説明

オムツセンサ及び水分検知センサ

【課題】オムツや他の対象物に取り付けが簡単なセンサで、特に、格安でシンプルな使い捨てオムツセンサと低コストで脱着が容易な通報装置の機能を備えたシステムで、水(尿)漏れを確実に検出する用途に適したオムツセンサ及び水分検知センサを提供する。
【解決手段】オムツセンサ及び水分検知センサは、和紙1上にカーボンチョップドペーパー電極2及びカーボンチョップドペーパー電極3の帯状2枚の電極間を1mm程度開けて並列に貼着し、その電極を和紙4で覆った構造をしている。前述の構造により、構成された吸水性の高い和紙1及びカーボンチョップドペーパー電極2・3が水分(尿漏れ)により短絡(接触)することで水分を検出するオムツセンサ及び水分検知センサを提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細の説明】

【発明に属する技術分野】
【0001】
この発明は、赤子や利用する者の排泄物の漏れを速やかに検出し、介護者に通報することで、利用者の精神的なストレス、作業の効率性、経済性などを考慮して、健康管理や病気の抑制等を向上させ、低コストで作業効率の高いセンサで、水分(尿漏れ)の作用により、水分を検出するセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オムツセンサや水分検知センサには、電圧の検出、ICタグによる検出、電流の増減での検出、周波数のずれを検出するなど、様々な構造や構成によって検出するシステムがある。しかしながらコスト高や作業性の悪さなどの理由から、需要に対応ができていないのが状況である。
利用者や現場の介護者の立場に立った、低コストでしかも実用的で、作業性・経済性を備えたことを特徴としたオムツセンサ及び水分検知センサに関するものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の水分検知センサは、オムツなどの対象物に取付けるための形状・柔軟性・作業性などに難点があった。特に製品が高額であり、オムツセンサに関しては、利用者の肌への不快感や違和感、取付け・取替えの不便さなど作業効率の低下や廃棄処理などの総体的な費用が掛かりすぎるなどの欠点があった。
【0004】
上述した従来のオムツセンサ等の欠点を改良して、低コストで作業効率の高い便利なオムツセンサで赤子や利用者等の排泄物の漏れを速やかに検知通報する事で利用者の健康管理や病気の抑制をする介護用途に適したオムツセンサ及び水分検知センサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
オムツセンサ及び水分検知センサは、和紙▲1▼上にカーボンチョップドペーパー電極▲2▼及びカーボンチョップドペーパー電極▲3▼の帯状2枚の電極間を1mm程度開けて並列に貼着し、その電極を和紙▲4▼で覆った構造をしている。
【0006】
前述の構造によって構成された吸水性の高い和紙▲1▼及びカーボンチョップドペーパー電極▲2▼・▲3▼が僅かな水分(尿漏れ)の作用により短絡(接触)することで水分を検出する。
【0007】
前述のカーボンチョップドペーパー電極は、炭素繊維を和紙に練り込んだシート状で0.1mm程度の厚さで耐久性・安全性・柔軟性を有し、薄くて強靭で軽い素材で用途に応じた自由設計が可能なことで、複雑な構造物などの水漏れ防止の水分を検出するのに適している。特に、介護用品であるオムツセンサにあっては、オムツへの装着も簡単で、肌への不快感や違和感などを解消したことで便利な使い捨てオムツセンサ紙として使用することができる。
【0008】
前述のカーボンチョップドペーパー電極を用いたことにより、センサ部と通報装置部の接続も簡単に脱着が可能な構造で、電源電池や通報機器もコンパクトにすることで、利用者のオムツに装着しても負担を掛けない構成にすることが望ましい。
【009】
本発明のオムツセンサ及び水分検知センサは、前述ように構造が極めてシンプルで、しかも材料・組立・加工コストなど生産コストが安価で耐久性・安全性・柔軟性に優れた低コストの製品で、オムツや他の対象物の水漏れ防止の水分検出などの用途に対応できるオムツセンサ及び水分検知センサとなる。
【発明実施の形態】
【0010】
本発明のオムツセンサ及び水分検知センサの実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、オムツセンサ及び水分検知センサの断面図及び平面図である。
オムツセンサ及び水分検知センサは和紙▲1▼(幅40mm、長さ550mm、厚さ0.5mm程度)上にカーボンチョップドペーパー電極▲2▼(幅5〜10mm、長さ600mm、厚さ0.3mm程度)及びカーボンチョップドペーパー電極▲3▼(幅5〜10mm、長さ600mm、厚さ0.3mm程度)の帯状2枚の電極間を1mm程度開けて並列に貼着し、その電極を和紙▲4▼(幅40mm、長さ550mm、厚さ0.5mm程度)で覆った構造をしている。
この電極には、炭素繊維を短くカッテングし和紙に練り込んだカーボンチョップドペーパーは導電性の物質で、3mmメッシュ以下の網状で製造され、厚さ約0.1mmで発熱体としても使用されているが、薄く強靭で柔軟性や耐久性に加え形状が自由に設計できる素材を用いている。
カーボンチョップドペーパー電極は、帯状2枚の電極を図2のように複数構成することで広範囲の面積や距離に対応できる構造を備えことができる。
