説明

オルガノポリシロキサンエラストマー及び可溶化した活性成分を含む医薬組成物

本発明は、オルガノポリシロキサンエラストマー、及び少なくとも1つの可溶化された形態のビタミンD誘導体を活性成分として含む、安定な無水の製薬組成物、前記組成物の製造方法、並びに乾癬及び他の皮膚疾患の局所的治療のための前記組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的な医薬の適用のための活性成分の製剤化の分野に関する。
【0002】
本発明は、特に、オルガノポリシロキサンエラストマーを含み、且つ、少なくとも1つの可溶化された形態のビタミンD誘導体を活性成分として含む、安定な無水の医薬組成物、前記医薬組成物の製造方法、並びに乾癬及び他の皮膚疾患の局所的な治療のための前記医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ビタミンD及びその誘導体は、乾癬の影響を受けている表面の皮膚細胞の過剰な生産を制限し、且つ、肥厚、落屑、及び乾燥領域によって特に特徴付けられる乾癬の治療に対して既知の利点を有するため、乾癬の治療において皮膚科で一般的に使用される。
【0004】
有利な治療活性を有する一定数の活性成分が、酸化に対して感応性であり、水の存在下でその活性の実質的な損失を生じる化学分解を起こすことが知られている。ビタミンD又は幾つかのビタミンDの誘導体は、特に、水性媒体において不安定であり、特に酸性環境において不安定である。それらは約pH8で最大の安定性を示す。
【0005】
したがって、無水のタイプの組成物にこれらの活性成分を製剤化することは得策である。
【0006】
水に感応性の活性成分の製剤化を可能にし、それと同時に良好な化学的な安定性をそれらに与える現在市販されている無水の組成物は、一般的には軟膏タイプの組成物である。これらの軟膏タイプの組成物は、主にワセリンからなり、油性軟膏と称される。現在において、ワセリンは、非常に脂っぽく、美容的ではない感触を製品に与え、皮膚に脂っぽい残留物を残す。
【0007】
この脂っぽい残留物が、被服に脂っぽい跡を残す危険なしで、乾癬に冒されている患者が処置後に再び服を着られることを妨げており、このことが必ずしも治療に従うことを患者に促さない。所定の治療に適合しないことが障害の主な原因のひとつであり、「Patients with psoriasis and their compliant with medication, Richards et al., J. Acad. Dermatol., Oct. 1999, p. 581-583」は、乾癬のような慢性疾患の患者の40%近くが、治療に従わないことを示している。さらに、医薬組成物において使用される担体の特性が、患者の治療との適合性に直接関わる。
【0008】
現在市販されている油性軟膏タイプの組成物は、必ずしも、可溶化された形態の活性成分の製剤化に役立つわけではない。
【0009】
EP 0 255 369及びUS 6 103 250という文献は、水に感応性の活性物質が分散された形態にされている、シリコーン誘導体に最も一般的に基づく製剤化を開示している。しかしながら、その分散された形態は、一般的に、皮膚における活性物質の最適な放出及び/又は浸透には不利である。
【特許文献1】EP 0 255 369
【特許文献2】US 6 103 250
【非特許文献1】Patients with proriasis and their compliant with medication, Richards et al., J. Acad. Dermatol., Oct. 1999, p. 581-583
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的のひとつは、上述の欠点を克服することを可能にする、局所的な適用を意図する無水の医薬組成物を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、持続的な安定性及び可溶化された形態の活性成分を示す、局所的な適用を意図する無水の医薬組成物を提供することである。
【0012】
かくして、本発明の主題は、オルガノポリシロキサンエラストマーを含み、且つ、少なくとも1つのビタミンDに由来する化合物を活性成分として含む、乾癬の治療において使用するための無水の医薬組成物であって、前記化合物が前記組成物中で可溶化された形態の組成物である。
【0013】
本発明で使用するビタミンD誘導体は、特許出願WO 03/050067に開示されている。それらは、細胞増殖及び分化に対して選択的な活性を示し、皮膚科疾患又は皮膚疾患、例えば、乾癬に対して治療活性を有するビタミンDに構造的に類似する化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのため、本発明の主題は、オルガノポリシロキサンエラストマーを含み、且つ、組成物中で可溶化された形態の少なくとも1つのビタミンD誘導体を活性剤として含むことを特徴とする、無水の医薬組成物である。前記ビタミンD誘導体は、下記の一般式(I)に対応する。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、
・X-Yは、以下の構造:
-CH2-CH2-
-CH2-O-
-O-CH2-
-CH2-N(R4)-
から選択される結合を表わし(R4は以下に記載の意味を有する)、
・R1は、メチル基又はエチル基を表わし、
・R2は、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基を表わし、
・R3は、エチル基又はトリフルオロメチル基を表わし、
・R4は、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表わす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
用語「可溶化された形態」は、液体の分子状態における分散物であって、活性剤の結晶化が視認されないか又は交差分極光学顕微鏡(cross polarization optical microscopy)であっても認められない分散物を意味することを意図する。
【0018】
本発明の組成物は、さらにとりわけ局所的な適用を意図する。
【0019】
本発明の組成物は、特に皮膚、粘膜、又は爪のいずれかの乾癬並びに他の皮膚疾患の治療における使用のためのものである。用語「他の皮膚疾患」は、特に、細胞増殖の問題があるか又はない、炎症性免疫アレルギー成分を有する皮膚疾患、例えば、乾癬リウマチ又は湿疹のような皮膚のアトピーを意味することを意図する。
【0020】
好ましくは、前記組成物は、単独のビタミンDに由来する式(I)の化合物を含有する。
【0021】
式(I)の活性成分は、より有利な動態と共に、本発明の組成物に良好な皮膚への活性成分の放出/浸透特性を与える、可溶化された状態である。「良好な放出/浸透能力」という表現は、皮膚の角質層及び皮下の層、例えば表皮及び真皮を介する本発明の組成物の良好な分散、及びそれによる含有される活性成分の良好な分散を意味することを意図する。
【0022】
