説明

エリア拡張システムとそのエリア拡張装置及びエリア拡張通信方法

【課題】基地局より上位において生じる通信量増加に伴う輻輳を回避する。
【解決手段】基地局11に接続される親機21において、隣接する親機23から信号が入力された場合に、一定時間内の通信量情報を取得し、配下の子機3ikの入力信号が許容量を超えるか否かを判定し、信号が許容量を超える場合、隣接する親機22へ信号の処理を分配し、配下の子機3ikの入力信号が許容量を超えない場合、隣接する親機23からの信号が許容量を超えるか判定し、信号が許容量を超える場合、隣接する親機223へ信号の処理を分配し、信号が許容量を超えない場合、信号を合成し、基地局11へ伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信量増加に伴う輻輳を回避するエリア拡張システムとこのシステムに用いられるエリア拡張装置及びエリア拡張通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、無線通信システムでは、移動端末と無線通信するエリアを形成する複数の基地局を備える。それらの基地局には、当該基地局の通信エリアを拡張するためのエリア拡張装置がよく設置される。このエリア拡張装置は、基地局に設けられるアンテナで送受信される信号をより広いエリアで送受信できるようにするものであり、親機及びその親機と接続される複数の子機を備える。親機は基地局に接続され、複数の子機はこの親機に接続され、任意の箇所に配置される。親機は各子機からの電波受信信号を受け取って基地局に伝送し、基地局からの送信信号を受け取って各子機に無線配信するものである。このエリア拡張装置を利用することで、基地局がカバーする通信エリアを広げ、電波の不感地帯を減らすことができる。
【0003】
しかしながら、上記親機及び子機によるエリア拡張装置は、基地局で送受信される信号をより広い通信エリアで送受信するものであるので、拡張されたエリア内で許容される通信量は、基地局一台分のままである。もし、エリア内の通信量が基地局の許容量を超えてしまうと、基地局より上位のネットワークのレイヤーで輻輳が多発することになり、これによって通信が繋がりにくくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−49784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のエリア拡張装置は、子機によって拡張される基地局管轄エリア内の通信量が基地局の許容量を超える場合に、基地局より上位のネットワークのレイヤーで輻輳が多発してしまい、通信が繋がりにくくなる。
【0006】
そこで、本実施形態は、上記を鑑みてなされたもので、子機によって拡張される基地局管轄エリア内の通信量が基地局の許容量を超える場合でも、その基地局より上位の輻輳を回避することのできるエリア拡張システムとそのエリア拡張装置及びエリア拡張通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本実施形態に係るエリア拡張システムは、移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムであって、前記基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備える複数のエリア拡張装置を用いて前記基地局それぞれの無線通信エリアを拡張するエリア拡張システムにおいて、前記エリア拡張装置間で前記親機同士を接続する接続手段と、前記複数のエリア拡張装置それぞれに設けられ、前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、前記通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出する送出先選択手段とを具備し、前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けたエリア拡張装置の前記送出先選択手段は、自らのエリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に前記切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出する態様とする。
【0008】
また、本実施形態に係るエリア拡張システムのエリア拡張装置は、移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムに用いられ、前記の基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備え、前記基地局の無線通信エリアを拡張するエリア拡張装置であって、前記親機は、他のエリア拡張装置の親機と接続する接続手段と、前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、当該通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出する送出先選択手段とを具備し、前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けた場合、前記送出先選択手段は、自らのエリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出する態様とする。
