説明

エレクトロルミネセントサイン

【課題】当該技術において標準的なエレクトロルミネセントランプの問題を解決すること。
【解決手段】エレクトロルミネセントランプ(40)を含むサインが記述される。エレクトロルミネセントランプ(40)は、ランプのための基板としてサインを利用し、かつ、後部電極(104)をサインの前部表面(30)にスクリーン印刷し、かつ、後部電極(104)を覆って少なくとも1つの誘電体層(102)をスクリーン印刷するステップを実行することによって、サイン上に形成される。本発明は、導電性層および照明層の少なくとも1つがエレクトロルミネセントシステムのために不透明な電極の周辺を越えて広がるエレクトロルミネセントシステムを提供することによって、当該技術において標準的なエレクトロルミネセントランプの上述の問題に対処する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
以下の出願は、一部継続の特許第6,203,391号である、一部継続の特許出願第09/548,560号である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般的にはエレクトロルミネセントランプに関し、より詳細には、そのようなランプを有するディスプレイおよびそのための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
エレクトロルミネセント(EL)照明は、軽量かつ比較的低電力な照明の光源として、長年にわたって公知の技術である。これらの属性のために、ELランプは、今日、通常の用途として、例えば、自動車、飛行機、時計およびラップトップコンピュータにおいて光を提供している。従来技術のエレクトロルミネセントランプは、一般的に、少なくとも1つの電極が光透過である、2つの電極間に配置される蛍光体の層と、電極間に配置される誘電体層とを含む。誘電体層は、ランプの容量性の特性を有効にする。電圧が電極間に印加される時、蛍光体材料は励起され、光を放射する。
【0004】
半透明の電極が、電極用途に適切な導電性特性を有する実用的な半透明の材料を提供するインジウム−スズ−酸化物でスパッタリングされたポリエステルフィルムからなることは、従来技術において標準的である。しかし、このポリエステルフィルム方の利用の欠点は、エレクトロルミネセントランプの最終形状およびサイズが、インジウム−スズ−酸化物でスパッタリングされた製造可能なポリエステルフィルムのサイズおよび形状によって、大いに影響されることである。さらに、インジウム−スズ−酸化物でスパッタリングされたフィルム利用の設計因子は、その領域にサービスすることが要求されるインジウム−スズ−酸化物により発生する電気的抵抗(および、従って、光/電力欠損)とエレクトロルミネセント領域の所望のサイズとのバランスをとる必要性である。従って、インジウム−スズ−酸化膜でスパッタリングされたフィルムは、それらが利用される特定のランプの要件に合わせて製造されなくてはならない。このことは、ランプ製造プロセスを大いに複雑にし、特注のインジウム−スズ−酸化物でスパッタリングされたフィルムのためのリード時間を追加し、かつ、製造され得るランプの大きさおよび形状において一般化を負わせる。さらに、インジウム−スズ−酸化物でスパッタリングされたフィルムは、標準的でない形状のエレクトロルミネセントランプのために、製造コストを増加させる傾向がある。
【0005】
従って、従来のエレクトロルミネセントポリエステルフィルムの必要性を排除することが望まれる。エレクトロルミネセントランプを提供するために、基板上にインクを堆積させるスクリーン印刷インクシステムが、開発された。光透過性または半透明電極が、レジンに分散するインジウム−スズ−酸化物等の適切な半透明の電気的導体から構成されることは、従来技術において公知である。このエレクトロルミネセントランプの導電性層は、電極リードまたはバスバーと電気的に接触する。さらに従来技術において標準的なのは、誘電体層が、セルロースベースのレジンに分散するバリウムチタネート粒子から構成されることである。特に、エレクトロルミネセントランプの別々の層に適用するための公知のスクリーン印刷技術によって、誘電体層は、層のピンホールに堆積するか、または、バリウムチタネートの粒状の特性のために、そこにチャネルを有する傾向がある。誘電体層におけるそのようなピンホールおよびチャネルは、特に後部電極を覆う光透過性電極リードの重なり領域において、エレクトロルミネセントランプの容量性の構造の崩壊を引き起こ
し得る。これは、誘電体層を光透過性電気極リードまたは不透明な電極のどちらかからピンホールおよびチャネルを通り、誘電体層を通って他の電極リードへ移動する銀が原因である。このことは、エレクトロルミネセントランプを短絡させ、結果として、エレクトロルミネセントランプの故障を発生させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、エレクトロルミネセントランプシステムを、光透過性電極および不透明電極の間のクロスオーバ(crossover)を最小化するように構成することである。このことは、リーク電流を低減し、従って、輝くエレクトロルミネセントランプを生成するために、キャパシタの効率を増加させ、かつ、十分に低い容量性リアクタンスを維持する。
【0007】
本発明の別の目的は、製品に直接製造され得るエレクトロルミネセントランプシステムを提供することである。
【0008】
当該技術におけるエレクトロルミネセントランプは、典型的には、硬いかまたは柔軟性のある基板上の別個のセルとして製造される。1つの公知のエレクトロルミネセントランプの製造方法は、ポリエステルフィルムの後部表面に、インジウム−スズ−酸化物等の光透過性導電性材料のコーティングを付加するステップ、パターンを生成するためにフィルムをエッチングするステップ、導電性材料に蛍光体層を付加するステップ、少なくとも1つの誘電体層を蛍光体層に付加するステップ、後部電極を誘電体層に付加するステップ、および、後部電極に絶縁層を付加するステップを含む。カラーグラフィカルディスプレイを達成するためには、グラフィカル層が別々に構築され、様々な層が、例えば、熱および圧力を共に利用して積層され得る。あるいは、様々な層が、互いにスクリーン印刷され得る。電圧がインジウムスズ酸化物および後部電極間に印加され得ると、蛍光体材料は、励起され、かつ、ポリエステルフィルムを介して可視できる光を出力する。
【0009】
