説明

オブジェクト領域の抽出システムおよび方法

【課題】ホワイトバランスにロバストでかつリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出システムおよび抽出方法を提供する。
【解決手段】オブジェクト領域の抽出システム1は、オブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得手段2と、カラー画像から色度成分ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する第1のオブジェクト領域抽出手段31と、彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する第2のオブジェクト領域抽出手段32と、輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する第3のオブジェクト領域抽出手段33と、第1ないし第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるオブジェクト領域合成手段34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト領域の抽出システムおよび方法に関する。詳しくは、カラー画像中から肌領域等のオブジェクト領域を抽出するに際し、ホワイトバランスの変化にロバストな抽出システムおよび抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)によるビジュアルコミュニケーションが一般家庭でも手軽に導入できるようになり、普及し始めている。例えば、カラー画像データ中の連続する肌色領域の面積を求め、それぞれの肌色領域について、肌色総画素数、縦横方向の幅などの特徴を考慮して顔領域を求める方法が提案されている。また、発明者らは、画像中から人物のみを抜き出し、背景を予め用意した画像に差し替える画像処理技術の要素技術として、L色空間の知覚色度aヒストグラム、色相habヒストグラムを用いて、照明の影響にロバスト(安定)な人物の肌領域を抽出する方法を提案した。また、画像情報のあいまいさ、口唇輪郭のあいまいさを考慮し、ファジィ推論処理を用いて、テンプレート(データベースに蓄積された参照用画像情報)を使用せずに、人物の口唇領域および肌領域を抽出する方法を提案した。(特許文献1、非特許文献1〜4参照)
【0003】
【特許文献1】特開2000−187721号公報(段落0016〜0060、図1〜図10)
【非特許文献1】佐井高、西田眞、景山陽一、大瀧健太、「色彩情報を用いた顔領域抽出に関する検討」、情報処理学会全国大会、5P−1(2007).
【非特許文献2】白澤洋一、大瀧健太、「色差に着目した口唇追跡に関する検討」、電子情報通信学会総合大会、D−12−89(2007).
【非特許文献3】白澤洋一、西田眞、西健治、「色彩情報を用いたファジィ推論による口唇形状抽出に関する検討」、電気学会論文誌 C,Vol.125−C,No.9,pp.1430−1437.
【非特許文献4】白澤洋一、西田眞、栗栖怜史、「ズームと顔の向き変化にロバストな口唇位置の推定」、映像情報メディア学会誌,Vol.59,No.12,pp.1616−1821.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般家庭のPC環境で身近なカメラデバイスであるデジタルカメラなどではホワイトバランスの変動が大きい。また、従来、固定閾値による肌抽出法が報告されているものの、ホワイトバランスへの対応は困難であった。また、従来はテンプレートを用いた処理が主流であり、リアルタイムの処理が困難であった。
【0005】
本発明は、ホワイトバランスにロバストでかつリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出システムおよび抽出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るオブジェクト領域の抽出システム1は、例えば図1に示すように、オブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得手段2と、カラー画像から色度成分ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する第1のオブジェクト領域抽出手段31と、カラー画像から彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する第2のオブジェクト領域抽出手段32と、カラー画像から輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する第3のオブジェクト領域抽出手段33と、第1のオブジェクト領域と第2のオブジェクト領域と第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるオブジェクト領域合成手段34とを備える。
【0007】
