説明

エレベータ

【課題】昇降路により2つに区分した領域のうち一方の領域の乗客の通行箇所の規模が制限される場合でも、通行にかかる混雑緩和を実現する。
【解決手段】朝方に乗車客が多く、夕方に降車客が多い駅において、朝方は、乗車客が、第2乗り場21より大きい第1乗り場20、および、第2ホーム22より大きい第1ホーム23を利用するように、改札表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bに連絡口の種別の適切な表示をさせ、かご2に乗った乗客を、同一領域に属する改札およびホーム間で輸送する。夕方になると、降車客が第1乗り場20および第1ホーム23を利用するように、改札表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bによる連絡口の種別を対となる種別に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、領域を2つに区分する境界に設けられ、かごが双方向の扉を有するエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、改札とホームとの間に高低差がある駅舎では、身障者やお年寄りの便宜を図るためにエレベータを設置する場合がある。また、駅舎の立地条件によっては乗車専用ホームと降車専用ホームが階床で分かれていたり、人の乗降が大きい駅ビル等では混雑緩和のために改札の出入口が階床で分かれていたりする場合がある。
【0003】
このような場合、乗車専用ホームと降車専用ホーム、あるいは、入口用改札と出口用改札がそれぞれ境界で仕切られているため、別個にエレベータを設けることが考えられるが、駅舎の立地条件や経済上などの理由から、2台のエレベータを設けることが困難である場合には、例えば特許文献1に開示されたように、かごの前後方向にそれぞれ扉を設けた1台のエレベータを境界部分に設けることが考えられている。
【0004】
図7は、区分した領域の境界部分に昇降路を設置した従来のエレベータの構成例を示す図である。
このエレベータでは、昇降路31は所定の領域を区分する境界に設けられており、この昇降路31内をかご32が昇降する。かご32は駆動装置39aによりロープ39bを介してカウンタウエイト39cとの釣り合いによって昇降する。
【0005】
かご32は双方向、即ち、前面扉33aおよび背面扉33bを有する。前面扉33aおよび背面扉33bの近傍には、かご内操作盤34が設けられる。かご内操作盤34は、かご呼びを発生させる押釦スイッチおよび扉開閉押釦スイッチを有する。また、かご32内の前面扉33aおよび背面扉33bの近傍には、エレベータの運転内容を報知するために音声および表示出力を行なうかご内出力装置36が設けられる。
【0006】
所定の領域とは、かご2の前面扉33aが面する第1の領域、および、背面扉33bが面する第2の領域でなる。図7に示すように、昇降路31の上部には、当該昇降路31で区分された第1の領域に入口専用乗り場51aを有し、第2の領域に出口専用乗り場51bを有する共通階床が設けられる。
【0007】
つまり、かご32が共通階床に着床した場合には、前面扉33aが入口専用乗り場51aの乗り場扉41に面し、かつ、背面扉33bが出口専用乗り場51bの乗り場扉41に面する。また、入口専用乗り場51aには改札42aが設けられ、出口専用乗り場51bには改札42bが設けられる。
【0008】
2つの専用乗り場51a,51bの下階には、第1の制限階床および第2の制限階床が設けられる。第1の制限階床は第1の領域に属し、第2の制限階床は第2の領域に属する。つまり、かご32が第1の制限階床に着床した場合には、前面扉33aおよび背面扉33bのうち前面扉33aのみが乗車専用ホーム53の乗り場扉41に面し、かご32が第2の制限階床に着床した場合には、前面扉33aおよび背面扉33bのうち背面扉33bのみが降車専用ホ一ム52の乗り場扉41に面する。
【0009】
第1の制限階床の高さは第2の制限階床の高さより低い。第1の制限階床には乗車専用ホーム53が設けられ、第2の制限階床には降車専用ホ一ム52が設けられる。各々の乗り場51a,51b、および、ホーム52,53には乗り場呼びを発生させる釦を有する乗り場呼び登録装置37が設けられると共に、エレベータの運転内容を報知するために音声および表示出力を行なう乗り場出力装置38が設けられる。
【0010】
また、かご32の運転制御を司る制御装置40は、かご内操作盤34、かご内出力装置36、乗り場呼び登録装置37、乗り場出力装置38と接続されており、図示は省略するが、各所の乗り場扉41のうち一つを構成する三方枠の戸袋内に設けられる。制御装置40は、かご32の、前面扉33aおよび背面扉33bのうち、乗り場呼びに応答した側の扉(この扉に面する乗り場扉41を含む)のみ開閉し、反対側の扉の開閉を禁止するよう制御する。
【0011】
つまり、かご32は、同じ第1の領域に属する入口専用乗り場51aと乗車専用ホーム53、または、同じ第2の領域に属する降車専用ホーム52と出口専用乗り場51bとの間で乗客を輸送するべく、昇降および扉開閉する。
【特許文献1】特開2001−302144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した各ホーム、および、このホームと連絡する改札側乗り場の通行人数は、時間帯によって大きく異なる。例えば、朝方において一方の改札の通行人数が多く、他方の改札の通行人数が少ない場合には、夕方においては、前述した一方の改札の通行人数が少なくなり、かつ、前述した他方の改札の通行人数が多くなる場合が多い。
【0013】