【0009】
また、本実施形態に係るエリア拡張システムのエリア拡張通信方法は、移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムであって、前記基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備えるエリア拡張装置を用いて前記複数の基地局それぞれの無線通信エリアを拡張するエリア拡張システムに適用され、前記エリア拡張装置間で前記親機同士を接続し、前記エリア拡張装置それぞれで、前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、前記通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出し、前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けた前記切替先のエリア拡張装置で、当該エリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に前記切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出する態様とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るエリア拡張システムの構成を示す概念図である。
【図2】図1に示すエリア拡張システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す親機の具体的な構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す親機において、子機から信号が入力される場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図3に示す親機において、隣接する親機から信号が入力される場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るエリア拡張システムの構成を示す概念図である。このエリア拡張システムでは、移動端末と基地局(BTS:Base Transceiver Station)とが無線通信するエリア拡張システムに備えられる複数の基地局それぞれに、親機及び複数の子機によるエリア拡張装置が接続される。各エリア拡張装置では、図1に示すように、親機が基地局に接続され、この親機に接続される複数の子機が基地局から離れた任意の箇所に配置されており、各子機で受信された受信信号は親機を通じて基地局に伝送され、基地局からの送信信号は親機を通じて各子機に分配され、各子機から通信エリアに無線送信される。
【0013】
図2は、図1に示すエリア拡張システムの具体的な構成を示すブロック図である。ここでは、基地局(以下、BTSと記す)1i(iは1〜3)に対して、それぞれ親機2i及び子機3ik(kは1〜3)で構成されるエリア拡張装置を接続した構成を示している。親機2iは子機3ikを接続するための複数(ここでは3個)の通信ポート#mnと、他の親機からの信号を入力するための外部入力ポートEX−inと、他の親機に信号を出力するための外部出力ポートEX−outを備える。図中、子機3ikを接続するための通信ポートを♯mnで表す。mは通信ポートが搭載される親機2iの番号(m=iとする)、nは通信ポート識別番号(nは1〜3)とする。親機21,22,23それぞれの外部出力ポートEX−outは隣接親機の外部入力ポートEX−inに循環的に接続されている。
【0014】
図3は、図2に示す親機21の具体的な構成を示すブロック図である。尚、他の親機22,23はいずれも親機21と同一構成であるので、ここでは説明を省略する。
【0015】
図3において、親機21は、子機311,312,313から通信ポート#11,#12,#13に供給される光信号による受信信号をそれぞれ電気信号に変換する第1の信号変換部211と、外部入力ポートEX−inを通じて他の親機から供給される受信信号を取り込む接続インターフェース部(以下、単に接続部と記す)212と、外部出力ポートEX−outを通じて他の親機に受信信号を送出する接続部213とを備える。なお、親機21と子機311,312,313との間は、光信号による通信でなく電気信号による通信でもよい。なお、ここでは上り信号について説明するために、接続部212、213を外部入力ポートEX−in及び外部出力ポートEX−outと表記しているが、外部入力ポートEX−in及び外部出力ポートEX−outは、あくまで上り信号と取り扱う場合の外部出力と外部入力を意味しており、下り信号については、接続部212、213を通る信号の伝送方向は逆向きになる。
【0016】
