説明

オンダンセトロン膜組成物

【課題】活性成分の不快な味を効果的に遮蔽する活性成分ベースの膜組成物を提供する。
【解決手段】ポリマー、活性成分、及び、少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分を含む、自立膜製剤組成物を提供する。また、具体的には、組成物の約10〜15質量%の量の活性成分;組成物の約1〜10質量%の量の少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分;及び組成物の約75〜89質量%の量のポリマーマトリクスを含む、自立膜製剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、少なくとも1種の活性成分を含む膜調合物に関する。より詳細には、本発明は、満足できる程度に活性成分の味を遮蔽した製品と製品の作製方法に関する。活性成分は、オンダンセトロンのような弱塩基でありうる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
活性成分、特に医薬組成物の投与は、多くの異なった様々な形態でなされうる。一般的に、このような活性成分は、苦く、不快な味を有するために、活性成分の投与は、活性成分が使用者の口の中に留まる時間を制限する、錠剤又は他の剤形を飲み込むことによってなされうる。
【0003】
しかしながら、口に入れ、溶解させて、その結果、活性成分を放出する、経口で溶解可能な膜剤形によって活性成分を投与することが望ましくありうる。膜製剤は。このような膜剤形は、例えば、特に、錠剤又はタブレットを飲み込むことが困難な患者に対して、投与が楽であるといった、様々な理由から有利である。更に、膜剤形は、活性成分の誤用を防ぐのに有効である。錠剤及びタブレットは、飲み込むことなく使用者の口に保持され、次いで、後日取り除かれて誤用される可能性がある。一方、膜製剤は、高い粘接着力を有するので、その結果、膜が使用者の口に接着し、使用者から取り除かれることを制限するか、完全に抑制する。
【0004】
膜製剤が使用者の口の中で溶解するときに、それは、使用者の口の中に活性成分を放出する。次いで、活性成分は飲み込まれる。不運なことに、活性成分は口の中で放出される間に、使用者は活性成分の味にさらされる。味は、使用者にとって非常に不愉快である場合が多い。活性成分の味を遮蔽する方法では、有効性を保ったまま、活性成分の不快な味を十分にブロックすることはできない。伝統的に味遮蔽は、活性成分の味を隠すための組成物への風味付けの様々な手段によって、イオン交換樹脂を用いた活性成分の錯体形成によって、それによる薬の結合によって、又は、味覚芽への障壁として働くポリマーコーティングで、活性成分を被覆することによって達成される。しかしながら、これらの現在使用される味遮蔽方法は、活性成分に更なるコストを加えるだけでなく、多くの場合、活性成分の不快な味を効果的に遮蔽することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、活性成分の不快な味を効果的に遮蔽し、従来技術に関する問題を解決する、活性成分ベースの膜組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明のひとつの形態において、ポリマー、活性成分、及び、少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分を含む、自立膜製剤組成物を提供する。
【0007】
別の態様において、組成物の約10〜15質量%の量の活性成分;組成物の約1〜10質量%の量の少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分;及び組成物の約75〜89質量%の量のポリマーマトリクスを含む、自立膜製剤組成物を提供する。
【0008】
本発明の更に別の態様において、自立膜製剤組成物を作製する方法であって:膜形成ポリマーマトリクスを用意する工程;少なくとも1種の活性成分を用意する工程;遅溶性アルカリ成分を用意する工程;即溶性アルカリ成分を用意する工程;膜形成ポリマーマトリクス、少なくとも1種の活性成分、及び、遅溶性及び即溶性塩基成分を合わせて、活性マトリクスを形成する工程;及び、活性マトリクスを乾燥させて、自立膜製剤組成物を形成する工程を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明は、活性成分の経口投与のための改善された方法及び製品を提供する。ある態様において、活性成分(又は「薬剤」)は、経口溶解可能な膜ストリップによって使用者に送達される。本発明は、特に、溶解する膜製剤で投与される場合に、薬剤に相伴う何らかの不快な味又は苦味を低減させるか、又は完全になくすことを目的とする。
【0010】
本発明は、経口投与用の膜の形態の医薬組成物を提供し、均一に分散されたポリマー、極性溶媒、甘味剤、医薬活性剤、及び、生物活性剤の組合せを含む組成物を提供する。当然のことながら、用語「膜」は、薄膜及びシートを含み、どのような形状でもよく、例えば、長方形、正方形又は、そのほかの所望の形状であってもよい。ここに記載される膜は、使用者の口腔に置かれうるような任意の所望の厚み及び大きさでありうる。例えば、膜は、比較的薄い約0.1〜約10ミルの厚みであってもよく、それらは、幾分厚みを増して約10〜約30ミルの厚みであってもよい。いくらかの膜のために、厚みは、更に大きくてもよく、すなわち、約30ミルより大きくてもよい。また、用語「膜」は、単層組成物及び複数層組成物、例えば積層膜を含む。その乾燥させた膜形態の組成物は、膜の乾燥制御を適用することによって成分の均一な分散状態を維持する。
【0011】
膜製剤組成物は、好ましくはポリマー担体マトリクスを含み、また、湿潤膜形成マトリクスとしても称される。経口溶解可能で、ヒトによる摂取に適していることを条件として、任意の所望のポリマー担体マトリクスを使用することができる。経口で消費できる膜は、好ましくは、口腔内で即溶性、又は、中度の溶性(moderate-dissolving)であり、特に、活性成分の送達に適している。一般に、薬剤が被覆されて薬剤の放出が穏やかになされる場合、ある程度、薬剤は味遮蔽される。しかしながら、不完全な被覆によって、又は、負荷用量として被覆されない薬剤を含むことによって、製剤中に存在する、残存する「フリー」(被覆されない)薬剤は、苦味の一因となる可能性があり、上述したアルカリ成分を含むことによって遮蔽されうる。
【0012】
