説明

オイルフリーの低電圧のコンジットのための方法およびシステム

【課題】ターボ機械の種々の内部部品を外部接続部に電気的に接続するための機構および技術を提供する。
【解決手段】第1のコネクタ64を第1の電気ケーブル60の第1の端部に溶接またはろう付けするステップであって、第1のコネクタ64が、第1の電気ケーブル60の第1の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップと、第2のコネクタ68を第1の電気ケーブル60の第2の端部に溶接またはろう付けするステップであって、第2のコネクタ68が、第1の電気ケーブル60の第2の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップと、を含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して方法およびシステムに関し、より詳細には、ターボ機械の種々の内部部品を外部接続部に電気的に接続するための機構および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
過去何年にもわたり、種々の産業においてターボ機械の重要性が増している。ターボ機械は、圧縮機、エキスパンダ、タービン、ポンプなど、またはそれらの組み合わせである可能性がある。これらのターボ機械は、エンジン、タービン、発電、低温用途、オイルおよびガス、石油化学用途などに使用される。したがって、ターボ機械の効率および信頼性を向上させることが必要とされている。
【0003】
工業用にしばしば使用される1つのターボ機械には、電気モータによって駆動される圧縮機が含まれる。このようなターボ機械は、例えば、メタン、天然ガス、および/または、液化天然ガス(LNG)を回収するのに使用され得る。これらのガスを回収することにより、排気が減少し、LNGを船に積載する際のフレア処理(flare operation)が減る。このような種類のターボ機械の別の使用例は当技術分野では既知であり、ここでは考察しない。
【0004】
このようなターボ機械の例が図1に示されている。ターボ機械2は圧縮機6に接続された電気モータ4を含む。2つの機械のシャフトを接続することは機械継手8によって達成され得る。モータ外部ケーシング10が例えばボルト14によって圧縮機外部ケーシング12に取り付けられ得る。圧縮機6は、圧縮機シャフト18に取り付けられる1つまたは複数の翼車16を含んでいてよい。圧縮機シャフト18は、長手方向軸Xの周りを回転するように構成される。圧縮機シャフト18の両端部のところにある磁気軸受20および22を使用することにより、圧縮機シャフト18が回転することが強化される。
【0005】
しかし、磁気軸受20および22は、機能するために電力の供給を受ける必要がある。電力は、ケーブル24および26を介して磁気軸受20および22に供給される。ケーブル24は磁気軸受20に接続され、一方ケーブル26は磁気軸受22に接続される。ケーブル24は、外部電気ケーブル32の対応するヘッド30と対合するように構成されるヘッド28を具備する。ケーブル26は同様の形で外部ケーブル34に接続される。ケーブル24および26は圧縮機によって処理される媒体に露出される。この媒体は腐食性である可能性があり、高圧および高温である可能性が高い。したがって、ケーブルを保護するための特別な予防策を講じる必要がある。ケーブル24および26は圧縮機ケーシング12の内壁に取り付けられ得る。同様のことがモータ4にも当てはまり、ここではケーブル36および38がモータ4の磁気軸受40を外部電源に接続している。
【0006】
ケーブル24および26に関しては、これらは、磁気軸受20および22に電気を供給するための従来の低電圧のコンジット(low voltage conduit)の代表例である。これらの従来のコンジットは、通常、電気ケーブルを包含する金属コンジットを使用して構成される。これらのコンジットは、さらに、電気的絶縁を与えること、および、ターボ機械2の種々の動作環境にしばしば存在する外圧に対する追加の抵抗力を与えることの両方のために、オイルで充填される。電気ケーブル24および26は、可撓性または剛性であってよい金属コンジット内に存在してよい。図2に示されるような可撓性金属コンジットの例は、ステンレス鋼であってよいわずかな厚さのシート金属を有する波形パイプ42である。低電圧の電気接続部は、通常、溶接により波形パイプの各端部に取り付けられる。波形パイプはさらに、通常、その一例が図3に示されている金属の添え金44によって囲繞され、この金属の添え金44は組立時および動作時に波形パイプを損傷から保護するのを補助する。従来の剛性コンジットの一例は、電気ケーブルを収容しかつパイプの各端部のところに電気コネクタをさらに有する剛性パイプである。これらの従来の電気ケーブルは、一般に、最大で125℃、140バールの条件で機能することができる。これらの従来のコンジットは、これから説明するように、使用に関して種々の問題を有する。