通常、ホーム、および、このホームと連絡する改札側乗り場の規模は、通行人数のピーク時に利用客がスムーズに通行できるような規模であることが望ましいが、建物の立地条件や経済的な理由により、一方の領域に属するホームおよび改札側乗り場の規模を必要十分な規模とすることができない場合がある。この場合には当該領域における乗客の輸送をスムーズに行なえない。
【0014】
そこで、本発明の目的は、昇降路により2つに区分した領域のうち一方の領域の乗客の通行箇所の規模が制限される場合でも、通行にかかる混雑緩和を実現することが可能になるエレベータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、本発明に係わるエレベータは、一方の領域と他方の領域とを区分する昇降路と、前後双方向に扉を有し、一方の扉が一方の領域の乗り場との間の連絡口となり、他方の扉が他方の領域の乗り場との間の連絡口となるかごと、このかごが着床した際に当該かごの一方の扉が面し、かつ、かごとの連絡口を、当該かごへの入口およびかごからの出口のいずれかとして用いる第1の乗り場と、第1の乗り場が設けられる階床と同じ階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの他方の扉が面し、かごとの連絡口の種別が第1の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が第1の乗り場と比較して小さい第2の乗り場と、第1および第2の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの一方の扉のみが面し、かつ、かごとの連絡口の種別が第1の乗り場の連絡口の種別と対となる第3の乗り場と、第3の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの他方の扉のみが面し、かごとの連絡口の種別が第2の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が第3の乗り場の規模と比較して小さい第4の乗り場とを備え、第1および第3の乗り場間、または、第2の乗り場および第4の乗り場間で乗客を輸送するべく、かごの動作を制御し、第1乃至第4の乗り場にそれぞれ設置し、同一領域における上部の乗り場から下部の乗り場に移動する乗客、および、同一領域における下部の乗り場から上部の乗り場に移動する乗客のうち人数の多い方が第1および第3の乗り場間を移動するように、設置箇所となる乗り場の連絡口の種別を報知し、予め定めた条件にしたがって、報知する連絡口の種別を対となる種別に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係わるエレベータでは、一方の領域と他方の領域とを区分する昇降路と、前後双方向に扉を有し、一方の扉が一方の領域の乗り場との間の連絡口となり、他方の扉が他方の領域の乗り場との間の連絡口となるかごと、このかごが着床した際に当該かごの一方の扉が面し、かつ、かごとの連絡口を、当該かごへの入口およびかごからの出口のいずれかとして用いる第1の乗り場と、第1の乗り場が設けられる階床と同じ階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの他方の扉が面し、かごとの連絡口の種別が第1の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が第1の乗り場と比較して小さい第2の乗り場と、第1および第2の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの一方の扉のみが面し、かつ、かごとの連絡口の種別が第1の乗り場の連絡口の種別と対となる第3の乗り場と、第3の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、かごが着床した際に当該かごの他方の扉のみが面し、かごとの連絡口の種別が第2の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が第3の乗り場の規模と比較して小さい第4の乗り場とを備え、第1および第3の乗り場間、または、第2の乗り場および第4の乗り場間で乗客を輸送するべく、かごの動作を制御し、第1乃至第4の乗り場にそれぞれ設置し、同一領域における上部の乗り場から下部の乗り場に移動する乗客、および、同一領域における下部の乗り場から上部の乗り場に移動する乗客のうち人数の多い方が第1および第3の乗り場間を移動するように、設置箇所となる乗り場の連絡口の種別を報知し、予め定めた条件にしたがって、報知する連絡口の種別を対となる種別に切り替えるので、昇降路により2つに区分した領域のうち一方の領域の乗客の通行箇所の規模が制限される場合でも、通行にかかる混雑緩和を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にしたがったエレベータの構成例を示す図である。このエレベータは駅舎に設置されるものである。
【0018】
本発明の実施形態にしたがったエレベータでは、昇降路1は第1の領域および第2の領域を区分する境界に設けられており、この昇降路1内をかご2が昇降する。かご2は駆動装置9aによりロープ9bを介してカウンタウエイト9cとの釣り合いによって昇降する。かご2の駆動方式は油圧方式など他の方式であってもよい。
【0019】
かご2は、第1の領域と面する前面扉3a、および、第2の領域と面する背面扉3bを有する。昇降路1の上部には共通階床が設けられる。共通階床において、第1の領域には第1乗り場20が設けられ、第2の領域には第2乗り場21が設けられる。つまり、かご2が共通階床に着床した場合には、前面扉3aが第1乗り場20の乗り場扉11に面し、かつ、背面扉3bが第2乗り場21の乗り場扉11に面する。第1乗り場20の規模は第2乗り場21の規模より大きい。
