エレベータレール装置
【課題】一水平方向以外の方向の負荷が加わっても、ガイドレールが破損せず、昇降体が昇降できるガイドレール装置を得る。
【解決手段】この発明のエレベータレール装置は、第1のかご用ガイドレール部5A、この第1のかご用ガイドレール部5Aの軸線上に離間して配置された第2のかご用ガイドレール部5Bを有し、かごの昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のかご用ガイドレール5と、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に設けられた関節体11とを備え、関節体11は、かご用ガイドレール5の軸線を中心に、第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bを相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続している。
【解決手段】この発明のエレベータレール装置は、第1のかご用ガイドレール部5A、この第1のかご用ガイドレール部5Aの軸線上に離間して配置された第2のかご用ガイドレール部5Bを有し、かごの昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のかご用ガイドレール5と、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に設けられた関節体11とを備え、関節体11は、かご用ガイドレール5の軸線を中心に、第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bを相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば免振構造の建造物に適用されるエレベータレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中間の階層間で免振体を介して分けられた建造物において、エレベータの昇降路の四隅にそれぞれ可撓支柱を配置し、また隣接した可撓支柱間を水平枠で接続し、この水平枠にレールブラケットを介してガイドレールが固定されたエレベータレール装置が知られている(特許文献1参照)。
このエレベータレール装置では、地震により免振階を境にして上層階及び下層階で横揺れが生じた場合、可撓支柱も変形し、この可撓支柱に連動してガイドレールも水平方向に弾性変形するものの、その変形量が弾性限界を超えてガイドレールが破損するおそれがある。
【0003】
このようなガイドレールの水平方向の変位によるガイドレールの破損を低減させる手段を講じたエレベータレール装置も提案されている(特許文献2参照)。
このエレベータレール装置は、ガイドレールを一般階層レールと、免振階層レールとに分割し、一般階層レールは、免振階層以外の階層において固定し、免振階層レールは、その上端部を免振階層の上階層に、その下端部を免振階層の下階層に、直交する2本のピンによって回転自在に支持し、さらに免振階層レールを伸縮自在に構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−157943号公報
【特許文献2】特開平11−29275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地震の揺れはどの方向に揺れるか分からないのが実情であり、上記エレベータレール装置では、免振階層レールが一水平方向以外で揺れた場合に対応することができず、地震に対してガイドレールが破損し、かごの昇降ができない可能性が高いという問題点があった。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、ガイドレールに対して、一水平方向以外の方向の負荷が加わっても、ガイドレールが破損しにくく、昇降体が昇降できるガイドレール装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータレール装置は、第1のガイドレール部、この第1のガイドレール部の軸線上に離間して配置された第2のガイドレール部を有し、昇降体の昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のガイドレールと、
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間に設けられた関節体とを備え、
前記関節体は、前記ガイドレールの軸線を中心に、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部を相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続している。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータレール装置によれば、ガイドレールに、その軸線に対して任意の垂直方向の負荷、その軸線を中心とした曲げモーメントが加わった場合に、ガイドレールは、その方向に変位するので、過度な負荷を受けるのが防止され、例えば地震によるガイドレールの破損を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1のエレベータレール装置が取り付けられる建造物の説明図である。
【図2】図2は図1の建造物が地震の揺れにより変形したときの図である。
【図3】図3は図1の建造物の昇降路を示す平面図である。
【図4】図1の建造物にこの発明の実施の形態1のエレベータレール装置が設置されたときの図である。
【図5】図4のエレベータレール装置が地震により変形したときの図である。