ここにおいて、色度成分ヒストグラム、色相ヒストグラム、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムはいずれかの色空間におけるヒストグラムが使用される。色空間として、例えば、HSV色空間(色相hue、彩度saturation value、明度valueを指標とする)、HLS色空間(指標に輝度luminanceを含む)の他に、均等色空間(Uniform Color Space:UCS、人間の知覚上での差異に主眼を置いた色空間で、CIE(国際照明委員会)が定める表色系であり、L色空間、L色空間が含まれる)を使用できる。色相ヒストグラム、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムはHSV色空間、HLS色空間、L色空間、L色空間の特徴量である。ただし、L色空間、L色空間の特徴量であるが、色度成分ヒストグラムはHSV色空間、HLS色空間の特徴量ではない。したがって、L色空間、L色空間など1つの色空間における色相ヒストグラム、知覚色度ヒストグラム、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムの4ヒストグラムを用いても良いが、HLS色空間、HSV色空間には色度成分ヒストグラムがないので、HLS色空間またはHSV色空間の彩度ヒストグラムと輝度ヒストグラムを用い、L色空間またはL色空間の色相ヒストグラムと色度成分ヒストグラムを用いるなど複数の色空間を併わせて用いても良い。
【0008】
色空間は、z方向を輝度L、x軸を赤味−緑味に係る知覚色度a、y軸を黄味−青味に係る知覚色度b、円周方向を色相(メトリック色相角)habとする表色系である。z軸には無彩色が配される。また、L色空間は知覚色度u、vを用い、波長間隔の均等性が考慮された表色系なので、特定の波長方向をx方向に採用すれば、当該波長に対する色味の強度を表現可能である。また、知覚色度は等色差性を有する色度成分(chrominance)といえ、色度成分として知覚色度を用いても良い。また、知覚色度ヒストグラムとは、特定の色相に関する知覚色度(色味)の強度を示すヒストグラムをいい、オブジェクトが肌の場合には赤味の知覚強度を示すaヒストグラムを使用すると好適である。知覚色度は色相と彩度に依存するが、2つの知覚色度(例えばaとb)をxy軸とするx座標値で表される。また、オブジェクトに応じて青味の知覚強度を示すヒストグラム、黄味の知覚強度を示すヒストグラム、緑味の知覚強度を示すヒストグラムなどを適宜選択可能である。また、輝度はRGBに重み付けをした明度といえ(人間の目からみた明るさに近いといわれている)、輝度ヒストグラムに代えて明度ヒストグラムを用いても良い。
【0009】
このように構成すると、第1ないし第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるためホワイトバランスにロバストであり、また、テンプレートを用いなくても良いのでリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出システムを提供できる。
【0010】
また、本発明の第2の態様に係るオブジェクト領域の抽出システムは、第1の態様において、オブジェクトが人物の肌である。このように構成すると、肌領域は撮影画像を含むカラー画像に多く使用され、かつホワイトバランスに強く影響を受けるので、ホワイトバランスにロバストな第1の態様を適用すると実用的である。
【0011】
また、本発明の第3の態様に係るオブジェクト領域の抽出システムは、第1または第2の態様において、色度成分ヒストグラムがとしてL色空間におけるaヒストグラムを、色相ヒストグラムとしてL色空間におけるhabヒストグラムを用いる。このように構成すると、L色空間は人物の肌領域と口唇領域を共に抽出する場合に照明の影響に対してロバストなので、人物の肌領域の抽出に好適である。
【0012】
また、本発明の第4の態様に係るオブジェクト領域の抽出システムは、第1ないし第3のいずれかの態様において、第1のオブジェクト領域の抽出にファジィ推論を用いる。このように構成すると、撮影環境の変化に伴う色味のあいまい性に自動的に対応できるので、第1のオブジェクト領域の抽出に効率的である。
【0013】
また、本発明の第5の態様に係るオブジェクト領域の抽出システムは、第1ないし第4のいずれかの態様において、オブジェクトに対する色度成分ヒストグラム、色相ヒストグラム、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムを記憶する記憶手段4を有する。このように構成すると、計測された画素の色彩を記憶手段4に記憶されたヒストグラムと対比でき、第1ないし第3のオブジェクト領域の抽出に効率的である。
【0014】
