説明

オキソノール化合物の製造方法

【課題】分子内に複数個のクロモフォアを有し、これらのクロモフォアが共役結合を介さずに結合してなるオキソノール色素の製造方法を提供する。
【解決手段】式(1)で表わされるオキソノール化合物の製造方法。


式中、Ma1〜Ma3は各々メチン基;Za1〜Za3は各々酸性核を形成する原子群;nは0〜3の整数;Yは2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基;R11〜R18は各々水素原子又は置換基;Rは置換基を有していてもよい(ヘテロ)アリール基又はアルキル基;R1は置換基;pは0〜5の整数;R2は水素原子または置換基;L1は水素原子又は離脱基;Xは陰イオン;yは電荷の中和に必要な数;を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報の書き込み(記録)や読み取り(再生)が可能なヒートモード型の情報記録媒体に用いられるオキソノール化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な情報記録媒体(光ディスク)が知られている。該情報記録媒体は追記型CD(所謂CD−R)とも称される。CD−R型の情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。そして光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常780nm付近の波長のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形させることにより行われる。一方情報の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。また追記型デジタル・ビデオ・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている。DVD−Rは可視レーザ光(通常600nm〜700nmの範囲の波長のレーザ光)を照射することにより記録及び再生が行われ、CD−R型の光ディスクよりも高密度の記録が可能である。
【0003】
特許文献1には、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設けられたCD−R型の情報記録媒体が開示されている。この色素化合物を用いることにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維持し得るとされている。ここには分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素化合物が記載されている。また特許文献2には、DVD−R用色素として高い耐光性と耐久性を示し、良好な記録特性の光情報記録媒体を提供するオキソノール色素化合物が記載されている。
【0004】
特許文献3、特許文献4および特許文献5には種々のオキソノール色素化合物の製造法が開示されている。しかしながら分子内に複数個のクロモフォアを有し、これらのクロモフォアが共役結合を介さずに結合してなるオキソノール色素の製造法は知られていない。
【特許文献1】特開昭63−209995号公報
【特許文献2】特開2000−52658号公報
【特許文献3】特開平10−297103号公報
【特許文献4】特開2000−52658号公報
【特許文献5】特開2002−249674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、オキソノール色素の製造の際に、工程毎に溶媒を変えることなく一段階で行う、オキソノール色素の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは後述する特定のオキソノール色素の製造方法に関し、その合成の都合上溶媒を工程毎に段階的に変えて合成することを試みていた。しかしながら、工業的には、溶媒を変更することなく、一段階で行うことが求められる。そこで本発明者らは上述の課題が下記の手段によって解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1] 〔1〕一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物を、ドナー数15以上の溶媒の存在下において、反応せしめ、
〔2〕引き続き一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物と反応して一般式(1)で表わされるオキソノール化合物を得る、
上記の工程を一貫で行うことを特徴とするオキソノール化合物の製造方法。
【0007】
【化1】

【0008】
一般式(1)中Ma1、Ma2およびMa3は各々独立に置換または無置換のメチン基を表す。Za1、Za2およびZa3は各々独立に酸性核を形成する原子群を表し、nは0〜3の整数を表す。Yは2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は各々独立に水素原子又は置換基を表わす。Rは置換基を有していてもよい(ヘテロ)アリール基またはアルキル基を表す。
【0009】
【化2】

【0010】
一般式(2)中Ma1、Ma2およびMa3、n、Za1は前記一般式(1)におけると同義である。R1は置換基を表し、pは0〜5の整数を表す。R2は水素原子または置換基を表す。
【0011】
【化3】