典型的には、エレクトロルミネセントポリエステルフィルム全体が発光することは、望ましくない。例えば、エレクトロルミネセントランプは、言葉を表示するように構成される場合、望ましいのは、エレクトロルミネセントポリエステルフィルムの複数の部分のみが、発光すべき言葉の文字に対応することである。従って、インジウムスズ酸化物は、所望のフィルムの部分のみが発光するように、ポリエステルフィルムに付加される。例えば、ポリエステルフィルム全体が、インジウムスズ酸化物でコーティングされ得、続いて、インジウムスズ酸化物の複数の部分が、照明の離散の領域の後ろをそのままにしておくために、酸エッチングによって除去され得る。もしくは、不透明のインクが、光がフィルムの前部表面全体を介して発光されるのを防ぐために、ポリエステルフィルムの前部表面上に印刷され得る。
【0010】
製造されるエレクトロルミネセントランプは、多くの場合、サインおよび時計などの製品に固定され、そのような製品に光を提供する。例えば、エレクトロルミネセントランプは、典型的には、ディスプレイサイン上に照らされたイメージを提供するために利用される。特に、ディスプレイサインに関連して、エレクトロルミネセントランプは、ディスプレイサインの前部表面に結合されることにより、そのようなランプの蛍光体層によって発生される光は、サインの前部の位置から観測され得る。
【0011】
事前に製造されたエレクトロルミネセントランプを照らされるディスプレイサインを形成するために利用することは、冗漫である。特に、各エレクトロルミネセントランプは、逆のイメージとして形成されなくてはならない。例えば、エレクトロルミネセントランプを「THE」等の照らされた言葉を表示するために利用する場合、言葉が正確である、す
なわち、サインの正面から観測されたときに左から右へ読むことができることが重要である。従って、これまで、インジウムスズ酸化物を「THE」の逆方向イメージ等の逆方向イメージとしてポリエステルフィルムに付加する必要があった。その次に、蛍光体、誘電体および後部電極の引き続く層は、逆方向イメージとして同様に付加される。さらに、エレクトロルミネセントランプは、エレクトロルミネセントランプをサインに結合する間に損傷を受け得る可能性がある。
【0012】
従って、当該技術において、前部電極または前部電極リードと後部電極および/または後部電極リードとの間のクロスオーバ領域を低減することによって、故障を最小化するエレクトロルミネセントシステムが必要である。誘電体層を介した伝導性材料の移動を防ぐエレクトロルミネセントランプが、さらに必要とされる。さらに、そのようなエレクトロルミネセントシステムが製品に直接積み重ねられる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(本発明の要旨)
本発明は、導電性層および照明層の少なくとも1つがエレクトロルミネセントシステムのために不透明な電極の周辺を越えて広がるエレクトロルミネセントシステムを提供することによって、当該技術において標準的なエレクトロルミネセントランプの上述の問題に対処する。透明電極リードは、電極リードが実質的に不透明な電極を覆わないように、導電性層および照明層の少なくとも1つの周囲を囲む。
【0014】
ある実施形態では、サインは、一体化されて形成されるエレクトロルミネセントランプを含む。エレクトロルミネセントランプは、エレクトロルミネセントランプのための基板としてサインを利用し、かつ、サインの前部表面に後部電極をスクリーン印刷し、サインに後部電極をスクリーン印刷した後に後部電極を覆って少なくとも1つの誘電体層をスクリーン印刷し、誘電体層よりも小さい領域に所望の照明領域を規定するために誘電体層を覆って蛍光体層をスクリーン印刷し、誘電体層の残りの部分を覆ってシーリング層をスクリーン印刷し、蛍光体層にインジウムスズ酸化物の層をスクリーン印刷し、後部電極の輪郭を描くサインに輪郭を描く電極層をスクリーン印刷し、輪郭を描く電極層に輪郭を描く絶縁層をスクリーン印刷し、所望の照明領域を実質的に取り囲むようにサイン上に背景層をスクリーン印刷し、かつ、インジウムスズ酸化物インクおよび背景層を覆って保護コーティングを付加するステップを実行することによって、サイン上に形成される。各ランプの後部電極は、サインの前部表面に直接スクリーン印刷され、エレクトロルミネセントランプのほかの層は、後部電極を覆ってスクリーン印刷される。
【0015】
上述の方法は、エレクトロルミネセントランプを有する照明サインを提供するが、サインに事前に製造されたエレクトロルミネセントランプを連結させる必要はない。そのような方法はまた、順方向イメージおよび、もしくは、逆方向イメージとしてエレクトロルミネセント基板にエレクトロルミネセントランプの様々な層を付加するステップを容易にする。
【0016】
(発明の詳細な説明)
図1は、本発明のエレクトロルミネセント(EL)ランプ10の実施形態の概略図である。エレクトロルミネセントランプ10は、コーティングの光透過性導電性材料を有する基板12、前部電極14、蛍光体層16、シーリング層17、誘電体層18、導電性粒子の後部電極20、および、保護コーティング層22を含む。基板12は、例えば、インジウムスズ酸化物でコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであり得る。前部電極14は、好ましくは、銀粒子から形成される。蛍光体層16は、重合体結合材料に分散する銅またはマンガンでドーピングされた硫化亜鉛等のエレクトロルミネセント蛍光体粒子から形成され得る。誘電体層18は、重合体結合材料に分散するバリ
ウムチタネート等の高誘電定数材料から形成され得る。後部電極20は、スクリーン印刷可能インクを形成する重合体結合材料に分散する銀またはカーボン等の導電性粒子で形成される。保護コーティング22は、例えば、紫外線(UV)コーティングであり得る。
【0017】
ここで図2を参照すると、エレクトロルミネセントランプ10は、そこにインジウムスズ酸化物のコーティングを有する基板12の後部表面に、銀粒子等の前部電極を14を付加する30ことによって製造される。例えば、インジウムスズ酸化物は、ポリエステルフィルム上にスパッタリングされ、その後、そのインジウムスズ酸化物に銀粒子が付加され得る。もしくは、インジウムスズ酸化物は、本発明の範囲から逸脱することなく別個の層として基板上に堆積され得ることが、当業者に理解される。蛍光体層16は、その後、銀粒子の層の範囲全体を超えないように、前部電極14を覆って配置される32。シーリング層17は、その後、蛍光体層によってカバーされていない銀粒子の部分の基板12上に印刷される。誘電体層18は、蛍光体層16およびシーリング層17を覆って配置される34。後部電極20は、その後、誘電体層18を覆ってスクリーン印刷され36、絶縁層22は、発生し得るショック災害を実質的に防ぐ、または、ランプ10を保護するために湿気障壁を提供するために後部電極20を覆って配置される。様々な層が、例えば、熱および圧力を利用して一緒に積層され得る。
【0018】
