説明

エレベータ

【課題】エレベータの利用希望者による乗りかごの乗り場呼び登録が受け付けられない場合における状況を利用希望者が適切かつ容易に把握する。
【解決手段】実施形態によれば、乗りかごの運転モードを通常運転モード及び点検運転モードの間で切り替える運転モード切り替え手段をもつ。また、利用希望者による乗りかごの乗り場呼びのための操作を受け付ける乗り場呼び釦と乗り場表示装置とをもつ。また、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた場合で、乗り場呼び釦が操作された際に、当該乗り場呼び釦が操作された事を乗りかごの上の保守員に報知する報知手段と、報知手段による報知がなされた後の、操作された乗り場呼び釦を操作した利用希望者への通知内容の入力操作を受け付ける入力装置と、入力された通知内容を前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる乗り場表示装置に表示する表示制御手段とをもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗りかごの運転モードを通常運転モードと保守運転モードとの間で切り替えるエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗りかごの運転モードとして、通常運転モードと保守運転モードとがある。通常運転モードは、エレベータの乗客である利用希望者がエレベータを利用出来る運転モードであり、呼び登録にしたがって乗りかごを昇降させる運転モードである。一方、保守運転モードは、一般利用者がエレベータを利用出来ない運転モードであり、エレベータの保守員がエレベータの昇降路内の機器の調整や点検のために、保守員がリモコンなどを用いた手動操作により、乗りかごを呼び登録の有無と関係なく走行または停止させるための運転モードである。
【0003】
運転モードが保守運転モードである場合は、利用希望者が乗り場呼び釦を押下しても呼び登録が受け付けられない状態となっているので、利用希望者はエレベータを利用したいにも係らず利用する事が出来ない。この場合、利用希望者は、運転モードが通常運転モードに切り替わるまで乗り場で待機するか、エレベータの利用を諦める事になる。ここで、利用希望者は、運転モードが通常運転モードに切り替わるまで乗り場で待機する場合、エレベータの機器の点検作業中なのか、機器の故障に伴う修復作業中なのかを把握出来ない上、運転モードが通常運転モードに切り替わるまでの時間を把握出来ないため、不安感を募らせる事になる。
【0004】
運転モードが点検運転モードである場合の、利用希望者から保守員への連絡を行なう技術としては、乗り場呼び釦が利用希望者に押下された事を昇降路内で作業する保守員に報知する技術がある。また、乗り場に利用希望者がいることを音声ガイダンスにより保守員に報知する技術がある。また、保守員の携帯電話番号を乗り場などに表示しておき、利用希望者がエレベータの利用希望時に当該携帯電話番号を参照して保守員に電話での通話を行なう技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−235081号公報
【特許文献2】特開2004−277116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、乗り場にいる利用希望者は、個人情報などセキュリティ面での不安が無い条件の下で、エレベータの作業の種別を適切かつ容易に把握したり、当該エレベータを利用出来るまでに待機する時間を適切かつ容易に把握したりする事は出来ない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、エレベータの作業のために通常運転が停止している場合に利用希望者が求める情報を当該利用希望者が適切かつ容易に把握することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、乗りかごの運転モードを、呼び登録にしたがって前記乗りかごを昇降させる通常運転モード、および、前記呼び登録の有無に関わらず前記乗りかごを前記通常運転モードにおける定格速度と比較して低い定格速度で手動昇降させる点検運転モードの間で切り替える運転モード切り替え手段をもつ。また、乗り場に設けられ、利用希望者による前記乗りかごの乗り場呼びのための操作を受け付ける乗り場呼び釦と、乗り場に設けられる乗り場表示装置とをもつ。また、前記運転モード切り替え手段により前記乗りかごの運転モードが前記点検運転モードに切り替えられた場合で、前記乗り場呼び釦が操作された際に、当該乗り場呼び釦が操作された事を前記乗りかごの上の保守員に報知する報知手段と、前記報知手段による報知がなされた後の、前記操作された乗り場呼び釦を操作した利用希望者への通知内容の入力操作を受け付ける入力装置と、前記入力装置により入力された通知内容を、前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる前記乗り場表示装置に表示する表示制御手段とをもつ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態におけるエレベータのかご上回答入力装置の構成例を示す図。
【図3】第1の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャート。
【図4】第2の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図。