本発明のために、「無水の組成物」という表現は、水を実質的に含まない、すなわち組成物の全重量に対して5重量%以下、特に3重量%以下、とりわけ0重量%の含水量を有する組成物を意味することを意図する。
【0023】
本発明の有利な実施態様によれば、前記組成物は、軟膏又は膏薬の形態のものである。
【0024】
好ましくは、本発明の組成物は軟膏の形態である。本発明のため及びUS pharmacopoeia (「USP」)によれば、用語「軟膏」は、皮膚又は粘膜に対する外用の半固体の調製物を意味することを意図する。軟膏又は(軟膏よりも柔らかい粘稠度を有する)膏薬は、多数の適用、例えばバリアークリーム、防腐剤、軟化剤などとしての適用について局所的に使用される。軟膏は、それらの軟化効果のために使用される;それらは適用されて皮膚に即時に浸透する単純なものである。
【0025】
有利には、本発明に係る組成物は、適用後に、全く粘着性、脂っぽさ、及び光沢効果を持っておらず、他方で柔らかい感触を与えることが認められた。この新しいタイプの軟膏は、皮膚を介する吸収を改善し、粉末状の脂っぽくない残留物を残し、且つ、適用が容易あり、それにより患者の治療の遵守を改善する。さらに、この組成物の有利な態様は、保存剤を含まないことである。
【0026】
さらに、前記組成物は、酸化、水、及び一般的な水性の環境に感応性の活性成分の十分な化学的安定性を維持するために特に有効であることが認められる。用語「十分な化学的安定性」は、少なくとも3ヶ月の期間に亘って、各々環境温度及び40℃で
-巨視的な外観の実質的な変化を全く示さず、
-初期の成分の少なくとも90重量%、とりわけ少なくとも95重量%の活性成分含有量を備える、
組成物を意味することを意図する。
【0027】
本発明において活性成分として使用し得る式(I)の化合物には、以下:
1- {5-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
2- {5-[6,2'-ジエチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
3- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}-メタノール;
4- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-イソプロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
5- (4-{2-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
6- {4-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
7- (4-{[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
8- [4-({[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
9- [4-({エチル-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
10- [4-({[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
11- (2-ヒドロキシメチル-4-{2-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}フェニル)メタノール;
12- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]フェニル}メタノール;
13- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]フェニル}メタノール;
14- (2-ヒドロキシメチル-4-{[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}フェニル)メタノール;
15- [2-ヒドロキシメチル-4-({N-メチル-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)フェニル]メタノール;
16- [4-({N-エチル-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
17- [2-ヒドロキシメチル-4-({[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]N-プロピルアミノ}メチル)フェニル]メタノール;
18- (4-{2-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
19- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
20- (4-{[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
21- [4-({[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
22- [4-({エチル-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
23- [4-({[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
24- (4-{2-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
25- {4-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
26- {4-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
27- (4-{[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
28- [4-({[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
29- [4-({N-エチル[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
30- [4-({[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]-N-プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
31- (4-{[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6,2'-ジメチルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール、
が挙げられて良い。
【0028】
特に好ましくは、本発明において使用されるビタミンD誘導体は、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール(上記の化合物3)という下式(II)の化合物である。
【0029】
【化2】