【0020】
第1乗り場20には改札12aが設けられ、第2乗り場21には改札12bが設けられる。改札12aおよび改札12bのうち一方は入口用改札として使用し、他方は出口用改札として使用する。
【0021】
第1乗り場20には改札表示装置13aが設けられ、第2乗り場21には改札表示装置13bが設けられる。改札表示装置13aは、改札12aが入口用改札であるか出口用改札であるかを示す文字情報、つまり、第1乗り場20が入口専用乗り場であるか、出口専用乗り場であるかどうかを示す文字情報を表示する。また、改札表示装置13bは、改札12bが入口用改札であるか出口用改札であるかを示す文字情報、つまり、第2乗り場21が入口専用乗り場であるか、出口専用乗り場であるかどうかを示す文字情報を表示する。
【0022】
改札表示装置13a,13bにより、当該装置が設けられる乗り場が入口用改札であることを示すには、例えば「入口専用」と表示させ、出口用改札であることを示すには、例えば「出口専用」と表示させる。
【0023】
共通階床の下階には、第1および第2の制限階床が設けられる。第1の制限階床の高さは、第2の制限階床の高さより低い。制限階床において、昇降路1で区分された第1の領域には第1ホーム23が設けられ、第2の領域には第2ホ一ム22が設けられる。第1ホーム23の規模は第2ホーム22の規模より大きい。
【0024】
かご2が第1の制限階床に着床した場合には、前面扉3aおよび背面扉3bのうち前面扉3aのみが第1の制限階床の乗り場扉11に面する。また、かご2が第2の制限階床に着床した場合には、前面扉3aおよび背面扉3bのうち背面扉3bのみが、第2の制限階床の乗り場扉11に面する。
【0025】
第1ホーム23および第2ホーム22のうち一方は乗車専用ホーム、つまり、着床したかご2からの出口となる乗り場として使用し、他方は降車専用ホーム、つまり、着床したかご2への入口となる乗り場として使用する。ただし、前述した入口用改札と乗車専用ホームは、第1および第2の領域のうち一方にともに属し、かつ、前述した出口用改札と降車専用ホームは、第1および第2の領域のうち他方にともに属する。
【0026】
第1ホーム23にはホーム表示装置14bが設けられ、第2ホーム22にはホーム表示装置14aが設けられる。ホーム表示装置14bは、第1ホーム23が乗車専用ホームであるか降車専用ホームであるかを示す文字情報を表示する。また、ホーム表示装置14aは、第2ホーム22が乗車専用ホームであるか降車専用ホームであるかを示す文字情報を表示する。
【0027】
ホーム表示装置14a,14bにより、当該装置が設けられるホームが乗車専用ホームであることを示すには、例えば「乗車専用」と表示させ、降車専用ホームであることを示すには、例えば「降車専用」と表示させる。
【0028】
本発明の実施形態にしたがったエレベータを設置した駅舎では、列車への乗車客、および、列車からの降車客のうち人数の多い乗客が、第1乗り場20、つまり、第2乗り場21に比べて規模の大きい乗り場を通行できるように、時間帯によって、駅の手前のレールのポイントを遠隔制御により切り替えて、駅に到着する列車の入線対象のホームを第1ホーム23および第2ホーム22の間で変更することで、改札12a,12bの種別、および、第1ホーム23、第2ホーム22の種別を変更する。この種別の変更にともない、乗り場表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bによる表示内容も変更する。
【0029】
具体的には、本発明の実施形態にしたがったエレベータを設置した駅が、朝方は乗車客が多い一方で降車客が少なく、かつ、夕方は降車客が多い一方で乗車客が少ない駅である場合には、乗車客および降車客のうち人数の多い方に対し、第1乗り場20と第1ホーム23の間、および、第2乗り場21と第2ホーム22の間のうち、混雑緩和のために、スペースに余裕のある第1乗り場20と第1ホーム23の間を通行させるべく、朝方は、第1乗り場20の改札12aを入口用改札として使用するとともに、第1ホーム23を乗車専用ホームとして使用する。また、第2乗り場21の改札12bを出口用改札として使用するとともに、第2ホーム22を降車専用ホームとして使用する。
【0030】
これに伴い、第1乗り場20の改札表示装置13aでは、「入口専用」と表示させ、ホーム表示装置14bでは「乗車専用」と表示させる。また、第2乗り場21の改札表示装置13bでは、「出口専用」と表示させ、ホーム表示装置14aでは「降車専用」と表示させる。
【0031】
一方、夕方は、第1乗り場20の改札12aを出口用改札として使用するとともに、ホーム23を降車専用ホームとして使用する。また、第2乗り場21の改札12bは入口用改札として使用するとともに、ホーム22を乗車専用ホームとして使用する。
【0032】
これに伴い、第1乗り場20の改札表示装置13aでは、「出口専用」と表示させ、ホーム表示装置14bでは「降車専用」と表示させる。また、第2乗り場21の改札表示装置13bでは、「入口専用」と表示させ、ホーム表示装置14aでは「乗車専用」と表示させる。
【0033】
第1乗り場20および第1ホーム23には、乗り場呼び登録装置7aおよび乗り場出力装置8aが設けられる。また、第2乗り場21および第2ホーム22には、乗り場呼び登録装置7bおよび乗り場出力装置8bが設けられる。乗り場呼び登録装置7a,7bは、乗り場呼びを発生させる釦を有する。また、乗り場出力装置8a,8bは、音声や表示出力などにより、エレベータの運転内容を報知する。
【0034】
