説明

エッチング装置

【課題】 搬送路1の上面側に多数の定量ノズル列2を配置すると共に、各定量ノズル列2間に吸引パイプ3を設けたエッチング装置において、基板各部のエッチングを均一に且つ高精度に行うこと。
【解決手段】 定量ノズル列2間又は並列されたそれらの上流端および/または下流端に制御ノズル列8を配置すると共に、制御ノズル列8と定量ノズル列2との間に吸引パイプ3を配置する。そして制御ノズル列8に多数の制御ノズル8aを並列させ、制御装置25及び制御バルブ14を介し、その噴射時期を制御する。夫々の吸引パイプ3は、同数のエジェクタ7の負圧部7aに連通管22により接続され、その連通管22の一端が吸引パイプ3の長手方向中央位置に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板のエッチング装置であって、プリント基板表面各部を均一に且つ高精度でエッチングするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁基板に銅箔を積層したプリント基板に回路パターンを形成する際、不要部分の銅は通常エッチングにより取り除かれる。
従来のエッチング方法は、プリント基板表面にエッチング液をスプレーし、フォトレジストの被覆されていない部分の銅をエッチングする方法がとられていた。このようなエッチング方法を工業的に実施するには、エッチング装置本体内を通過する搬送装置にプリント基板を載置し、搬送されるプリント基板表面に均一にエッチング液をスプレーするものである。ところが、エッチング液をプリント基板の上面にスプレーすると、それが基板上に衝突した後、そこから四方に流れる。その際のエッチング液の流れは、プリント基板表面の中間部より周辺部の方が多くなることが判っている。逆に言えば、プリント基板の中間部にはエッチング液が滞留する。そのため中間部のエッチング量が周辺部より少なくなり、均一で高精度のエッチングを行うことが困難であるという問題があった。
【0003】
そこで、これを解消するため下記特許文献1は、スプレーノズル列の間に吸引パイプを設け、プリント基板上にスプレーされたエッチング液を直ちに吸引するものである。このとき循環ポンプを用い、エッチング液タンクとの間にエジェクタを介して循環路を形成し、エジェクタの吸引側を吸引パイプに接続している。
そしてスプレーノズルにより基板にエッチング液を噴射しつつ、基板上のエッチング液を吸引パイプにより吸引することによって、基板上の中央部分と周縁部分とのエッチング条件を同一とするものである。
【0004】
【特許文献1】特開2003−243811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載されたエッチング装置は、基板の上面の中央部にエッチング液が滞留することによるエッチングの不均一は解消するものの、他の原因による基板上の各部におけるエッチングの不均一が生ずる。即ち、エッチングのためのスプレーノズルは搬送路の上方に分散的に配置されているため、基板上の全ての部分において均一に噴射されるとは限らない。
【0006】
さらには吸引パでプを設けたとしても、基板上の各部を均一に吸引できるとは限らない。例えば、吸引パイプの長手方向一端に吸引源が接続されている場合、その吸引源に近い側にはより多くのエッチング液が吸引されるが、そこから遠い位置では吸引量が少なくなりがちである。
そこで本発明は、各種原因によるエッチングの不均一を補正して、より厳密に均一なエッチングを行うことができる装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、基板を搬送する搬送路(1)に向けて、上方からエッチング液を常時定流量噴射する多数の定量ノズル(2a)が、夫々搬送方向に直交する方向に整列して配置されて定量ノズル列(2)を構成し、それが互いに搬送方向に定間隔で多数列配置され、各定量ノズル列(2)の間に吸引パイプ(3)が配置され、各吸引パイプ(3)の下面に設けた吸引スリット(13a)が搬送路(1)に対向して開口し、
エッチング装置本体(4)に設けたエッチング液タンク(5)に、循環ポンプ(6)を介して循環する循環路が設けられ、その循環路中にエジェクタ(7)が設けられ、そのエジェクタ(7)の負圧部(7a)に前記吸引パイプ(3)が連通されたエッチング装置において、
