説明

エルゴリン化合物の安定化された水溶液

【課題】エルゴリン化合物の安定化された水溶液の提供。
【解決手段】少なくとも1種の酸素含有共溶媒0.05%〜90.00%を含む、エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこれらの塩もしくは誘導体の安定化された水溶液。酸素含有共溶媒は多価アルコール、非イオン性界面活性剤(ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール等)が例示される。同様に、神経変性疾患または脳外傷の非経口治療用薬剤を調製するための、安定化した溶液の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の酸素含有共溶媒を0.05〜90.00%含む、エルゴリン化合物、または生理学的に忍容性のあるこれらの塩もしく誘導体の安定化された水溶液に関する。本発明は同様に、神経変性疾患または脳外傷の非経口治療用薬剤を製造するための、この方法で安定化された水溶液の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リスリドなどのエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩は、パーキンソン病(F.Stocchi et al.(2002)Brain125:2058〜2066)、メイジ症候群(G.Ransmayr et al.(1988)Clinical Neuropharmacology11:68〜76)、ジストニア(N.P.Quinn et al.(1984)Neurology34:223)、または他の重篤な疾患に罹患した患者の治療のために今日使用されている。この必要とされる活性成分の溶液は、静脈内に、筋肉内に、経皮的にまたは皮下に投与される。
【0003】
しかし、多くのエルゴリン化合物は、溶解した形態(溶媒として水)では不安定であることが証明されている。特に、リスリドの場合、その環系上に8αアミノ基、例えばジエチル尿素基がある場合には、これらの化合物は溶液中で極めて不安定であり、急速に分解(加水分解)する傾向がある。他の欠点は、溶媒としての水への、天然麦角アルカロイドならびにこの塩および誘導体の溶解性が乏しいことである。
【0004】
したがって、対応するエルゴリン化合物、特にリスリドにおいては、現在、凍結乾燥した形態でしか提供されていない。これらは、患者に投与する前に、再構成する、すなわち、対応する塩溶液を添加することによって、患者が液体の形態に戻さなければならない。
【0005】
この再構成後にのみ、この物質は患者に投与され得る。特に、プログラム制御可能なミニポンプまたはマイクロポンプを使用する場合、最初にこの溶液を特殊な注入器に移さなければならない。このとき初めて、ミニポンプまたはマイクロポンプの最終充填を行うことができる。
【0006】
したがって、凍結乾燥物を使用する場合に行われる段階の種類および数が、この手順を極めて複雑および困難にしていることが容易に理解できる。特に、原疾患のために、(パーキンソン病におけるような)運動障害またはジストニアを患う患者にとって、この手順が極めて困難であることが証明されている。
【0007】
凍結乾燥物から再構成されたリスリド溶液は、現在限られた安定性しか有していないため、ミニポンプまたはマイクロポンプによる、例えば長期にわたるこの溶液の投与は除外しなければならない。
【0008】
さらに、上記の多段階プロセスの手順では、使用者が溶液を調製しなければならないため、溶液が滅菌されてない危険性を伴うことがしばしばある。こうした場合、非滅菌溶液の投与が予想不可能な危険を伴うため、患者の安全が危険にさらされる。
【0009】
多段階プロセスの手順の前記の欠点のため、活性成分溶液を直接利用可能にすることができれば望ましいであろう。
【0010】
特に溶液の安定性および麦角アルカロイドの溶解性に関する以前の公報は、溶媒として水とアルコールとの混合物を使用することにより、これらの欠点を大幅に克服できることを教示している。そうするために、直鎖の一価アルコールおよび多価アルコールを60.00%〜100.00%の量で使用することが特に記載されている。一価アルコールに関しては、特にエタノールが使用される。使用され得る多価アルコールの代表例として、プロピレングリコール、グリセロールまたはポリエチレングリコールが挙げられる(GB2062568A、DE2735587A1、BE881967A、GB1539083A)。
【0011】
下記公報は、10.00%〜90.00%のアルコール含有量を有する、水および完全に多価のアルコールからなる混合物に、この情報を展開している。特に、そこでは25.00%〜80.00%の使用が適当であることが示されている(DD43402A;EP0101879A2)。これらの公報では、この使用は厳密に経口治療に基づいている。
【0012】
患者の忍容性に関しては、一般的に、上記したアルコールなどの共溶媒が多量であることによる問題がある。特にこれらの化合物の高い割合の使用により、溶液は対応するガイドラインの必要条件をもはや満たさなくなる。
【0013】
さらに、共溶媒の濃度が高いと、溶液の粘度も増加する。このことは、例えばミニポンプまたはマイクロポンプを使用する場合、溶液をポンプで送出するのが困難となるため、投与における問題につながることもある。
【0014】
文献において対応するアルコールの添加も、天然の麦角アルカロイドおよびこれらの9,10−ジヒドロ誘導体への使用に制限されている。これらの化合物は8αアミノ基を有していないため、環系上の8位におけるα位の対応するアミノ基を有する麦角アルカロイドに比べて有意により安定している。追加の置換基を場合により有しているアミノ基は、不安定性が増大する傾向がある。これは、例えば、リスリド、テルグリド、ブロメルグリド、もしくはプロテルグリド、または医薬として耐容性のあるこれらの塩およびエステルの場合と同様に、特にジエチル尿素基、−NHCON(Cに関連する。この増加した不安定性に基づくと、上記した安定化の方法は、これらの化合物に完全に適していないと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、一般式I
