説明

エストロゲンベータ介在障害の治療に用いられるインダゾール

本発明は、医薬活性を有する新規インダゾール誘導体、その調製法、それを含有する組成物およびエストロゲン受容体ベータ介在疾患の治療におけるその化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性を有する新規インダゾール誘導体、その製造法、それを含む組成物およびエストロゲン受容体ベータ介在疾患の治療におけるその化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲンは、生殖器官の発達および維持に関連する細胞プロセスにおいてよく知られている内分泌レギュレーターである。エストロゲンはまた、多くの非生殖組織、例えば骨、肝臓、心臓血管系および中枢神経系において重要な作用を有することが示されている。エストロゲン受容体はリガンド活性化転写因子であり、および核ホルモン受容体サブファミリーに属する。リガンドに結合すると、これらの受容体は二量化し、応答エレメントとして知られているDNA上の特定の配列と直接結合することにより、あるいはついで特定のDNA配列に直接結合する転写因子(例えば、AP1)と相互作用することにより、遺伝子転写を活性化することができる。加えて、現在、多くの研究がまだ行われているが、エストロゲンは、キナーゼ介在シグナリングカスケードを介する作用を媒介しうることが明らかになってきている。Kousteniら、Journal of Clinical Investigation,(2003),111,1651−1664。
【0003】
歴史的に、エストロゲンは、単一のエストロゲン受容体を介してその生物学的活性が発現すると考えられていた(現在ではエストロゲン受容体アルファ(ERα)と称される)。しかしながら、近年、エストロゲン受容体の第2のサブタイプが発見された(エストロゲン受容体ベータ(ERβまたはERベータ)と称される)。Kuiperら、WO97/09348およびKuiperら、Cloning of a Novel Estrogen Receptor Expressed in Rat Prostate and Ovary,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1996,pp.5925−5930を参照。ERβは、ヒトにおいて発現する。Mosselmanら、ERβ:Identification and Characterization of a Novel Human Estrogen Receptor,FEBR S Lett.,1996,pp.49−53を参照。エストロゲン受容体の第2のサブタイプの発見は、エストロゲンシグナリングの生物学的複雑性を有意に増加させた。
【0004】
ERβの組織分布は、齧歯類においてかなり解読されており、ERαとは一致しない。組織、例えばマウス子宮および卵巣は、ERαを優先的に発現する一方、非生殖器官、例えばマウス肺は、ERβを優先的に発現する。Couseら、Endocrinology 138:4613−4621(1997),Kuiperら、Endocrinology 138:863−870(1997)を参照。同じ臓器内においてさえも、ERαおよびERβの分布は、区分化されうる。例えば、ラット卵巣においては、ERβは、顆粒膜細胞において高度に発現し、ERαは、莢膜細胞および間質細胞に制限される。Sar and Welsch,Endocrinology 140:963−971 (1999)を参照。しかしながら、受容体が同時発現する場所の例もあり、インビトロ研究において、ERαおよびERβがヘテロダイマーを形成し得るとする証拠がある。Cowleyら、Journal of Biological Chemistry 272:19858−19862(1997)を参照。
【0005】
最も有力な内因性エストロゲンは、17β−エストラジオールである。17β−エストラジオールの活性を模倣するか、またはブロックする多くの化合物が知られている。17β−エストラジオールと概ね同様の生物学的作用を有する化合物は、「エストロゲン受容体アゴニスト」と称される。17β−エストラジオールの作用をブロックするものは、それと組み合わせた場合に、「エストロゲン受容体アンタゴニスト」と称される。実際には、エストロゲン受容体アゴニストおよびエストロゲン受容体アンタゴニスト活性間には連続性があり、同じ化合物が、ある組織中ではエストロゲン受容体アゴニストとして作用し、他の組織においては、エストロゲン受容体アンタゴニストとして作用する。合わせた活性を有する化合物は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)と称され、治療的に有用な薬剤であり得る。同じ化合物が細胞特異的な作用を有し得ることについての正確な理由は解明されていないが、受容体構造および/またはコレギュレートリータンパクの環境の違いが挙げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の化合物は、ERβ受容体に結合し、したがって、ERβ介在疾患の治療に有用であり、例えば、本発明の化合物は、痛み、慢性炎症性障害、自己免疫疾患、CNS障害、代謝性障害または食欲障害の治療に有用であり得る。本発明の化合物は、心臓保護作用を有し得る。本発明の化合物はまた、良性または悪性の異常組織増殖の治療または予防にも有用であり得、本発明の化合物はエストロゲン受容体アゴニストであり、これらはまた、エストロゲン欠乏により少なくとも部分的に介在される障害または症状の治療に有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の態様において、式(I):
【化1】

[式中、R、RおよびRは、独立して、ハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−5アルカノイル、CF、CFOおよびシアノから選択される:ただし、置換基の1つがインダゾール環のC−5に結合する場合、この置換基Rはメトキシ基以外である;
mは0または1〜3の整数であり;
nは0または1であり;
pは0または1〜4の整数であり;
ただし、m、nおよびpは、合計で5以下である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一の具体例において、Rは、ハロ、例えばフルオロである。
一の具体例において、mは0である。
一の具体例において、mは1であり、Rは、ハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C1−4アルケニルまたはシアノである。
【0009】
一の具体例において、Rは、フェニル環のヒドロキシ基に対してオルト位にある。
一の具体例において、nは0である。
他の具体例において、nは1であり、RはC1−4アルキル基である。
一の具体例において、pは、0、1または2である。
一の具体例において、Rは、F、Cl、またはCHである。
【0010】
本発明の化合物は下記:
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル;
6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
6−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
6−エテニル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
6−エチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
6−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1H−インダゾール−4−オール;
5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
5−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
5−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
7−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
7−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−インダゾール−4−オール;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル;
およびその医薬上許容される塩を含む。
【0011】
「C1−4アルキル」なる用語は、本明細書で一の基としてまたは基の一部として用いられる場合、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を意味する。かかる基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル等が挙げられる。
【0012】
「C2−4アルケニル」なる用語は、本明細書で一の基としてまたは基の一部として用いられる場合、2〜4個の炭素原子および1個の二重結合を含有する直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素基を意味する。かかる基の例としては、エテニル、1−プロプ−2−エニル、2−プロプ−2−エニル等が挙げられる。
【0013】
「C1−4アルコキシ」なる用語は、本明細書で用いられる場合、−O−C1−4アルキル基(ここに、C1−4アルキルは本明細書の定義と同意義である)を意味する。かかる基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ等が挙げられる。
【0014】
「C1−5アルカノイル」なる用語は、本明細書で用いられる場合、−C(=O)Hまたは−C(=O)C1−4アルキル基(ここに、C1−4アルキルは本明細書の定義と同意義である)を意味する。
【0015】
「ハロ」なる用語は、本明細書で用いられる場合、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨウド原子を意味する。
【0016】
本発明の化合物は、実施例1〜20の化合物およびその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物またはその塩の溶媒和物もしくは水和物を含む、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体を含み、より特別には、実施例1〜20の化合物およびその医薬上許容される塩を含む。
【0017】
本発明は、すべての位置異性体、互変異性体および光学異性体ならびにそれらの混合物(例えばラセミ混合物)を含む、式(I)およびそれらの医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物またはその塩の溶媒和物もしくは水和物の全ての異性体を包含すると理解されるべきである。さらなるキラル中心が式(I)で示される化合物に存在する場合、本発明は、その混合物を含むすべての可能性あるジアステレオマーを範囲内に含む。別の異性体形態を、慣用的な方法で他から分離する、または分割することができ、あるいは、所定の異性体を、慣用的な合成法または立体特異的合成もしくは不斉合成により得ることができる。
【0018】
また、本発明は、1個またはそれ以上の原子が、天然に通常見られる原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子で置き換わっていることを除き、式(I)で示される化合物と同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に組み入れられ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素および塩素、例えばH、H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0019】
上記した同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の同位体標識化合物、例えば放射性同位体、例えばHおよび/または14Cが組み込まれたものは、薬剤および/または物質の組織分布アッセイにおいて有用である。Hおよび14Cは、調製の容易さおよび検出能のために有用であると考えられる。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放出断層撮影)において有用であると考えられ、125I同位体は、SPECT(単光子放射型{たんこうしほうしゃがた}コンピュータ断層撮影法)において有用であると考えられ、すべてのものはインビボイメージングにおいて有用である。重い同位体、例えばHでの置換は、高い代謝安定性を生じるある種の治療的利点、例えばインビボ半減期の増加または投与要求量の減少といった利点を与え、したがって、ある環境においては有用であると考えられる。本発明の式(I)で示される同位体標識化合物は、一般的に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手できる同位体標識試薬を用いて、スキームおよび/または実施例に記載の方法を行うことにより調製することができる。
【0020】
特記しない限り、本明細書において下記の定義を用いる。
「医薬上許容される誘導体」なる用語は、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物、あるいは、受容者に投与された場合に、式(I)で示される化合物を提供することができる(直接または間接的に)他のいずれもの化合物(例えば、プロドラッグ)を意味する。
【0021】
本明細書で用いられる場合、「プロドラッグ」なる用語は、体内で、例えば血中での加水分解により、薬効を有するその活性形態に変換する化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグは、T.Higuchi and V.Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,Vol.14oftheA.C.S.Symposium Series,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、およびD.Fleisher,S.Ramon and H.Barbra「Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs」,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115−130(出典明示により本明細書に組み入れる)に記載されている。
【0022】
本発明のさらなる態様は、遊離酸または塩基としての式(I)で示される化合物である。
【0023】
医薬上許容される塩は、Berge,Bighley and Monkhouse,J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載されているものを含む。「医薬上許容される塩」なる用語は、無機および有機酸を含む医薬上許容される酸から調製される塩、または無機塩基および有機塩基を含む医薬上許容される塩基から調製される塩を含む。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。無機塩基由来の塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(I)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含む。医薬上許容される有機塩基由来の塩は、第一、第二および第三級アミン;天然の置換アミンを含む置換アミン;および環状アミンを含む。特に、医薬上許容される有機塩基は、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、トロメタモール)等を含む。また、塩は、塩基性イオン交換樹脂、例えばポリアミン樹脂から形成することもできる。本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む医薬上許容される酸から調製され得る。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。いくつかの状況において、いくつかの塩は、非化学量論化合物であってもよい。
【0024】
式(I)で示される化合物は、結晶または非結晶形態で調製することができ、所望により、水和または溶媒和されていてもよい。本発明は、化学量論水和物ならびに可変量の水を含有する化合物をその範囲内に含む。
【0025】
式(I)で示される化合物は、1以上の多形体で存在し得る。本発明は、純粋な多形体または他の物質、例えば他の多形体と混合した場合も、すべての形態に及ぶ。
【0026】
適当な溶媒和物は、医薬上許容される溶媒和物、例えば水和物を含む。
溶媒和物は、化学量論溶媒和物または非化学量論溶媒和物を含む。
【0027】
式(I)で示される化合物は、下記スキームおよび実施例に記載のように調製することができる。下記のプロセスは、本発明の他の態様を形成する。
【0028】
式(I)で示される化合物製造方法は:
(a)式(II):
【化2】