【0030】
有利には、本発明の組成物中で可溶化された形態のビタミンD誘導体の量は、組成物の全重量に対して0.00001重量%から5重量%、好ましくは0.0001重量%から3重量%、さらにとりわけ0.0003重量%から1重量%である。
【0031】
本発明の有利な実施態様によれば、前記活性成分は溶媒中で可溶化されている。
【0032】
本発明の溶媒は、医薬品として許容される化合物、すなわちその使用が皮膚、粘膜、及び/又はケラチン線維への適用に特に適合性のある化合物から選択される。本発明の溶媒は、環境温度及び環境気圧下において、一般的にペースト状であるか又は液体であり、特に液体である。
【0033】
本発明に係る溶剤に関しては、アルコール、特に純粋アルコール、例えば無水エタノール、並びにGattefosse社によって市販されているLabrafil M1944CSとして知られるオレイルマクロゴール6グリセリド、BASF社によってSolutol HS15という名称で市販されているマクロゴール15ヒドロキシステアレート、BASF社によってCremophor RH 40という名称で市販されているPEG 40水素化ヒマシ油、BASF社によってLutrol E400という名称で市販されているPEG400、Unigema社によってArlasolve DMIという名称で市販されているジメチルイソソルビド、Unigema社によってArlamol Eという名称で市販されているPPG 15ステアリルエーテル、Gattefosse社によってTranscutolという名称で市販されているエトキシジグリコール、ISP社によってPharmasolveという名称で市販されているN-メチル-2-ピロリドン、及びそれらの混合物が挙げられて良い。
【0034】
好ましくは、無水エタノール、又は無水エタノールと少なくとも1つの上記の化合物との混合物(共溶媒と称される)が好ましく使用される。
【0035】
前記溶剤は、一般的には、第1に、製剤化しようとする活性成分の必要とされる溶解度を提供とするために十分な量、第2に、この同じ活性成分の持続的な化学的安定性を維持するために必要なものと一致する量で本発明の組成物中に存在する。換言すると、前記溶剤は、活性成分に対して化学的に不活性でなければならない。
【0036】
有利には、前記溶媒の量は、組成物の全重量に対して1重量%から25重量%の間、好ましくは1重量%から20重量%の間、良好には1重量%から15重量%の間である。
【0037】
好ましくは、無水エタノールは、組成物の全重量に対して1重量%から6重量%、好ましくは4重量%から6重量%の間の量で使用され、一方、共溶媒の量は、組成物の全重量に対して1重量%から15重量%、さらにとりわけ1重量%から10重量%である。
【0038】
前記溶剤は、皮膚への活性成分の浸透度に対する有利な効果も与える。
【0039】
本発明によれば、前記組成物は、組成物の全重量に対して主要な量でオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
【0040】
用語「オルガノポリシロキサンエラストマー」は、粘弾性を有する任意の化学的に架橋されたシロキサンポリマーを意味することを意図する。本発明によれば、その様なポリマーは、非反応性且つ非極性である。
【0041】
さらに、本発明に係るエラストマーは粘着物性を有さない。用語「粘着物」は、2つの対象物の間の薄膜の形態で置かれた際に、それらを分離することを困難にし;分離を開始するために一定量の力を与えて、一定量のエネルギーを全体に与えることを必要とする柔らかい物質を意味することを意図する。
【0042】
用語「粘弾性」は、機械的付加を与えた際にある点で変形し、且つ、前記機械的不可を除くと本来の形状に戻るエラストマーの機能を意味することを意図する。
【0043】
本発明の組成物において使用され得るオルガノポリシロキサンエラストマーとして、特に米国特許4 980 167号及び4 742 142号に記載のものが挙げられて良い。それらは、特に、付加反応より生じる化合物、すなわち、付加反応に加わることが可能な他のシリコーン化合物、例えば、オルガノ水素ポリシロキサンを用いた、特に少なくとも1つの末端のSi原子に結合した不飽和基、例えば、ビニル又はアリル基を有するオルガノポリシロキサンの付加に由来する重合生成物又はヒドロシリル化生成物であって良い。
【0044】
下記の≡Si-Hを含有するポリシロキサン(A)とα,ω-ジエン(B)との、シリコーン油(C)及び触媒の存在下における架橋反応によって調製されるようなシリコーンエラストマーが挙げられても良い。
【0045】
≡Si-H単位を含有するポリシロキサン(A)は、本明細書ではタイプA1と示される、式R314SiO(R152SiO)a(R16HSiO)bSIR314の化合物、及びタイプA2と示される、式HR214SiO(R152SiO)cSiR214H又は式HR214SiO(R152SiO)a(R16HSiO)bSiR214Hによって表わされて良い。これらの式中、R14、R15、及びR16は、1から6の炭素原子を含有するアルキル基であり、aは0から250の範囲の整数であり、bは1から250の範囲の整数であり、及びcは0から250の範囲の整数である。A2:A1の化合物のモル比は0から20、特に0から5である。
【0046】
α,ω-ジエン(B)は、式CH2=CH(CH2)dCH=CH2[式中、dは1から20の範囲の整数である]の化合物である。適切なα,ω-ジエンの代表例は、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,13-テトラデカジエン、及び1.19-エイコサジエンである。
【0047】
オルガノポリシロキサンエラストマーが配合されている揮発性又は不揮発性シリコーン油(C)は、低分子量ポリシロキサン及び以下:
-直鎖、環式、又は分枝鎖の低分子量揮発性メチルシロキサン、
-揮発性又は不揮発性である、直鎖又は環式の低分子量アルキルシロキサン及びアリールシロキサン、及び
-直鎖又は環式の低分子量官能性シロキサン、
並びにそれらの混合物、
を含む。
【0048】
用語「揮発性」シリコーン油は、環境温度及び環境気圧下において、皮膚、粘膜、及びケラチン線維と1時間未満接触すると蒸発し得る任意のシリコーン油を意味することを意図する。
【0049】
有利には、シリコーン油(C)は、好ましくは2から10のケイ素原子を含有し、任意に1から22の炭素原子を含有するアルキル又はアルコキシ基を含む、6センチストローク(6×10-6 m2/s)以下の粘度を有する直鎖又は環式の揮発性ポリオルガノシロキサン油である。
【0050】
さらに好ましくは、シリコーン油(C)は、直鎖又は環式の低分子量揮発性メチルシロキサンから選択される。
【0051】
直鎖の揮発性メチルシロキサンとして、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデシルメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、及びヘプタメチルオクチルトリシロキサンが挙げられて良い。
【0052】
環式の揮発性メチルシロキサンとして、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられて良い。
【0053】
分枝鎖の揮発性メチルシロキサンとして、特に、ヘプタメチル-3-[(トリメチルシリル)オキシ]トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3-ビス[(トリメチルシリル)オキシ]トリシロキサン、及びペンタメチル[(トリメチルシリル)オキシ]シクロトリシロキサンが挙げられて良い。
【0054】
本発明における油(C)として適切なものは、下記の一般式に対応する不揮発性の低分子量ポリシロキサンである。
【0055】
【化3】