【図5】第2の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャート。
【図6】第3の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図。
【図7】第3の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャート。
【図8】第4の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図。
【図9】第4の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図である。
このエレベータは、エレベータ制御装置1および乗りかご4を備える。図示はしないが、乗りかご4は、巻上機の回転軸に設けられたシーブおよびそらせシーブに巻き掛けられたメインロープを介して吊り合い重りと連結される。乗りかご4は、巻上機の駆動によるシーブの回転に伴い、シーブとメインロープの間の摩擦力により吊り合い重りとともに昇降路内を互いに上下反対方向に昇降する。
【0011】
エレベータ制御装置1は、エレベータの機械室に設置される。エレベータ制御装置1は、機械室に限らず、昇降路内に設置してもよい。また、エレベータ制御装置1は、補助制御装置として乗り場に設置してもよい。
エレベータ制御装置1は、エレベータ制御部2および回答表示装置9を有する。エレベータ制御部2は、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータにより実現され、運転制御部21、運転モード切替部22、報知処理部23、表示制御部24、記憶装置25を有する。
【0012】
運転制御部21は、呼び登録にしたがって乗りかご4を昇降させる通常運転モード、および、呼び登録の有無に関係なく、保守員による手動操作にしたがって乗りかご4を昇降させる点検運転モードのうち、いずれかの運転モードにしたがった形態で乗りかご4を昇降させる。
記憶装置25は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、運転制御部21、運転モード切替部22、表示制御部24による処理動作のための制御プログラムを記憶する。
【0013】
各階には乗り場操作盤3が設置される。この乗り場操作盤3は、エレベータの利用希望者が乗り場呼びを登録するための押下を受け付ける乗り場呼び釦3a、および乗り場表示装置3bを有する。乗り場表示装置3bは、例えば液晶ディスプレイ装置であり、乗りかご4の現在位置やその他の案内情報を表示する。
【0014】
エレベータ制御装置1と乗りかご4との間はテールコード5で接続される。このテールコード5は、エレベータ制御装置1と乗りかご4の間で信号伝達や電源供給を行なうためのコードである。
【0015】
乗りかご4の外における保守員の作業箇所である天井部分には、かご上点検スイッチ6が設けられる。かご上点検スイッチ6は、保守員が乗りかご4の上で作業を開始または終了する際に押下する保守運転スイッチである。
【0016】
かご上点検スイッチ6はテールコード5を介してエレベータ制御部2と接続される。かご上点検スイッチ6が保守員により押下された場合、この押下を示す信号がテールコード5を介してエレベータ制御装置1に入力される。エレベータ制御部2の運転モード切替部22は、かご上点検スイッチ6からの信号を入力すると、乗りかごの運転モードを通常運転モードと保守運転モードの間で切替える。
【0017】
また、かご上点検スイッチ6の近傍には、点検運転操作器11が設けられる。点検運転操作器11は、上昇運転スイッチおよび下降運転スイッチを有する。保守員は、かご上点検スイッチ6を用いて乗りかご4の運転モードを点検運転モードに切り替えた上で、点検運転操作器11の上昇運転スイッチおよび下降運転スイッチを操作して乗りかご4を昇降させることで、各階床以外の任意の位置に乗りかご4を停止させることが出来る。よって、保守員は、乗りかご4を含め、昇降路内のあらゆる箇所の機器の点検を行なうことが出来る。
また、乗りかご4の前述した天井部分には、乗り場呼び入力報知装置7が設けられる。この乗り場呼び入力報知装置7は、運転モードが保守運転モードに切り替えられた状態で乗り場にいる利用希望者により乗り場呼び釦3aが押下された際、この押下がなされたことを、乗りかご4の上で作業中の保守員に音声により報知する。また、乗り場呼び入力報知装置7は、所定の報知音などで報知を行なってもよいし、光の点滅などによって報知を行なうようにしてもよい。
【0018】
この乗り場呼び入力報知装置7により報知を行なう代わりに、既存の装置を用いて報知を行ってもよい。例えばエレベータ制御装置1や図示しないドア制御装置のLED(発光ダイオード)の点灯により報知を行なってもよいし、かご上の照明を所定時間だけ点滅させることで報知を行なってもよい。
【0019】
また、乗りかご4の前述した天井部分には、かご上回答入力装置8が設けられる。このかご上回答入力装置8は、保守員から乗り場にいる利用希望者への回答内容である、エレベータの作業状況や通常運転再開までの待ち時間を保守員が入力するための装置である。保守員は、乗り場呼び釦3aが押下された事を乗り場呼び入力報知装置7による報知により確認すると、かご上回答入力装置8を操作する事で、エレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を入力する事になる。