[式中、R、R、mおよびnは、式(I)の記載と同意義であり、PGは保護基、例えばメチルまたは置換されていてもよいベンジル基を意味する]
で示される化合物を、式(III):
【化3】

[式中、Rおよびpは、式(I)の記載と同意義であり、PGは保護基、例えばメチルまたは置換されていてもよいベンジル基を意味し、Xは脱離基、例えばハロ(例えば、ブロモまたはヨウド)または−B(OH)のような基もしくは等価のボロン酸エステルを意味する]
で示される化合物またはその保護誘導体と反応させ、
その後、いずれの保護基PGおよびPGを除去すること;
(b)式(IV):
【化4】

[式中、R、R、mおよびnは、式(I)の記載と同意義であり、Lは脱離基、例えばハロゲン(例えば、ブロモ)である]
で示される化合物を上記式(III)で示される化合物と反応させ、ついで連続して、求核剤、例えば水酸化物または式PG−OH(ここに、PGは上記と同意義である)で示される化合物由来のアニオンと、適当な遷移金属触媒系(例えば、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファンおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の混合物)の存在下、適当な溶媒系、例えば水性1,4−ジオキサン中で反応させ、ついで、保護基を除去すること;
(c)式(I)で示される化合物またはその保護誘導体を相互変換すること;
(d)保護されている式(I)で示される化合物を脱保護すること;および/または
(e)適当な場合、式(I)で示される化合物のジアステレオマーまたはエナンチオマー混合物の分離、および/または医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物の形成;
を含む。
【0029】
式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物の工程(a)による反応は、典型的には、遷移金属塩、例えばハロゲン化銅、適当な塩基、例えばリン酸カリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミン、および、所望により、適当な配位リガンド、例えば1,2−ジアミン(例えば、1,2−(ジメチルアミノ)シクロヘキサンまたはアミノ酸の存在下で行われる。Xが脱離基、例えばハロを意味する場合、リン酸カリウムまたは炭酸カリウムの存在下、所望により、リガンド、例えば1,2−ジアミン(例えば、1,2−(ジメチルアミノ)シクロヘキサン)またはアミノ酸(例えば、プロリン)の存在下での、銅(I)源、例えばヨウ化銅(I)の使用が有利である。この反応に適当な溶媒は、トルエン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドおよび1,4−ジオキサンが挙げられる。Xが残基、例えば−B(OH)または等価のボロン酸エステルを意味する場合、銅(II)源、例えば塩基、例えばトリエチルアミンまたはピリジンの存在下、有利には、酸素含有雰囲気、例えば空気中、適当な不活性溶媒、例えばジクロロメタン中、酢酸銅(II)を用いることができる。工程(a)による反応は、常温で、または高温で、例えば還流温度で、あるいはマイクロ波照射にて行うことができる。
【0030】
工程(a)および(d)において、保護基およびそれらの除去手段の例は、T.W.Greene「Protective Groups in Organic Synthesis」(J.Wiley and Sons,1991)において見ることができる。例えば、置換されていてもよいベンジル基は、例えば10%の炭素担持Pdの存在下での水素化分解により除去することができる。
【0031】
工程(e)による分離法は、確立した方法論を用いて、例えばクロマトグラフィー、ジアステレオ塩の分割または結晶化により行うことができる。
【0032】
式(II)、(III)および(IV)で示される化合物は文献公知であるか、あるいは慣用的な供給業者から購入可能であるか、あるいは、慣用的な方法、例えば公知の化合物に保護基を付加すること、または実験例に記載のものと類似の方法により調製することができる。
【0033】
式(II)、(III)および(IV)で示される化合物は、ジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物として得てもよいことは明らかだろう。かかる混合物は、所望により、確立した方法を用いて、例えばクロマトグラフィーにより分離することができる。
【0034】
「保護誘導体」なる用語は、保護基を含む化合物、例えば上記したものを示すのに用いられる。
【0035】
本発明の化合物は、ERβ受容体に結合し、したがって、ER介在疾患の治療に有用であり得る。
【0036】
一の具体例において、本発明の化合物は、ERαよりもERβに対して選択的であり、例えば、一の具体例において、本発明の化合物は、ERαと比較してERβに対して5倍高いアフィニティーを有し得る。
【0037】
これらのERβ受容体への結合能を考慮すると、本発明の化合物は、下記障害の治療に有用であり得る。
【0038】
式で示される化合物は、痛みの治療に有用であり得る。
本明細書で用いられる場合、痛みなる用語は、急性の痛み、慢性の痛み、慢性関節痛、筋骨格痛、炎症性の痛み、内臓痛、癌に付随する痛み、偏頭痛に付随する痛み、緊張性頭痛および群発頭痛、機能性腸疾患に付随する痛み、腰痛および首痛、捻挫および張りに付随する痛み、交感神経依存性疼痛;筋炎、インフルエンザまたは他のウイルス感染症、例えば普通感冒に付随する痛み、リウマチ熱に付随する痛み、心筋虚血に付随する痛み、術後痛、頭痛、歯痛および月経困難症を含む。
【0039】
一の具体例において、化合物は、慢性痛み、術後痛、慢性腰痛および首痛、癌痛、捻挫および張りに付随する痛みの治療に有用である。
慢性関節痛の症状は、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎を含む。
機能性腸疾患に付随する痛みは、非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群を含む。
【0040】
本発明の化合物はまた、関節炎、(リウマチ様、変形性関節症および脊椎関節症)、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、不定形結腸炎)、多発性硬化、糖尿病、虚血/再かん流傷害、乾癬、敗血症、全身性エリテマトーデスおよび子宮内膜症を含む慢性炎症性障害または自己免疫疾患の治療に有用である。
【0041】
本発明の化合物は、心臓保護剤であり、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、心臓血管疾患、高脂血症および免疫細胞介在血管損傷の治療に有用である。
【0042】
本発明の化合物はまた、前立腺肥大症、乳癌、結腸癌および前立腺癌を含む、良性または悪性の異常組織増殖の治療に有用である。
【0043】
ERβ受容体結合活性を示す化合物は、脳において活性を有することが知られており、したがって、鬱病、不安、不眠症、統合失調症、アルツハイマー病、認識低下、老年性認知症および神経変性障害を含むCNS障害の予防および治療に有用であり得る。
【0044】
本発明の化合物はエストロゲン受容体アゴニストでるので、これらは、少なくとも部分的にエストロゲン欠乏に介在される障害または症状の治療に有用である。特に、これらの化合物は、更年期および更年期後傷害(血管運動症状、尿生殖器または外陰部膣萎縮、萎縮性膣炎、女性性機能不全、骨の脱塩の治療および骨粗鬆症の治療に有用であり得る。
さらなる兆候は、代謝性障害、例えばII型糖尿病および食欲障害(肥満症)を含む。
【0045】
本明細書で用いられる場合、「治療」なる用語は、上記した障害の予防ならびに確立した症状の治療、例えば、良性または悪性異常組織の阻害、更年期および更年期後障害、骨粗鬆症および変形性関節症の予防または心臓イベントに対する保護(心臓保護)を含む。
【0046】
かくして、本発明はまた、心臓保護療法または関節痛、慢性炎症性障害、自己免疫疾患、良性または悪性の異常組織増殖、CNS障害、代謝性障害、食欲障害、少なくとも部分的にエストロゲン欠乏により介在される障害または症状の治療において用いるための治療物質としての式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物を提供する。
【0047】
さらに、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における、上記障害の治療方法であって、罹患者に治療的に有効な量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む方法を提供する。
【0048】
別の態様において、本発明は、上記障害の治療において用いるための医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物の使用を提供する。
【0049】
治療において用いられる場合、式(I)で示される化合物は、一般的に、標準的な医薬組成物に処方される。かかる組成物は標準的なプロシージャを用いて製造することができる。
【0050】
かくして、本発明は、さらに、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物および医薬上許容される担体を含む、上記障害の治療において用いるための医薬組成物を提供する。
【0051】
本発明は、さらに、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0052】
本発明の医薬組成物は、適当には、常温常圧で混合することにより調製することができ、通常、経口、非経口または直腸投与に適用され、例えば、錠剤、カプセル、経口液体製剤、散剤、顆粒、ロゼンジ、復元粉末、注射可能または吸入可能溶液または懸濁液あるいは坐剤の形態であってもよい。経口投与可能な組成物が、一般的には好ましい。
【0053】
経口投与用の錠剤およびカプセルは、単位剤形であってもよく、慣用的な賦形剤、例えば結合剤、充填剤、打錠滑沢剤、崩壊剤および許容される湿潤剤を含み得る。錠剤は、通常の薬務においてよく知られた方法に従ってコーティングされていてもよい。
【0054】
経口液体製剤は、例えば水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、または、使用前に水または他の適当なビヒクルで復元するための乾燥製品の形態であってもよい。かかる液体製剤は、慣用的な添加剤、例えば懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含みうる)、保存剤および、所望により、慣用的なフレーバー剤または着色剤を含有し得る。
【0055】
非経口投与用の液体単位剤形は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物および適当なビヒクルを用いて調製することができる。化合物は、ビヒクルおよび使用濃度に応じて、ビヒクルに懸濁するか、または溶解することができる。溶液の調製において、化合物は、注射用水に溶解し、滅菌濾過し、ついで、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、シールされる。有利には、補助剤、例えば局所麻酔剤、保存剤および緩衝剤をビヒクルに溶解する。安定性の増強のために、組成物は、バイアルに充填後冷凍し、減圧下で水を除去することができる。非経口懸濁液は、化合物をバイアルに溶解する代わりに懸濁すること、および滅菌が濾過により行えないことを除いて、実質的に同じ方法で調製することができる。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁する前にエチレンオキシドに曝露することにより滅菌することができる。有利には、界面活性剤または湿潤剤を、化合物の均一な分散を促がすために組成物に含ませる。
【0056】
組成物は、投与方法に応じて、0.01%〜99重量%、好ましくは1〜60重量%の活性物質を含みうる。上記した障害の治療において用いられる化合物の投与量は、障害の重症度、罹患者の体重および同様の因子により変化するだろう。しかしながら、一般的な指針として、適当な単位投与量は、0.05〜1000mg、より適当には1.0〜200mgであり、かかる単位用量は、1日1回以上、例えば1日2または3回で投与してもよい。かかる治療は、数週間または数ヶ月の間に及んでもよい。
【0057】
本発明のさらなる態様は、0.05〜1000mgの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物、および0〜3g、より適当には0〜2gの少なくとも1種の医薬上許容される担体、例えば結合剤、充填剤、打錠滑沢剤、崩壊剤および/または湿潤剤を含む医薬組成物である。
【0058】
ホスト、特にヒト患者に投与される式(I)で示される化合物の正確な量は、主治医の判断によるだろう。しかしながら、用いられる投与量は、患者の年齢および性別、治療する正確な症状およびその重症度および投与経路に依存する。
【0059】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物は、他の治療剤と組み合わせて用いることもができる。
【0060】
本発明の化合物は、他の治療剤、例えばCOX−2(シクロオキシゲナーゼ−2)阻害剤、例えばセレコキシブ、デラコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、COX−189または2−(4−エトキシ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−b]ピリダジン(WO99/012930);5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAID(非ステロイド抗炎症剤)、例えばジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトンまたはイブプロフェン;ビスホスフェート、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARD(疾患修飾性抗リウマチ剤)、例えばメトトレキサート;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャンネルブロッカー、例えばラモトリジン;NMDA(N−メチル−D−アスパルテート)受容体モジュレーター、例えばグリシン受容体アンタゴニスト;電位依存性カルシウムチャンネルのαδ−サブユニットのリガンド、例えばガバペンチンおよびプレガバリン;三環系抗うつ剤、例えばアミトリプチリン;ニューロン安定化抗癲癇剤;モノ−アミン作用性再取り込み阻害剤、例えばベンラファキシン;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔剤;5HTアゴニスト、例えばトリプタン、例えばスマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルピトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタン;ニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体モジュレーター;グルタメート受容体モジュレーター、例えばNR2Bサブタイプのモジュレーター;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアゴニストおよびEPアゴニスト;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;カンナビノイド受容体リガンド;ブラジキニン受容体リガンド;バニロイド受容体リガンド;およびP2X、P2X2/3、P2X、P2XまたはP2X4/7でのアンタゴニストを含むプリン作動性受容体リガンドと組み合わせて用いることができる。化合物を他の治療剤と組み合わせて用いる場合、化合物は、いずれの有利な経路により、別個に、または同時に投与してもよい。
【0061】
さらなるCOX−2阻害剤は、米国特許第5,474,995号;米国特許第5,633,272号;米国特許第5,466,823号;米国特許第6,310,099号および米国特許第6,291,523号;およびWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374に記載されている。
【0062】
疾患修飾またはアルツハイマー病の対症療法として有用である他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて用いることができる。かかる他の治療剤の適当な例は、コリン作動性トランスミッションを修飾することが知られている薬剤、例えば5−HT1Aアンタゴニスト、(例えば、レコゾタン)、5−HT6アンタゴニスト、M1ムスカリン性アゴニスト、M2ムスカリン性アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジルまたはリバスチグミン)、またはアロステリックモジュレーター、ニコチン性受容体アゴニストまたはアロステリックモジュレーター、対症療法剤、例えば5−HT6受容体アンタゴニスト、例えばSB742457、H3受容体アンタゴニスト、例えばGSK189254およびGSK239512、5HT4受容体アゴニスト、またNMDA受容体アンタゴニストまたはモジュレーター、およびPPARγモジュレーター、および疾患修飾剤、例えばβまたはγ−セクレターゼ阻害剤および/またはモジュレーター(例えば、R−フルルビプロフェン)が挙げられる。かかる他の治療剤の他の適当な例としては、神経痛、神経炎および背痛を含む神経障害に由来する痛み、ならびに変形性関節症、関節リウマチ、急性炎症性の痛み、背痛および偏頭痛を含む炎症性の痛みの治療に有用である医薬が挙げられる。
【0063】
化合物が、他の治療剤と組み合わせて用いられる場合、化合物は、いずれの有利な経路により、別個に、または同時に投与することができる。
【0064】
本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物とさらなる治療剤を含む組み合わせを提供する。
【0065】
上記した組み合わせは、有利には、医薬処方の形態で用いられるように提供することができ、かくして、医薬処方は、上記した組み合わせを医薬上許容される担体または賦形剤と一緒に含み、これは本発明のさらなる態様に含まれる。かかる組み合わせの個々の成分は、別の経路で別個に、または同時に、あるいは組み合わせ医薬処方で投与することができる。
【0066】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、水和物または塩の溶媒和物もしくは水和物が、同様の病態に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて用いられる場合、各々の化合物の投与量は、その化合物を単独で投与する場合とは異なり得る。適当な投与量は、当業者により容易に明らかになるだろう。
【0067】
限定するものではないが、本明細書に記載の特許および特許出願を含むすべての刊行物は、出典明示により本明細書に組み入れる。
【0068】
以下の非限定的実施例は、本発明の医薬上活性な化合物の調製法を説明する。
【実施例】
【0069】
下記プロシージャにおいて、各々の出発物質に続いて、参照が典型的に提供される。これは、単に、当業者を補助するために提供される。出発物質は、必ずしも、明細書に記載のように調製される必要はない。
【0070】
LC/Massスペクトルは、以下のいずれかで取得した:
5分法
Waters ZQ Mass Spectrometerを備えたAgilent 1100シリーズHPLCシステム。LC分析を、Waters Atlantisカラムで行う(50×4.6mm、3μm、移動相:0.1分間97%[水+0.05%HCOH]/3%[CHCN+0.05%HCOH]、ついで、3.9分にわたって3%[水+0.05%HCOH]/97%[CHCN+0.05%HCOH]、ついで、0.8分間この条件で保持);温度=30℃;流速=3mL/分);質量スペクトルは、エレクトロスプレーおよび/またはAPCIを用いて回収する。質量スペクトルにおいて、分子イオンクラスターの1つだけのピークを記録する。UV検出範囲は、220〜330nmである;
あるいは、2分法
ハードウェア:Waters Acquity Binary solvent Manager,Waters Acquity Sample Manager,Waters Acquity Column Oven,Waters Acquity Photo Diode Array,Waters ZQ Mass Spectrometer,Polymer Labs ELSD PL1000、
コンピュータシステム、XPSP2
ソフトウェア:Waters MassLynx v4.1
カラム:Acquity UPLC BEHC18 1.7μm2.1mm×50mm、カラムオーブンセット、40℃
溶媒:A−水性溶媒=水0.1%ギ酸+10mM酢酸アンモニア、B−有機溶媒=MeCN:水95:5+0.05%ギ酸
装置セッティング:注入量:0.5μl、UV検出:220〜330nm、MSスキャン範囲:100〜1000amu、MSスキャン速度:スキャン間に0.1秒のディレイを入れた0.2秒スキャン、MSスキャン機能:正/負スイッチングを有するエレクトロスプレー。
【0071】
勾配:
【表1】