【0016】
【化3】

のエルゴリン化合物の水性の安定した溶液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、少なくとも1種の酸素含有共溶媒の0.05%〜90.00%を含む、請求項1に記載のエルゴリン化合物の安定化された水溶液により達成される。下記の表における百分率量は、容量当たりの質量(m/v)として理解されるものである。
【0018】
追加の好ましい実施形態は、従属請求項から得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
言い換えれば、本目的は、式I
【0020】
【化4】

(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子であり、Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基であり、- - - - -は、単結合または二重結合を表す。)
のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体、および少なくとも1種の酸素含有共溶媒の0.05%〜90.00%をも含む安定化された水溶液により達成される。
【0021】
少なくとも1種の酸素含有共溶媒は、多価アルコールであるのが好ましい。2〜6個の炭素原子、および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するのが好ましいことがある。
【0022】
好ましい一実施形態において、多価アルコールは、1,2−エタンジオール(グリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)または1,3−ブタンジオールの群から選択される。
【0023】
少なくとも1種の酸素含有共溶媒は、200〜35000g/molの分子量を有するポリエチレングリコールであるのも好ましい。本発明では、少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、200〜4000g/molの分子量を有するポリエチレングリコールであるのが特に好ましい。少なくとも1種の酸素含有共溶媒は、400g/molの分子量を有するポリエチレングリコールであるのが特に好ましい。
【0024】
少なくとも1種の酸素含有共溶媒の濃度は、0.05%〜20.00%であるのが好ましい。少なくとも1種の酸素含有共溶媒の濃度は、0.50%〜9.50%であるのが特に好ましい。
【0025】
好ましい一実施形態において、少なくとも1種の酸素含有共溶媒は、プロピレングリコールであり、この濃度は0.05%〜9.50%である。
【0026】
別の好ましい変形において、少なくとも1種の酸素含有共溶媒は、非イオン性界面活性剤である。ポリエチレングリコール、エチレンオキシドもしくはポリグリセロールと、脂肪アルコール、アルコール、水添ヒマシ油、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸もしくはアルキルフェノール(ノニルフェノールなど)との反応生成物、またはこれらの誘導体の群から選択されるのが好ましい。
【0027】
本発明では、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物または好ましくは15−ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール(15−ヒドロキシステアリン酸マクロゴール(Ph.Eur.)[ヨーロッパ薬局方]など)の群から選択されるのが好ましい。
【0028】
20〜60:1のモル比を有するエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、または20〜60:1のモル比を有する水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群からの非イオン性界面活性剤が選択されるのが特に好ましい。非イオン性界面活性剤は、30〜60:1のモル比を有するエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、または30〜60:1のモル比を有する水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択されるのが好ましい。非イオン性界面活性剤は、35:1のモル比を有するエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、または40:1もしくは60:1のモル比を有する水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択されるのが、最高に好ましい。
【0029】
さらに、非イオン性界面活性剤が、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの群から選択されるのが好ましい。
【0030】
非イオン性界面活性剤は、0.05%〜90.00%の濃度で存在するのが好ましい。これは、0.20%〜20.00%の濃度で存在するのが特に好ましい。非イオン性界面活性剤は、0.20%〜10.00%の濃度で存在するのが最も好ましい。
【0031】
エルゴリン化合物は、リスリド、テルグリド、プロテルグリドおよびブロメルグリドの群から選択されるのが好ましい。エルゴリン化合物は、リスリドであるのが最も好ましい。
【0032】