【0012】
一般式(3)中Za2およびZa3、Yは前記一般式(1)におけると同義である。L1は水素原子または離脱基を表す。
【0013】
【化4】

【0014】
一般式(4)中R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18、Rは前記一般式(1)におけると同義である。Xは陰イオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
[2] 前記ドナー数15以上の溶媒が非プロトン性極性溶媒、エーテル系又はエステル系溶媒でドナー数15以上のものであることを特徴とする[1]に記載のオキソノール化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、分子内に複数個のクロモフォアを有し、これらのクロモフォアが共役結合を介さずに結合してなるオキソノール色素の製造を、工業的に、溶媒を変更することなく一段階で行う方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明を詳細に説明する。本明細書において特定の部分を「基」と称した場合、特に断りのない限り一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくてもよいことを意味する。例えば「アルキル基」とは、置換または無置換のアルキル基を意味する。本明細書において「置換されていてもよい」あるいは「置換基を有していてもよい」という場合には、置換基の個数及び種類は特に限定されず、複数個の置換基が存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。置換基(これを「Rs」と表示する)としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基(ハロゲン原子置換アルキル基)、アルコキシ基、ハロアルコキシ基(ハロゲン原子置換アルコキシ基)、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ジアルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキレンジオキシ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。またこれらの置換基がさらに1個又は2個以上の置換基を有していてもよい。このような場合、置換基として上記に例示した置換基を好適に用いることができる。例えばアリールカルボニル基などアリール基を有する置換基は、そのアリール環上にアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基など1〜5個程度、好ましくは1〜2個有していてもよい。また本発明において特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合、特に断りのない限り単環でも縮環でもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。
【0017】
本明細書において「ハロゲン原子」という場合にはフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素のいずれでもよく、ハロゲン原子を含む置換基(例えばハロアルキル基など)において2個以上のハロゲン原子が存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。本明細書において「アルキル基」という場合には、例えば炭素数1〜22個、好ましくは炭素数1〜12個、より好ましくは炭素数1〜8個の直鎖、分岐状、若しくは環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味しており、好ましくは直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味している。また、本明細書においてアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基、ハロアルキル基、アリールアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基など)について言及する場合には、これらの置換基におけるアルキル部分が上記のアルキル基で構成されていることが好ましい。
なお、明細書及び特許請求の範囲において、「低数値」〜「高数値」は「低数値」以上「高数値」以下を意味する。
【0018】
まず一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0019】
【化5】

【0020】
一般式(1)中Ma1、Ma2およびMa3は各々独立に置換または無置換のメチン基を表す。Ma1、Ma2およびMa3が置換メチン基を表す場合、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホンアミド基、ウレイド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルフィニル基、スルファモイル基等が挙げられる。好ましい置換基は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、またはハロゲン原子であるが、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のヘテロ環基、炭素数6〜12のアリール基、ハロゲン原子であり、なおより好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のヘテロ環基、炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン原子である。好ましいMa1、Ma2およびMa3は無置換のメチン基または炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜6のヘテロ環基、ハロゲン原子、もしくは炭素数6〜12のアリール基で置換されたメチン基である。
【0021】
Za1、Za2およびZa3は各々独立に酸性核を形成する原子群を表す。Za1、Za2およびZa3の具体例は、James 編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、198頁により定義される。具体的にはピラゾロン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2−または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、イソローダニン、ローダニン、インダン−13−ジオン、テロラヒドロチオフェン−3−オン、テロラヒドロチオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキソラン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドンなどの核が挙げられ、これらの酸性核は置換されていてもよい。好ましくはピラゾロン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、または1,3−ジオキソラン−4,6−ジオンであり、より好ましくは1,3−ジオキソラン−4,6−ジオンである。
【0022】
nは0〜3の整数を表す。より好ましくは2または3である。またnが2以上である時、複数存在するMa1、Ma2およびMa3は同じでも異なってもよい。
【0023】
Yは2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基を表す。Yの種類としてはそれらが結合したクロモフォア間でπ共役系を形成しない以外に特に限定はないが、好ましくは炭素数1〜20のアルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン等)、炭素数6〜26のアリーレン基(フェニレン、ナフチレン等)、炭素数2〜20のアルケニレン基(プロペニレン等)、炭素数2〜20のアルキニレン基(プロピニレン等)、−CO−N(R21)−、−CO−O−、−SO2−N(R22)−、−SO2−O−、−N(R23)−CO−N(R24)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−、炭素数1〜26のヘテリレン基(6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル等)、あるいはこれらを複数組み合わせて構成される炭素数1〜20の連結基である。R21、R22、R23、R24は各々独立に水素原子、アルキル基、アリール基を表す。またYで表される連結基は、それらが連結する2つのクロモフォア間で1つ以上複数個存在していてもよく、複数個(好ましくは2つ)が結合して環を形成してもよい。Yとしてより好ましくは2つのアルキレン基が結合して環を形成したものであり、その中でも5または6員環を形成した場合がなおより好ましい。最も好ましくはシクロヘキシル環を形成したものである。
【0024】
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18は各々独立に水素原子又は置換基を表わす。置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキレンジオキシ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。本発明においてはR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18が全て水素原子であるものがより好ましい。
【0025】
Rは置換基を有していてもよい(ヘテロ)アリール基またはアルキル基を表す。ここで(ヘテロ)アリール基とは芳香族性を有する環状残基(芳香族ヘテロ環基)を意味し、炭素原子のみで構成されるアリール基、N、O、S、Se等のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基のいずれであってもよいが、好ましくは炭素原子のみで構成されるアリール基である。これらは置換基を有するものを包含する。Rが炭素原子のみで構成されるアリール基である場合、該アリール基としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。これらは置換基を有していてもよく、存在可能な置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキレンジオキシ基などを挙げることができる。これらの中でもアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が好ましく、アルキル基、アリール基、水酸基、カルボキシル基、またはスルホ基がより好ましく、アルキル基、アリール基、または水酸基がなおより好ましい。RがN、O、S、Se等のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基である場合、該ヘテロアリール基としては環を構成する炭素数1〜20、より好ましくは3〜10のものが好ましく、その例としてはチアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環等を挙げることができる。Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては例えば炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8の直鎖、分岐状、若しくは環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基が挙げられるが、好ましくは直鎖、分岐状あるいは環状のアルキル基である。より具体的にはイソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、アダマンチル基などを挙げることができる。
【0026】
次に一般式(2)で表わされる化合物について説明する。
【0027】
【化6】

