説明

エポキシドからのエステルの製造法

【課題】従来のエポキシドからの近接エステルの製造法によれば、望みの高純度生成物を得るには、精製を追加する必要がある。従って、近接ジエステルを高収率および高純度で製造できる方法が求められている。
【解決手段】エポキシド開環触媒の存在下で、置換型エポキシド、好ましくはシリコーン含有置換型エポキシドを少なくとも1個のカルボン酸および少なくとも1個の保護剤と反応させることによって、近接ジエステルを高収率および高純度で形成できる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、近接ジエステルの製造法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
各種シリコーン含有モノマーは、眼科用具や特に酸素への透過性が改良されたソフトコンタクトレンズなどの医療用具の製造の原料としての有用性が判明している。あるクラスの適切なモノマーは、トリスおよびビス(トリメチルシリルオキシ)シリルアルキルグリセロール・メタクリレート(「SiAGMA」)を含む。SiAGMAの合成中、特定のアクリル酸ジエステル不純物も生成される。アクリル酸ジエステルまたはフリーラジカル反応性二官能基は、他のポリマー形成成分とのSiAGMAの重合中、架橋剤として働く。従って、アクリル酸ジエステル濃度をコントロールし、得られる医療用具の機械的性質が受容不可能な程度まで変化しないことを保証しなければならない。
【0003】
従来の1,2-ジエステル調製法は、塩基の存在下での酸塩化物または酸無水物による1,2-ジオールの処理に関する。しかし、トリメチルシリルエーテルなどの官能基は、前記の条件に感受性を示し、望みの高純度生成物を得るには、精製を追加する必要がある。近接ジエステルのある製造法は、アミンを使用し、酸無水物およびメタクリル酸の存在下でのエポキシドの求核性開環を触媒し、近接メタクリレートを含有する化合物の部分的アシル化混合物を形成する。一官能性フリーラジカル反応性モノマーの製造過程で生成される二官能性フリーラジカル不純物は、様々な合成経路を使って、あるいは、各種精製段階を使ってコントロールされなければならない。モノマー材料中のフリーラジカル反応性官能基が生成されると、その後は、合成後精製法の各種方式に多くを頼ることになる。
【0004】
従って、当該技術分野では、近接ジエステルを高収率および高純度で製造できる方法が求められている。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、エポキシド開環触媒の存在下で、置換型エポキシド、好ましくはシリコーン含有置換型エポキシドを少なくとも1個のカルボン酸および少なくとも1個の保護剤と反応させて、近接ジアルキルエステルまたは近接ジシリルエステルを形成する段階を含む方法に関する。さらに具体的には、本発明は、置換型エポキシドを、少なくとも1個のエポキシド開環触媒、少なくとも1個のカルボン酸、少なくとも1個の保護剤および少なくとも1個の阻害剤と、約60℃を上回る温度で少なくとも約4時間反応させ、式VIまたはVIIの化合物を形成する段階を含む方法に関するもので:
式VI
【化1】

式VII
【化2】

式中、
R2は、前記エポキシドに比較して、さらにゆっくりと酸素含有求核剤と反応するいずれかの基であり、
R5は、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基であり、
R6は、エステルまたはエーテル結合を形成可能な前記保護基の残基である。
本発明の方法によって形成される近接ジアルキルエステルまたは近接ジシリルエステルは、生物医学用具、好ましくはコンタクトレンズなどの眼科医療用具用の重合成分として有用である。
【0006】
〔発明の詳細な説明〕
適切な置換型エポキシドは、以下の式Iの物質を含み:
【化3】

式中、
R1は、エポキシド部分に比較してさらにゆっくりと酸素含有求核剤と反応するいずれかの置換基である。好ましい置換型エポキシドは、式IIで示す化合物を含み、
【化4】