背景層(示されない)は、その後、絶縁層22に付加される。背景層および前部電極14のみが基板12の前部表面に面する位置から可視であるように、背景層が基板12に付加される。背景層は、例えば、従来のUVスクリーン印刷インクを含み得、かつ、公知のサインスクリーニング技術を利用してUVドライヤで硬化され得る。
【0019】
図3〜5は、基板上にネガティブに構築される(例えば、イメージが逆向)代替のエレクトロルミネセント(EL)ランプ40を開示する。ELランプ40は、光透過性導電性材料のコーティングを有する基板42、前部電極44、蛍光体層46、シーリング層47、誘電体層48、後部電極50、および、保護コーティング層(示されない)を含む。基板42は、例えば、インジウムスズ酸化物でコーティングされるポリエステルフィルムであり得る。もしくは、インジウムスズ酸化物は、本発明の範囲から逸脱することなく別個の層として基板上に堆積され得ることが、当業者に理解される。前部電極44は、UV硬化可能なスクリーン印刷可能インクを形成する銀粒子から形成され得る。例えば、UV硬化可能なスクリーン印刷可能インクは、Michigan,Port HuronのAllied Photo Chemical Inc.から入手可能である。
【0020】
蛍光体層46は、スクリーン印刷可能インクを形成する重合体結合材料に分散される銅またはマンガンでドーピングされた硫化亜鉛等のエレクトロルミネセント蛍光体粒子から形成され得る。ある実施形態では、蛍光体スクリーン印刷可能インクは、UV硬化可能なものであり得る。例えば、UV硬化可能で、スクリーン印刷可能な蛍光体インクは、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能である。
【0021】
シーリング層47は、Electroluminescent Medium DuPont7155等の透明シーリング材から形成されるために、キャリア内も基づく溶液である。誘電体層48は、スクリーン印刷可能インクを形成する重合体結合材料に分散されたバリウムチタネート等の高誘電定数材料から形成され得る。ある実施形態では、誘電体スクリーン印刷可能なインクは、Michigan,Port HuronのAllied Photochemical Inc.から入手可能であるようなUV硬化可能なものであり得る。後部電極50は、スクリーン印刷可能なインクを形成するために、重合体結合材料に分散される銀またはカーボンなどの導電性粒子から形成される。ある実施形態では、後部電極50は、Michigan,Port HuronのAllied Ph
otoChemical Inc.から入手可能であるようなUV硬化可能なものであり得る。保護コーティングは、例えば、Michigan,Port HuronのAllied Photochemical Inc.から入手可能であるような紫外線(UV)コーティングであり得る。
【0022】
代替の実施形態では、ELランプ40は、誘電体層48を含まない。UV硬化可能な蛍光体スクリーン印刷可能インクは(Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能である)、結合材料における絶縁体を含むので、ELランプ40は、蛍光体層46を覆う別個の誘電体層を必要としない。
【0023】
図4および5は、ELランプ40(図3に示される)を製造する方法60を示す。特に図5を参照して、前部表面82および後部表面84を有するプラスチック基板等の実質的に透明な熱安定のポリカーボネート基板80は、まず、自動化された平坦なベットスクリーン印刷プレスに配置される(図5に示されない)。基板80は、インジウムスズ酸化物の層を含み、インジウムスズ酸化物の層が上向きであるように、平坦なベッド印刷プレスに配置される。もしくは、インジウムスズ酸化物は、本発明の範囲から逸脱することなく別個の層として基板上に堆積され得ることが、当業者に理解される。背景基板86は、後部表面84上にスクリーン印刷され、照明領域88を除く後部表面84全体を実質的に覆う。照明領域88は、逆方向イメージとして成形され、例えば、照らされるべき「R」の所望のイメージの逆方向イメージの「R」等。
【0024】
誘電体背景層90は、その後、サイン後部表面84および背景基板86を覆ってスクリーン印刷される。誘電体背景層90は、背景基板86全体を実質的にカバーし、照明領域88と実質的と位置合わせされた照明部分92を含む。ある実施形態では、背景層90は、UV4色処理を利用した装飾層であり、照明領域88以外の背景基板86を実質的にカバーする。もしくは、装飾層は、照明領域88を直接覆って印刷され、だんだんぼかされた、ハーフトーンの、粒子の粗い照明の質を提供する。
【0025】
銀インクから製造された前部電極94は、その後、前部電極94が照明部分92の外側の周辺と接触するように、サイン後部表面84上にスクリーン印刷される。さらに、前部電極94のリード96は、ELランプ40の照明部分92の周辺から周辺98に伸びる。前部電極94は、その後、UVランプの下で約2秒から5秒間、UV硬化される。
【0026】
前部電極94をサイン表面84にスクリーン印刷した後、蛍光体層100は、前部電極94により固定された照明部分92上にスクリーン印刷される。この実施形態では、蛍光体層100は、逆方向イメージとしてスクリーンされる。蛍光体層100は、その後、例えば、UVランプの下で約2秒から5秒間、UV硬化される。
【0027】
シーリング層101は、その後、前部電極94上にスクリーン印刷され、好ましくは、蛍光体層100にはスクリーン印刷されない。シーリング層101は、好ましくは、スクリーン印刷可能なキャリアに基づく溶液である。シーリング層101は、その後、例えば、UVランプの下で約2秒から5秒間、UV硬化される。
【0028】
誘電体層102は、サイン表面84上にスクリーン印刷されることにより、誘電体層102は、蛍光体層100、シーリング層101全体を実質的にカバーし、かつ、相互接続タブ部分103を除く前部電極94全体をカバーする。ある実施形態では、相互接続タブ部分103は、約1.0インチ幅の約0.5インチの長さである。誘電体層102は、高誘電定数材料の2つの層(示されない)を含む。誘電体層102の第1の層は、蛍光体層100を覆ってスクリーン印刷され、その後、UVランプの下で約2秒から5秒間、乾燥
させるためにUV硬化される。誘電体層102の第2の層は、バリウムチタネートの第1の層を覆ってスクリーン印刷され、誘電体層102を形成するためにUVランプの下で約2秒から5秒間、乾燥させるためにUV硬化される。ある実施形態に従うと、誘電体層102は、実質的に照明領域88と同一の形状であるが、照明領域88よりも約2%大きく、前部電極リード96の少なくとも一部分をカバーする大きさにされる。
【0029】
