説明

エレベータシステム及びその運転制御方法

【課題】災害時に、ある階床にエレベータを移動させて避難者を救出する際、移動先階床の状況を前もって確認することによりエレベータによる安全な避難運転を可能としたエレベータシステム及びその運転制御方法を提供する
【解決手段】複数台のエレベータ乗りかご11を有し、これら乗りかご11をそれぞれ対応する運転制御装置12により個別に昇降運転可能なエレベータシステムであって、災害発生により、ある階床から救出要請があると対応する乗りかご11を安全確認用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、この乗りかご11に設けられた安全確認手段23により救出要請階での災害状況を検出させ、安全確認用かごに以外の乗りかご11を、救出要請を受けて救出用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、安全確認用かごの安全確認手段23が検出した災害状況により、救出階での安全が確認されたことを条件に戸開させ、救出対象者を収容して予め設定した避難階に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、災害時の避難にも使用可能なエレベータシステム及びその運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物内において災害が発生した場合、この災害が例えば火災や爆発物テロなどの場合、一刻も早く建物内から人員を避難させる必要がある。この建物からの避難を効果的に行う手段として、建物に備えられているエレベータを活用することが考えられ、災害発生時に、建屋内の状況に応じてエレベータを運行し、避難・救出する手段が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−187162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、救出階や避難階の状況を判断する手段が無い場合や、このような手段が設置されていても災害により異常を来たした場合は、救出階や避難階が危険な状態であるか等、エレベータの移動先の状況が判らず、エレベータによる避難運転を継続することができない。
【0005】
本発明の目的は、災害時に、ある階床にエレベータと移動させて避難者を救出する際、移動先階床の状況を前もって確認することによりエレベータによる安全な避難運転を可能としたエレベータシステム及びその運転制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態によれば、複数台のエレベータ乗りかごを有し、これら乗りかごをそれぞれ対応する運転制御装置により個別に昇降運転可能なエレベータシステムであって、前記運転制御装置に設けられ、災害発生により、ある階床から救出要請があると対応する前記乗りかごを安全確認用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、この乗りかごに設けられた安全確認手段により前記救出要請階での災害状況を検出させる安全確認運転制御手段と、前記安全確認用かごに以外の乗りかごに対応する前記運転制御装置に設けられ、前記救出要請を受けて対応する前記乗りかごを救出用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、前記安全確認用かごの安全確認手段が検出した前記救出要請階での災害状況により救出階での安全が確認されたことを条件に戸開させ、救出対象者を収容して予め設定した避難階に移動させる救出運転制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、避難者救出のため救出用のかごを目的階に移動させ、戸開させるに際し、安全確認用のかごにより目的階での安全を確認するので、エレベータによる安全な避難運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエレベータシステムの概略ブロック図である。
【図2】同上一実施の形態における主要部を示すブロック図である。
【図3】同上一実施の形態における作用を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るエレベータシステム及びその運転制御方法の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1はこの実施の形態によるエレベータシステムの全体構成を示している。図1において、このエレベータシステムは、複数台のエレベータ乗りかご(以下、単に乗りかごと呼ぶ)11を有し、これら乗りかご11毎に設けられた運転制御装置12により、対応する乗りかご11をそれぞれ個別に昇降運転することができる。各運転制御装置12は、建物の各階床に設けられた乗り場呼び登録装置13及び対応する乗りかご11内に設けられた図示しないかご呼び登録装置と伝送ラインによりそれぞれ接続している。そして、乗り場呼び登録装置13及びかご呼び登録装置からの呼びに応じて、図示しない巻上機を制御し、対応する乗りかご11を目的階に移動させる。
【0011】
また、これら各運転制御装置12は、通信手段を介して相互に通信可能に構成されており、後述する安全確認情報などを相互に授受することができる。
【0012】
なお、各乗りかご11別に設けられた各乗り場呼び登録装置13については、同じエレベータホールに設けられているもの同士を共通接続し、同一階床の同じエレベータホールに設けられている乗り場呼び登録装置13のどれかが呼び登録された場合、図示しない群管理制御装置により、最も適切な乗りかご11が、呼び登録された階床に向かうように構成してもよい。