【0020】
エレベータの作業状況としては、機器の点検を行なうための点検作業、および、機器の故障に伴う修復作業が挙げられる。保守員から利用希望者への回答内容の例としては、保守員が機器の点検作業中であり、例えば約3分で運転モードを通常運転モードに切り替えて通常運転が可能になる事が挙げられる。別の例としては、保守員が点検作業として部品の交換作業を行なっており、数分では復旧出来ないが10分程度で利用可能な事が挙げられる。さらに、別の例としては、保守員が機器の故障による修復作業を行なっており、作業終了までの時間が不明である場合が挙げられる。
【0021】
図2は、第1の実施形態におけるエレベータのかご上回答入力装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、かご上回答入力装置8は、数字キー81、表示器82、点検作業中釦83、修復作業中釦84、決定釦85を有する。
【0022】
数字キー81は、エレベータの通常運転が再開されるまでの分単位の時間を入力するためのキーである。表示器82は、例えば液晶ディスプレイまたは7セグメントのLEDであり、数字キー81により入力された時間を表示する。
【0023】
点検作業中釦83は、かご上の保守員が機器の点検作業中である事を、当該保守員から利用希望者への回答内容として入力するための釦であり、当該保守員による押下してオン状態となると点灯する。
【0024】
修復作業中釦84は、かご上の保守員が、故障した機器の修復作業中である事を前述した回答内容として入力するための釦であり、当該保守員により押下してオン状態となると点灯する。
決定釦85は、数字キー81、点検作業中釦83および修復作業中釦84の操作状態を、利用希望者への回答内容として決定する際に操作するための釦である。
【0025】
例えば点検作業中釦83がオン状態となって点灯し、かつ、数字キー81の「3」が操作された状態で決定釦85が押下されると、かご上回答入力装置8は、エレベータが点検作業中である事、及び当該点検作業が終了してエレベータの通常運転が再開されるまでの時間が約3分間である事とを示す情報がテールコード5を介してエレベータ制御装置1の回答表示装置9へ入力される。
【0026】
また、例えば修復作業中釦84がオン状態となって点灯した状態で、数字キー81が操作されずに決定釦85が押下されると、かご上回答入力装置8は、エレベータが修復作業中である事、エレベータの通常運転が再開されるまでの時間が不明である事とを示す情報がテールコード5を介して回答表示装置9へ入力される。
【0027】
回答表示装置9は、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報を入力すると、これらの情報をもとに、利用希望者に対する回答メッセージを生成して、この生成した回答メッセージをテールコード5を介してエレベータ制御装置1に出力する。この出力された回答メッセージは、利用希望者により操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示される。
【0028】
図3は、第1の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャートである。
初期状態として、乗りかごの運転モードは通常運転モードであるとする。まず、保守員が乗りかご4の上の天井部分に乗り込んで、かご上点検スイッチ6を操作すると(ステップS1)、エレベータ制御部2の運転モード切替部22は、乗りかごの運転モードを通常運転モードから保守運転モードに切り替える(ステップS2)。
【0029】
そして、エレベータの利用希望者が、当該利用希望者のいる乗り場の乗り場操作盤3の乗り場呼び釦3aを操作すると(ステップS3)、エレベータ制御部2は、この操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床を検出する。そして、エレベータ制御部2の報知処理部23は、この検出した階床での乗り場呼び入力がなされた事を示す通知信号を、テールコード5を介して、乗りかご4の乗り場呼び入力報知装置7に出力する。ここでは、7階の乗り場の乗り場操作盤3の乗り場呼び釦3aが操作されたとし、通知信号には、7階で乗り場呼び入力がなされた事を示す情報が含まれる。
乗り場呼び入力報知装置7は、報知処理部23からの通知信号を入力すると、7階で乗り場呼び入力がなされた事を音声により保守員に報知する(ステップS4)。
【0030】
保守員は、乗り場呼び入力報知装置7による報知により、乗り場呼び釦3aが押下されたことを確認すると、エレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者へ通知するために、かご上回答入力装置8の数字キー81や各種釦の入力操作を行なう(ステップS5)。
【0031】
例えば、保守員がエレベータの点検作業を行なっており、当該点検作業が終了して運転モードが通常運転モードに切り替わるまでの時間が約3分である場合には、保守員は、かご上回答入力装置8の点検作業中釦83を操作してオン状態とした上で、数字キー81の「3」を操作して、決定釦85を操作する。
【0032】
すると、かご上回答入力装置8は、これらの操作内容を示す信号をテールコード5を介してエレベータ制御装置1の回答表示装置9に出力する。回答表示装置9は、かご上回答入力装置8からの信号を入力すると、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への「エレベータの点検作業中です。あと3分程で運転を再開します。」との回答メッセージを生成し(ステップS6)、この回答メッセージをエレベータ制御部2に出力する。