好ましい一実施形態において、エルゴリン化合物は、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、硝酸、亜硝酸、過塩素酸、臭化水素酸、塩酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸(グリコン酸、デキストロン酸)、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトル酸(ヒドロマロニド酸、ヒドロキシプロパン二酸)、フマル酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、フェニル酢酸、オルトトルイク酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、安息香酸、パラアミノ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、パラアミノサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、エチレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフチルスルホン酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルファニル酸、カンファースルホン酸、チャイナ酸(china acid)(キナ酸)、オルトメチルマンデル酸、ヒドロゲンベンゼンスルホン酸、ピクリン酸(2,4,6−トリニトロフェノール)、アジピン酸、D−(オルト−トリル)酒石酸またはアミノ酸との塩の形態で存在する。
【0033】
別の好ましい変形は、メチオニン、トリプトファンおよびアルギニンの群からのアミノ酸との塩の形態で存在するエルゴリン化合物により実施される。
【0034】
さらに、エルゴリン化合物が、グルタミン酸およびアスパラギン酸の群からの酸含有アミノ酸との塩の形態で存在するのが好ましい。
【0035】
極めて好ましい実施形態は、マレイン酸との塩の形態で存在するエルゴリン化合物により実施される。
【0036】
エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体は、0.01〜25.00mg/mLの濃度で存在するのが好ましい。エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体の濃度は、0.25〜10.00mg/mLが特に好ましい。エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体は、0.50〜3.00mg/mLの濃度で存在するのが非常に好ましい。
【0037】
さらに、安定化された水溶液は、低張液の場合のモル浸透圧濃度調整および/またはpH調整のために、有機および/または無機化合物を含んでもよい。
【0038】
安定化された水溶液は、事前に充填した注入器中で、またはカープレ(carpule)中で保存するのが好ましい。
【0039】
さらに本発明は、神経変性疾患または脳外傷の非経口治療用薬剤を調製するための安定化された水溶液の使用に関する。
【0040】
安定化された水溶液は、式I
【0041】
【化5】

(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を表し、Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、- - - - -は、単結合または二重結合を表す。)
のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体を含み、さらに少なくとも1種の酸素含有共溶媒の0.05%〜90.00%を含む。
【0042】
非経口治療は、皮下に、筋肉内に、静脈内に、経皮的にまたは血管中もしくは組織中へ埋め込まれたポンプを介して行われるのが好ましい。一般にポンプに関し、多数の異なるポンプまたはマイクロポンプを使用してよい。
【0043】
一実施形態において、神経変性疾患はパーキンソン病またはジストニアである。
【0044】
脳外傷は、発作または外傷性脳傷害により引き起こされ得る。
【0045】
驚くべきことに、本発明のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこれらの塩もしくは誘導体は、水と、0.05%〜90.00%の共溶媒濃度を有する少なくとも1種の酸素含有共溶媒との混合物中に溶解し得ることを発見した。安定させた麦角アルカロイドに関して技術分野に記載されているものよりも明らかに低い濃度を使用することも可能である。特に、本発明では、0.05%〜20.00%、特に好ましくは0.50%〜9.50%の濃度が可能である。
【0046】
驚くべきことに、少なくとも1つの共溶媒が、活性成分の溶解性を向上させるため、非経口ドーパミン作用性治療法において毎日患者に投与される容量を有意に減量することができる。本発明の共溶媒を使用することにより、本発明のモデル化合物の溶解性は1.5倍、特に本発明の共溶媒の濃度が10%未満、該溶液のpHが中性の場合は2倍も向上した。
【0047】
得られた溶液は、全ての予想に反し、特に、上記に列挙したアルコールを使用した場合、少なくとも6カ月の安定性を有する。安定化は温度の増加に関連してさらに有意に向上する。全般的に、非安定化溶液と比較して、非イオン性界面活性剤を使用した場合でも、向上した安定性が認められる。本発明のアルコールを使用した場合、特にプロピレングリコールを使用した場合に、本発明のエルゴリン化合物の溶解性および安定性に対する明確な効果が最も顕著である。特に上記したアルコール、特にプロピレングリコールに関し、結果は全体として二重に有利であり、第一に各活性成分の溶解性が増加し、第二に各活性成分の化学安定性が、驚くべきことに、有意に向上する。
【0048】
試験試料において、例えば、光から保護して25℃で保存した結果、この発明による共溶媒を使用しない場合、180日の期間内に5%分解することが判明した。6〜8℃での保存では、分解は0.5%〜0.8%に達する。40℃での保存の場合、活性成分の最高で30%が分解した。これとは対照的に、本発明の共溶媒を添加することにより、冷蔵下(6〜8℃)で180日間、光の非存在下で保存すると、分解は0.5%未満になる。室温(25℃)では、平均して0.5%未満の分解が観察された。本発明の共溶媒の存在下、40℃で保存した場合、活性成分の89.8%がなお検出でき、すなわち、分解は10%程度にしか達しなかった。
【0049】