【図6】図4の矢印Aの部位の拡大図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿った矢視図である。
【図8】図6のVIII-VIII線に沿った矢視図である。
【図9】図7のIX-IX線に沿った矢視断面図である。
【図10】図6のX-X線に沿った矢視断面図である。
【図11】図6のXI-XI線に沿った矢視断面図である。
【図12】図6の関節体及び捩れ規制体を示す斜視図である。
【図13】図6の直線方向案内体を示す斜視図である。
【図14】図12の分解斜視図である。
【図15】図13の分解斜視図である。
【図16】図16(a),(b)は、図6の関節体及び捩れ規制体が変形したときの図である。
【図17】図17(a),(b)は、図7の関節体が変形したときの図である。
【図18】図18(a),(b)は、図8の捩れ規制体が変形したときの図である。
【図19】昇降路の平面図である。
【図20】図19の要部斜視図である。
【図21】捩れ規制体を備えていない場合のかご用ガイドレールの捩れの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態のエレベータレール装置が設置される建造物の説明図、図2は図1の建造物が地震の揺れにより変形したときの図、図3は図1の昇降路を示す平面図である。
この建造物は、中間の階層間で免振体1を介して分離されている。この免振体1は、例えば積層ゴムで構成されている。地震時には、図2に示すように、免振体1の階層の上下において相対的な水平移動が生じる。
この建造物には、図3に示すように、エレベータ装置が設置されている。
エレベータ装置は、昇降路2内を昇降するかご3と、このかご3とロープ(図示せず)を介して接続され、かご3の昇降に連動して降昇するおもり4と、昇降路2の対向した壁それぞれの面に沿って上下に延びて設けられ、かご3を案内する一対のかご用ガイドレール5と、昇降路2の同一壁面に沿って上下に延びて設けられ、おもり4を案内する一対のおもり用ガイドレール6とを備えている。
【0011】
かご用ガイドレール5及びおもり用ガイドレー6の周囲であって、昇降路2の四隅には、上下方向に延びた可撓支柱7が設けられている。この可撓支柱7は、通常の鋼材であり、その上端部は免振体1の階層よりも1階上の階層(32階)に固定されている。この可撓支柱7の下端部は免振体1の階層よりも1階下の階層(30階)に固定されている。
隣接した可撓支柱7同士は、免振階(31階)の上部及び下部で水平枠8で連結されている。
【0012】
図4は図1の建造物に実施の形態1のエレベータレール装置が設置された図である。
このエレベータレール装置では、上下の各水平枠8には、中間部でかご用ブラケット9を介してかご用ガイドレール5が固定されている。また、上下の各水平枠8には、中間部でおもり用ブラケット10を介しておもり用ガイドレール6が固定されている。
従って、地震時には、図5に示すように、かご用レール5及びおもり用レール6は、可撓支柱7の変形に応じて曲げ変形する。
【0013】
図6は図4の矢印Aの部位の拡大図、図7は図6のVII-VII線に沿った矢視図、図8は図6のVIII-VIII線に沿った矢視図、図9は図7のIX-IX線に沿った矢視断面図、図10は図6のX-X線に沿った矢視断面図、図11は図6のXI-XI線に沿った矢視断面図、図12は図6の関節体11及び捩れ規制体12を示す斜視図、図13は第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用レール部5Cとの接続部位を示す斜視図、図14は図12の分解斜視図、図15は図13の分解斜視図である。
この発明のエレベータレール装置では、断面T字形状のかご用ガイドレール部5は、第1のかご用ガイドレール部5A、第2のかご用ガイドレール部5B及び第3のかご用ガイドレール部5Cを有している。
第1のかご用ガイドレール部5Aの一端部は、第2のかご用ガイドレール部5Bと関節体11を介して自在に接続されている。また、第1のかご用ガイドレール部5Aの一端部は、第2のかご用ガイドレール部5Bと相対的な捩れを規制した捩れ規制体12を介して接続されている。
第1のかご用ガイドレール部5Aは、第3のかご用レール部5Cと直線方向案内体40を介して軸線方向に相対移動可能に接続されている。
【0014】
第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aの端部及び第2のかご用ガイドレール部5Bの直立部21Bの端部には、それぞれ先端部に向かって先細のテーパ面25A,25Bが形成されており、また軸線方向に対して直交した貫通孔26A,26Bが形成されている。また、各直立部21A,21Bの先端面には、球面部27A,27Bが形成されている。
【0015】
関節体11は、貫通孔14a及び座面14bを有するとともに、球面部27A,27Bに面接触した球14と、座面14bに面接触した球状の頭部15aを有し対向した一対のボルト15と、頭部15a側が曲面の座金16と、ボルト15の端部に座金16を介して螺着されたナット17とを有している。
【0016】
捩れ規制体12は、先端部が球14に螺着された規制棒18と、第1のかご用ガイドレール部5Aの基部20A及び第2のかご用ガイドレール部5Bの基部20Bのそれぞれに重なって固定されているとともに長穴19を有するガイド板19A,19Bとを有している。
【0017】
直線方向案内体40は、断面コ字形状であって第1のかご用ガイドレール部5Aの基部20Aの端部と第3のかご用ガイドレール部5Cの基部20Cの端部とに軸線方向に摺動自在に跨って設けられた摺動片22と、第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aに形成されたガイド穴23と、第3のかご用ガイドレール部5Cの直立部21Cの端部に形成されガイド穴23に摺動する突出部24とから構成されている。