【0013】
また、エレベータが設置された建物には、一般に建物内部の状況を監視する監視センター17が設けられている場合が多い。このような監視センター17が設けられている場合は、図示のように各運転制御装置12と監視センター17とを接続し、これらの間で、各乗りかご11の運転状況などに関する信号を授受できるように構成する。この監視センター17に対しては、各種のセンサーやテレビカメラ等からなる建物内状況検出装置18から、建物内の各部の状況に関する情報が入力される。
【0014】
また、建物内には、各種の災害発生を検出する災害検出装置19が各階に設けられている(図では代表して1つのみ示している)。そして、この各災害検出装置19により検出された災害検出信号が、各運転制御装置12及び監視センター17にそれぞれ入力されるように構成する。この実施の形態では災害として建物内で生じた火災を例として話を進める。したがって、災害検出装置19は、以下、火災検知器として説明する。
【0015】
図2は、上述した乗りかご11毎に設けられた運転制御装置12及び監視センター17の機能構成を示している。図2において、運転制御装置12は、呼びに対応した通常の運転制御手段(図示省略)のほかに、救出運転制御手段21と安全確認運転制御手段22とを有する。また、この運転制御装置12は、前述のように、他の運転制御装置12と相互に情報の授受が可能であり、監視センター17、及び火災検知器19とも接続している。したがって、各運転制御装置12は、エレベータが設置された建物内で火災が発生した場合、火災検知器19からの信号により直ちにこれを把握することができる。
【0016】
ここで、運転制御装置12は火災検知器19からの信号により火災発生を把握するので、この状態で、ある階床から乗り場呼びが入力されると、この乗り場呼びを救出要請と判断する。
【0017】
救出運転制御手段21は、運転制御装置12が、災害発生により救出要請をある階床から受けると、対応する乗りかご(例えば、図1のA列の乗りかご11とする)を救出用かごとして救出要請のあった階床に移動させる。この救出運転制御手段21は、A列の乗りかご11を、この救出要請階では直ちに戸開させず、後述する安全確認用かご11が、救出階での安全を確認したことを条件に戸開させ、救出対象者を収容する。その後、救出用かごを予め設定した避難階に移動させる。
【0018】
安全確認運転制御手段22は、同じく救出要請があると対応する乗りかご(例えば、図1のB列の乗りかご11とする)を、前述した安全確認用かごとして救出要請のあった階床に移動させる。そして、この乗りかご11に設けられた安全確認手段23により救出要請階での災害状況を検出させる。安全確認手段23は、救出要請のあった階床のエレベータホールでの災害状況を検出可能なものである。具体的には、例えば、テレビカメラ、温度センサー、煙センサーのいずれか又はこれらの組み合わせを用いる。
【0019】
安全確認用かごとなったB列の乗りかご11は、この安全確認手段23により、救出要請のあった階床の災害状況を検出する。検出された災害状況は、対応する運転制御装置12に送られ、この運転制御装置12から、前述の救出用かごとなるA列の乗りかご11に対応する運転制御装置12に通信手段を介して送信される。
【0020】
上述した安全確認運転は、後述する救出用かご11が救出対象者を乗せて予め設定した避難階に移動する場合にも実施され、安全確認用かご11を、予め設定した避難階(外部に直接的に通じている避難用の階)に移動させ、避難階が安全か、その状況を検出し、その情報を救出用かごに伝える。
【0021】
この救出運転制御手段21及び安全確認運転制御手段22は、この実施の形態では、各運転制御装置12にそれぞれ設けている。このため、どの乗りかご11も救出用かご又は安全確認用かごとして運転することができる。どの乗りかご11を救出運転させるかは、例えば、各救出運転制御手段21に、予め救出運転順位を設定しておき、救出要請があると、救出運転順位の高い救出運転制御手段21に対応する乗りかご11を救出用かごとする。図1では、前述のように、A列の乗りかご11を救出用かごとしている。
【0022】
安全確認運転制御手段22に対する救出要請としては、例えば、救出運転制御手段21(上記例ではA列に設けられたもの)からの安全確認運転をリクエストする避難運転開始リクエストを用いてもよい。すなわち、A列の救出運転制御手段21が対応する乗りかご11を救出運転させる際、予め設定しておいたB列の安全確認運転制御手段22に安全確認運転を行うようにリクエストを発し、これに基づいてB列の乗りかご11を安全確認運転させるように構成する。もちろん,B列以外の乗りかごを安全確認用として用いてもよい。
【0023】
監視センター17には、建物内情報管理手段25、エレベータ運転管理手段26、表示手段27が設けられている。
【0024】
建物内情報管理手段25には、建物内に設置された各種センサーやテレビカメラなどからなる建物内状況検出装置18によって検出された建物内の各部の状況に関する情報、及び火災検知器などの災害検出装置19が検出した災害発生信号が入力される。エレベータ運転管理手段26は、各運転制御装置12と信号伝送ラインで接続されており、各エレベータの運転状態、すなわち、各呼びの状況や各乗りかご11の位置など、エレベータの運転に関する情報が入力される。また、この運転管理手段26は、必要に応じて、建物管理者からの運転指令などを、対応する運転制御装置12に出力する手段としても用いられる。表示手段27は、これら建物内情報入力手段25、及びエレベータ運転管理手段26に入力され管理されている情報を画面などに表示する。したがって、建物管理者は、この表示手段27を監視することにより、建物内各部の状況や各エレベータの運転状況を集中して目視管理し、必要に応じて制御することができる。