【0033】
エレベータ制御部2の表示制御部24は、回答表示装置9からの回答メッセージを、前述したように検出した、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床である7階の乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示させる(ステップS7)。
【0034】
以上のように、第1の実施形態におけるエレベータでは、乗りかごの運転モードが通常運転モードから点検運転モードに切り替わった場合で、利用希望者により乗り場呼び釦が操作された場合には、この旨がかご上の保守員に報知される。保守員は、この報知を認識すると、エレベータの作業状況や通常運転再開までの待ち時間を利用希望者に通知するために、かご上回答入力装置を操作し、この操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージが生成されて、この回答メッセージは、操作された乗り場呼び釦が設置される乗り場操作盤の乗り場表示装置に表示される。
【0035】
これにより、利用希望者は、エレベータの作業状況や通常運転再開までの待ち時間を適切かつ容易に把握出来るので、例えば通常運転が再開されるまでの待ち時間が短ければ、通常運転の再開まで乗り場で安心して待機することが出来る。また、利用希望者は、通常運転が再開されるまでの待ち時間が長い場合には、このエレベータの利用を諦めて別のエレベータを利用するか、階段を使う等する事で、乗り場で無駄に待機する必要が無くなる。
【0036】
さらに、本実施形態では、保守員がエレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者に通知するために、当該保守員が、かご上回答入力装置の数種類のキーや釦を数回操作すれば、この操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージが生成される。これにより、保守員が利用希望者への通知のために要する時間を最小限にする事が出来るので、保守員から利用希望者への通知のために、エレベータの通常運転の再開までの時間を必要以上に延ばす事を回避出来る。
【0037】
前述したように、保守員によりエレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者に通知するために必要なキーや釦は数種類で済むので、かご上回答入力装置8を用いる代わりに、図示しない既存のドア制御装置の操作釦などを利用してエレベータの作業状況を利用希望者に通知するための操作を行ない、この操作内容をもとに利用希望者への回答メッセージを生成してもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるエレベータの構成のうち図1に示したものと同一部分の説明は省略する。
本実施形態におけるエレベータは、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下された際、この旨をかご上の保守員に報知するとともに、利用希望者には、保守員への問い合わせ中であることを利用希望者のいる乗り場の乗り場表示装置に表示する機能を有する。
【0039】
図4は、第2の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図である。
本実施形態では、第1の実施形態と比較して、エレベータ制御装置1のエレベータ制御部2は、乗り場呼び釦操作通知部26をさらに有する。
【0040】
乗り場呼び釦操作通知部26は、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下された際に、保守員への問い合わせ中とのメッセージを、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示する。
【0041】
図5は、第2の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャートである。
初期状態として、乗りかごの運転モードは通常運転モードであるとする。まず、保守員が乗りかご4の上の天井部分に乗り込んで、かご上点検スイッチ6を操作すると(ステップS11)、エレベータ制御部2の運転モード切替部22は、乗りかごの運転モードを通常運転モードから保守運転モードに切り替える(ステップS12)。
【0042】
そして、エレベータの利用希望者が、当該利用希望者のいる乗り場の乗り場操作盤3の乗り場呼び釦3aを操作すると(ステップS13)、エレベータ制御部2は、この操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床を検出する。そして、エレベータ制御部2の報知処理部23は、この検出した階床での乗り場呼び入力がなされた事を示す通知信号を、テールコード5を介して、乗りかご4の乗り場呼び入力報知装置7に出力する。
乗り場呼び入力報知装置7は、通知信号を入力すると、乗り場呼び入力がなされた事を音声により保守員に報知する(ステップS14)。
【0043】