【0028】
一般式(2)中Ma1、Ma2およびMa3、n、Za1は前記一般式(1)におけると同義であり、好ましい具体例、範囲も同一である。
1は置換基を表す。置換基としては先に説明した範囲のものが挙げられるが、存在してもよい好ましい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基が挙げられる。pは0〜5の整数を表す。
pが2以上である時複数存在するR1は同じでも異なってもよいが、pは0または1であることが好ましい。
【0029】
2は水素原子または置換基を表す。置換基としては先に説明したRsが挙げられるが、好ましいR2は水素原子である。
【0030】
引き続き一般式(3)で表わされる化合物について説明する。
【0031】
【化7】

【0032】
一般式(3)中Za2およびZa3、Yは前記一般式(1)におけると同義であり、好ましい範囲も同一である。L1は水素原子または離脱基を表す。脱離基の具体的な例としては、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜12のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜20のアリールスルファモイル基などが挙げられる。好ましいL1は水素原子である。
【0033】
最後に一般式(4)で表わされるビピリジニウム化合物について説明する。
【0034】
【化8】

【0035】
一般式(4)中R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18、Rは前記一般式(1)におけると同義であり、好ましい範囲も同一である。Xは陰イオンを表す。陰イオンとしては例えば塩化物イオン、臭化物イオンに代表されるハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン等の有機スルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。好ましいXは塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオンである。yは電荷の中和に必要な数を表す。例えばXが塩化物イオンである場合yは2を表わす。
【0036】
一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)で表される本発明の化合物は、置換基の種類によっては1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、こ(れら)の不斉炭素に基づく任意の光学異性体又はジアステレオ異性体はいずれも本発明の範囲に包含され、純粋な形態の異性体のほか、それらの任意の混合物、ラセミ体なども本発明の範囲に包含される。また一般式(1)、一般式(2)で表される本発明の化合物は複数個の二重結合を含むが、こ(れら)の二重結合に基づく任意の幾何異性体も本発明の範囲に包含される。さらに一般式(1)で表される本発明の化合物は水和物または溶媒和物として存在する場合もあるが、これらも本発明の範囲に包含される。溶媒和物を形成する溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒を例示することができる。
【0037】
以下に一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)で表わされる本発明の化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なおこれらの化合物には互変異性体が存在するが、本明細書に記載された化学構造式は便宜上これらの互変異性体の1つを記載したものであることを理解すべきである。いずれの互変異性体も本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
【0038】
【化9】