【0007】
オイルで充填された波形パイプ42は、通常、ある程度の柔軟性を維持しながら、それらに加えられる外圧を支持する必要がある。このことと引き換えに、曲げられるときの応力を減少させるために壁が薄くなるが、同時に外部から加えられる圧力に対する支持力を提供するようにしなければならない。また、これらの波形パイプの壁が薄いことから、ならびに、外部のガス圧力を受けるときにコンジットを拘束する可能性があるガスが存在するのを排除するために適切に充填される必要があることから、オイルで充填される波形パイプを取り扱うことおよび製作することは難易度が高い。さらに、加熱されることでオイルが膨張してそれにより波形パイプに望ましくない機械的応力が発生する可能性もあることから、熱勾配も考慮する必要がある。さらに、電気ケーブルを収容する可撓性パイプの場合、例えば酸性ガスまたはサワーガスが存在するといったような、ターボ機械2内の環境によっても、薄壁の可撓性波形パイプ42が破損する可能性がある(すなわち、早期に交換する必要がある)。
【0008】
剛性パイプの場合、パイプの柔軟性が欠如していることから、一般に、ターボ機械2内での経路設定および組み立てが最適にならない。
【発明の概要】
【0009】
したがって、ターボ機械内で電気ケーブルを経路設定するための別の方法およびシステムを有することが望まれる。
【0010】
例示の実施形態によると、ターボ機械が存在する。このターボ機械は、回転するように構成される圧縮機シャフトを有する圧縮機と、圧縮機シャフトの両側の端部のところに設けられ、圧縮機シャフトを支持するように構成される第1および第2の磁気軸受と、圧縮機シャフトに接続されるように構成されるモータシャフトを有するモータと、第1の磁気軸受を第1の外部接続部に接続するように構成される第1の電気ケーブルであって、第1の電気ケーブルが、第1の端部、第2の端部、内部コア部分および外側シース部分を有し、内部コア部分および外側シース部分が第1の端部から第2の端部まで延在する、第1の電気ケーブルと、を備える。さらに、第1の電気ケーブルの第1の端部を第1の磁気軸受に接続するように構成される第1のコネクタであって、第1のコネクタが、内部コア部分および外側シース部分の両方に対して、第1の電気ケーブルの第1の端部に溶接またはろう付けされる、第1のコネクタと、第1の電気ケーブルの第2の端部を第1の外部接続部に接続するように構成される第2のコネクタであって、第2のコネクタが、内部コア部分および外側シース部分の両方に対して、第2の電気ケーブルの第2の端部に溶接またはろう付けされる、第2のコネクタと、が存在する。
【0011】
別の例示の実施形態によると、ターボ機械内の磁気軸受を外部コネクタに電気的に接続するための方法が存在する。この方法は、第1のコネクタを第1の電気ケーブルの第1の端部に溶接またはろう付けするステップであって、第1のコネクタが第1の電気ケーブルの第1の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップと、第2のコネクタを第1の電気ケーブルの第2の端部に溶接またはろう付けするステップであって、第2のコネクタが第1の電気ケーブルの第2の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされるステップと、を含む。
【0012】
添付図面が例示の実施形態を例示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ターボ機械を示す図である。
【図2】波形パイプを示す図である。
【図3】波形パイプのための添え金を示す図である。
【図4】例示の実施形態によるターボ機械を示す図である。
【図5】例示の実施形態による電気ケーブルを示す断面図である。
【図6】例示の実施形態による、コネクタを電気ケーブルに取り付けるための溶接位置を示す図である。
【図7】例示の実施形態による、コネクタを電気ケーブルに取り付けるための溶接位置を示す図である。
【図8】例示の実施形態による、ベルトを備える電機ケーブルを示す図である。
【図9】例示の実施形態による電気ケーブル内の複数の導電性コアを示す図である。
【図10】例示の実施形態による電気ケーブルのための考えられる経路設定を示す図である。