【0072】
プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Bruker装置を用い、250または400MHzで記録した。化学シフトは、内部標準としてテトラメチルシランを用いてppm(δ)で記録した。分裂パターンは、s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;br、ブロードで示す。NMRスペクトルは、25〜90℃で記録した。一以上のコンフォーマーが検出された場合、最も豊富な1つに関する化学シフトを記録する。
クロマトグラフィーは、Flashmaster II(Argonaut)またはBiotage SP4自動クロマトグラフィーシステムのいずれかで、適当な溶出溶媒系を用いて、シリカゲルカートリッジで行った。
マス・ディレクテッド・自動分取(MDAP)HPLC装置は、以下のものからなる:Waters 2525 Binary Gradient Module、Waters 515 Makeup Pump、Waters Pump Control Module、Waters 2767 Inject Collect、Waters Column Fluidics Manager、Waters 2996 Photodiode Array Detector、Waters ZQ Mass Spectrometer、Gilson 202フラクションコレクター、Gilson Aspec廃棄物コレクター。カラム:Waters Atlantis、直径は19mm×100mm(<100mgスケール)および30mm×100mm(>100mgスケール)であり、粒度は5μmである。溶媒、A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸、B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸。勾配範囲、HPLC保持時間に応じて、5−30%A中B〜80−99%A中B、ランタイム=13.5分。流速=20mL/分(<100mgスケール)、40mL/分(>100mgスケール)。
H−CubeTMは、THALES Inc(Budapest)により製造された連続流水素化装置である。
【0073】
本明細書において用いられる略語は以下の通りである
DMF−N,N−ジメチルホルムアミド
DCM−ジクロロメチル
THF−テトラヒドロフラン
DME−エチレングリコールジメチルエーテル
Pddba−トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
【0074】
記載例1
4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)
【化5】

4−ヒドロキシインダゾール(702mg、5.24mmol)のDMF(10mL)中撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下常温で、水素化ナトリウム(231mgの鉱油中60%分散液、5.76mmol)を加えた。混合物を10分間撹拌して、ついで、臭化ベンジル(0.622mL、5.24mmol)をシリンジで加えた。2時間常温で撹拌した後、混合物を塩化アンモニウム溶液でクエンチし、溶媒を蒸発させ、酢酸エチルおよび水を加えた。生成物を酢酸エチルで抽出し、橙色溶液を乾燥し(NaSO)、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、0−100%ヘキサン中酢酸エチルで溶出)に付して、標題化合物(D1)(0.532g)を得た。
LC−MS:MH=225(C1412O=224)
【0075】
記載例2
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D2)
【化6】