後部電極104は、誘電体層102を覆って後部表面84にスクリーン印刷され、照明部分106および後部電極リード108を含む、照明部分106は、実質的に、照明領域88と同一の大きさおよび形状であり、後部電極リード108は、照明部分106からサイン周辺98まで伸びる。蛍光体層100のためのスクリーンを生成するアートワークは、後部電極104のためのスクリーンが後部電極リード108を含まないこと以外は後部電極104のスクリーンを生成するために利用されるのと同一のアートワークを用いて、生成される。しかし、2つの異なるスクリーンは、各々が異なるメッシュカウント(mesh count)用であるので、蛍光体層100および後部電極104のために利用される。後部電極104、誘電体層102、蛍光体層100、および前部電極94は、基板80の後部表面84から広がるELランプ40を形成する。
【0030】
続いて、UV透明コーティング(図5に示されない)は、後部表面84にスクリーン印刷され、かつ、後部電極104、誘電体層102、蛍光体層100、シーリング層101、前部電極94、誘電背景層90、および、背景層86をカバーする。特に、UV透明コーティングは、後部表面84全体をカバーする。代替の実施形態では、UV透明コーティングは、相互接続タブ部分103を除く後部表面84全体を実質的にカバーする。相互接続タブ部分103は、電力供給(示されない)から前部電極リード96および後部電極リード108までのスライドコネクタ(示されない)およびワイヤハーネス(示されない)の取り付けを容易にするようにカバーされないまま残される。
【0031】
代替の実施形態では、ELサインは、夜間にサインのよりよい可視性を提供するために、車のヘッドライト等の入射光に対して反射性のある透明反射性コーティングを含む。1.9から2.1の範囲の光学的屈折率を有するガラスビースおよび球が、重ね印刷の透明インクと混ぜられる。透明インクは、Kansas,Shawnee,Hedge Lane Terrace8501のNazdarから入手可能なUV透明インクであり得る。もしくは、透明インクは、Nazdarから入手可能なNazdar9727等、熱硬化され得る。透明反射性コーティングは、サインの第1の層としてポリカーボネート上に直接印刷され得る。透明反射性コーティングは、ELサインの色の詳細がポリカーボネート基板によってELサインを見る人に可視であるようにする。
【0032】
方法60(図4に示される)は、ELランプを介して照らすことが可能なサインを提供する。サインは、手動または他の固定方法によって、事前に製造されたELランプをサインに取り付けるために、熱、圧力、もしくは、粘性によって結合するステップも、積層するステップも利用しない。
【0033】
図6および7は、基板122を含むELランプ120の代替の実施形態を開示する。ある実施形態において、基板122は、カードボード(card board)または80ポイントカードストック(80 point card stock)等の紙に基づく基板であり、前部表面124および後部表面126を含む。後部電極128は、基板122の前部表面124上に形成される。後部電極128は、スクリーン印刷可能インクを形成する重合体結合材料に分散する銀またはカーボン等の導電性粒子から形成される。ある実施形態では、後部電極128は、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化可能なものである。代替の実施形態では、後部電極128は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical
Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0034】
誘電体層130は、スクリーン印刷可能インクを形成する重合体結合材料に分散するバリウムチタネート等の高誘電定数材料から、後部電極128を覆って形成される。ある実施形態では、誘電体スクリーン印刷可能インクは、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化可能なものである。代替の実施形態では、誘電体層130は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0035】
蛍光体層132は、誘電体層130を覆って形成され、スクリーン印刷可能なインクを形成する重合体結合材料に分散する銅またはマンガンでドーピングされた硫化亜鉛等のエレクトロルミネセント蛍光体粒子から形成され得る。ある実施形態では、蛍光体スクリーン印刷可能インクは、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化可能なものである。代替の実施形態では、蛍光体層132は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0036】
シーリング層133は、誘電体層130を覆って形成され、好ましくは、スクリーン印刷可能なキャリアに基づく溶液である。さらに、シーリング層133は、例えば、UVランプの下で約2秒から5秒間、UV硬化される。
【0037】
導体層134は、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化性であるスクリーン印刷可能なインクを形成する銀粒子から、ランプ120上に形成される。代替の実施形態では、導体層134は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0038】
前部の輪郭を描く電極136は、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化性であるスクリーン印刷可能なインクを形成する銀粒子から、ランプ120上に形成される。代替の実施形態では、前部の輪郭を描く電極136は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0039】
前部の輪郭を描く絶縁層138は、スクリーン印刷可能なインクを形成する重合体結合材料に分散するバリウムチタネート等の高誘電定数材料から、前部の輪郭を描く電極を覆って形成される。ある実施形態では、前部の輪郭を描く絶縁体は、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な熱硬化性のものである。代替の実施形態では、前部の輪郭を描く絶縁体138は、Michigan,Port HuronのAllied PhotoChemical Inc.から入手可能なようなUV硬化性のものである。
【0040】
例えば、Delaware,WilmingtonのDupontから入手可能な紫外線(UV)コーティングから形成される保護コーティング140は、その後、後部電極128、誘電体層130、蛍光体層132、シーリング層133、導体層134、前部の輪郭を描く電極136、および、前部の輪郭を描く絶縁層138を覆ってランプ120上に形成される。
