説明

オートフォーカスカメラ及びカメラ付き携帯電話

【課題】チルト補正する場合に小さい駆動力でチルト補正でき、且つ画像センサが受ける象のゆがみやぼけを防止できるオートフォーカスカメラ及びカメラ付き携帯電話を提供する。
【解決手段】内周にレンズを支持するレンズ支持体5と、Z移動部27によりレンズ支持体5を光軸方向に移動させてレンズの焦点位置を調整すると共にチルト補正部29によりレンズ支持体5を傾斜させるレンズ駆動制御部25と、レンズ支持体5のレンズにより結像した画像を受ける画像センサ31と、画像センサ31を傾斜させる画像センサ傾斜手段35と、カメラのチルト検知手段47と、制御部45とを備え、制御部45はチルト検知手段からのチルト検知信号を受けると、検知したチルト量に応じてレンズ駆動装置25のチルト補正部29及び画像センサ補正部43により、レンズ支持体5及び画像センサ31を同じ角度傾斜させてチルト補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートフォーカスカメラ及びカメラ付き携帯電話に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レンズ及び画像センサを一体に設けた光ディスクのピックアップ装置において、ピックアップ装置のチルト検知手段(角度センサ)がチルトを検出すると、チルト検出量に応じてピックアップ装置を傾斜し、レンズの光軸に対する傾斜(チルト)を補正することが開示されている。
【0003】
一方、ピックアップ装置において、チルト検出手段がチルトを検出するとレンズ(レンズ支持体)のみを傾斜させてチルト補正することが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−87463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、チルト補正する場合に、レンズのみを傾斜させてチルト補正した場合には、傾斜角度(チルト量)が小さい場合、例えば、0.5度よりも小さい場合ならば画像にあまり影響はないが、それよりも大きくなった場合には、画像センサが受ける像にゆがみやボケが生じてしまうという問題がある。したがって、レンズと画像センサとは同じ角度チルト補正することが望ましい。
【0006】
ところが、レンズと画像センサを一体にしたピックアップ装置を傾斜させる場合には、重量が嵩む為、傾斜に大きな駆動力が必要になるという問題がある。
【0007】
特に、小型のオートフォーカスカメラにおいては、レンズを光軸方向に移動するレンズ駆動手段と画像センサとを別体にして組み付けている為、仮に、これらを筺体で一体に支持してレンズ傾斜手段で傾斜させた場合には、全体として嵩張り大型化すると共にチルト補正に大きな駆動力が必要になるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、チルト補正する場合に小さい駆動力でチルト補正でき、且つ画像センサが受ける象のゆがみやぼけを防止できるオートフォーカスカメラ及びカメラ付き携帯電話の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、内周にレンズを支持するレンズ支持体と、レンズ支持体を光軸方向に移動させてレンズの焦点位置を調整するレンズ駆動手段と、レンズ支持体を光軸に対して傾斜させるレンズ傾斜手段と、レンズ支持体のレンズにより結像した画像を受ける画像センサと、画像センサを傾斜させる画像センサ傾斜手段と、カメラのチルト検知手段と、制御部とを備え、制御部はチルト検知手段からのチルト検知信号を受けると、検知したチルト量に応じてレンズ傾斜手段及び画像センサ傾斜手段とを駆動して、レンズ支持体及び画像センサを同じ角度傾斜させてチルト補正することを特徴とするオートフォーカスカメラである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、レンズ駆動手段は、レンズ支持体の外周に周方向に間隔を空けて配置した複数の環状コイルと、レンズ支持体の外周に設けてレンズ支持体を移動自在に支持する筺体と、筺体に固定して且つ各環状コイルに対面して配置したマグネットとを備え、レンズ支持体を光軸方向に移動するときには各環状コイルに均等な電流値の電流を流し、レンズ支持体をチルト補正するときには対応するコイルに流す電流の電流値を異ならせることにより、レンズ駆動手段がレンズ傾斜手段を兼ねていること特