4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)(530mg、2.37mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ホウ酸(873mg、3.55mmol)、酢酸銅(861mg、4.74mmol)、トリエチルアミン(0.660mL、4.74mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(2.5g)のジクロロメタン(10mL)中混合物を、大気圧下常温で強く撹拌した。さらなる量のホウ酸、トリエチルアミンおよび酢酸銅を、18時間後に(各々0.5当量)および22時間後(各々1当量)に加えた。さらに24時間撹拌した後、混合物を、シリカゲルのプラグにより濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル、0−20%ヘキサン中酢酸エチルで溶出)に付して、標題化合物(D2)を白色固体として得た(309mg)。
LC−MS:MH=425(C2721FN=347)
【0076】
記載例3
4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D3)
【化7】

4−ブロモ−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(200mg、0.88mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ酸(433mg、1.76mmol)、ピリジン(0.14mL、1.73mmol)、酢酸銅(239mg、1.32mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(500mg)を加えた。反応混合物を、空気の存在下室温にて3日間撹拌した。セライトを混合物に加え、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液を減圧下で濃縮した。生成物を、5−80%ヘキサン中ジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、標題化合物(D3)(176mg)を得た。
LC−MS:MH=427,429(C2116BrFN=426,428)
【0077】
記載例4
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール−4−オール(D4)
【化8】

4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D3)(176mg、0.41mmol)のジオキサン(5mL)および水(5mL)中溶液に、水酸化カリウム(92mg、1.64mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(10mg、0.02mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8mg、0.009mmol)で処理した。90℃で1時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、ついで、酢酸エチルおよび水で希釈した。PHを1M塩酸を添加して7に調節した。層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、5−70%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D4)(118mg)を得た。
LC−MS:MH=365(C2117FN=364)
【0078】
記載例5
4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D5)
【化9】

4−ブロモ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(1.0g、4.50mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液に、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ酸(2.2g、8.94mmol)、ピリジン(0.71mL、8.78mmol)、酢酸銅(1.2g、6.63mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(2.0g)を加えた。反応混合物を、空気の存在下室温にて6日間撹拌した。セライトを混合物に加え、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液を減圧下で濃縮した。生成物を、5−100%ヘキサン中ジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(D5)(774mg)。
LC−MS:MH=422,424(C2113BrFNO=421,423)
【0079】
記載例6
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D6)
【化10】

4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D5)(535mg、1.27mmol)のジオキサン(10mL)および水(10mL)中溶液に、水酸化カリウム(284mg、5.07mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(32mg、0.075mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(23mg、0.025mmol)で処理した。90℃で1時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、ついで、酢酸エチルおよび水で希釈した。PHを1M塩酸を添加して7に調節した。層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、5−100%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D6)(308mg)を得た。
LC−MS:MH=360(C2114FN=359)
【0080】
記載例7
4−ブロモ−6−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D7)
【化11】

4−ブロモ−6−フルオロ−1H−インダゾール(1.0g、4.65mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ酸(2.29g、9.31mmol)、ピリジン(0.75mL、9.28mmol)、酢酸銅(1.26g、6.96mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(2g)を加えた。反応混合物を、空気の存在下室温にて、4日間撹拌した。セライトを混合物に加え、5分間撹拌し、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を、5−100%ヘキサン中ジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D7)(779mg)を得た。
LC−MS:MH=415,417(C2013BrFO=414,416)
【0081】
記載例8
6−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D8)
【化12】

4−ブロモ−6−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D7)(670mg、1.61mmol)のジオキサン(20mL)および水(20mL)中溶液に、水酸化カリウム(362mg、6.46mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(41mg、0.097mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(30mg、0.033mmol)で処理した。90℃で1時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、ついで、酢酸エチルおよび水で希釈した。PHを1M塩酸を添加して7に調節した。層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、5−80%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(D8)(473mg)。
LC−MS:MH=353(C2014=352)
【0082】
記載例9
6−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D9)
【化13】

6−ブロモ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(1.0g、4.40mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンホウ酸(2.16g、8.80mmol)、ピリジン(0.71mL、8.79mmol)、酢酸銅(1.2g、6.62mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(2g)を加えた。反応混合物を、空気の存在下室温にて5日間撹拌した。セライトを混合物に加え、10分間撹拌し、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液をジクロロメタンで洗浄し、ついで、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を、5−30%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D9)(1.23g)を得た。
LC−MS:MH=427,429(C2116BrFN=426,428)
【0083】
記載例10
4−ブロモ−6−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D10)
【化14】

4−ブロモ−6−クロロ−1H−インダゾール(413mg、1.78mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ホウ酸(876mg、3.56mmol)、酢酸銅(II)(483mg、2.67mmol)およびピリジン(0.29mL、3.56mmol)のDCM(30mL)中混合物を、空気中モレキュラーシーブ(4A、790mg)の存在下で撹拌した。40時間後、混合物をセライトのパッドで濾過し、濃縮して、1.24gの粗物質を得た。これを、ヘキサン中EtOの勾配(0〜30%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4,40+Mシリカカラム)により精製して、少量のN2−アリール位置異性体を含有する410mgの所望の化合物(D10)を得た。
LC−MS:MH=432(C2013BrClFNO=431)
【0084】
記載例11
6−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D11)
【化15】

4−ブロモ−6−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D10)(410mg、0.95mmol)およびKOH(212mg、3.8mmol)のジオキサン(10mL)および水(10mL)中溶液を、アルゴン流雰囲気下で5分間超音波処理し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(24mg、0.057mmol)およびPddba(17mg、0.019mmol)を加え、2時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で希釈し、pHを約7に調節した。相を分離し、水相をEtOAcで再び抽出し、合した有機層を、最終的に、MgSOで乾燥させた。粗物質(450mg)を、ヘキサン中EtOAcの勾配0〜50%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4,25+Mシリカカラム)により精製して、60mgの所望の化合物(D11)を得た。
LC−MS:MH=369(C2014ClFN=368)
【0085】
記載例12
4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1H−インダゾール(D12)
【化16】

4−ブロモ−6−メチル−1H−インダゾール(950mg、4.5mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸(2.2g、9mmol)、酢酸銅(II)(1.22g、6.75mmol)およびピリジン(0.73mL、9mmol)のDCM(80mL)中混合物を、空気中、モレキュラーシーブ(4A、2g)の存在下で撹拌した。40時間後、混合物をセライトのパッドで濾過し、濃縮して、3.3gの粗物質を得た。これを、ヘキサン中EtOAcの勾配0〜30%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4,40+Mシリカカラム)により精製して、1.98gの所望の化合物(D12)を得、わずかに純粋でなかったがそのまま用いた。
LC−MS:MH=412(C2116BrFNO=411)
【0086】
記載例13
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1H−インダゾール−4−オール(D13)
【化17】

4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1H−インダゾール(D12)(1.97g、4.5mmol)およびKOH(1g、18mmol)のジオキサン(50mL)および水(50mL)中溶液を、アルゴン流雰囲気下で5分間超音波処理し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(115mg、0.27mmol)およびPddba(82mg、0.09mmol)を加え、2時間加熱還流した。ついで、混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で希釈し、pHを1MのHClで約7に調節した。相を分離し、水相をEtOAcで再び抽出し、合した有機層を最後にMgSOで乾燥した。粗物質(2.1g)を、ヘキサン中EtOAcの勾配0〜50%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4,40+Mシリカカラム)により精製して、730mgの所望の化合物(D13)を得た。
LC−MS:MH=349(C2117FN=348)
【0087】
記載例14:2−ブロモ−3,6−ジフルオロベンズアルデヒド(D14)
【化18】

ジイソプロピルアミン(13.29mL、93mmol)のTHF(300mL)中溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(34.2mLのヘキサン中2.5M溶液、85mmol)を10分にわたって滴下した。混合物を−78℃で15分間撹拌し、ついで、2−ブロモ−1,4−ジフルオロベンゼン(15g、78mmol)のTHF(100mL)中溶液を15分にわたって、温度を−65℃以下に保持しながら滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、N,N−ジメチルformアミド(6.62mL、85mmol)をシリンジで加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、ついで、飽和NHCl溶液でクエンチし、混合物を室温にした。生成物をエーテルで抽出し、抽出物を乾燥し(NaSO)、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中0−100%ジクロロメタン)により精製して、標題化合物(D14)を黄色固体として得た(12.73g)。
NMR(δ),(CDCl):7.16(1H,m),7.35(1H,m),10.32(1H,s)
【0088】
記載例15:4−ブロモ−5−フルオロ−1H−インダゾール(D15)
【化19】

2−ブロモ−3,6−ジフルオロベンズアルデヒド(D14)(6g、27.1mmol)の1,2−ジメトキシエタン(25mL)中溶液に、ヒドラジン一水和物(30mL、956mmol)を5分にわたって加えた。混合物を、アルゴン雰囲気下で6日間還流した。溶液を約10mLまで蒸発させ、混合物を水(500mL)に注いだ。沈殿した固体を濾過により回収し、水(3×)で洗浄し、乾燥して、1.4gの粗生成物を得た。水相を酢酸エチル(2×)で抽出し、抽出物をNaSOで乾燥し、蒸発させて、さらに0.4gの固体を得、これを最初のバッチを合し、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中酢酸エチル)に付して、標題化合物(D15)を白色固体として得た(1.01g)。
LC−MS:MH=215/217(CBrFN=214/216)
【0089】
記載例16
4−ブロモ−5−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D16)
【化20】

4−ブロモ−5−フルオロ−1H−インダゾール(D15)(1.008g、4.69mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸1.730g、7.03mmol)、酢酸銅(II)(1.277g、7.03mmol)およびピリジン(0.758mL、0.742g、9.38mmol)の混合物を、空気中、粉末4Aモレキュラーシーブ(5g)と一緒に室温にて撹拌した。6日後、さらに580mgのボロン酸を加え、24時間撹拌した。混合物をセライトにより濾過し、セライトをジクロロメタンで洗浄し、合した濾液を水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、0−100%イソヘキサン中ジクロロメタン)により精製し、ついで、生成物をジエチルエーテルでトリチュレートして、標題化合物(D16)(0.968g)を白色固体として得た。
LC−MS:MH=415/417(C2013BrFNO=414/416)
【0090】
記載例17
5−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D17)
【化21】

