説明

エネルギマネジメントシステム

【課題】建物や自動車で使用される電力の状況を様々な視点で確認可能とすることを目的とする。
【解決手段】太陽光発電装置、蓄電池、系統電力、車両用蓄電池、及び家電機器や住設機器を分電盤に接続し、それぞれの電力の状況を監視して、発電装置の発電電力、蓄電池の蓄電量、車両用蓄電池の蓄電量、及び使用電力量をそれぞれHEMSの表示部に表示する。このとき、デフォルトで電力の単位でそれぞれを表示し、単位切換ボタンを操作することにより表示する単位を切換可能として、それぞれの電力の状況を単位を変換して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギマネジメントシステムにかかり、特に、発電装置や蓄電池を備えて、建物への電力供給を制御するエネルギマネジメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、災害時などの電力確保のために、系統電力とは別に蓄電池などを設けて停電時などに住宅で使用する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、商用電力系統とそれとは別の電源装置(ハイブリッド自動車)との何れかを用いて各電気負荷に給電可能とし、電力線毎に遮断装置と電力監視装置とを設ける。そして、電力監視装置がハイブリッド自動車からの給電時に、電力監視装置毎に電気負荷による電力使用状況を監視して、コントローラが、電力監視装置により監視した電力使用状況に応じて、遮断装置を制御することにより各電気負荷への給電を電力線毎に制御することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−282456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、系統電力以外にハイブリッド自動車などの電力を利用して、継続的な電力供給を行うことができるが、使用可能なエネルギを把握するための表示を行うことに関しては記載されていないので、改善の余地がある。
【0006】
また、系統電力や自動車に搭載された蓄電池に蓄電された電力以外にも、太陽光発電装置等の各種発電装置によって発電された電力の使用なども想定され、住宅で使用可能なエネルギについては多種多様化しており、種々の表示に関する技術が望まれる。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、建物や自動車で使用される電力の状況を様々な視点で確認可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、自然エネルギを利用して発電する発電装置と、建物に設けられて、前記発電装置の発電電力及び系統電力の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池と、自動車に搭載されて、外部から供給された電力または自動車で発電された電力を蓄電する車両用蓄電池と、前記発電電力、前記蓄電池の蓄電電力、前記車両用蓄電池の蓄電電力、及び系統電力のぞれぞれの電力を予め定めた優先順位に従って予め定めた供給先へ供給する供給手段と、前記供給手段によって供給される各電力の供給先及び供給量を検出する供給検出手段と、前記蓄電池及び前記車両用蓄電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、建物の電力使用量又は建物の各部屋毎の電力使用量を検出する電力使用量検出手段と、予め定めた表示単位の中から使用する表示単位を選択するための選択手段と、電力の単位と他の単位の予め定めた対応関係に基づいて、前記供給検出手段、前記蓄電量検出手段、及び前記電力使用量検出手段の各検出結果の単位を前記選択手段によって選択された単位に変換し、変換した単位で前記各検出結果を電力の流れと共に表示する表示手段と、を備えている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、発電装置では、例えば、太陽光や、風力、水力等の自然エネルギを利用して発電される。
【0010】
蓄電池は、建物に設けられて、発電装置の発電電力及び系統電力の少なくとも一方の電力が蓄電され、車両用蓄電池は、自動車に搭載されて、外部から供給された電力または自動車で発電された電力が蓄電される。
【0011】
また、供給手段では、発電装置の発電電力、蓄電池の蓄電電力、車両用蓄電池の蓄電電力、及び系統電力のそれぞれの電力が予め定めた優先順位に従って予め定めた供給先へ供給される。例えば、発電装置によって発電された電力を建物や供給したり、蓄電池へ供給して充電したり、蓄電池に蓄電された電力を建物へ供給したり等の電力の供給を制御する。
【0012】
また、供給検出手段では、供給手段によって供給される各電力の供給先及び供給量が検出され、蓄電量検出手段では、蓄電池及び車両用蓄電池の蓄電量が検出され、電力使用量検出手段では、建物の電力使用量又は建物の各部屋毎の電力使用量が検出される。
【0013】
