(式中、R1は、HまたはCH3またはC2H5(すなわち、アクリレート、メタクリレート、またはエタクリレート単位)、好ましくはH(アクリレート単位)またはCH3(メタクリレート単位)を表し、R2は、C10〜C30、好ましくはC12〜C22アルキル基を表す)
に対応する]
とを含むアニオン性アクリル系両親媒性ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記アクリル系増粘性ポリマーが、最終組成物の全重量に対して0.001重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%、さらに具体的には0.1重量%〜3重量%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記アニオン性界面活性剤が、組成物の全重量に対して4%〜35%、さらに優先的には8%〜30%の量で存在することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのコンディショニング剤も含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
コンディショニング剤が、組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜5重量%、さらに優先的には0.01重量%〜3重量%であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
シャンプー、シャワーゲル、および泡立て入浴剤などの起泡性洗浄剤組成物を構成することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
ケラチン物質、具体的には毛髪を処置するための化粧方法であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物を前記物質に適用し、次いで場合によっては水ですすぐことにあることを特徴とする方法。
【請求項17】
少なくとも1つのシクロデキストリンおよび少なくとも1つの界面活性剤を含む化粧品組成物の貯蔵安定性を改善する方法であって、前記組成物において、増粘性アクリルポリマー、および4〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と12〜26個の炭素原子を含むアルコールとの液体エステルを組み合わせることにある方法。

【公開番号】特開2007−119466(P2007−119466A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−290389(P2006−290389)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】