式中、
R2は、エポキシド部分に比較してさらにゆっくりと酸素含有求核剤と反応するいずれかの置換基である。適切なR2基の例は、エステル、アミド、置換型および非置換型アルキル、シロキサン、エーテルなどを含む。具体的な、制約されない例は、少なくとも1個のSi含有置換基および、好ましくは少なくとも1個のシリコーン結合で置換されたC1〜3アルキルを含む。適切な置換型エポキシドの具体例は、式IIIの物質を含み:
【化5】

式中、
R3およびR4は、独立して、炭素原子1〜3個を有するアルキル基から選択され、
nは、1〜3であり、
xは、0〜3である。
一層具体的には、前記置換型エポキシドは、グリシドオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサンであることができる。
【0007】
エポキシドは、ペルオキシ酸(peroxyacids)によるアルケンの酸化、トランスハロヒドリン(trans halohydrin)部分が存在する分子内SN2反応による形成、求核酸化剤(過酸化水素の塩基性溶液)のα,β-不飽和カルボニル化合物への付加、およびスルホニウムイリドのカルボニル化合物との反応を含む多数の方法で形成できるが、それらに制約されない。別法として、Si含有基置換型エポキシドは、すでに形成されているアリル官能基含有エポキシドのヒドロシリル化によって調製されることができる。当該方法は、当業者に周知であり、エポキシドおよび、Si含有基置換型エポキシドまでのこの合成経路のリストは、決して本発明の範囲をこれらの調製法に限定するものではない。
【0008】
本発明の方法によれば、置換型エポキシドは、少なくとも1個の可溶性カルボン酸塩R5CO2X、少なくとも1個のカルボン酸R5CO2Hおよび、少なくとも、ヒドロキシル基とのフリーラジカル反応種の反応を遮断できる保護基と反応する。適切な保護剤は、酸無水物、トリメチルシリルクロライド、アリルハライドなどを含む。酸無水物は、好ましい保護剤である。適切な酸無水物は、式R5-CO2OCR5を有する化合物を含む。R5は、同一であることも、異なることもでき、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基から選択されることができる。好ましくは、R5は、炭素原子1〜5個を有するアルケニル基、さらに好ましくはビニル、スチリル、アリルから選択されることができる。好ましくは、R5は、カルボン酸塩、カルボン酸および保護剤が同一である。
【0009】
当該保護剤は、カルボン酸塩がオキシラン環を開環した後、ヒドロキシル基と反応し、金属アルコキシドがカルボン酸からのカルボキシ基に置換するのを防ぎ、反応混合物中に存在する他の反応種とのOH反応を制限する。よって、保護剤の使用は、精製前に、純度80%以上の望みの生成物の製造を可能にする。
【0010】
本発明の第一段階で使用されるエポキシド開環触媒は、エポキシド環を開環するための技術上周知のどんな触媒であることもできる。適切なエポキシド開環触媒は、ルイス(Lewis)酸、ルイス(Lewis)塩基、ブレンステッド(Bronsted)酸およびポルフィリン錯体、それらの組み合わせなどを含む。好ましいクラスのエポキシド開環触媒は、カルボン酸塩を含む。カルボン酸塩にとって、適切な陽イオンは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属およびアンモニウムを含む。好ましくは、当該陽イオンは、LiまたはNaであり、好ましいカルボン酸塩は、メタクリル酸リチウムおよびメタクリル酸ナトリウムを含む。前記エポキシド開環触媒は、選択された反応溶媒中、選択された反応温度で可溶性であることが必要である。前記エポキシド開環触媒は、当該反応を触媒するのに十分な量、好ましくは、対象エポキシドに基づいて約0.5当量までの量で添加される。
【0011】
好ましい実施態様では、前記カルボン酸はメタクリル酸であり、前記保護剤は酸無水物、好ましくは無水メタクリル酸であり、エポキシド開環触媒はメタクリル酸アルカリ金属である。
【0012】
前記カルボン酸は、エポキシド量に基づいて、約0.01〜約0.2モル当量、好ましくは約0.05〜約0.15モル当量の量で使用される。
【0013】
前記保護剤は、エポキシド量に基づいて、わずかに過剰量、好ましくは約1〜1.5モル当量の量、好ましくは約1〜約1.1モル当量で使用される。
【0014】
反応混合物は、阻害剤も含むことができる。どのフリーラジカル阻害剤も使用でき、適切な、制約のない例は、MEHQ、BHT、フェノチアジン、ハイドロキノン、それらの混合物などを含む。阻害剤は、約1〜約1000 ppm、好ましくは約1〜約750 ppmの量で使用できる。
【0015】
前記カルボン酸は、溶媒またはいずれかの非反応性溶媒を使用できるので、わずかに過剰量で使用できる。適切な非反応性溶媒は、選択された反応条件での望みの反応に寄与せず、あるいは、望みの反応を損なわない溶媒であり、DMF、ベンゼン、THF、それらの混合物などの非求核溶媒を含むがそれらに制約されない。
【0016】
前記反応は、上昇温度、好ましくは約60℃以上、さらに好ましくは約80℃〜約120℃で実施される。
【0017】
適切な反応時間は、少なくとも約4時間、好ましくは少なくとも約6時間、さらに好ましくは約6〜約15時間を含む。温度と反応時間が反比例し、反応温度が高いほど、反応時間を短縮でき、逆も可能であることは、当業者の理解するところとなる。また、触媒濃度などの当該反応を引き起こす他の反応条件を変えて、本発明の方法の反応時間および温度を変えることができる。
【0018】
前記反応の生成物は、以下の式VIまたはVIIの化合物であり:
式VI
【化6】