医薬製品で使用される膜は、少なくとも1種のポリマー及び極性溶媒と組み合せることによって製造可能であり、本分野で公知であるほかのフィラーを含んでもよい。溶媒は、水、極性有機溶媒、例えば、制限されないが、エタノール、イソプロパノール、アセトン、又はそれらの任意の組合せであってもよい。膜は、選択されるキャスティング法、堆積法、及び、乾燥制御プロセスを利用することで調製されうる。例えば、膜は、湿潤膜マトリクスに熱エネルギー及び/又は放射エネルギーを適用して、短時間(例えば10分未満)で粘弾性構造を形成することを含む、乾燥制御プロセスによって調製でき、それにより、膜の内容物の均一性を制御する。このようなプロセスは、同一出願人による米国特許番号7,425,292及び7,357,891により詳細が記載されており、それらの内容は、それらの全体が、参照によりここに組み込まれる。また、膜は、同一出願人による米国出願番号10/856,176(2004年5月28日出願)に記載され、米国特許公報番号2005/0037055 A1に公表されるように成形されることができ、それらの内容は、それらの全体が、参照によりここに組み込まれる。
【0013】
膜に含まれるポリマーは、水溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、不水溶性ポリマー、pH感受性ポリマー、又は、水溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、不水溶性ポリマー、及びpH感受性ポリマーの1つ以上の組合せのポリマーでありうる。ここに使用されるフレーズ「水溶性ポリマー」及びその変形体は、少なくとも部分的に水に溶解し、好ましくは完全に又は大部分が水中に溶解し、又は、水を吸収するポリマーを表す。水を吸収するポリマーは、多くの場合、水膨潤性ポリマーとして表される。本発明に有用な材料は、室温及び他の温度(例えば室温より高い温度)で、水溶性、pH感受性又は水膨潤性でありうる。更に、材料は、大気圧より低い圧力で水溶性、又は、水膨潤性でありうる。望ましくは、水溶性ポリマーは、水溶性であるか、少なくとも20質量%の水吸収性(uptake)を有する水膨潤性である。25質量%以上の水吸収性を有する水膨潤性も有用である。ある態様において、このような水溶性ポリマーから形成される膜は、体液に接触して溶解可能であるのに十分な水溶性を有しうる。ポリマーは、セルロース又はセルロース誘導体を含みうる。
【0014】
有用なポリマーの具体的な例は、ポリエチレンオキシド、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロース、ポリビニルアルコール、ナトリウムアルギナート、プロピレングリコールアルギネート、カラギーナン、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカンスゴム、グアーガム、アカシアガム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、アクリル酸とアルキルアクリレートとのコポリマー(ペムレン(Pemulen(登録商標))ポリマーとして入手できる)、カルボキシビニルコポリマー、デンプン、ゼラチン、ペクチン、及びこれらの組合せを含む。有用な水溶性ポリマーの具体的な例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0015】
膜に組み込むのに有用な他のポリマーは、生分解性ポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、及び、それらの組合せを含む。上記の基準に合致する公知の有用なポリマー又はポリマーのクラスは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリジオキサン(polydioxanoes)、ポリオキサレート、ポリ(α-エステル)、ポリ無水物、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、及びこれらの混合物及びコポリマーである。付随的に有用なポリマーは、L-及びD-乳酸のステレオポリマー、ビス(p-カルボキシフェノキシ)プロパン酸とセバシン酸とのコポリマー、セバシン酸コポリマー、カプロラクトンのコポリマー、ポリ(乳酸)/ポリ(グリコール酸)/ポリエチレングリコールコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)とのコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)とのコポリマー、α-アミノ酸のコポリマー、α-アミノ酸とカプロン酸とのコポリマー、α-ベンジルグルタメートとポリエチレングリコールとのコポリマー、サクシネートとポリ(グリコール)とのコポリマー、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシアルカノエート、及びこれらの組合せを含む。二成分系及び三成分系が意図される。
【0016】
有用な水溶性ポリマーの具体的な例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、アクリル酸ポリマー、ビニルアセテート、ナトリウムスルホン化ポリエステル、カルボキシル化されたアクリル酸、トリメチルペンタンジオール/アジピン酸/グリセリンクロスポリマー、ポリグリセリン-2-ジイソステアラート/IPDIコポリマー、カルボキシル化されたビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリコン/ビニルアセテート/アルキルアミノアクリレートターポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0017】
そのほかの具体的な有用なポリマーは、メディソーブ(Medisorb)及びバイオデル(Biodel)なる商標の下で市販されているものを含む。該メディソーブ材料は、ウイルミントン、デラウエアのデュポン社(Dupont Company、Wilmington、Delaware)によって市販されており、一般的に「プロパン酸、ヒドロキシ酢酸を含むヒドロキシポリマーとの2-ヒドロキシポリマー(2-hydroxy-polymer with hydroxy-polymer with hydroxyacetic acid)」を含む、「ラクチド/グリコライドコポリマー」として同定されている。4種のかかるポリマーは、170°〜175℃(338°〜347°F)なる範囲内の融点を持つ、100%ラクチドであると考えられる、ラクチド/グリコライド100L;225°〜235℃(437°〜455°F)なる範囲内の融点を持つ、100%グリコライドであると考えられる、ラクチド/グリコライド100L;170°〜175℃(338°〜347°F)なる範囲内の融点を持つ、85%ラクチド及び15%グリコライドであると考えられる、ラクチド/グリコライド85/15;及び170°〜175℃(338°〜347°F)なる範囲内の融点を持つ、50%ラクチドと50%グリコライドとのコポリマーであると考えられる、ラクチド/グリコライド50/50を含む。該バイオデル材料は、化学的に異なる様々なポリ酸無水物のファミリーを表す。
【0018】