【図11】例示の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示の実施形態の以下の詳細な説明は添付図面を参照する。異なる図面の同じ参照符号は同じまたは同様の要素を示す。また、これらの図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていない。また、以下の詳細な説明は本発明を限定しない。代わりに、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0015】
本明細書を通して言及する「一実施形態」または「実施形態」は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して種々の箇所に「一実施形態において」または「実施形態において」というフレーズが現れることは、必ずしも同じ実施形態を示していない。さらに、特定の特徴、構造または特性は1つまたは複数の実施形態において任意適当な形で組み合わされ得る。例示の実施形態によると、背景技術のセクションの従来の電気コンジットに対して説明した問題の一部またはすべてを回避または最小化する形で、オイルフリーの電気コンジット(oil free electrical conduit)が、例えば圧縮機、エキスパンダ、タービン、ポンプなど、またはそれらの組み合わせといったターボ機械の中の磁気軸受に低電圧を供給することができる。さらに、一部の例示の実施形態は、例えば、電気コンジットに対して高圧・高温での動作寿命を延ばすことにより、従来のコンジットに対してコスト削減を実現することができる。
【0016】
オイルフリーの(または流体を有さない)低電圧のコンジットに関連する種々の例示の実施形態を説明する前に、ここで、図4に示されるような例示のターボ機械46の一例を説明する。この例示のターボ機械46は、磁気軸受に電圧を供給するためのコンジットが、従来のターボ機械2で使用されるコンジットと比較して最小限度で異なっていることを除いて(以下で説明される別の相互関連部品と同様に)、図1に示されるターボ機械2に類似していてよい。例示の実施形態によると、ターボ機械46は圧縮機50に接続される電気モータ48を含む。圧縮機シャフト52およびモータシャフト54が接続され、長手方向軸Xを中心に回転するように構成される。圧縮機シャフト52の両端部のところにある磁気軸受56および58を使用することにより、圧縮機シャフト52が回転することが強化される。
【0017】
例示の実施形態によると、電力は電気ケーブル60および62を介して磁気軸受56および58に供給される。電気ケーブル60は磁気軸受56に接続され、一方電気ケーブル62は磁気軸受58に接続される。電気ケーブル60は、外部接続部66と対合するためのコネクタ64を一方の端部に備えることができ、また、磁気軸受56と対合するための別のコネクタ68を備えることができる。電気ケーブル62は外部接続部72と対合するためのコネクタ70を一方の端部に備えることができ、また、磁気軸受58と対合するための別のコネクタ74を備えることができる。これらの電気ケーブル60および62は、例えば500℃、220バール(ターボ機械46の吸込側で発生する可能性がある)または最大で700バール(ターボ機械46の吐出側で発生する可能性がある)といったような高圧および/または高温で圧縮機50によって処理される腐食性の可能性がある媒体に露出される。しかし、代替の例示の実施形態によると、電気ケーブル60および62、磁気軸受56および58、コネクタ64および68、ならびに、本明細書で説明する接続方法は、別の温度および圧力の組み合わせでも使用され得、すなわち、ターボ機械では高圧および高温が使用されることから(500℃を超える温度および700バールを超える圧力)、本明細書で説明される例示の実施形態は一般にそのような環境で使用される場合に必要に応じてスケール変更され得ることが見込まれる。
【0018】
代替の例示に実施形態によると、ターボ機械46に対して種々の修正を加えることにより、以下でより詳細に説明する例示の実施形態を補助することもできる。ターボ機械46に対する修正には、圧縮機と、単一の一部品のシャフト(または、強固に接続される複数のシャフト)を有するモータとを有することが含まれてよい。この場合、圧縮機とモータとの間のインターフェイスのところに共有の軸受が使用されてよく、それにより、このターボ機械のために合計で3つの磁気軸受を備える構成が得られる。別法として、1つまたは複数のシャフトを使用するターボ機械により多くの要素が加えられると、使用される磁気軸受の数量を変更して大幅に増加することができ、例えば、プロセス流体を含む環境内で1つのシャフトを使用するターボ機械の1つの構成要素につき、1つのシャフトに対して2つの磁気軸受が存在する。本明細書で使用される磁気軸受の数量が限定的とみなされないことを理解されたい。さらに、ターボ機械は、より多くのまたはより少ない部品および構成要素を含むこともできる。あるいは、ターボ機械はより包括的に説明され得るが、これも本明細書で説明される例示の実施形態を依然として利用することができる。例えば、ターボ機械は、別法として、本明細書で説明される例示の実施形態において説明される磁気軸受、電気ケーブルおよびコネクタを含む回転するロータシャフトを備えるロータを含むものとして説明され得る。