なお、直立部21Aに突出部24を形成し、直立部21Cにガイド穴23を形成するようにしてもよい。
【0018】
なお、上記説明では、上記エレベータレール装置として、昇降体であるかご3の昇降を案内するかご用ガイドレール5について説明したが、この発明のエレベータレール装置は、昇降体であるおもり4の昇降を案内するおもり用ガイドレール6にも適用されており、構成はかご用ガイドレール5と同じであるので、その説明は省略する。
【0019】
この実施の形態によるエレベータレール装置では、建造物に地震の揺れが生じた場合、図5に示すように可撓支柱7は変形し、水平枠8にかご用ブラケット9を介して固定されたかご用ガイドレール5、おもり用ブラケット10を介して固定されたおもり用ガイドレール6も変形する。
図16(a),(b)は、図6のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図、図17(a),(b)は、図7のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図、図18(a),(b)は、図8のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図である。
【0020】
これらの図から分かるように、免振階での可撓支柱7が変形しても、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に設けられた関節体11を中心にして回動可能であって、かつ任意な方向に屈曲する。
従って、かご用ガイドレール5に対する任意な方向の負荷に対して柔軟に対応することができ、かご用ガイドレール5に過大な負荷が加わるのが防止され、かご用ガイドレール5の地震による破損を低減することができる。
【0021】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aの端部及び第2のかご用ガイドレール部5Bの直立部21Bの端部には、それぞれ先端部に向かって先細のテーパ面25A,25Bが形成されている。
従って、例えばかご3が走行中に地震が発生し、かご用ガイドレール5が関節体11を境にして屈曲変形したときに、図19及び図20に示す、かご3の上下にそれぞれ取り付けられたかご枠28に固定されたガイドシュー29は、隣接した直立部21A,21B間でも円滑に移動することができ、かご3は、そのままかご用ガイドレール5に沿って走行を継続することができる。
なお、先細のテーパ面25A,25Bの代りに、関節体11に向かった先細の曲面形状であってもよい。
【0022】
また、関節体11の球14には、水平方向に沿って貫通孔14aが形成され、また第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bには、貫通孔26A,26Bが形成されている。
従って、ボルト15、座金16及びナット17を用いて、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの球14を介しての連結作業を、貫通孔14a,26A,26Bを通じて円滑に行うことができる。
また、ナット17の調整により、ボルト15の頭部15aの球14の座面14bに対する面圧を調整し、かご用ガイドレール5の関節体11での屈曲強度を調整することができる。
【0023】
また、捩れ規制体12を備えていない場合には、可撓支柱7の変形によっては、第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bは、図21に示すように球14を中心にしてそれぞれ反対方向に回動し、かご用ガイドレール5には、捩れが生じる。
これに対して、この実施の形態のエレベータレール装置では、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に捩れ規制体12が設けられているので、かご用ガイドレール5の捩れの発生を抑制することができる。
従って、例えばかご3が走行中に地震が発生しても、かご用ガイドレール5は球14を中心としたに捩れ変形が抑制され、隣接した直立部21A,21B間でもガイドシュー29は円滑に移動することができ、かご3は、そのままかご用ガイドレール5に沿って走行を継続することができる。
【0024】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aのガイド板19Aと第2のかご用ガイドレール部5Bのガイド板19Bとは、重ねられており、ガイド板19A,19Bの面に沿った方向の干渉を防止することができる。
【0025】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとは直線方向案内体40を介して接続されているので、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとは軸線方向に沿って相対的に移動する。
従って、免振階での可撓支柱7の変形に連動してかご用ガイドレール5が軸線方向に負荷が加わったときに、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとの間で直線方向案内体40に案内されて変動するので、かご用ガイドレール5に対する軸線方向の負荷に対して柔軟に対応することができ、かご用ガイドレール5に過大な負荷が加わるのが防止され、かご用ガイドレール5の地震による破損を低減することができる。
【0026】
なお、上記説明では、上記エレベータレール装置として、昇降体であるかご3の昇降を案内するかご用ガイドレール5の作用、効果について説明したが、おもり用ガイドレール6についても、かご用ガイドレール5と同様の作用、効果を得ることができるは勿論である。