【0041】
図7は、ELランプ120を製造するためのステップ140の順序を示す。ELランプ120は、例えば、0.25mmゲージアルミニウム等の金属基板、0.15mm熱安定ポリカーボネート等のプラスチック基板、または、80pt.カードストック等の紙ベー
スの基板を有し得る。プラスチック基板を利用するELランプに関して、後部電極は、ELランプ120の前部表面上に形成される142。次に、誘電体層は、後部電極を覆って形成され144、デザインのための照明領域を越えて広がる。続いて、蛍光体層は、誘電体層を覆って形成され146、好ましくは、照明領域を規定するように形成される。シーリング層は、その後、誘電体層の残りの曝された部分を覆って形成される147。インジウムスズ酸化物インクの層は、蛍光体層を覆って形成され148、その後、前部の輪郭を描く電極は、シーリング層上に形成され150、前部の輪郭を描く絶縁層は、前部の輪郭を描く層上に形成される152。保護コーティングは、その後、ELランプ120の層を覆って付加される154。
【0042】
より詳細には、ここで図8を参照して、ELサイン160は、プラスチック基板を含む。基板は、前部表面162および後部表面(示されない)を有し、まず自動化された平坦なベッドスクリーン印刷プレス(示されない)に配置される。照明領域166および後部電極リード168を有するスクリーン印刷可能なカーボンまたは銀等の後部電極164は、サイン160の前部表面162上にスクリーン印刷される。照明部分166は、後で定義される照明領域の範囲を越えないが、サイン160によって照らされるべき最終のイメージを代表する「L」等の形状を規定する。
【0043】
後部電極リード168は、例えば、照明領域166からサイン前部表面162の周辺170まで伸びる。後部電極164は、逆方向「L」としてではなく、「L」等の正面または順方向のイメージとしてスクリーン印刷される。前部表面162上に後部電極164を印刷した後、後部電極164は、乾燥させるために硬化される。例えば、後部電極164およびサイン160は、約華氏250〜350度の温度で約2分間、オープンリール式のオーブンに配置され得る。代替の実施形態では、後部電極164およびサイン160は、約2秒から5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0044】
ある実施形態では、後部電極164は、サイン160の発光特性を変化させるために、ハーフトーンでスクリーン印刷される。ある実施形態では、ハーフトーン後部電極層で利用される銀の量は、約100%から約0%まで変化する。後部電極銀ハーフトーン領域は、沈みかけた太陽のシミュレーション等の動的な効果を可能にする、完全に覆われた第1の領域から、全く覆われていない第2の領域までの銀粒子のフェーディングを行うステップを提供する。
【0045】
誘電体層172は、その後、ランプ表面162上にスクリーン印刷されることにより、誘電体層172は、実質的に照明部分166全体をカバーする一方で、後部電極リード168を相互接続タブ部分173を除いて全体にカバーされるようにする。ある実施形態では、相互接続タブ部分173は、約0.5インチ幅の約1.0インチの長さである。誘電体層172は、重合体結合材料に分散されるバリウムチタネート等の高誘電定数材料の2つの層(示されない)を含む。バリウムチタネートの第1の層は、後部電極164を覆ってスクリーン印刷され、華氏約250〜350度の温度で約2分間、乾燥させるために硬化される。代替の実施形態では、バリウムチタネートの第1の層は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0046】
バリウムチタネートの第2の層は、バリウムチタネートの第1の層を覆ってスクリーン印刷され、かつ、誘電体層172を形成するために、華氏約250〜350度の温度で約2分間、乾燥させるために硬化される。代替の実施形態では、バリウムチタネート第2の層は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。ある実施形態に従うと、誘電体層172は、照明部分166と実質的に同一の形状を有するが、照明部分166より約5%から25%大きい。
【0047】
代替の実施形態では、誘電体層は、重合体結合材料に分散するアルミナ酸化物等の高誘電定数材料を含む。アルミナ酸化物層は、後部電極164を覆ってスクリーン印刷され、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0048】
誘電体層172および後部電極164をランプ表面162にスクリーン印刷した後、蛍光体層174は、誘電体層172を覆ってサイン表面162上にスクリーン印刷される。蛍光体層174は、逆方向のイメージ「L」等の逆方向イメージではなく「L」等の順方向または正面のイメージとしてスクリーンされる。蛍光体層は、照明部分166と実質的に同一の形状を有し、照明領域175を規定するために照明部分166よりも約5%から15%大きい。蛍光体層174のためのスクリーンを生成するために利用されるアートワークは、後部電極リード168を除く後部電極164のためのスクリーンを生成するために利用されるのと同一のアートワークである。しかし、各々のスクリーンが異なるメッシュカウントに特定されるので、2つの異なるスクリーンは、蛍光体層174および後部電極164のために利用される。蛍光体層174は、その後、例えば、華氏約250〜350度で約2分間、硬化される。代替の実施形態では、蛍光体層174は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0049】
ある実施形態では、蛍光体層174は、サイン160の発光特性を変化させるために、ハーフトーンでスクリーン印刷される。ある実施形態では、ハーフトーン蛍光体層で利用される蛍光体の量は、約100%から約0%まで変化する。ハーフトーン領域は、沈み行く太陽のシミュレーション等の動的な効果を可能にする、全体が明るい第1の領域から、全く明るくない第2の領域まで、光の粒子のフェーディングを行うステップを提供する。
【0050】
シーリング層177は、誘電体層172の残りの曝された部分を覆ってサイン表面162上にスクリーン印刷される。シーリング層177は、その後、例えば、華氏約250〜350度で約2分間、硬化される。代替の実施形態では、シーリング層175は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0051】