【0019】
例示の実施形態によると、電気ケーブル60および62は可撓性であってよく、同時に、図1に示される従来のターボ機械2の中の例えば従来のケーブル24および26と比較して、腐食性に耐えるためのより良好な化学的特性を有し、さらには、ターボ機械46内に存在し得る高温および高圧で機能するためのより良好な機械的特性を有する。このような例示の電気ケーブル60(または62)の一例が図5に示されている。例示の実施形態によると、電気ケーブル60は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼のクラッディングといったようなクラッディング78を備える、例えば、銅、銅合金、または、このような環境で機能するための別の許容される導電体といったような、導電性コア76を含むことができる。クラッディング78は、例えば酸化マグネシウム粉末または酸化アルミニウム粉末の絶縁体80によって囲繞され、絶縁体80はさらに、例えばIN625またはオーステナイト系ステンレス鋼の外側シース82によって囲繞される。絶縁体80は、導電性コア76から外側シース82に電気漏れが起こるのを防止し、さらに同時に、電気ケーブル60が全くといってよいくらい変形しないように高圧下での使用を可能にするために支持力を提供する。
【0020】
例示の実施形態によると、これらの電気ケーブル60および62に対して内部にオイル(または、別の流体)を充填することは実施する必要がない。電気ケーブル60および62の直径は約6mmであってよく、長さはターボ機械46のサイズおよびターボ機械46内での電気ケーブルの経路設定の手法に応じて変化してよい。また、例えば装着するための機械設備を使用して組み立てる前に電気ケーブル60および62を形づくってその後ターボ機械46内で所望の経路設定を行うことも可能である。さらに、電気ケーブル60および62は、各々、磁気軸受56および58に低電圧を供給するための複数の電気ケーブルの形態をとることができる。
【0021】
例示の実施形態によると、コネクタ64、68、70および74が電気ケーブル60および62の各端部に溶接され得る。ここで、電気ケーブル60または62の端部に溶接またはろう付けされ得るコネクタ64、68、70および74の一例を図6および7に関連させて説明する。図6は電気ケーブル60およびコネクタ64を示している。基準点84は、外側シース82がコネクタ64の円周に完全に溶接またはろう付けされ得る箇所を示している。第2の溶接箇所の拡大図を示す領域Aが図7の拡大図に示されている。
【0022】
例示の実施形態によると、図7は、クラッディング78が基準点86においてコネクタ64のコネクタピン88に溶接またはろう付けされ得る箇所を示している。いずれの取り付けにおいても、ろう付けが使用される場合、電気ケーブル60とコネクタ64との間における、さらには、電気ケーブル60の種々の区間の間における、例えば絶縁体80に対する望ましくない熱膨張または損傷といったような、あらゆるマイナスの相互作用を回避または最小化するような、ろう付け粉末が選択されるべきである。コネクタ68、70および74の取り付けるための同様の方法は、電気ケーブル60のもう一方の端部、電気ケーブル62の両端部、および、使用される場合には別の電気ケーブルに対しても使用され得る。
【0023】
例示の実施形態によると、図8に示されるように、外部接続部66から磁気軸受56に低電圧を供給するために、同様の形状を有する複数の電気ケーブル60が使用され得る。同様に、各コネクタ64および66は複数の電気ケーブル60に取り付けられ得る。図8に示されるように、電気ケーブル60の全体を一体に維持するために、さらには、ターボ機械46の動作時に起こる可能性がある電気ケーブル60の振動をある程度減衰させるために、1つまたは複数のベルト90が使用され得る。また、電気ケーブル60は、ターボ機械46のケーシングによって支持されてよく、および/または、ターボ機械46のケーシングに取り付けられてよく、それにより、振動により損傷する可能性がさらに低下する。代替の例示に実施形態によると、図9に示されるように、複数の導電性コアが1つの電気ケーブル内に存在し得る。より具体的には、図9は、複数の導電性コア92と、絶縁部分94と、外側シース96とを備える単一の電気ケーブル98を示している。これらの部分に使用される材料は、単一の電気ケーブル内の単一の導電性コアの場合の上述した材料と同様である。同様に、各導電性コア92はクラッディングによって囲繞されていてよい。