かご2は、同じ第1の領域にある第1乗り場20と第1ホーム23の間、または、同じ第2の領域にある第2ホーム22と第2乗り場21との間で乗客を輸送するべく、昇降および扉開閉動作を行なう。
【0035】
かご2内の前面扉3aの近傍には、かご内操作盤4aが設けられ、かご2内の背面扉3bの近傍には、かご内操作盤4bが設けられる。かご内操作盤4a,4bは、かご呼びを発生させる押釦スイッチ(以下、かご呼び釦と称する)、および、扉開閉押釦スイッチ(以下、扉開閉釦と称する)を有する。かご呼び釦は、後述する自動かご呼び発生を行なう場合には用いない。なお、かご内操作盤は、かご2内に1つだけ設けてもよい。
【0036】
また、かご2内の前面扉3aの近傍には、かご内出力装置6aが設けられ、背面扉3bの近傍には、かご内出力装置6bが設けられる。かご内出力装置6a,6bは、音声や表示出力などにより、エレベータの運転内容を報知する。また、かご2内には乗客検出装置5が設けられる。乗客検出装置5は、乗客がかご2内にいるか否かを検出し、この検出の結果、乗客がかご2内に乗っている場合には、これを、エレベータの運転制御を司る制御装置10に通知する。また、乗客検出装置5は、乗客がかご2内にいないことを検出した場合には、これを制御装置10に通知する。
【0037】
一方、制御装置10は、各所の乗り場扉11のうち一つを構成する三方枠の戸袋内に設けられる。制御装置10は、かご2に対して、前面扉3aおよび背面扉3bのうち、乗り場呼びに応答した側の扉(この扉に面する乗り場扉11を含む)のみが開閉し、反対側の扉の開閉が禁止されるように、前面扉3aおよび背面扉3bの開閉を制御する。
【0038】
図2は、本発明の実施形態にしたがったエレベータの制御装置10の回路構成例を示すブロック図である。
制御装置10は、乗客検出部15、呼び応答部16、報知部17、運転制御部18、扉開閉部19、および、連絡口切替部25を有する。
【0039】
乗客検出部15は、乗客検出装置5(図1参照)、呼び応答部16、報知部17、および、運転制御部18と接続される。呼び応答部16は、かご内操作盤4a,4b、乗り場呼び登録装置7a,7b(図1参照)、報知部17、運転制御部18、および、連絡口切替部25と接続される。
【0040】
報知部17は、かご内出力装置6a,6b、乗り場出力装置8a,8b、改札表示装置13a,13b、ホーム表示装置14a,14b、および、連絡口切替部25と接続される。運転制御部18は、駆動装置9aおよび扉開閉部19と接続される。
【0041】
乗客検出部15は、乗客検出装置5から通知される、乗客がかご2内に乗っているか否かの判別結果に応じて、呼び応答部16、報知部17、および運転制御部18への通知を行なう。呼び応答部16は、かご内操作盤4a,4bや乗り場呼び登録装置7a,7bから呼びが入力されると、その呼びを登録して運転制御部18に通知するとともに、かご内操作盤4a,4bや乗り場呼び登録装置7a,7bのうち、呼びを入力した装置にその旨を通知する。
【0042】
報知部17は、かご内出力装置6a,6bや乗り場出力装置8a,8bにエレベータの運転内容の報知を指示する。運転制御部18は、呼び応答部16から通知された呼びに従って、かご2の運転を制御する。扉開閉部19は、前面扉3aおよび背面扉3bの開閉を制御する。連絡口切替部25の機能については後述する。
【0043】
ここで、乗り場呼び登録装置7a,7bのうちいずれかから乗り場呼びが発生したと仮定する。呼び応答部16は、この発生した乗り場呼びを登録すると共に、乗り場呼び登録装置7a,7bのうち呼びを発生させた装置、報知部17、および、運転制御部18にその旨を通知する。また、呼び応答部16は、乗り場呼びが発生した領域が第1の領域であるか第2の領域であるかを判別する。
【0044】
報知部17は、呼び応答部16から乗り場呼びの登録の通知があると、乗り場呼びが発生した領域における乗客の輸送のための運転を行なっている旨を、乗り場出力装置8a,8bのうち、乗り場呼びが発生した領域と異なる領域に設置される装置に対して通知する。
【0045】
また、運転制御部18は、呼び応答部16から乗り場呼びの登録の通知があった際に、現在処理中の乗り場呼びがない場合には、その乗り場呼びにかご2を応答させるべく、駆動装置9aにかご駆動指令を出力し、かご2を乗り場呼びのあった階床まで昇降させる。
【0046】
扉開閉部19は、乗り場呼びのあった階床にかご2が到着すると、前面扉3aおよび背面扉3bのうち、前述のように判別した、乗り場呼びが発生した領域に面する扉を開く。
【0047】
乗客検出部15は、前述のように扉が開いてから一定時間内に乗客がかご2内に乗ったと判別した場合には、呼び応答部16に対し、かご呼びを自動発生させるための指令を出力する。これは、本発明の実施形態では、かご2は2つの階床の間でしか昇降しないことから、かご呼び行先階は単一の階床と特定されるからである。かご呼び自動発生を行なえば、乗客は、かご2に乗っても、かご内操作盤4a,4bを操作しなくても済むようになるので、乗客が身障者やお年寄りなどである場合に有用である。
【0048】
乗客検出部15からの指令にしたがって、呼び応答部16から、かご呼びが自動発生すると、運転制御部18は扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉を閉じるよう指示し、かご2の、かご呼び行先階までの運転を制御する。
【0049】
また、呼び応答部16から、かご呼びが自動発生すると、報知部17は、扉が開く方向の情報を、かご内出力装置6a,6bに出力する。そして、かご2が、かご呼び行先階に到着すると、運転制御部18は、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち、前述した乗り場呼びが発生した領域に面する扉を開くよう指示する。