【0025】
このエレベータシステムは、災害(火災として説明)発生時に、逃げ遅れた住人が居る救出階および避難階に対して近接する(同じエレベータホールに設置された)2台のエレベータを救出用かご及び安全確認用かごとして同時に配車し、先に安全確認用かごにより、この救出階において周囲の温度や状況から災害状況を検出する。その結果、安全が確認できたならば、もう1台の救出用かごを救出階にて戸開させ、救出対象者を収容して予め設定した避難階へ避難させる。このことにより、救出階や避難階に設置された状況判断手段が、災害による影響などで破損するなど、状況判断機能を失った場合であっても、エレベータによる避難運転を継続することができる。
【0026】
以下、図3のフローチャートを用いて作用を詳述する。なお、図3において、A列は救出用かごに対応する運転制御装置の制御内容を表し、B列は安全確認用かごに対応する運転制御装置12の制御内容を表している。
【0027】
火災発生時、火災検知器19がこれを検知して、火災検出信号を出力する。エレベータの各運転制御装置12は、この火災発生信号を受けて全エレベータ乗りかご11を避難階へ引戻し、その後、待機状態とする。この待機状態において本システムがスタートする。
【0028】
逃げ遅れた住人が、ある階床(救出階)で乗り場呼びを登録すると、エレベータの運転制御装置は、この乗り場呼びを救助要請として捉え、近接する2台のエレベータ乗りかごを救出用かご及び安全確認用かごとして同時に救出階へ配車する。
【0029】
すなわち、図3では、A列の運転制御装置12が乗り場呼びを受けたものとする(ステップ301A:Yes)。この乗り場呼びを受けて、B列の安全確認用かごに対応する運転制御装置12へ避難運転開始リクエストを送信し(ステップ302A)、救助階に対する安全確認運転を行うようリクエストする。また、A列の乗りかご11を、乗り場呼び発生階(救出階)へ、救出用かごとして走行させ待機させる(ステップ303A)。この待機状態において、救助用かごは戸閉のままである。
【0030】
一方、B列の運転制御装置12は、A列から避難運転開始リクエストを受信すると(ステップ301B:Yes)、対応する乗りかご11を、乗り場呼び発生階(救出階)へ安全確認用かごとして走行させる(ステップ302B)。次に、安全確認用かごを救出階で戸開させ、かごに搭載されている安全確認手段(温度センサーやTVカメラ等)23により救出階の災害状態を検出し、検出結果から乗り場の安全を確認する(ステップ303B)。この際、避難者の安全確認用かごへの乗り込みを抑止するための表示やアナウンスを出力する。
【0031】
なお、安全確認用かごが、戸開せずに周囲の状況を検出できる構造の場合は、もちろん戸開せず災害状況検出を行う。
【0032】
この検出結果から、救出階の安全が確認できた場合(ステップ304B:Yes)、安全確認OK信号を出力する(ステップ305B)。救出階の安全が確認できない場合は(ステップ304B:No)、安全確認NG信号を出力する(ステップ306B)これら出力は、それぞれA列の運転制御装置12へ送信される。
【0033】
B列の運転制御装置12は、この後、安全確認用かごを避難階に走行させ(ステップ307B)、避難階に対しても、上述と同様の安全確認を行い(ステップ308B)、その検出結果から、避難階の安全が確認できた場合は(ステップ309B:Yes)、安全確認OK信号を出力し(ステップ310B)、避難階の安全が確認できない場合は(ステップ309B:No)、安全確認NG信号を出力し(ステップ311B)、それぞれA列の運転制御装置12へ送信する。
【0034】
これに対し、A列の運転制御装置12は、B列から受信した安全確認信号が救出階の安全確認OK信号であれば(ステップ304A:Yes)、救出用かごを戸開させて住人を回収する(ステップ305A)。一方、B列から受信した安全確認信号が救出階の安全確認NG信号であれば(ステップ304A:No)、救出用かごを戸開させず、避難運転異常信号を監視センター17側へ通報する(ステップ306A)。
【0035】
これらの後、救出用かごを避難階へ走行させ待機させる(ステップ307A)。この避難階においても、B列から受信した安全確認信号に基づき安全確認を行う。すなわち、避難階の安全確認がOK信号であれば(ステップ308A:Yes)、救出用かごを戸開させて回収した住人を降車させる。(ステップ309A)。一方、B列から受信した安全確認信号が安全確認NG信号であれば(ステップ308A:No)、救出用かごを戸開させず、避難運転異常信号を監視センター17側へ通報する(ステップ310A)。そして、他の安全が確認された階で戸開し降車させる。
【0036】
このように、救出階や避難階の状況を判断することができない場合、例えば、フロアに設置されている温度感知器やTVカメラなどが災害により故障した場合、或いは、状況を判断する手段が未設置の場合などであっても、エレベータによる避難運転を継続することが出来る。また、安全確認用かごが災害による損傷(かご内への延焼など)を受けたとしても、救出用かごの安全は保たれる。
【0037】
上記実施の形態では、救出要請は、救出指令で乗り場呼び登録であったが、監視センター17は建物の各階状況を監視しているので、この建物内の状況により、管理者が、運転管理手段26を介して出力する、監視センター17からの救出指令であってもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、安全確認運転制御手段22への救出要請は、救出運転制御手段21からの安全確認運転のリクエストであったが、これに限定されず、外部からの直接的な避難要請でもかまわない。
