説明

オプション部材の取付構造

【課題】構造体に対して容易に取り付け・取り外しを行うことができる。
【解決手段】ピン部材と、基部11の基端面に下向き係止爪12を設けると共に、基部11にその上面11bに開口部を配した有底筒状部14を設けた支持基材10と、天壁部の基端面22aから張り出す突出面23aを有する突出片23を設け、天壁部において平面視で突出片23の突出方向に直交する延在方向で突出片23の両端部より内側の位置に挿通孔24を有する抜止め部材20とを備え、下向き係止爪12を凹溝の下側開口縁4bに係止させた状態で基部11の上面11bと凹溝4の上側開口縁4aとの間に突出片23を介在させ、有底筒状部14と挿通孔24とを同軸に配置すると共に抜止め部材20の基端面を取付面に対して、又は突出片23の突出面23aを凹溝4の底面4cに対して当接させ、有底筒状部14及び挿通孔24にピン部材を嵌合させた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや家庭等の執務空間にて使用される什器にオプション部材を取り付けるためのオプション部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや家庭等の執務空間にて使用される什器等の構造体にオプション部材等の別の物品を固定する際には、構造体の取付面に物品を接着する方法や、取付面に穿設したねじ孔に、物品に穿設した通し孔を介して取付ネジを螺合させることによって、物品を取付面に螺合する方法が採用されるのが一般的となっている(例えば、特許文献1参照)。
ただし、これらの構造においては、構造的な特徴からオプション部材の取り付け、取り外しを容易に行うことができないため、オプション部材を着脱する頻度が高い場合には適していなかった。
【0003】
また、構造体に係止孔を設けておき、オプション部材に設けた下向き係止爪を係止孔下縁に係止することによって、構造体にオプション部材を取り付ける方法も一般的である。この方法によれば、簡易的な作業で構造体にオプション部材を取り付け、取り外しすることが出来るが、逆に係止爪と係止孔との係合が外れてしまえば、オプション部材が構造体から脱落してしまうおそれがあり、これらは用途が限られた構造になっていた。
これに対して、係止爪と係止孔上縁との間に抜け止め片を挿入することによって、構造体に取り付けたオプション部材の脱落を防止する方法が、例えば特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−204705号公報
【特許文献2】特開2001−008748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のような従来のオプション部材の取付構造では、抜け止め片を固定手段を介してオプション部材に固定しているため、オプション部材の取り付け、取り外しの作業性が悪くなってしまうという問題を有していた。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、構造体に対して容易に取り付け、取り外しを行うことができるオプション部材の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るオプション部材の取付構造では、鉛直方向の取付面に開口部を形成し、この開口部の少なくとも下側開口縁より下方に広い内空部を有する凹溝が設けられた構造体にオプション部材を取り付けるためのオプション部材の取付構造であって、オプション部材に設けられる下向き凸部と、第1基部の一端側の基端面に下向き係止爪を設けると共に、第1基部にその上面に開口部を配した支持凹部を一体的に設けた支持基材と、第2基部の一端側の基端面から水平方向に張り出す突出面を有する突出片を設けると共に、第2基部において平面視で突出片の突出方向に直交する延在方向で突出片の両端部より内側の位置に上下方向を向く挿通孔を有する抜止め部材とを備え、支持基材の下向き係止爪を凹溝の下側開口縁に係止させた状態で、第1基部の上面と凹溝の上側開口縁との間に抜止め部材の突出片を介在させ、支持基材の支持凹部と抜止め部材の挿通孔とを同軸に配置すると共に、抜止め部材の基端面を取付面に対して、又は突出片の突出面を凹溝の底面に対して近接、或いは当接させ、この状態で、支持凹部及び挿通孔に下向き凸部を嵌合させたことを特徴としている。