また、この親機21は、判定切替部214、信号処理部215、及び第2の信号変換部216を備える。判定切替部214は、第1の信号変換部211及び接続部212に供給される受信信号それぞれの一定時間内の通信量情報を取得し、各通信ポート#11,#12,#13の通信量がそれぞれ予め決められた許容量(BTS11の許容量に基づいて配分される)を超えるか判定し、信号入力に際して許容量を超えない場合(NO)にはその信号を信号処理部215に導出し、許容量を超える場合(YES)にはその信号を接続部213に導出する。信号処理部215は、判定切替部214から導出される各子機または他の親機からの受信信号を単純合成する。第2の信号変換部216は、この信号処理部215で処理された受信信号をRF信号に変換してBTS11に送信する。上記信号処理部215では、信号を合成する際に、信号がデジタル信号の場合には加算器を用いて信号を合成し、信号がアナログ信号の場合には合成器を用いて信号を合成する。
【0017】
ここで、上記判定切替部214の判定基準について説明する。一般的なエリア拡張システムでは、BTSが移動端末と無線通信を行う場合、BTSは受信する信号の受信レベル(受信パワー)を監視して、この受信レベルが適切なレベルになるように、移動端末へ送信レベル(送信パワー)を指示する。このため、エリア拡張装置は、自らの各子局で受信される受信レベルから、当該エリア拡張装置を介して無線通信する移動端末数をある程度は把握可能である。すなわち、受信レベルに基づき通信量を推測できるため、受信レベルに基づき判定を行う。但し、受信レベルのみに基づく判定では、移動端末がBTSとの通信が確立する前の受信レベルを想定できない等、判定の正確性が低い場合がある。このため、ある時間内での受信レベルの変化の度合も判定基準に含める。
【0018】
なお、上記実施形態では、判定切替部214にて第1の信号変換部211及び接続部212に供給される受信信号それぞれの一定時間内の通信量情報を取得するようにしているが、この通信量情報の取得は子機311,312,313で行って、受信信号と共に伝送するようにしてもよい。また、判定処理部214でなくとも、親機21内に情報取得手段を設置して通信量情報の取得を行うようにしてもよい。また、子機側で通信量を計測し、得られた通信量情報を親機に通知するようにしてもよい。
【0019】
上記構成によるエリア拡張システムにおいて、以下にその動作を説明する。
【0020】
まず、上記実施形態に係るエリア拡張システムでは、複数系統の親機2i同士を接続しておき、子機311,312,313からの受信信号が許容量を超えても、他の親機22,23へ受信信号の処理を分配できるようになされている。
【0021】
例えば、親機21に接続される子機313の受信レベルが大きくなってが許容量を上回る場合、子機313の受信信号をBTS11ではなく親機22に伝送し、親機22からBTS12へ受信信号を伝送する。また、親機22でも子機321,322,323からの入力通信量がBTS12の許容量に逼迫している場合、親機21からの受信信号を親機23へ伝送し、親機23からBTS13へ受信信号を伝送する。このとき、親機22では受信信号の処理を行わず、受信信号を透過的に伝送させる。
【0022】
一方、上記のようなエリア拡張システムが小規模であり、何れの親機2i及び子機3ikにおいても通信が混んでいる場合、隣接する親機2iへの信号経路切り替えが繰り返し実行され続ける事態が発生する。これを防止するために、経路切り替えを実行した際、主信号とは別に、ホップ数情報(親機2iを何回経由したかの情報)を付与して隣接する親機2iに伝送する方法を採る。この情報はEX−outを経由する度に1を加算し、その上限を設定した上で、上限に達した信号は終端し棄却する処理を行う。
【0023】
次に、上記のように構成されるエリア拡張システムの処理の流れについて、図4,図5を参照して説明する。
【0024】
まず、図4は、図3に示す親機21において、子機からの受信信号が入力される場合の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、例として、子機313の通信量が多くなる場合を想定し、子機313の通信量の許容量として、信号の受信レベルが一定値(例えば受信トータルレベルの平均値が−40dBm)以上、且つ、一定時間内の変化が一定値(10dB)以上を想定して説明する。すなわち、子機313の通信量の許容量の判断材料として、信号の受信レベルの許容値(以下、レベル許容値とする。)と、信号の受信レベルの変化量の許容値(以下、変化量許容値とする。)とを用いる。
【0025】
始めに、子機313からの受信信号の入力を待機し(ステップS11)、受信信号が入力された場合には、その受信信号の受信レベルが一定値以上か否かを判定する(ステップS12)。尚、ここでは親機側で受信レベルを取得するものとしたが、受信レベル情報を子機側で取得し、親機に通知するようにしてもよい。
【0026】
ここで、ステップS12において、受信信号の受信レベルが一定値(レベル許容値)以上となる場合、受信信号の伝送先を隣接する親機22へ切り替える(ステップS13)。その後、一定時間、状態を保持し(ステップS14)、最新の一定時間内の受信レベル変化情報を取得する(ステップS15)。その受信レベル変化が一定値(変化量許容値)以上か否かを判定し(ステップS16)、一定値以上となる場合には、ステップS14に戻り、上記の動作を繰り返す。
【0027】
上記ステップS12において、受信信号の受信レベルが一定値以上とならない場合、ステップS16において、受信信号の受信レベル変化が一定値以上とならない場合、いずれも信号処理部215へ受信信号を伝送して受信信号を単純合成し、合成した受信信号をBTS11へ伝送する(ステップS17)。そして、次回の一定時間内の受信レベル情報を取得するまで待機する(ステップS18)。