4−ブロモ−5−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D16)(0.968g、2.331mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)/水(20mL)中懸濁液を撹拌し、水酸化カリウム(0.523g、9.32mmol)、Pddba(42.7mg、0.047mmol)および2−ジ−tertブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(59.4mg、0.140mmol)で処理し、混合物をアルゴン雰囲気下で還流した。6時間還流した後、同量のPddbaおよび2−ジ−tertブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを加え、さらに3時間還流を続けた。混合物を水/酢酸エチルで希釈し、pHを2MのHClで6に調節した。生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥し(NaSO)、濃縮した。
クロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン/ヘキサン)により精製して、標題化合物(D17)をベージュ固体として得た(0.612g)。
LC−MS:MH=353(C2014=352)
【0091】
記載例18:3−ブロモ−6−フルオロ−2−(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(D18)
【化22】

ジイソプロピルアミン(6.89g、9.6mL、68.3mmol)のTHF(100mL)中溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(33.5mLのヘキサン中1.6M溶液、53.6mmol)を3時間にわたって加えた。−78℃で10分間撹拌した後、2−ブロモ−5−フルオロアニソール(10g、48.8mmol)のTHF(20mL)中溶液を15分にわたって加えた。添加が完了した後、混合物を−78℃で1時間撹拌し、ついで、DMF(3.91g、4.12mL、53.6mmol)を3分にわたって加え、−78℃で45分間撹拌した。飽和NHCl溶液を加え、混合物を室温にした。ジエチルエーテルおよび2MHClを加え、生成物をジエチルエーテルで抽出し、合した抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィーに付し、ついで、生成物をジエチルエーテルでトリチュレートして、標題化合物(D18)を黄色固体として得た(6.84g)。
NMR(δ),(CDCl):3.97(3H,s),6.90(1H,m),7.76(1H,dd,J=5.9,11.0Hz),10.34(1H,s)
【0092】
記載例19:5−ブロモ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D19)
【化23】

3−ブロモ−6−フルオロ−2−(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(D18)(4g、17.16mmol)、メトキシルアミン塩酸塩(1.43g、17.16mmol)および炭酸カリウム(2.60g、18.97mmol)のDME(20mL)中混合物を、アルゴン雰囲気下室温にて5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、DME(20mL)中に溶解し、ヒドラジン水和物(20mL)を加え、混合物を16時間100℃に加熱した。冷却した後、酢酸エチルを加え、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮した。ジエチルエーテルでトリチュレートして、標題化合物(D19)を橙色固体として得た。
LC−MS:MH=227/229(CBrNO=226/228)
【0093】
記載例20
5−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D20)
【化24】

5−ブロモ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D19)(0.670g、2.95mmol)、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンボロン酸(1.45g、5.90mmol)、酢酸銅(II)(0.804g、4.43mmol)、ピリジン(0.447mL、5.90mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(3g)のジクロロメタン(30mL)中混合物を、大気圧下室温にて撹拌した。4日後、混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトにより濾過した。濾液を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(0−30%ヘキサン中酢酸エチルおよびヘキサン中ジエチルエーテル)により精製して、標題化合物(D20)(0.65g)を得た。
LC−MS:MHat427/429(C2116BrFN=426/428)
【0094】
記載例21:2−ブロモ−3−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(D21)
【化25】

ジイソプロピルアミン(5mL、35.4mmol)のTHF(30mL)中溶液に、アルゴン雰囲気下0℃で、n−ブチルリチウム(16.5mLのヘキサン中1.6M溶液、26.4mmol)を20分にわたってゆっくりと加えた。混合物を−75℃に冷却し、2−ブロモ−1−クロロ−4−フルオロベンゼン(5g、23.9mmol)のTHF(20mL)中溶液を15分にわたって温度を−70℃未満に保持しながら滴下した。溶液を−75℃で45分間撹拌し、ついで、DMF(2.2mL、28.6mmol)を5分にわたって加えた。混合物を−78℃で2時間撹拌し、ついで、室温にした。水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。合した抽出物をブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、標題化合物(D21)を黄色固体として得た(3.344g)。
NMR(δ),(CDCl):7.14(1H,m),7.66(1H,dd,J=5.0,11.0Hz),10.32(1H,s)
【0095】
記載例22:4−ブロモ−5−クロロ−1H−インダゾール(D22)
【化26】

2−ブロモ−3−クロロ−6−フルオロベンズアルデヒド(D21)(1g、4.2mmol)、メトキシルアミン塩酸塩(0.35g、4.2mmol)および炭酸カリウム(0.64g、4.6mmol)の混合物を、無水DME(5mL)中40℃で5時間加熱した。混合物をセライトにより濾過し、濾液を1〜2mLに濃縮した。ヒドラジン一水和物(20mL)を加え、混合物を100℃に21時間加熱した。冷却した後、酢酸エチルおよび水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。合した抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/ヘキサン)に付して、標題化合物(D22)を灰白色固体として得た(0.361g)。
LC−MS:MH=231/233/235(CBrClN=230/232/234)
【0096】
記載例23
4−ブロモ−5−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D23)
【化27】

4−ブロモ−5−クロロ−1H−インダゾール(D22)(0.361g、1.56mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸(0.57g、2.32mmol)、酢酸銅(II)(0.42g、2.31mmol)およびピリジン(0.25mL、3.10mmol)のジクロロメタン(50mL)中混合物を、空気中、粉末4Aモレキュラーシーブ(1.5g)と一緒に激しく撹拌した。5日後、混合物をセライトにより濾過し、溶媒を蒸発させた。濃縮液をクロマトグラフィー(シリカ、ジクロロメタン/ヘキサン)に付して、標題化合物(D23)を灰白色固体として得た(0.32g)。
LC−MS:MH=431/433(C2013BrClFNO=430/432)
【0097】
記載例24
5−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D24)
【化28】

4−ブロモ−5−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D23)(0.32g、0.74mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)/水(5mL)中懸濁液を撹拌し、水酸化カリウム(0.17g、3.03mmol)、Pddba(0.014g、0.015mmol)および2−ジ−tertブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.019g、0.045mmol)で処理し、混合物を、アルゴン雰囲気下90℃で加熱した。3時間後、混合物を冷却し、水/酢酸エチル、ついで、2NのHCl(1.3mL)を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合した抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル/ヘキサン)に付して、標題化合物(D24)(0.195g)を得た。
LC−MS:MH=369/371(C2014ClFN=368/370)
【0098】
記載例25:2,3−ジフルオロ−6−(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(D25)
【化29】

−75℃に冷却した、ジイソプロピルアミン(14.6mL、103.5mmol)の乾燥THF(50mL)中溶液に、BuLi(ヘキサン中1.6M溶液、47mL、75.9mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下で、温度を−60℃以下に保持しながら滴下した。この温度で15分間撹拌し、ついで、1,2−ジフルオロ−4−(メチルオキシ)ベンゼン(10g、69mmol)の乾燥THF(50mL)中溶液をゆっくりと加えた。混合物を、−78℃で45分間撹拌し、ついで、DMF(6.37mL、82.8mmol)を−60℃に保持しんがらゆっくりと加えた。得られた混合物を−78℃で約3.5時間撹拌し、ついで、水(100mL)を加え、冷却し、室温に加温した。EtOAcで希釈し、有機物を分離した。水相をEtOAc(3×)で再び抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(10.26g)を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D25)(9g)を得た。
LC−MS:MH=173(C=172)
【0099】
記載例26:7−フルオロ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D26)
【化30】

2,3−ジフルオロ−6−(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(D25)(5g、29.05mmol)をDME(30mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下で5分間超音波処理して脱気した。これにO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.43g、29.05mmol)およびKCO(4.42g、31.95mmol)を加え、溶液を3時間撹拌した。混合物をセライトにより濾過し、容量を減圧下で約20mLにした。これに、ヒドラジン一水和物(20mL)を加え、アルゴン雰囲気下で2.5日間還流した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(150mL)および水(150mL)で希釈し、相を分離した。水層をEtOAc(3×)で再び抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(4.8g)を、ヘキサン中EtOAc(0〜50%)の勾配で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(ISCO Companion XL,120gシリカカラム)により精製して、3.33gの標題化合物(D26)を調製した。
LC−MS:MH=167(CFNO=166)
【0100】
記載例27
7−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D27)
【化31】

7−フルオロ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D26)(500mg、3.01mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸(1.48g、6.02mmol)、酢酸銅(II)(820mg、4.51mmol)、粉末モレキュラーシーブ(550mg)およびピリジン(0.49mL、6.02mmol)のDCM(15mL)中混合物を、空気の存在下室温にて撹拌した。4時間後、混合物をセライトのパッドで濾過し、水で洗浄した。水相をDCM(3×)で再び抽出し、合した有機層ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(1.71g)を、ヘキサン中EtOAcの勾配(0〜20%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製して、286mgの標題化合物(D27)を得た。
LC−MS:MH=367(C2116=366)
【0101】
記載例28:7−クロロ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D28)
【化32】

3−クロロ−2−フルオロ−6−(メチルオキシ)ベンズアルデヒド(10g、53.0mmol)の1,2−ジメトキシエタン(105mL)中溶液に、炭酸カリウム(8.06g、58.3mmol)およびO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.43g、53.0mmol)を加え、混合物を撹拌し、4時間45℃で加熱した。冷却した後、混合物を濾過し、約40mLに濃縮して、ヒドラジン一水和物(58.3mL、1856mmol)を加え、反応物を、アルゴン雰囲気下で週末の間還流した。混合物を、ロータリーエバポレーターで10〜15mLに濃縮して、ついで、水に注ぎ、10分間撹拌した。沈殿固体を濾過により回収し、水(3×)で洗浄し、吸引乾燥し、ついで、減圧下60℃で1時間乾燥して、標題化合物(D28)を灰白色固体として得た(8.83g)。
LC−MS:MH=183/185(CClNO=182/184)
【0102】
記載例29
7−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D29)
【化33】