式VII
【化7】

式中、
R2、R5は、上記のとおりであり、
R6は、エステルまたはエーテル結合を形成できる保護基の残基である。
【0019】
ある実施態様では、前記保護基は、酸無水物であり、本発明の方法の生成物は、シロキサン部分を含有し、少なくとも約80%の純度を有するジエステルである。当該ジエステルの純度は、ヘキサン溶液をフラッシュ級シリカゲルで処理することによって、さらに高まる。シリカゲルスラリーを数時間攪拌(粉砕)し、濾過し、望みの生成物よりも極性の高い大量の不純物を除去する。別法として、超臨界流体抽出法などの他の精製法によって、前記の近接ジエステルの純度を高めることができる。
【0020】
よって、本発明の方法は、ワンポットタンデム化学変換を提供する。この場合、エポキシドを、カルボン酸塩で最初に開環し、得られるアルコールを酸無水物で速やかに捕捉し、望みの近接ジエステルを形成する。反応混合物中のヒドロキシル基が短命であるので、反応混合物中のヒドロキシル基およびシリコーン部分の存在によって起こる副反応の多くが回避される。
【0021】
本発明を説明するため、以下の実施例が含まれる。これらの実施例は、本発明を制約するものではない。それらは、本発明を実施する方法を提言するに過ぎないことを意味する。コンタクトレンズとして知られるもの、並びに、他の特殊製品は、本発明を実施する他の方法であると分かる。しかし、それらの方法は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0022】
〔実施例1〕
電磁攪拌機、熱電対および乾燥チューブを備えた乾燥100 ml三口丸底フラスコに、以下に挙げる順序および量で、以下の反応物質を仕込んだ:
【表1】

【0023】
混合物を勢いよく攪拌し、100℃まで7.5時間加熱した。いったん、反応が完了すると、当該混合物を周囲条件まで冷却し、500 ml分液漏斗に移した。
【0024】
有機層をヘキサン100mlで希釈し、0.5N NaOH水溶液200 mlで3回、続いて、2.5%NaCl水溶液100 mlで3回洗浄した。当該有機層を硫酸ナトリウム5.0 gで乾燥し、ガラス濾過器で濾過した。
【0025】
濾液をシリカゲル15 gで処理し、当該処理済み系を3時間粉砕した。当該有機層をガラス濾過器で濾過し、シリカゲル15 gを追加し、さらに3時間粉砕を繰り返した。ガラス濾過器での濾過、続いて、55℃、vacuum pf<10 mbarでの揮発成分の蒸発後、望みの生成物を単離した。粉砕前後の近接ジエステルの純度を以下の表1に示す。
【0026】
〔実施例2〜6〕
実施例1で述べた反応を繰り返したが、表1に示すとおりに、反応条件を変更した。粉砕前後の近接ジエステルの純度も、表1に示す。
【表2】