様々な異なるポリマーを使用することができるが、粘接着特性、並びに、好ましい溶出速度及び/又は崩壊速度を膜に与えるポリマーを選択することが好ましい。具体的には、粘膜組織に接着する膜を維持するために好ましい時間は、第二の送達媒体に含まれる活性成分の種類に依存する。いくらかの活性成分は、粘膜組織を通って送達するのに数分しか必要としない可能性があるが、一方で、他の活性成分は最大数時間か更に長い時間が必要となる可能性がある。また、ある態様において、上記に記載されたような1種以上の水溶性ポリマーは膜を形成するために使用されうる。他の態様において、しかしながら、上述のように、水溶性ポリマー、及び、水膨潤性、不水溶性及び/又は生分解性であるポリマーの組合せを用いることが好ましくありうる。水膨潤性、不水溶性、及び/又は、生分解性である1種以上のポリマーを含むことで、水溶性ポリマー単独で形成された膜よりも溶出速度又は崩壊速度が遅い膜を提供することができる。このように、膜は、長期間又は長時間にわたって(例えば数時間にいたるまで)、粘膜組織に接着できるので、特定の活性成分の送達のために望ましくありうる。
【0019】
経口溶解膜は、一般的に3つの主要なクラス:即溶性、中度の溶性、及び、遅溶性に分類される。即溶性膜は、一般的に約1秒〜約30秒間で溶解する。中度の溶性膜は、一般的に、約1〜約30分間で溶解し、遅溶性膜は、一般的に、30分より長い時間をかけて溶解する。即溶性膜は、低分子量の親水性ポリマー(すなわち約1,000〜9,000の分子量、又は一般的に200,000以下の分子量を有するポリマー)からなりうる。対照的に、遅溶性膜は、一般的に、高分子のポリマー(すなわち、数100万の分子量を有するポリマー)を有する。
【0020】
中度の溶性膜は、即溶性膜と遅溶性膜の間に分類される傾向にある。中度の溶性膜は、やや速やかに溶解するが、良好なレベルの粘接着力も有する。中度の膜も、柔軟性があり、早急に湿らすことができ、一般的に使用者に刺激がない。本発明に関しては、即溶性と中度の溶性性のカテゴリーの間に分類される膜を使用することが好ましい。当該膜は、十分に速やかな溶解速度(約1分〜約5分間)を提供し、一方で、該膜が、一度使用者の口腔に入れると、簡単に取り除くことができないように許容できる粘接着力を提供する。
【0021】
好ましくは、個々の膜製剤は、約0.5〜2.0インチ×約0.5〜1.5インチの間である小さなサイズである。好ましくは、膜製剤は、約0.75インチ×0.5インチであり、より好ましくは約1.25”から約1.5”である。膜製剤は、使用者の口腔又は舌下部領域に入った場合に、良好な接着力を有するべきである。更に、膜製剤は、普通の速度で、つまり、約1秒から約30分間、最も好ましくは約10分から約20分間で、分散及び溶解されるべきである。しかしながら、ある態様において、約30分間以上の期間にわたって、個々の膜製剤をゆっくり溶解させることが好ましくありうる。このような遅溶性の態様において、膜製剤は、強い粘接着力特性を有することが好ましい。
【0022】
本発明の膜は、2種以上のポリマーを含んでもよい。例えば、ある態様において、膜は、ポリエチレンオキシド単独、又は、ポリエチレンオキシドと第二ポリマー成分との組合せを含んでもよい。ある態様において、膜は、ポリエチレンオキシド以外のポリマーを含んでもよい。第二ポリマーは、他の水溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、不水溶性ポリマー、生分解性ポリマー、又は、それらの任意の組合せであってもよい。好適な水溶性ポリマーは、制限されないが、上記で提供される任意のポリマーを含む。
【0023】
ある態様に従って、ポリエチレンオキシドは、ポリマー成分中、約10%〜約100質量%であってもよく、より特別には、約15%〜約70質量%であってもよく、更により特別には、約20%〜約50質量%であってもよい。ひとつの特定の態様において、組成物は、約14%の量でポリエチレンオキシドを含みうる。ある態様において、水膨潤性ポリマー、不水溶性ポリマー及び生分解性ポリマーから1種以上のポリマーを、ポリエチレンオキシドベースの膜中に含まれてもよい。ひとつの特定の態様において、組成物は、METHOCELのような第二ポリマー成分を、ポリエチレンオキシドに添加して、含んでもよい。上述のように提供される任意の水膨潤性ポリマー、不水溶性ポリマー、又は、生分解性ポリマーを使用することができる。この第二ポリマー成分は、ポリマー成分中約0〜約80質量%、より特別には、約15〜約70質量%、更により特別には、約25〜約50質量%の量で使用することができる。ひとつの特定の態様において、組成物は、約26%の量で第二ポリマー成分を含んでいてもよい。
【0024】
ポリエチレンオキシドの分子量を変化させてもよい。ある態様において、高分子量(例えば4百万)のポリエチレンオキシドは、膜の粘接着力を向上させるために好ましくありうる。いくつかの他の態様において、分子量は、約100,000〜900,000の範囲であってもよく、より特別には約100,000〜600,000であってもよく、さらにより特別には、約100,000〜300,000であってもよい。ある態様において、ポリマー成分中で、低分子量(100,000〜300,000)のポリエチレンオキシドと、高分子量(600,000〜900,000)のポリエチレンオキシドとを合わせることが好ましくありうる。
【0025】
自由選択的に、様々な成分及びフィラーを、本発明の膜に添加することもできる。これらは、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:界面活性剤;可塑剤;ポリアルコール;該膜から酸素を放出させることにより、より滑らかな膜表面の形成を助ける、シリコーン-含有化合物等の消泡剤;及び該成分の分散状態を維持するのに役立つ、熱硬化性ゲル、例えばペクチン、カラギーナン、及びゼラチン;シクロデキストリン及びケージド分子のような包接化合物;着色剤;及び香味料。ある態様において、2種以上の活性成分が、膜中に含まれてもよい。
【0026】
添加物を膜中に含んでもよい。添加物のクラスの例は、賦形剤、潤滑剤、緩衝剤、安定化剤、発泡剤、顔料、着色剤、フィラー、増量剤、甘味料、香味料、香料、離型性改善剤、アジュバント、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、造粒剤、希釈剤、バインダ、バッファー、吸収剤、グリダント、接着剤、接着防止剤、酸味付与剤、柔軟剤、樹脂、保護薬、溶媒、界面活性剤、乳化剤、エラストマー及びこれらの混合物を含む。これらの添加剤は、上記活性成分と共に添加されてもよい。
【0027】