7−クロロ−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D28)(5g、27.4mmol)、{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸(10.11g、41.1mmol)、酢酸銅(II)(7.46g、41.1mmol)およびピリジン(4.43mL、4.33g、54.8mmol)のジクロロメタン(100mL)中混合物を、空気中、粉末4Aモレキュラーシーブ(約25g)と一緒に激しく撹拌した。4日後、混合物をセライトにより濾過し、フィルターをジクロロメタンで洗浄した。濾液を水およびブラインで洗浄し、ついで、乾燥し(NaSO)、蒸発させた。クロマトグラフィー(シリカ、イソヘキサン中5−100%ジクロロメタン)により精製して、2の生成物を得、より極性の高い成分は、N−1アリール生成物(灰白色固体 2.41g)(D29)であった。
LC−MS:MH=383/385(C2116ClFN=382/384)
【0103】
記載例30:3−メチル−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D30)
【化34】

水素化ナトリウム(0.452gの鉱油中60%分散液、11.3mmol)のDMF(30mL)中懸濁液に、4−ヒドロキシ−3−メチルインダゾール(1.52g、10.3mmol)(J.Med Chem.,2000,2672に記載の方法と類似の方法で調製した)のDMF(20mL)中溶液を、カニューレで加えた。混合物を室温にて10分間撹拌し、ついで、臭化ベンジル(1.223mL、10.3mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウム溶液でクエンチし、DMFを蒸発させた。酢酸エチルおよび水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥し(NaSO)、蒸発させた。クロマトグラフィー(ヘキサン中0−100%酢酸エチル)により精製して、標題化合物(D30)を橙色固体として得た(1.774g、約10%ジベンジル化物質を含有する)。
LC−MS:MH=239(C1514O=238)
【0104】
記載例31
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3−メチル−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D31)
【化35】

3−メチル−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D30)(0.952g、4mmol)、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンボロン酸(1.97g、8.0mmol)、酢酸銅(II)(1.09g、6.0mmol)、ピリジン(0.647mL、8.0mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(4g)のジクロロメタン(25mL)中混合物を、空気雰囲気下室温にて撹拌した。48時間後、混合物をセライトにより濾過し、濃縮し、酢酸エチル中に再び溶解し、再び濾過し、濃縮し、ついで、クロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%酢酸エチルおよびヘキサン中0−40%ジエチルエーテル)により精製した。白色固体がフラクションから結晶化し、これを濾過により回収して、標題化合物(D31)(0.45g)を得た。
LC−MS:MH=439(C2823FN=438)
【0105】
記載例32
1−[4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D32)
【化36】

4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)(543mg、1.65mmol)、[4−(メチルオキシ)フェニル]ボロン酸(500mg、3.29mmol)、酢酸銅(II)(448mg、2.47mmol)、粉末モレキュラーシーブ(400mg)およびピリジン(0.27mL、3.29mmol)のDCM(75mL)中溶液を、空気の存在下室温にて撹拌した。4時間後、混合物をセライトのパッドで濾過し、水で洗浄した。水相をDCMで再び抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(880mg)を、ヘキサン中EtOの溶媒(0〜30%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製して、115mgの標題化合物(D32)を得た。
LC−MS:MH=331(C2118=330)
【0106】
記載例33
1−[3−クロロ−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D33)
【化37】

4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)(500mg、2.23mmol)、[3−クロロ−4−(メチルオキシ)フェニル]ボロン酸(831mg、4.46mmol)、酢酸銅(II)(608mg、3.345mmol)、粉末モレキュラーシーブ(400mg)およびピリジン(0.36mL、4.46mmol)のDCM(75mL)中溶液を、空気の存在下室温にて撹拌した。5日後、混合物をセライトのパッドで濾過し、水で洗浄した。水相をDCMで再び洗浄し、合した有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(1.06g)を、ヘキサン中EtOAcの勾配(0〜20%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4,40+Mシリカカラム)により精製して、不純物を含有する470mgの標題化合物(D33)を得た。
LC−MS:MH=365(C2117ClN=364)
【0107】
記載例34
1−[3−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D34)
【化38】

4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)(500mg、2.23mmol)、[3−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]ボロン酸(740mg、4.46mmol)、酢酸銅(II)(608mg、3.345mmol)、ピリジン(0.36mL、4.46mmol)および粉末モレキュラーシーブ(400mg)のDCM(75mL)中混合物を、空気中室温にて撹拌した。41時間後、混合物をセライトのパッドで濾過し、水で洗浄した。水相をDCMで再び抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗物質(1.17g)を、ヘキサン中EtOAcの勾配0〜30%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製して、不純物を含有する562mgの標題化合物(D34)を得た。
LC−MS:MH=345(C2220=344)
【0108】
記載例35
1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D35)
【化39】

4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D1)(280mg、1.25mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に、{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸{DE特許出願4236105}(660mg、2.50mmol)、ピリジン(0.202mL、2.50mmol)、酢酸銅(340mg、1.88mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(500mg)を加えた。反応混合物を、空気中、室温にて6日間撹拌した。セライトを混合物に加え、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液を水で洗浄した。層を分離した後、水相をジクロロメタンで再び抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を、ヘキサン中5−100%酢酸エチルで溶出するで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D35(257mg)を得た。
LC−MS:MH=443(C2720=442)
【0109】
記載例36
4−ブロモ−1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D36)
【化40】

4−ブロモ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(1.0g、4.50mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液に、{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ボロン酸{DE4236105}(1.8g、6.82mmol)、ピリジン(0.73mL、9.04mmol)、酢酸銅(1.22g、6.74mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(5g)を加えた。反応混合物を、空気の存在下室温にて6日間撹拌した。セライトを混合物に加え、5分間撹拌し、ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ついで、濾液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物を、ヘキサン中10−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D36)(944mg)を得た。
LC−MS:MH=440,442(C2112BrFO=439,441)
【0110】
記載例37
1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D37)
【化41】

4−ブロモ−1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D36)(940mg、2.135mmol)のジオキサン(20mL)および水(20mL)中溶液に、水酸化カリウム(479mg、8.54mmol)を加えた。混合物を、アルゴンで脱気し、ついで、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(54.4mg、0.128mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)diパラジウム(0)(39.1mg、0.043mmol)で処理した。反応混合物を90℃に1時間加熱した。反応物を酢酸エチルおよび水で希釈した。層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン中10−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D37)(617mg)を得た。
LC−MS:MH=378(C2113=377)
【0111】
記載例38
4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D38)
【化42】

4−ブロモ−1H−インダゾール(4.32g、21.9mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、4−ベンジルオキシ−3−フルオロベンゼンボロン酸(10.8g、43.9mmol)、ピリジン(3.5mL、43.3mmol)、酢酸銅(5.9g、32.6mmol)および粉末4Aモレキュラーシーブ(5g)を加えた。反応混合物を、空気中、室温にて5日間撹拌した。セライトを反応混合物に加え、混合物を5分間撹拌した。ついで、混合物をセライトのパッドで濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、ついで、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンおよび水で希釈した。層を分離した後、水相をジクロロメタン(×4)で抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン中10−80%ジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D38)(5.25g)を得た。
LC−MS:MH=397,399(C2014BrFNO=396,398)
H NMR δ(d−DMSO)8.34(1H,d,J0.9Hz),7.80(1H,m),7.69(1H,dd,J12.0,2.5Hz),7.56−7.35(9H,m),5.29(2H,s)
【0112】
記載例39:1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D39)
【化43】

4−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール(D38)(5.25g、13.2mmol)のジオキサン(50mL)および水(50mL)中溶液に、水酸化カリウム(2.95g、52.7mmol)を加えた。反応混合物をアルゴンで脱気し、ついで、ビス(1,1−ジメチルエチル)[2’,4’,6’−トリス(1−メチルエチル)−2−ビフェニリル]ホスファン(336mg、0.79mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(242mg、0.26mmol)で処理した。アルゴン雰囲気下90℃で1時間加熱した後、混合物を室温に冷却し、ついで、酢酸エチルおよび水で希釈した。pHを、1M塩酸を添加して約7に調節した。層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン中5−70%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(D39)(3.80g)を得た。
LC−MS:MH=335(C2015FN=334)
H NMR δ(d−DMSO)10.41(1H,s),8.31(1H,d,J0.9Hz),7.61(1H,dd,J12.2,2.5Hz),7.52−7.17(9H,m),6.55(1H,dJ7.5Hz),5.26(2H,s)
【0113】
実施例1:1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E1)
【化44】

1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D2)(307mg)のエタノール/酢酸エチル(約50mL、1:1)中混合物を、10%の炭素担持Pd(150mg)の存在下、大気圧下室温で3時間水素化した。混合物を濾過し、濃縮し、ついで、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン中0−50%酢酸エチルで溶出)により精製して、灰白色固体を得た。これを酢酸エチル中に溶解し、チャコール(Norit SX+,10mg)と30分間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して、標題化合物(E1)(144mg)を得た。
LC−MS:MH=245(C13FN=243)
NMR(δ),(d−DMSO):6.54(1H,d,J=7.5Hz),7.13(1H,t,J=7.9Hz),7.14(1H,d,J=8.4Hz),7.25(1H,dd,J=7.8,8.4Hz),7.36(1H,ddd,J=1.3,2.6,8.7Hz),7.49(1H,dd,J=2.7,12.0Hz),8.27(1H,d,J=0.6Hz),10.17(1H,ブロードs),10.29(1H,ブロードs)ppm
【0114】
実施例1a
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E1),別法
1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D39)(3.79g、11.3mmol)の酢酸エチル(150mL)中溶液を、一晩室温にて水素化し、10%炭素担持パラジウム(700mg)と加圧した。混合物をセライトのパッドで濾過し、酢酸エチルで洗浄し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。生成物を、ヘキサン中5−80%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を、ヘキサンでトリチュレートし、生成物を濾過により回収し、減圧オーブン中で乾燥して、標題化合物(EIa)(2.35g)を得た。
LC−MSおよびNMRデータは、実施例1の所望のものに一致した。
【0115】
実施例2:1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール−4−オール(E2)
【化45】