【0039】
また、救助用かごの救出運転は、待機状態に引き戻された乗りかごに搭乗した消防士による非常用運転オペレーションであってもよい。
【0040】
また、救出用かごには、安全確認用かごの安全確認手段23が検出した災害状況に関する情報を表示可能な表示手段を設けるとよい。すなわち、.安全確認用かごに搭載されているTVカメラにより、救出階あるいは避醗階の状況を撮影し、救出用かごのかご内ディス プレイに表示すれば、救出用かごに消防士が搭乗している場合、最終的な安全確麗を行うことができるので、より安全性が向上する。
【0041】
さらに、安全確認用かごと救出用かごの動きは、監視センター17の遠隔監視手段により遠隔操作してもよい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
11…乗りかご
12…運転制御装置
13…乗り場呼び登録装置
17…監視センター
18…建物内状況検出装置
19…災害検出装置
21…救助運転制御手段
22…安全確認運転制御手段
23…安全確認手段
25…建物内情報管理手段
26…エレベータ運転管理手段
27…表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のエレベータ乗りかごを有し、これら乗りかごをそれぞれ対応する運転制御装置により個別に昇降運転可能なエレベータシステムであって、
前記運転制御装置に設けられ、災害発生により、ある階床から救出要請があると対応する前記乗りかごを安全確認用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、この乗りかごに設けられた安全確認手段により前記救出要請階での災害状況を検出させる安全確認運転制御手段と、
前記安全確認用かごに以外の乗りかごに対応する前記運転制御装置に設けられ、前記救出要請を受けて対応する前記乗りかごを救出用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、前記安全確認用かごの安全確認手段が検出した前記救出要請階での災害状況により救出階での安全が確認されたことを条件に戸開させ、救出対象者を収容して予め設定した避難階に移動させる救出運転制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
前記安全確認手段は、救出用かごが救出対象者を収容して避難階に移動する際も、安全確認用かごにより避難階の安全を確認させ、
前記救出運転制御手段は、避難階の安全が確認されると救出用かごを避難階で戸開させ、救出用かごから降車させる
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記救出要請は、各階床に設けられた乗り場呼び登録装置からの乗り場呼び登録であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記救出要請は、建物の各階状況を監視する監視センターからの救出指令であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記安全確認運転制御手段への前記救出要請は、前記救出運転制御手段からの安全確認リクエストであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記安全確認手段は、テレビカメラ、温度センサー、煙センサーのいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記救出用かごは、前記安全確認手段が検出した災害状況に関する情報を表示可能な表示手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記救出用かごの救出運転は、予め特定した救出者が乗りかごに搭乗して行う非常用運転オペレーションにより実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
前記安全確認用かご、及び救出用かごの動きは、建物の各階状況を監視する監視センターにより遠隔操作可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
複数台のエレベータ乗りかごを有し、これら乗りかごをそれぞれ対応する運転制御装置により個別に昇降運転可能なエレベータシステムの運転制御方法であって、
前記運転制御装置は、災害発生により、ある階床から救出要請があると対応する前記乗りかごを安全確認用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、この乗りかごに設けられた安全確認手段により前記救出要請階での災害状況を検出させ、
前記安全確認用かごに以外の乗りかごに対応する前記運転制御装置は、前記救出要請を受けて対応する前記乗りかごを救出用かごとして救出要請のあった階床に移動させ、前記安全確認用かごの安全確認手段が検出した前記救出要請階での災害状況により救出階での安全が確認されたことを条件に戸開させ、救出対象者を収容して予め設定した避難階に移動させる、
ことを特徴とするエレベータシステムの運転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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