有用な添加物は、例えばゼラチン、食用タンパク質、例えばヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質、ピーナッツタンパク質、ブドウ種子タンパク質、ホエータンパク質、ホエータンパク単離物質、血液タンパク質、卵のタンパク質、アクリレート化タンパク質、水溶性多糖類、例えばアルギナート、カラギーナン、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム、及び関連するガム(ガッチガム、カラヤゴム、トラガカンスゴム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースエステル及びヒドロキシアルキルセルロースエステル、例えばセルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル、例えばカルボキシメチルセルロース及びこれらのアルカリ金属塩;水溶性合成ポリマー、例えばポリアクリル酸及びポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸及びポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/酢酸ビニルコポリマー、及びポリクロトン酸を含み;同様に適当なものは、フタレート化ゼラチン、ゼラチンサクシネート、架橋ゼラチン、セラック、デンプンの水溶性化学的誘導体、例えば三級又は四級アミノ基、例えば所望により四級化できるジエチルアミノエチル基を持つ、カチオンにより変性されたアクリレート、及びメタクリレート;及び他の同様なポリマーである。本発明の膜は、ブチル化ヒドロキシトルエンのような成分を更に含みうる。
【0028】
このようなエキステンダーは、自由選択的に任意の所望の量で、望ましくは膜の全成分の質量を基準として、約80%までの量、望ましくは約3〜50%の範囲の量、及びより望ましくは3〜20%の範囲の量で添加されうる。
【0029】
更なる添加剤は、無機フィラー、例えばマグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン等の酸化物であってもよく、これらは望ましくは膜の全成分の質量を基準として、約0.02〜約3質量%の範囲、及び望ましくは約0.02〜約1質量%の範囲の濃度にある。
【0030】
添加物の更なる例は、可塑剤であり、その例は、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコール、低分子量を持つ有機可塑剤、例えばグリセロール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート又はトリアセテート、トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ナトリウムジエチルスルホサクシネート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート等を含み、これらは、該ポリマーの質量を基準として、約0.5〜約30%の範囲の濃度、及び、望ましくは約0.5〜約20%の範囲の濃度にて添加される。
【0031】
更に、デンプン材料の質感特性及び/又は流動特性を改善するための化合物、例えば動物又は植物脂肪、望ましくはその水添状態にあるこれら脂肪、特に室温にて固体状態にあるものを添加することができる。これら脂肪は、望ましくは50℃又はそれ以上の融点を持つ。好ましくは、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-及びC22-脂肪酸を含むトリグリセライドである。これら脂肪は、エキステンダー又は可塑剤を添加することなく、単独で添加されてもよく、また有利には単独で或いはモノ-及び/又はジ-グリセライド又はホスファチド、特にレシチンと共に添加されてもよい。該モノ-及びジ-グリセライドは、望ましくは上記した型の脂肪、すなわちC12-、C14-、C16-、C18-、C20-及びC22-脂肪酸から誘導される。
【0032】
使用される該脂肪、モノ-、ジ-グリセライド及び/又はレシチンの全量は、該膜組成物全体の、最大約5%で、好ましくは約0.5〜約2質量%の範囲にある。
【0033】
二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、又は二酸化チタンを、該組成物全体の約0.02〜約1質量%の範囲の濃度にて添加することが、更に有用である。これらの化合物は、一般的にフロー剤として作用する。
【0034】
レシチンは、ここに記載される膜中で使用するための界面活性薬剤の一つである。レシチンは、該供給原料中に、約0.25〜約2.00質量%の範囲の量で含めることができる。他の界面活性薬剤、すなわち界面活性剤は、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ICIアメリカ社(ICI Americas, Inc.)から市販品として入手できる、スパン(Span(登録商標))及びツイーン(Tween(登録商標))を含むが、これらに限定されない。バスフ(BASF)社から市販品として入手できるクレモフォア(Cremophor(登録商標)) EL等のエトキシル化ヒマシ油を包含するエトキシル化オイルも有用である。カーボワックス(CarbowaxTM)は、本発明において極めて有用な、更に別の調節剤である。ツイーン(TweenTM)又は界面活性薬剤の組合せは、所定の親水-親油バランス(「HLB」)を達成するために使用されうる。
【0035】
他の成分は、本発明の膜の調合容易性並びに一般的な性能に寄与する、バインダを含む。バインダの非-限定的な例は、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン、及び、ポリビニルアルコールを含む。必要に応じて、膜は、他の添加剤、例えばケラチン、又は、タンパク質、例えば、ゲルの形成に有効なタンパク質(例えばゼラチン)を含んでもよい。
【0036】
更に、可能な添加剤は、溶解度増強剤、例えば活性成分と包接化合物を形成する物質を含む。このような薬剤は、極めて不溶性の及び/又は不安定な、活性成分の諸特性を改善する上で、有用であり得る。一般に、これら物質は、疎水性の内部空洞及び親水性の外部を持つ、ドーナッツ-形状の分子である。不溶性の及び/又は不安定な活性成分は、該疎水性の空洞内に適合でき、結果として包接複合体を生成し、この複合体は水に対して可溶性である。従って、該包接複合体の形成は、極めて不溶性の及び/又は不安定な活性成分が、水に溶解することを可能とする。このような薬剤の特に望ましい例は、デンプンから誘導される環状炭水化物としての、シクロデキストリンである。しかし、他の同様な物質も、当然本発明の範囲に入るものと考えられる。
【0037】
好適な着色薬剤は、食品、薬物及び化粧学的着色剤(FD&C)、薬物及び化粧学的着色剤(D&C)、又は外用薬物及び化粧学的着色剤(Ext. D&C)を含む。これらの着色剤は、染料、その対応するレーキ、幾つかの天然及び誘導着色剤である。レーキは、水酸化アルミニウムに吸収される染料である。
【0038】
着色薬剤の他の例は、公知のアゾ染料、有機又は無機顔料、又は天然起源の着色剤を包含する。無機顔料が好ましく、その例は、鉄又はチタンの酸化物であり、これらの酸化物は、上記成分の全質量を基準として、約0.001〜約10質量%の範囲、及び好ましくは約0.5〜約3質量%の範囲の濃度にて添加される。
【0039】