【0027】
また、上記実施の形態では、隣接した可撓支柱7を連結した水平枠8を有する建造物であって、この水平枠8にかご用ガイドレール5を固定した例で説明したが、この発明は、免振体1を有するも可撓支柱7及び水平枠8の無い建造物にも適用することができるし、免振体1、可撓支柱7及び水平枠8も無い建造物でも適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 免振体、2 昇降路、3 かご、4 おもり、5 かご用ガイドレール、5A 第1のかご用ガイドレール部、5B 第2のかご用ガイドレール部、5C 第3のかご用ガイドレール部、6 おもり用ガイドレール、7 可撓支柱、8 水平枠、9 かご用ブラケット、10 おもり用ブラケット、11 関節体、12 捩れ規制体、14 球、14a 貫通孔、14b 座面、15 ボルト、15a 頭部、16 座金、17 ナット、18 規制棒、19A,19B ガイド板、20A,20B,20C 基部、21A,21B,21C 直立部、22 摺動片、23 ガイド穴、25A,25B テーパ面、26A,26B 貫通孔、27A,27B 球面部、28 かご枠、29 ガイドシュー、40 直線方向案内体。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば免振構造の建造物に適用されるエレベータレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中間の階層間で免振体を介して分けられた建造物において、エレベータの昇降路の四隅にそれぞれ可撓支柱を配置し、また隣接した可撓支柱間を水平枠で接続し、この水平枠にレールブラケットを介してガイドレールが固定されたエレベータレール装置が知られている(特許文献1参照)。
このエレベータレール装置では、地震により免振階を境にして上層階及び下層階で横揺れが生じた場合、可撓支柱も変形し、この可撓支柱に連動してガイドレールも水平方向に弾性変形するものの、その変形量が弾性限界を超えてガイドレールが破損するおそれがある。
【0003】
このようなガイドレールの水平方向の変位によるガイドレールの破損を低減させる手段を講じたエレベータレール装置も提案されている(特許文献2参照)。
このエレベータレール装置は、ガイドレールを一般階層レールと、免振階層レールとに分割し、一般階層レールは、免振階層以外の階層において固定し、免振階層レールは、その上端部を免振階層の上階層に、その下端部を免振階層の下階層に、直交する2本のピンによって回転自在に支持し、さらに免振階層レールを伸縮自在に構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−157943号公報
【特許文献2】特開平11−29275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地震の揺れはどの方向に揺れるか分からないのが実情であり、上記エレベータレール装置では、免振階層レールが一水平方向以外で揺れた場合に対応することができず、地震に対してガイドレールが破損し、かごの昇降ができない可能性が高いという問題点があった。
【0006】
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、ガイドレールに対して、一水平方向以外の方向の負荷が加わっても、ガイドレールが破損しにくく、昇降体が昇降できるガイドレール装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータレール装置は、第1のガイドレール部、この第1のガイドレール部の軸線上に離間して配置された第2のガイドレール部を有し、昇降体の昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のガイドレールと、
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間に設けられた関節体とを備え、
前記関節体は、前記ガイドレールの軸線を中心に、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部を相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続している。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータレール装置によれば、ガイドレールに、その軸線に対して任意の垂直方向の負荷、その軸線を中心とした曲げモーメントが加わった場合に、ガイドレールは、その方向に変位するので、過度な負荷を受けるのが防止され、例えば地震によるガイドレールの破損を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1のエレベータレール装置が取り付けられる建造物の説明図である。
【図2】図2は図1の建造物が地震の揺れにより変形したときの図である。
【図3】図3は図1の建造物の昇降路を示す平面図である。
【図4】図1の建造物にこの発明の実施の形態1のエレベータレール装置が設置されたときの図である。
【図5】図4のエレベータレール装置が地震により変形したときの図である。
【図6】図4の矢印Aの部位の拡大図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿った矢視図である。
【図8】図6のVIII-VIII線に沿った矢視図である。
【図9】図7のIX-IX線に沿った矢視断面図である。
【図10】図6のX-X線に沿った矢視断面図である。
【図11】図6のXI-XI線に沿った矢視断面図である。