【0024】
例示の実施形態によると、図10は、磁気軸受56から外部接続部66までの電気ケーブル60の経路設定を示している。この経路設定の場合の長さは例えば1メートルであってよい。しかし、所望される場合、ターボ機械46内で電気ケーブル60の別の経路設定および長さが使用されてよい。また、本明細書で説明される例示の実施形態は、ターボ機械の一部分であってよい圧縮機内の磁気軸受に低電圧を供給する電気ケーブルを概して説明してきたが、これらの実施例は圧縮機のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。代わりに、これらの例示の実施形態は、所望されるターボ機械の別の構成要素内の磁気軸受に電気を供給する電気ケーブルにも適用され得る。
【0025】
例示の実施形態による上述した例示のシステムを用いて、図11のフローチャートに、ターボ機械内の磁気軸受を外部コネクタに電気的に接続するための方法が示されている。ターボ機械内の磁気軸受を外部コネクタに電気的に接続するためのこの方法は、第1のコネクタを第1の電気ケーブルの第1の端部に溶接またはろう付けするステップ100であって、第1のコネクタが第1の電気ケーブルの第1の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップ100と、第2のコネクタを第1の電気ケーブルの第2の端部に溶接またはろう付けするステップ102であって、第2のコネクタが第1の電気ケーブルの第2の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップ102と、を含む。代替の例示の実施形態によると、コネクタ64、68、70および72が内部コア部分76のクラッディング78に溶接され得る。
【0026】
本明細書で説明される少なくとも1つの例示の実施形態によると、ターボ機械の環境内で種々の利点を得ることができる。例えば、例示の実施形態によると、本明細書で説明される可撓性電気ケーブルは、従来のターボ機械内の現在使用されている電気ケーブルと比較して、種々のプロセス流体に付随する腐食性に耐えるためのより良好な化学的特性を有することができ、さらには、高温および高圧で機能するためのより良好な機械的特性を有することができる。別の例では、本明細書で説明される例示の実施形態は、プロセス流体中で機能する別の磁気軸受のために使用され得る。例示の電気ケーブル60は、従来の種々の剛性パイプの解決策と比較して、より小さいサイズおよびより微小な厚さを有することができ、許容される柔軟性を有することができる。さらに、本明細書で説明される例示の実施形態を実施することにより大幅なコスト削減を実現することができ、例えば、電気ケーブル60に付随するコストを、ターボ機械内の同様に使用される従来の電気ケーブルのコストの20分の1程度にすることができる。
【0027】
上述の例示の実施形態は本発明をあらゆる点で例示することを意図しており、本発明を限定することを意図しない。したがって、本発明は、当業者により、本明細書に含まれる記述から導かれ得る詳細な実装形態において多くの変更を行うことができる。例えば、別のタイプのコネクタ(コネクタ64、68、70および74以外)が、電気ケーブル60および62を磁気軸受56および58さらには外部接続部66および72に接続するのに使用され得、同時に、ターボ機械46内で使用される場合に所望される望ましい電気的特性、機械的特性および化学的特性のすべてを維持する。そのようなすべての変更および修正は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲および精神内にあると考えられる。本出願の記述で使用される要素、行為、指示は、特にそのように説明されない限り、本発明にとって重要または不可欠であると解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される冠詞「a」は、1つまたは複数のアイテムを含むことを意図される。
【0028】
ここに記載される説明は、任意のデバイスまたはシステムを作って使用することまたは取り入れられる任意の方法を実施することを含めて、当業者が主題を実施するのを可能にするために、開示される主題の例を使用する。主題の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く別の実施例も含むことができる。そのような別の実施例は特許請求の範囲内にあることを意図される。