香料は、天然及び合成芳香性液体から選択されうる。このような薬剤の例示的な一覧は、揮発性オイル、合成芳香油、風味芳香剤、植物、葉、花、果実、茎及びこれらの組合せから誘導されたオイル、液体、オレオレジン又はエキスを包含する。これらの例の非-限定的、代表的一覧は、ミント油、ココア、バニラ、クレームフレーバー、及び、レモン、オレンジ、グレープ、ライム及びグレープフルーツ等の柑橘油、及びリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズ、又は他の果実香料を包含する、果実エキスを含む。
【0040】
他の有用な香味料は、アルデヒド及びエステル、例えばベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、シトラール、すなわちα-シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘類果実)、アルデヒドC-9(柑橘類果実)、アルデヒドC-12(柑橘類果実)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタノール(未熟な果実)、及び2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、これらの組合せ等を含む。
本発明の膜組成物は、使用者に特定の感覚を提供するための知覚剤(sensate)、例えば、冷却剤、刺激薬剤(tingling agent)、温薬剤(warming agent)を更に含んでもよい。
【0041】
上記甘味料は、以下の非-限定的な一覧から選択されうる:グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、及びこれらの組合せ;サッカリン及びその様々な塩、例えばナトリウム塩;ジペプチド甘味料、例えばアスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビアリボジアナ(Stevia Rebaudiana)(ステビオシド);スクロースのクロロ-誘導体、例えばスクラロース;ポリオール、例えばソルビトール、マニトール、キシリトール、エリトリトール等。同様に意図しているものは、水添デンプン水解物、及び合成甘味料である3,6-ジヒドロ-6-メチル-1,1,1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジ-オキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファム-K)、及びそのナトリウム及びカルシウム塩、及び天然強力甘味料、例えばローハンクー(Lo Han Kuo)である。本発明の膜は、更に一アンモニウム グリチルリチナート(商標名マグナスウィート(Magnasweet)で販売されている)のような甘味料を含んでもよい。その他の甘味料も使用可能である。
【0042】
膜は、活性成分の味遮蔽を補助する1種以上の添加剤を含んでもよい。例えば、膜は、イオン交換樹脂、例えば不水溶性有機若しくは無機マトリクス材料であって、好適な条件下でイオンとして存在するイオン化できる共有結合官能基を有する材料を含んでもよいが、これらに限定はされない。有機マトリクスは、合成でき(例えば、ポリマー又はコポリマー、又はアクリル酸、メタクリル酸、スルホン化スチレン又はスルホン化ジビニルベンゼン)又は、部分的に合成できる(例えば修飾セルロース又はデキストラン)。無機マトリクスは、例えば、イオン基を添加することによって修飾されるシリカゲルであってもよい。多くのイオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンのような架橋剤によって架橋される。
【0043】
消泡及び/又は脱泡成分も、また本発明の膜と共に使用できる。これらの成分は、該膜-形成組成物の取込み空気等の空気の除去において役立つ。このような取込み空気は、不均一な膜の生成をもたらす恐れがある。シメチコンは、特に有用な消泡及び/又は脱泡剤の一つである。しかし、本発明は、これらに限定されず、他の消泡及び/又は脱泡剤を適宜使用することができる。
【0044】
関連事項として、シメチコン及び関連する薬剤は、高密度化のために使用されうる。より詳しくは、このような薬剤は、空隙、空気、水分、及び同様な望ましくない成分の除去を容易にし、結果としてより高密度の、このようにより均一な膜を与えることができる。この機能を果たす薬剤又は成分は、高密度化又は緻密化剤(densifying agent)と呼ぶことができる。上述の如く、取込み空気又は望ましくない成分によって、不均一な膜の生成がもたらされる恐れがある。
【0045】
シメチコンは、一般的に幼児におけるガス又は疝痛の治療で、医学分野において使用されている。シメチコンは、トリメチルシロキシ末端-ブロック単位で安定化されている、ポリジメチルシロキサンの繰返し単位を含む、完全にメチル化された線状シロキサンポリマーと二酸化ケイ素との混合物である。これは、通常90.5〜99%のポリメチルシロキサンと、4〜7%の二酸化ケイ素とを含む。この混合物は、水に対して不溶性の、灰色で、半透明かつ粘稠な流体である。
【0046】
水に分散した場合、シメチコンは、表面を横切って広がって、低表面張力を持つ薄い膜を形成する。このようにして、シメチコンは、該溶液中に存在する気泡、例えば発泡気泡の表面張力を低下して、これらを破壊する。シメチコンのこの機能は、水中でのオイル及びアルコールの二重の作用に類似するものである。例えば、油状溶液において、あらゆる取込まれた気泡は、表面に向って上昇し、より迅速かつ容易に消滅するであろう。というのは、油状液は、水溶液と比較してより低い密度を持つからである。他方で、アルコール/水混合物は、水の密度を低下し、しかも水の表面張力を低下することが知られている。従って、この混合溶液内に取込まれたあらゆる気泡も、容易に消滅するであろう。シメチコン溶液は、これら利点両者をもたらす。この溶液は、該水性溶液内に取込まれたあらゆる気泡の表面エネルギーを低下し、並びに該水性溶液の表面張力をも低下する。この固有の機能の結果として、シメチコンは、生理的なプロセス(腹部における脱ガス)並びに製品から気泡を除去する必要のある、任意の外的なプロセスに対して使用することのできる、優れた消泡特性を持つ。
【0047】
膜における気泡の形成を防止するために、上記混合工程を、真空条件下で行うことができる。しかし、該混合工程が完了して、該膜溶液が、通常の大気条件に戻されるとすぐに、空気は、該混合物中に再導入されるか、これと接触することになる。多くの場合において、小さな気泡が、この粘稠なポリマー溶液内に、再度取込まれるであろう。該膜-形成組成物へのシメチコンの配合は、混合中及び混合後の気泡の形成を実質的に減じるか、或いは排除する。
【0048】
シメチコンは、該膜-形成混合物に、消泡剤として、約0.01質量%〜約5.0質量%の範囲、より望ましくは約0.05質量%〜約2.5質量%の範囲、及び最も望ましくは約0.1質量%〜約1.0質量%の範囲の量で添加されうる。