【0028】
図5は、図3に示す親機21において、隣接する親機23から信号が入力される場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
始めに、隣接する親機23からの信号入力を待機し(ステップS21)、親機23から信号が入力された場合には、配下にある子機311,312,313からの入力信号の通信量が許容量を超えるか否かを判定する(ステップS22)。このとき、もし、子機311,312,313から入力される信号が許容量を超える場合、親機23からの信号の伝送先を隣接する親機22へ切り替え(ステップS23)、ステップS21に戻り、上記の動作を繰り返す。ここで、子機311,312,313から入力される信号が許容量を超えない場合、隣接する親機23から入力された受信信号が一定値(許容値)以上か否かを判定する(ステップS24)。もし、信号が許容量を超える場合、信号の伝送先を隣接する親機22へ切り替え(ステップS25)、一定時間、状態を保持し(ステップS26)、最新の一定時間内の受信レベル変化情報を取得し(ステップS27)、その受信レベル変化が一定値(れベル許容値)以上か否かを判定する(ステップS28)。受信レベル変化が一定値を超える場合、ステップS26に戻り、上記の動作を繰り返す。
【0030】
上記ステップS22及びS28において、一定値以上とならない場合、信号処理部215へ受信信号を伝送して受信信号を単純合成し、合成した受信信号をBTS11へ伝送する(ステップS29)。そして、次回の一定時間内の受信レベル情報を取得するまで待機する(ステップS30)。
【0031】
すなわち、上記構成によるエリア拡張システムでは、親機21の配下にある子局313の受信信号が許容量を超えた場合には、親機21から親機22へ信号の経路を切り替える。これにより、BTS11配下の子機313からの信号は、親機21から親機22を通してBTS12へ伝送され、BTS12から上位装置に送られる。
【0032】
上記の状態において、BTS12及び上位装置は、BTS11配下の子機313の信号の経路がBTS12へ切り替えられているため、子機313がBTS11からBTS12にハンドオーバしたと判断し、子機313宛の下り信号をBTS12に配信する。このとき、BTS12では、配下の親機22に下り信号を伝送するが、親機22ではその伝送先が配下の子機321,322,323を通してその配下の子機321,322,323に伝送すると共に、上記切替によって接続中の隣接する親機21に下り信号を送り、送り、当該親機21を通じて、子機311,312,313全てへ伝送する。これによって、子機313のエリア内の移動端末に下り信号を伝送することが可能となる。
【0033】
なお、通信量の許容量を判断する場合、当該親機の配下の子機と、隣接する親機の配下の子機とで、許容量の判断を別に行っているが、通信量の許容量を判断する親機は、これらを区別することなく何れの子機も自らの配下の子機として判断することも可能である。
【0034】
また、親機に、隣接する親機の配下の子機からの信号が入力されている場合は、当該親機の配下の子機についての通信量の許容量を、隣接する親機の配下の子機からの信号が入力されていない場合と異なる値にしてもよい。
【0035】
以上のように上記実施形態に係るエリア拡張システムでは、入力される信号の一定時間内の受信レベル情報を取得し、子機3ikからの受信信号、さらに隣接する親機2iから伝送される受信信号が基地局1iの許容量を超えるか判定する。もし、受信信号が基地局1iの許容量を超える場合、他の親機2iへ受信信号の処理を分配する。このため、受信信号が1つの基地局1iに集中することがなくなり、輻輳を回避することが可能となる。
【0036】
また、本来一定時間内の通信量情報を検出するには、基本的に受信信号の中身を見ることで、いくつのユーザーと通信しているか、どのくらいの通信量であるかを知ることが必要であり、従来ではこの処理に時間がかかっていたが、本実施形態では、受信信号を親機2iにて単純分配し、単純合成し、さらに通信量を受信レベルに基づき単純判定するため、処理にかかる手間を最小限に留め、処理時間の増大を少なく抑えることも期待することができる。
【0037】
また、上記実施形態の説明では、通信量の許容量として、レベル許容値については信号の受信トータルレベルの平均値が−40dBm以上、且つ、変化許容値については一定時間内の変化が10dB以上の場合を例示したが、一定時間内の変化は無いが、信号の受信トータルレベルの平均値が例えば−30dBm以上のように、通信量の許容量の判断基準を設けてもよい。
【0038】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1i…基地局(BTS)、2i…親機、3k…子機、♯mn,EX−in,EX−out…通信ポート、211…第1の信号変換部、212,213…接続部、214…判定処理部、215…信号処理部、216…第2の信号変換部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムであって、前記基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備える複数のエリア拡張装置を用いて前記基地局それぞれの無線通信エリアを拡張するエリア拡張システムにおいて、