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、画像センサ傾斜手段は、画像センサの一側部に連結した圧電素子を備え、圧電素子に電流を流すことで圧電素子が伸び又は縮むことにより画像センサの一側部が光軸方向に移動して、画像センサを傾斜させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付き携帯電話である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、レンズ支持体と画像センサとを各々別の傾斜手段(レンズ傾斜と画像センサ傾斜手段)により傾斜させているので、各傾斜手段に要求される駆動力を小さくできる。
【0014】
レンズ支持体と画像センサとは同じ角度傾斜させてチルト補正するので、レンズ支持体のみをチルト補正した場合に画像センサに生じる像のゆがみやボケを防止できる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、レンズ駆動手段がレンズ傾斜手段を兼ねる構成であるから、部品点数の削減、装置の小型化及び簡易化を図ることができる。
【0016】
特に、本発明によれば、レンズ支持体に配置した複数の環状コイルのうち特定の環状コイルに流す電流値を異ならせることによりチルト補正できるので、レンズ駆動手段用の環状コイルをそのままチルト補正用のコイル(チルト補正手段)として用いることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、画像センサ傾斜手段として圧電素子を用いることにより、簡易な構成で画像センサのチルト補正ができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の作用効果を奏するカメラ付き携帯電話を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るオートフォーカスカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るオートフォーカスカメラの断面図である。
【図3】本実施の形態に係るレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る画像センサの裏面側を示す平面図である。
【図5】本実施の形態に係るオートフォーカスカメラの作用を説明する側面図である。
【図6】本実施の形態に係るレンズ駆動装置の外観を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態の変形例に係る画像センサと画像センサ傾斜手段の構成を示す図であり、(a)は裏面側から見た平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面の図1〜図6を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態に係るオートフォーカスカメラ2は、携帯電話に組み込まれるオートフォーカスカメラであり、レンズ駆動装置1と画像センサ31を備える基板32とから構成されている。
【0021】
レンズ駆動装置1は、レンズを光軸方向(Z方向)に移動するレンズ駆動手段とレンズを傾斜させるレンズ傾斜手段とを兼ねており、図2及び図3に示すように、環状のヨーク3と、レンズ支持体5と、ヨーク3の光軸方向前側に配置されるフレーム(筺体)7及び前側スプリング9と、ヨーク3の後側に配置されるベース(筺体)8及び後側スプリング11とを備えており、後側スプリング11とヨーク3との間には後側スペーサ(絶縁体)15が配置されている。
【0022】
ヨーク3は略四角筒形状を成しており、ヨーク3の内周側の4つの各角部には、マグネット17が固定されている。ヨーク3は外周側壁3aと、内周側壁3bと、外周側壁3a及び内周側壁3bを連結する中間部3cとからなり、内周側壁3bはヨークの角部分にのみ設けてある。そして、ヨーク3の各角部では外周側壁3a、内周側壁3b及び中間部3cとで断面略コ字形状を成している。尚、ヨーク3はベース8とフレーム7との間に固定されている。
【0023】
マグネット17は前側から見た平面が略三角形状を成し、内周側がレンズ支持体5の外周に沿った円弧状を成している。マグネット17は内周側を例えばN極とし、外周側をS極としてある。
【0024】