【0049】
上記に示される同一出願人による米国特許番号7,425,292及び7,357,891、並びに、米国出願番号10/856,176に記載されるような任意のほかの自由選択的な成分もまた、ここに記載される膜に含まれうる。
【0050】
膜組成物中の活性成分は、利用者が活性成分の不快な味又は苦味を受けないように、望ましくは、味遮蔽される。更に、活性成分は、長期間(すなわち30秒〜30分間)にわたって口の中に留まるために、活性成分が口の中にある時間に活性成分の味遮蔽が十分に行われることが重要である。出願人は、膜組成物が口の中で溶解される間、膜中のいくらかの活性成分は、使用者の舌に捕捉(trap)されて、舌の上にある間ゆっくり溶解することを発見した。活性成分が溶解する間、それは、使用者に苦く不快な味を与える。従って、本発明は、活性成分の不快な味の知覚を遮蔽しようと努める。特に、不快な味は、口の中のアルカリ性の微環境を作ることができる膜組成物を提供することによって、遮蔽される。アルカリ性の環境は、多くの弱塩基性活性成分の溶解度を低減させ、それによって、上記苦味知覚を低減するか、完全になくす。オンダンセトロンの場合に、オンダンセトロン塩基は、pH 1.2かそれより低いときに溶解可能である。pHが上昇すると溶解度は低下し、実質的に、pH8で不溶性となる。
【0051】
本発明の膜組成物は、少なくとも1種の活性成分を含む。ある態様において、活性成分は、使用者に苦味を与えるものでありうる。使用者に苦味を知覚させないために、活性成分は、ここに記載されるように味遮蔽されうる。ある態様において、活性成分は酸性のpHでありうる。ある特定の態様において、遮蔽される活性成分は、オンダンセトロンを含む。しかしながら味遮蔽の本方法は、所望の任意の活性成分に適用されうる。本発明は、具体的には、塩基性(アルカリ)活性成分に相伴う不快な味を遮蔽するのに効果的である。最も具体的には、効果的な化合物は、pH7以上の水に実際には不溶性である第三級アミン化合物を含む。
【0052】
制限されないが、本方法において使用されうる例示的な薬物は、ace-阻害剤、抗-狭心症薬、抗-不整脈薬、抗-喘息薬、抗-コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗-痙攣薬、抗-鬱薬、抗-糖尿病薬、下痢止製剤、解毒薬、抗-ヒスタミン薬、抗-高血圧症薬、抗-炎症薬、抗-高脂血症薬、抗-躁病薬、制嘔吐薬、抗-卒中薬(anti-stroke agent)、抗-甲状腺製剤、抗-腫瘍薬、抗-ウイルス剤、アクネ治療薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳薬、抗-尿酸血症薬、抗-ウイルス薬、同化作用促進製剤、全身性又は非-全身性抗-感染薬、抗-新生物薬、抗-パーキンソン症候群薬、抗-リウマチ薬、食欲増進剤、生物学的応答改善剤、血液改善剤、骨代謝調節剤、心臓血管作用薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、鬱血除去薬、ダイエタリーサプリメント、ドーパミン受容体アゴニスト、子宮内膜症治療薬、酵素、勃起不全治療薬、排卵誘発薬、胃腸薬、ホメオパシー治療薬、ホルモン、高カルシウム血症及び低カルシウム血症治療薬、免疫調節薬、免疫抑制剤、片頭痛製剤、動揺病治療薬、筋弛緩薬、肥満治療薬、骨粗鬆症製剤、分娩促進薬、副交感神経遮蔽薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神療法薬、呼吸器疾患治療薬、鎮静剤、禁煙補助薬、交感神経遮蔽薬、震顫治療製剤、尿路疾患治療薬、血管拡張薬、緩下薬、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱薬、食欲抑制剤、去痰薬、抗-不安薬、抗-潰瘍剤、抗-炎症性物質、冠状動脈拡張剤、大脳血管拡張薬、末梢血管拡張薬、向精神剤、刺激薬、抗-高血圧症薬、血管収縮薬、片頭痛治療薬、抗生物質、トランキライザー、抗-精神病薬、抗-腫瘍薬、抗-凝血剤、抗-血栓薬、催眠薬、鎮吐薬、制吐薬、抗痙攣剤、神経筋作用薬、高血糖及び低血糖症治療薬、甲状腺及び抗-甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、子宮弛緩薬(terine relaxant)、抗-肥満薬、造血剤、抗-喘息薬、咳止め剤、粘液溶解薬、DNA及び遺伝子改質剤、及びこれらの組合せを含む。
【0053】
本発明において使用するための薬物療法活性成分の例は、制酸剤、H2-アンタゴニスト及び鎮痛薬を含む。例えば、制酸性製剤は、炭酸カルシウム単独又はこれと水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムとの組合せを成分として使用して調製されうる。更に、制酸剤は、H2-アンタゴニストと組合せて使用されうる。
【0054】
鎮痛薬は、アヘン剤及びアヘン剤誘導体、例えばオキシコドン(オキシコンチン(Oxycontin(登録商標))として入手できる)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、及びこれらの組合せ(場合によりカフェインを含んでもよい)を包含する。
【0055】
本発明において使用されうる他の成分は、下痢止め剤、例えばイモジウム(immodium) AD、抗-ヒスタミン剤、鎮咳薬、充血除去剤、ビタミン及び呼気-清涼化剤を含む。風邪、痛み、発熱、咳、充血、鼻水及びアレルギーを治療するために、単独で又は組合せて使用される一般的な薬物、例えばアセトアミノフェン、クロルフェニラミンマレエート、デキストロメトルファン、シュードエフェドリンHCl及びジフェンヒドラミンは、本発明の膜組成物中に含まれうる。
【0056】
同様に、ここで使用を意図するものは、不安緩解剤、例えばアルプラゾラム(ザナックス(Xanax(登録商標))として入手できる);抗-精神病薬、例えばクロゾピン(クロザリル(Clozaril(登録商標))として入手できる)及びハロペリドール(ハルドール(Haldol(登録商標))として入手できる);非-ステロイド系抗-炎症薬(NSAID)、例えばジクロフェナク(ボルタレン(Voltaren(登録商標))として入手できる)及びエトドラック(ロジン(Lodine(登録商標))として入手できる)、抗-ヒスタミン剤、例えばロラタジン(クラリチン(Claritin(登録商標))として入手できる)、アステミゾール(ヒスマナール(HismanalTM)として入手できる)、ナブメトン(リラフェン(Relafen(登録商標))として入手できる)、及びクレマスチン(タビスト(Tavist(登録商標))として入手できる);制吐薬、例えばグラニセトロン塩酸塩(キトリル(Kytril(登録商標))として入手できる)、セロトニン5-HT3受容体アンタゴニスト(オンダンセトロンとして入手できる)及びナビロン(セサメット(CesametTM)として入手できる);気管支拡張薬、例えばベントリン(Bentlin