前記エリア拡張装置間で前記親機同士を接続する接続手段と、
前記複数のエリア拡張装置それぞれに設けられ、前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、前記通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出する送出先選択手段と
を具備することを特徴とするエリア拡張システム。
【請求項2】
前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けたエリア拡張装置の前記送出先選択手段は、自らのエリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に前記切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出することを特徴とする請求項1記載のエリア拡張システム。
【請求項3】
前記送出先選択手段は、少なくとも前記受信レベルの平均値が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項1記載のエリア拡張システム。
【請求項4】
前記送出先選択手段は、前記受信レベルの平均値が一定値以上となり、且つ前記受信レベルの変化が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項1記載のエリア拡張システム。
【請求項5】
移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムに用いられ、前記の基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備え、前記基地局の無線通信エリアを拡張するエリア拡張装置であって、
前記親機は、
他のエリア拡張装置の親機と接続する接続手段と、
前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、当該通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出する送出先選択手段と
を具備することを特徴とするエリア拡張システムのエリア拡張装置。
【請求項6】
前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けた場合、前記送出先選択手段は、自らのエリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出することを特徴とする請求項5記載のエリア拡張システムのエリア拡張装置。
【請求項7】
前記送出先選択手段は、少なくとも前記受信レベルの平均値が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項5記載のエリア拡張システムのエリア拡張装置。
【請求項8】
前記送出先選択手段は、前記受信レベルの平均値が一定値以上となり、且つ前記受信レベルの変化が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項5記載のエリア拡張システムのエリア拡張装置。
【請求項9】
移動端末と無線通信する複数の基地局を備えるエリア拡張システムであって、前記基地局に接続される親機と前記親機に接続される複数の子機とを備えるエリア拡張装置を用いて前記複数の基地局それぞれの無線通信エリアを拡張するエリア拡張システムに適用され、
前記エリア拡張装置間で前記親機同士を接続し、
前記エリア拡張装置それぞれで、前記複数の子機それぞれの受信レベルに基づく通信量を検出して通信許容量と比較し、前記通信許容量に満たない場合にはその受信信号を当該親機の接続先の基地局に送出し、前記通信許容量を超える場合には前記接続手段によって接続される他のエリア拡張装置の親機に送出することを特徴とするエリア拡張システムのエリア拡張通信方法。
【請求項10】
前記通信許容量を超えるエリア拡張装置から受信信号を受けた前記切替先のエリア拡張装置で、当該エリア拡張装置の接続先の基地局の通信許容量を超える場合には、切替元のエリア拡張装置とは異なるエリア拡張装置に前記切替元のエリア拡張装置からの受信信号を送出することを特徴とする請求項9記載のエリア拡張システムのエリア拡張通信方法。
【請求項11】
前記送出先選択の処理は、少なくとも前記受信レベルの平均値が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項9記載のエリア拡張システムのエリア拡張通信方法。
【請求項12】
前記送出先選択の処理は、前記受信レベルの平均値が一定値以上となり、且つ前記受信レベルの変化が一定値以上となるとき前記通信量が許容量を越えたと判定することを特徴とする請求項9記載のエリア拡張システムのエリア拡張通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−66009(P2013−66009A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202835(P2011−202835)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】