そして、エレベータ制御部2の乗り場呼び釦操作通知部26は、保守員への問い合わせ中を示す案内表示として、「保守員への問い合わせ中です」とのメッセージを、前述したように検出した、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示する(ステップS15)。
【0044】
エレベータ保守員は、乗り場呼び入力報知装置7による報知を認識する事で、乗り場呼び釦3aが押下されたことを確認すると、エレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者へ通知するために、かご上回答入力装置8の数字キー81や各種釦の入力操作を行なう(ステップS16)。
【0045】
すると、かご上回答入力装置8は、操作内容を示す信号をエレベータ制御装置1の回答表示装置9に出力する。回答表示装置9は、かご上回答入力装置8からの信号を入力すると、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成し(ステップS17)、この回答メッセージをエレベータ制御部2に出力する。
【0046】
エレベータ制御部2の表示制御部24は、回答表示装置9からの回答メッセージを、前述したように検出した、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床の乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示させる(ステップS18)。
【0047】
回答表示装置9からの回答メッセージが乗り場表示装置3bに表示されると、エレベータ制御部2の乗り場呼び釦操作通知部26は、当該乗り場表示装置3bに表示されていた、保守員への問い合わせ中を示す「保守員への問い合わせ中です。」との案内表示を終了する(ステップS19)。
【0048】
以上のように、第2の実施形態におけるエレベータは、第1の実施形態で説明した特徴に加え、利用希望者は、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で乗り場呼び釦を押下した後で、この押下がなされてから保守員からの回答メッセージが表示されるまでの間、保守員への問い合わせ中であるとのメッセージが、当該操作した乗り場呼び釦が設けられる乗り場操作盤の乗り場表示装置に表示される。よって、利用希望者は、点検運転モード中において、保守員からの回答が得られるまでの間の状態である事を容易に把握出来るので、保守員からの回答メッセージが表示されるまでの間、安心して乗り場で待機することが出来る。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
前述した実施形態では、運転モードが保守運転モードである状態で乗り場呼び釦3aが押下されると、乗り場呼び入力報知装置7により乗り場呼び釦3aが押下された事が乗り場呼び入力報知装置7により報知される。
しかし、保守員が、機器の点検作業中であるなどの理由で、乗り場呼び入力報知装置7により報知に気付かない場合がある。また、保守員は、乗り場呼び入力報知装置7による報知に気付いていても、現在行なっている作業の終了を優先しなければならない状況である場合には、この作業が終了するまでは、かご上回答入力装置8への操作を行なう事が出来ない。これらの理由により、乗り場呼び釦3aが押下されても、保守員から利用希望者への回答メッセージの表示が大幅に遅れる場合がある。
【0050】
本実施形態におけるエレベータは、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下されてからの時間を計測するタイマを備え、このタイマにより所定時間を計測しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、エレベータの通常運転の停止中である事を利用希望者のいる乗り場の乗り場表示装置に表示する機能を有する。
【0051】
図6は、第3の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図である。
本実施形態では、第1の実施形態と比較して、エレベータ制御装置1はタイマ10をさらに有する。タイマ10は、運転モードが保守運転モードに切り替えられた状態での乗り場呼び釦3aが押下されてからの時間を計測する。
【0052】
また、本実施形態では、回答表示装置9は、タイマ10が計測した時間が所定時間に達しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が入力されない場合には、エレベータの通常運転の停止中である事を示すメッセージを、前述のように操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示する。
【0053】
図7は、第3の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャートである。
初期状態として、乗りかごの運転モードは通常運転モードであるとする。まず、保守員が乗りかご4の上の天井部分に乗り込んで、かご上点検スイッチ6を操作すると(ステップS21)、エレベータ制御部2の運転モード切替部22は、乗りかごの運転モードを通常運転モードから保守運転モードに切り替える(ステップS22)。
【0054】
そして、エレベータの利用希望者が、当該利用希望者のいる乗り場の乗り場操作盤3の乗り場呼び釦3aを操作すると(ステップS23)、エレベータ制御部2は、この操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床を検出する。そして、エレベータ制御部2の報知処理部23は、乗り場呼び入力がなされた事を示す通知信号を、テールコード5を介して、かご上の乗り場呼び入力報知装置7に出力する。