レンズ支持体5は、略円筒形状であり、その内周側にレンズ(図示せず)が固定されている。レンズ支持体5の外周面には周方向に沿って4つの環状コイル19a、19b、19c、19dが周囲方向に等間隔で取付けてある。
【0025】
各環状コイル19a、19b、19c、19dは、側面視長方形の環状を成し、長方形の環状コイルにおける後側辺部23が前側辺部21よりも、径方向内側に突設して形成されており、図2に示すように、後側辺部23の内周側をレンズ支持体5の外周面に接着固定している。これにより、前側辺部21はレンズ支持体5の外周面との間に隙間20を形成して固定されている。
【0026】
図2に示すように、マグネット17は、各環状コイル19a、19b、19c、19dの前側辺部21のみに対面して配置されている。
【0027】
各環状コイル19a〜19dの前側辺部21とレンズ支持体5との間の隙間20には、ヨーク3の内周側壁3bが挿入されており、内周側壁3bに対してレンズ支持体5が光軸方向(Z方向)に移動自在になっている。
【0028】
図1に示すように、各環状コイル19a、19b、19c、19dは各々レンズ駆動制御部25に接続されており、レンズ駆動制御部25から各々所定値の電流が通電されるようになっている。
【0029】
図2に示すように、レンズ駆動装置1は、携帯電話の基盤32に装着されており、基盤32にレンズ駆動装置1の端子が接続されている。基盤32には、図1に示すように、画像センサ31が設けてあり、画像センサ31はレンズの結像側に配置されており、レンズにより結像した画像を受けるようになっている。
【0030】
画像センサ31は、基盤32に対して傾斜可能に設けてあり、図1及び図4に示すように、画像センサ31の裏面には、画像センサ31のチルト補正を行う画像センサ傾斜手段35が設けてある。
【0031】
画像センサ傾斜手段35は、複数の圧電素子37を直列に連結した伸縮部39と、伸縮部39の先端に取り付けた弾性樹脂材からなる接続部材41とから構成されており、接続部材41は一端を伸縮部39の先端に固定し、他端部を画像センサ31の裏面に固定している。この画像センサ傾斜手段35によれば、圧電素子37が矢印T(図1参照)に示すように伸び又は縮むことにより、画像センサ31の裏面が圧電素子側に引っ張られて、接続部材41の取付け部が下方に移動することで、画像センサ31が傾斜する。本実施の形態では、各画像センサ傾斜手段35は、図4に示すように、互い直行する位置に2ヶ所設けてあり、図1に示すように、画像センサチルト補正部43から所定の電流を受けて圧電素子37が伸び又は縮むようになっている。
【0032】
レンズ駆動制御部25及び画像センサチルト補正部43は、各々メイン制御部45に接続されており、メイン制御部45からの制御信号に基づいて、レンズ支持体5の傾斜及び画像センサ31の傾斜が制御されるようになっている。メイン制御部45には、ジャイロセンサ(チルト検出手段)47が接続されており、ジャイロセンサ47により検出したカメラの傾斜量に基づいて、レンズ駆動制御部25のチルト補正部29及び画像センサチルト補正部43に各々チルト補正信号を発する。
【0033】
レンズ駆動制御部25はそのZ移動部(光軸方向移動部)27が画像センサ31に接続されており、画像センサ31で結像された像の高域成分のピーク又はコントラストのピークを検出するように、レンズ支持体5をZ方向(光軸方向)に移動して、合焦点位置にレンズ支持体5を駆動する。
レンズ駆動制御部25において、Z移動部27はレンズ支持体5の移動量に応じて各環状コイル19a、19b、19c、19dに通電する電流値A(図1参照)を演算し、チルト補正部29はレンズの光軸の傾きに応じたレンズ支持体5の傾きを調整するために対応する各環状コイル19a、19b、19c、19dに通電する電流値B(図1参照)を演算する。そして、レンズ駆動制御部25ではZ移動部27及びチルト補正部29で演算した値の電流A+B又は電流値Aを、各環状コイル19a、19b、19c、19dに通電するようになっている。
【0034】
図3に示すように、前側スプリング9は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部9aと、外周側部9aの内周に配置され平面視円弧形状の内周側部9bと、外周側部9aと内周側部9bとを連結する各腕部9cとで構成されている。
【0035】
同様に、後側スプリング11は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部11aと、外周側部11aの内周に配置され平面視円弧形状の内周側部11bと、外周側部11aと内周側部11bとを連結する各腕部11cとで構成されている。
