エンジンのスロットルケーブル調整装置
【課題】インナワイヤの張り具合の調整作業を正確に行うことのできるエンジンのスロットルケーブル調整装置を提供する。
【解決手段】連結部材37には、インナワイヤ35aの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部37cが設けられ、延出部37cは、支持部38の摺動面38dに摺動可能である。これにより、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業の際に、連結部材37に連結されたアウタチューブ35bを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業を正確に行うことが可能となる。
【解決手段】連結部材37には、インナワイヤ35aの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部37cが設けられ、延出部37cは、支持部38の摺動面38dに摺動可能である。これにより、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業の際に、連結部材37に連結されたアウタチューブ35bを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業を正確に行うことが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、エンジンのスロットルバルブを操作するためのスロットルケーブルのインナワイヤの張り具合を調整するためのスロットルケーブル調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスロットルケーブル調整装置では、気化器のスロットルバルブとスロットルバルブの弁開度を操作する操作部とを連結するインナワイヤと、エンジンの構成部材に固定されたアウタチューブと、を有し、エンジンの構成部材に対してアウタチューブの端部の固定位置を移動させることにより、インナワイヤの張り具合を調整するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−45364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記スロットルケーブル調整装置では、雄ネジ状のネジ部を有する筒部材にアウタチューブの端部を挿入し、筒部材のネジ部をエンジンの構成部材側に設けられた雌ネジ状のネジ孔に螺合させ、ロックナットをネジ部に螺合させることによってネジ孔にネジ部材を固定するようにしている。このため、アウタチューブの端部の固定位置を移動させるためには、ロックナットを緩めて筒部材を移動させるが、その際、筒部材が径方向に位置ずれを生じる場合がある。このため、筒部材を移動させる際には、アウタチューブが正確な取り付け姿勢とならず、インナワイヤの張り具合を正確に調整することができない場合がある。
【0005】
本発明の目的とするところは、インナワイヤの張り具合の調整作業を正確に行うことのできるエンジンのスロットルケーブル調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、エンジンのスロットルバルブに一端が連結されたインナワイヤと、前記インナワイヤが挿通されたアウタチューブと、前記アウタチューブの一端が連結された連結部材と、前記連結部材を支持する支持部と、を有し、前記支持部に対する前記連結部材の位置を変更することで前記スロットルバルブに対して前記インナワイヤの張り具合を調整可能なエンジンのスロットルケーブル調整装置において、前記連結部材には、インナワイヤの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部が設けられ、前記延出部は、前記支持部に対して摺動可能である。
【0007】
これにより、インナワイヤの張り具合の調整作業の際に、連結部材がインナワイヤの一端側の延びる方向に案内されることから、連結部材に連結されたアウタチューブが正確な姿勢で保持される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インナワイヤの張り具合の調整作業の際に、連結部材に連結されたアウタチューブを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤの張り具合の調整を正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジンの背面断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】エンジンの気化器およびスロットルケーブルを示す斜視図である。
【図4】位置調整機構の分解斜視図である。
【図5】位置調整機構の断面図である。
【図6】位置調整機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図6は、本発明の一実施形態を示すものである。
【0011】
本発明のスロットルケーブル調整装置を備えたエンジン10は、例えば、刈払機、チェーンソー、パワーブロワ等の携帯型作業機の作業部を駆動する動力源として用いられるものである。
【0012】
このエンジン10は、図1および図2に示すように、燃焼室22aに供給する混合気を生成するための気化器30と、気化器30に供給するガソリン等の液体燃料を貯留するための燃料タンク40と、燃焼ガスを燃焼室22aから排出するための排気マフラ50と、下面側を覆うアンダーカバー70と、下面側以外を覆うケーシング60と、を備えている。