また、本発明の第6の態様に係るオブジェクト領域の抽出システムは、第5の態様において、記憶手段4は、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムを色温度と関連付けて記憶する。このように構成すると、ホワイトバランスの変化に効率的に対処できる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第7の態様に係るオブジェクト領域の抽出方法は、例えば図2に示すように、オブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得工程(S010)と、カラー画像から色度成分ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する第1のオブジェクト領域抽出工程(S030)と、カラー画像から彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する第2のオブジェクト領域抽出工程(S040)と、カラー画像から輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する第3のオブジェクト領域抽出工程(S050)と、第1のオブジェクト領域と第2のオブジェクト領域と第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるオブジェクト領域合成工程(S060)とを備える。
【0016】
ここにおいて、工程順序は適宜変更可能である。例えば、第1ないし第3のオブジェクト領域抽出工程は、どのような順序で行なっても良く、併行して行なっても良い。このように構成すると、ホワイトバランスにロバストでかつリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出システムおよび抽出方法を提供できる。
【0017】
また、本発明の第8の態様に係るプログラムは、第7の態様におけるオブジェクト領域の抽出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホワイトバランスにロバストでかつリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出システムおよび抽出方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、オブジェクトが人物の肌、特に顔部分の肌であり、色度成分ヒストグラムがL色空間における知覚色度aヒストグラム、色相ヒストグラムがL色空間におけるメトリック色相角habヒストグラムである例について説明する。
【0021】
[システム構成]
図1にオブジェクト領域抽出システムの構成例を示す。図1において、1はオブジェクト領域抽出システムであり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)にプログラムをインストールするなどにより構成可能である。本実施の形態では、オブジェクトとして人物の肌を対象とし、色度成分ヒストグラムとしてL色空間における知覚色度aヒストグラムを、色相ヒストグラムとしてL色空間におけるメトリック色相角habヒストグラムを用いる例について説明する。2はオブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得手段である。例えば、CCDカメラなどのデジタルカメラ、その他カラー画像を得られるカメラで撮影し、これをデジタル情報としてカラー画像取得手段2により取得する。カラー画像取得手段2はこのようなカメラを含んでも良く、カメラを含まず、他のカメラで撮影した画像を取得するものでも良い。
【0022】
3はオブジェクト領域抽出手段であり、第1ないし第3のオブジェクト領域抽出手段31〜33、オブジェクト領域合成手段34および部品領域抽出手段35を有する。第1のオブジェクト領域抽出手段31は、カラー画像取得手段2で取得したカラー画像から知覚色度ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する。第2のオブジェクト領域抽出手段32は、カラー画像から彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する。第3のオブジェクト領域抽出手段33は、カラー画像から輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する。オブジェクト領域合成手段34は、第1ないし第3のオブジェクト領域の重複領域を最終結果のオブジェクト領域として求めるもので、これによりオブジェクト領域が決定される。部品領域抽出手段35は、例えばオブジェクトである人物の肌に対して、肌領域の抽出の前に顔の一部である口唇を抽出し、口唇に隣接する顔領域の抽出を容易にする。口唇の抽出手法は第1のオブジェクト領域の抽出手法と同様の手法を使用できる。このため、部品領域抽出手段35を第1のオブジェクト領域抽出手段に含めても良い。なお、部品領域抽出手段35がなくても良く、特に手足などの顔以外の肌領域を求める場合などではなくても良い。なお、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムはL色空間におけるヒストグラムを使用しても良く、HLS色空間におけるヒストグラムを使用しても良い。
【0023】
4は記憶手段であり、カラー画像取得手段にて取得したカラー画像や第1ないし第3のオブジェクト領域抽出手段31〜33で抽出した画像やオブジェクト領域合成手段で合成した画像を記憶する。記憶手段4にこれらのヒストグラムや画像を記憶することにより、例えば、計測された画素の色彩を記憶手段4に記憶されたヒストグラムと対比でき、第1ないし第3のオブジェクト領域の抽出を効率化できる。5は入出力手段で、マウスやキーボードなどの入力手段や、ディスプレイ、プリンタなどの出力手段を有する。6は演算手段で制御手段7の指示により、適宜オブジェクト抽出に必要な演算を実行する。制御手段7は、オブジェクト領域抽出方法のプログラムを有し、オブジェクト領域抽出システム1全体および各手段2〜6を制御して、オブジェクト領域抽出方法を実行させる。