【0050】
この指示にしたがって扉が開いた状態で、運転制御部18は、いずれの領域からも乗り場呼びが発生してなく、かつ、かご2内に乗客が存在しない場合には、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉を閉じるよう指示して、運転を終了する。
【0051】
また、運転制御部18は、一方の領域からの乗り場呼びに応答した運転中に他方の領域からの乗り場呼びが発生したときは、その登録を受付け、現行の運転が終了した際に、当該他方の領域から発生した乗り場呼びに応答する。
【0052】
また、報知部17は、かご2が、かご呼び登録があった階床に着床したにもかかわらず、所定時間経過後も、かご2内に乗客が存在していることを乗客検出部15が検出している場合には、かご内出力装置6a,6b、および、乗り場出力装置8a,8bに対し、警報を発するように指示する。これは、乗客が何らかの理由により、かご2から降りることが出来なくなった可能性があるからである。
【0053】
次に、本発明の実施形態にしたがったエレベータの動作について説明する。
図3は、本発明の実施形態にしたがったエレベータによる、自動かご呼び発生を行なった場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、制御装置10の呼び応答部16は、乗り場呼び登録装置7a,7bのいずれかから乗り場呼びが発生したか否かを判別する(ステップS1)。この判別の結果、乗り場呼びが発生した場合には、呼び応答部16は、乗り場呼びが発生した領域の種別の判別結果を報知部17に出力する。なお、複数の乗り場呼びが発生している場合には、最初に発生した乗り場呼びを優先させる。
【0055】
具体的には、呼び応答部16は、乗り場呼び登録装置7aから乗り場呼びが発生した、つまり、第1の領域から乗り場呼びが発生したと判別した場合には、この旨を報知部17に通知し、乗り場呼び登録装置7bから乗り場呼びが発生した、つまり、第2の領域から乗り場呼びが発生したと判別した場合には、この旨を報知部17に通知する。
【0056】
そして、報知部17は、呼び応答部16からの判別結果にしたがって、乗り場出力装置8a,8bのうち、乗り場呼びが発生した領域と異なる領域に設置される装置に対し、乗り場呼びが発生した領域においてエレベータが使用中である旨の報知を指示する(ステップS2)。この指示を受けた装置は、他方の領域でのエレベータの制限運転中であることを乗り場にいる利用客に報知する。例えば、前述した指示を受けた装置は、「もう一方の側の乗り場で使用しています。しばらくお待ち下さい」などの音声出力や表示出力を行なう。
【0057】
そして、運転制御部18は、呼び応答部16から呼び登録の通知を受けると、かご2の、乗り場呼びの発生した階床までの運転を制御する。かご2が、乗り場呼びの発生した階床に着床すると、運転制御部18は、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち呼びが発生した乗り場に面する扉を開くよう指示する(ステップS3)。この指示にしたがって、扉開閉部19が扉を開扉した後、かご2内の乗客検出装置5は、乗客が、かご2内に乗っているか否かを判別する(ステップS4)。乗客検出装置5が、かご2内に乗客が乗っていることを判別した場合には、これを制御装置10の乗客検出部15に通知する。
【0058】
乗客検出部15は、かご2が着床して扉が開扉された後、一定時間が経過しても、乗客がかご2に乗っているとの通知が乗客検出装置5からなされない場合(ステップS4のNO)には、乗り場呼びが誤ってなされていたと判断し、エレベータの運転を終了するよう運転制御部18に指示し、また、報知部17に対し、ステップS2の処理で行なった報知の解除を指示する(ステップS5)。
【0059】
報知部17は、乗客検出部15からの指示を受けると、ステップS2の処理にしたがって報知を行なっていた装置に対し、この報知の解除を指示する。この指示を受けた装置は、前述した他方の領域での制限運転中であることの利用客への報知を解除する。
【0060】
また、運転制御部18は、乗客検出部15からの指示を受けると、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉を閉じるよう指示する。この処理後は、ステップS1の処理に戻る。
【0061】
一方、乗客検出部15は、かご2が着床して扉が開扉してから一定時間内に、乗客検出装置5から、乗客がかご2に乗っているとの通知を受けた場合(ステップS4のYES)には、かご呼び自動発生を呼び応答部16に指示する(ステップS6)。
【0062】
呼び応答部16は、自動発生したかご呼びの登録を運転制御部18に通知する。運転制御部18は、この通知にしたがって、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉の閉扉を指示し、閉扉後に、かご呼び行先階にかご2を昇降させる。
【0063】
呼び応答部16は、報知部17に対し、かご2が、前述のように自動発生したかご呼びにしたがった運転を行なっている旨の報知を指示する。報知部17は、この指示にしたがって、かご内出力装置6a,6bに対し、かご2が自動発生したかご呼びにしたがって昇降している旨、および、着床後に開く扉、つまり、乗り場呼びが発生した領域と同じ領域にある扉の種別の報知を指示する。この指示を受けた装置は、前述した旨の報知を行なう(ステップS7)。
【0064】
運転制御部18は、かご2がかご呼び行先階で着床後、扉開閉部19に対し、前面扉3aおよび背面扉3bのうち、ステップS1の処理で判別した、乗り場呼びが発生した領域と同じ領域に面した扉の開扉を指示する。