【0039】
【化10】

【0040】
【化11】

【0041】
【化12】

【0042】
【化13】

【0043】
【化14】

【0044】
【化15】

【0045】
次に本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法は一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物を反応させる第1工程、次いで一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を反応して一般式(1)で表わされるオキソノール化合物を得る第2工程から構成され、これら2工程を一貫で行うことを特徴とする。まず一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物を反応せしめる本発明の製造方法の第1工程において、反応において使用する一般式(2)で表される化合物のモル比は一般式(3)で表される化合物に対して1.8〜4.0倍モルの範囲である。この範囲を超えて過剰に使用しても目的物の生成率/生成速度向上にはそれほど影響しない。逆にあまり過剰に一般式(2)で表される化合物を使用すると後の除去操作が煩雑になり、廃棄物量の増大やコストアップの原因となるので工業スケールの製造ではかえって障害となる。本発明において一般式(3)で表される化合物に対する一般式(2)で表される化合物の好ましい量は1.8〜3.0倍モル、より好ましくは1.9〜2.4倍モルである。
【0046】
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の反応において使用しうる反応溶媒としては、工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明の反応条件において分解して反応に悪影響を与えないことが必要である。そのような溶媒としてドナー数15以上の溶媒を用いることで本発明の目的が達成された。ドナー数についてはV.グートマン著、大瀧仁志、岡田勲訳「ドナーとアクセプター 溶媒反応の分子間相互作用」学会出版センター、1983年、21ページ、あるいは「化学大辞典」東京化学同人、1989年、1584ページにより定義される。ドナー数15以上の溶媒としては、ドナー数15以上の溶媒が非プロトン性極性溶媒、エーテル系又はエステル系溶媒でドナー数15以上のものである。具体的な溶媒としてはN−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒でドナー数15以上のものを挙げることができる。これらの中でもN−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの使用がより好ましい。最も好ましい溶媒はN−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはこれらの中から選択される複数の溶媒の併用系である。なお、反応の際には、ドナー数15以上の溶媒のみで反応させても、他の溶媒を加えてもよいが、ドナー数15以上の溶媒のみの方が好ましい。
【0047】
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の反応では、塩基を用いることが好ましい。塩基としては第3級の有機塩基(トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等)、ピリジン類(ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ルチジン等)、アルカリ金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド等)、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(水酸化マグネシウム等)、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。好ましい塩基は第3級アミン類であり、より好ましくはトリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンであり、なおより好ましくはトリエチルアミンである。使用する塩基の量は一般式(3)で表わされる化合物に対して3.5〜10.0当量が好ましく、より好ましくは4.0〜8.0当量である。
【0048】
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の反応させる工程の好ましい反応温度は−30〜20℃であり、より好ましくは−15〜10℃であり、さらに好ましくは−10〜10℃である。反応時間は基質の構造、仕込み量、反応温度により異なるが通常0.5〜8時間であり、1〜6時間の範囲がより好ましい。反応工程では特に不活性な雰囲気は不要であるが、アルゴンまたは窒素気流下で反応を行なってもよい。反応において一般式(2)、一般式(3)で表される化合物および塩基を添加する順序は、反応溶媒に一般式(2)で表される化合物および塩基を溶解させた中に−30〜20℃で一般式(3)で表される化合物を添加する方法、反応溶媒に一般式(3)で表される化合物および塩基を溶解させた中に−30〜20℃で一般式(2)で表される化合物を添加する方法、反応溶媒に一般式(2)および一般式(3)表される化合物を溶解させた中に−30〜20℃で塩基を添加する方法が挙げられるが、好ましくは反応溶媒に一般式(3)で表される化合物および塩基を溶解させた中に−30〜20℃で一般式(2)で表される化合物を添加する方法である。添加方法は分割添加が好ましく、化合物が結晶性物質であればこれをそのまま添加してもよいし、反応溶媒に溶解してから添加してもよい。
【0049】
以上説明した方法により、分子内に複数個のクロモフォアを有し、これらのクロモフォアが共役結合を介さずに結合してなるオキソノール色素の骨格が形成される。例えばトリエチルアミンを塩基として用いると、生成物はオキソノール色素のビストリエチルアミン塩となる。このものは単離することなく一貫で第2工程に使用することが可能であり、効率、コスト、安全性の観点から工業上優れた利点である。
【0050】
次に一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物と反応して一般式(1)で表わされるオキソノール化合物を得る本発明の製造方法の第2工程について説明する。反応において使用する一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物のモル比は、第1工程で一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の反応により生成するオキソノール色素分子の理論生成量に対して0.8〜1.5倍モルの範囲であるが、好ましくは0.85〜1.1倍モル、より好ましくは0.85〜1.00倍モルである。過剰に一般式(4)で表わされるビピリジニウム化合物を使用しても、目的とする一般式(1)で表わされるオキソノール化合物の収率は向上せず、一般式(4)で表わされるビピリジニウム化合物が残存して目的物の品質低下につながるため好ましくない。逆に一般式(4)で表わされるビピリジニウム化合物フリー体の使用量が上記範囲より少ないと、目的とする一般式(1)で表わされるオキソノール化合物の収率が低下する。
【0051】
本発明の製造方法の第2工程において一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を反応させる方法としては、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を反応せしめた反応混合物に(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を添加する方法、溶媒に一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を懸濁あるいは溶解させた混合物中に一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を反応せしめた反応混合物を添加する方法が挙げられるが、本発明の製造方法においてはいずれの方法も用いることができる。
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を反応せしめた反応混合物に一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を添加する場合には分割添加が好ましく、結晶性物質であるビピリジニウム化合物をそのまま分割添加してもよいし、溶媒に懸濁あるいは溶解させたものを分割添加してもよい。好ましくは一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物溶媒に懸濁あるいは溶解させたものを分割添加する方法である。溶媒に一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を懸濁あるいは溶解させた混合物中に一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を反応せしめた反応混合物を添加する場合も、分割添加が好ましい。
【0052】
一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物を懸濁あるいは溶解させる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの中でも水、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒の使用がより好ましく、水またはアルコール系溶媒の使用がなお好ましい。最も好ましい溶媒は水、メタノール、エタノール、2-プロパノールあるいはこれらの中から選択される2〜3種の溶媒の併用系である。
【0053】
本発明の製造方法において第2工程の反応温度は10〜100℃の範囲であるが、反応効率向上のため好ましくは40〜85℃、より好ましくは50〜80℃である。
反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが通常0.5〜6時間であり、1〜5時間の範囲がより好ましい。工程では特に不活性な雰囲気は不要であるが、アルゴンまたは窒素気流下で反応を行なってもよい。
【0054】
以上説明した本発明の製造方法によって製造される一般式(1)で表されるオキソノール化合物は結晶性がよく、通常反応混合物の冷却や貧溶剤の添加により結晶として析出するので、通常の固液分離を行うことで容易にこれを単離することができる。以上のようにして得られる一般式(1)で表されるオキソノール化合物は、通常これ以上の精製を行う必要がないほどの高い純度を有する。
【0055】
以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0056】
化合物(1)−1の合成
化合物(1)−1は以下の方法により合成した。 合成経路を示す。
【0057】
【化16】