【0008】
本発明では、支持基材の下向き係止爪を凹溝の下側開口縁に係止させ、この状態において第1基部の上面と凹溝の上側開口縁との間に抜止め部材の突出片を介在させ、支持基材の支持凹部と抜止め部材の挿通孔とを同軸に配置し、さらに抜止め部材の基端面を取付面に対して、又は突出片の突出面を凹溝の底面に対して近接、或いは当接させ、この状態で、同軸に配置される支持凹部及び挿通孔に下向き凸部を嵌合させることで、オプション部材を構造物に取り付けることができる。
【0009】
このとき、支持基材は、構造体の凹溝において、第1基部の上面が凹溝の上側開口縁との間に抜止め部材の突出片が介在されることにより位置決めされることになる。そして、抜止め部材は、その基端面、又は突出片の突出面が構造体側の面(取付面又は凹溝の底面)に対して面で近接、或いは当接するので、前後左右の水平方向への移動が規制される。さらに、第2基部において平面視で突出片の突出方向に直交する延在方向で突出片の両端部より内側の位置で挿通孔に下向き凸部が嵌合しているので、抜止め部材は上下方向への移動も規制され、これにより支持基材に対して抜止め部材が外れるのが防止されることになる。つまり、支持基材、抜止め部材、および下向き凸部が互いに係合して凹溝に取り付けられている状態にあっては、支持部材が抜止め部材と下向き凸部とによってロックされた状態となり、支持基材の凹溝からの脱落を防ぐことができる。
【0010】
また、本発明に係るオプション部材の取付構造では、第1基部の上面は、基端面に対向する前方側から基端面側へ向うにしたがって漸次下方に傾斜していることが好ましい。
【0011】
本発明では、支持基材の下向き係止爪は凹溝の下側開口縁に係止されており、取り付け作業中であって、とくに支持基材に抜止め部材を重ね合わせたのみの状態において、抜止め部材を第1基部の傾斜面に沿って構造体側に押し付ける力が働くため、支持基材と抜止め部材との取付位置がずれるのを防止することができ、組み立て時の作業性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係るオプション部材の取付構造では、少なくとも、抜止め部材の挿通孔が円孔、もしくは下向き凸部の断面形状が円形をなしていることによって、オプション部材を抜止め部材に対して回動可能としたことが好ましい。
【0013】
この場合には、オプション部材を取り付けた状態において、オプション部材自体を抜止め部材の挿通孔周りに回転可能に支持することができる。
【0014】
また、本発明に係るオプション部材の取付構造では、下向き凸部には、上下方向で下端より上方位置に拡径段部が設けられ、拡径段部の下面が抜止め部材の基部上面に当接されていることがより好ましい。
【0015】
本発明では、拡径段部の下面を抜止め部材の第2基部の上面に当接させることで、抜止め部材の上方への移動が規制されるので、抜止め部材の脱落を確実に防止することができ、オプション部材をより安定的に取り付けることができる。
【0016】
また、本発明に係るオプション部材の取付構造では、支持基材には、基端面に上向き係止爪が設けられ、上向き係止爪が凹溝の上側開口縁に係止されていることが好ましい。
【0017】
この場合には、上向き係止爪が凹溝の上側開口縁に支持されるため、下向き凸部が支持凹部に嵌合された状態でオプション部材の重量により支持基材の支持凹部側に荷重がかかっても、そのオプション部材の重みにより支持基材の支持凹部側が前下がりに傾くのを防止することができ、オプション部材をより安定的に取り付けることができる。
また、第1基部のみを取付面に取り付けた場合においても、上向き係止爪が抜止めとして機能することによって、第1基部が取付面から脱落してしまうおそれが無く、取付作業時における作業性を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のオプション部材の取付構造によれば、支持基材、抜止め部材、および下向き凸部にはボルト等の螺合部材を用いることのない簡単な構造により脱落のない支持構造を実現することができ、構造体に対する取り付け、取り外しが容易となり、また製造コストを低減することが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態による照明器具の取付構造の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す照明器具の取付構造の側断面図である。