【0024】
[処理フロー]
図2にオブジェクト領域抽出方法の処理フロー例を示す。はじめに、オブジェクトとしての人物の肌を含むカラー画像を取得する(S010)。例えば、カラー画像を得られるカメラで撮影し、これをデジタル情報としてカラー画像取得手段2により取得する。次に、部品領域抽出手段35にて、取得したカラー画像から口唇領域を検出する(S020)。肌領域に先駆けて口唇領域を抽出するのは、口唇領域は他の領域に比して特徴を識別し易く、又、顔領域と隣接しているので、これを手掛かりとして、容易に顔領域を抽出できるからである。顔面の肌と口唇の相違を示す特徴を有し、照明の影響にロバストであるL色空間に着目し、知覚色度aヒストグラムおよび色相(メトリック色相角)habヒストグラムを用い、ファジィ推論により口唇を検出し、口唇周辺領域の色彩情報を取得する。次に、第1のオブジェクト領域抽出手段31にて、同じ知覚色度aヒストグラムおよび色相habヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域としての肌領域を抽出する(S030)。すなわち、口唇と肌で2つのヒストグラムの分布範囲が分かれるので、両者を分離して抽出できる。知覚色度aヒストグラムおよび色相habヒストグラムは色温度(ホワイトバランス)に影響され難いので、ロバストな第1のオブジェクト領域を抽出できる。また、口唇領域や肌領域にあいまい性がある場合は、抽出にファジィ推論を用いると、撮影環境の変化に伴う色味のあいまい性に自動的に対応できるので、効率良くオブジェクト領域の抽出ができる。次に、第2のオブジェクト領域抽出手段32にて、彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域としての肌領域を抽出する(S040)。また、第3のオブジェクト領域抽出手段33にて、輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域としての肌領域を抽出する(S050)。彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムは色温度によって影響を受けて変化するので、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムを用いてホワイトバランスに応じた補正ができる。なお、第1ないし第3のオブジェクト領域の抽出は、どのような順序で行っても良く、併行して行なっても良い。次に、オブジェクト領域合成手段34にて、第1ないし第3のオブジェクト領域の重複領域を最終結果のオブジェクト領域として求める(S060)。これにより、第1ないし第3のオブジェクト領域との重複領域を最終結果のオブジェクト領域として求めるため、ホワイトバランスにロバストであり、また、テンプレートを用いなくても良いのでリアルタイム処理ができるオブジェクト領域の抽出方法を提供できる。以下に、本実施の形態におけるオブジェクト領域の抽出方法について詳細に説明する。
【0025】
[顔部品(口唇)検出]
はじめに、顔部分で特徴的な口唇部分の検出を行なう。口唇部分の検出は部品領域抽出手段35にて行なう。顔面の肌と口唇の相違を示す特徴を有し、照明の影響にロバストであるL色空間に着目し、知覚色度aヒストグラムおよび色相habヒストグラムを用い、ファジィ推論により口唇を検出し、口唇周辺領域の色彩情報を取得する。次に、肌領域を抽出する。
【0026】
図3に口唇周辺領域とその領域における色度成分ヒストグラムとしての知覚色度aヒストグラムと色相ヒストグラムとしてのメトリック色相角habヒストグラムを示す。図3(a)に口唇周辺領域を、図3(b)にaヒストグラムを、図3(c)にhabヒストグラムを示す。知覚色度aは赤味の強さを示す指標である。各ヒストグラムの縦軸は画素が現れる頻度を示す。図3(a)に示すように、口唇周辺領域(図中四角形で示す)として、横方向に口唇の左右量端までを含み、縦方向に拡張し拡張した領域を設定する。図3(b)より、aヒストグラムは、肌(Skin)を示す領域と口唇(Lip)を示す領域に分かれる。肌領域を表すヒストグラムは、赤みが比較的低く、μ11に頂点を有しLとkを裾とする三角形に近似する。口唇領域を表すヒストグラムは、赤みが比較的高く、μ21に頂点を有しkとRを裾とする三角形に近似する。このように、aヒストグラム上で、肌領域と口唇領域を良く区別することができる。また、図3(c)より、habヒストグラムは、肌(Skin)を示す領域と口唇(Lip)を示す領域に分かれる。口唇領域を表すヒストグラムは、色相が比較的赤色に近く、μ12に頂点を有しLとkを裾とする三角形に近似する。肌領域を表すヒストグラムは、色相が比較的黄色に近く、μ22に頂点を有しkとRを裾とする三角形に近似する。このように、habヒストグラム上で、肌領域と口唇領域を良く区別することができる。これにより、予め肌情報、口唇情報について予め記憶手段4に記憶されたaヒストグラムとhabヒストグラムとを参照することによって、オブジェクトとして取得したカラー画像から口唇領域と肌領域を分離して抽出することができる。そして、口唇領域の周辺に連なる顔領域、顔領域と同じヒストグラムを示す肌を抽出する手掛りとすることができる。
【0027】
[肌情報取得]
知覚色度a*ヒストグラム、色相habヒストグラムを使用すると、口唇と肌を分離して抽出できるので、これを利用して肌領域を抽出する。カラー画像から図3(a)で設定した口唇周辺領域について取得した、知覚色度a*ヒストグラム、メトリック色相角habヒストグラムを使用できる。肌情報取得は第1ないし第3のオブジェクト領域抽出手段31〜33にて行なう。
【0028】
図4に肌領域の色温度に独立な(色温度に影響され難い)ヒストグラムを示す。図4(a)にaヒストグラム、図4(b)にhabヒストグラムを示す。それぞれ、図3(b)、(c)のヒストグラムから、口唇の領域を分離し、肌領域のみについて再度取得したヒストグラムである。知覚色度aヒストグラムおよびメトリック色相角habヒストグラムは上記のように肌と口唇に対応する分布を有し、この傾向は色温度(ホワイトバランス)が変化しても保持されることから、色温度に独立なヒストグラムといわれ、これを用いて肌領域をロバストに抽出することができる。カラー画像全体、または、カラー画像から目的とする肌領域を含む領域を探索領域に指定し、指定した探索領域について、カラー画像の各画素のaとhabを記憶手段4に記憶されたaヒストグラムとhabヒストグラムと比較して、カラー画像の各部分が肌領域であるか否かを判定することができる。色温度に独立なヒストグラムを用いた肌領域の抽出は第1のオブジェクト領域抽出手段31で行なわれ、抽出された肌領域は第1のオブジェクト領域となる。
【0029】
図5に肌領域の色温度に従属な(色温度に影響され易い)ヒストグラムを示す。図5(a)に彩度ヒストグラム、図5(b)に輝度ヒストグラムを示す。彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムは色温度により変化する。したがって、撮影時の色温度に対応した彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムを使用することによって、カラー画像の各画素が肌領域であるか否かを判定し、色温度の変化に応じた適切な肌領域を抽出できる。彩度ヒストグラムを用いた肌領域の抽出は第2のオブジェクト領域抽出手段32で行なわれ、抽出された肌領域は第2のオブジェクト領域となる。輝度ヒストグラムを用いた肌領域の抽出は第3のオブジェクト領域抽出手段33で行なわれ、抽出された肌領域は第3のオブジェクト領域となる。第2のオブジェクト領域および第3のオブジェクト領域を用いて第1のオブジェクト領域を補正できる。なお、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムはL色空間におけるヒストグラムを使用しても良く、HLS色空間におけるヒストグラムを使用しても良い。
【0030】
[肌領域判定(色温度に独立な特徴を用いる)]
次に、取得した肌情報に基づいて、肌領域の判定を行なう。肌領域の判定にはパターン認識、例えばファジィ推論を使用できる。ファジィ推論を用いると、撮影環境の変化に伴う色味のあいまい性に自動的に対応できるので、肌領域を効率的に抽出することができる。まず、知覚色度aの強度と色相habは照明にロバストであり、肌に良く対応した分布を有することに注目し、ファジィ推論などのパターン認識により肌らしさの度合いを演算し、肌領域を求める。例えば、カラー画像の各画素について、ヒストグラムの端点(最大値と最小値)とクラスの平均レベル(口唇と肌それぞれの2つの峰に対応、ただし分布が双峰性を有する必要はない)を用い、肌らしさの度合いを算出し、ヒストグラムに自動閾値選定法(肌らしさの度合を示す帰属度に閾値を設定する)で設定した閾値により、肌領域に属するか否かを判定する。色温度に独立なヒストグラムを用いた肌領域の判定は第1のオブジェクト領域抽出手段31で行なわれる。
【0031】
図6に、ファジィ推論を概略的を示す。図6(a)にファジィ規則を模式的に示し、図6(b)にデファジィ化のための計算式を示す。記憶手段4に記憶されたカラー画像に、ガウシアンフィルタを用いた平滑化処理などの前処理を施し、前処理済画像から、aヒストグラムおよびhabヒストグラムを取得する。図6(a)に示すように、ファジィ規則を用いて、aヒストグラムおよびhabヒストグラムを三角形のパターンμ(x)で近似した前件部メンバーシップ関数で表し、各画素についてのa、habの測定値x0、x1を、前件部メンバーシップ関数を用いてμ(x)を求める。さらに、前件部メンバーシップ関数y1’={μ(x)}1/2およびy2’=μ(x)を用いて、各画素についてのa、habの測定値x0、x1からy1’,y2’を求める。そして、図6(b)に示すように、求めたy1’,y2’を用いて、荷重平均法によりデファジィ化を行い、次式により(肌クラスの)帰属度y1を求める。

y1=(w1×y1’+w2×y2’)/(w1+w2)