【0056】
式中、
-eは、この式のポリマーが約100から1000センチストローク(mm2/秒)を有するようなものであり、特に80から375の範囲から選択され、
-R17及びR18は、1から20の炭素原子を含有するアルキル基又はアリール基、例えばフェニル基である。
【0057】
これらのポリシロキサンには、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、及びポリジフェニルシロキサンが挙げられて良い。
【0058】
低分子量官能性ポリシロキサンは、アクリルアミド、アクリレート、アミド、アミノ、カルビノール、カルボキシ、クロロアルキル、エポキシ、グリコール、セタール、メルカプト、メチルエステル、パーフルオロ、及びシラノール官能性を有する流動体のシロキサンによって表わされて良い。
【0059】
(C)の存在下で(A)と(B)との間の架橋によって得られるエラストマーの例は、特に米国特許5,654,362号に開示されている。
【0060】
好ましくは、本発明の組成物で使用するオルガノポリシロキサンエラストマーは、特に、デカメチルシクロペンタシロキサン油中に配合されているジメチコン/シクロメチコンのコポリマーである、濃厚な半透明なゲルの形状のDow Corning社製の「Elastomer 10(登録商標)」である。
【0061】
このタイプのエラストマーは、上述のものと類似の架橋反応によって合成、すなわち上述の≡SI-H基を含有するポリシロキサン(A)とα,ω-ジエン(B)との間の、触媒及び直鎖又は環式の低分子量ポリシロキサン(シリコーン油(C))の存在下における架橋反応によって調製され、-CH=CH2ビニル基を含有するビニルシロキサン(又はビニルシラン)が添加される。
【0062】
事実、これらのビニルシロキサン(ビニルシラン)の添加は、残存する未反応のSiH官能基をブロックする(「停止剤」)。本発明に係る好ましいシリコーン剤の調製のために有用であり得る化合物(A')は、例えば米国特許出願5,929,164号に開示されている。その様なビニルシロキサン又はビニルシラン化合物(A')の例として、ビニル-t-ブチルジメチルシラン、ビニルジエチルメチルシラン、ビニルエチルジメチルシラン、ビニルトリエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメチルシラン、ジビニルテトラメチルジシラン、ビニルペンタメチルジシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、(CH3)3SiOSi(CH=CH2)(CH3)OSi(CH3)3という構造のビニルトリシロキサン、1,5-ジビニルヘキサメチルトリシロキサン、及び(CH2=CH)Me2SiO(Me2SiO)8SiMe2(CH=CH2)という構造を有するジビニルシロキサンオリゴマーが挙げられて良い。
【0063】
本発明に係る好ましいα,ω-ジエン(B)は1,5-ヘキサジエンである。
【0064】
特定の実施態様によれば、本発明に係るシリコーン剤は、好適には、親水性基を含有しないポリシロキサンエラストマーである。本発明によれば、用語「親水性基」は、例えばポリオキシアルキレンタイプの基又はグリコールタイプの基を意味することを意図する。
【0065】
上記のシリコーンエラストマーは、特に、本発明に係る組成物中で増粘剤の機能を発揮し得る。また、本発明の組成物の安定化にも寄与し得る。
【0066】
有利には、本発明に係る組成物中の主要なものであるオルガノポリシロキサンエラストマーの量は、特に組成物の所望の粘度に従って、実質的に変化して良い。
【0067】
用語「オルガノポリシロキサンエラストマーの量」は、配合されるエラストマー及びシリコーン油の量を意味することを意図する。
【0068】
有利には、本発明の組成物中のオルガノポリシロキサンエラストマーの量は、組成物の全重量に対して70重量%から95重量%、好ましくは80重量%から95重量%、好適には83重量%から92重量%である。
【0069】
前記組成物は、オルガノポリシロキサンエラストマーが配合されているシリコーン油(C)に加えて、少なくとも1つのさらに別のシリコーン油を含んでも良い。これらのさらに別のシリコーン油には、20から350センチストロークの間の粘度を有するシクロメチコン及び/又はジメチコンが挙げられて良い。これらの油は、1重量%から30重量%の間、好ましくは1重量%から15重量%の間の量で使用される。
【0070】
他の有利な実施態様によれば、前記組成物は感触のための添加剤(feel additive)も含む。用語「感触のための添加剤」は、皮膚に対する感触を改善するために組成物に導入される化合物を意味することを意図する。
【0071】
その様な添加剤は、特に、
-Crodamol IPPという名称で既知のイソプロピルパルミテート、Crodamol IPMという名称で既知のイソプロピルミリステート、C12-C15アルキルベンゾエート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、オクタノエート、デカノエート、又はアルコール若しくはポリアルコールのリシノリエート、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、並びにそれらの混合物;
-ヒドロキシル化エステル、例えば、イソステアリルラクテート、ジイソステアリルマレート、ペンタエリスリトールエステル、及びそれらの混合物;