【0036】
前側スプリング9の外周側部9aはフレーム7とヨーク3との間に挟持されており、内周側部9bはレンズ支持体5の前端に固定されている。後側スプリング11の外周側部11aはベース8と後側スペーサ15との間に挟持されており、内周側部11bはレンズ支持体5の後端に固定されている。これにより、レンズ支持体5は前側スプリング9と後側スプリング11とにより、前後方向に移動自在に支持されている。
【0037】
そして、レンズ支持体5が前方に移動すると、レンズ支持体5は、前側スプリング9及び後側スプリング11の付勢力の合力と、各環状コイル19a、19b、19c、19d及びマグネット17との間で生じる電磁力とが吊り合う位置で停止する。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の組立て、作用及び効果について説明する。
【0039】
レンズ駆動装置1の組立ては、図2及び図3に示すように、ベース8に、後側スプリング11、後側スペーサ15、環状コイル19a、19b、19c、19dを外周面に固定したレンズ支持体5、4つのマグネット17を内側角部に固定したヨーク3、前側スプリング9、フレーム7をこの順序で組み付け固定する。
【0040】
環状コイル19a、19b、19c、19dは、各々入力端と出力端とを制御部(電源)25に接続し、レンズ駆動制御部25は各環状コイル19a、19b、19c、19dに流す直流電流を個別に制御する。
【0041】
本実施の形態に係るレンズ駆動装置1のオートフォーカス駆動は、レンズ駆動制御部25が画像センサ31から受ける高域成分(コントラスト)のピークを比較しつつ、合焦点位置へレンズ支持体5を光軸方向に直線移動する。
【0042】
レンズ支持体5の光軸方向への移動の際には、図1に示すように、制御部25から各環状コイル19a、19b、19c、19dに各々同じ電流値Aを流すことにより生じるマグネット17との間で生じる電磁力と、前側スプリング9と後側スプリング11との付勢力の合力とが吊り合う位置で停止する。
【0043】
尚、各環状コイル19a、19b、19c、19dでは、前側辺部21と後側辺部23とで互いに逆方向に電流が流れるが、前側辺部21にマグネット17を対面させているので、前側辺部21との間に生じる電磁力により推力を得ることができる。
【0044】
一方、ジャイロセンサ47によりカメラの傾きを検知した場合、即ち、図5(a)に示すように、光軸X0に対する光軸の傾きX1が生じている場合、光軸の傾きを補正するために、レンズ支持体5を傾ける必要がある。この場合には、図1に示すように、環状コイル19a、19b、19c、19dのうちの所定の環状コイル(一つ又は、2つ、3つ)に電流値Bを加えた電流A+Bを流すことにより、レンズ支持体5の姿勢(傾き)を制御する。尚、電流値Bを差し引いてAーBの電流を流すことにより相対的に流す電流を異なるようにしてもよい。
【0045】
また、レンズ支持体5の光軸の傾き補正は、レンズ支持体5を所定位置に移動後に行うものであっても良いし、レンズ支持体5を移動するときに傾きを制御したまま移動する(各環状コイルに流す電流を移動するときから傾きを制御する電流値A+Bとする)ものであってもよい。
【0046】
さらに、メイン制御部45は、画像センサチルト補正部43にも制御信号を発して、画像センサ傾斜手段35を駆動することにより、図5(b)に示すように、レンズ支持体5の傾きと同じ量だけ画像センサ31を傾ける。
【0047】
本実施の形態によれば、レンズ支持体5をレンズ駆動装置(レンズ傾斜手段)1で傾けてチルト補正し、画像センサ31を画像センサ傾斜手段35によりレンズ支持体と同量傾けてチルト補正することにより、レンズ支持体5と画像センサ31とを各々別の傾斜手段(レンズ傾斜と画像センサ傾斜手段)により同じ量傾斜させているから、レンズ支持体5と画像センサ31を一つの筺体に収めて一つの駆動手段によりその筺体を傾斜させる場合に比較して、各傾斜手段1、35に要求される駆動力を小さくできる。
【0048】
レンズ支持体5と画像センサ31とは同じ角度傾斜させてチルト補正するので、レンズ支持体のみをチルト補正した場合に画像センサ31に生じる像のゆがみやボケを防止できる。
【0049】
レンズ駆動手段1がレンズ傾斜手段を兼ねる構成であるから、部品点数の削減、装置の小型化及び簡易化を図ることができる。