(登録商標))、アルブテロール硫酸塩(プロベンチル(Proventil(登録商標))として入手できる);抗-鬱薬、例えばフルオキセチン塩酸塩(プロザック(Prozac(登録商標))として入手できる)、セルトラリン塩酸塩(ゾロフト(Zoloft(登録商標))として入手できる)、及びパロキセチン塩酸塩(パキシル(Paxil(登録商標))として入手できる);抗-片頭痛薬、例えばイミグラ(Imigra(登録商標))、ACE-阻害剤、例えばエナラプリラト(バソテック(Vasotec(登録商標))として入手できる)、カプトプリル(カポテン(Capoten(登録商標))として入手できる)及びリシノプリル(ゼストリル(Zestril(登録商標))として入手できる);抗-アルツハイマー症候群治療薬、例えばニセルゴリン;及びCaH-アンタゴニスト、例えばニフェジピン(プロカルディア(Procardia(登録商標))及びアダラット(Adalat(登録商標))として入手できる)、及びベラパミル塩酸塩(カラン(Calan(登録商標))として入手できる)である。
【0057】
勃起不全症治療薬は、ペニスへの血流を容易にする薬物、及び自律神経活性に作用する薬物、例えば副交感神経系(コリン作用性)活性を高めて、交感神経系(アドレナリン作用性)活性を減じる薬物を含むが、これらに限定されない。有用な非-限定的薬物は、シルデナフィル、例えばバイアグラ(Viagra(登録商標))、タダラフィル、例えばシアリス(Cialis(登録商標))、バルデナフィル、アポモルフィン、例えばアプリマ(Uprima(登録商標))、ヨヒンビン塩酸塩、例えばアフロジン(Aphrodyne(登録商標))、及びアルプロスタジル、例えばカバージェクト(Caverject(登録商標))を含む。
【0058】
本発明における使用を意図している、一般的なH2-アンタゴニストは、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン、及びアセロキサチジンを含む。
【0059】
本発明で使用される薬理的に活性な薬剤は、アレルゲン又は抗原を含むことができ、その例は、草本、木本、又はブタクサ由来の植物の花粉;猫及び毛皮で覆われた他の動物の皮膚及び毛から落ちる小さな鱗片である動物の鱗屑;昆虫、例えばヒョウヒダニ、ミツバチ、及びスズメバチ;及び薬物、例えばペニシリンであるが、これらに限定されない。
【0060】
膜組成物は、少なくとも1種の味遮蔽成分も含みうる。望ましくは、味遮蔽成分は、使用者の口腔の中にある間、使用者の口腔の中にある間、活性成分を少なくとも部分的に溶解させないようにできる。使用者の口腔の中にある間、活性成分を少なくとも部分的に溶解させないことによって、使用者による不快で苦い味の知覚の体感が、低減するか、完全に抑制されうる。
【0061】
ある態様、特に、塩基性活性成分を組み込んだ態様において、味遮蔽成分は、使用者の口中での塩基性環境を作り出す成分でありうる。こんな風に、味遮蔽成分は、活性成分の溶解を緩やかにでき、それによって、その溶解に相伴う苦味を低減するか、又は完全になくすことができる。例えば、味遮蔽成分は、炭酸カルシウムのような塩基性組成物を含みうる。味遮蔽成分は、更に、遅溶性成分でありうる。なぜならそれは、長期間にわたって使用者の口の中で維持されると、活性成分も口の中にある間、活性成分の溶解を減少させるためである。従って、ある態様において、味遮蔽成分は、遅溶性アルカリ組成物でありうる。他の態様において、味遮蔽成分は、少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分及び少なくとも1種の即溶性アルカリ成分の組合せを含みうる。制限されないが、好適なアルカリ組成物は、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び、任意の他の遅溶性アルカリ材料を含み、特に、それらは、pHが7より大きいものである。
【0062】
特にひとつの有益な態様において、組成物は、少なくとも1種の即溶性アルカリ成分、例えば、重炭酸ナトリウム、及び、少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分、例えば、炭酸カルシウムを含む。この態様において、即溶性アルカリ成分が速やかに溶解し始めるので、活性成分は、使用者の口の中に投入されると直ちに効果的に味遮蔽される。また、遅溶性アルカリ成分が長期間にわたって溶解されるので、組成物は、長期間にわたって効果的に味遮蔽される。
【0063】
味遮蔽成分は、膜組成物にわたって自由に分散しうるか、又は、それは、カプセルに封入されうる。ある態様において、長期間にわたって、使用者の口の中に塩基性環境を維持するために、膜組成物は、自由な味遮蔽成分及びカプセル封入された味遮蔽成分の双方を含みうる。好ましくは、味遮蔽成分は、少なくとも1分間で口の中に塩基性環境を作り出すことができ、最高30分間、口の中に塩基性環境を提供することができる。最も好ましくは、塩基性環境は、少なくとも膜組成物が口の中で溶解する全時間で、口の中で維持される。この期間に、活性成分は、膜組成物から放出されるが、味遮蔽成分によって引き起こされる塩基性環境によって溶解しにくくなる。従って、即溶性膜の場合、塩基性環境が少なくとも1分間は口の中で維持されるべきである。中度の溶性膜の場合には、塩基性環境は、1〜30分間は口の中で維持されるべきである。遅溶性膜の場合には、塩基性環境は、少なくとも30分間は口の中で維持されるべきである。
【0064】
味制御成分は、活性成分の効果的な遮蔽を達成できるような任意の望ましい量で存在しうる。ある態様において、味遮蔽成分は、組成物の約0.1質量%〜約10質量%の量で存在しうる。味遮蔽成分は、代わりに組成物の約1質量%〜約8質量%の量で存在してもよい。望ましくは、味遮蔽成分が、組成物の約8質量%の量で存在する。任意の割合の味遮蔽成分が、膜組成物に組み込まれうる。例えば、ひとつの態様において、組成物は、約8%の炭酸カルシウム及び約1%の重炭酸ナトリウムを含みうる。
【0065】
ある態様において、組成物は、接着されたか、積層された2以上の膜層を含む複数層の組成物を含んでもよい。活性成分及び味遮蔽成分は、任意の層に配置されることができ、独立した層に配置されることもできる。このような複数の層の態様において、第一領域は、そこに任意の付加領域を積層する前に乾燥されうる。同様に、第二領域は、第一領域をそこに積層する前に乾燥させうる。代わりに、そこに任意の付加領域を積層する前に、第一又は第二領域のいずれかを、少なくとも部分的に乾燥させて、そこに任意の領域を積層することもできる。
【実施例】
【0066】
<例1> 味遮蔽成分を含まない膜の苦味
オンダンセトロンを組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、5名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。該膜組成物は、以下の表1のように用意された。
[表1]