【図3】クランプ部材の全体構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すクランプ部材の分解斜視図である。
【図5】支持基材と抜止め部材とを嵌合させた状態を示す斜視図である。
【図6】支持基材と抜止め部材とを嵌合させた状態を示す上面図である。
【図7】支持基材と抜止め部材とを嵌合させた状態を示す側面図である。
【図8】図6に示すA−A線断面図である。
【図9】図6に示すB−B線断面図である。
【図10】支持基材の全体構成を示す斜視図である。
【図11】支持基材の全体構成を示す上面図である。
【図12】抜止め部材の全体構成を示す斜め下方から見た斜視図である。
【図13】抜止め部材の全体構成を示す下面図である。
【図14】図13に示すC−C線断面図である。
【図15】支持基材を凹溝に取り付ける状態を示す側断面図である。
【図16】支持基材と抜止め部材とを凹溝に取り付けた状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態によるオプション部材の取付構造について、図面に基づいて説明する。
【0021】
図1および図2に示す本実施の形態によるクランプ部材1(オプション部材の取付構造)は、オフィスや家庭等の執務空間にて作業面の照度を確保するために使用される照明器具2(オプション部材)をデスク3(構造体)に支持させて固定するためのものである。
照明器具2は、本実施の形態ではタスクライト装置であり、作業面を有するデスク3に取り付けられるクランプ部材1を介して回動可能もしくは角度変更可能に延ばされたアーム2Aと、このアーム2Aの先端部から連設された照明部2Bとを備えた一般的な構造のものであり、ここでは詳しい説明は省略する。
【0022】
ここで、デスク3は、作業面の前面に仕切り壁31を有するとともに、この仕切り壁31の上縁に沿って延びる凹溝4が配置された構成となっている。この凹溝4は、鉛直方向の仕切り壁31(取付面)に開口部を形成し、この開口部の上側開口縁4aより上方に、且つ下側開口縁4bより下方に広い内空部を有している。
【0023】
図3および図4に示すように、クランプ部材1は、照明器具2のアーム2Aに設けられるピン部材5(下向き凸部)と、デスク3の凹溝4に支持する支持基材10と、この支持基材10の凹溝4に対する抜けを防止する抜止め部材20とからなり、支持基材10と抜止め部材20とが互いに上下方向に係合する構成となっている。
つまり、デスク3の凹溝4に支持基材10と抜止め部材20とを係合させた状態でクランプ部材1が固定され、このクランプ部材1に対してアーム2Aに設けたピン部材5を嵌入させることで、照明機器2がデスク3に支持されることになる。
【0024】
ピン部材5は、そのピン軸線を上下方向に向けた状態で、オプション部材である照明器具2が適正な位置で用いられることになる。
【0025】
図4乃至図11に示すように、支持基材10は、平面視で三角平板状の基部11(第1基部)と、この基部11の3つの辺部11A、11B、11Cのうちの1つ(第1辺部11A)の基端面11aに設けられた下向き係止爪12及び上向き係止爪13と、基部11に一体的に設けられ上面11bに開口部を配して下面から下方に向けて突出する有底筒状部14(支持凹部)とを備えて概略構成されている。
ここで、平面視で、下向き係止爪12及び上向き係止爪13が設けられる第1辺部(基端面11a)の辺方向Yに直交する方向を前後方向Xといい、その前後方向Xにおいて係止爪12、13側を後方側、有底筒状部14側(第1辺部11Aを除く二辺11B、11Cの頂部側)を前方側という。
【0026】
基部11の上面11bは、仕切り壁31に対する取り付け状態において、前方から後方へ向かうにしたがって漸次下方に傾斜している。そして、基部11は、基端面11aが位置する第1辺部11Aを除く二辺(第2辺部11B、第3辺部11C)の外周縁に沿って上面11bより下がる段差部11cが形成され、さらに有底筒状部14の開口縁部に沿って全周にわたって上方に向けて突出する第1環状凸壁部11dを有している。