この発明に従って安定化された溶液のゆえに、溶液を直接患者に供給することが、この溶液により可能になる。これは、これまで使用されていた凍結乾燥物と比較して、著しい進歩である。同時に、滅菌に関する問題も除かれる。驚くべきことに、共溶媒の極めて低い濃度の使用も可能となるため、非経口投与が非常に簡便となる。低濃度であると、溶液の粘度を、取り扱いに非常に適した範囲に保持することができる。さらに、この発明に従って安定化された溶液を使用すると、長期間にわたり不必要に高い用量のアルコールに患者を曝すことを避けることができる。
【0050】
例えば、プロピレングリコールの1日の経口用量として許容可能な推定量は、25mg/体重kg(17th Report of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives,1974)である。同様に、皮下投与に許容できない1日量の値も公表されている。したがって、患者に対する安全性のリスクを減少するために、好ましくは、各アルコールの少量だけにしか患者を曝さないことが必要であると考えられる。
【0051】
マレイン酸水素リスリドの1日用量を2mgと想定すると、8.00%プロピレングリコールを使用して、活性成分想定濃度を3mL溶液当たり活性成分2mgとした場合、患者にはプロピレングリコール240mgの負荷となる。したがって、平均体重70kgの場合、この用量は、経口投与の許容可能量の15%未満になる。さらなる活性成分濃度の増加および/またはプロピレングリコール濃度の減少によるこの発明に従って、用量を最適化することができる。
【0052】
本発明の安定化された水溶液は、上記で述べた通り、低張液の場合のモル浸透圧濃度調整および/またはpH調整のために、有機および/または無機化合物を含み得る。
【0053】
pHを調整することにより、本発明のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこれらの塩もしくは誘導体の溶解性を増加させることができる。pHの低下により、本発明のエルゴリン化合物のイオン形態の量が増加し、したがって、溶解性の向上につながる。例えば、代表的な本発明のエルゴリン化合物により、pHがpH7からpH6.2に低下すると、溶解性がおよそ5倍向上し、pHが7から5.5に低下すると、溶解性はおよそ20倍も向上する。しかし、本発明のエルゴリン化合物の安定性は、溶解性と逆の関係にある。pHが酸性の範囲に低下すると、安定性が悪くなることが観察された。全体的に、pHを調整する際、pHを4.00〜8.00の範囲に調整するのが好ましいことが証明された。4.50〜7.50のpH範囲は特に好ましく、5.00〜7.00の範囲は最も特に好ましい。
【0054】
pHを調整するために、安定化された水溶液は、クエン酸緩衝液、カーボネート緩衝液、リン酸緩衝液またはマレイン酸緩衝液の群からの緩衝液系を含み得る。該緩衝液系としてはクエン酸緩衝液が好ましい。
【0055】
本発明のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体の本発明の安定化された水溶液のインビボでの忍容性は、モル浸透圧濃度を調整することにより最適化できる。このことは、血液に対して低張となる溶液と比較して、本発明の溶液では当てはまる。本明細書で使用される「低張」という用語は、ヒトの血液より低い浸透圧を有する溶液を示すと理解されよう。平均して、血液は、290mosmol/L(リットル当たりのミリオスモル)のモル浸透圧濃度(=浸透圧)を有する。したがって、生理学的に忍容性のある賦形剤を添加することにより、好ましくは250〜350mosmol/Lのモル浸透圧濃度に、最も好ましくは270〜320mosmol/Lのモル浸透圧濃度に該溶液を調整する。モル浸透圧濃度を調整するためには、塩化ナトリウムが好ましい。生理学的に忍容性のある賦形剤である塩化ナトリウムを使用して、血液と等張になる低張液を調整するのが好ましい。
【0056】
同じ基本構造に基づく構造的に関連した活性成分に関し、インビトロ、インビボ、および臨床試験においては、同様の物理化学的活性が予想できる。リスリド誘導体、テルグリドおよびプロテルグリドは、基本構造の窒素(N6)上にアルキル置換基を有し、9位と10位の間に単結合を有する。実際、これらの化合物は、リスリドの水溶性に匹敵する水溶性をもたらす。遊離型プロテルグリドの溶解度は、例えば、リン酸緩衝溶液(pH7.4)中で、2.6mg/100mLに達する。したがって、遊離型リスリドの溶解度は、これに応じて2.2mg/100mLと推定できるが、この値は、各活性成分/活性成分塩の溶解度データに基づいて算定した(I.Zimmermann(1983)International Journal of Pharmaceutics13:57−65)。
【0057】
以下、本発明を、実施例に基づいてさらに詳細に例証する。
【0058】
(実施例)
【実施例1】
【0059】
緩衝水溶液におけるリスリド安定性
溶液3mL当たり活性成分2mgの濃度を有するマレイン酸水素リスリドの溶液を、温度依存安定性に関して調べた。クエン酸緩衝液系を使用してこれらの溶液を緩衝し、純粋な媒体のpH値を5.1、4.5、および3.5に調整した。クエン酸一水和物およびクエン酸三ナトリウム二水和物の水溶液(それぞれ0.53mM)を調製した。
【0060】
これらの溶液の適切な混合により、4.5および/または3.5のpHを有する水性緩衝液系が得られる。マレイン酸水素リスリド33.3mgを秤量して目盛り付き50mLフラスコ中に入れた後、対応する緩衝媒体40mLを添加した。フラスコを数分間撹拌し、次いで活性成分が完全に溶解するまで数分間超音波に曝した。溶液を室温に冷却し、緩衝媒体を標線まで一杯に入れた。最後に、フラスコを再び1分間撹拌した。
【0061】
さらに強い塩基性媒体(pH5.1)の場合、クエン酸一水和物(0.38mM)およびクエン酸三ナトリウム二水和物(0.68mM)を含む供給溶液を調製した。これは、活性成分を溶解させるために使用した。原則として、溶液を調製するために、再蒸留水を使用した。
【0062】