-式R21CO-OR22[式中、R21及びR22は、C1からC25、特にC4からC20の直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルケニル、アルコキシカルボニルアルキル、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を各々独立に表わす]の非揮発性油であって、その様なエステルの例は、イソトリデシルイソノナノエート、PEG-4ジヘプタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、トリデシルネオペンタノエート、セチルオクタノエート、セチルパルミテート、セチルリシノリエート、セチルステアレート、セチルミリステート、ココカプレート/ジカプリレート、デシルイソステアレート、イソデシルオレート、イソデシルネオペンタノエート、イソヘキシルネオペンタノエート、オクチルパルミテート、ジオクチルマレート、トリデシルオクタノエート、ミリスチルミリステート、及びオクトドデカノールを含む;
からなる群から選択されて良い。
【0072】
感触のための添加剤の添加は、毛羽立ちを妨げることを可能にする。好適には、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、C12-C15アルキルベンゾエート、又はそれらの混合物が使用されるであろう。
【0073】
好ましくは、本発明に係る組成物は、
-70%から95%のオルガノポリシロキサンエラストマー;
-0%から26%のシリコーン油;
-0%から15%の共溶媒;
-0%から10%の無水エタノール;
-0%から5%の感触のための添加剤;
-0.0001%から0.5%の式(I)の活性剤
を含む。
【0074】
好適には、前記組成物は、
-80%から95%のオルガノポリシロキサンエラストマー;
-0%から15%のシリコーン油;
-0%から12%の共溶媒;
-0%から6%の無水エタノール;
-0%から3%の感触のための添加剤;
-0.0001%から0.3%の式(I)の活性剤
を含む。
【0075】
さらに好適には、前記組成物は、
-83%から92%のオルガノポリシロキサンエラストマー;
-0%から5%のシリコーン油;
-0%から9%の共溶媒;
-4%から6%の無水エタノール;
-1%から2%の感触のための添加剤;
-0.001%から0.3%の式(I)の活性剤
を含む。
【0076】
本発明に係る組成物は、配合物の物理的な不安定性を生じさせるためワックス又はさらに別の増粘剤を含まないことに注意するべきである。
【0077】
しかしながら、本発明に係る組成物は、各種の他の成分を含んで良い。これらの更なる別の成分の選択は、個々の量の選択と同時に、組成物に予想される特性を害さないように為される。換言すると、これらの化合物は、活性成分の化学的安定性もそれらの溶解度にも影響を与えるべきではない。
【0078】
本発明の有利な実施態様によれば、前記組成物は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、DL-α-トコフェロール、及びプロピルガレートからなる群から選択される抗酸化剤も含む。
【0079】
前記組成物は、DL-α-トコフェロールアセテート、ティーツリー油、緑茶抽出物、及びキンセンカ抽出物からなる群から選択される親油性抗刺激剤も含んで良い。
【0080】
当然ながら、当業者は、本発明と本質的に関連する有利な特性が想定される添加によって低減されないか又は実施的に低減されないように、これらの組成物に添加しようとする任意の化合物を選択することに注意するであろう。
【0081】
本発明は、可溶化された形態の式(I)の少なくとも1つのビタミンD誘導体を活性成分として含む、乾癬の治療における使用のための無水の医薬組成物の調製のための、オルガノポリシロキサンの使用にも関する。
【0082】
上述の使用において、前記医薬組成物は上述のようなものである。
【0083】
最後に、本発明は、少なくとも2つの分離した相:少なくともオルガノポリシロキサンエラストマーを含む相と、少なくとも活性成分及び前記活性成分の溶媒(任意に共溶媒)を含む相とを混合する工程を含む、上述の組成物を製造する方法に関する。
【0084】
前記方法は、以下:
a)任意に更に別のシリコーン油及び/又は感触のための添加剤と均質に混合して、オルガノポリシロキサンエラストマーを含む相Aを調製する工程;
b)一般式(I)の少なくとも1つのビタミンD誘導体を溶媒と均質に混合することによって、相Bを調製する工程;
c)相Aに相Bを混合し、次いで均質なゲルが得られるまで均質化する工程、
を含む。
【0085】
工程b)の溶媒は、好ましくはエタノールである。
【0086】
前記方法は、工程b)を開始する際に、ビタミンDに由来する活性剤を導入する前に、エタノール中の各種の共溶媒を混合する工程を任意に含んで良い。
【0087】
本発明に有利な実施態様によれば、前記方法は、低温条件、つまり20℃から25℃の間の環境温度で実施される。このことも、本発明に係る組成物がワックスも追加の増粘剤も含有しない理由である。もしその様な化合物が導入されたならば、前記方法は最早低温条件下で実施することは不可能である。
【0088】
以下の実施例は本発明を説明するが、本発明を何ら制限するものでもない。
【実施例】
【0089】
(実施例1)
活性成分の溶解度試験
{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの溶解度を各種の溶媒中で試験した。
【0090】
【表1】