そして、選択手段によって、予め定めた単位の中から表示する単位を選択することができ、表示手段では、電力の単位と他の単位の予め定めた対応関係に基づいて、供給検出手段、蓄電量検出手段、及び電力使用量検出手段の各検出結果の単位が、選択手段によって選択された単位に変換されて、変換された単位で各検出結果が電力の流れと共に表示される。これによって、建物内のエネルギの状況を表示手段の表示によって確認することができる。また、エネルギの状況を電力の単位だけではなく、他の予め定めた単位(例えば、走行距離や、電気代、CO2排出量等の単位)で確認することができる。従って、建物や自動車で使用される電力の状況を様々な視点で確認することができる。
【0014】
なお、請求項2に記載の発明のように、自動車の走行予定距離を入力するための入力手段と、発電装置の発電量、蓄電池の蓄電量、及び建物の電力使用量をそれぞれ予測する予測手段と、を更に備えて、表示手段が、対応関係に基づいて、入力手段によって入力された走行予定距離及び予測手段の予測結果のそれぞれの単位を選択手段によって選択された単位に変換し、変換した単位で走行予定距離及び予測結果を更に表示するようにしてもよい。これによって、次の日等の走行距離に対する、発電量や、蓄電量、電力使用量等を距離換算で確認することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明のように、選択手段が、単位を切り換える指示を行うための表示切換ボタンからなり、表示手段が、電力の単位を優先して表示し、表示切換ボタンが操作された場合に、表示切換ボタンによって指示された単位に変換して表示するようにしてもよい。すなわち、デフォルトの表示として電力の単位で表示を行って、表示切換ボタンの操作によって他の単位への表示への切り換えが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明のように、建物の各部屋の在室を検出する在室検出手段を更に備えて、表示手段が、在室検出手段及び電力使用量検出手段の検出結果に基づいて、不在の部屋の無駄なエネルギ消費があることを更に表示するようにしてもよい。これによって、不在の部屋で無駄な電力消費があることをアドバイスすることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明のように、電力使用量検出手段によって検出された電力使用量が所定値を超え、空調装置が作動している場合に、エネルギ消費量を抑制するように空調装置を制御する制御手段を更に備えるようにしてもよい。これによって、空調装置を使用している時に、電力消費が多くなった場合には、自動で空調装置を制御してエネルギ消費を抑制するので、省エネルギ効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、建物や自動車で使用される電力の状況を様々な視点で確認することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステムに含まれるHEMSの概略構成を示すブロック図である。
【図3】単位を変換するための変換テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステムのHEMSの表示部に表示される初期画面の一例を示す図である。
【図5】単位を「円」に変換した場合の表示画面の一例を示す図である。
【図6】各部屋毎のエネルギを示すと共に、部屋Bが無人で消費電力が多いことを示すアドバイスを表示した一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステムのHEMSで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】変換テーブルに基づいて、予測した各エネルギ量を距離換算して表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステムの概略構成を示すブロック図である。なお、図1中の実線は電力線を示し、点線は情報線を示すものとする。
【0021】
本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10は、太陽光発電装置12を備えて、太陽光によって発電された電力を住宅で使用可能とされている。なお、本実施の形態では、太陽光発電装置12を備える例を説明するが、これに限るものではなく、例えば、風力、水力、火力等の各種自然エネルギを利用した発電装置を備えるようにしてもよいし、燃料電池等の発電装置を備えるようにしてもよい。
【0022】
太陽光発電装置12は、パワーコントロールシステム(図示省略)を含んで構成されており、太陽光発電装置12によって発電された直流電力がパワーコントロールシステムによって交流電力に変換されて分電盤14に供給されることにより、住宅に電力が供給される。
【0023】
また、分電盤14には、電力会社から供給される系統電力18、及び太陽光発電装置12の発電電力の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池24が接続されており、太陽光発電装置12によって発電された電力の他に、系統電力18や蓄電池24に蓄電された電力を住宅に供給することが可能とされていると共に、太陽光発電装置12や系統電力18によって蓄電池24を充電することが可能とされている。なお、蓄電池24は、リチウムイオン電池、鉛電池、ナトリウム電池等の各種蓄電池を適用することができる。
【0024】
また、分電盤14には、ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載された車両用蓄電池28を充電するための充電スタンド26が接続されており、分電盤14から充電スタンド26に電力を供給して車両用蓄電池28を充電することが可能とされている。また、本実施の形態では、充電スタンド26は、非常時などの場合には、車両用蓄電池28から交流に電力を変換して分電盤14に電力を供給可能とされている。
【0025】
また、分電盤14には、住宅に設けられた家電機器20や住設機器22等が接続されている。すなわち、太陽光発電装置12による発電電力や、系統電力18、蓄電池24に蓄電された電力などの電力が分電盤14を介して家電機器20や住設機器22に供給される。
【0026】
さらに、分電盤14には、住宅内のエネルギの管理や制御を行うHEMS(Home Energy Management System)30が接続されている。HEMS30は、分電盤14を制御することにより、太陽光発電装置12の発電電力、蓄電池24の電力、及び系統電力18の何れかを住宅へ供給するために電力の切換制御等を行う。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10に含まれるHEMS30の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
HEMS30は、コンピュータを含んで構成されており、図2に示すように、CPU36、ROM38、RAM40、及び入出力ポート42を備えて、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス44を介して互いに接続されている。
【0029】
入出力ポート42には、各種入出力機器として、表示部46、操作部48、及びメモリ50が接続されている。なお、表示部46及び操作部48は一体で構成され、操作部48は、表示部46に設けられたタッチパネルを適用するようにしてもよいし、タッチパネルの他に操作ボタンを備えるようにしてもよい。
【0030】
メモリ50には、住宅内の電力供給に関する各種制御や表示部46に表示するための表示制御等を行うためのプログラムや、家電機器20や住設機器22の制御を行うためのプログラム、これらのプログラムを実行するための各種情報等が記憶されており、メモリ50に記憶されたプログラムをRAM40等に展開してCPU36が実行することにより、住宅内の電力供給に関する各種制御や表示制御等の制御を行うようになっている。
【0031】
さらに、入出力ポート42には、蓄電池24の残量を検出するための蓄電池残量センサ54、分電盤14、及び住宅内の各部屋の在室有無を検出するための人感センサ16が接続されている。なお、入出力ポート42には、インターネット等のネットワークを接続可能として、外部の機器(例えば、予め定めた情報センター等)と情報の授受を可能としてもよい。
【0032】
本実施の形態では、蓄電池残量センサ54によって検出された蓄電池24の残量をHEMS30が取得することにより、表示部46に蓄電池24の蓄電量を表示することができる。
【0033】
また、分電盤14は、系統電力18からの電力供給量や、太陽光発電装置12からの発電量、各部屋の電力使用量等を検出する機能を備えており、HEMS30は、分電盤14から系統電力18の供給量、太陽光発電装置12の発電量、電力使用量等を取得して、各電力を表示部46に表示することができるようになっている。このとき、本実施の形態では、各電力の単位を変更して表示することが可能とされている。例えば、電力の単位と他の単位の予め定めた対応関係として、図3に示す単位を変換するための変換テーブルを予め記憶し、操作部48の操作によって指定された単位での表示が可能とされている。なお、変換テーブルは、予め定めた単位量の電力量と電力量から換算できる他の物理量との対応関係を予め定めることにより設定することができる。また、図3の変換テーブルでは、電気量、電気代、走行距離、及びCO2排出量、及び温度に単位を変更可能とした場合の変換テーブルを示す。また、図3の変換テーブルは、ある電力会社の料金、ある車種の燃費を考慮して作成したものであり、数値はこれに限定されるものではなく、電力会社や車種によって適宜設定すればよい。また、変換テーブルは、ネットワークを介して電気料金や燃費等の情報をHEMS30が外部から取得して変更するようにしてもよい。
【0034】
ここで、本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10のHEMS30で行われる表示部46の表示制御の概略について説明する。図4は、表示部46の初期画面の表示例を示す図である。
【0035】
HEMS30の表示部46には、例えば、図4に示すような初期画面が表示される。図4の初期画面では、太陽光発電装置12の発電電力(図4中の発電装置)、蓄電池24の蓄電量、車両用蓄電池28の蓄電量、及び使用電力量が表示される。具体的には、HEMS30は、分電盤14から各電力量(発電量、蓄電池24の蓄電量、及び使用電力量)の検出結果を取得すると共に、蓄電池残量センサ54の検出結果を取得することによってそれぞれの電力量を表示する。初期状態では、一般的な表示と同様に、電力の単位でそれぞれの電力量を表示する。
【0036】
このとき、図4に示す「全体/部屋」への操作が行われた場合には、住宅全体として電力を表示するか、部屋毎に電力を表示するかを選択することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、住宅内のエネルギ(発電量、蓄電池24の蓄電量、車両用蓄電池28に蓄電量、使用電力量)を他の単位で表示することが可能とされており、図4中の「単位:円」への操作を行うことにより、表示する単位を選択することができる。例えば、単位切換ボタンとしての図4示す「単位:Kw/h」の部分をタッチ操作することにより、表示する単位を順次切り替える。図5は、単位を「円」に変換した場合の図を示す。単位の変換は、所定の変換テーブル等を用いて表示された電力量を料金等の他の単位に変換して表示する。このように単位を変えることによっていろいろな視点でエネルギを捉えることが可能となる。
【0038】
また、図4に示す「優先」への操作が行われることによって、電力供給の優先順位を設定することが可能とされている。図4では、デフォルトで(1)〜(8)の順に優先順位が設定されている例を示すが、「優先」をタッチ操作して所定の操作を行うことによって当該デフォルトの優先順位を変更することができる。
【0039】
また、図4に示す「アドバイス」への操作が行われることによって、住宅内のエネルギに関するアドバイスを表示する。例えば、人感センサ16の検出結果をHEMS30が取得すると共に、各部屋への電力の供給状況(家電機器20や住設機器22の作動状況等)を検出することによって、無人の部屋の電力消費等を検出して、電力の無駄等をアドバイスする。より具体的には、図6に示すように、部屋Bが無人で消費電力が多いことを示すアドバイスを表示する。この例の場合には、部屋毎の電力が表示され、各部屋における人感センサ16の検出結果から部屋Bが無人で「1Kw」の電力消費があることを表示した例を示す。或いは、「エネルギ消費量が、3Kwhを超えました。冷暖房温度を調整してください。」、「不在の部屋でエネルギ消費があります。確認してください。」等のようなメッセージを表示するようにしてもよい。
【0040】
さらに、図4に示す「警告」は、例えば、蓄電池24の残量が所定量(例えば、10%)以下になったときに点滅し、「放電を中止します。」等の表示を行ったり、電気自動車等の車両用蓄電池28が接続されていない場合に点滅して、「充電する場合にはケーブルを接続してください。」等のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0041】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10のHEMS30で行われる表示処理の具体的な流れについて説明する。図7は、本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10のHEMS30で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
ステップ100では、太陽光発電装置12の発電量、及び蓄電池24の蓄電量が検出されてステップ102へ移行する。すなわち、太陽光発電装置12から分電盤14に入力される発電量の測定結果をHEMS30が分電盤14から取得すると共に、蓄電池残量センサ54の検出結果をHEMS30が取得する。なお、車両用蓄電池28が充電スタンド26に接続されている場合には、充電スタンド26によって車両用蓄電池28の残量を検出し、検出結果をHEMS30が取得するようにしてもよい。
【0043】
ステップ102では、使用電力量が検出されてステップ104へ移行する。すなわち、家電機器20や住設機器22へ供給される電力量の測定結果を分電盤14からHEMS30が取得する。
【0044】
ステップ104では、初期画面が表示部46に表示されてステップ106へ移行する。本実施の形態では、ステップ100〜102で取得した、太陽光発電装置12の発電量、蓄電池24の蓄電量(車両用蓄電池28が接続されている場合には車両用蓄電池28の蓄電量と、蓄電池24の蓄電量)、及び使用電力量を元に、図4に示すように、それぞれの電力量を表示部46に表示する。これによって、住宅内の電力エネルギの状態を視覚的に報知することができる。このとき、本実施の形態では、デフォルトで電力の単位で表示されるが、他の単位としてもよい。
【0045】
ステップ106では、「全体/部屋」ボタンが操作されたか否かがHEMS30によって判定される。該判定は、電力の表示を住宅全体で表示するか部屋毎に表示するかを選択するために図4の「全体/部屋」の部分がタッチ操作されたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ108へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
【0046】
ステップ108では、「全体」表示中か否か判定される。該判定は、エネルギの供給状態を表示する際の表示方法として全体を表示するか、各部屋毎に表示するかを選択するために図4中の「全体/部屋」の部分がタッチ操作されて「全体」が選択されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ110へ移行し、肯定された場合にはステップ112へ移行する。