【0065】
具体的には、運転制御部18は、乗り場呼びが乗り場呼び登録装置7aから発生していた場合には、前面扉3aの開扉を扉開閉部19に指示し、乗り場呼びが乗り場呼び登録装置7bから発生していた場合には、背面扉3bの開扉を扉開閉部19に指示する。扉開閉部19は、この指示にしたがって開扉を行なう(ステップS8)。
【0066】
そして、呼び応答部16は、新たな乗り場呼びが発生しているか否かを判別し(ステップS9)、乗り場呼びが有れば(ステップS9のYES)、これに応答する。この応答がなされると、運転制御部18は、呼びが発生した階床へのかご2の運転を制御して、当該かご2が着床した際に、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち、乗り場呼びが発生した領域に面する扉を開くよう指示し、ステップS4の処理に戻る。
【0067】
一方、ステップS9の処理で「NO」と判別された場合には、かご2内の乗客検出装置5は、乗客がかご2内に乗っているか否かを判別する(ステップS10)。この処理で「NO」と判別された場合には、乗客検出装置5は、乗客がかご2に乗っていない旨を制御装置10の乗客検出部15に通知する。乗客検出部15は、乗客検出装置5からの通知を受けると、かご2の運転を終了するよう運転制御部18に指示し、また、報知部17に対し、ステップS2の処理で行なった報知の解除を指示する。
【0068】
報知部17は、乗客検出部15からの指示を受けると、ステップS2の処理にしたがって報知を行なっていた装置に対し、この報知の解除を指示する。この指示を受けた装置は、他方の領域での制限運転中であるとの報知を解除する。また、運転制御部18は、乗客検出部15からの通知を受けると、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉を閉じるよう指示する(ステップS11)。この処理後は、ステップS1の処理に戻る。
【0069】
ステップS10の処理で「YES」と判別された場合には、乗客検出部15は、所定時間が経過しても、乗客検出装置5から、乗客がかご2に乗っているとの通知がなされ続けているか否かを判別する(ステップS18)。この処理の結果「YES」と判別された場合には、乗客検出部15は、かご2の着床後も乗客が当該かご2に乗り続けている事を運転制御部18および報知部17に通知する。
【0070】
運転制御部18は、この通知を受けると、乗客が何らかの理由により、かご2から外に出られなくなったとみなし、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち、ステップS1の処理で判別した、乗り場呼びが発生した領域に面する扉を開扉するよう指示する。また、報知部17は、乗客検出部15からの通知を受けると、乗り場出力装置8a,8bに対し、警報を発するよう指示する。乗り場出力装置8a,8bは、報知部17からの指示にしたがって警報を発する。(ステップS19)。
【0071】
次に、前述した、自動かご呼び発生に代えて乗客がかご呼び操作をした場合の動作について説明する。
図4は、本発明の実施形態にしたがったエレベータによる、かご呼び操作を行なった場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【0072】
ここでは、エレベータは、まず、ステップS1〜S3の処理と同じ処理(ステップS20〜S22)を行なう。次に、制御装置10の呼び応答部16は、かご内操作盤4a,4bのかご呼び釦のうち、目的階の釦が押されたか否かを判別する(ステップS23)。
【0073】
ステップS23の処理で「YES」と判別された場合には、呼び応答部16は、かご呼び釦の操作により発生したかご呼びの登録を運転制御部18に通知する。運転制御部18は、この通知にしたがって、扉開閉部19に対し、扉3a,3bのうち開いている扉の閉扉を指示し、閉扉後に、かご呼び行先階にかご2を昇降させる。
【0074】
また、呼び応答部16は、報知部17に対し、かご2が、かご呼びにしたがった運転を行なう旨の報知を指示する。報知部17は、この指示にしたがって、かご内出力装置6a,6bに対し、着床後に開く扉の種別の報知を指示する。この指示を受けた装置は、前述した旨の報知を行なう。(ステップS28)。
【0075】
ステップS28の処理後は、ステップS8〜S11,S18,S19の処理と同じ処理を行なう(ステップS29〜S32,S39,S40)。一方、ステップS23の処理で「NO」と判別された場合には、呼び応答部16は、かご呼び登録を促す報知を行なうよう報知部17に指示する。報知部17は、この指示を受けると、かご内出力装置6a,6bに対し、乗客へのかご呼び釦の操作を促す報知の指示を行なう。この指示を受けた装置は、前述した報知を行なう。(ステップS24)。
【0076】
このステップS24の処理後、呼び応答部16は、所定時間が経過した後(ステップS25のYES)に、乗客検出部15から、かご2に乗客が乗っているとの通知がなされたか否かを判別する(ステップS26)。
【0077】
ステップS26の処理の結果「YES」と判別された場合には、ステップS40の処理を行なう。また、ステップS26の処理の結果「NO」と判別された場合には、ステップS5と同じ処理を行なう(ステップS27)。この処理後はステップS20の処理に戻る。
【0078】
図5は、本発明の実施形態にしたがったエレベータの共通階床の改札の種別、および、制限階床のホームの種別の変更にかかる動作の一例を示すフローチャートである。
連絡口切替部25は、時間帯に応じて、報知部17および呼び応答部16に対し、入口用改札と出口用改札の入れ替え、および、乗車専用ホームと降車専用ホームの入れ替えを通知する(ステップS41)。