【符号の説明】
【0029】
2、46 ターボ機械
4、48 電気モータ
6、50 圧縮機
10 モータ外部ケーシング
12 圧縮機外部ケーシング
14 ボルト
16 翼車
18、52 圧縮機シャフト
20、22、40、56、58 磁気軸受
24、26、36、38 ケーブル
28 ヘッド
32 外部電気ケーブル
34 外部ケーブル
42 波形パイプ
44 添え金
54 モータシャフト
60、62、98 電気ケーブル
64、68、70、74 コネクタ
66、72 外部接続部
76、92 導電性コア
78 クラッディング
80 絶縁体
82、96 外側シース
84 基準点
86 基準点
88 コネクタピン
90 ベルト
94 絶縁部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するように構成される圧縮機シャフト(52)を有する圧縮機(50)と、
前記圧縮機シャフト(52)の両側の端部のところに設けられ、前記圧縮機シャフト(52)を支持するように構成される少なくとも2つの磁気軸受(56、58)と、
前記圧縮機シャフト(52)に接続されるように構成されるモータシャフト(54)を有するモータ(48)と、
前記第1の磁気軸受(56)を第1の外部接続部(66)に接続するように構成される第1の電気ケーブル(60)であって、前記第1の電気ケーブル(60)が、第1の端部、第2の端部、内部コア部分(76)および外側シース部分(82)を有し、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)が前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する、第1の電気ケーブル(60)と、
前記第1の電気ケーブルの前記第1の端部を前記第1の磁気軸受(56)を接続するように構成される第1のコネクタ(68)であって、前記第1のコネクタ(68)が、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)の両方に対して、前記第1の電気ケーブルの前記第1の端部に溶接またはろう付けされる、第1のコネクタ(68)と、
前記第1の電気ケーブルの前記第2の端部を前記第1の外部接続部(66)に接続するように構成される第2のコネクタ(64)であって、前記第2のコネクタ(64)が、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)の両方に対して、前記第2の電気ケーブルの前記第2の端部に溶接またはろう付けされる、第2のコネクタ(64)と
を備えるターボ機械(46)。
【請求項2】
前記第2の磁気軸受を第2の外部接続部に接続するように構成される第2の電気ケーブルであって、前記第2の電気ケーブルが、第1の端部、第2の端部、内部コア部分および外側シース部分を有し、前記内部コア部分および前記外側シース部分が前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する、第2の電気ケーブルと、
前記第2の電気ケーブルの前記第1の端部を前記第2の磁気軸受に接続するように構成される第3のコネクタであって、前記第3のコネクタが、前記内部コア部分および前記外側シース部分の両方に対して、前記第2の電気ケーブルの前記第1の端部に溶接またはろう付けされる、第3のコネクタと、
前記第2の電気ケーブルの前記第2の端部を前記第2の外部接続部に接続するように構成される第4のコネクタであって、前記第4のコネクタが、前記内部コア部分および前記外側シース部分の両方に対して、前記第2の電気ケーブルの前記第2の端部に溶接またはろう付けされる、第4のコネクタと
をさらに備える、請求項1記載のターボ機械。
【請求項3】
前記第1および第2の電気ケーブルが電気伝導性である前記内部コア部分を有し、前記内部コア部分が絶縁体によって囲繞され、前記絶縁体が前記外側シース部分によって囲繞される、請求項2記載のターボ機械。
【請求項4】
前記第1および第2の電気ケーブルが前記外側シース部分内に流体を有さない、請求項2記載のターボ機械。
【請求項5】
前記第1および第2の電気ケーブルが、最大摂氏500度、700バールで、腐食性の動作環境内で機能するように構成され、さらに、前記第1のおよび第2の電気ケーブルが前記ターボ機械の内部壁に装着される、請求項2記載のターボ機械。
【請求項6】
少なくとも3つの磁気軸受
をさらに備える、請求項2記載のターボ機械。
