説明

オガ詰め機の袋供給装置

【課題】自動的に栽培袋を広げてオガ詰め機に供給してオガ詰めし、1人でもオガ詰め作業をすることができ、作業性を大幅に向上させたオガ詰め機の袋供給装置を提供するものである。
【解決手段】一定量のオガを栽培袋3に投入する定量供給部4と、栽培袋3に投入されたオガ2を上方より押圧するオガ押し込め部5とからなるオガ詰め機1の手前に設置され、栽培袋3をストックする袋ストック部8と、この上方に、上下および左右に移動自在に支持された袋搬送部9と、栽培袋3を前進させて、先端の開口部を上方に湾曲させる袋前進部10と、この袋前進部10の上方に配置され、栽培袋3の開口部を両側から挟持して、オガ詰め機1のオガ押し込め部5の下方に搬送して、栽培袋3の開口部を開く袋搬送開口部11とからなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オガ詰め機の袋供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年きのこの栽培に、オガをプラスチック製の栽培袋に詰めて、これを殺菌してからきのこ菌を接種し、この後、培養室に保管して成長させることが行なわれている。この工程で、先ずオガをプラスチック製の栽培袋に詰める作業があるが、これはオガ詰め機により一定量のオガを栽培袋に詰めている。
【0003】
この従来のオガ詰め機は、オガを貯蔵するタンクからコンベアで搬送されてきたオガを、ホッパーの上方から投入し、このホッパーの下部に設けられた定量供給部の下に、作業者が栽培袋を手に持って開口部を広げてセットする。この後、オガ詰め機から一定量のオガを栽培袋に投入した後、オガ押し込め部のシリンダーの下部に取付けた可動押え枠を、栽培袋に投入されたオガの上方より押圧してオガ詰めすることが行なわれている。
【0004】
このように従来のオガ詰め機は、オガの定量投入と、押し込め作業は自動的に行なうことができるが、栽培袋を作業者が1枚ずつ手で広げてセットしているので、このオガ詰め作業と、詰められた栽培袋の搬出作業に少なくとも2人の作業者が必要であり、小規模のきのこ栽培農家では、2人揃わないと効率よく作業できない問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題を改善し、自動的に栽培袋を広げてオガ詰め機に供給してオガ詰めし、1人でもオガ詰め作業をすることができ、作業性を大幅に向上させたオガ詰め機の袋供給装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載のオガ詰め機の袋供給装置は、一定量のオガを栽培袋に投入する定量供給部と、栽培袋に投入されたオガを上方より押圧するオガ押し込め部とからなるオガ詰め機の手前に設置され、栽培袋を積み重ねてストックする袋ストック部と、この袋ストック部の上方に、上下および左右に移動自在に支持された袋搬送部と、前記袋ストック部の横に配置され、袋搬送部から搬送されてきた栽培袋を前進させて、先端の開口部を上方に湾曲させる袋前進部と、この袋前進部の上方に配置され、栽培袋の開口部を両側から挟持して、オガ詰め機のオガ押し込め部の下方に搬送し、ここで栽培袋の開口部を開く袋搬送開口部とからなることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2記載のオガ詰め機の袋供給装置は、袋前進部が、袋搬送部から搬送されてきた栽培袋を載せた状態で、栽培袋の後端を押圧して前進させる押圧部と、栽培袋の先端側を回動させて上方に湾曲させる回動板とからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る請求項1記載のオガ詰め機の袋供給装置によれば、栽培袋を積み重ねてストックする袋ストック部から、袋搬送部により袋前進部に搬送し、ここで栽培袋を前進させて、先端の開口部を上方に湾曲させてから袋搬送開口部で栽培袋の開口部を両側から挟持して、オガ詰め機まで搬送して、ここで開口部を自動的に広げてオガ詰めするので1人でも作業することができる。
【0009】
また請求項2記載のオガ詰め機の袋供給装置によれば、袋前進部の押圧部で栽培袋の後端を押圧して前進させて、この先端側に設けた回動板により栽培袋の先端側を回動させて上方に湾曲させるので袋搬送開口部で確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施の一形態を図1ないし図6を参照して詳細に説明する。図において1はオガ詰め機で、図示しないオガタンクから、コンベアーで搬送されてきたオガ2を栽培袋3に投入する定量供給部4と、栽培袋3に投入されたオガ2を上方より押圧するオガ押し込め部5とから構成されている。
【0011】
このオガ詰め機1の手前に袋供給装置7が設置されている。この袋供給装置7は栽培袋3を積み重ねてストックする袋ストック部8と、この袋ストック部8の上方に、上下および左右に移動自在に支持された袋搬送部9と、袋ストック部8の横に配置され、袋搬送部9から搬送されてきた栽培袋3を前進させて、先端の開口部を上方に湾曲させる袋前進部10と、この袋前進部10の上方に配置され、栽培袋3の開口部を両側から挟持して、オガ押し込め部5の下方に搬送し、ここで栽培袋3の開口部を開く袋搬送開口部11とから構成されている。
【0012】