1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール−4−オール(D4)(116mg、0.32mmol)のエタノール(5mL)および酢酸エチル(5mL)中溶液を、H−キューブ中、10%炭素担持パラジウム触媒で水素化した。得られた溶液を濃縮し、生成物を、ヘキサン中5−80%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(E2)(65mg)を得た。
LC−MS:MH=275(C1411FN=274)
【0116】
実施例3:1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(E3)
【化46】

1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D6)(308mg、0.86mmol)のエタノール(10mL)および酢酸エチル(10mL)中溶液を、H−キューブ中、10%炭素担持パラジウム触媒で水素化した。得られた溶液を濃縮し、エタノール中に溶解し、ついで、生成物を、ヘキサン中10−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(E3)(98mg)を得た。
LC−MS:MH=270(C14FN=269)
H NMR δ(d6−DMSO)11.23(1H,s),10.32(1H,s),8.44(1H,d,J0.9Hz),7.71(1H,m),7.57(1H,dd,J11.8,2.6Hz),7.39(1H,m),7.14(1H,dd,J9.4,8.8Hz),6.77(1H,d,J1.1Hz)
【0117】
実施例4:6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E4)
【化47】

−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D8)(470mg、1.34mmol)のエタノール(20mL)および酢酸エチル(20mL)中溶液を、H−キューブ中、10%炭素担持パラジウム触媒で水素化した。得られた溶液を濃縮して、標題化合物(E4)(320mg)を得た。
LC−MS:MH=263(C13=262)
H NMR δ(d6−DMSO)10.96(1H,s),10.19(1H,s),8.27(1H,d,J0.9Hz),7.49(1H,dd,J11.8,2.6Hz),7.34(1H,m),7.12(1H,dd,J9.5,8.7Hz),6.92(1H,m),6.38(1H,dd,J11.2,2.0Hz)
【0118】
実施例5:6−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E5)
【化48】

48%臭化水素酸(10mL)を6−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D9)(1.16g、2.71mmol)に加え、混合物を3時間130℃で加熱した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。pHを、2M水酸化ナトリウム水溶液を添加して7に調節した。有機層を分離した後、水相を酢酸エチルで再び抽出した。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、5−100%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物をさらに、MDAPにより精製して、標題化合物(E5)(170mg)を得た。
LC−MS:MH=323/325(C13BrFN=322/324)
【0119】
実施例6:6−Eテニル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E6)
【化49】

6−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(360mg、1.11mmol)(E5)のジメトキシエタン(10mL)中溶液に、ジクロロビス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム(44mg、0.056mmol)およびトリブチルビニルスズ(0.65mL、2.22mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下90℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、混合物をセライトのパッドで濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物を、5−100%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物をさらにMDAPにより精製して、標題化合物(E6)(101mg)を得た。
LC−MS:MH=271(C1511FN=270)
【0120】
実施例7:6−エチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E7)
【化50】

6−エテニル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E6)(190mg、0.70mmol)のエタノール(6mL)および酢酸エチル(6mL)中溶液を、室温、50psi下、10%炭素担持パラジウム触媒(20mg)を用いて週末の間水素化した。濾過により触媒を除去した後、濾液を濃縮し、粗生成物をMDAPを用いて精製して、標題化合物(E7)(36mg)を得た。
LC−MS:MH=273(C1513FN=272)
【0121】
実施例8:6−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E8)
【化51】

6−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D11)(60mg、0.163mmol)の乾燥DCM(2mL)中−78℃に冷却した懸濁液に、BBr(DCM中1M、0.326mL、0.326mmol)を滴下した。得られた混合物をこの温度で1時間撹拌し、ついで、室温に加温し、水で処理し、pHを飽和NaHCOを添加することにより7に調節した。溶液をEtOAc(2×)により抽出し、合した有機層をMgSOで乾燥した。ついで、粗物質(49mg)を、5−100%ヘキサン中EtOAcの勾配で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(E8)を無色固体として得た(35mg)。
LC−MS:MH=279(C13ClFN=278)
NMR(δ),(d−DMSO):6.54(1H,d,J=1.6Hz),7.16(2H,m),7.34(1H,ddd,J=1.2,2.8,8.8Hz),7.50(1H,dd,J=2.8,12Hz),8.29(1H,s),10.25(1H,bs),10.95(1H,bs)
【0122】
実施例9:1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1H−インダゾール−4−オール(E9)
【化52】

1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1H−インダゾール−4−オール(D13)(720mg、2.01mmol)から出発して実施例8の方法と類似の方法で標題化合物を調製した。最終精製により、142mgの標題化合物を黄色固体として得た。
LC−MS:MH=259(C1411FN=258)
NMR(δ),(d−DMSO):2.35(3H,s),6.37(1H,s),6.94(1H,s),7.12(1H,t,J=8.8Hz),7.33(1H,ddd,J=1.2,2.4,8.8Hz),7.46(1H,dd,J=2.8,12Hz),8.18(1H,s),10.2(2H,bs)
【0123】
実施例10:5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E10)
【化53】

5−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D17)(610mg、1.731mmol)のエタノール(20mL)中溶液を、10%炭素担持パラジウム(0.25g、2.349mmol)を用いて室温にて2時間水素化した。混合物を濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(0−100%ヘキサン中EtOAc)により精製して、標題化合物(E10)を灰白色固体として得た(290mg)。
LC−MS:MH=263(C13=262)
NMR(δ),(d−DMSO)7.12(2H,m),7.33|(2H,m),7.50(1H,dd,J=2.4,12.0Hz),8.57(1H,s),10.23(1H,ブロードs),10.66(1H,ブロードs)
【0124】
実施例11:5−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E11)
【化54】

5−ブロモ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D20)(71mg)の乾燥ジクロロメタン(2mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下−78℃に冷却し、三臭化ホウ素溶液(0.75mLのジクロロメタン中1M溶液、0.75mmol)を滴下して処理した。混合物を室温にし、一晩撹拌した。水および酢酸エチルを加え、水層のpHを7に調節し、生成物を酢酸エチルに抽出した。抽出物を乾燥し(NaSO)、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、0−100%ヘキサン中酢酸エチル)により精製して、標題化合物(E11)をベージュの固体として得た(40mg)。
LC−MS:MH=323/325(C13BrF=322/324)
NMR(δ),(d−DMSO):7.13(2H,m),7.33(1H,m),7.49(2H,m),8.45(1H,s),10.22(1H,s),11.00(1H,s)
【0125】
実施例12:5−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E12)
【化55】

5−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−1H−インダゾール−4−オール(D24)(0.072g、0.2mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液を、−78℃に冷却し、三臭化ホウ素(0.4mLのジクロロメタン中1M溶液、0.4mmol)を5分にわたって滴下した。アルゴン雰囲気下−78℃で3時間撹拌した後、メタノール(1mL)を加え、混合物をジクロロメタン(30mL)および水(30mL)で希釈した。pHをNaHCO溶液で7に調節し、水層を分離し、酢酸エチル(35mL×2)で抽出した。合した抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、蒸発させた。生成物をMDAPにより精製して、標題化合物(E12)を白色固体として得た(0.022g)。
LC−MS:MH=279/281(C13ClFN=278/280)
NMR(δ),(d−DMSO):7.15(2H,m),7.36(2H,m),7.50(1H,dd,J=2.4,12.1Hz),8.43(1H,s),10.24(1H,s),11.01(1H,s)
【0126】
実施例13:7−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E13)
【化56】

7−フルオロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D27)(280mg、0.764mmol)をHBr(48%水溶液、15mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下120℃で還流した。2時間後、混合物をDCM(50mL)/水(50mL)間で分配し、pHをNaOHの2M溶液を添加して7に調節し、層を分離した。水相をDCM(3×50mL)で抽出し、合した有機層をブライン(50mL)で洗浄し、分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質(198mg)を、0−100%ヘキサン中EtOで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製して、単離した物質(75mg)をさらにMDAPにより精製して、46mgの標題化合物(E13)を得た。
LC−MS:MH=263(C13=262)
NMR(δ),(d−DMSO):6.40(1H,dd,J=2.8,8.4Hz),7.07(2H,m),7.24(1H,d,J=8.8Hz),7.42(1H,dd,J=2.8,9.2Hz),8.3(1H,s),10.3(2H,bs)
【0127】
実施例14:7−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E14)
【化57】

7−クロロ−1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−(メチルオキシ)−1H−インダゾール(D29)(2.41g、6.30mmol)の48%臭化水素酸(120mL)中混合物を、加熱還流し、反応物をLC−MSで追跡した。2時間後、混合物を、ロータリーエバポレーターで約30mLに濃縮して、ついで、固体NaHCOを加えてpH6にした。生成物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥し(NaSO)、濃縮した。この生成物をジクロロメタン(60mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下−78℃に冷却し、三臭化ホウ素(2.381mL、25.2mmol)をシリンジで滴下した。−78℃で10分後、混合物を室温にし、24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルおよびNaHCO/水で希釈し、pHを6に調節し、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を乾燥し(NaSO)、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、10%ジクロロメタン中メタノールで粗生成物を得、これを、0−100%ヘキサン中酢酸エチルで再びカラムに通した)により精製して、標題化合物を灰白色粉末として得た(405mg)(E14)。
LC−MS:MH=279/281(C13ClFN=278/280)
NMR(δ),(d−DMSO):6.51(1H,d,J=8.4Hz),7.04(1H,m),7.14(1H,m),7.24(1H,d,J=8.4Hz),7.36(1H,dd,J=2.4,11.6Hz),8.30(1H,s),10.33(1H,ブロードs),10.59(1H,ブロードs)
【0128】
実施例15:1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−インダゾール−4−オール(E15)
【化58】

1−{3−フルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−3−メチル−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D31)(0.45g)および10%炭素担持パラジウム(150mg)の酢酸エチル(30mL)中混合物を、約18時間大気圧下で水素化した。混合物を濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、0−100%ヘキサン中酢酸エチル)により精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.15g)(E15)。
LC−MS:MH=259(C1411F=258)
NMR(δ),(d−DMSO):2.62(3H,s),6.48(1H,d,J=7.2Hz),7.07(2H,m),7.18(1H,m),7.31(1H,m),7.43(1H,dd,J=2.8,8.0Hz),10.15(2H,ブロードs)
【0129】
実施例16:1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E16)
【化59】