【図12】図6の関節体及び捩れ規制体を示す斜視図である。
【図13】図6の直線方向案内体を示す斜視図である。
【図14】図12の分解斜視図である。
【図15】図13の分解斜視図である。
【図16】図16(a),(b)は、図6の関節体及び捩れ規制体が変形したときの図である。
【図17】図17(a),(b)は、図7の関節体が変形したときの図である。
【図18】図18(a),(b)は、図8の捩れ規制体が変形したときの図である。
【図19】昇降路の平面図である。
【図20】図19の要部斜視図である。
【図21】捩れ規制体を備えていない場合のかご用ガイドレールの捩れの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態のエレベータレール装置が設置される建造物の説明図、図2は図1の建造物が地震の揺れにより変形したときの図、図3は図1の昇降路を示す平面図である。
この建造物は、中間の階層間で免振体1を介して分離されている。この免振体1は、例えば積層ゴムで構成されている。地震時には、図2に示すように、免振体1の階層の上下において相対的な水平移動が生じる。
この建造物には、図3に示すように、エレベータ装置が設置されている。
エレベータ装置は、昇降路2内を昇降するかご3と、このかご3とロープ(図示せず)を介して接続され、かご3の昇降に連動して降昇するおもり4と、昇降路2の対向した壁それぞれの面に沿って上下に延びて設けられ、かご3を案内する一対のかご用ガイドレール5と、昇降路2の同一壁面に沿って上下に延びて設けられ、おもり4を案内する一対のおもり用ガイドレール6とを備えている。
【0011】
かご用ガイドレール5及びおもり用ガイドレー6の周囲であって、昇降路2の四隅には、上下方向に延びた可撓支柱7が設けられている。この可撓支柱7は、通常の鋼材であり、その上端部は免振体1の階層よりも1階上の階層(32階)に固定されている。この可撓支柱7の下端部は免振体1の階層よりも1階下の階層(30階)に固定されている。
隣接した可撓支柱7同士は、免振階(31階)の上部及び下部で水平枠8で連結されている。
【0012】
図4は図1の建造物に実施の形態1のエレベータレール装置が設置された図である。
このエレベータレール装置では、上下の各水平枠8には、中間部でかご用ブラケット9を介してかご用ガイドレール5が固定されている。また、上下の各水平枠8には、中間部でおもり用ブラケット10を介しておもり用ガイドレール6が固定されている。
従って、地震時には、図5に示すように、かご用レール5及びおもり用レール6は、可撓支柱7の変形に応じて曲げ変形する。
【0013】
図6は図4の矢印Aの部位の拡大図、図7は図6のVII-VII線に沿った矢視図、図8は図6のVIII-VIII線に沿った矢視図、図9は図7のIX-IX線に沿った矢視断面図、図10は図6のX-X線に沿った矢視断面図、図11は図6のXI-XI線に沿った矢視断面図、図12は図6の関節体11及び捩れ規制体12を示す斜視図、図13は第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用レール部5Cとの接続部位を示す斜視図、図14は図12の分解斜視図、図15は図13の分解斜視図である。
この発明のエレベータレール装置では、断面T字形状のかご用ガイドレール部5は、第1のかご用ガイドレール部5A、第2のかご用ガイドレール部5B及び第3のかご用ガイドレール部5Cを有している。
第1のかご用ガイドレール部5Aの一端部は、第2のかご用ガイドレール部5Bと関節体11を介して自在に接続されている。また、第1のかご用ガイドレール部5Aの一端部は、第2のかご用ガイドレール部5Bと相対的な捩れを規制した捩れ規制体12を介して接続されている。
第1のかご用ガイドレール部5Aは、第3のかご用レール部5Cと直線方向案内体40を介して軸線方向に相対移動可能に接続されている。
【0014】
第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aの端部及び第2のかご用ガイドレール部5Bの直立部21Bの端部には、それぞれ先端部に向かって先細のテーパ面25A,25Bが形成されており、また軸線方向に対して直交した貫通孔26A,26Bが形成されている。また、各直立部21A,21Bの先端面には、球面部27A,27Bが形成されている。
【0015】
関節体11は、貫通孔14a及び座面14bを有するとともに、球面部27A,27Bに面接触した球14と、座面14bに面接触した球状の頭部15aを有し対向した一対のボルト15と、頭部15a側が曲面の座金16と、ボルト15の端部に座金16を介して螺着されたナット17とを有している。
【0016】
捩れ規制体12は、先端部が球14に螺着された規制棒18と、第1のかご用ガイドレール部5Aの基部20A及び第2のかご用ガイドレール部5Bの基部20Bのそれぞれに重なって固定されているとともに長穴19を有するガイド板19A,19Bとを有している。
【0017】
直線方向案内体40は、断面コ字形状であって第1のかご用ガイドレール部5Aの基部20Aの端部と第3のかご用ガイドレール部5Cの基部20Cの端部とに軸線方向に摺動自在に跨って設けられた摺動片22と、第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aに形成されたガイド穴23と、第3のかご用ガイドレール部5Cの直立部21Cの端部に形成されガイド穴23に摺動する突出部24とから構成されている。
なお、直立部21Aに突出部24を形成し、直立部21Cにガイド穴23を形成するようにしてもよい。
【0018】