ここに、w1,w2は重み係数であり、w1=1.5、w2=1.0としたときの結果が良好であったので、これらの値を用いることとする。帰属度y1は肌らしさを表す評価値である。閾値をy2およびy3とし、y2<y1<y3の条件を満たせば、画素は肌領域に属するものとし、条件を満たさなければ、画素は肌領域に属さないものと判定する。これにより、カラー画像について肌領域とその他の領域を2値化表示できる。この例では、荷重平均法を用いているが、これに代えて簡略化ファジィ推論法などを用いても良い。
【0032】
図7にファジィ推論で求めた肌領域の分布を示す。図7(a)に肌クラスの帰属度y1で表した画像を、図7(b)に2値化した画像を示す。2値化された白色部分が第1のオブジェクト領域に該当する。なお、口唇領域もファジィ推論で求められる。
【0033】
[肌領域判定(色温度に従属な特徴を用いる)]
次に、カラー画像について、色温度により変化する部分がある。すなわち、太陽光、照明の当り方によって、カラー画像の色彩が変化し、肌部分の色彩も変化する。すなわち、彩度、輝度はホワイトバランス設定の影響を大きく受けるので、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムは色温度により変化する。
【0034】
図8に色温度(ホワイトバランス)による、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムの変化を示す。図8(a)に色温度によるカラー画像の変化を、図8(b)に色温度による彩度ヒストグラムの変化を、図8(c)に色温度による輝度ヒストグラムの変化を示す。図8(a)より色温度が高くなるにつれてカラー画像が暗くなっていくことが分かる。また、図8(b)では、彩度ヒストグラムは色温度が高くなるにつれて彩度ヒストグラムの幅が低彩度側に拡大していくことが示されている。また、図8(c)では色温度が高くなるにつれて輝度ヒストグラムが低輝度側に移動していくことが示されている。したがって、カラー画像中の各画素については、各色温度における彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムの最大値と最小値を用いて範囲指定することにより、肌領域を抽出するものとする。彩度ヒストグラムを用いた肌領域の判定は第2のオブジェクト領域抽出手段32で行なわれ、輝度ヒストグラムを用いた肌領域の判定は第3のオブジェクト領域抽出手段33で行なわれる。まず、カラー画像の全体の彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムから色温度を求め、その色温度における彩度ヒストグラムの最大値と最小値の範囲内であれば第2のオブジェクト領域として求め、その色温度における輝度ヒストグラムの最大値と最小値の範囲内であれば第3のオブジェクト領域として求める。なお、最大値と最小値は測定誤差を考慮し、例えば上下数%を除いて設定しても良い。
【0035】
図9に彩度ヒストグラムを用いて抽出した肌領域を、図10に彩度ヒストグラムを用いて抽出した肌領域を示す。両者共に2値化した画像であり、白い部分が肌領域に該当する。望ましくは、平滑化処理などのヒストグラムにおいて微小な頻度の要素を除外する処理を加えても良い。第1のオブジェクト領域として抽出された画像(図7参照)および第3のオブジェクト領域として抽出された画像(図10参照)では背景の壁の部分の一部または全部が肌領域として抽出されているが、第2のオブジェクト領域として抽出された画像(図9参照)では、背景の壁の部分が全て除去されている。また、第1のオブジェクト領域として抽出された画像(図7参照)および第2のオブジェクト領域として抽出された画像(図9参照)では、髪の毛の部分、眉毛の部分および眼の部分が一部、肌領域として抽出されているが、第3のオブジェクト領域として抽出された画像(図10参照)では、髪の毛の部分、眉毛の部分および眼の部分が全て除去されている。
【0036】
[肌領域抽出(合成)]
図11に、第1ないし第3の抽出画像を重ね合わせて肌領域を抽出する工程を模式的に示す。すなわち、図7に示す第1のオブジェクト領域、図9に示す第2のオブジェクト領域、図10に示す第3のオブジェクト領域の重複部分を最終結果のオブジェクト領域として決定する。すなわち、肌領域判定で求めた3種類の画像のANDを求め、肌領域判定結果とする。この重ね合わせはオブジェクト領域合成手段34にて行なう。図11(a)に第1ないし第3のオブジェクト領域の画像を、図11(b)にこれらを重複して抽出されたオブジェクト領域の画像を、図11(c)に抽出されたオブジェクト領域に彩色処理した画像を示す。図11(b)によれば、壁、髪の毛、眉、眼の部分が除去され、正しい肌領域に補正されていることが分かる。また、図11(c)の彩色処理は、図11(b)のオブジェクト領域の範囲に、カラー画像取得手段2で取得した画像を前処理したカラー画像の彩色を施したものである。望ましくは、形状平滑化処理を加えても良い。
【0037】
[実験結果]