多数の前記定量ノズル列(2)の上流端および/または下流端で、或いはそれらの中間位置に、前記搬送方向に直交して定間隔に配置した多数の制御ノズル(8a)により制御ノズル列(8)を構成し、その制御ノズル(8a)は基板の走行に同期し、基板がその制御ノズル列(8)に達したとき、その基板の所定位置にエッチング液を所定時間のみ噴射するように構成し、その制御ノズル列(8)に隣接して前記吸引パイプ(3)を配置したエッチング装置である。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記吸引パイプ(3)の数だけ、前記エジェクタ(7)を前記エッチング液タンク(5)に連通し、夫々のエジェクタ(7)の前記負圧部(7a)と夫々の吸引パイプ(3)の長手方向の略中央とが接続され、各エジェクタ(7)の上流側がヘッダ(9)に連結されると共に、そのヘッダ(9)に前記循環ポンプ(6)の液押し込み側が連通されたエッチング装置である。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
夫々の前記定量ノズル(2a)は、第1ヘッダパイプ(10)に定間隔に取付られ、多数のその第1ヘッダパイプ(10)が互いに平行に定問隔で並列すると共に、夫々の第1ヘッダパイプ(10)が前記搬送方向に沿い且つ、搬送方向に対して鋭角の角度で斜めに配置され、
夫々の前記制御ノズル(8a)は、第2ヘッダパイプ(11)に定間隔に取付られ、その第2ヘッダパイプ(11)が前記搬送方向に直交して配置されたエッチング装置である。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記吸引パイプ(3)の下面の吸引スリット(13a)が、そのパイプ(3)の軸線に平行な一直線上に細長く開口して多数断続的に設けられてスリット列(13)を構成し、隣接する各スリット(13a)の端どうしの間の閉塞部(13b)の間隔は、スリット長さに比べて僅かであり、
前記吸引パイプ(3)の下面は、その断面が円弧状に形成され、その下面の最下端に近接しその両側に前記スリット列(13)が僅かの間隔を有して二列に配置され、両スリット列(13)の前記閉塞部(13b)が千鳥状に配置されたエッチング装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエッチング装置は、多数の定量ノズル列2の上流端および/または下流端で、或いはそれらの中間位置に制御ノズル列8を配置し、多数の定頃ノズル列2によって基板表面のエッチングを行うと共に、その基板を部分的に各制御ノズル8aによってエッチングすることにより、基板表面をより均一にエッチングをすることができる。しかも、定量ノズル列2間のみならず、制御ノズル列8に隣接して吸引パイプ3を配置したので、それにより部分的に所定時間のみ噴射するエッチング液を迅速に吸引パイプ3を介して排出し、さらに精度のよいエッチングを行うことができる。
【0012】
上記構成において、吸引パイプ3の数だけエジェクタ7をエッチング液タンク5に連通し、エジェクタ7の負圧部7aと吸引パイプ3の長手方向の略中央とを接続し、エジェクタ7の上流側をヘッダ9に連結すると共に、そのヘッダ9に循環ポンプ6の液押し込み側を連通させたものにおいては、並列する多数の吸引パイプ3の夫々の吸引力を充分確保し得ると共に、吸引パイプ3の下面の吸引スリット13aの各部からバランス良くエッチング液を吸引することができる。
しかも、各エジェクタ7はヘッダ9を介して循環ポンプ6に連結されているから、簡単な構造で効率の良いエッチング液の吸引作業を行うことができる。
【0013】
上記構成において、多数の第1ヘッダパイプ10を定間隔に平行に並列すると共に、その第1ヘッダパイプ10を搬送方向に沿い且つ、搬送方向に対して鋭角の角度で斜めに配置し、第2ヘッダパイプ11を搬送方向に直交して配置し、それに制御ノズル8aを定間隔に配置した場合には、さらに基板各部の均一なエッチングを行うことができる。即ち、搬送路1が搬送方向に斜めに配置され、それに多数の定量ノズル2aが取付けられているため、基板が搬送方向に移動するにつれて、基板と各定量ノズル2aとの幅方向の相対位置が常に変化し、基板の幅方向の特定位置にエッチング液が集中することなく、均一なエッチングを行うことができる。
また、第2ヘッダパイプ11に定間隔に取付けられた制御ノズル8aは夫々独立して制御することができるため、基板上のエッチング不足部分を集中的にエッチングし、全体として均一なエッチングを行うことができる。
【0014】