前記袋ストック部8は、ケース13の底板14がモータ15にギア16を介して接続したボールねじ17に昇降自在に支持され、底板14に載せた栽培袋3を順次上昇させるようになっている。また、袋ストック部8の上方に設けられた袋搬送部9は、左右に移動する横動シリンダー18の先端に、昇降シリンダー19が取付けられ、この下端に図2に示すように、ブラケット20が接続され、ここに図示しない吸引ブロアーに接続された、2個の吸引ノズル21が間隔をおいて下向きに取付けられている。
【0013】
また前記袋前進部10は図2に示すように、基台23の上部にヒンジ24を介して回動板25が取付けられ、この先端側下方に昇降シリンダー26が取付けられ、回動板25が上下に回動するように支持されている。この回動板25の上面には前後進シリンダー31が取付けられている。この前後進シリンダー31の先端にL形に折曲したスライド板27が前後進自在に取付けられ、この上部に押圧突起28が突設され、栽培袋3の後端を押して前進させる押圧部29が形成されている。またスライド板27の下部には回動板25に接続された平板30が取付けられている。
【0014】
更に回動板25にはブラケット32を介して軸受33が取付けられ、ここに回転軸34が軸支され、ここに回転板35が取付けられている。この回転板35の底面に突設した丸棒40は、前記ブラケット32に取付けたコイルスプリング36に連結されて引張され、回転板35の先端は平板30の端部底面に当接して、常時矢印方向に回転しようとしている。また回転板35の上方にはストッパー37が取付けられ、上昇する回転板35を大きく回転させるようになっている。また袋前進部10の右側板となる可動側板38が、昇降シリンダー39に取付けられ、栽培袋3を排出する時に可動側板38が下降するようになっている。
【0015】
また前記袋搬送開口部11は、図2に示すように、昇降シリンダー41の上部に横動シリンダー42が水平に接続され、これと直交して前後進シリンダー43が接続されている。この前後進シリンダー43の上部には、中空角筒状の固定吸引アーム44aと可動吸引アーム44bが取付けられている。この固定吸引アーム44aと可動吸引アーム44bは図示しない吸引ブロアーにホースを介して接続されていると共に、対向する側面に吸引孔45が開孔され栽培袋3を挟持すると共に、吸引して開口部を広げるようになっている。
【0016】
また前記オガ詰め機1の定量供給部4は図1に示すように、オガタンクから、コンベアーで搬送されてきたオガ2を貯めるホッパー48の下部に定量升49が横動シリンダー50により左右に横動するようになっている。またこの定量供給部4の横に設けられたオガ押し込め部5は、昇降シリンダー51の下部に可動押え枠52が取付けられ、ここを下方に貫通して4本の押し込め棒53が突出し、ここに取付けたコイルスプリング36により可動押え枠52を弾性的に支持している。またオガ押し込め部5の下部には固定フック54と、横動シリンダー55に取付けた可動フック57が取付けられ栽培袋3の開口部を広げて保持するようになっている。
【0017】
またこのオガ押し込め部5の下方には栽培袋3を載せる載置板58が設けられ、これを囲むように上下が開口した箱状のガイド枠59が設けられ、これは昇降シリンダー60により昇降自在に支持されている。またこの載置板58の横にはローラコンベア61が設けられている。
【0018】
上記構成のオガ詰め機の袋供給装置は、先ず図1に示すように、袋ストック部8の底板14の上に複数枚の栽培袋3を積み重ねておく。次に昇降シリンダー19を伸出させて、ブラケット20に取付けた2本の吸引ノズル21を一番上の栽培袋3に吸着させてから昇降シリンダー19を収縮させて栽培袋3を水平に上昇させ、この後、横動シリンダー18が伸出して栽培袋3を袋前進部10まで搬送する。この袋前進部10で図2に示すように、昇降シリンダー19が伸出して、栽培袋3を、スライド板27と平板30および回転板35の上に載せてから、吸引を解除し、吸引ノズル21を袋ストック部8に復帰させる。
【0019】
この後、袋前進部10では昇降シリンダー26が伸出してヒンジ24を回動支点として回動板25が上方に回動する。この時、回動板25の上面に取付けた前後進シリンダー31が収縮してスライド板27が平板30の上をスライドし、スライド板27に突設された押圧突起28により栽培袋3の後端が押されて前進する。
【0020】
この時、回転板35の軸受33を支持する回転軸34はブラケット32を介して回動板25に接続されているので、回転板35は回動板25と一体に上昇するが、図3に示すようにストッパー37が回転板35の端部側に当接しているので、上昇する回転板35は大きく回転する。この結果、栽培袋3の先端側の開口部は、回転板35により大きく上方に曲げられる。
【0021】
この後、袋搬送開口部11の横動シリンダー42が伸出して、これに取付けた前後進シリンダー43と固定吸引アーム44a、可動吸引アーム44bが袋前進部10に移動してくる。この後、前後進シリンダー43が作動して可動吸引アーム44bが移動し、栽培袋3の上部開口部を両側から吸引しながら挟持する。この後、昇降シリンダー26が収縮して回動板25が下降すると共に、昇降シリンダー39が収縮して可動側板38が下降して、スライド板27の右側が解放される。
【0022】
この後、横動シリンダー42が伸出して、固定吸引アーム44aと可動吸引アーム44bに挟持された栽培袋3がオガ押し込め部5まで搬送されてくる。ここで前後進シリンダー43が作動して可動吸引アーム44bが後退すると、図5に示すように、ここに吸引されていた栽培袋3の開口部が広げられる。またこれと同時に昇降シリンダー41が伸出して、栽培袋3の開口部が広げられた状態で上昇し、図4に示すように開口部の内側に、固定フック54と可動フック57が挿入される。
【0023】
次に吸引アーム44aと可動吸引アーム44bの吸引が停止されて、横動シリンダー42が収縮すると共に昇降シリンダー41が収縮して、吸引アーム44aと可動吸引アーム44bが復帰する。これと同時に横動シリンダー55が収縮して可動フック57が後退し、これと固定フック54とで栽培袋3が保持される。
【0024】
次にガイド枠59に取付けた昇降シリンダー60が伸出して、ガイド枠59が上昇し、載置板58の上に載せた栽培袋3を囲む。この後、定量供給部4の横動シリンダー50が伸出してオガ2が一定量詰められた定量升49がオガ押し込め部5に移動し、図4に示すように開口した定量升49の底部から栽培袋3内にオガ2が落下する。栽培袋3内にオガ2が投入されると、図6に示すようにオガ詰め機1の昇降シリンダー51が伸出して、可動押え枠52が下降して栽培袋3内のオガ2を押し込める。
【0025】
この時、可動押え枠52はコイルスプリング36で弾性的に支持され、押し込め棒53が挿入されて、強く押し込めることができる。昇降シリンダー51が上昇した後、昇降シリンダー60が収縮してガイド枠59が下降し、オガ2を詰めた栽培袋3をローラコンベア61に載せて搬出する。
【0026】
なお前記袋ストック部8に積んだ栽培袋3が搬出されると、モータ15が回転し、ギア16を介してボールねじ17が上昇し、底板14に載せた栽培袋3が上昇していく。以下、同様の動作を連続して繰り返すことにより、自動的に栽培袋3をオガ詰め機1に搬送して、ここで栽培袋3の開口部を広げてオガ2を自動的に詰めることができる。
【0027】
従って本発明のオガ詰め機の袋供給装置は、自動的にオガを詰められるので、1人で作業することができ、従来のオガ詰め機1のように栽培袋3を手に持って広げてセットする必要がなく、作業性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の一形態によるオガ詰め機の袋供給装置の正面図である。
【図2】図1の袋前進部を拡大して示す側面図である。
【図3】図2の回動板が回動した状態を示す袋前進部の側面図である。
【図4】オガを栽培袋に詰めている状態を示すオガ詰め機の正面図である。
【図5】栽培袋を広げてオガ押し込め部にセットした状態を示す縦断側面図である。
【図6】栽培袋に投入したオガを可動押え枠で押し込めている状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 オガ詰め機
2 オガ
3 栽培袋
4 定量供給部
5 オガ押し込め部
7 袋供給部
8 袋ストック部
9 袋搬送部
10 袋前進部
11 袋搬送開口部
13 底板
18 横動シリンダー
19 昇降シリンダー
20 ブラケット
21 吸引ノズル
24 ヒンジ
25 回動板
26 昇降シリンダー
27 スライド板
28 押圧突起
29 押圧部
30 平板
31 前後進シリンダー
34 回転軸
35 回転板
36 コイルスプリング
37 ストッパー
38 可動側板
41 昇降シリンダー
42 横動シリンダー
43 前後進シリンダー
44a 固定吸引アーム
44b 可動吸引アーム
45 吸引孔
48 ホッパー
49 定量升
50 横動シリンダー
51 昇降シリンダー
52 可動押え枠
53 押し込め棒
54 固定フック
55 横動シリンダー
57 可動フック
58 載置板
59 ガイド枠
60 昇降シリンダー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量のオガを栽培袋に投入する定量供給部と、栽培袋に投入されたオガを上方より押圧するオガ押し込め部とからなるオガ詰め機の手前に設置され、栽培袋を積み重ねてストックする袋ストック部と、この袋ストック部の上方に、上下および左右に移動自在に支持された袋搬送部と、前記袋ストック部の横に配置され、袋搬送部から搬送されてきた栽培袋を前進させて、先端の開口部を上方に湾曲させる袋前進部と、この袋前進部の上方に配置され、栽培袋の開口部を両側から挟持して、オガ詰め機のオガ押し込め部の下方に搬送し、ここで栽培袋の開口部を開く袋搬送開口部とからなることを特徴とするオガ詰め機の袋供給装置。
【請求項2】
袋前進部が、袋搬送部から搬送されてきた栽培袋を載せた状態で、栽培袋の後端を押圧して前進させる押圧部と、栽培袋の先端側を回動させて上方に湾曲させる回動板とからなることを特徴とする請求項1記載のオガ詰め機の袋供給装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−36(P2007−36A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181476(P2005−181476)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(305023012)
【Fターム(参考)】