説明

エッチング液、該エッチング液を用いたエッチング方法および被エッチング基板

【課題】金属や合金、金属酸化物のエッチングにおいて、高エッチファクターを得ることができるエッチング液を提供する。
【解決手段】酸化剤として塩化第二鉄ほかから、また酸として塩酸ほかから選択された特定の酸化剤または酸と酸化剤の混合物であって、目開きが1μm以下のフィルターを用いて濾過したことを特徴とする、pHが7以下であるエッチング液とする、また該エッチング液を用いたエッチング方法を用いることにより、高エッチファクターを得ることを達成する。該エッチング液は、銅またはITO(インジウム・チン・オキサイド)等のエッチングに好適に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化剤または酸と酸化剤の混合物であるエッチング液、該エッチング液を用いて金属等をエッチングする方法、そしてエッチングした後の被エッチング基材に関する。
【背景技術】
【0002】
エッチング液は、ガラス等の基材上の各種の被エッチング物をエッチングして、所望のパターンを形成することを目的に使用されている。
被エッチング物の材質としては、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄合金(各種ステンレス、42ニッケル−鉄、36ニッケル−鉄など)、銅合金(銅−亜鉛、銅−錫、銅−ニッケルなど)、金属酸化物(ITO、IZO、GZO、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン)、タンタル化合物、などがある。
基材上の被エッチング物をエッチングした部材(以下、被エッチング基板という)の用途としては、プリント配線板、電磁波遮蔽物、リードフレーム、シャドウマスク、透明電極、発熱体、など多岐に渡っており、工業製品に利用されている。
【0003】
近年、半導体の集積度やデバイスの小型化に伴い、プリント配線板やリードフレームなどは、特に高密度配線化、狭ピッチ化が進んでおり、エッチング方法に対する要求として高エッチファクターが求められている。
例えば、プリント配線板では、エッチングする銅の膜厚が、36μmから半分の16μmや、更に半分の8μmまで薄膜化することで、配線および配線と配線の間隙における線幅(ラインアンドスペース)においても、20μm対20μmといった事例も見受けられる。
また、LCDやPDPなどのディスプレイの電極に用いられる透明導電膜も、高精細化および高輝度化が進んでいる。高精細化のためには、画素数を増やし、高輝度化のためには開孔率を大きくしなければならない。このために各画素間のスペースおよび配線部分を狭くするために、高エッチファクターのエッチングが求められている。
【0004】
高エッチファクターの対応としては、最も多いのがエッチング液に添加剤を加える方法であり、塩化第二鉄や塩化第二銅の溶液中に、添加剤を加えた例が知られている(特許文献1および2)。しかし、この方法は、添加剤の濃度管理が煩雑で、エッチング液の廃液処理が複雑になる問題があった。
また、エッチング液中の有効成分を高濃度にして、かつ70〜100℃の高温、噴霧圧が3〜10kgf/cm2にしてエッチングをおこなうものもある(特許文献3)。しかし、高温にすることで火傷をするなどの安全上の問題や、高濃度・高温・高圧にするためのエネルギーが必要であり、エネルギー効率において問題があった。
一方、被エッチング物における取り組みとしては、X線解析強度が特定の値以上の鉄ニッケル合金を選んでエッチングする方法がある(特許文献4)。しかし、かかる特定の合金は調達が困難であり、材料費も高くなるという問題がある。
特殊な方法として電気分解をおこないながらエッチングする方法がある(特許文献5)。しかし、電気エネルギーはエネルギーコストが高く、実用的ではない。
【0005】
エッチング液を濾過して使用する例としては、エッチング廃液の処理または再生をする際に、銅やニッケルなどの有用物を回収することを目的とするものがほとんどである(特許文献6、7)。
その他に、エッチング液を濾過して使用するのは、基板の汚染や配線の短絡を防止するための例(特許文献8)、反応生成物を除去してエッチング液の安定化および長寿命化を図った例(特許文献9)、30μm以上の大きさの異物を管理した例(特許文献10)が知られているが、エッチファクターの向上について積極的に利用した例は無かった。
【0006】
【特許文献1】WO2005−086551号公報
【特許文献2】特開2006−111933号公報
【特許文献3】特開平08−253878号公報
【特許文献4】特開平03−079743号公報
【特許文献5】特開平08−078817号公報
【特許文献6】特開平01−051328号公報
【特許文献7】特開昭59−190367号公報
【特許文献8】特開平04−318929号公報
【特許文献9】特開2000−013000号公報
【特許文献10】特開平08−007754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、簡単な操作で高エッチファクターが得られるエッチング液を得るために鋭意検討した結果、特定の酸化剤または酸と酸化剤を用いることにより、簡単でエネルギー効率が良く、安全な高エッチファクターのエッチング液が得られることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、
[1]酸化剤または酸と酸化剤の混合物であって、目開きが1μm以下のフィルターを用いて濾過したことを特徴とする、pHが7以下であるエッチング液