【0067】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に、溶解するまで置いた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味の評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表2に示す。
[表2]


表に示すように、味遮蔽成分を含まない8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が3.10であることが示された。苦味評価のこの高さは、「中度の苦味」と「強すぎる苦味」の間である。従って、この製品は、使用者に味遮蔽に関して満足できないと考えられる苦味を与えた。
【0068】
<例2> 味遮蔽成分を含む膜の苦味
オンダンセトロン及び味遮蔽成分を組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、5名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。具体的に言うと、膜組成物は、8%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムを含有していた。該膜組成物は、以下の表3のように用意された。
[表3]

【0069】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に、溶解するまで置いた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表4に示す。
[表4]


表に示すように、味遮蔽成分(8%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウム)を組み込んだ8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が1.50であることが示された。苦味評価は、まさに「苦味なし」と「低度の苦味」の間である。この量の苦味評価は、活性成分の味を遮蔽するのに成功したことを意味する。
【0070】
<例3> 炭酸カルシウムを含まない膜の苦味
オンダンセトロン及び1%の重炭酸ナトリウムを組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、2名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。該膜組成物は、以下の表5のように用意された。
[表5]

【0071】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に、溶解するまで置いた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表6に示す。
[表6]


表に示すように、炭酸カルシウムを含まない8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が3.25であることが示された。苦味評価のこのレベルは、使用者に味遮蔽に関して満足できない苦味を与えたことが分かった。
【0072】
<例4> 4%の炭酸カルシウムを含む膜の苦味
オンダンセトロン及び味遮蔽成分(4%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムを含む)を組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、2名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。該膜組成物は、以下の表7のように用意された。
[表7]

【0073】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に溶解するまで置いた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表8に示す。
[表8]


表に示すように、味遮蔽成分である4%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムと一緒に8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が2.5であることが示された。この評価は、苦味が「低度」と「中度」の間であることを示し、炭酸カルシウムを欠いた組成物に比べて、改善されたことが明らかになった。この組成物は、活性成分の味を遮蔽することに成功したと考えられる。しかしながら、味遮蔽に成功したにもかかわらず、この評価は、組成物に相伴ういくらかの苦味がまだ残っていることを示した。
【0074】
<例5> 6%の炭酸カルシウムを含む膜の苦味
オンダンセトロン及び味遮蔽成分(6%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムを含む)を組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、2名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。該膜組成物は、以下の表9のように用意された。
[表9]

【0075】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に、溶解するまで置いた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表10に示す。
[表10]


表に示すように、味遮蔽成分として6%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムと一緒に8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が1.75であることが示された。この評価は、苦味が「なし」と「低度の苦味」の間であることを示し、活性成分の味遮蔽の成功をもたらし、炭酸カルシウムを欠いた組成物に比べて、かなり改善されたことが明らかになった。この実施例で用意された組成物は、活性成分に相伴う苦味を低減させることに成功した。
【0076】
<例6> 8%の炭酸カルシウムを有する膜の苦味
オンダンセトロン及び味遮蔽成分(8%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムを含む)を組み込んだ8 mgの膜組成物を調製し、2名のパネリストに与え、該膜組成物の苦味知覚について評価する試験をした。該膜組成物は、以下の表11のように用意された。
[表11]

【0077】
各パネリストは、膜ストリップを彼又は彼女の口の中に、溶解するまで入れた。次いで、パネリストは、1から5のスケールでの膜ストリップの苦味評価を質問された:スケール1は「苦味なし」、スケール2は「低度の苦味」、スケール3は「中度の苦味」、スケール4は「強すぎる苦味」、スケール5は「非常に強すぎる苦味」。結果を以下の表12に示す。
[表12]


表に示すように、味遮蔽成分として8%の炭酸カルシウム及び1%の重炭酸ナトリウムと一緒に8 mgのオンダンセトロンを組み込んだ膜ストリップは、平均の苦味評価が1.5であることが示された。この評価は、苦味が「なし」と「低度の苦味」の間であることを示し、活性成分の味遮蔽の成功をもたらし、炭酸カルシウムを欠いた組成物に比べて、かなり改善されたことが明らかになった。この実施例で用意された組成物は、活性成分に相伴う苦味を低減させることに成功した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー、活性成分、及び、少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分を含む、自立膜製剤組成物。
【請求項2】
遅溶性アルカリ成分が、組成物の約0.1質量%〜約10質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
更に、即溶性アルカリ成分を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
遅溶性アルカリ成分が、組成物の約8質量%の量で存在し、即溶性アルカリ成分が、組成物の約1質量%の量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含み、即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
活性成分が、オンダンセトロンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の苦味評価は、約1〜約2である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
a.組成物の約10〜15質量%の量の活性成分;
b.組成物の約1〜10質量%の量の少なくとも1種の遅溶性アルカリ成分;及び
c.組成物の約75〜89質量%の量のポリマーマトリクスを含む、自立膜製剤組成物。
【請求項11】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
更に、即溶性アルカリ成分を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
遅溶性アルカリ成分が、組成物の約8質量%の量で存在し、即溶性アルカリ成分が、組成物の約1質量%の量で存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含み、即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
活性成分が、オンダンセトロンを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項17】
自立膜製剤組成物を作製する方法であって:
a.膜形成ポリマーマトリクスを用意する工程;
b.少なくとも1種の活性成分を用意する工程;
c.遅溶性アルカリ成分を用意する工程;
d.膜形成ポリマーマトリクス、少なくとも1種の活性成分、及び、遅溶性アルカリ成分を合わせて、活性マトリクスを形成する工程;及び、
e.活性マトリクスを乾燥させて、自立膜製剤組成物を形成する工程を含む、方法。
【請求項18】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
更に、即溶性アルカリ成分を用意する工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
遅溶性アルカリ成分が、組成物の約8質量%の量で存在し、即溶性アルカリ成分が、組成物の約1質量%の量で存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
遅溶性アルカリ成分が、炭酸カルシウムを含み、即溶性アルカリ成分が、重炭酸ナトリウムを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
活性成分が、オンダンセトロンを含む、請求項17に記載の方法。

【公開番号】特開2010−270118(P2010−270118A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−128307(P2010−128307)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(507026110)モノソル アールエックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (15)
【Fターム(参考)】