【0058】
(1)中間体1の合成
無水酢酸(68.7g)とマロン酸(50g)の混合物に濃硫酸(2mL)を加え、引き続き2−ペンタノン(41.4g)を内温10℃以下で滴下した。反応混合物を20℃で2時間攪拌したのちトルエン(200mL)と10%食塩水(70mL)を加えた。有機層を分取、濃縮し、残渣を2−プロパノール/水(体積比1/3、晶析温度5℃)から晶析、2−プロパノール/水(体積比1/3)からなる混合溶液で濾過、洗浄、乾燥して57.9gの中間体1(2−メチル−2−プロピル−1,3−ジオキソラン−4,6−ジオン)を無色結晶として得た(収率70%)。
融点:38〜39℃
【0059】
化合物(2)−1の合成
1−フェニルアミノ−5−フェニルイミノ−1,3−ペンタジエン塩酸塩(60g)、メタノール(400mL)、トリエチルアミン(47g)からなる混合液に、中間体1(40.0g)のメタノール(50mL)溶液を25℃で滴下した。反応混合物を25℃で3時間攪拌したのち水を滴下すると結晶が析出した。反応混合物をそのまま1時間攪拌し、析出した結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥して、45gの化合物(2)−1を暗赤色結晶性粉末として得た(収率65%)。
融点:190℃(分解)
【0060】
(3)化合物(3)−1の合成
無水酢酸(55g)とマロン酸(60g)の混合物に濃硫酸(1mL)を加え、引き続きシクロヘキサン−1,4−ジオン(20g)を内温30℃で分割添加した。反応混合物を55℃で10時間攪拌したのち2−プロパノール(40mL)と水(80mL)からなる混合媒体中に20℃で注加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH4まで中和した。反応混合物を15℃で1時間攪拌ののち析出した結晶を濾過、2−プロパノール/水(体積比1/2)からなる混合溶液で洗浄、乾燥して31gの化合物(3)−1を淡褐色結晶として得た。収率61.1%。
1H-NMR (TMS、DMSO−d6) δ(ppm): 2.20 (s, 8H), 4.07 (s, 4H)
【0061】
(4)化合物(1)−1の合成
化合物(2)−1(24.6g)を、化合物(3)−1(10.0g)、N−メチルピロリドン(NMP、150mL)、トリエチルアミン(21.3g)からなる混合液に内温0℃以下で分割添加し、反応混合物−10〜10℃で4時間攪拌した。一方、化合物(4)−4(19.5g)をメタノール(400mL)に懸濁、還流し、ここに化合物(2)−1と化合物(3)−1を反応させた反応混合物を滴下した。反応混合物を68℃で3時間攪拌ののち室温まで冷却、析出した結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥して35.1g の化合物(1)−1を光沢のある深緑色結晶性粉末として得た(収率80%)。
【実施例2】
【0062】
化合物(1)−8の合成
化合物(1)−8は以下の方法により合成した。 合成経路を示す。
【0063】
【化17】