[2]酸化剤が塩化第二鉄、塩化第二銅、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、硫酸セリウム(IV)アンモニウム、硫酸セリウム(IV)、過酸化水素のうちから選択された1以上であり、酸が塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸のうちから選択された1以上である[1]に記載のエッチング液。
[3][1]または[2]に記載のエッチング液を用いて、インジウム、鉄、銅、ニッケル、錫、亜鉛、モリブデン、ゲルマニウム、鉛、銀、またはこれらを含む合金、ならびに、これらの金属酸化物からなる被エッチング物をエッチングする方法。
[4]金属酸化物が、ITO(インジウム・チン・オキサイド)、IZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)、GZO(ガリウム・亜鉛・オキサイド)、酸化錫、酸化亜鉛から選択された金属酸化物である請求項3に記載のエッチング方法。
[5][1]〜[4]のいずれかの方法により回路パターンを形成した被エッチング基板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、添加剤の濃度管理や複雑なエッチング廃液の処理が必要でなく、エネルギーの効率もよく、簡単に高エッチファクターのエッチングが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明者は、エッチング液を目開き1μm以下のフィルターで濾過することにより、エッチファクターが向上し、高エッチファクターのエッチングが可能であることを見出した。
なお、本発明においてエッチファクターとは、図1の(A)で示す被エッチング物の膜厚を(B)で示すサイドエッチの距離にて割った値(A/B)をいう。
【0011】
本発明における濾過に用いるフィルターの目開きは1μm以下であり、0.5μm以下が好ましく、最も好ましいのは0.2μm以下である。
フィルターの捕集率は90%より大きいのが好ましく、93%以上がより好ましい。
濾過の方法および装置は、公知の方法を用いて行うことができる。
フィルターの材質は、セラミック、フッ素樹脂やポリオレフィンなどエッチング液に耐食性のある材質を用いることができる。
濾過を行うのは、エッチングに使用する直前、エッチング液として調整した後、エッチング液を調整する前の各段階の一部および全てで行ってよい。好ましいのはエッチングに使用する直前とエッチング液として調整した後の両方でおこなうことである。
【0012】
具体的なフィルターとしては、以下のものが例示できる。なお、フィルターとは糸巻き型の物や不織布のようなもののみならず、セルロースやメンブランフィルターのような表面が平滑な濾過膜も含む。
アドバンテック東洋株式会社製 メンブレンフィルター、定量ろ紙、定性ろ紙、商品名トーセル、
Millipore Corporation社製 メンブレンフィルター、
住友スリーエム株式会社製 商品名 CUNOフィルター、
Eaton-GAF Distributors社製 フィルターバッグ、
日本ポール株式会社製 商品名 ポジタイン、商品名 ウルチプリーツ、商品名 スーパーエッチ、商品名 スーパーケミナート、商品名 フロロダイン、
株式会社 ロキテクノ製 商品名 マイクロシリアフィルターカートリッジ、商品名 サートンポアフィルターカートリッジ、
チッソフィルター株式会社製 商品名 チッソCP IIフィルター、商品名 チッソBMフィルター、商品名 チッソスーパーワインドフィルター、商品名 ポーラスファイン、
アイオン株式会社製 商品名 カネフィール、
倉敷紡績株式会社製 商品名 クランフィル、
株式会社ユアサメンブレンシステム製 商品名 ユミクロンフィルター、商品名 ユミクロンカートリッジフィルター、商品名 ホロスター中空糸フィルター、商品名 ポジタイン、
株式会社ノリタケカンパニーリミテド製 セラミックフィルター、
日本碍子株式会社製 セラミックフィルター、が例示できる。
【0013】
本発明のエッチング方法において、該エッチング液をフィルターすることによりなぜ高エッチファクターが得られるのか正確な理由は不明であるが、フィルターで微細な異物が除去できることによって、基板上の被エッチング物とレジスト膜との界面における異物の侵入やレジスト膜の脱落等のダメージが抑えられる結果、レジスト膜と被エッチング物との界面剥離を防ぐことができ、サイドエッチも抑制できると考えている。
【0014】
本発明における酸化剤の濃度は、以下のとおりである。
塩化第二鉄の濃度は、1〜50%質量が好ましく、5〜45質量%がより好ましい、10〜40質量%が更に好ましく、15〜39質量%が最も好ましい。
塩化第二銅の濃度は、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましく、4〜20質量%が更に好ましく、5〜10質量%が最も好ましい。
硝酸セリウム(IV)アンモニウムの濃度は、1〜70質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%が更に好まく、最も好ましいのは5〜15質量%である。
硫酸セリウム(IV)アンモニウムの濃度は、 0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましく、最も好ましいのは5〜15質量%である。
硫酸セリウム(IV)の濃度は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましく、最も好ましいのは5〜15質量%である。
過酸化水素の濃度は、0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましく、最も好ましいのは5〜15質量%である。
【0015】
本発明における酸の濃度は以下のとおりである。
塩酸の濃度は、0.01〜35質量%が好ましく、0.02〜22質量%がより好ましく、0.03〜20質量%が最も好ましい。