インジウム−スズ−酸化物から形成される導体層176は、蛍光体層174を覆ってスクリーン印刷される。導体層176は、照明領域175と実質的に同一の形状および大きさを有し、例えば、蛍光体層174を印刷するために活用されるものと同一のスクリーンによってスクリーン印刷され得る。導体層176はまた、順方向イメージとして印刷され、例えば、華氏約250〜350度で約2分間、硬化される。代替の実施形態では、導体層176は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0052】
ある実施形態では、導体層は、非金属であり、半透明かつ透明であり、ポリフェニリンアルミイミン等の導電性ポリマーから合成される。非金属導体層は、華氏約200度で約2分間、熱硬化される。
【0053】
続いて、銀インクから製造される前部電極またはバスバー(以下、前部輪郭を描く電極178)は、シーリング層175を覆ってランプ表面162上にスクリーン印刷され、照明領域175の輪郭を描く。前部の輪郭を描く電極は、導体層176にエネルギーを伝達するように構成される。特に、前部電極178は、前部の輪郭を描く電極層178の第1の部分180が導体層176の外側の周辺182に接触するように、ランプ表面162にスクリーン印刷される。さらに、第1の部分180は、照明領域166の外部の周辺182と、照明領域166からサイン表面162の周辺まで伸びる前部電極リード188の外部の周辺186とに接触する。前部の輪郭を描く電極層178は、その後、華氏約250〜350度で約2分間、硬化される。代替の実施形態では、前部の輪郭を描く電極層178は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0054】
好ましい実施形態では、前部の輪郭を描く電極層178は、導体層176の外側の周辺182全体と実質的に接触し、後部電極リード168でのみ後部電極164と重なるように構成される。誘電体層の任意のピンホールおよびチャネルを封止するさらなるシーリング層177を有するこの最小化されたクロスオーバ設計は、ランプの故障を大きく低減させる。代替の実施形態では、前部電極の第一の部分180は、導体層176の外側の周辺182の約25%のみと接触する。もちろん、前部電極の第1の層180は、約25%から約100%で任意の量の導体層176の外部の周辺と接触し得る。
【0055】
代替の実施形態では、導体層176および前部の輪郭を描く電極層178の付加の順序は、蛍光体層174が付加された直後に、前部の輪郭を描く電極176が付加されるように、逆にされ、導体層176は、前部の輪郭を描く電極層178の後に付加される。前部の輪郭を描く絶縁層190は、その後、導体層176の直後に付加される。
【0056】
前部の輪郭を描く絶縁層190は、前部の輪郭を描く電極層178上にスクリーン印刷され、前部の輪郭を描く電極178をカバーし、約0.125インチまで前部の輪郭を描く電極の両側面を越えて広がる。前部の輪郭を描く絶縁層190は、重合体結合材料に分散するバリウムチタネート等の高誘電定数材料である。前部の輪郭を描く絶縁層190は、前部の輪郭を描く絶縁層190が前部の輪郭を描く電極層178全体を実質的にカバーするように、前部の輪郭を描く電極層178上にスクリーン印刷される。前部の輪郭を描く絶縁層190は、華氏約250〜350度で約2分間、硬化される。代替の実施形態では、前部の輪郭を描く絶縁層190は、約2秒から約5秒間UV光に曝されることによって硬化される。
【0057】
前部の輪郭を描く絶縁層190の大きさは、前部の輪郭を描く層178の大きさに依存する。前部の輪郭を描く電極層190は、従って、第1の輪郭を描く電極層の第1の部分180を実質的にカバーする第1の部分と、照明領域166からランプ162の周辺170まで延びる前部電極リード188を実質的にカバーする第2の部分194を含む。前部電極リード188の相互接続タブ部分173は、電源196がそこに接続され得るようにカバーされないまま残される。後部電極164、誘電体層172、蛍光体層174、導体層176、前部の輪郭を描く層178、および、前部の輪郭を描く絶縁層190は、基板の前部表面162から広がるELランプ160を形成する。
【0058】
さらに、4色処理を利用する装飾背景層198は、サイン160の前部表面162上にスクリーン印刷される。背景層198は、照明領域166およびタブ相互接続部分173を除く前部表面162を実質的にカバーする。しかし、いくらかの場合では、背景層198は、照明領域166を直接覆って印刷され、だんだんぼかされた、ハーフトーンの、粒子の粗い照明の質を提供する。
【0059】
特に、背景層198は、実質的に背景層198および導体層176のみが前部表面162と面する位置から可視であるように、前部表面162上にスクリーン印刷される。背景層198は、例えば、従来のUVスクリーン印刷インクを含み得、公知のサインスクリーニング技術を利用して、UVドライヤで硬化され得る。
【0060】
ある実施形態では、背景層198は、サイン160の発光特性を変化させるために、ハーフトーンでスクリーン印刷される。ある実施形態では、ハーフトーンの背景層に利用されるインクの量は、約100%から約0%まで変化する。ハーフトーン領域は、動的な色彩効果を可能にする全体が覆われた第1の領域から、全く覆われていない第2の領域まで、色彩のフェーディングを行うステップを提供する。
【0061】
ある実施形態では、日本国のMatui Chemical Companyから入手
可能なサーモクロミックインクが、背景層198から4色処理の代わりに利用される。サーモクロミックインクは、ELサイン160の背景を印刷するために利用される。一旦、サーモクロミックインクで印刷されると、背景デザインは、ELサイン160の温度により、色が変化する。
【0062】
例えば、ELサインは、元来、黄色のサーモクロミックインクで印刷された背景、そこに印刷される第1の形状、および、第2の形状を含む。両形状は、蛍光体層で印刷され、形状が電力供給に接続される時に、その形状を照らすことができる。さらに、第1の形状は、青のサーモクロミックインクで重ね印刷され、第2の形状は、赤のサーモクロミックインクで重ね印刷される。サインの温度が上昇するにつれて、第1の形状は、青から紫に変化し、第2の形状は、赤から青に変化する。さらに、背景は、サインの温度が上昇するにつれて、黄色から緑に変化する。その後、サインの温度が下降すると、その色は元の色へ復帰し、すなわち、第1の形状は紫から青に変化し、第2の形状は、青から赤へ変化し、背景は緑から黄色に変化する。
【0063】
代替の実施形態では、白色フィルタリング層(示されない)が、前部の輪郭を描く絶縁層190上に直接付加される。フィルタリング層は、約60%から約90%の間の半透明度であり、照明はサインが「off」状態の間でもフィルタを通過することができるようにする。白色フィルタリング層は、フィルタリング層の下の任意のグラフィックに対して白色の見かけを提供する。フィルタリング層は、ある実施形態では、305ポリエステルメッシュおよびスクリーン印刷技術を利用して付加され、MO,Kansas cityのNazdarから入手可能な約20%から約40%のNazdar3200UV白色インクおよび約60%から約80%のNazdar3200の混合透明色を含む。