得られた各溶液は、6〜8℃での冷蔵下、室温(25℃)、および40℃の高温の3つの異なる条件下で保存した。溶液を、光から保護するためにアルミニウム箔で包んだ密閉ガラスアンプル中に保存した。適当な時間間隔をおいて、特別な逆相HPLC−UV検出法(運転時間:30分、リスリドの保持時間:約13分)を用いて試料を解析した。活性成分の分解が、温度およびpHに依存することが観察された。高温およびオキソニウムイオンの高濃度では、分解がかなり進行した。各事例において、室温保存では、180日間以内に5%の分解がすでに識別可能であった。冷蔵下保存では、0.7%程度しか分解しなかった。40℃での保存では、活性成分の最高で30%まで分解していた。
【0063】
40℃で保存した全溶液が、わずか30日後に顕著な黄色変色を示し、その60日後に褐色に変化した。
【0064】
表1:クエン酸緩衝水溶液中に溶解したマレイン酸水素リスリドの純度データ
このデータは、クロマトグラムの全ピーク面積に対するリスリドピーク面積を百分率で示す。「SD」は標準偏差を表す。
【0065】
【表1】

【実施例2】
【0066】
9%プロピレングリコールの添加
9%プロピレングリコールをさらに含むマレイン酸水素リスリドの水溶液を調べた。活性成分濃度を3mL当たり2mgに調整した。緩衝液系は添加しなかった。残りの手順には、活性成分33.3mgを秤量して目盛り付きの50mLフラスコに入れ、次いでプロピレングリコール(4.5g)を添加し、さらに水40mLを添加することが含まれた。フラスコを数分間撹拌し、次いで活性成分が完全に溶解するまで超音波に曝した。フラスコを室温に冷却し、再蒸留水を標線まで一杯に入れた。最後に、確実に均質化するため、さらに1分間撹拌を続けた。
【0067】
該溶液を、1mL容の透明ガラスアンプルに注入した。これらのアンプルを密閉気密し、光から保護するためにアルミニウム箔で包んだ。アンプルをそれぞれ6〜8℃、25℃、および40℃で保存した。HPLC解析により、これらの溶液は、プロピレングリコールを添加しないで調製した溶液よりも有意に安定していることが判明した(実施例1を参照)。
【0068】
冷蔵下で180日間保存した後、活性成分の0.4%程度が分解した。さらに室温で保存した試料でも、初濃度と比較して、残りの活性成分含有量は98.4%であることが分かった。40℃で保存の場合、活性成分の約10%しか分解しなかった。
【0069】
さらに、実施例1からの溶液と比較して、溶液の変色が起こるのが遅かった。90日間高温で保存した後にのみ、軽度の黄色変色が観察された。
【0070】
低用量の添加剤(10%未満)としてプロピレングリコールを使用する別の利点は、活性成分(マレイン酸水素リスリド)の溶解性が向上したことである。したがって、毎日患者に投与する容量を、神経変性疾患の非経口のドーパミン作用性治療における薬剤濃度を最適化した後で大きく低減することができる。
【0071】
表2:9%プロピレングリコールを添加した場合の、再蒸留水中に溶解したマレイン酸水素リスリドの純度データ。
【0072】
該データは、クロマトグラムの全ピーク面積に対するリスリドピーク面積を百分率で示すものである。「SD」は標準偏差を表す。
【0073】
【表2】

【実施例3】
【0074】
クレモファー(Cremophor)ELPの添加
各種添加剤を含むマレイン酸水素リスリド水溶液を、向上した安定性に関して調べた。使用した添加剤は、濃度が1.00%〜10.00%の間のプロピレングリコールおよびクレモファーELPである。
【0075】
該溶液は、実施例1および2で使用した手順と同様にして調製した。
【0076】
該溶液を暗所で、ガラス容器中に60℃で1週間保存した。
【0077】
プロピレングリコールによって、クレモファーELPと比較し、有意に向上した活性成分の安定性が得られることが判明した。プロピレングリコールを使用した場合の残りの活性成分含有量は92.5%であった。これと対照的に、クレモファーELPを使用した場合、同様の条件下で、この時の活性成分の分解は、14.3〜21.3%に達する[それぞれ、1%および10%のクレモファーELP]。
【0078】
これにより全体的に二重の利点を得るため、他の添加剤と比較し、特にプロピレングリコールの適合性が良いことも示唆される。第一に、各活性成分の溶解性が増加し、第二に、驚くべきことに、各活性成分の化学安定性も向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の酸素含有共溶媒0.05%〜90.00%(m/v)も含むことを特徴とする、式I
【化1】

(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を表し、Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、- - - - -は、単結合または二重結合を表す。)のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体の安定化された水溶液。
【請求項2】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、多価アルコールであることを特徴とする、請求項1に記載の安定化された水溶液。
【請求項3】
前記多価アルコールが、2から6個の炭素原子、および少なくとも2個のヒドロキシル基を有することを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項4】