【0091】
(実施例2)
本発明による製剤化
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
組成物1、2、及び3のための手法
光不活性光の下で環境温度において製造する。
【0096】
相の調製
相A
出発物質は、レイネリ(rayneri)ミキサー(解膠羽根(deflocculating paddle))を用いて攪拌しながら、製剤化のためのビーカーにおいて均質化する。
相B(活性相)
各種の溶媒をエタノール中で攪拌しながら均質化し、次いで活性剤{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールを導入し、活性剤が完全に可溶化するまで攪拌を維持する。
レイネリミキサーで攪拌しながら、前記活性相を形成したゲルに混合し、その混合物を均質なゲルが得られるまで均質化する。
【0097】
【表5】

【0098】
【表6】

【0099】
【表7】

【0100】
組成物4、5、及び6のための手法
光不活性光のもので環境温度において製造する。
【0101】
相の調製
相A
シクロメチコンジメチコンクロスポリマー、イソプロピルパルミテート、及びDL-α-トコフェロール(組成物中に存在する場合)を、製剤化のためのビーカーに秤量して入れる。
その混合物をレイネリミキサー(解膠羽根)で攪拌しながら均質化する。
相B(活性相)
ブチルヒドロキシトルエン(組成物中に存在する場合)を、攪拌しながらエタノール及び各種の溶媒中に可溶化する。
活性剤{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールを導入して、前記活性剤が完全に可溶化するまで攪拌を維持する。
レイネリミキサーで攪拌しながら活性層を形成したゲルに混合し、その混合物を均質なゲルが得られるまで均質化する。
【0102】
(実施例3)
製剤の物理的及び化学的安定性の試験
a)物理的安定性
製剤の物理的安定性は、T1月、T2月、T3月の環境温度、40℃、及び4℃における製剤の巨視的及び微視的な観察によって評価する。
【0103】
環境温度(AT)では、巨視的な観察は、製品の物理的完全性を保証することを可能にする。最終製品の特性は、以下のしきい値の測定によって為される。
Haake VT550 レオメーターは、SVDIN測定スピンドルを用いて使用する。
レオグラムは、4s-1(γ)の剪断速度で25℃において、剪断圧力を測定することによって得た。用語「流れしきい値」(パスカルで表わされるτ0)は、ファンデルワールス凝集力を克服して流れをもたらすのに必要な力(最小の剪断圧力)を意味することを意図する。流れしきい値は、4s-1の剪断速度で認められる値に相当する。
これらの測定は、T24h、並びにT1、T2、及びT3月で実施する。
【0104】
b)化学的安定性
活性剤{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールを、環境温度(AT)及び40℃で、T0、T1、T2、及びT3月にHPLCで分析する。
得られる結果は、%としてRで表わす。
【0105】
【表8】

【0106】
【表9】

【0107】
【表10】

【0108】
【表11】

【0109】
【表12】

【0110】
【表13】

【0111】
【表14】

【0112】
【表15】

【0113】
【表16】

【0114】
【表17】

【0115】
【表18】

【0116】
(実施例4)
活性層の可溶化時間の最適化
a)3つの活性層を調製して、2つのサンプルを所定の攪拌時間:15分及び30分後に各相から得る。
【0117】
【表19】

【0118】
結論
この実施例は、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールは、攪拌の15分後に良好に可溶化することを実証している。
【0119】
b)組成物3を、かくして、エタノール100及びマクロゴール15ヒドロキシステアレート中における{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの可溶化時間の最適化(15分)を使用して製造し、その物理的安定性を評価する。
【0120】
【表20】