【0064】
さらなる代替の実施形態では、前部表面162上に背景層198をスクリーニングした後、UVコーティング(示されない)は、サイン160に付加される。特に、UVコーティングは、サイン50の前部表面162全体をカバーし、ELランプに対する保護を提供するように付加される。保護コーティング(示されない)は、その後、背景層198を覆って直接印刷される。保護コーティングは、他の層(特に背景層198)で利用されるインクの完全性および色の安定性を保護する。保護コーティングは、背景層198のフェーディングを低減し、UV放射からサイン160を保護する。保護コーティングは、透明であり、インク上で利用される結合材料の絶縁効果のために、サイン160に対する絶縁特性を提供する。
【0065】
同様に、サイン160の前部表面162は、前部表面162に後部電極164を付加する前に、UVコーティングでコーティングされ得る。例えば、UVコーティングは、まず、ELランプ層の完全性を実質的に確実にするために、例えば、プラスチック基板がスクリーン印刷可能なインクを吸収することを実質的に防ぐように、前部表面162に付加される。
【0066】
さらなる代替の実施形態では、透明反射性コーティングが、保護コーティング層に付加される。1.9から2.1の範囲の光学的屈折率を有するグラスビーズまたは球は、重ね印刷透明インクに混合される。透明インクは、Kansas,Shawnee,Hedge Lane Terrace8501のNazdarから入手可能なUV透明インクであり得る。もしくは、透明インクは、Nazdarから入手可能なNazdar9727のように、熱硬化可能なものである。透明反射性コーティングは、4色背景層の色の詳細が、ELサイン160を見ている人にとって可視であるようにする。透明反射性コーティングは、夜間にサインのよりよい可視性を提供するために、車のヘッドライト等の入射光に対して反射可能である。反射性コーティング層を含むELサインの例示的な使用は、道路標識、看板、および、自転車ヘルメットである。さらに、反射性層を利用するELサイ
ンは、サインが光を介して観測される任意の用途で利用され得る。
【0067】
さらなる代替の実施形態では、ELサインは、装飾背景層を含まない。代わりに、保護透明コーティングは、前部の輪郭を描く絶縁層を覆って直接付加され、透明反射性コーティングは、保護絶縁コーティングを覆って直接付加される。
【0068】
別の実施形態では、ホログラフィックイメージ(示されない)が背景層198のために利用される4色処理の代わりに形成される。ホログラフィックイメージは、実際は平坦である表面上に、深さと次元の錯覚を有するELランプを提供する。ある実施形態では、ホログラフィックイメージは、サインにある次元の追加を提供するために、4色処理の上にELサインに付加される。代替の実施形態では、ホログラフィックイメージは、透明コーティング絶縁層を介して付加される。
【0069】
後部電極164、誘電体層172、蛍光体層174、導体層176、前部の輪郭を描く電極178、前部の輪郭を描く絶縁層190、および、背景層198をサイン160に付加した後、サイン160は、例えば、窓、壁に掛けられ得、または、天井から吊るされ得る。電力供給202は、その後、前部電極リード188および後部電極リード168に接続され、蛍光体層174を励起するために後部電極164および前部電極174の間に、電圧が印加される。特に、電流は、前部電極178から導体層176まで、後部電極164を通り照明領域166まで流れ、文字「L]を照らす。ELサイン160は、モノリシックでない構造(non−monolithic structure)に共に結合する複数のインクによって形成される。インクは、熱硬化されるか、または、UV硬化される。さらに、ELサイン160のある層は熱硬化され得る一方、同一のELサイン160の他の層がUV硬化され得る。
【0070】
ある実施形態に従うと、後部電極164は、約0.6ミリメートルの厚さであり、誘電体層172は、約1.2ミリメートルの厚さであり、蛍光体層174は、約1.6ミリメートルの厚さであり、導体層176は、約1.6ミリメートルの厚さであり、前部電極178は、約0.6ミリメートルの厚さであり、背景層184は、約0.6ミリメートルの厚さである。もちろん、各様々な厚みは、変化し得る。
【0071】
相互接続タブ部分173は、サイン周辺170に近接し、電力供給202から前部電極リード188および後部電極リード168へのスライドコネクタ200およびワイヤハーネスの取り付けを容易にするために、カバーされないまま残される。ある実施形態では、タブ相互接続部分173は、スライドコネクタ200をタブ相互接続部分173上の整合したはめ込みを提供するために、ダイカットされる。ダイカットは、相互接続タブ部分173にスロット構成を提供し、スライドコネクタ200は、確実にスライドコネクタ200を適切にタブ相互接続部分173上に方向付けるピン構成を含む。ある実施形態では、スライドコネクタ200は、スクリュー、または、他のファスナーで相互接続タブ部分173に固定されて取り付けられる。スライドコネクタ200は、曝されたリード168および188、すなわち、カバーされないままのリード168および188の部分を全体的に取り囲む。
【0072】
ある実施形態では、ELサイン160が形成された後、サイン160は、その後、以下のように真空形成される。サイン160は、例示的な実施形態では、約0.01および0.05インチの間の厚さの透明なポリカーボネート基板を含み、約1フィートかける約1フィートから約10フィートかける約15フィートまでの大きさを有する。サイン160はまた、上述のように、基板の背面上に印刷される絶縁透明コーティングを含む。サイン160は、その後、Qvac PC2430PD等の真空形式タイプの機械に配置される。
【0073】
マンドレルモールドは、頂点および谷を有して製造され、約0インチと約24インチとの間の絞り深さを含む。モールドは、ヘルメット、3次元広告サイン、フェアリング板、フェンダー、バックパック、自動車部品、家具、および、彫刻を含む製品に利用されるが、それらに制限されない。
【0074】
サイン160は、正面のイメージが上を向いた状態で、真空形式の機械へ挿入される。サイン160は、その後、基板の厚みに依存する(すなわち、より厚い基板に対してはより多くの時間が必要とされる)約2秒から約30秒間等の適切な時間加熱される。一旦、サイン160が適切な時間加熱されると、サイン160は、サイン160に圧力引張をもたらすマンドレルモールドの開口部を介して、真空形式面の底である2箇所に真空引張を適用するマンドレルモールド上に機械的に引っ張り下ろされる。サイン160は、その後、マンドレルモールドの所望の形状で形成される。その後、モールドからサイン160を解放する空気圧力は、真空を形成するように利用された開口部を介して、逆向きにされる。