【0055】
また、前述したようにかご上点検スイッチ6が操作されると、エレベータ制御部2はタイマ10を起動させる。この起動により、タイマ10は、乗り場呼び釦3aが操作された時点からの時間の計時を開始する(ステップS24)。
乗り場呼び入力報知装置7は、エレベータ制御部2からの通知信号を入力すると、乗り場呼び入力がなされた事を音声により保守員に報知する(ステップS25)。
【0056】
エレベータ保守員は、乗り場呼び入力報知装置7による報知を認識する事で、乗り場呼び釦3aが押下されたことを確認すると、エレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者へ通知するために、かご上回答入力装置8の数字キー81や各種釦の入力操作を行なう事が出来る。
【0057】
そして、タイマ10により計時された時間が所定時間に達する前に(ステップS26のNO)、保守員により、かご上回答入力装置8への操作がなされて、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されると(ステップS27のYES)、回答表示装置9は、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成し(ステップS28)、この回答メッセージをエレベータ制御部2に出力する。
【0058】
エレベータ制御部2の表示制御部24は、回答表示装置9からの回答メッセージを、前述したように検出した、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床の乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示させる(ステップS29)。
【0059】
一方、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されない状態で(ステップS27のNO)、タイマ10により計時された時間が所定時間に達した場合には(ステップS26のYES)、回答表示装置9は、エレベータの通常運転の停止中である事を示すメッセージを、前述のように操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示する(ステップS30)。
【0060】
この表示後に、保守員により、かご上回答入力装置8への操作がなされて、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されると、回答表示装置9は、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成する(ステップS31,S28)。
【0061】
以上のように、第3の実施形態におけるエレベータは、第1の実施形態で説明した特徴に加え、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下されてから所定時間が経過しても乗りかごのかご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、エレベータの通常運転の停止中である事を示すメッセージを、利用希望者のいる乗り場の乗り場表示装置に表示する。よって、保守員が、エレベータ機器の点検作業中であるなどの理由で、乗り場呼び入力報知装置7により報知に気付かない場合や、かご上回答入力装置8への操作を行なう事が出来ない状況にあっても、利用希望者は、エレベータの通常運転が停止中である事を示すメッセージを確認することが出来る。これにより、利用希望者は、乗り場呼び釦を押下した後に、保守員から利用希望者への回答メッセージの表示が大幅に遅れる場合における不安感を無くす事が出来る。
【0062】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
本実施形態におけるエレベータは、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下されてからの時間を計測する第1のタイマを備え、乗り場呼び釦が押下された場合、乗り場呼び入力報知装置7による報知を行なった上で、第1のタイマにより所定時間を計測しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、エレベータの通常運転の停止中である事を利用希望者のいる乗り場の乗り場表示装置に表示する機能を有する。さらに、このエレベータは、第1のタイマにより計測した時間が所定時間に達してからの時間を計測する第2のタイマを備え、この第2のタイマにより所定時間を計測しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、乗り場呼び入力報知装置7による報知を再度行なう機能を有する。
【0063】
図8は、第4の実施形態におけるエレベータの概略構成例を示す図である。
本実施形態では、エレベータ制御装置1は、第3の実施形態で説明したタイマ10に代えて、当該タイマ10と同機能の第1のタイマ31を備える。また、エレベータ制御装置1は、第2のタイマ32をさらに有する。
【0064】