【0027】
下向き係止爪12および上向き係止爪13は、基部11の基端面11aから後方側へ張り出した連設部15の後端側に設けられ、基端面11aにおける辺方向Yに沿って設けられている。そのため、下向き係止爪12と後端面11aとの間には、第1辺部の辺方向Yに延び下方に開口する溝状部が形成されている。上向き係止爪13は、その前方側に基端面11aの面方向に平行な前向き面13aを形成している。
【0028】
有底筒状部14は、基部11の前方側の頂部近傍に位置し、軸線方向Oを上下方向に向けて、仕切り壁31に対する取り付け状態の基部11に対して一体的に設けられている。さらに具体的に有底筒状部14は、平面視で第1辺部11Aの辺方向Yで下向き係止爪12の両端部より内側の位置、ここででは第1辺部11Aの長さ方向中心を通る線上の位置に設けられている。
【0029】
図12乃至図14に示すように、抜止め部材20は、平面視で支持基材10に対応する三角形状をなす有頂筒状に形成され、天壁部21(第2基部)の外周縁から下方に向けて伸びる周壁部22が設けられている。この周壁部22が支持基材10の段差部11cに係合することとなる。この係合状態で、支持基材10の第1辺部11Aと重なる周壁部22が面方向を上下方向に向けた基端面22aを形成している。
この基端面22aには、その下端縁から後方に向けて張り出す突出片23が辺方向Yに沿って設けられている。この突出片23の先端には、面方向を上下方向に向けた突出面23aを有している。
【0030】
また、天壁部21の前方側の頂部付近には、平面視で第1辺部21Aの辺方向Y(突出片23の突出方向に直交する延在方向)で突出片23の両端部より内側の位置、ここででは第1辺部21Aの長さ方向中心を通る線上の位置に上下方向に貫通する円形の挿通孔24が設けられている。この挿通孔24は、抜止め部材20が支持基材10に係合した状態で有底筒状部14と同軸に配置されるようになっている。
さらに、天壁部21には、下面21bより下方に向けて突出するとともに、挿通孔24に同軸で支持基材10の第1環状凸壁部11dの外周側に係合する第2環状凸壁部25が設けられている。
【0031】
次に、上述したクランプ部材1を仕切り壁31の凹溝4に取り付ける方法と、クランプ部材1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
図15に示すように、先ず支持基材10を凹溝4に配置させるが、このとき上向き係止爪13からデスク3の凹溝4内に進入させつつ、下向き係止爪12も凹溝4内に配置された状態で、下向き係止爪12を凹溝4の下側開口縁4bに係止させる。
【0032】
続いて、図16に示すように、この状態において基部11の上面11bと凹溝4の上側開口縁4aとの間に抜止め部材20の突出片23を介在させ、支持基材10の有底筒状部14と抜止め部材20の挿通孔24とを同軸に配置し、さらに抜止め部材20の基端面22aを取付面をなす仕切り壁31に対して、又は突出片23の突出面23aを凹溝4の底面4c(図16では上向き係止爪13の前向き面13a)に対して近接、或いは当接させる。このとき、抜止め部材20の周壁部22を支持基材10の段差部11cに係合させ、さらに抜止め部材20の第2環状凸壁部25を支持基材10の第1環状凸壁部11dに係合させるようにする。
そして、この状態で、同軸に配置される有底筒状部14及び挿通孔24に図2および図4に示すピン部材5を嵌合させることで、オプション部材である照明器具2(図1)をデスク3に取り付けることができる。
【0033】
このようにして取り付けられるクランプ部材1では、支持基材10がデスク3の凹溝4において基部11の上面11bが凹溝4の上側開口縁4aとの間に抜止め部材20の突出片23が介在されることにより位置決めされることになる。
そして、抜止め部材20は、その基端面22a、又は突出片23の突出面23aが仕切り壁31又は凹溝4の底面4c(上向き係止爪13の前向き面13a)に対して面で近接、或いは当接するので、前後左右の水平方向への移動が規制される。さらに、天壁部21において平面視で突出片23の突出方向に直交する延在方向(第1辺部21Aの辺方向Y)で突出片23の両端部より内側の位置で挿通孔24にピン部材5が嵌合しているので、抜止め部材20は上下方向への移動も規制され、これにより支持基材10に対して抜止め部材20が外れるのが防止されることになる。