【0064】
中間体2の合成
無水酢酸(44g)とマロン酸(50g)の混合物に濃硫酸(1mL)を加え、引き続きシクロヘキサノン(40g)を内温30℃で滴下した。反応混合物を40℃で5時間攪拌したのち2−プロパノール(80mL)と水(170mL)からなる混合媒体中に20℃で注加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH3まで中和した。反応混合物を20℃で1時間攪拌ののち析出した結晶を濾過、2−プロパノール/水(体積比1/2)からなる混合溶液で洗浄、乾燥して40.5gの中間体2を灰白色結晶として得た。収率54%。
MS: M+ 184
化合物(1)−8までの誘導
以下は実施例1の方法に従い、中間体1の替わりに中間体2を用いて合成例1に記載の方法にほぼ従って合成を行い、目的とする化合物(1)−8を光沢のある深緑色結晶性粉末として得た。
【実施例3】
【0065】
化合物(1)−4の合成
化合物(1)−4は以下の方法により合成した。合成経路を示す。
【0066】
【化18】

【0067】
(1)中間体3の合成
無水酢酸(25.6g)とマロン酸(18.7g)の混合物に濃硫酸(1mL)を加え、引き続きレブリン酸エチル(28.9g)を内温30℃以下で滴下した。反応混合物を35℃で2時間攪拌したのち酢酸エチル(150mL)と10%食塩水(100mL)を加え、有機層を分取した。10%食塩水(100mL)で2回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、残渣をエタノール/水(体積比1/3、晶析温度5℃)から晶析、濾過、洗浄、乾燥して27.7gの2−メチル−2−(2‘−エトキシカルボニルエチル)−1,3−ジオキソラン−4,6−ジオンを無色結晶として得た(収率63%)。
融点:63〜64℃
化合物(1)−4までの誘導
以下は実施例1の方法に従い、中間体1の替わりに中間体3を用いて合成例1に記載の方法にほぼ従って合成を行い、目的とする化合物(1)−4を光沢のある深緑色結晶性粉末として得た。
【実施例4】
【0068】
化合物(1)−6の合成
実施例1の(2)において、1−フェニルアミノ−5−フェニルイミノ−1,3−ペンタジエン塩酸塩の替わりに1−フェニルアミノ−5−フェニルイミノ−3−メチル−1,3−ペンタジエン塩酸塩を用いた以外は合成例1に記載の方法にほぼ従って合成を行い、化合物(1)−6を暗赤色結晶として得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
〔1〕一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物を、ドナー数15以上の溶媒の存在下において、反応せしめ、
〔2〕引き続き一般式(4)で表わさせるビピリジニウム化合物と反応して一般式(1)で表わされるオキソノール化合物を得る、
上記の工程を一貫で行うことを特徴とするオキソノール化合物の製造方法。
【化1】

一般式(1)中、Ma1、Ma2およびMa3は各々独立に置換または無置換のメチン基を表す。Za1、Za2およびZa3は各々独立に酸性核を形成する原子群を表し、nは0〜3の整数を表す。Yは2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は各々独立に水素原子又は置換基を表わす。Rは置換基を有していてもよい(ヘテロ)アリール基またはアルキル基を表す。
【化2】

一般式(2)中Ma1、Ma2およびMa3、n、Za1は前記一般式(1)におけると同義である。R1は置換基を表し、pは0〜5の整数を表す。R2は水素原子または置換基を表す。
【化3】

一般式(3)中Za2およびZa3、Yは前記一般式(1)におけると同義である。L1は水素原子または離脱基を表す。
【化4】

一般式(4)中R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18、Rは前記一般式(1)におけると同義である。Xは陰イオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
【請求項2】
前記ドナー数15以上の溶媒が非プロトン性極性溶媒、エーテル系又はエステル系溶媒でドナー数15以上のものであることを特徴とする請求項1に記載のオキソノール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2006−316102(P2006−316102A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137316(P2005−137316)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】