【0027】
〔実施の態様〕
(1)置換型エポキシドを、少なくとも1個のエポキシド開環触媒、少なくとも1個のカルボン酸、少なくとも1個の保護剤および少なくとも1個の阻害剤と、約60℃を上回る温度で少なくとも約4時間反応させ、式VIまたはVIIの化合物を形成する段階を含む方法であって、
式VI
【化8】

式VII
【化9】

式中、
R2が、前記エポキシドに比較して、さらにゆっくりと酸素含有求核剤と反応するいずれかの基であり、
R5が、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基であり、
R6が、エステルまたはエーテル結合を形成可能な前記保護基の残基である、方法。
(2)実施態様1に記載の方法であって、
前記置換型エポキシドが式IIの化合物であり、
式II
【化10】

(3)実施態様2に記載の方法であって、
R2が少なくとも1個のSi含有置換基で置換されたC1〜3アルキルから成る群から選択される、方法。
(4)実施態様1に記載の方法であって、前記置換型エポキシドが式IIIの化合物であって、
【化11】

式中、
R3およびR4が、独立して、炭素原子1〜3個を有するアルキル基から選択され、
nが、1〜3であり、
xが、0〜3である、方法。
(5)実施態様1に記載の方法であって、
前記保護剤が酸無水物、トリメチルシリルクロライドおよびアリルハライドから成る群から選択される、方法。
【0028】
(6)実施態様5に記載の方法であって、
前記保護剤が、式R5-CO2OCR5を有する酸無水物であり、式中、R5が、同一であることも、異なることもでき、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基から成る群から選択される、方法。
(7)実施態様5に記載の方法であって、
R5が、炭素原子1〜5個を有するアルケニル基から選択される、方法。
(8)実施態様5に記載の方法であって、
R5が、ビニル、スチリルおよびアリルから選択される、方法。
(9)実施態様1に記載の方法であって、
前記カルボン酸R5-CO2OCR5において、R5が、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基から成る群から選択される、方法。
(10)実施態様9に記載の方法であって、
R5が、炭素原子1〜5個を有するアルケニル基からから選択される、方法。
【0029】
(11)実施態様9に記載の方法であって、
R5が、ビニル、スチリルおよびアリルから選択される、方法。
(12)実施態様1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、Lewis酸、Lewis塩基、Bronsted酸およびポルフィリン錯体から成る群から選択される、方法。
(13)実施態様1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、アルカリ金属塩を含む、方法。
(14)実施態様13に記載の方法であって、
前記アルカリ金属塩が、Li、Na、Kおよびアンモニウムから成る群から選択される少なくとも1個の陽イオンを含む、方法。
(15)実施態様13に記載の方法であって、
前記アルカリ金属塩が、メタクリル酸リチウムまたはメタクリル酸ナトリウムを含む、方法。
【0030】
(16)実施態様1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、前記エポキシドに基づいて、約0.5当量までの量で添加される、方法。
(17)実施態様1に記載の方法であって、
前記カルボン酸が、エポキシド量に基づいて、約0.01〜約0.2モル当量の量で使用される、方法。
(18)実施態様1に記載の方法であって、
前記保護剤が、前記エポキシドに基づいて、約1〜約1.5モル当量までの量で使用される、方法。
(19)実施態様1に記載の方法であって、
前記阻害剤が、MEHQ、BHT、フェノチアジン、ハイドロキノンおよびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
(20)実施態様1に記載の方法であって、
前記阻害剤が、約1〜約1000 ppmの量で使用される、方法。
【0031】
(21)約60℃以上の温度で、少なくとも1個のカルボン酸塩、少なくとも1個のカルボン酸、少なくとも1個の保護剤および少なくとも1個の阻害剤とグリシドオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサンを少なくとも4時間反応させ、メタクリル酸ビス(トリメチルシリルオキシ)シリルアルキルグリセロールを形成する段階を含む方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換型エポキシドを、少なくとも1個のエポキシド開環触媒、少なくとも1個のカルボン酸、少なくとも1個の保護剤、および少なくとも1個の阻害剤と、ほぼ60℃を上回る温度で少なくともほぼ4時間反応させ、式VIまたはVIIの化合物を形成する段階を含む方法であって、
式VI
【化1】