【0121】
【表21】

【0122】
結論
活性剤の可溶化は良好であり、結晶化の問題は存在しない。
【0123】
(実施例5)
前記方法の最適化
プラセボ製剤を、反応器(IKA LR 2.ST)において製造し(1.5kgの製造量)、それらの物理的安定性を評価する。
【0124】
【表22】

【0125】
手法
以下のもの:
-シクロメチコン&ジメチコンクロスポリマー(7rpmで攪拌)
-10分間攪拌によって事前に均質化した、イソプロピルパルミテート+DL-α-トコフェロール、
を連続的に反応器のタンクに導入する。攪拌速度は26rpmであり、-0.7barの減圧下である。
【0126】
次いで、溶媒相:無水エタノール+マクロゴール15ヒドロキシステアレート(40分間攪拌して事前に均質化)をゆっくりと導入する。攪拌速度は53rpm、次いで良好な均質化のために溶媒相の添加の終わりに89rpmに増大させる。
【0127】
速度7rpmで攪拌する前に、50分に亘って-0.8barの減圧下で製品を脱気する。
【0128】
【表23】

【0129】
【表24】

【0130】
手順
以下のもの:
-シクロメチコン&ジメチコンクロスポリマー(7rpmの速度で攪拌)
-イソプロピルパルミテート
を連続的に反応器のタンクに導入する。攪拌速度は26rpmであり、-0.7barの減圧下である。
【0131】
次いで、溶媒相:無水エタノール+オレイルマクロゴール6グリセリド+PEG40水素化ヒマシ油+PEG8+ブチルヒドロキシトルエン(20分に亘って攪拌して事前に均質化)をゆっくりと導入する。攪拌速度は50rpmであり、次いで良好な均質化のために溶媒相の添加の終わりに90rpmに増大させる。
【0132】
製品は、30分に亘って-0.8barの減圧下において10rpmの低速で攪拌しながら脱気する。
【0133】
【表25】

【0134】
結論
-攪拌システム(アンカーシャフト)による製品の良好な均質化;
-減圧下で攪拌することによって得られる脱気された製品。
【0135】
(実施例6)
活性剤の濃度の変化
a)組成物の全重量に対して0.15重量%から0.3重量%(m/m)までの{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの濃度の変化を有する組成物3の物理的安定性:
【0136】
【表26】

【0137】
b) 0.15%から0.3%(m/m)までの{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの濃度の変化を有する組成物4の物理的安定性:
【0138】
【表27】

【0139】
したがって、前記組成物は、0.15%から0.3%(m/m)の間の活性剤の濃度において物理的に安定である。
【0140】
(実施例5)
局所的な許容試験
許容試験を、組成物2及び参照製剤のプラセボに対して実施した。
【0141】
処理:1日目から6日目まで、Balb/cマウスの右耳に20μlの製剤を毎日投与した。
評価方法:臨床観察及びマウスの耳の厚さの測定を2日目から12日目まで実施した。
1日目から12日目まで動物を秤量した。
組成物2のプラセボは刺激性ではなかった。
【0142】
(実施例7)
許容試験
組成物2(組成物の全重量に対して0.1重量%の{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールを含有する)及びプラセボ製剤に対して試験を実施した。Balb/cマウスの右耳に、20μlの製剤を6日間に亘って一日一回、毎日局所投与した。組成物2は、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの約30%未満の大きさ、及び、エタノール中の0.1%のものと同じ応答プロフィールを誘導する;組成物2は、血中カルシウム放出効果及び体重減少を全く誘導しない。この製剤のプラセボは、炎症反応を誘導しない。
【0143】
(実施例8)
放出/浸透試験
目的:組成物2と、その高い許容性について既知の担体に配合された{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール(対照)との間の、0.1%(m/m)で皮膚を介する放射標識{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールのin vitro経皮吸収の比較をすること。対照製剤は参照として摂取され、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの100%の吸収を与える。組成物2は、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールの224%の吸収を与える。
【0144】
かくして、本発明に係る組成物は、活性剤の2倍の浸透を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノポリシロキサンエラストマーを含み、且つ、可溶化された形態の少なくとも1つのビタミンD誘導体を活性剤として含み、前記ビタミンD誘導体が、一般式(I):
【化1】