【0047】
ステップ110では、全体表示に切り換えられてステップ114へ移行する。例えば、図4に示す全体の表示例のような画面が表示される。
【0048】
ステップ112では、各部屋毎の表示に切り換えられてステップ114へ移行する。例えば、図6に示すような各部屋毎の画面が表示される。
【0049】
ステップ114では、「単位」ボタンが操作されたか否かがHEMS30によって判定される。該判定は、エネルギの供給状態の表示における単位を変更するために、図4中の「単位」の部分がタッチ操作されて単位の選択が行われたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、否定された場合にはステップ120へ移行する。
【0050】
ステップ116では、単位を変換するための変換テーブルに基づいて選択された単位の値が算出されてステップ118へ移行する。
【0051】
ステップ118では、ステップ116の算出結果が表示部46に表示されてステップ120へ移行する。これによって、エネルギの状態を種々の単位で表示することができる。例えば、図4は、電力量の単位で表示した例を示し、図5は、電気代の単位で表示した例を示す。なお、デフォルトでは、上述したように、電力の単位を優先して表示し、「単位」ボタンが操作されることによって、単位を切り換える。
【0052】
ステップ120では、「優先」ボタンが操作されたか否かがHEMS30によって判定される。該判定は、電力供給の優先順位を変更するために図4中の「優先」の部分がタッチ操作されたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ122へ移行し、否定された場合にはステップ124hへ移行する。
【0053】
ステップ122では、電力供給の優先順位が操作に対応する優先順に変更されてステップ124へ移行する。例えば、図示は省略するが、「優先」の部分がタッチ操作された場合に、優先順位を変更するための予め定めた変更画面を表示して、表示された変更画面に従って優先順を変更することができる。なお、本実施の形態では、デフォルトの状態で、図4に示す(1)〜(8)の順に優先順位が設定されているものとし、この優先順位を変更する際に、当該処理が行われる。
【0054】
ステップ124では、「アドバイス」ボタンが操作されたか否かがHEMS30によって判定される。該判定は、省エネルギ等に関するアドバイスを表示するために、図4中の「アドバイス」の部分がタッチ操作されたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ126へ移行し、否定された場合にはステップ128へ移行する。
【0055】
ステップ126では、アドバイス表示処理が行われてステップ128へ移行する。アドバイス表示処理は、例えば、現在の電力使用量を分電盤14からHEMS30が取得して、所定値以上の使用量の場合に、「エネルギ消費が、3kWを超えました。冷暖房を調節してください。」などのメッセージを表示部46に表示したり、人感センサ16の検出結果を更に取得して、図6に示すように、「部屋Bが未使用です。確認してください。」等のメッセージを表示部46に表示する。これによって、住人が表示部46の表示を確認して冷暖房の温度設定を変更したり、無駄な照明を消すなどしてエネルギ消費を低減することができる。すなわち、アドバイスによって省エネルギを促すことができる。なお、このとき、エネルギ消費量が所定量を超え、かつ冷暖房を使用しているときには、HEMS30が家電機器(空調装置)20を制御してエネルギ消費を抑制するようにしてもよい。
【0056】
ステップ128では、警告があるか否かがHEMS30によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ130へ移行して警告が表示部46に表示された後にステップ132へ移行し、ステップ128の判定が否定された場合にはそのままステップ132へ移行する。例えば、ステップ128〜130では、蓄電池残量センサ54の検出結果を取得して、取得した検出結果から蓄電池24の残量が10%以下の場合を警告するものとして、その旨を表示部46に表示すると共に、画面を点滅したり、「警告」の部分を点滅させるたりする。或いは、充電スタンド26とHEMS30間で通信を行い、車両用蓄電池28が接続されていない場合に警告するものと判断して、「車両用蓄電池28のケーブルが接続されていません。給電の場合には接続してください。」等のメッセージを表示部46に表示するようにしてもよいし、システムの異常等を検出して警告を行うようにしてもよい。
【0057】
ステップ132では、システムのオフが指示されたか否かがHEMS30によって判定される。該判定は、例えば、操作部48が操作されて電源オフ等の指示がなされた否かを判定し、判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合には一連の処理を終了する。
【0058】
また、本発明の実施の形態に係わるエネルギマネジメントシステム10のHEMS30では、次の日の太陽光発電装置12の発電量や、蓄電池24の蓄電量、使用電力量等を予測して、距離に換算してそれぞれのエネルギ量を表示部46に表示等の表示処理も行われる。