式VII
【化2】

式中、
R2が、前記エポキシドに比較して、さらにゆっくりと酸素含有求核剤と反応するいずれかの基であり、
R5が、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基であり、
R6が、エステルまたはエーテル結合を形成可能な前記保護基の残基である、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記置換型エポキシドが式IIの化合物であり、
式II
【化3】

R2は、エステル、アミド、置換型および非置換型アルキル、シロキサン、およびエーテルから成る群から選択される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
R2が少なくとも1個のSi含有置換基で置換されたC1〜3アルキルから成る群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記置換型エポキシドが式IIIの化合物であって、
【化4】

式中、
R3およびR4が、独立して、炭素原子1〜3個を有するアルキル基から選択され、
nが、1〜3であり、
xが、0〜3である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護剤が酸無水物、トリメチルシリルクロライド(trimethylsilylchloride)およびアリルハライド(allyl halide)から成る群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記保護剤が、式R5CO2OCR5を有する酸無水物であり、式中、R5が、同一であることも、異なることもでき、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基から成る群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
R5が、炭素原子1〜5個を有するアルケニル基から選択される、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、
R5が、ビニル、スチリルおよびアリルから選択される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記カルボン酸R5CO2Hにおいて、R5が、炭素原子1〜10個を有する直鎖または枝分れアルキルおよびアルケニル基から成る群から選択される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
R5が、炭素原子1〜5個を有するアルケニル基からから選択される、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
R5が、ビニル、スチリルおよびアリルから選択される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、ルイス(Lewis)酸、ルイス(Lewis)塩基、ブレンステッド(Bronsted)酸およびポルフィリン錯体から成る群から選択される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、アルカリ金属塩を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記アルカリ金属塩が、Li、Na、K、およびアンモニウムから成る群から選択される少なくとも1個の陽イオンを含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記アルカリ金属塩が、メタクリル酸リチウムまたはメタクリル酸ナトリウムを含む、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記エポキシド開環触媒が、前記エポキシドに基づいて、ほぼ0.5当量までの量で添加される、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記カルボン酸が、エポキシド量に基づいて、0.01〜0.2モル当量の量で使用される、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護剤が、前記エポキシドに基づいて、1〜1.5モル当量までの量で使用される、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、
前記阻害剤が、MEHQ、BHT、フェノチアジン(phenothiazine)、ハイドロキノン(hydroquinones)、およびそれらの混合物から成る群から選択される、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、
前記阻害剤が、1〜1000 ppmの量で使用される、方法。
【請求項21】
ほぼ60℃以上の温度で、少なくとも1個のカルボン酸塩、少なくとも1個のカルボン酸、少なくとも1個の保護剤、および少なくとも1個の阻害剤と、グリシドオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(glycidoxypropyl heptamethyltrisiloxane)を少なくともほぼ4時間反応させ、メタクリル酸ビス(トリメチルシリルオキシ)シリルアルキルグリセロール(bis(trimethylsilyloxy)silylalkylglycerol methacrylate)を形成する段階を含む、方法。

【公表番号】特表2007−521302(P2007−521302A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518738(P2006−518738)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/021058
【国際公開番号】WO2005/005368
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【Fターム(参考)】