[式中、
・X-Yは、以下の構造:
-CH2-CH2-
-CH2-O-
-O-CH2-
-CH2-N(R4)-
から選択される結合を表わし(R4は以下に記載の意味を有する)、
・R1は、メチル基又はエチル基を表わし、
・R2は、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基を表わし、
・R3は、エチル基又はトリフルオロメチル基を表わし、
・R4は、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表わす]
に相当することを特徴とする、無水の医薬組成物。
【請求項2】
前記ビタミンD誘導体が、
1- {5-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
2- {5-[6,2'-ジエチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
3- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}-メタノール;
4- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-イソプロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
5- (4-{2-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
6- {4-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
7- (4-{[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
8- [4-({[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
9- [4-({エチル-[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
10- [4-({[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6-メチル-2'-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
11- (2-ヒドロキシメチル-4-{2-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}フェニル)メタノール;
12- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]フェニル}メタノール;
13- {2-ヒドロキシメチル-4-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]フェニル}メタノール;
14- (2-ヒドロキシメチル-4-{[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}フェニル)メタノール;
15- [2-ヒドロキシメチル-4-({N-メチル-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)フェニル]メタノール;
16- [4-({N-エチル-[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
17- [2-ヒドロキシメチル-4-({[6-メチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]N-プロピルアミノ}メチル)フェニル]メタノール;
18- (4-{2-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
19- {4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
20- (4-{[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
21- [4-({[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
22- [4-({エチル-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
23- [4-({[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イル]プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
24- (4-{2-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]エチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
25- {4-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
26- {4-[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルメトキシ]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノール;
27- (4-{[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール;
28- [4-({[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]メチルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
29- [4-({N-エチル[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]アミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
30- [4-({[6-エチル-2'-プロピル-4'-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチルエチル)ビフェニル-3-イル]-N-プロピルアミノ}メチル)-2-ヒドロキシメチルフェニル]メタノール;
31- (4-{[4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-6,2'-ジメチルビフェニル-3-イルアミノ]メチル}-2-ヒドロキシメチルフェニル)メタノール
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ビタミンD誘導体が、{4-[6-エチル-4'-(1-エチル-1-ヒドロキシプロピル)-2'-プロピルビフェニル-3-イルオキシメチル]-2-ヒドロキシメチルフェニル}メタノールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記オルガノポリシロキサンエラストマーが粘着物性を有さないことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
局所的な適用のためのものであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
軟膏又は膏薬の形態であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記活性成分が溶媒に可溶化されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記溶媒が、無水エタノール、オレイルマクロゴール6グリセリド、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、PEG40水素化ヒマシ油、PEG400、ジメチルイソソルビド、PPG15ステアリルエーテル、エトキシジグリコール、N-メチル-2-ピロリドン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記溶媒が、オレイルマクロゴール6グリセリド、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、PEG40水素化ヒマシ油、PEG400、ジメチルイソソルビド、PPG15ステアリルエーテル、エトキシジグリコール、及びN-メチル-2-ピロリドンから選択される少なくとも1つの共溶媒と無水エタノールとの混合物であることを特徴とする、請求項7又は8の組成物。
【請求項10】
前記オルガノポリシロキサンエラストマーが、2から10のケイ素原子を含有し、1から22の炭素原子を含有するアルキル又はアルコキシ基を任意に含有する直鎖又は環式のポリオルガノシロキサン油から選択される少なくとも1つの揮発性シリコーン油中に配合されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、C12-C15アルキルベンゾエート、及びそれらの混合物からなる群から選択される感触のための添加剤を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記オルガノポリシロキサンの量が、前記組成物の全重量に対して70重量%から95重量%、好ましくは80重量%から95重量%であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記可溶化された形態のビタミンD誘導体の量が、前記組成物の全重量に対して0.00001重量%から5重量%であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記可溶化された形態のビタミンD誘導体の量が、0.0001重量%から3重量%であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記可溶化された形態のビタミンD誘導体の量が、0.003重量%から1重量%であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記溶媒の量が、組成物の全重量に対して1重量%から25重量%、好ましくは1重量%から20重量%、とりわけ1重量%から15重量%であることを特徴とする、請求項7から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、DL-α-トコフェロール、及びプロピルガレートからなる群から選択される抗酸化剤も含むことを特徴とする、請求項1から16にいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
DL-α-トコフェロールアセテート、ティーツリー油、緑茶抽出物、及びキンセンカ抽出物からなる群から選択される親油性抗刺激剤を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
乾癬の治療において使用する無水の医薬組成物を製造するための、オルガノポリシロキサンエラストマーの使用であって、前記組成物が一般式(I)の少なくとも1つのビタミンD誘導体を活性成分として含み、前記活性成分が可溶化された形態である、使用。
【請求項20】
前記組成物が、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
a)追加のシリコーン油及び/又は感触のための添加剤と任意に均質に混合して、オルガノポリシロキサンエラストマーを含む相Aを調製する工程;
b)一般式(I)の少なくとも1つのビタミンD誘導体を溶媒と均質に混合して、相Bを調製する工程;
c)相Aに相Bを混合し、次いで均質なゲルが得られるまで均質化する工程
を含むことを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項22】
前記溶媒がエタノールであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
工程b)の開始時に、ビタミンDに由来する活性剤と導入する前に、エタノール中で各種の共溶媒を混合する工程を含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
低温条件下で実施することを特徴とする、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−543815(P2008−543815A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516377(P2008−516377)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001357
【国際公開番号】WO2006/134272
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】