上記構成において、定量ノズル列2の下面のスリット列13を、吸引パイプ3の軸線に平行な一直線上に断続的に細長く開口し、隣り合う吸引スリット13aの端どうしの閉塞部13bの間隔をスリット長さに比べて僅かの間隔とし、吸引パイプ3の下面を円弧状に形成し、その下面の最下端に近接してその両側にスリット列13を僅かの間隔を有して二列に配置すると共に、スリット列13の閉塞部13bを千鳥状に配置した場合には、吸引パイプ3の下面部における吸引をより均一に行うことができる。そしてそれを通じ、基板各部のエッチングをより均一に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明のエッチング装置の平面説明図(上蓋部を取り除いた状態)であり、図2はその縦断面説明図である。このエッチング装置は、搬送方向の両端に基板23の出入口を有する密閉された箱状のエッチング装置本体4を有し、その本体4内に搬送路1が設けられている。この搬送路1は多数の搬送ローラ27が上下に配列され、それらの間に基板23を保持してエッチング装置本体4内をその一端から他端に搬送するものである。そして、搬送路1の上下両面に対向し多数の第1ヘッダパイプ10が図1の如く並列されている。
【0016】
この第1ヘッダパイプ10は、搬送方向に対して僅かに傾斜して互いに平行に配置されている。夫々の第1ヘッダパイプ10には定間隔に定量ノズル2aが設けられている。そして、並列された各第1ヘッダパイプ10の各位置の定量ノズル2aが搬送方向に直交する方向に整列し、定量ノズル列2を形成する。そして、夫々の定量ノズル2aによって図6及び図7に示すごとく、各定量ノズル列2の噴射エリア21がエッチング装置本体4の幅方向に連続している。それにより、幅方向の各部に略均一にエッチング液を噴射するものである。その第1ヘッダパイプ10は、平面図において夫々僅かに斜めに配置されることにより、定量ノズル2aの分散配置による基板各部のエッチング液の噴射に片寄りが生じることを防止している。
【0017】
即ち、基板は図において左方から右方に移動するとき、その移動に伴って定量ノズル2aとの相対位置が幅方向に少しづつ移動することになり、エッチング液の不均一性を搬送路全体において無くしている。
なお、このことは搬送路1の下面側の第1ヘッダパイプ10においても同様である。そして搬送路1の下方には中心部に向けて傾斜したプレ一ト20を有し、その中心部に開口を有している。プレ一ト20の下面側にはエッチング液タンク5が設けられ、内部にエッチング液24が蓄えられている。また、このエッチング液タンク5のエッチング液24は、主ポンプ15によって各第1ヘッダパイプ10に供給される。
【0018】
主ポンプ15と各第1ヘッダパイプ10との間には、図示しない手動絞り弁が介装されると共に圧力計が設けられている。そして夫々の第1ヘッダパイプ10の内圧が均等になるように調整される。各第1ヘッダパイプ10に供給されたエッチング液は、夫々の定量ノズル2aから噴射され、図2においてプレート20を介してエッチング液タンク5内に導かれる。
次に、エッチング装置本体4の搬送路の上流端および下流端には夫々第2ヘッダパイプ11か配置され、その第2ヘッダパイプ11に等間隔に制御ノズル8aが多数並列されている。そして、副ポンプ16と各第2ヘッダパイプ11との間が制御バルブ14を介して連通されている。なお、副ポンプ16はその上流側がエッチング液タンク5に連通する。
【0019】
また、制御バルブ14は図5に示す如く各制御ノズル8a毎に設けられ、そのON−OFFを制御装置25によって制御する。即ち、基板検出器26及び搬送装置の図示しないエンコーダを介し、基板23上のエッチング不足位置が第2ヘッダパイプ11に達したとき、必要時間だけ制御バルブ14を開放し、制御ノズル8aから基板23の所定部分のみにエッチング液を噴射するものである。この例ではエッチング装置本体4の入口側と出口側とに第2ヘッダパイプ11を配置したが、それに代えて何れか一方側にのみ第2ヘッダパイプ11を配置し、それに制御ノズル列8を並列してもよい。また、この例では光センサーからなる基板検出器26がエッチング装置本体4の上流端に配置され、基板23の先端が基板検出器26に達したときそれを検知し制御装置25に入力する。さらに、制御装置25には前述の如く、搬送ローラ27の回転駆動に連動する図示しないエンコーダからの回転数が入力され、それらにより基板23の搬送方向の適宜位置に制御バルブ14を介してエッチング液を噴射するものである。
【0020】
次に、搬送路1の上面側に近接し、各定量ノズル列2の間に夫々吸引パイプ3が配置されている。この吸引パイプ3は、図1に示す如く、搬送方向に直交する方向に配置されている。各吸引パイプ3は図3に示す如く、この例では少なくとも下面側が円弧状に形成され、その底部に二列に多数の吸引スリット13aが一直線上に配置され、夫々スリット列13を形成する。各スリット列13は同図(B)に示す如く、吸引パイプ3の最下面の両側に互いに近接して配置されている。夫々の吸引スリッ13aの間には、図3(A)に示す如く、閉塞部13bが形成されている。閉塞部13bは、吸引スリット13aの長さに比べて極めて短い。