なお、上記説明では、上記エレベータレール装置として、昇降体であるかご3の昇降を案内するかご用ガイドレール5について説明したが、この発明のエレベータレール装置は、昇降体であるおもり4の昇降を案内するおもり用ガイドレール6にも適用されており、構成はかご用ガイドレール5と同じであるので、その説明は省略する。
【0019】
この実施の形態によるエレベータレール装置では、建造物に地震の揺れが生じた場合、図5に示すように可撓支柱7は変形し、水平枠8にかご用ブラケット9を介して固定されたかご用ガイドレール5、おもり用ブラケット10を介して固定されたおもり用ガイドレール6も変形する。
図16(a),(b)は、図6のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図、図17(a),(b)は、図7のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図、図18(a),(b)は、図8のエレベータレール装置のかご用ガイドレール5の部位が変形したときの図である。
【0020】
これらの図から分かるように、免振階での可撓支柱7が変形しても、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に設けられた関節体11を中心にして回動可能であって、かつ任意な方向に屈曲する。
従って、かご用ガイドレール5に対する任意な方向の負荷に対して柔軟に対応することができ、かご用ガイドレール5に過大な負荷が加わるのが防止され、かご用ガイドレール5の地震による破損を低減することができる。
【0021】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aの直立部21Aの端部及び第2のかご用ガイドレール部5Bの直立部21Bの端部には、それぞれ先端部に向かって先細のテーパ面25A,25Bが形成されている。
従って、例えばかご3が走行中に地震が発生し、かご用ガイドレール5が関節体11を境にして屈曲変形したときに、図19及び図20に示す、かご3の上下にそれぞれ取り付けられたかご枠28に固定されたガイドシュー29は、隣接した直立部21A,21B間でも円滑に移動することができ、かご3は、そのままかご用ガイドレール5に沿って走行を継続することができる。
なお、先細のテーパ面25A,25Bの代りに、関節体11に向かった先細の曲面形状であってもよい。
【0022】
また、関節体11の球14には、水平方向に沿って貫通孔14aが形成され、また第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bには、貫通孔26A,26Bが形成されている。
従って、ボルト15、座金16及びナット17を用いて、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの球14を介しての連結作業を、貫通孔14a,26A,26Bを通じて円滑に行うことができる。
また、ナット17の調整により、ボルト15の頭部15aの球14の座面14bに対する面圧を調整し、かご用ガイドレール5の関節体11での屈曲強度を調整することができる。
【0023】
また、捩れ規制体12を備えていない場合には、可撓支柱7の変形によっては、第1のかご用ガイドレール部5A及び第2のかご用ガイドレール部5Bは、図21に示すように球14を中心にしてそれぞれ反対方向に回動し、かご用ガイドレール5には、捩れが生じる。
これに対して、この実施の形態のエレベータレール装置では、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第2のかご用ガイドレール部5Bとの間に捩れ規制体12が設けられているので、かご用ガイドレール5の捩れの発生を抑制することができる。
従って、例えばかご3が走行中に地震が発生しても、かご用ガイドレール5は球14を中心としたに捩れ変形が抑制され、隣接した直立部21A,21B間でもガイドシュー29は円滑に移動することができ、かご3は、そのままかご用ガイドレール5に沿って走行を継続することができる。
【0024】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aのガイド板19Aと第2のかご用ガイドレール部5Bのガイド板19Bとは、重ねられており、ガイド板19A,19Bの面に沿った方向の干渉を防止することができる。
【0025】
また、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとは直線方向案内体40を介して接続されているので、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとは軸線方向に沿って相対的に移動する。
従って、免振階での可撓支柱7の変形に連動してかご用ガイドレール5が軸線方向に負荷が加わったときに、かご用ガイドレール5は、第1のかご用ガイドレール部5Aと第3のかご用ガイドレール部5Cとの間で直線方向案内体40に案内されて変動するので、かご用ガイドレール5に対する軸線方向の負荷に対して柔軟に対応することができ、かご用ガイドレール5に過大な負荷が加わるのが防止され、かご用ガイドレール5の地震による破損を低減することができる。
【0026】
なお、上記説明では、上記エレベータレール装置として、昇降体であるかご3の昇降を案内するかご用ガイドレール5の作用、効果について説明したが、おもり用ガイドレール6についても、かご用ガイドレール5と同様の作用、効果を得ることができるは勿論である。
【0027】