この第2のタイマ32は、第1のタイマ31により所定時間を計測しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報がエレベータ制御部2に入力されない場合に、計時を行なう。
【0065】
この第2のタイマ32により計測した時間が所定時間に達してもかご上回答入力装置8からの操作内容の情報がエレベータ制御部2に入力されない場合は、エレベータ制御部2の報知処理部23は、乗り場呼び釦3aが押下された事を示す通知信号を乗り場呼び入力報知装置7再度出力する事により、保守員に再度報知を行なう。
【0066】
図9は、第4の実施形態におけるエレベータの利用希望者と保守員との間の連絡のための手順の一例を示すフローチャートである。
初期状態として、乗りかごの運転モードは通常運転モードであるとする。まず、保守員が乗りかご4の上の天井部分に乗り込んで、かご上点検スイッチ6を操作すると(ステップS41)、エレベータ制御部2の運転モード切替部22は、乗りかごの運転モードを通常運転モードから保守運転モードに切り替える(ステップS42)。
【0067】
そして、エレベータの利用希望者が、当該利用希望者のいる乗り場の乗り場操作盤3の乗り場呼び釦3aを操作すると(ステップS43)、エレベータ制御部2は、この操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床を検出する。そして、エレベータ制御部2の報知処理部23は、乗り場呼び入力がなされた事を示す通知信号を、テールコード5を介して、かご上の乗り場呼び入力報知装置7に出力する。
【0068】
また、前述したようにかご上点検スイッチ6が操作されると、エレベータ制御部2は第1のタイマ31を起動させる。この起動により、第1のタイマ31は、乗り場呼び釦3aを操作された時点からの時間の計時を開始する(ステップS44)。
乗り場呼び入力報知装置7は、エレベータ制御部2からの通知信号を入力すると、乗り場呼び入力がなされた事を音声により保守員に報知する(ステップS45)。
【0069】
エレベータ保守員は、乗り場呼び入力報知装置7による報知を認識する事で、乗り場呼び釦3aが押下されたことを確認すると、エレベータの作業状況や運転再開までの待ち時間を利用希望者へ通知するために、かご上回答入力装置8の数字キー81や各種釦の入力操作を行なう事が出来る。
【0070】
そして、第1のタイマ31により計時された時間が所定時間に達する前に(ステップS46のNO)、保守員により、かご上回答入力装置8への操作がなされて、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されると(ステップS47のYES)、回答表示装置9は、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成し(ステップS48)、この回答メッセージをエレベータ制御部2に出力する。
【0071】
エレベータ制御部2の表示制御部24は、回答表示装置9からの回答メッセージを、前述したように検出した、操作された乗り場呼び釦3aが設けられる階床の乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示させる(ステップS49)。
【0072】
一方、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されない状態で(ステップS47のNO)、第1のタイマ31により計時された時間が所定時間に達した場合には(ステップS46のYES)、回答表示装置9は、エレベータの通常運転の停止中である事を示すメッセージを、前述のように操作された乗り場呼び釦3aが設けられる乗り場操作盤3の乗り場表示装置3bに表示する(ステップS50)。
【0073】
また、操作内容を示す信号がエレベータ制御部2に入力されない状態で第1のタイマ31により計時された時間が前述のように所定時間に達した場合には、エレベータ制御部2は第2のタイマ32を起動させる。この起動により、第2のタイマ32は、第1のタイマ31により計時された時間が所定時間に達した時点からの計時を開始する(ステップS51)。
【0074】
そして、第2のタイマ32により計時された時間が所定時間に達する前に(ステップS52のNO)、保守員により、かご上回答入力装置8への操作がなされて、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されると(ステップS53のYES)、回答表示装置9は、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成する(ステップS53→S48)。
【0075】
また、操作内容を示す信号がエレベータ制御部2に入力されない状態で(ステップS53のNO)、第2のタイマ32により計時された時間が所定時間に達した場合には(ステップS52のYES)、エレベータ制御部2の報知処理部23は、乗り場呼び入力がなされた事を示す通知信号を、テールコード5を介して、かご上の乗り場呼び入力報知装置7に再度出力する。これにより乗り場呼び入力報知装置7による報知が再度なされる(ステップS54)。
【0076】
この報知に保守員が気付き、当該保守員により、かご上回答入力装置8への操作がなされて、操作内容を示す信号が回答表示装置9に入力されると、回答表示装置9は、この信号で示される操作内容をもとに、利用希望者への回答メッセージを生成する(ステップS55,S48)。
【0077】