【0013】
エンジン10は、ピストン21が上下方向に往復動自在に設けられたシリンダブロック22と、シリンダブロック22の下方に位置するクランクケース23と、シリンダブロック22の上方に位置するシリンダヘッド24と、クランクケース23の下方に位置するオイルパン25と、を有している。
【0014】
シリンダブロック22には、ピストン21を往復動自在に収容するシリンダ20が形成されており、ピストン21の上面とシリンダヘッド24との間が燃焼室22aとして形成される。
【0015】
クランクケース23には、クランクシャフト26を回動自在に収容するクランク室23aが設けられている。
【0016】
シリンダヘッド24には、気化器30で生成された混合気を燃焼室22aに導く吸気ポート24aと、燃焼室22aで燃焼したガスを排気マフラ50に導く排気ポート24bと、が設けられている。また、シリンダヘッド24には、燃焼室22aに対して吸気ポート24aを開閉する吸気バルブ24cと、排気ポート24bに対して燃焼室22aを開閉する排気バルブ24dが設けられている。吸気バルブ24cおよび排気バルブ24dは、カム室22bおよびロッカー室24eの内部に設けられたカムシャフトやロッカーアーム等から構成されたOHV型の動弁機構24fによって開閉する。
【0017】
オイルパン25は、クランクケース23の下側に別体で固定されている。クランクケース23とオイルパン25との間には、オイルタンク室25aが形成されており、内部に潤滑油が貯留されている。オイルタンク室25aは、可撓性を有するパイプ25bおよびクランクケース23に設けられた連通路25cを介してクランク室23aに接続されている。オイルタンク室25a内に貯留された潤滑油は、クランク室23a内の圧力変動によって、クランク室23a内に送られてミストとなり、さらに、カム室22bおよびロッカー室24eに供給され、クランク室23a、カム室22bおよびロッカー室24e内の部品を潤滑した後オイルタンク室25aに戻るように構成されている。
【0018】
クランクシャフト26は、前後方向両側がクランクケース23に回動自在に支持され、前後方向両端がクランクケース23から突出している。クランクシャフト26には、コネクティングロッド27を介してピストン21が連結されており、ピストン21の往復運動がクランクシャフト26の回転運動に変換される。
【0019】
クランクシャフト26の前端側には、携帯型作業機の作業部を駆動するためのドライブシャフト(図示せず)を連結するための軸連結部26cが設けられている。
【0020】
また、クランクシャフト26の後端側には、クランクシャフト26の回動を安定させるとともに、エンジン10を冷却し空冷ファンとしても機能するフライホイール28が設けられている。フライホイール28の前面側および後面側には、互いに間隔をおいて設けられた送風用の羽根28aがそれぞれ複数設けられている。このフライホイール28に設けられた複数の羽根28aは、フライホイール28の回転によってフライホイール28の径方向に空気を流通させる。また、フライホイール28の後側に位置するクランクシャフト26の後端側には、エンジン10を始動させるための周知のリコイルスタータ29が連結されている。フライホイール28は、クランクケース23、シリンダブロック22、ケーシング60、リコイルスタータカバー62によって囲まれており、フライホイール28を囲む部材によってファンケーシングが構成される。
【0021】
気化器30は、図1に示すように、シリンダヘッド24の左面側に設けられ、吸気ポート24aに接続されている。気化器30は、ベンチュリ効果によって空気中に燃料を混合させるためのベンチュリ管31と、ベンチュリ管31の流通方向下流側において混合気の流量を調整するためのスロットルバルブ32と、を有している。ベンチュリ管31の流通方向上流側には、ベンチュリ管31に粉塵等の異物を取り除いた空気を供給するためのエアクリーナ33が接続されている。また、ベンチュリ管31には、一端側が燃料タンク40に接続された吸入管(図示せず)の他端側が接続されている。
【0022】
本実施形態において、スロットルバルブ32は、ベンチュリ管31の内部において揺動可能に設けられたバタフライバルブである。スロットルバルブ32の回転軸は、図3に示すように、ベンチュリ管31の前面側に突出しており、スロットルアーム34の一端側が連結されている。スロットルバルブ32は、ベンチュリ管31の流路の開度を小さくする方向に付勢されている。スロットルバルブ32は、スロットルアーム34の他端側を下方に移動させる方向に回転させることにより、ベンチュリ管31の流路の開度が大きくなる。
【0023】
また、スロットルアーム34の他端側には、スロットルケーブル35を介してスロットル操作部(図示せず)が連結されている。スロットルケーブル35は、図3に示すように、一端側がスロットルアーム34に接続され、他端側がスロットル操作部に接続されたインナワイヤ35aと、インナワイヤ35aが挿通され、インナワイヤ35aを案内するためのアウタチューブ35bと、からなる。スロットル操作部は、スロットルレバー、アクセルグリップや、アクセルペダル等の操作部であってもよい。
【0024】
アウタチューブ35bの一端側は、エンジン10の下部側から上方に延びるとともに、スロットルアーム34の他端側の下方に位置している。アウタチューブ35bの一端部は、エンジン10と気化器30との間を仕切るように設けられたケーシング60aに固定される。アウタチューブ35bのスロットルアーム34側の一端部とケーシング60aとの間には、ケーシング60aに対してアウタチューブ35bの一端部の固定位置を上下方向に移動可能とする位置調整機構36が構成されている。
【0025】
位置調整機構36は、図3に示すように、アウタチューブ35bの一端部が連結される連結部材37と、ケーシング60aに設けられ、連結部材37を支持する支持部38と、支持部38に対する連結部材37の上下方向の位置を調整するための調整ネジ39とを有している。
【0026】
連結部材37は、図4乃至図6に示すように、金属板を屈曲することにより形成された板状部材である。連結部材37の左右方向一端側には、インナワイヤ35aが挿通される挿通孔37aが設けられている。挿通孔37aが位置する連結部材37の下面には、筒状のホルダが設けられ、ホルダにアウタチューブ35bを挿入することで、アウタチューブ35bの一端部が連結される。連結部材37の左右方向他端側には、調整ネジ39が螺合するネジ孔37bが設けられ、上方から調整ネジ39がネジ孔37bに挿入される。また、連結部材37には、左右方向他端からケーシング60aに沿って上方に延びる延出部37cが設けられている。
【0027】
支持部38は、図4乃至図6に示すように、ケーシング60aから左右方向に延びるように設けられている。支持部38の基端側には、上方から調整ネジ39のネジ部分を挿入可能なネジ挿入孔38aが設けられている。また、支持部38の先端側には、インナワイヤ35aが自由に通る切欠き38bが設けられている。また、支持部38の基端には、連結部材37の延出部37cが挿通される開口38cが設けられている。開口38cは、延出部37cの断面形状と略同一の形状を有している。さらに、支持部38の開口38cの基端側には、延出部37cが当接して摺動する摺動面38dがインナワイヤ35aと平行に、上下方向に延びるように設けられている。また、支持部38の前後両側には、連結部材37の前後両側を下方に延びるように壁38eが設けられている。
【0028】
調整ネジ39は、ネジ頭にドライバー等の工具が係合可能な溝が設けられている。調整ネジ39は、支持部38のネジ挿入孔38aに上方から挿入され、支持部38の下方に位置する連結部材37のネジ孔37bに螺合する。また、調整ネジ39の支持部38と連結部材37との間のネジ部分には、調整ネジ39に対して連結部材37を下方に付勢することによって調整ネジ39の緩みを防止するためのコイルばね39aが取り付けられている。連結部材37は、調整ネジ39を回転させることにより、摺動面38dに沿って移動する。その際、連結部材37は、延出部37cが開口38cに嵌合した状態で壁38e面を摺動することで、ガタつきが生じることなく移動する。
【0029】
燃料タンク40は、合成樹脂製の部材からなり、図1に示すように、クランクケース23の左側の気化器30の下方のスペースに設けられている。
【0030】
排気マフラ50は、シリンダヘッド24の右面側に設けられ、排気ポート24bに接続されている。
【0031】
ケーシング60はシリンダブロック22の後面から間隔をおいて設けられ、ケーシング60とシリンダブロック22の後面との間に空気流通路61が形成されている。空気流通路61は、上下方向に延びるように設けられ、フライホイール28の回動によって下端側から上方に向かって空気を流通させる。また、空気流通路61の下部側に位置するリコイルスタータカバー62には、空気吸入口61aが設けられている。また、空気流通路61の上部側の右側(排気マフラ50側)には、空気流通路61を流通する空気を外部に排出するための排風口61bが設けられている。さらに、調整ネジ39のネジ頭側の延長上に位置する部分であるケーシング60の上面には、図3に示すように、調整ネジ39のネジ頭の溝に係合させる工具を挿入可能な工具挿入孔60bが設けられている。
【0032】
アンダーカバー70は、図1に示すように左側に位置する燃料タンク40と一体に形成されている。アンダーカバー70の下面の幅方向両側には、前後方向に延びるとともに下方に突出する脚部71が設けられている。
【0033】
以上のように構成されたエンジン10において、エンジン10を駆動させると、ピストン21がシリンダブロック22内で上下方向に往復運動し、クランクシャフト26を回転させる。エンジン10がアイドル運転の状態において、スロットル操作部を操作すると、スロットルバルブ32は、スロットルケーブル35のインナワイヤ35aがスロットル操作部側に引っ張られてスロットルアーム34が回転することにより、ベンチュリ管31の流路を開放する。これにより、クランクシャフト26の回転数が大きくなる。
【0034】
連結部材37は調整ネジ39によって支持部38に支持されているため、スロットル操作部を操作している連結部材37には、ネジ孔37bを中心として挿通孔37a側が上方に移動する方向に力が作用する。しかし、連結部材37に作用する力に対して、連結部材37は、延出部37cが支持部38の摺動面38dに面接触して支持されるため姿勢が保持され、アウタチューブ35bの端部の位置を固定することが可能となる。
【0035】
ここで、スロットル操作部の操作に対して、スロットル操作部の遊びの範囲が適正でない場合には、アウタチューブ35bのスロットルバルブ32側の端部の上下方向の位置を調整することによって、インナワイヤ35aの張り具合を調整する。
【0036】
アウタチューブ35bの位置の調整は、ケーシング60の工具挿入孔60bにドライバー等の工具を挿入して工具を調整ネジ39のネジ頭に係合させ、調整ネジ39を回転させることにより行う。調整ネジ39を時計回りに回転させると、連結部材37は支持部38側に向かって上方に移動するため、アウタチューブ35bの端部が上方に移動してインナワイヤ35aの張りが緩くなる。また、調整ネジ39を反時計回りに回転させると、連結部材37は支持部38側から離れる方向に向かって下方に移動するため、アウタチューブ35bの端部が下方に移動してインナワイヤ35aの張りが強くなる。このとき、上下方向に移動する連結部材37は、延出部37cが支持部38の摺動面38d上を摺動するとともに、前後両側の壁38eによって前後方向の移動が規制されるため、調整ネジ39の回転と共に回転することはない。
【0037】
このように、本実施形態のスロットルケーブル調整装置によれば、連結部材37には、インナワイヤ35aの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部37cが設けられ、延出部37cは、支持部38の摺動面38dに摺動可能である。これにより、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業の際に、連結部材37に連結されたアウタチューブ35bを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業を正確に行うことが可能となる。
【0038】
また、連結部材37には、支持部38を貫通して延びる調整ネジ39が螺合可能なネジ孔37bが設けられ、連結部材37は、調整ネジ39の回転操作によって支持部38に対して延出部37cと平行に移動可能である。これにより、調整ネジ39の回転操作によってアウタチューブ35bの端部の位置を調整することができるので、調整作業が容易となる。
【0039】
また、連結部材37と支持部38が離れる方向に付勢するコイルばね39aを備えている。これにより、調整ネジ39のネジ部分が連結部材37のネジ孔37bの雌ネジ部分に接触した状態とすることができるので、ネジ孔37bに対する調整ネジ39の緩みを防止することが可能となる。
【0040】
また、支持部38には、延出部37cが挿入可能な開口38cが設けられ、開口38cは、延出部38の断面形状と略同一に形成されている。これにより、連結部材37は、延出部37cが開口38cに嵌合した状態で移動するため、ガタつきが生じることを防止可能である。
【0041】
また、ケーシング60の調整ネジ39のネジ頭側の延長上に位置する部分に工具挿入孔60bが設けられている。これにより、工具挿入孔60bから工具を挿入することで、アウタチューブ35bの調整作業を行うことができるので、作業効率を向上させることが可能となる。
【0042】
尚、前記実施形態では、支持部38を、エンジン10と気化器30との間を仕切るように設けられたケーシング60aに設けている物を示したが、エンジン10を構成する部材であればよく、ケーシング60に限られるものではない。
【0043】
また、前記実施形態では、アウタチューブ35bの端部を上下方向に移動させるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。インナワイヤ35aのスロットルバルブ32側の端部の延びる方向にアウタチューブ35bの端部を移動させるものであれば、上下方向以外の方向にアウタチューブ35bの端部を移動させるようにしてもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、スロットルケーブル調整装置を備えた携帯型作業機用のエンジンを示したが、これに限られるものではない。動力源の出力の調整に用いられるものであれば、例えば、車両のエンジンのスロットルケーブルの調整用に用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…エンジン、30…気化器、32…スロットルバルブ、34…スロットルアーム、35…スロットルケーブル、35a…インナワイヤ、35b…アウタチューブ、36…位置調整機構、37…連結部材、37b…ネジ孔、37c…延出部、38…支持部、38a…挿入孔、38d…摺動面、39…調整ネジ、39a…コイルばね、60a…ケーシング。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、エンジンのスロットルバルブを操作するためのスロットルケーブルのインナワイヤの張り具合を調整するためのスロットルケーブル調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスロットルケーブル調整装置では、気化器のスロットルバルブとスロットルバルブの弁開度を操作する操作部とを連結するインナワイヤと、エンジンの構成部材に固定されたアウタチューブと、を有し、エンジンの構成部材に対してアウタチューブの端部の固定位置を移動させることにより、インナワイヤの張り具合を調整するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−45364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記スロットルケーブル調整装置では、雄ネジ状のネジ部を有する筒部材にアウタチューブの端部を挿入し、筒部材のネジ部をエンジンの構成部材側に設けられた雌ネジ状のネジ孔に螺合させ、ロックナットをネジ部に螺合させることによってネジ孔にネジ部材を固定するようにしている。このため、アウタチューブの端部の固定位置を移動させるためには、ロックナットを緩めて筒部材を移動させるが、その際、筒部材が径方向に位置ずれを生じる場合がある。このため、筒部材を移動させる際には、アウタチューブが正確な取り付け姿勢とならず、インナワイヤの張り具合を正確に調整することができない場合がある。
【0005】
本発明の目的とするところは、インナワイヤの張り具合の調整作業を正確に行うことのできるエンジンのスロットルケーブル調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、エンジンのスロットルバルブに一端が連結されたインナワイヤと、前記インナワイヤが挿通されたアウタチューブと、前記アウタチューブの一端が連結された連結部材と、前記連結部材を支持する支持部と、を有し、前記支持部に対する前記連結部材の位置を変更することで前記スロットルバルブに対して前記インナワイヤの張り具合を調整可能なエンジンのスロットルケーブル調整装置において、前記連結部材には、インナワイヤの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部が設けられ、前記延出部は、前記支持部に対して摺動可能である。
【0007】
これにより、インナワイヤの張り具合の調整作業の際に、連結部材がインナワイヤの一端側の延びる方向に案内されることから、連結部材に連結されたアウタチューブが正確な姿勢で保持される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インナワイヤの張り具合の調整作業の際に、連結部材に連結されたアウタチューブを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤの張り具合の調整を正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジンの背面断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】エンジンの気化器およびスロットルケーブルを示す斜視図である。
【図4】位置調整機構の分解斜視図である。
【図5】位置調整機構の断面図である。
【図6】位置調整機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図6は、本発明の一実施形態を示すものである。
【0011】
本発明のスロットルケーブル調整装置を備えたエンジン10は、例えば、刈払機、チェーンソー、パワーブロワ等の携帯型作業機の作業部を駆動する動力源として用いられるものである。
【0012】
このエンジン10は、図1および図2に示すように、燃焼室22aに供給する混合気を生成するための気化器30と、気化器30に供給するガソリン等の液体燃料を貯留するための燃料タンク40と、燃焼ガスを燃焼室22aから排出するための排気マフラ50と、下面側を覆うアンダーカバー70と、下面側以外を覆うケーシング60と、を備えている。
【0013】
エンジン10は、ピストン21が上下方向に往復動自在に設けられたシリンダブロック22と、シリンダブロック22の下方に位置するクランクケース23と、シリンダブロック22の上方に位置するシリンダヘッド24と、クランクケース23の下方に位置するオイルパン25と、を有している。
【0014】
シリンダブロック22には、ピストン21を往復動自在に収容するシリンダ20が形成されており、ピストン21の上面とシリンダヘッド24との間が燃焼室22aとして形成される。
【0015】
クランクケース23には、クランクシャフト26を回動自在に収容するクランク室23aが設けられている。
【0016】
シリンダヘッド24には、気化器30で生成された混合気を燃焼室22aに導く吸気ポート24aと、燃焼室22aで燃焼したガスを排気マフラ50に導く排気ポート24bと、が設けられている。また、シリンダヘッド24には、燃焼室22aに対して吸気ポート24aを開閉する吸気バルブ24cと、排気ポート24bに対して燃焼室22aを開閉する排気バルブ24dが設けられている。吸気バルブ24cおよび排気バルブ24dは、カム室22bおよびロッカー室24eの内部に設けられたカムシャフトやロッカーアーム等から構成されたOHV型の動弁機構24fによって開閉する。
【0017】
オイルパン25は、クランクケース23の下側に別体で固定されている。クランクケース23とオイルパン25との間には、オイルタンク室25aが形成されており、内部に潤滑油が貯留されている。オイルタンク室25aは、可撓性を有するパイプ25bおよびクランクケース23に設けられた連通路25cを介してクランク室23aに接続されている。オイルタンク室25a内に貯留された潤滑油は、クランク室23a内の圧力変動によって、クランク室23a内に送られてミストとなり、さらに、カム室22bおよびロッカー室24eに供給され、クランク室23a、カム室22bおよびロッカー室24e内の部品を潤滑した後オイルタンク室25aに戻るように構成されている。
【0018】
クランクシャフト26は、前後方向両側がクランクケース23に回動自在に支持され、前後方向両端がクランクケース23から突出している。クランクシャフト26には、コネクティングロッド27を介してピストン21が連結されており、ピストン21の往復運動がクランクシャフト26の回転運動に変換される。
【0019】
クランクシャフト26の前端側には、携帯型作業機の作業部を駆動するためのドライブシャフト(図示せず)を連結するための軸連結部26cが設けられている。
【0020】
また、クランクシャフト26の後端側には、クランクシャフト26の回動を安定させるとともに、エンジン10を冷却し空冷ファンとしても機能するフライホイール28が設けられている。フライホイール28の前面側および後面側には、互いに間隔をおいて設けられた送風用の羽根28aがそれぞれ複数設けられている。このフライホイール28に設けられた複数の羽根28aは、フライホイール28の回転によってフライホイール28の径方向に空気を流通させる。また、フライホイール28の後側に位置するクランクシャフト26の後端側には、エンジン10を始動させるための周知のリコイルスタータ29が連結されている。フライホイール28は、クランクケース23、シリンダブロック22、ケーシング60、リコイルスタータカバー62によって囲まれており、フライホイール28を囲む部材によってファンケーシングが構成される。
【0021】
気化器30は、図1に示すように、シリンダヘッド24の左面側に設けられ、吸気ポート24aに接続されている。気化器30は、ベンチュリ効果によって空気中に燃料を混合させるためのベンチュリ管31と、ベンチュリ管31の流通方向下流側において混合気の流量を調整するためのスロットルバルブ32と、を有している。ベンチュリ管31の流通方向上流側には、ベンチュリ管31に粉塵等の異物を取り除いた空気を供給するためのエアクリーナ33が接続されている。また、ベンチュリ管31には、一端側が燃料タンク40に接続された吸入管(図示せず)の他端側が接続されている。
【0022】
本実施形態において、スロットルバルブ32は、ベンチュリ管31の内部において揺動可能に設けられたバタフライバルブである。スロットルバルブ32の回転軸は、図3に示すように、ベンチュリ管31の前面側に突出しており、スロットルアーム34の一端側が連結されている。スロットルバルブ32は、ベンチュリ管31の流路の開度を小さくする方向に付勢されている。スロットルバルブ32は、スロットルアーム34の他端側を下方に移動させる方向に回転させることにより、ベンチュリ管31の流路の開度が大きくなる。
【0023】
また、スロットルアーム34の他端側には、スロットルケーブル35を介してスロットル操作部(図示せず)が連結されている。スロットルケーブル35は、図3に示すように、一端側がスロットルアーム34に接続され、他端側がスロットル操作部に接続されたインナワイヤ35aと、インナワイヤ35aが挿通され、インナワイヤ35aを案内するためのアウタチューブ35bと、からなる。スロットル操作部は、スロットルレバー、アクセルグリップや、アクセルペダル等の操作部であってもよい。
【0024】
アウタチューブ35bの一端側は、エンジン10の下部側から上方に延びるとともに、スロットルアーム34の他端側の下方に位置している。アウタチューブ35bの一端部は、エンジン10と気化器30との間を仕切るように設けられたケーシング60aに固定される。アウタチューブ35bのスロットルアーム34側の一端部とケーシング60aとの間には、ケーシング60aに対してアウタチューブ35bの一端部の固定位置を上下方向に移動可能とする位置調整機構36が構成されている。
【0025】
位置調整機構36は、図3に示すように、アウタチューブ35bの一端部が連結される連結部材37と、ケーシング60aに設けられ、連結部材37を支持する支持部38と、支持部38に対する連結部材37の上下方向の位置を調整するための調整ネジ39とを有している。
【0026】
連結部材37は、図4乃至図6に示すように、金属板を屈曲することにより形成された板状部材である。連結部材37の左右方向一端側には、インナワイヤ35aが挿通される挿通孔37aが設けられている。挿通孔37aが位置する連結部材37の下面には、筒状のホルダが設けられ、ホルダにアウタチューブ35bを挿入することで、アウタチューブ35bの一端部が連結される。連結部材37の左右方向他端側には、調整ネジ39が螺合するネジ孔37bが設けられ、上方から調整ネジ39がネジ孔37bに挿入される。また、連結部材37には、左右方向他端からケーシング60aに沿って上方に延びる延出部37cが設けられている。
【0027】
支持部38は、図4乃至図6に示すように、ケーシング60aから左右方向に延びるように設けられている。支持部38の基端側には、上方から調整ネジ39のネジ部分を挿入可能なネジ挿入孔38aが設けられている。また、支持部38の先端側には、インナワイヤ35aが自由に通る切欠き38bが設けられている。また、支持部38の基端には、連結部材37の延出部37cが挿通される開口38cが設けられている。開口38cは、延出部37cの断面形状と略同一の形状を有している。さらに、支持部38の開口38cの基端側には、延出部37cが当接して摺動する摺動面38dがインナワイヤ35aと平行に、上下方向に延びるように設けられている。また、支持部38の前後両側には、連結部材37の前後両側を下方に延びるように壁38eが設けられている。
【0028】
調整ネジ39は、ネジ頭にドライバー等の工具が係合可能な溝が設けられている。調整ネジ39は、支持部38のネジ挿入孔38aに上方から挿入され、支持部38の下方に位置する連結部材37のネジ孔37bに螺合する。また、調整ネジ39の支持部38と連結部材37との間のネジ部分には、調整ネジ39に対して連結部材37を下方に付勢することによって調整ネジ39の緩みを防止するためのコイルばね39aが取り付けられている。連結部材37は、調整ネジ39を回転させることにより、摺動面38dに沿って移動する。その際、連結部材37は、延出部37cが開口38cに嵌合した状態で壁38e面を摺動することで、ガタつきが生じることなく移動する。
【0029】
燃料タンク40は、合成樹脂製の部材からなり、図1に示すように、クランクケース23の左側の気化器30の下方のスペースに設けられている。
【0030】
排気マフラ50は、シリンダヘッド24の右面側に設けられ、排気ポート24bに接続されている。
【0031】
ケーシング60はシリンダブロック22の後面から間隔をおいて設けられ、ケーシング60とシリンダブロック22の後面との間に空気流通路61が形成されている。空気流通路61は、上下方向に延びるように設けられ、フライホイール28の回動によって下端側から上方に向かって空気を流通させる。また、空気流通路61の下部側に位置するリコイルスタータカバー62には、空気吸入口61aが設けられている。また、空気流通路61の上部側の右側(排気マフラ50側)には、空気流通路61を流通する空気を外部に排出するための排風口61bが設けられている。さらに、調整ネジ39のネジ頭側の延長上に位置する部分であるケーシング60の上面には、図3に示すように、調整ネジ39のネジ頭の溝に係合させる工具を挿入可能な工具挿入孔60bが設けられている。
【0032】
アンダーカバー70は、図1に示すように左側に位置する燃料タンク40と一体に形成されている。アンダーカバー70の下面の幅方向両側には、前後方向に延びるとともに下方に突出する脚部71が設けられている。
【0033】
以上のように構成されたエンジン10において、エンジン10を駆動させると、ピストン21がシリンダブロック22内で上下方向に往復運動し、クランクシャフト26を回転させる。エンジン10がアイドル運転の状態において、スロットル操作部を操作すると、スロットルバルブ32は、スロットルケーブル35のインナワイヤ35aがスロットル操作部側に引っ張られてスロットルアーム34が回転することにより、ベンチュリ管31の流路を開放する。これにより、クランクシャフト26の回転数が大きくなる。
【0034】
連結部材37は調整ネジ39によって支持部38に支持されているため、スロットル操作部を操作している連結部材37には、ネジ孔37bを中心として挿通孔37a側が上方に移動する方向に力が作用する。しかし、連結部材37に作用する力に対して、連結部材37は、延出部37cが支持部38の摺動面38dに面接触して支持されるため姿勢が保持され、アウタチューブ35bの端部の位置を固定することが可能となる。
【0035】
ここで、スロットル操作部の操作に対して、スロットル操作部の遊びの範囲が適正でない場合には、アウタチューブ35bのスロットルバルブ32側の端部の上下方向の位置を調整することによって、インナワイヤ35aの張り具合を調整する。
【0036】
アウタチューブ35bの位置の調整は、ケーシング60の工具挿入孔60bにドライバー等の工具を挿入して工具を調整ネジ39のネジ頭に係合させ、調整ネジ39を回転させることにより行う。調整ネジ39を時計回りに回転させると、連結部材37は支持部38側に向かって上方に移動するため、アウタチューブ35bの端部が上方に移動してインナワイヤ35aの張りが緩くなる。また、調整ネジ39を反時計回りに回転させると、連結部材37は支持部38側から離れる方向に向かって下方に移動するため、アウタチューブ35bの端部が下方に移動してインナワイヤ35aの張りが強くなる。このとき、上下方向に移動する連結部材37は、延出部37cが支持部38の摺動面38d上を摺動するとともに、前後両側の壁38eによって前後方向の移動が規制されるため、調整ネジ39の回転と共に回転することはない。
【0037】
このように、本実施形態のスロットルケーブル調整装置によれば、連結部材37には、インナワイヤ35aの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部37cが設けられ、延出部37cは、支持部38の摺動面38dに摺動可能である。これにより、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業の際に、連結部材37に連結されたアウタチューブ35bを正確な姿勢で保持することができるので、インナワイヤ35aの張り具合の調整作業を正確に行うことが可能となる。
【0038】
また、連結部材37には、支持部38を貫通して延びる調整ネジ39が螺合可能なネジ孔37bが設けられ、連結部材37は、調整ネジ39の回転操作によって支持部38に対して延出部37cと平行に移動可能である。これにより、調整ネジ39の回転操作によってアウタチューブ35bの端部の位置を調整することができるので、調整作業が容易となる。
【0039】
また、連結部材37と支持部38が離れる方向に付勢するコイルばね39aを備えている。これにより、調整ネジ39のネジ部分が連結部材37のネジ孔37bの雌ネジ部分に接触した状態とすることができるので、ネジ孔37bに対する調整ネジ39の緩みを防止することが可能となる。
【0040】
また、支持部38には、延出部37cが挿入可能な開口38cが設けられ、開口38cは、延出部38の断面形状と略同一に形成されている。これにより、連結部材37は、延出部37cが開口38cに嵌合した状態で移動するため、ガタつきが生じることを防止可能である。
【0041】
また、ケーシング60の調整ネジ39のネジ頭側の延長上に位置する部分に工具挿入孔60bが設けられている。これにより、工具挿入孔60bから工具を挿入することで、アウタチューブ35bの調整作業を行うことができるので、作業効率を向上させることが可能となる。
【0042】
尚、前記実施形態では、支持部38を、エンジン10と気化器30との間を仕切るように設けられたケーシング60aに設けている物を示したが、エンジン10を構成する部材であればよく、ケーシング60に限られるものではない。
【0043】
また、前記実施形態では、アウタチューブ35bの端部を上下方向に移動させるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。インナワイヤ35aのスロットルバルブ32側の端部の延びる方向にアウタチューブ35bの端部を移動させるものであれば、上下方向以外の方向にアウタチューブ35bの端部を移動させるようにしてもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、スロットルケーブル調整装置を備えた携帯型作業機用のエンジンを示したが、これに限られるものではない。動力源の出力の調整に用いられるものであれば、例えば、車両のエンジンのスロットルケーブルの調整用に用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…エンジン、30…気化器、32…スロットルバルブ、34…スロットルアーム、35…スロットルケーブル、35a…インナワイヤ、35b…アウタチューブ、36…位置調整機構、37…連結部材、37b…ネジ孔、37c…延出部、38…支持部、38a…挿入孔、38d…摺動面、39…調整ネジ、39a…コイルばね、60a…ケーシング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンのスロットルバルブに一端が連結されたインナワイヤと、前記インナワイヤが挿通されたアウタチューブと、前記アウタチューブの一端が連結された連結部材と、前記連結部材を支持する支持部と、を有し、前記支持部に対する前記連結部材の位置を変更することで前記スロットルバルブに対して前記インナワイヤの張り具合を調整可能なエンジンのスロットルケーブル調整装置において、
前記連結部材には、インナワイヤの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部が設けられ、
前記延出部は、前記支持部に対して摺動可能である
ことを特徴とするエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項2】
前記連結部材には、前記支持部を貫通して延びる雄ネジ状のネジ部材が螺合するネジ孔が設けられ、
前記連結部材は、前記ネジ部材の回転操作によって前記支持部に対して前記延出部と平行に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項3】
前記連結部材と前記支持部が離れる方向に付勢する付勢手段を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項4】
前記支持部には、前記延出部が挿入可能な開口が設けられ、
前記開口は、前記延出部の断面形状と略同一の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項5】
前記エンジンの外側を覆うケーシングのネジ部材のネジ頭側の延長上に位置する部分には、孔が設けられている
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項1】
エンジンのスロットルバルブに一端が連結されたインナワイヤと、前記インナワイヤが挿通されたアウタチューブと、前記アウタチューブの一端が連結された連結部材と、前記連結部材を支持する支持部と、を有し、前記支持部に対する前記連結部材の位置を変更することで前記スロットルバルブに対して前記インナワイヤの張り具合を調整可能なエンジンのスロットルケーブル調整装置において、
前記連結部材には、インナワイヤの一端側が延びる方向と略平行に延びる延出部が設けられ、
前記延出部は、前記支持部に対して摺動可能である
ことを特徴とするエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項2】
前記連結部材には、前記支持部を貫通して延びる雄ネジ状のネジ部材が螺合するネジ孔が設けられ、
前記連結部材は、前記ネジ部材の回転操作によって前記支持部に対して前記延出部と平行に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項3】
前記連結部材と前記支持部が離れる方向に付勢する付勢手段を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項4】
前記支持部には、前記延出部が挿入可能な開口が設けられ、
前記開口は、前記延出部の断面形状と略同一の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【請求項5】
前記エンジンの外側を覆うケーシングのネジ部材のネジ頭側の延長上に位置する部分には、孔が設けられている
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のエンジンのスロットルケーブル調整装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−100800(P2013−100800A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246085(P2011−246085)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
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