図12に、原画像、従来法による肌領域抽出結果例、本実施の形態による肌領域抽出結果例を比較して示す。図12(a)に色温度による原画像の変化を、図12(b)に色温度による従来法による肌領域抽出結果の変化を、図12(c)に本実施の形態による肌領域抽出結果の変化を示す。従来法では、色温度低〜中設定時には肌が抽出されているものの、色温度高では肌領域の抽出に失敗している。これに対し、本実施の形態では全ての色温度において、肌領域を抽出可能であることが分かる。本実施の形態では、画像1枚の処理に要した演算時間は約30msである。なお、デジタルカメラで撮影した画像データをリアルタイム処理が可能であることを確認している。以上より、本実施の形態におけるオブジェクト領域抽出システムまたは抽出方法は、ホワイトバランス変化に対応した肌領域抽出がリアルタイムで可能であることを示すものである。
【0038】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、色度成分ヒストグラムがL色空間における知覚色度aヒストグラム、色相ヒストグラムがL色空間におけるメトリック色相角habがヒストグラムである例について説明したが、第2の実施の形態では、他の色空間を用いる例を説明する。また、第1の実施の形態では、ファジィ推論を用いる例を説明したが、第2の実施の形態では、用いない例を説明する。
【0039】
色空間以外の色空間として、例えば、均等色空間であるLを用いても良い。L色空間は波長間隔の均等性が考慮された表色系なので、特定の波長方向をx方向に採用すれば、当該波長に対する色味の強度を表現可能である。また、知覚色度ヒストグラムには均等色空間を用い、色相ヒストグラム、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムにはHSL色空間、HSV色空間を用いても良く、知覚色度ヒストグラム、色相ヒストグラムには均等色空間を用い、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムにはHSL色空間、HSV色空間を用いても良い。その他、特徴量が在る範囲で多様な組み合わせが可能である。このように他の均等色空間や均等色空間と他の色相と彩度または知覚色度と明度または輝度に基づいて表現される色空間を組み合わせても、第1の実施の形態と同様に知覚色度ヒストグラム、色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出し、また、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムを用いて第2、第3のオブジェクト領域を抽出できる。また、ファジィ推論に代えて、ヒストグラムの最大値と最小値の範囲内であれば第1のオブジェクト領域として求めても良い。そして、第1ないし第3のオブジェクト領域の重複領域から、目的とするオブジェクト領域を求めることができる。Lv色空間、HSL色空間、HSV色空間を用いた場合には、ロバスト性がL色空間を用いる場合に比して劣るものの、なお実用的範囲に保たれる。本実施の形態においても、第1のオブジェクト領域を用いることによりロバストなオブジェクト領域を抽出でき、第2、第3のオブジェクト領域を用いることによりホワイトバランス変化に対応したオブジェクト領域抽出でき、また、リアルタイムでオブジェクト領域の抽出が可能である。
【0040】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態では、オブジェクトが人物の肌である例を説明したが、第3の実施の形態では他の例について説明する。例えば、カラー画像におけるパンダの白色部分、目玉領域の白身部分などは、ホワイトバランスに影響を強く受けるので、これらのオブジェクトに、第1、第2の実施の形態の手法を適用すれば、好適な結果を期待できる。知覚色度ヒストグラム、色相ヒストグラム、彩度ヒストグラム、輝度ヒストグラムを用いて、ロバストかつ、ホワイトバランス変化に対応したオブジェクト領域をリアルタイムで抽出が可能である。
【0041】
また、本発明は、以上の実施の形態に記載のオブジェクト領域の抽出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとしても実現可能である。プログラムはコンピュータの内蔵メモリに蓄積して使用してもよく、外付けの記憶装置に蓄積して使用しても良く、インターネットからダウンロードして使用しても良い。また、当該プログラムを記録した記録媒体としても実現可能である。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
【0043】
例えば、ヒストグラムを用いて第1ないし第3のオブジェクト領域を求める際に、ファジィ推論を用いる例または最大値と最小値を閾値として用いる例を説明したが、例えば肌をいくつかの小部分に区分し、各小部分のヒストグラムと記憶手段に記憶されたヒストグラムを比較して、肌領域か否かを判定してもよく。閾値についても上下何%までをとるかを適宜決めることができる。また、第1の実施の形態では知覚色度ヒストグラムとして赤味ヒストグラムを用いる例を説明したが、オブジェクトに応じて、種々の知覚色度ヒストグラムを選択可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、肌領域などのオブジェクト領域の抽出に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】オブジェクト領域抽出システムの構成例を示す図である。
【図2】オブジェクト領域抽出方法の処理フロー例を示す図である。