【0059】
例えば、次の日の天気予報などの情報をHEMS30に入力して、天気予報に基づいて太陽光発電装置12の発電量や、蓄電池24の蓄電量、使用電力量等を予測したり、日々の発電量、蓄電池量、使用電力量等を記憶して、平均値を求める等により、発電量や、蓄電量、使用量等をそれぞれ予測したりすることができる。
【0060】
そして、図8に示した変換テーブルに基づいて、予測した各エネルギ量を距離換算して表示部46に表示することにより、いろいろな視点で住宅内のエネルギを確認することができる。
【0061】
また、例えば、次の日の自動車の走行距離を操作部48等を操作して入力可能とし、入力した走行距離を差し引いた発電量や、蓄電量、使用電力量等を距離換算で確認することもができる。例えば、図8の例では、走行予定距離として「100km」を操作部48を介して入力した場合、予測発電量のうち200kmに相当する発電電力を蓄電池24に供給し、残りの200kmに相当する発電電力を使用し、蓄電池24に蓄電された100kmに相当する電力を車両用蓄電池28に充電する表示例を示す。
【0062】
なお、上記の実施の形態及び変形例において、予め定めた情報センター32が、公的機関から災害情報を受信して災害の地域に対応するHEMS30へ災害情報を送信するようにしたが、公的機関自体を情報センター32として、公的機関(情報センター32)がインターネット等を介して災害情報をHEMS30に直接送信するようにしてもよい。この場合には、HEMS30側で災害に対応する地域であるか否か等の判断を行うことにより、上記の実施の形態や変形例と同様に制御することができる。
【0063】
また、上記の実施の形態では、表示する単位を切り換えて表示する例を説明したが、これに限るものではなく、例えば、単位を切り換えるのではなく、他の単位を追加して複数の単位で表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 エネルギマネジメントシステム
12 太陽光発電装置
14 分電盤
16 人感センサ
18 系統電力
24 蓄電池
28 車両用蓄電池
30 HEMS
54 蓄電池残量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギを利用して発電する発電装置と、
建物に設けられて、前記発電装置の発電電力及び系統電力の少なくとも一方の電力を蓄電する蓄電池と、
自動車に搭載されて、外部から供給された電力または自動車で発電された電力を蓄電する車両用蓄電池と、
前記発電電力、前記蓄電池の蓄電電力、前記車両用蓄電池の蓄電電力、及び系統電力のぞれぞれの電力を予め定めた優先順位に従って予め定めた供給先へ供給する供給手段と、
前記供給手段によって供給される各電力の供給先及び供給量を検出する供給検出手段と、
前記蓄電池及び前記車両用蓄電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
建物の電力使用量又は建物の各部屋毎の電力使用量を検出する電力使用量検出手段と、
予め定めた表示単位の中から使用する表示単位を選択するための選択手段と、
電力の単位と他の単位の予め定めた対応関係に基づいて、前記供給検出手段、前記蓄電量検出手段、及び前記電力使用量検出手段の各検出結果の単位を前記選択手段によって選択された単位に変換し、変換した単位で前記各検出結果を電力の流れと共に表示する表示手段と、
を備えたエネルギマネジメントシステム。
【請求項2】
自動車の走行予定距離を入力するための入力手段と、前記発電装置の発電量、前記蓄電池の蓄電量、及び建物の電力使用量をそれぞれ予測する予測手段と、を更に備え、
前記表示手段が、前記対応関係に基づいて、前記入力手段によって入力された前記走行予定距離及び前記予測手段の予測結果のそれぞれの単位を前記選択手段によって選択された単位に変換し、変換した単位で前記走行予定距離及び前記予測結果を更に表示する請求項1に記載のエネルギマネジメントシステム。
【請求項3】
前記選択手段は、単位を切り換える指示を行うための表示切換ボタンからなり、前記表示手段が、電力の単位を優先して表示し、前記表示切換ボタンが操作された場合に、表示切換ボタンによって指示された単位に変換して表示する請求項1又は請求項2に記載のエネルギマネジメントシステム。
【請求項4】
建物の各部屋の在室を検出する在室検出手段を更に備え、前記表示手段が、前記在室検出手段及び前記電力使用量検出手段の検出結果に基づいて、不在の部屋の無駄なエネルギ消費があることを更に表示する請求項1〜3の何れか1項に記載のエネルギマネジメントシステム。
【請求項5】
前記電力使用量検出手段によって検出された前記電力使用量が所定値を超え、空調装置が作動している場合に、エネルギ消費量を抑制するように空調装置を制御する制御手段を更に備えた請求項1〜4の何れか1項に記載のエネルギマネジメントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−191825(P2012−191825A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55599(P2011−55599)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】