【請求項7】
ターボ機械内の磁気軸受を外部コネクタに電気的に接続するための方法であって、
第1のコネクタを第1の電気ケーブルの第1の端部に溶接またはろう付けするステップ(100)であって、前記第1のコネクタが、前記第1の電気ケーブルの前記第1の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップ(100)と、
第2のコネクタを前記第1の電気ケーブルの第2の端部に溶接またはろう付けするステップ(102)であって、前記第2のコネクタが、前記第1の電気ケーブルの前記第2の端部の前記内部コア部分および前記外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップ(102)と
を含む方法。
【請求項8】
第3のコネクタを第2の電気ケーブルの第1の端部に溶接またはろう付けするステップであって、前記第3のコネクタが前記第2の電気ケーブルの前記第1の端部の内部コア部分および外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップと、
第4のコネクタを前記第2の電気ケーブルの第2の端部に溶接またはろう付けするステップであって、前記第4のコネクタが前記第2の電気ケーブルの前記第2の端部の前記内部コア部分および前記外側シース部分の両方に溶接またはろう付けされる、ステップと
をさらに含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記第1のコネクタを第1の磁気軸受に接続するステップと、
前記第2のコネクタを第1の外部接続部に接続するステップと、
前記第3のコネクタを第2の磁気軸受に接続するステップと、
前記第4のコネクタを第2の外部接続部に接続するステップと、
第1の位置において、前記第1のコネクタを前記外側シース部分に溶接またはろう付けするために第2の位置と比較して前記第1の磁気軸受により接近して位置する前記内部コア部分に前記第1のコネクタを溶接またはろう付けするステップと、
第3の位置において、前記第2のコネクタを前記外側シース部分に溶接またはろう付けするために第4の位置と比較して前記第1の外部接続部により接近して位置する前記内部コア部分に前記第2のコネクタを溶接またはろう付けするステップと
をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
回転するように構成されるロータシャフト(52)を備えるロータと、
前記ロータシャフト(52)を支持するように配置および構成される少なくとも第1の磁気軸受(56)および第2の磁気軸受(58)と、
前記第1の磁気軸受(56)を第1の外部接続部(66)に接続するように構成される第1の電気ケーブル(60)であって、前記第1の電気ケーブル(60)が、第1の端部、第2の端部、内部コア部分(76)および外側シース部分(82)を有し、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)が前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する、第1の電気ケーブル(60)と、
前記第1の電気ケーブルの前記第1の端部を前記第1の磁気軸受(56)に接続するように構成される第1のコネクタ(68)であって、前記第1のコネクタ(68)が、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)の両方に対して、前記第1の電気ケーブルの前記第1の端部に溶接またはろう付けされる、第1のコネクタ(68)と、
前記第1の電気ケーブルの前記第2の端部を前記第1の外部接続部(66)に接続するように構成される第2のコネクタ(64)であって、前記第2のコネクタ(64)が、前記内部コア部分(76)および前記外側シース部分(82)の両方に対して、前記第2の電気ケーブルの前記第2の端部に溶接またはろう付けされる、第2のコネクタ(64)と
を備えるターボ機械(46)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−7378(P2013−7378A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117210(P2012−117210)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(505347503)ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ (112)
【Fターム(参考)】