【図3】口唇周辺領域とその領域における知覚色度ヒストグラムとしてのaヒストグラムと色相ヒストグラムとしてのhabヒストグラムを示す図である。
【図4】肌領域の色温度に独立なヒストグラムを示す図である。
【図5】肌領域の色温度に従属なヒストグラムを示す図である。
【図6】ファジィ推論を概略的を示す図である。
【図7】ファジィ推論で求めた肌領域の分布を示す図である。
【図8】色温度による、彩度ヒストグラムおよび輝度ヒストグラムの変化を示す図である。
【図9】彩度ヒストグラムを用いて抽出した肌領域を示す図である。
【図10】彩度ヒストグラムを用いて抽出した肌領域を示す図である。
【図11】第1ないし第3の抽出画像を重ね合わせて肌領域を抽出する工程を模式的に示す図である。
【図12】原画像、従来法による肌領域抽出結果例、第1の実施の形態における肌領域抽出結果例を比較して示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 オブジェクト領域抽出システム
2 カラー画像取得手段
3 オブジェクト領域抽出手段
4 記憶手段
5 入出力手段
6 演算手段
7 制御手段
31 第1のオブジェクト領域抽出手段
32 第2のオブジェクト領域抽出手段
33 第3のオブジェクト領域抽出手段
34 オブジェクト領域合成手段
35 部品領域抽出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得手段と;
前記カラー画像から色度成分ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する第1のオブジェクト領域抽出手段と;
前記カラー画像から彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する第2のオブジェクト領域抽出手段と;
前記カラー画像から輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する第3のオブジェクト領域抽出手段と;
前記第1のオブジェクト領域と前記第2のオブジェクト領域と前記第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるオブジェクト領域合成手段とを備える;
オブジェクト領域の抽出システム。
【請求項2】
前記オブジェクトが人物の肌である;
請求項1に記載のオブジェクト領域の抽出システム。
【請求項3】
前記色度成分ヒストグラムとしてL色空間におけるaヒストグラムを、前記色相ヒストグラムとしてL色空間におけるhabヒストグラムを用いる;
請求項1または請求項2に記載のオブジェクト領域の抽出システム。
【請求項4】
前記第1のオブジェクト領域の抽出にファジィ推論を用いる;
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のオブジェクト領域の抽出システム。
【請求項5】
前記オブジェクトに対する前記色度成分ヒストグラム、前記色相ヒストグラム、前記彩度ヒストグラムおよび前記輝度ヒストグラムを記憶する記憶手段を有する;
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のオブジェクト領域の抽出システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記彩度ヒストグラムおよび前記輝度ヒストグラムを色温度と関連付けて記憶する;
請求項5に記載のオブジェクト領域の抽出システム。
【請求項7】
オブジェクトのカラー画像を取得するカラー画像取得工程と;
前記カラー画像から色度成分ヒストグラムおよび色相ヒストグラムを用いて第1のオブジェクト領域を抽出する第1のオブジェクト領域抽出工程と;
前記カラー画像から彩度ヒストグラムを用いて第2のオブジェクト領域を抽出する第2のオブジェクト領域抽出工程と;
前記カラー画像から輝度ヒストグラムを用いて第3のオブジェクト領域を抽出する第3のオブジェクト領域抽出工程と;
前記第1のオブジェクト領域と前記第2のオブジェクト領域と前記第3のオブジェクト領域との重複領域をオブジェクト領域として求めるオブジェクト領域合成工程とを備える;
オブジェクト領域の抽出方法。
【請求項8】
請求項7に記載のオブジェクト領域の抽出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−205469(P2009−205469A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47492(P2008−47492)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年8月29日発行「電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会講演論文集」において掲載 掲載アドレス(http://secure1.gakkai−web.net/gakkai/ieice/program2/html/program/...)
【出願人】(599072758)株式会社アルファシステムズ (11)
【出願人】(504409543)国立大学法人秋田大学 (210)
【Fターム(参考)】