前記多価アルコールが、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2,3−プロパンジオールまたは1,3−ブタンジオールを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項5】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、分子量200〜35000g/molであるポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項6】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、分子量200〜4000g/molのポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項7】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、分子量400g/molのポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項8】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒の濃度が0.05%から20.00%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項9】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒の濃度が0.50%から9.50%であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項10】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒がプロピレングリコールであり、この濃度が0.05%から9.50%であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項11】
前記少なくとも1種の酸素含有共溶媒が、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項12】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドもしくはポリグリセロールと、脂肪アルコール、アルコール、水添ヒマシ油、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸もしくはアルキルフェノール(ノニルフェノールなど)との反応生成物、またはこれらの誘導体の群から選択されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤が、エチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物、または15−ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールの群から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項14】
15−ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールが、15−ヒドロキシステアリン酸マクロゴール(Ph.Eur.)であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項15】
前記非イオン性界面活性剤が、20〜60:1のモル比を有するエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、または20〜60:1のモル比を有する水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項16】
前記非イオン性界面活性剤が、モル比30〜60:1のエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、またはモル比30〜60:1の水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項17】
前記非イオン性界面活性剤が、モル比35:1のエチレンオキシドとヒマシ油との反応生成物、またはモル比40:1もしくは60:1の水添ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項18】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの群から選択されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項19】
前記非イオン性界面活性剤が、0.05%から90.00%の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項20】
前記非イオン性界面活性剤が、0.20%から20.00%の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項21】
前記非イオン性界面活性剤が、0.20%から10.00%の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項22】
前記エルゴリン化合物が、リスリド、テルグリド、プロテルグリドおよびブロメルグリドの群から選択されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項23】
前記エルゴリン化合物がリスリドであることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項24】
前記エルゴリン化合物が、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、硝酸、亜硝酸、過塩素酸、臭化水素酸、塩酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、フェニル酢酸、オルトトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、安息香酸、パラアミノ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、パラアミノサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、エチレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフチルスルホン酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルファニル酸、カンファースルホン酸、キナ酸、オルトメチルマンデル酸、ヒドロゲンベンゼンスルホン酸、ピクリン酸、アジピン酸、D−(オルト−トリル)酒石酸またはアミノ酸との塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項25】