また、上記実施の形態では、隣接した可撓支柱7を連結した水平枠8を有する建造物であって、この水平枠8にかご用ガイドレール5を固定した例で説明したが、この発明は、免振体1を有するも可撓支柱7及び水平枠8の無い建造物にも適用することができるし、免振体1、可撓支柱7及び水平枠8も無い建造物でも適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 免振体、2 昇降路、3 かご、4 おもり、5 かご用ガイドレール、5A 第1のかご用ガイドレール部、5B 第2のかご用ガイドレール部、5C 第3のかご用ガイドレール部、6 おもり用ガイドレール、7 可撓支柱、8 水平枠、9 かご用ブラケット、10 おもり用ブラケット、11 関節体、12 捩れ規制体、14 球、14a 貫通孔、14b 座面、15 ボルト、15a 頭部、16 座金、17 ナット、18 規制棒、19A,19B ガイド板、20A,20B,20C 基部、21A,21B,21C 直立部、22 摺動片、23 ガイド穴、25A,25B テーパ面、26A,26B 貫通孔、27A,27B 球面部、28 かご枠、29 ガイドシュー、40 直線方向案内体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガイドレール部、この第1のガイドレール部の軸線上に離間して配置された第2のガイドレール部を有し、昇降体の昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のガイドレールと、
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間に設けられた関節体とを備え、
前記関節体は、前記ガイドレールの軸線を中心に、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部を相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続していることを特徴とするエレベータレール装置。
【請求項2】
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間には、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部の前記軸線を中心とした回動を規制して前記ガイドレールの捩れを規制する捩れ規制体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータレール装置。
【請求項3】
前記第1のガイドレール部は、前記関節体と反対側の端部で直線方向案内体を介して第3のガイドレール部と接続されており、
前記直線方向案内体により、前記第1のガイドレール部と前記第3のガイドレール部とは同一軸線上に沿って相対移動可能になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータレール装置。
【請求項4】
前記関節体は、前記軸線に対して直角方向に沿って貫通した貫通孔及び内面に座面を有する中空の球と、この座面に面接触した球状の頭部を有する一対のボルトとを備え、
前記球は、前記第1のガイドレール部の先端面及び前記第2のガイドレール部の先端面にそれぞれ形成された球面部に面接触し、
各前記ボルトは、前記頭部が前記座面に面接触しているとともに、頭部と反対側の端部が前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部のそれぞれの端部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエレベータレール装置。
【請求項5】
前記捩れ規制体は、先端部が前記球に固定された規制棒と、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部の端部から互いに軸線方向に重なって突出したガイド板とを備え、
前記規制棒は、先端部が前記ガイド板に形成された長穴に遊挿されていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータレール装置。
【請求項6】
前記直線方向案内体は、断面コ字形状であって前記第1のガイドレール部の基部の両縁部と前記第3のガイドレール部の基部の両縁部に摺動自在に跨って設けられた摺動片と、前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第3のガイドレール部の直立部の一方に形成されたガイド穴と、前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第3のガイドレール部の直立部の他方に形成され前記ガイド穴に摺動する突出部とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータレール装置。
【請求項7】
前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第2のガイドレール部の直立部の前記関節体側のそれぞれの端部には、関節体に向かって先細の面が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のエレベータレール装置。
【請求項8】
中間の階層間で免振体を有する免振階を介して分離されているとともに、昇降路に沿って前記ガイドレールが延設された建造物であって、
前記関節体は、前記免振階の前記ガイドレールの部位に設けられることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【請求項9】
前記免振階の上階層及び下階層に両端部がそれぞれ固定されて前記昇降路の四隅にそれぞれ設けられた可撓支柱と、隣接した前記可撓支柱間を連結した水平枠とを有する前記建造物であって、
前記ガイドレールは、前記水平枠に固定されることを特徴とする請求項8に記載されたエレベータレール装置。
【請求項10】