前述の電極を包む素材に吸水性や耐久性等を備えた和紙を用いたことにより、僅かな水分によっても電極間を短絡(接触)することが可能となった。
センサ部(幅30mm程度、長さ600mm程度、0.3mm程度)や通報装置部(高さ10mm、幅20mm、長さ40mm程度)のような構造もシンプルでコンパクトな構成と収納ケースは肌に安全な素材を用いることが望ましい。
センサ部は柔軟なことからテープなどで直接対象物等に貼り付ける。また、通報装置部は,帯状2枚の電極を挟んで接続する装置と容易に脱着が可能な構造体で通報機器を収納するケースと一体型にすることで、コンパクトな作業効率の良い機能にすることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
カーボンチョップドペーパーを電極として用い、その2枚の帯状電極の外周を和紙で包んだ構造であって、電極間と外周を覆っている和紙とが僅かな水分によって短絡(接触)することで水分を検出する構造体である。
水分作用によって水分を検出することを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサで、構成する素材は、材料費・加工費などの生産コストが安く、薄くて強靭・耐久性・安全性・柔軟性・吸水性や自由設計ができるなどの優れた特徴を活用し、オムツ装着等の作業効率や肌への不快感及び廃棄公害などの問題を解消し、低コストのセンサや低コストの通報装置を構築することで、オムツセンサとしての機能を備えた格安な使い捨てオムツセンサによって、健康管理や病気の抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】オムツセンサ及び水分検知センサの断面図及び平面図である。
【図2】カーボンチョップドペーパー電極の複数仕様図である。
【図3】センサ部及び通報装置部の装着図である。
【符号の説明】
▲1▼ 和紙
▲2▼ カーボンチョップドペーパー電極
▲3▼ カーボンチョップドペーパー電極
▲4▼ 和紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水率が高く、薄くて強靭で柔軟な和紙(紙)等の上に炭素繊維を和紙に練り込んだカーボンチョップドペーパーを電極として用い、帯状2枚の電極に間隔を設けて並列に貼着し、その電極を和紙で覆った構造を特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項2】
請求項1の発明において、帯状2枚のカーボンチョップドペーパー電極もしくは複数のカーボンチョップドペーパー電極を和紙で挟み込んだ構造を特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項3】
請求項1の発明において、帯状2枚のカーボンチョップドペーパー電極の間隔は、1mm程度であるが間隔が広いほど検知感度が低く、狭くなるほど検知感度は高くなることを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項4】
請求項1の発明において、カーボンチョップドペーパー電極及び和紙の高い吸水力により、帯状2枚のカーボンチョップドペーパー電極とその周りを覆っている和紙が僅かな水分の付着により、電極間を短絡(接触)することで水分を検出できるセンサ部を備えたことを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項5】
請求項1の発明において、排泄物を検知し得たセンサ信号を電池などの電源により、ブザー等の機器を用いて警告音を発する通報装置部を備えたことを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項6】
請求項1の発明において、無線による当該センサが送信する信号を受信し、排泄物がある時に警告信号を発する受信機の送受信できる通報装置部を備えたことを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項7】
請求項1の発明において、オムツセンサ部は、電極等全てが和紙で構成していることを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項8】
請求項1の発明において、使い捨てオムツ等の廃棄処分において公害がないことを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。
【請求項9】
請求項1の発明において、和紙の特長を活用したことで自由なセンサ形状や柔軟性・屈曲性・経済性に優れていることにより、オムツ以外の対象物の水漏れ防止の水分を検出するのに適していることを特徴とするオムツセンサ及び水分検知センサである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−22121(P2011−22121A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185205(P2009−185205)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(500431601)
【Fターム(参考)】