【0050】
特に、本実施の形態によれば、レンズ支持体5に配置した複数の環状コイル19a〜19dのうち特定の環状コイルに流す電流値を異ならせることによりチルト補正できるので、レンズ駆動手段用の環状コイルをそのままチルト補正用のコイルとして用いることができる。
【0051】
即ち、本実施の形態によれば、レンズ支持体5の外周に周方向に等間隔に配置した環状コイル19a〜19dと、各環状コイルに対面するマグネット17とで各々レンジ支持体5に推力を付与しているので、レンズ支持体5の光軸方向の移動と、レンズの光軸補正との2つの機能を兼用できる。
【0052】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、光軸の傾きX1(図5参照)は、ジャイロセンサ47に限らず、加速度センサ等により検出するものであっても良い。
【0053】
図7に示すように、画像センサ傾斜手段35は、画像センサ31の裏面に3か所設けても良いし、その数は制限されない。また、圧電素子37を画像センサ31の裏面に対して垂直に積み重ねるように配置しても良い。
【0054】
環状コイル19a〜19d及び各環状コイルに対応するマグネットは、レンズ支持体5の周囲に4つ設けることに限らず、3つでも、5つでも良く、その数は制限されない。
【0055】
本実施の形態では、レンズ支持体5と環状コイル19a〜19dの前側辺分21との間に隙間20を空けてヨーク3の内周側壁3bを隙間20に挿入したが(図2参照)、ヨーク3には内周側壁3bを設けないで、環状コイル19a〜19dの前側辺分21とマグネット17とを対面させるだけであっても良いし、環状コイル19a〜19dの後側辺分23にマグネット17を対面させても良い。
【符号の説明】
【0056】
1 レンズ駆動装置(レンズ駆動手段及びレンズ傾斜手段)
5 レンズ支持体
17 マグネット
19a、19b、19c、19d 環状コイル
25 レンズ駆動制御部
29 チルト補正部
31 画像センサ
32 基盤
35 画像センサ傾斜手段
37 圧電素子
41 接続部材
43 画像センサチルト補正部
45 メイン制御部(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周にレンズを支持するレンズ支持体と、レンズ支持体を光軸方向に移動させてレンズの焦点位置を調整するレンズ駆動手段と、レンズ支持体を光軸に対して傾斜させるレンズ傾斜手段と、レンズ支持体のレンズにより結像した画像を受ける画像センサと、画像センサを傾斜させる画像センサ傾斜手段と、カメラのチルト検知手段と、制御部とを備え、制御部はチルト検知手段からのチルト検知信号を受けると、検知したチルト量に応じてレンズ傾斜手段及び画像センサ傾斜手段とを駆動して、レンズ支持体及び画像センサを同じ角度傾斜させてチルト補正することを特徴とするオートフォーカスカメラ。
【請求項2】
レンズ駆動手段は、レンズ支持体の外周に周方向に間隔を空けて配置した複数の環状コイルと、レンズ支持体の外周に設けてレンズ支持体を移動自在に支持する筺体と、筺体に固定して且つ各環状コイルに対面して配置したマグネットとを備え、レンズ支持体を光軸方向に移動するときには各環状コイルに均等な電流値の電流を流し、レンズ支持体をチルト補正するときには対応するコイルに流す電流の電流値を異ならせることにより、レンズ駆動手段がレンズ傾斜手段を兼ねていること特徴とする請求項1に記載のオートフォーカスカメラ。
【請求項3】
画像センサ傾斜手段は、画像センサの一側部に連結した圧電素子を備え、圧電素子に電流を流すことで圧電素子が伸び又は縮むことにより画像センサの一側部が光軸方向に移動して、画像センサを傾斜させることを特徴とする請求項2に記載のオートフォーカスカメラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のオートフォーカスカメラを搭載したことを特徴とするカメラ付き携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−112713(P2011−112713A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266509(P2009−266509)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000131348)シコー株式会社 (168)
【Fターム(参考)】