つまり、支持基材10、抜止め部材20、およびピン部材5が互いに係合して凹溝4に取り付けられている状態にあっては、支持部材10が抜止め部材20とピン部材5とによってロックされた状態となり、支持基材10の凹溝4からの脱落を防ぐことができる。
【0034】
また、支持基材10の基部11の上面11bが前方側から後方側へ向うにしたがって漸次下方に傾斜しており、支持基材10の下向き係止爪12は凹溝4の下側開口縁4bに係止されているので、取り付け作業中であって、とくに支持基材10に抜止め部材20を重ね合わせたのみの状態において、抜止め部材20を基部11の傾斜面に沿って構造体側(デスク3側)に押し付ける力が働くため、支持基材10と抜止め部材20との取付位置がずれるのを防止することができ、組み立て時の作業性を向上させることができる。
【0035】
また、抜止め部材20の挿通孔24が円孔をなし、ピン部材5の断面形状が円形をなしているので、照明器具2を取り付けた状態において、その照明器具2自体を抜止め部材20の挿通孔24周りに回転可能に支持することができる。
【0036】
さらに、支持基材10に上向き係止爪13が設けられ、その上向き係止爪13が凹溝4の上側開口縁4aに係止されているので、この場合には、上向き係止爪13が凹溝4の上側開口縁4aに支持されるため、ピン部材5が有底筒状部14に嵌合された状態で照明器具2の重量により支持基材10の有底筒状部14側に荷重がかかっても、その照明器具2の重みにより支持基材10の有底筒状部14側が前下がりに傾くのを防止することができ、照明器具2をより安定的に取り付けることができる。
また、支持機材10の基部11のみを仕切り壁31(凹溝4)に取り付けた場合においても、上向き係止爪13が抜止めとして機能することによって、基部11が仕切り壁31から脱落してしまうおそれが無く、取付作業時における作業性を良好にすることができる。
【0037】
上述のように本実施の形態によるオプション部材の取付構造では、支持基材10、抜止め部材20、およびピン部材5にはボルト等の螺合部材を用いることのない簡単な構造により脱落のない支持構造を実現することができ、デスク3に対する取り付け、取り外しが容易となり、また製造コストを低減することが可能となる効果を奏する。
【0038】
以上、本発明によるオプション部材の取付構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では支持基材10の基部11および抜止め部材20の天壁部21を平面視で略三角形状としているが、この形状に限定されることはなく、例えば平面視四角形状であっても良い。要は、取付面に当接可能な基端面を1辺に有する形状であって、基端面より前方側に位置する有底筒状部14や挿通孔24が基端面の辺方向の両端の内側となる位置に配置されていればよいのである。
【0039】
また、ピン部材5の外周面に上下方向で下端より上方位置に拡径段部を設け、その拡径段部の下面が抜止め部材20の天壁部21の上面21aに当接される構成とすることも可能である。この場合、抜止め部材20の上方への移動が規制されるので、抜止め部材20の脱落を確実に防止することができ、照明器具2などのオプション部材をより安定的に取り付けることができる。
【0040】
また、本実施の形態では、クランプ部材1の支持対象の構造体としてデスク3を採用し、デスク3の仕切り壁31に設けられる凹溝4を対象としているが、これに限定されることはない。要は、適用する構造体として、鉛直方向の取付面に開口部を形成し、この開口部の少なくとも下側開口縁より下方に広い内空部を有する凹溝が設けられていれば良いのである。
【0041】
さらに、本実施の形態では抜止め部材20の基端面22aを仕切り壁31に対して近接、或いは当接させるとともに、突出片23の突出面23aを凹溝4の底面4c(上向き係止爪13の前向き面13a)に対して近接、或いは当接させた構成としているが、いずれか一方の面(基端面11a又は突出面23a)のみを近接、或いは当接させる構成とすることも可能である。
さらにまた、本実施の形態のように支持基材10の基部11の上面11bに前方から後方に下る斜面を形成しない形態、すなわち水平面とする構成であっても良い。
【0042】
また、支持基材10の上向き係止爪13を省略することも可能である。そして、有底筒状部14や挿通孔24、およびピン部材5の断面形状も円形であることに限定されず、角形のものでも良い。例えば、本実施の形態では抜止め部材20の挿通孔24が円孔をなすと共に、ピン部材5の断面形状が円形となる構成としているが、これに限らず、挿通孔24およびピン部材5のいずれか一方のみが円形状であってもかまわない。つまり、ピン部材5が断面角形である場合には、挿通孔24側の円孔の内径寸法はピン部材5が回動可能な寸法とすれば良い。また挿通孔24の断面形状が角状である場合には、その角状断面がピン部材5の円孔より大きい形状であれば良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 クランプ部材(オプション部材の取付構造)
2 照明器具(オプション部材)
3 デスク(構造体)
4 凹溝
4a 上側開口縁
4b 下側開口縁
5 ピン部材(下向き凸部)
10 支持基材
11 基部(第1基部)
11a 基端面
11b 上面
11d 第1環状凸壁部
12 下向き係止爪
13 上向き係止爪
14 有底筒状体(支持凹部)
20 抜止め部材
21 天壁部(第2基部)
22 周壁部
22a 基端面
23 突出片
23a 突出面
24 挿通孔
25 第2環状凸壁部
31 仕切り壁(取付面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向の取付面に開口部を形成し、この開口部の少なくとも下側開口縁より下方に広い内空部を有する凹溝が設けられた構造体にオプション部材を取り付けるためのオプション部材の取付構造であって、
前記オプション部材に設けられる下向き凸部と、
第1基部の一端側の基端面に下向き係止爪を設けると共に、前記第1基部にその上面に開口部を配した支持凹部を一体的に設けた支持基材と、
第2基部の一端側の基端面から水平方向に張り出す突出面を有する突出片を設けると共に、前記第2基部において平面視で前記突出片の突出方向に直交する延在方向で前記突出片の両端部より内側の位置に上下方向を向く挿通孔を有する抜止め部材と、
を備え、
前記支持基材の下向き係止爪を前記凹溝の下側開口縁に係止させた状態で、前記第1基部の上面と前記凹溝の上側開口縁との間に前記抜止め部材の突出片を介在させ、
前記支持基材の支持凹部と前記抜止め部材の挿通孔とを同軸に配置すると共に、前記抜止め部材の基端面を前記取付面に対して、又は前記突出片の突出面を前記凹溝の底面に対して近接、或いは当接させ、
この状態で、前記支持凹部及び前記挿通孔に前記下向き凸部を嵌合させたことを特徴とするオプション部材の取付構造。
【請求項2】
前記第1基部の上面は、前記基端面に対向する前方側から前記基端面側へ向うにしたがって漸次下方に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項3】
少なくとも、前記抜止め部材の挿通孔が円孔、もしくは前記下向き凸部の断面形状が円形をなしていることによって、前記オプション部材を前記抜止め部材に対して回動可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項4】
前記下向き凸部には、上下方向で下端より上方位置に拡径段部が設けられ、
該拡径段部の下面が前記抜止め部材の基部上面に当接されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオプション部材の取付構造。
【請求項5】
前記支持基材には、前記基端面に上向き係止爪が設けられ、該上向き係止爪が前記凹溝の上側開口縁に係止されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオプション部材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−102771(P2012−102771A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250150(P2010−250150)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】