硝酸の濃度は、0.1〜70質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましく、9〜20質量%であることが最も好ましい。
硫酸の濃度は、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%であることがさらに好ましく、5〜10質量%以下であることが最も好ましい。
リン酸の濃度は、1〜99質量%が好ましく、20〜97質量%がより好ましく、40〜95質量%であることがさらに好ましく、60〜90質量%であることが最も好ましい。
酢酸の濃度は、1〜15質量%が好ましく、2〜13質量%がより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましく、5〜8質量%以下であることが最も好ましい。
【0016】
本発明のエッチング液は、pHが7以下であることが必要である。7を越えると酸化剤が分解するという問題が生じる。好ましいpHは5以下であり、より好ましいpHは3以下である。なお、ここでいうpHとはJIS Z 8802 pH測定法に規定された方法で測定した値である。
【0017】
本発明における被エッチング物は、金属、合金、金属酸化物であり、好ましくは、インジウム、鉄、銅、ニッケル、錫、亜鉛、モリブデン、ゲルマニウム、鉛、銀、またはこれらを含む合金、あるいは金属酸化物である。
更に好ましい金属酸化物は、ITO(インジウム・チン・オキサイド)、IZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)、GZO(ガリウム・亜鉛・オキサイド)、酸化錫、酸化亜鉛から選択されたものであり、最も好ましい金属酸化物はITOである。
また、更に好ましい金属は、鉄、銅、ニッケルであり、合金はこれらのうち少なくとも1種を含むものである。そして、最も好まし金属は銅であり、合金は銅を含むものである。
【0018】
なお、本発明の被エッチング物は金属または合金、金属酸化物が複数重なった積層膜でも構わない。
【0019】
本発明における被エッチング物の基材としては、特に制限はなく、使用用途に応じて選択することができる。具体的には、ガラス、石英、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等)、ポリイミド、ポリアクリレート、メタクリレート等が挙げられる。ガラス、石英、シリコン、PP、PE、PETが好ましい。最も好ましいのは、ガラス、石英ガラス、PETである。
また、これらの基材と被エッチング物との密着性をあげるための表面処理をおこなったものでも良い。具体的には基材の上に被エッチング物との密着性に優れる他の材質の膜を成膜したものや、基材の表面粗度を調節したものがあげられる。
【0020】
本発明のエッチングをおこなう際のエッチング時の液温は、10〜70℃であることが好ましく、20〜60℃がより好ましく、30〜50℃が最も好ましい。本発明のエッチング液において、上記範囲の液温であるとエッチングの処理能力が優れる。
【0021】
本発明のエッチングをおこなう際のエッチング時間は、0.2〜30分間が好ましく、0.3〜20分間がより好ましく、0.4〜10分間が更に好ましく、0.5〜5分間が最も好ましい。本発明のエッチング液の使用において、上記のエッチング時間であると基板等に与えるダメージが少ない。
【0022】
本発明のエッチング液を用いた被エッチング物のパターニング方法は、浸漬法とスプレー法のどちらでも使用可能である。
【0023】
本発明のエッチング液の濃度の制御は、酸化還元電位、pH、電気伝導度、又は比重などを、あるいはこれらを組み合わせることで可能である。
【0024】
本発明で使用するレジストは、フォトレジストが好ましい、ロール状のドライフィルムレジストと液状の液体レジストが更に好ましい、特に好ましいのはドライフィルムレジストである。
【0025】
以下に実施例を挙げ本発明について説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0026】
[実施例1]
塩化第二鉄が39質量%、塩酸が0.03質量%の水溶液(pH=−0.87 18℃)をエッチング液とした。pHは株式会社堀場製作所製pH計(形式 D−22)にpH電極(型式 9611)を用いて測定した。温度はpH計の表示温度である。
このエッチング液を、目開き0.2μmのフィルター(Millipore Corporation社製 商品名オムニポア ディスク PTFE 親水性 JGWP04700 )で濾過し、試験用のエッチング液とした。被エッチング物として厚さ30μmの銅を選び、PETの基材の上に製膜した基板に、ドライフィルムのフォトレジストを貼り付け、更に露光、現像処理を行いテスト基板とした。濾過したエッチング液を充円錐ノズル(株式会社いけうち製 1/4MJJXP040HTPVC)から噴霧圧0.18MPa、温度50℃で、50秒間噴霧した。直ちにイオン交換水でエッチング液を洗い流し、2質量%水酸化ナトリウム水溶液(50℃)でドライフィルムレジストを剥離し、イオン交換水で洗浄後に乾燥した。
この基板のレジスト開口部の幅が20μmの部分を、顕微鏡(株式会社キーエンス社製 表面形状観察顕微鏡VF−7510)で観察し、図1に示すBの値と予め測定しておいた膜厚Aから、下記の式からエッチファクターを求めた。その結果を表1に記載した。
エッチファクター=A/B
【0027】
[比較例1]
濾過するフィルターを、目開き4μm(アドバンテック東洋株式会社製 商品名 定量濾紙NO.5B)とした以外は実施例1と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表1に記載した。
【0028】
【表1】