以上のように、第4の実施形態におけるエレベータは、第3の実施形態で説明した特徴に加え、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下されてから計時を行ない、この時間が所定時間に達しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、さらに計時を行ない、この時間が所定時間に達しても、かご上回答入力装置8からの操作内容の情報が得られない場合に、乗り場呼び入力報知装置7による報知が再度なされる。
【0078】
よって、乗りかごの運転モードが点検運転モードに切り替えられた状態で、利用希望者により乗り場呼び釦が押下された時点における乗り場呼び入力報知装置7による報知がなされた事に保守員が気付かなかった場合でも、利用希望者により乗り場呼び釦が押下された事を保守員に気付かせる機会を設けることが出来る。
【0079】
これらの各実施形態によれば、エレベータの作業のために通常運転が停止している場合に利用希望者が求める情報を当該利用希望者が適切かつ容易に把握することが出来る。
【0080】
発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…エレベータ制御装置、2…エレベータ制御部、3…乗り場操作盤、3a…乗り場呼び釦、3b…乗り場表示装置、4…乗りかご、5…テールコード、6…かご上点検スイッチ、7…乗り場呼び入力報知装置、8…かご上回答入力装置、9…回答表示手段、10…タイマ、11…点検運転操作器、21…運転制御部、22…運転モード切替部、23…報知処理部、24…表示制御部、25…記憶装置、26…乗り場呼び釦操作通知部、31…第1のタイマ、32…第2のタイマ、81…数字キー、82…表示器、83…点検作業中釦、84…修復作業中釦、85…決定釦。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごの運転モードを、呼び登録にしたがって前記乗りかごを昇降させる通常運転モード、および、前記呼び登録の有無に関わらず前記乗りかごを前記通常運転モードにおける定格速度と比較して低い定格速度で手動昇降させる点検運転モードの間で切り替える運転モード切り替え手段と、
乗り場に設けられ、利用希望者による前記乗りかごの乗り場呼びのための操作を受け付ける乗り場呼び釦と、
乗り場に設けられる乗り場表示装置と、
前記運転モード切り替え手段により前記乗りかごの運転モードが前記点検運転モードに切り替えられた場合で、前記乗り場呼び釦が操作された際に、当該乗り場呼び釦が操作された事を前記乗りかごの上の保守員に報知する報知手段と、
前記報知手段による報知がなされた後の、前記操作された乗り場呼び釦を操作した利用希望者への前記保守員からの通知内容の入力操作を受け付ける入力装置と、
前記入力装置により入力された通知内容を、前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる乗り場の前記乗り場表示装置に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
前記運転モード切り替え手段により前記乗りかごの運転モードが前記点検運転モードに切り替えられた場合で、前記乗り場呼び釦が操作された際に、当該乗り場呼び釦が操作された事が前記報知手段により前記乗りかごの上の保守員に報知された旨を、前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる前記乗り場表示装置に表示する操作通知手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記運転モード切り替え手段により前記乗りかごの運転モードが前記点検運転モードに切り替えられた場合で、前記乗り場呼び釦が押されてからの時間を計測するタイマをさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記入力装置により前記保守員からの通知内容が入力されていない状態で、前記タイマにより計測した時間が所定時間以上となった場合に、前記乗りかごの通常運転の停止中である事を前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる前記乗り場表示装置に表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記運転モード切り替え手段により前記乗りかごの運転モードが前記点検運転モードに切り替えられた場合で、前記乗り場呼び釦が押されてからの時間を計測する第1のタイマをさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記入力装置により前記保守員からの通知内容が入力されていない状態で、前記第1のタイマにより計測した時間が所定時間以上となった場合に、前記乗りかごの通常運転の停止中である事を前記操作された乗り場呼び釦が設けられる乗り場に設けられる前記乗り場表示装置に表示し、
前記入力装置により前記保守員からの通知内容が入力されていない状態で、前記第1のタイマにより計測した時間が所定時間以上となった時点からの時間を計測する第2のタイマをさらに備え、
前記報知手段は、
前記入力装置により前記保守員からの通知内容が入力されていない状態で、前記第2のタイマにより計測した時間が所定時間以上となった場合に、前記乗り場呼び釦が操作された事を前記乗りかごの上の保守員に再度報知する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate