説明

オイルゲル化粧料

【課題】 パール粉体の光学的特徴を生かすオイルゲル化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】 粉体30乃至60質量%と油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料であって、前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有するオイルゲル化粧料を提供する。前記チタン被覆金雲母のチタン被覆率が10乃至18%であることが好ましく、高融点ワックスの含有量は0.1質量%以下であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、パール粉体の光学的特徴を生かす化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メークアップ化粧料において、様々な色を楽しむため、より発色が優れたものや華やかさを演出できるものが開発されている。華やかな印象や立体感、つや感を呈することができるため、パール粉体はメークアップ化粧料に多用されており、特にポイントメークにかかるパール粉体を含有させることで、干渉色によるきらきら感やつや感等の光学的効果を発揮する。このようなパール粉体は光輝性粉体とも言われ、板状粉体上に、回折格子を形成する微粒子の金属酸化物、特に、二酸化チタンが一定間隔を以て被覆されている構造を有し、反射光の回折現象によって真珠様光沢を呈するものが多い。その他には透明乃至は半透明板状粉体の積層構造により、層による回折現象により真珠様光沢を呈するものもある。パール光沢は、どの様な回折現象により真珠様光沢を呈するか、或いは、どの様な板状粉体を基体として、どの様な金属酸化物をどの程度被覆するかによって、その光沢特性が大きく左右される。かかるパール光沢粉体としては、二酸化チタン等の微粒子金属酸化物やチタン被覆金雲母等が挙げられ、干渉により光沢感を出し、華やかな印象を与えることが出来る。その他、一般的なパール粉体としては、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、タルクチタン、セリサイトチタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレン・テレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の光輝性粉体等が化粧料に使用される。
この様なパール光沢粉体の光学効果を生かすためには、1)パール光沢粉体の配向が一定方向のになるように含有させる、及び、2)回折格子における屈折率の差が減じられないように配合するの、2つの点が重要となってくる。往々にしてオイルゲル製剤においては、回折格子に於ける屈折率の差が、油性成分が介在することにより、損なわれやすい傾向にあり、パール光沢粉体、特に、板状粉体に微粒子金属酸化物が被覆されたタイプのパール光沢粉体の光学的効果を十分に生かせる状況ではない場合が多々存した。従って、オイルゲル化粧料に於いては、パール粉体の本来発揮すべき光学特性を十分発揮させる技術が望まれていたといえる。
【0003】
パール粉体の光学的効果を向上させる方法としては、特定の屈折率を有する粉体を配合することにより、1)高い発色・彩度を得る方法(例えば、特許文献1参照)、2)平均粒子径を特定の範囲にした光輝性粉体を配合する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。また、3)いくつかの粉体を組み合わせて光輝性粉体の偏りをなくすことで、光学的効果を調整する方法も検討されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、1)の方法では、回折格子の屈折率の差が減じるため、オイルゲル製剤では、その効果は著しく減じられ、2)、3)の方法では回折格子の屈折率には効果を奏さないので、これらのオイルゲル製剤ではあまり有効な手段とは言えない。
【0004】
オイルゲル系化粧料としては、アイカラー、ファンデーション、リップ、コンシーラー等があり、これらにパール粉体を使用する場合、油性成分の量によってはベタツキ感や乾燥感といった使用感の課題や光学的効果を十分発揮しない場合があり、使用感とパール粉体の効果を両立する技術が切望されていた。
【0005】
一方金雲母(フロゴパイト)は、3八面体雲母の一種であり、化学構造式はKMg3AlSi3O10(OH)2である。白雲母などに比してMgを含有する点で異なっており、これが光学効果を変化させる要因ともなっている。金雲母は、これ自体において輝度が白雲母に比して著しい。これに二酸化チタンの微粒子を被覆したチタン被覆金雲はチタンの被覆の程度により、干渉度合が異なり、パール色を出しながら様々な色となり、メーキャップ化粧料に配合されている。しかしながら、かかる金雲母においても、従前はオイルゲル系に於いてはそのパール光沢効果が減じると信じられていた。オイルゲルの特殊な系、即ち、1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料において、チタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有させることにより、該チタン被覆金雲母の光学効果を遺憾なく発揮できることは全く知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2007−269729号公報
【特許文献2】特開2004−123681号公報
【特許文献3】特開2002−249415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、パール粉体の光学的特徴を生かすオイルゲル化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この様な実状に鑑みて、本発明者らは、パール粉体の光学的特徴を効果的に発揮するオイルゲル化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料において、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有させたオイルゲル化粧料に、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1>1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料であって、3)前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有することを特徴とする、オイルゲル化粧料。
<2> 前記チタン被覆金雲母のチタン被覆率が10乃至18%であることを特徴とする、<1>に記載のオイルゲル化粧料。
<3> 高融点ワックスの含有量は0.1質量%以下であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のオイルゲル化粧料。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パール粉体の光学効果を顕著に発揮可能なオイルゲル化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<1>本発明の粉体
本発明のオイルゲル化粧料は粉体を30乃至60質量%、より好ましくは、40質量%〜55質量%を含有することを特徴とし、前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有することを特徴とする。かかる粉体は通常化粧料に使用される粉体であれば、特段制限はなく、必須の成分であるチタン被覆金雲母以外では、例えば、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母等の雲母、合成金雲母等の金雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類などが好適に例示でき、これらは表面処理されていても良い。該表面処理は、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、チタン被覆金雲母であり、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等が好適に例示できる。表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母としては、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、チタン被覆金雲母であり、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の表面処理をされていてもよいチタン被覆合成金雲母が好適に例示できる。かかるチタン被覆金雲母として、市販品を使用することが可能であり、プロミネンスシリーズ(トピー工業製)、ジェネスター400,410,420,430等ジェネスターシリーズ(日本光研工業製)等が好適に例示でき、屈折率が高く干渉作用が強くパール色がよりきれいに見えるため、特にジェネスターシリーズが好ましい。酸化チタンの被覆率は通常化粧料の原料として使用される範囲であれば制限はないが、10乃至40%が好ましく、中でも、10乃至18%のものを必須として含有する形態が好ましい。また、かかる酸化チタンの被覆率が10乃至18%のチタン被覆金雲母の含有量は、5質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは、15質量%〜25質量%である。尚、表面処理されていても良いチタン被覆金雲母の含有量の総量は、化粧料の総量に対して、15乃至45質量%が好ましく、20質量%〜35質量%が好ましい。これは下限以下では粉体のパール色を十分発揮されず、上限以上では製剤の処方の自由度に制限が生じるためである。
【0011】
<2>本発明の油性成分
本発明のオイルゲル化粧料は油性成分を30乃至45質量%含有することを特徴とする。本発明で言う油性成分としては、炭化水素油、シリコーン油、エステル油などの水とは任意の割合で交わらない有機成分であって、1気圧25℃の条件で流動性を示す成分の総称を意味する。かかる油性成分しては、通常化粧料で使用可能なものであればよいが、炭化水素、脂肪酸のエステル、ジメチコンなどのシリコーン、高級アルコール、グリセリンのトリ脂肪酸エステル、ジグリセリンのテトラ脂肪酸エステル、トリグリセリンのペンタ脂肪酸エステル、脂肪酸、N−アシルグルタミン酸のジエステル等が好ましく例示できる。具体的には、例えば、椿油、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン等のオイル類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ホホバアルコール等の高級アルコール等、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリルトリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)等の多価アルコール脂肪酸エステル類、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/べへニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ べへニル/オクチルドデシル)等のN−アシル化グルタミン酸のジエステルなどが例示できる。更に架橋型メチルポリシロキサンが好ましく例示でき、かかる成分は、化粧料原料として広く市販されており、市販品を購入して利用することができる。好ましい市販品としては、例えば、信越化学株式会社より販売されている「シリコーンKSG−16」等が例示できる。架橋型メチルポリシロキサンを油性成分として含有させることにより、使用時における延展の軽さと、延展後の肌のさっぱり感を具現化するものである。また、かかる成分の作るゲル構造に構造形成を委ねることにより、ワックス分の含有量を0.1質量%未満、ひいては実質的に含有しない形態でオイルゲル化粧料とすることが出来る。この様な形態を採用することにより、ワックス分の含有による酸化チタン回折格子の機能低下を防ぐことが出来る。油性成分は化粧料全量に対して、30乃至45質量%含有させることが好ましく、下限以下では本願発明の効果が発揮されず、上限以上ではベタツキ感を感じ使用感が悪くなる。
【0012】
<3>本発明のオイルゲル化粧料
また、本発明のオイルゲル化粧料は、これら上記の成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。このような任意成分としては、例えば、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等の高融点ワックス、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ベントナイト等の増粘剤、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類などが好ましく例示できる。これらの内、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等の高融点ワックスは、本願発明の効果を妨げない範囲で含有させることは出来るが、化粧料として使用する場合のチップや指での取れ性を考慮し、0.1質量%未満の含有量とすることが好ましく、実質的に含有しない形態が特に好ましい。
【0013】
本発明のオイルゲル化粧料は、これらの成分を常法に従って処理することにより得ることができる。本発明のオイルゲル化粧料は毛髪用、口唇用、顔面用、ボディ用等に用いることが出来、特に限定はないが、好ましくは顔面用であり、スキンケア、メークアップ化粧料として使用でき、パール粉体としてチタン被覆金雲母の光学効果を発揮させることを考慮すると、メックアップ化粧料として用いることが好ましく、特にポイントメークである、アイカラー等に用いることが好ましい。剤形も特に限定されるものではないが、具体的には、ペースト、油性ジェリー、軟膏、パック、オイルゲルなどが好適に例示でき、オイルゲルが好ましい。
【0014】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。

<実施例1>
【0015】
以下に示す処方に従って、本発明のオイルゲル化粧料1(実施例1)を調製した。イを練合機で良く撹拌し、その後ロを加え練合機で混練した。これを減圧下脱泡し、オイルゲル化粧料1を調製した。

【0016】
【表1】

<実施例2〜3、比較例1〜2>
【0017】
オイルゲル化粧料1のチタン被覆金雲母を5質量%とし、残りをチタンマイカに置換したものを比較例1とし、チタン被覆金雲母を全てチタンマイカに置換したものを比較例2とした。シリコーンKSG−16をカルナウバワックスに置換した比較例3も同様に作成した。また、シリコーンKSG−16の0.1質量%をミツロウに置換したものを実施例2、ジェネスター400(被覆率14%)をジェネスター430(被覆率35%)に置換したものを実施例3とした。オイルゲル化粧料オイルゲル化粧料
【0018】
<試験例1>
サンプルを測色用のセルに充填し、色彩色差計(コニカミノルタCR400)で5回測色し、標準白色板に対するΔE値を求め、その5回に於ける分散を算出した。結果を表2に示す。これより、本発明の化粧料は分散値が高く、パール光沢の程度が著しいことが判った。これはパール粉体が一定方向に配向している証拠である。また、ジェネスター400(被覆率14%)に比べて、ジェネスター430(被覆率35%)の分散値が高く、チタン被覆金雲母の被覆率は14%程度である方が、30%超えたものより、パール光沢の程度が著しいことが判った。
【0019】
【表2】

【0020】
<試験例2>
シリコーンラバー上にドクターブレードで30ミルの厚さにサンプルの薄膜を引き、この薄膜に90度の方向から光を照射し、20度、75度のグロス値を測定しこの差を算出した。結果を表3に示す。これより、本発明の化粧料の化粧膜のグロス値には確度依存性が存し、パール粉体が一定方向に配向していることが判る。
【0021】
【表3】

【0022】
<試験例3>
5人の女性に通常使用する時と同様に塗布具(チップ)を用いてサンプルを10回こすり採取し、上腕内測に塗布する動作を10回繰り返し行ってもらい、1回当たりの採取量の平均を測定し、結果を表4に示した。本発明の化粧料において、高融点ワックスを0.1質量%以上含有する実施例2において、採取量が少なく、高融点ワックスは0.1質量%以下とする方が、使用時の取れる量が多く、何回も採取する必要がないため、利便性が高いことが明らかとなった。
【0023】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、オイルゲル化粧料として応用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)粉体30乃至60質量%と、2)油性成分30乃至45質量%とを含有する化粧料であって、3)前記粉体中に、化粧料の総量に対して、表面処理されていてもよいチタン被覆金雲母を15乃至45質量%含有することを特徴とする、オイルゲル化粧料。
【請求項2】
前記チタン被覆金雲母のチタン被覆率が10乃至18%であることを特徴とする、請求項1に記載のオイルゲル化粧料。
【請求項3】
高融点ワックスの含有量は0.1質量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のオイルゲル化粧料。

【公開番号】特開2010−173947(P2010−173947A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16131(P2009−16131)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】