【0021】
そして隣り合うスリット列13における各閉塞部13bは、吸引パイプ3の長手方向において異なった位置に配置されている。即ち、二列のスリット列13における各閉塞部13bは千鳥状に配置されている。このような二列のスリット列13を有する吸引パイプ3は、図1及び図2に示す如く、エッチング装置本体4の搬送方向に多数並列されている。そしてそれらは各定量ノズル列2の間及び、定量ノズル列2と制御ノズル列8との間、並びに制御ノズル列8の上流側及び下流側とに、図1、図2の如く、配置されている。吸引パイプ3の長手方向中央位置には連通管22の一端が連結され、その他端がエジェクタ7の負圧部7aに連通する。エジェクタ7はこの例では、吸引パイプ3の数だけエッチング液タンク5内に連通している。
【0022】
このエジェクタ7は、図4に示す如く、ベンチュリー管からなりその首部の負圧部7aに連通管22の一端が連通する。夫々のエジェクタ7は、その入口側がヘッダ9に連通され、出口側がエッチング液タンク5に開放されている。ヘッダ9は循環ポンプ6の突出側に連結され、循環ポンプ6の上流側がエッチング液タンク5に連通されている。そして、エッチング液タンク5内のエッチング液をヘッダ9を介し、各エジェクタ7に均等に分配してエッチング液タンク5内にそれを流出させる。このとき、ベンチュリー管からなるエジェクタ7の負圧部7a(首部)に負圧が生じる。その負圧によって、吸引パイプ3に設けた吸引スリット13aから基板23上のエッチング液を吸引し、それをエッチング液タンク5内に還流するものである。
【0023】
このように本発明の吸引パイプ3は、夫々エジェクタ7の負圧部7aが連結されると共に、各定量ノズル列2の間、及び定量ノズル列2と吸引パイプ3との間、並びに吸引パイプ3の上流側及び下流側に夫々配置され、基板23上に滞留するエッチング液を確実に吸引している。しかも、吸引パイプ3の中央位置に連通管22の一端が連通されているため、吸引パイプ3の各部において略均一に基板上のエッチング液を吸引することができる。
【0024】
図8はこれらのエッチング液の流れを示す説明図である。
エッチング液タンク5から主ポンプ15によって押し出されたエッチング液は、フィルタ19及び各手動バルブ17を介し、各第1ヘッダパイプ10に供給され、常時一定量のエッチング液を定量ノズル2aから噴射する。それと共に、副ポンプ16により制御バルブ14を介し制御ノズル8aに供給されたエッチング液は、この例では搬送路1の上流端及び下流端に供給される。なお、上流端及び下流端に配置される制御ノズル列8は、その一方を省略することもできる。また、制御ノズル列8を定量ノズル列2間の適宜位置に配置し、或いはそれを複数位置に配置することも可能である。このように、定量ノズル列2及び制御ノズル列8から基板23上に噴射されたエッチング液は、それに隣接する吸引パイプ3によって直に吸引され、エッチング液タンク5に還流する。
【0025】
(作用)
図2において、エッチング装置本体4の左端からエッチング装置本体4内に供給される基板23は、搬送ローラ27により搬送され、その先端が基板検出器26で検知される。基板23上の特定位置が制御ノズル列8の下方に位置したとき、制御装置25によって制御バルブ14が開放され、各制御ノズル8aからエッチング液が適宜時間噴射する。なお、同図において下側の制御ノズル8aからの噴射量と上側のそれからの噴射量とを異ならせることができる。さらには、下側の制御ノズル8aの噴射を停止させることもできる。
【0026】
次いで、基板23が第1ヘッダパイプ10の各定量ノズル列2に達すると、各定量ノズル列2から常時噴射するエッチング液により、基板23の上面側及び下面側にエッチング液が噴射される。基板23の上面側に噴射されたエッチング液は、夫々の吸引パイプ3によって直に吸引され、基板23上面にエッチング液が滞留することを可及的に防止する。なお、基板23の下面側に噴射されたエッチング液はその自重により直に下方に落下し、プレート20の上面からエッチング液タンク5に導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のエッチング装置の平面説明図。
【図2】同縦断面における正面説明図。
【図3】同装置に用いられる吸引パイプ3の要部縦断而図及び横断面図。
【図4】同装置に用いられるエジェクタ7の説明図。
【図5】同装置に用いられる制御ノズル列8の説明図。
【0028】
【図6】本発明の装置の定量ノズル列2における各定吊ノズル2aの噴射エリア21を示す平面的説明図。
【図7】同立面的説明図。
【図8】同装置のエッチング液の流れを示す説明図。
【符号の説明】
【0029】
1 搬送路
2 定量ノズル列
2a 定量ノズル
3 吸引パイプ
3a 吸引スリット
4 エッチング装置本体
5 エッチング液タンク
6 循環ポンプ
7 エジェクタ
7a 負圧部
【0030】
8 制御ノズル列
8a 制御ノズル
9 ヘッダ
10 第1ヘッダパイプ
11 第2ヘッダパイプ
13 スリット列
13a 吸引スリット
13b 閉塞部
14 制御バルブ
15 主ポンプ
16 副ポンプ
【0031】
17 手動バルブ
18 圧力計
19 フィルタ
20 プレート
21 噴射エリア
22 連通管
23 基板
24 エッチング液
25 制御装置
26 基板検出器
27 搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送路(1)に向けて、上方からエッチング液を常時定流量噴射する多数の定量ノズル(2a)が、夫々搬送方向に直交する方向に整列して配置されて定量ノズル列(2)を構成し、それが互いに搬送方向に定間隔で多数列配置され、各定量ノズル列(2)の間に吸引パイプ(3)が配置され、各吸引パイプ(3)の下面に設けた吸引スリット(13a)が搬送路(1)に対向して開口し、
エッチング装置本体(4)に設けたエッチング液タンク(5)に、循環ポンプ(6)を介して循環する循環路が設けられ、その循環路中にエジェクタ(7)が設けられ、そのエジェクタ(7)の負圧部(7a)に前記吸引パイプ(3)が連通されたエッチング装置において、
多数の前記定量ノズル列(2)の上流端および/または下流端で、或いはそれらの中間位置に、前記搬送方向に直交して定間隔に配置した多数の制御ノズル(8a)により制御ノズル列(8)を構成し、その制御ノズル(8a)は基板の走行に同期し、基板がその制御ノズル列(8)に達したとき、その基板の所定位置にエッチング液を所定時間のみ噴射するように構成し、その制御ノズル列(8)に隣接して前記吸引パイプ(3)を配置したエッチング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記吸引バイプ(3)の数だけ、前記エジェクタ(7)を前記エッチング液タンク(5)に連通し、夫々のエジェクタ(7)の前記負圧部(7a)と夫々の吸引パイプ(3)の長手方向の略中央とが接続され、各エジェクタ(7)の上流側がヘッダ(9)に連結されると共に、そのヘッダ(9)に前記循環ポンプ(6)の液押し込み側が連通されたエッチング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
夫々の前記定量ノズル(2a)は、第1ヘッダパイプ(10)に定間隔に取付られ、多数のその第1ヘッダパイプ(10)が互いに平行に定間隔で並列すると共に、夫々の第1ヘッダパイプ(10)が前記搬送方向に沿い且つ、搬送方向に対して鋭角の角度で斜めに配置され、
夫々の前記制御ノズル(8a)は、第2ヘッダパイプ(11)に定間隔に取付られ、その第2ヘッダパイプ(11)が前記搬送方向に直交して配置されたエッチング装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
前記吸引パイプ(3)の下面の吸引スリット(13a)は、そのパイプ(3)の軸線に平行な一直線上に細長く開口して多数断続的に設けられてスリット列(13)を構成し、隣接する各スリット(13a)の端どうしの間の閉塞部(13b)の間隔は、スリット長さに比べて僅かであり、
前記吸引パイプ(3)の下面は、その断面が円弧状に形成され、その下面の最下端に近接しその両側に前記スリット列(13)が僅かの間隔を有して二列に配置され、両スリット列(13)の前記閉塞部(13b)が千鳥状に配置されたエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−34436(P2008−34436A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203055(P2006−203055)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(390022220)株式会社フジ機工 (2)
【Fターム(参考)】