【0029】
[実施例2]
工業用濃塩酸(塩酸濃度が35質量%)と、塩化第二鉄水溶液(塩化第二鉄濃度が39質量%)を用いて、塩酸が16質量%、塩化第二鉄が20質量%の水溶液を作成し、エッチング原液とした。
該エッチング原液を目開き0.2μmのフィルター(Millipore Corporation製 商品名オムニポア ディスク PTFE 親水性 JGWP04700 )でろ過し、試験用のエッチング液(pH=−1.21 18℃)とした。pHは株式会社堀場製作所製pH計(形式 D−22)にpH電極(型式 9611)を用いて測定した。温度はpH計の表示温度である。
厚さ250nmのITOをガラスの上にスパッタリングで成膜したものに、ノボラック系のフォトレジスト(東京応化株式会社製TFR−H)をスピンコーターで塗布して製膜し、更に露光、現像処理を行いテスト基板とした。濾過したエッチング液に温度49℃で90秒間浸漬した。直ちにイオン交換水でエッチング液を洗い流し、アセトンでフォトレジストを剥離し、イオン交換水で洗浄後に乾燥して被エッチング基板を作成した。
この基板のレジスト開口部の幅が10μmの部分を顕微鏡(株式会社キーエンス社製 表面形状観察顕微鏡VF−7510)で観察し、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。
【0030】
[実施例3]
実施例2でエッチング液温度を45℃とし、エッチング液の浸漬時間を140秒とした以外は実施例2と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。なお、エッチング液のpHを測定したところ、pHは−1.19(18℃)であった。
【0031】
[実施例4]
実施例2で濾過するフィルターを目開き1μm(アドバンテック東洋株式会社製 商品名 定量濾紙NO.5C)とした以外は実施例2と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。なお、エッチング液のpHを測定したところ、pHは−1.20(18℃)であった。
【0032】
[実施例5]
実施例3で濾過するフィルターを目開き1μm(アドバンテック東洋株式会社製 商品名 定量濾紙NO.5C)とした以外は実施例3と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。なお、エッチング液のpHを測定したところ、pHは−1.20(18℃)であった。
【0033】
[比較例2]
実施例2で濾過するフィルターを目開き4μm(アドバンテック東洋株式会社製 商品名 定量濾紙NO.5B)とした以外は実施例2と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。
【0034】
[比較例3]
実施例3で濾過するフィルターを目開き4μm(アドバンテック東洋株式会社製 商品名 定量濾紙NO.5B)とした以外は実施例3と同じ操作を行い、エッチファクターを求めた。その結果を表2に記載した。
【0035】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、ごく簡単な方法により手軽に高エッチファクターのエッチングが可能となり、高度に集積した半導体や小型化したデバイスが効率よく生産できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】エッチング後の被エッチング基板の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0038】
1 フォトレジスト膜
2 被エッチング物
3 基材
A 被エッチング物の膜厚
B サイドエッチの距離
C レジスト開口部の幅









【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤または酸と酸化剤の混合物であって、目開きが1μm以下のフィルターを用いて濾過したことを特徴とする、pHが7以下であるエッチング液
【請求項2】
酸化剤が塩化第二鉄、塩化第二銅、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、硫酸セリウム(IV)アンモニウム、硫酸セリウム(IV)、過酸化水素のうちから選択された1以上であり、酸が塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸のうちから選択された1以上である請求項1に記載のエッチング液。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエッチング液を用いて、インジウム、鉄、銅、ニッケル、錫、亜鉛、モリブデン、ゲルマニウム、鉛、銀、またはこれらを含む合金、ならびに、これらの金属酸化物からなる被エッチング物をエッチングする方法。
【請求項4】
金属酸化物が、ITO(インジウム・チン・オキサイド)、IZO(インジウム・亜鉛・オキサイド)、GZO(ガリウム・亜鉛・オキサイド)、酸化錫、酸化亜鉛から選択された金属酸化物である請求項3に記載のエッチング方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの方法により回路パターンを形成した被エッチング基板。



【図1】
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【公開番号】特開2009−235438(P2009−235438A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79604(P2008−79604)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】