【0079】
報知部17は、連絡口切替部25からの通知を受ける(ステップS41のYES)と、改札表示装置13a,13bに対し、改札12a,bの種別が入口用改札であるか出口用改札であるかを示す表示を対となる種別の表示に切り替えるよう指示し、また、ホーム表示装置14a,14bに対し、ホーム22,23の種別が乗車専用ホームであるか出口専用ホームであるかを示す表示を対となる種別の表示に切り替えるよう指示する。
【0080】
この指示がなされると、改札表示装置13a,13bのうち、「入口専用」と表示されていた装置の表示が「出口専用」に切り換わる一方で、「出口専用」と表示されていた装置の表示が「入口専用」に切り換わる。
【0081】
また、ホーム表示装置14a,14bのうち、「乗車専用」と表示されていた装置の表示が「降車専用」に切り換わる一方で、「降車専用」と表示されていた装置の表示が「乗車専用」に切り換わる(ステップS42)。以後は、制御装置10は、乗り場呼びにしたがって、かご2の運転制御を行なう(ステップS43)。
【0082】
以上説明したように、本発明の実施形態にしたがったエレベータでは、昇降路1で区分された第1の領域の第1乗り場20の改札12a、および、第2乗り場21の改札12bをそれぞれ入口用改札および出口用改札として使用し、入口用改札として使用する改札が設けられる乗り場と同じ領域に属するホームを乗車専用ホームとして使用し、出口用改札として使用する改札が設けられる乗り場と同じ領域に属するホームを降車専用ホームとして用いるべく改札表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bに適切な表示をさせる。そして、乗客を、同一領域に属する改札およびホーム間で輸送するべく、かご2の運転制御を行ない、かつ、時間帯によって、改札およびホームの種別を対となる種別に切り替えて用いるべく、改札表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bによる連絡口の種別を対となる種別に切り替える。よって、昇降路1で区分した領域毎に個別のエレベータを設ける必要がないので、設置スペースが少なくて済み、立地条件に適切に対応でき経済的である。また、各乗り場の連絡口を入口および出口のうち一方として用いるので、人の移動をスムーズにすることができ、通行にかかる混雑を緩和することができるのに加え、乗車客および降車客のうち人数の多い方に対し、第1乗り場20と第1ホーム23の間、および、第2乗り場21と第2ホーム22の間のうち、スペースに余裕のある第1乗り場20と第1ホーム23の間を通行させることができる。よって、昇降路1で区分された領域のうち一方の領域に属する施設のスペースが十分でない場合において、駅舎内の混雑を緩和することができる。
【0083】
ここまでの説明では、第1乗り場20の規模が第2乗り場21の規模より大きく、かつ、第1ホーム23の規模が第2ホーム22の規模より大きいと説明したが、これに限らず、第1乗り場20の規模が第2乗り場21の規模より大きいこと、および、第1ホーム23の規模が第2ホーム22の規模より大きいことのうち1つを満たしていれば、第1乗り場20の規模が第2乗り場21の規模と同じであったり、第1ホーム23の規模が第2ホーム22の規模と同じであったりしてもよい。また、第1乗り場20と第2乗り場21の規模の大小関係、および、第1ホーム23と第2ホーム22の規模の大小関係が逆であってもよく、第1の制限階床の高さと第2の制限階床の高さの大小関係が逆であってもよい。
【0084】
以下、本発明の実施形態の変形例について説明する。図6は、本発明の実施形態の変形例にしたがったエレベータの構成例を示す図である。
図1に示した構成のエレベータでは、昇降路1の上部の共通階床に第1乗り場20と第2乗り場21が設けられ、2つの乗り場20,21の下階には、異なる階床にて所定の領域が区分され、第1の領域に第1ホーム23、第2の領域に第2ホーム22をそれぞれ有する制限階床の乗り場を設けた場合について説明したが、図6に示すように、この変形例では、昇降路1の上部の共通階床の第1の領域に第1ホーム23およびホーム表示装置14bを設け、第2の領域に第2ホーム22およびホーム表示装置14aを設ける。
【0085】
また、共通階床の下階にある第1の制限階床に第1乗り場20、改札12aおよび改札表示装置13aを設け、第2の制限階床に第2乗り場21、改札12b、および、改札表示装置13bを設ける。
【0086】
この変形例では、前述した図1に示したエレベータで行なったように、時間帯によって、改札およびホームの種別を対となる種別に切り替えて用いるべく、改札表示装置13a,13bおよびホーム表示装置14a,14bによる表示形態を対となる種別に切り替えることで、乗車客および降車客のうち人数の多い方に対し、第1乗り場20と第1ホーム23の間、および、第2乗り場21と第2ホーム22の間のうち、スペースに余裕のある第1乗り場20と第1ホーム23の間を通行させることができる。
【0087】
なお、本発明は、駅舎のみならず、空港の出発ロビーもしくは到着ロビー、または、フェリーターミナルの乗降口など、建物の立地条件や使用条件により、領域の境界が階床によって分かれている場合には、同様に適用できる。
【0088】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態にしたがったエレベータの構成例を示す図。
【図2】本発明の実施形態にしたがったエレベータの制御装置の回路構成例を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態にしたがったエレベータの動作の一例を示すフローチャート(その1)。