前記エルゴリン化合物が、メチオニン、トリプトファンおよびアルギニンの群からのアミノ酸との塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項26】
前記エルゴリン化合物が、グルタミン酸およびアスパラギン酸の群からの酸含有アミノ酸との塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項27】
前記エルゴリン化合物が、マレイン酸との塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項28】
前記エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体が、0.01から25.00mg/mLの濃度で存在することを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項29】
前記エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体が、0.25から10.00mg/mLの濃度で存在することを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項30】
エルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体が、0.50から3.00mg/mLの濃度で存在することを特徴とする、請求項1から29のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項31】
低張液の場合のモル浸透圧濃度調整のためおよび/またはpH調整のために、有機および/または無機化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1から30のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項32】
モル浸透圧濃度の調整のために、塩化ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項33】
250〜350mosmol/Lのモル浸透圧濃度を有することを特徴とする、請求項1から32のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項34】
270〜320mosmol/Lのモル浸透圧濃度を有することを特徴とする、請求項1から33のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項35】
pHを調整するために、クエン酸緩衝液、カーボネート緩衝液、リン酸緩衝液またはマレイン酸緩衝液の群からの緩衝液系を含むことを特徴とする、請求項1から34のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項36】
前記緩衝液系としてクエン酸緩衝液を含むことを特徴とする、請求項1から35のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項37】
4.00から8.00の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1から36のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項38】
4.50から7.50の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1から37のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項39】
5.00から7.00の範囲のpHを有することを特徴とする、請求項1から38のいずれか一項に記載の安定化された水溶液。
【請求項40】
安定化された水溶液が、式I
【化2】

(式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を表し、Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、- - - - -は、単結合または二重結合を表す。)のエルゴリン化合物または生理学的に忍容性のあるこの塩もしくは誘導体であることを特徴とし、さらに少なくとも1種の酸素含有共溶媒を0.05%から90.00%(m/V)含むことを特徴とする、神経変性疾患または脳外傷の非経口治療のための薬剤を製造するための、請求項1から39のいずれか一項に記載の安定化された水溶液の使用。
【請求項41】
前記非経口治療が、皮下に、筋肉内に、静脈内に、経皮的にまたは血管もしくは組織中へ埋め込まれたポンプを介して行われることを特徴とする、神経変性疾患または脳外傷の非経口治療用薬剤を製造するための、請求項1から40のいずれか一項に記載の安定化された水溶液の使用。
【請求項42】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病またはジストニアを含むことを特徴とする、請求項1から41のいずれか一項に記載の安定化された水溶液の使用。
【請求項43】
前記脳外傷が、発作または外傷性脳傷害により引き起こされることを特徴とする、請求項1から42のいずれか一項に記載の安定化された水溶液の使用。

【公開番号】特開2008−255115(P2008−255115A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−70863(P2008−70863)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(507266510)アクソニス・フアルマ・アー・ゲー (2)
【Fターム(参考)】