1−[4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D32)(40mg、0.121mmol)を乾燥DCM(1.5mL)中にアルゴン雰囲気下で溶解し、−78℃にドライアイス−アセトン浴で冷却した。5分後、BBr(DCM中1M、0.242mL、0.242mmol)を滴下し、添加が完了すると、浴を除去し、室温にした。反応をLC−MSで追跡した。4時間後、さらにBBr(DCM中1M、0.242mL、0.242mmol)を混合物に加え、21時間後、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(25mL)/水(25mL)間で分配し、pHをNaHCO溶液を添加して7に調節し、層を分離した。水相をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合した有機層をMgSO、で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質(28mg)を、ヘキサン中EtOAcの勾配30〜60%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製した。単離した物質(28mg)をさらにMDAPにより精製して、16mgの標題化合物(E16)を得た。
LC−MS:MH=227(C1310=226)
NMR(δ),(d−DMSO):6.51(1H,d,J=7.4Hz),6.93(2H,d,J=8.8Hz),7.06(1H,J=8.5Hz),7.21(1H,t,J=7.8Hz),7.47(2H,d,J=8.8Hz),8.24(1H,s),9.8(1H,bs),10.38(1H,bs)
【0130】
実施例17:1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E17)
【化60】

1−[3−クロロ−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D33)(460mg、1.26mmol)を乾燥DCM(15mL)中に溶解し、アルゴン雰囲気下で超音波処理して脱気した。溶液を−78℃に冷却し、10分後、BBr(DCM中1M、2.52mL、2.52mmol)を滴下し、添加が完了すると、浴を除去し、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら室温にした。17時間後、混合物をDCM(50mL)/水(50mL)間で分配し、pHを、NaHCOの溶液を添加することにより7に調節し、層を分離した。水相をDCM(2×50mL)で2回調節し、合した有機層をブライン(50mL)で洗浄し、分離し、MgSOで乾燥した。粗物質をMDAPにより精製して、34mgの標題化合物(E17)を得た。
NMR(δ),(d−DMSO):6.53(1H,d,7.6Hz),7.11(2H,m),7.25(1H,t,J=8Hz),7.49(1H,dd,J=2.4,8.4Hz),7.63(1H,d,J=2.4Hz),8.27(1H,s),10.45(2H,bs)
【0131】
実施例18:1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E18)
【化61】

1−[3−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D34)(550mg、1.64mmol)を乾燥DCM(20mL)中に溶解し、アルゴン流下で超音波処理して脱気した。溶液を−78℃に冷却し、10分後、BBr(DCM中1M、3.29mL、3.29mmol)を滴下し、添加が完了すると、浴を除去し、室温にした。反応をLC−MSで追跡した。45分後、さらにBBr(DCM中1M、3.29mL、3.29mmol)を混合物に加え、17時間後、DCM(75mL)/水(75mL)間で分配し、pHをNaHCOの溶液を添加して7に調節し、層を分離した。水相をDCM(2×50mL)で2回抽出し、合した有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質(456mg)を、ヘキサン中EtOAcの勾配0〜40%で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4)により精製した。単離した物質をさらにMDAPにより精製して、36mgの標題化合物(E18)を得た。
LC−MS:MH=241(C1412=240)
NMR(δ),(d−DMSO):2.21(3H,s),6.49(1H,d,J=7.2Hz),6.94(1H,d,J=8.4Hz),7.06(1H,d,J=8.8Hz),7.21(1H,t,J=7.6Hz),7.29(1H,dd,J=2.8,8.4Hz),7.37(1H,d,J=2Hz),8.22(1H,s),9.63(1H,bs),10.3(1H,bs)
【0132】
実施例19:1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール(E19)
【化62】

1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−[(フェニルメチル)オキシ]−1H−インダゾール(D35)(257mg、0.58mmol)のエタノール(10mL)および酢酸エチル(10mL)中溶液を、H−キューブ中、10%炭素担持パラジウム触媒で水素化した。得られた溶液を濃縮し、ついで、粗生成物を、5−100%ヘキサン中酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(E19)(126mg)を得た。
LC−MS:MH=263(C13=262)
【0133】
実施例20
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(E20)
【化63】

1−{3,5−ジフルオロ−4−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル(D37)(610mg、1.617mmol)の酢酸エチル(50mL)中溶液を、H−キューブ中、10%炭素担持パラジウム触媒を用い、室温にて大気圧で水素化した。濾液を濃縮し、ついで、ジクロロメタンでトリチュレートし、濾過により回収して、所望の生成物を得た(E20)(235mg)。
LC−MS:MH=288(C14=287)
【0134】
本発明は、上記した特定かつ好ましいサブグループの全ての組み合わせを包含すると理解されるべきである。
【0135】
生物学的活性測定アッセイ
脱イオン水中アッセイバッファー(AB)(50mM MOPES pH7.5、50mM NaF、2.5mM CHAPs)に、5mM 1,4ジチオスレイトール(DTT)を実験日に加えた。適当な量のABをプラスチックチューブに入れ、固体DTTを添加し、アッセイを行った。DTTを補足したABを、プラスチックチューブに分配した。ガラスに対してプラスチックの使用が重要であることを見出した。最終濃度6nM ERベータ蛋白質をチューブに加え、ついで、ゆっくりと反転させた。最終濃度1.5nM ER FPリガンド(FluormoneTM EL Red 200nM 20mM Tris中、90%メタノール、InvitrogenカタログナンバーP3030)を同じチューブに加え、ついで、ゆっくりと反転させた。これを5〜10分間静置し、ついで、これを384アッセイプレートに移した。同様のプロトコールを、ERアルファ(最終濃度4nM ERアルファおよび1.5nM ER FPリガンド)に用いた。
【0136】
100%DMSO中に1mMで溶解した試験化合物を含有する384プレートを、Beckman FXにより連続希釈(1:3)した。連続希釈した試験化合物0.1nLを、最大最終濃度10uMのアッセイプレートに加えた。アッセイプレートの用意ができると、10uLの上記試薬を、適当なセットのプレートにThermo combiで加えた。これらのプレートをシールし、室温に3時間置いた。
【0137】
ついで、プレートを、Molecular Devices Analystに置き、計数した(561Dichroic mirrorで励起535nm、発光590nm)。データを対照に対して標準化し、ついで、非線形最小二乗法によりフィッティングし、pIC50として記録した。
【0138】
結果
実施例1、3〜11、13〜14および17の化合物は、ERベータFP結合アッセイでpIC50>7を有していた。実施例1の化合物はまた、ERアルファと比較して10倍を超える選択性を有していた。
実施例の化合物は、ERベータFP結合アッセイにおいてpIC50>6を有してした。
【0139】
本アッセイにおいて用いたヒトERベータのアミノ酸配列:
(配列番号:1)
MKKHHHHHHG ELLLDALSPE QLVLTLLEAE PPHVLISRPS APFTEASMMM SLTKLADKEL VHMISWAKKI
PGFVELSLFD QVRLLESCWM EVLMMGLMWR SIDHPGKLIF APDLVLDRDE GKCVEGILEI FDMLLATTSR
FRELKLQHKE YLCVKAMILL NSSMYPLVTA TQDADSSRKL AHLLNAVTDA LVWVIAKSGI SSQQQSMRLA
NLLMLLSHVR HASNKGMEHL LNMKCKNVVP VYDLLLEMLN AHVLRGCKSS ITGSECSPAE DSKSKEGSQN
PQSQ
【0140】
本アッセイにおいて用いたヒトERアルファのアミノ酸配列:
(配列番号:2)
MKKGHHHHHH GLVPRGSMIK RSKKNSLALS LTADQMVSAL LDAEPPILYS EYDPTRPFSE ASMMGLLTNL
ADRELVHMIN WAKRVPGFVD LTLHDQVHLL ECAWLEILMI GLVWRSMEHP GKLLFAPNLL LDRNQGKCVE
GMVEIFDMLL ATSSRFRMMN LQGEEFVCLK SIILLNSGVY TFLSSTLKSL EEKDHIHRVL DKITDTLIHL
MAKAGLTLQQ QHQRLAQLLL ILSHIRHMSN KGMEHLYSMK CKNVVPLYDL LLEMLDAHRL HAPTS
【0141】
本明細書および請求の範囲が形成する本願は、後願に対して優先権の基礎として用いることができる。かかる後願の請求の範囲は、本願に記載のいずれの特徴または特徴の組み合わせに関連し得る。これらは、物、組成物、方法または使用クレームのいずれの形態であってもよく、一例として限定するものではないが、別紙の請求の範囲を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、R、RおよびRは、独立して、ハロ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C1−5アルカノイル、CF、CFOおよびシアノから選択される:ただし、置換基の1つがインダゾール環のC−5に結合する場合、この置換基Rはメトキシ基以外である;
mは0または1〜3の整数であり;
nは0または1であり;
pは0または1〜4の整数であり;
ただし、m、nおよびpは、合計で5以下である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール;
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−(メチルオキシ)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリル
6−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
6−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
6−エテニル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
6−エチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
6−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1H−インダゾール−4−オール
5−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
5−ブロモ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
5−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
7−フルオロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
7−クロロ−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−インダゾール−4−オール
1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−インダゾール−4−オール
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボニトリルから選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を、医薬上許容される担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項4】
活性治療物質として用いるための請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
心臓保護療法として用いるため、または、痛み、慢性炎症性障害、自己免疫疾患、良性または悪性の異常組織増殖、CNS障害、代謝性障害、食欲障害、少なくとも部分的にエストロゲン欠乏により介在される障害または症状の治療において用いるための、請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
心臓保護療法を必要とするヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に、有効量の請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項7】
痛み、慢性炎症性障害、自己免疫疾患、良性または悪性の異常組織増殖、CNS障害、代謝性障害、食欲障害、少なくとも部分的にエストロゲン欠乏により介在される障害または症状を患っているヒトまたは動物対象の治療方法であって、該対象に、有効量の請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項8】
痛み、慢性炎症性障害、自己免疫疾患、良性または悪性の異常組織増殖CNS障害、代謝性障害、食欲障害、少なくとも部分的にエストロゲン欠乏により介在される障害または症状の治療用の医薬、または心臓保護としての医薬の製造における、請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。

【公表番号】特表2010−520259(P2010−520259A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552198(P2009−552198)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052664
【国際公開番号】WO2008/107455
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】