【図4】本発明の実施形態にしたがったエレベータの動作の一例を示すフローチャート(その2)。
【図5】本発明の実施形態にしたがったエレベータの共通階床の改札の種別、および、制限階床のホームの種別の変更にかかる動作の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態の変形例にしたがったエレベータの構成例を示す図。
【図7】区分した領域の境界部分に昇降路を設置したエレベータの従来の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0090】
1,31…昇降路、2,32…かご、3a,33a…前面扉、3b,33b…背面扉、4a,4b,34…かご内操作盤、5…乗客検出装置、6a,6b,36…かご内出力装置、7a,7b,37…乗り場呼び登録装置、8a,8b,38…乗り場出力装置、9a,39a…駆動装置、9b,39b…ロープ、9c,39c…カウンタウエイト、10,40…制御装置、11,41…乗り場扉、12a,12b,42a,42b…改札、13a,13b…改札表示装置、14a,14b…ホーム表示装置、15…乗客検出部、16…呼び応答部、17…報知部、18…運転制御部、19…扉開閉部、20,21…乗り場、22,23…ホーム、25…連絡口切替部、51a…入口専用乗り場、51b…出口専用乗り場、52…降車専用ホーム、53…乗車専用ホーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の領域と他方の領域とを区分する昇降路と、
前後双方向に扉を有し、一方の扉が前記一方の領域の乗り場との間の連絡口となり、他方の扉が前記他方の領域の乗り場との間の連絡口となるかごと、
このかごが着床した際に当該かごの前記一方の扉が面し、かつ、前記かごとの連絡口を、当該かごへの入口および前記かごからの出口のいずれかとして用いる第1の乗り場と、
前記第1の乗り場が設けられる階床と同じ階床に設けられ、前記かごが着床した際に当該かごの前記他方の扉が面し、前記かごとの連絡口の種別が前記第1の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が前記第1の乗り場と比較して小さい第2の乗り場と、
前記第1および第2の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、前記かごが着床した際に当該かごの前記一方の扉のみが面し、かつ、前記かごとの連絡口の種別が前記第1の乗り場の連絡口の種別と対となる第3の乗り場と、
前記第3の乗り場が設けられる階床と異なる階床に設けられ、前記かごが着床した際に当該かごの前記他方の扉のみが面し、前記かごとの連絡口の種別が前記第2の乗り場の連絡口の種別と対となり、かつ、規模が前記第3の乗り場の規模と比較して小さい第4の乗り場と、
前記第1および第3の乗り場間、または、前記第2の乗り場および第4の乗り場間で乗客を輸送するべく、前記かごの動作を制御する制御手段と、
前記第1乃至第4の乗り場にそれぞれ設置し、同一領域における上部の乗り場から下部の乗り場に移動する乗客、および、同一領域における下部の乗り場から上部の乗り場に移動する乗客のうち人数の多い方が前記第1および第3の乗り場間を移動するように、設置箇所となる乗り場の連絡口の種別を報知する報知手段と、
予め定めた条件にしたがって、前記報知手段により報知する連絡口の種別を対となる種別に切り替える手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記第1の乗り場の規模が前記第2の乗り場の規模と等しいことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記第3の乗り場の規模が前記第4の乗り場の規模と等しいことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記かごが乗り場呼びに応答して前記第1乃至第4の乗り場のいずれかに着床した場合に、前記かごに乗客が乗り込んだか否かを検出する検出手段と、
この検出手段により、前記かごに乗客が乗り込んだことを検出した場合に、前記乗り場呼びが発生した領域と同じ領域内の乗り場へのかご呼びを自動発生させる手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記制御手段が、乗り場呼びにしたがって前記かごの動作を制御している際に、この乗り場呼びが発生した領域と異なる領域の乗り場において、前記乗り場呼びが発生した領域に属する乗り場間で前記かごを運転している旨の報知を行なう手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記かごが乗り場呼びに応答して前記第1乃至第4の乗り場のいずれかに着床した場合に、前記かごに乗客が乗り込んだか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段が、予め定められた時間にわたって前記かごに乗客が乗り込んでいることを検出した場合に、前記かごの扉が開扉するよう制御する手段と、
前記検出手段が、予め定められた時間にわたって前記かごが乗客に乗り込んでいることを検出した場合に警報を発する手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−264876(P2006−264876A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84721(P2005−84721)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】