前記昇降体はかごであり、前記ガイドレールはかご用ガイドレールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【請求項11】
前記昇降体は釣合おもりであり、前記ガイドレールは釣合おもり用ガイドレールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【請求項1】
第1のガイドレール部、この第1のガイドレール部の軸線上に離間して配置された第2のガイドレール部を有し、昇降体の昇降を案内し、基部及び基部から直立した直立部からなる断面T字形状のガイドレールと、
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間に設けられた関節体とを備え、
前記関節体は、前記ガイドレールの軸線を中心に、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部を相対的に回動可能に、かつ任意の方向に屈曲可能に接続していることを特徴とするエレベータレール装置。
【請求項2】
前記第1のガイドレール部と前記第2のガイドレール部との間には、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部の前記軸線を中心とした回動を規制して前記ガイドレールの捩れを規制する捩れ規制体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータレール装置。
【請求項3】
前記第1のガイドレール部は、前記関節体と反対側の端部で直線方向案内体を介して第3のガイドレール部と接続されており、
前記直線方向案内体により、前記第1のガイドレール部と前記第3のガイドレール部とは同一軸線上に沿って相対移動可能になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータレール装置。
【請求項4】
前記関節体は、前記軸線に対して直角方向に沿って貫通した貫通孔及び内面に座面を有する中空の球と、この座面に面接触した球状の頭部を有する一対のボルトとを備え、
前記球は、前記第1のガイドレール部の先端面及び前記第2のガイドレール部の先端面にそれぞれ形成された球面部に面接触し、
各前記ボルトは、前記頭部が前記座面に面接触しているとともに、頭部と反対側の端部が前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部のそれぞれの端部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエレベータレール装置。
【請求項5】
前記捩れ規制体は、先端部が前記球に固定された規制棒と、前記第1のガイドレール部及び前記第2のガイドレール部の端部から互いに軸線方向に重なって突出したガイド板とを備え、
前記規制棒は、先端部が前記ガイド板に形成された長穴に遊挿されていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータレール装置。
【請求項6】
前記直線方向案内体は、断面コ字形状であって前記第1のガイドレール部の基部の両縁部と前記第3のガイドレール部の基部の両縁部に摺動自在に跨って設けられた摺動片と、前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第3のガイドレール部の直立部の一方に形成されたガイド穴と、前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第3のガイドレール部の直立部の他方に形成され前記ガイド穴に摺動する突出部とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエレベータレール装置。
【請求項7】
前記第1のガイドレール部の直立部及び前記第2のガイドレール部の直立部の前記関節体側のそれぞれの端部には、関節体に向かって先細の面が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のエレベータレール装置。
【請求項8】
中間の階層間で免振体を有する免振階を介して分離されているとともに、昇降路に沿って前記ガイドレールが延設された建造物であって、
前記関節体は、前記免振階の前記ガイドレールの部位に設けられることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【請求項9】
前記免振階の上階層及び下階層に両端部がそれぞれ固定されて前記昇降路の四隅にそれぞれ設けられた可撓支柱と、隣接した前記可撓支柱間を連結した水平枠とを有する前記建造物であって、
前記ガイドレールは、前記水平枠に固定されることを特徴とする請求項8に記載されたエレベータレール装置。
【請求項10】
前記昇降体はかごであり、前記ガイドレールはかご用ガイドレールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【請求項11】
前記昇降体は釣合おもりであり、前記ガイドレールは釣合おもり用ガイドレールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載されたエレベータレール装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−91558(P2013−91558A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235294(P2011−235294)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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