【0075】
さらなる実施形態では、サイン160は、金属基板上に形成され、サイン前部表面162が平面にならないように浮き彫りにされる。特に、サイン160は、照明領域166がサインの外側の周辺170に関して順方向に投影するように、浮き彫りにされる。代替の実施形態では、「L」の短い脚等の照明領域166の一部分が、別の部分、または、「L」の長い脚等の照明領域166に関して順方向に投影するように、サイン160は浮き彫りにされる。例示的な実施形態では、サイン160は、サイン前部表面162に窪みを形成するために、1平方インチあたり5トンの圧力をもたらすように構成された金属プレスに配置される。
【0076】
上述のELサインは、様々な機能で利用され得る。例えば、サインは、自動販売機用のディスプレイパネル、製氷機用のディスプレイパネル、ヘルメット用の照明パネル、道路標識、スロットマシン等の賭け事のディスプレイパネル、および、購買箇所の表示として利用され得る。
【0077】
上記の実施形態は、例示的なものであり、制限を意味しない。上述の方法は、サイン上に直接製造されるELランプを有する照明サインに対して、提供される。すなわち、事前に製造されたELランプがサインに結合されない。そのような方法はまた、ELランプの各層を逆方向イメージではなく正面のイメージとしてEL基板へ付加するのを容易にする。しかし、上述の実施形態は例示的なものであり、制限を意味しない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、エレクトロルミネセントランプの概略図である。
【図2】図2は、図1に示されるエレクトロルミネセントランプを製造するためのステップの順序を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明のある実施形態に従うエレクトロルミネセントランプの概略図である。
【図4】図4は、図3に示されるエレクトロルミネセントランプを製造するためのステップの順序を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示されるステップに従って製造されるエレクトロルミネセントランプの分解図である。
【図6】図6は、本発明の代替の実施形態に従うエレクトロルミネセントランプの概略図である。
【図7】図7は、図6に示されるエレクトロルミネセントランプを製造するためのステップの順序を示すフローチャートである。
【図8】図8は、図7に示されるステップに従って製造されるエレクトロルミネセントランプの分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合エレクトロルミネセントランプおよびディスプレイ標識を形成する方法であって、該ディスプレイ標識は、表面を含み、
該方法は、
該標識の表面上に第1の電極を形成するステップと、
該第1の電極および該標識の表面上に導体層を形成するステップと、
該導体層上に蛍光体層をスクリーン印刷するステップと、
該標識の表面および該蛍光体層上に第2の電極を形成するステップと、
該標識の表面および該第2の電極上に反射性コーティングを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の電極を形成するステップは、前記標識の表面に前記第1の電極をスクリーン印刷するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標識は、実質的に透明なプラスチックから製造され、かつ、後部表面を含み、前記標識の表面上に第1の電極を形成するステップは、該標識の該後部表面上に前部電極をスクリーン印刷するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記標識は、照明領域をさらに含み、前記方法は、前記標識の表面上に背景層をスクリーン印刷するステップをさらに含み、該背景層は、該照明領域と実質的に位置合わせされた照明部分を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の電極を形成するステップは、該第1の電極が前記照明部分の外側の周囲と接触するように、前記標識の表面上に第1の電極をスクリーン印刷するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記導体層を形成するステップは、インジウムスズ酸化物の層を前記標識の表面上にスクリーン印刷するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記導体層を形成するステップは、前記標識の表面上に非金属導体の層をスクリーン印刷するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記導体層を形成するステップは、前記標識の表面上に非金属導体の透明および半透明な層をスクリーン印刷するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記標識の表面上に非金属導体の層をスクリーン印刷するステップは、該標識の表面上にポリ−フェニリン−アミン−イミンの層をスクリーン印刷するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の電極を形成するステップは、前記蛍光体層上に後部電極をスクリーン印刷するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の電極、前記導体層、前記蛍光体層、前記第2の電極層上の前記標識の後部表面にUVコーティングをスクリーン印刷するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記標識の表面上に背景層を印刷する開始ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−282053(P2008−282053A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209388(P2008−209388)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【分割の表示】特願2002−575223(P2002−575223)の分割
【原出願日】平成14年3月22日(2002.3.22)
【出願人】(503343680)ルミムーブ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】