説明

オートフォーカス制御回路、オートフォーカス制御方法及び撮像装置

【課題】記録用の圧縮画像データを生成するために撮像装置に設けられる画像圧縮回路と、オートフォーカス処理における合焦位置の探索の指標となるコントラスト評価値を生成する評価値算出回路とを兼用可能とする。
【解決手段】撮像装置は、撮影光学系10、撮像部11、画像圧縮部13、及び合焦処理部16を有する。撮像部11は、撮影光学系10によって結像される被写体像を光電変換する撮像素子110を有し、撮像素子110により取得される撮影画像をA/D変換してデジタル撮影画像データを生成する。画像圧縮部13は、デジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成する。合焦処理部16は、画像圧縮部13により生成された合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、撮影光学系10による被写体像の結像位置を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に、撮像装置における被写体像の合焦状態を自動判定するオートフォーカス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を有するデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置が実用化されている。これらの電子的な撮像装置に適用されるオートフォーカス方式としてコントラスト検出方式が知られている。
【0003】
コントラスト検出方式は、撮像素子の撮像面上に結像される被写体像が合焦状態にあるときに、撮像素子によって取得される撮影画像のコントラストが高くなることを利用する。具体的には、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズの位置又は撮像素子の位置を移動させることで被写体像の結像位置を順次変化させながら、撮影画像を順次取得する。そして、撮像素子により順次取得される複数の撮影画像に関してこれらのコントラストを示すコントラスト評価値を計算し、コントラスト評価値が極大となるフォーカスレンズの位置又は撮像素子の位置を合焦位置に決定する。コントラスト評価値には、例えば、空間周波数の高周波成分の積算値が使用される。このように、コントラスト評価値の極大値を探索することで合焦位置の決定を行なう制御アルゴリズムは、「山登り制御」と呼ばれる。
【0004】
コントラスト検出方式によるオートフォーカスを実行する従来の撮像装置は、コントラスト評価値を生成するための専用回路である評価値算出回路と、評価値算出回路とは別個に設けられる画像圧縮回路とを有する。画像圧縮回路は、非圧縮のデジタル撮影画像データのデータ量を圧縮し、JPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマート、JPEG2000フォーマット等の圧縮画像データを生成する。このような従来の撮像装置は、まず、評価値算出回路により算出されるコントラスト評価値を指標として合焦位置を決定し、その後に、合焦位置での撮影によって得られた撮影画像データを画像圧縮回路により圧縮することによって、記録用の圧縮画像データを生成する。
【0005】
また、特許文献1には、評価値算出回路を含み、コントラスト評価値が極大となるフォーカスレンズ位置を探索して合焦位置を決定するオートフォーカス回路(特許文献1では、AE・AF処理回路)と、合焦位置近傍の複数のフォーカスレンズ位置での複数回の撮影により生成された複数のデジタル撮影画像データを各々圧縮し、複数の圧縮画像データをメモリに出力する画像圧縮回路(特許文献1では、圧縮伸張回路)とを有する撮像装置が開示されている。特許文献1に開示された撮像装置は、被写体に焦点の合った鮮明な画像ほど画像圧縮後のデータサイズが大きくなることに着目して、メモリに保存された複数の圧縮画像データの中から最終的に記録すべき圧縮画像データを選択する。具体的には、コントラスト評価値が極大となるフォーカスレンズ位置を合焦位置に決定し、その後に合焦位置近傍の複数のフォーカスレンズ位置で複数回の撮影を実行し、続いて複数の圧縮画像データをメモリに出力し、最後にメモリに保存された複数の圧縮画像データのうち、最もデータサイズが大きいものを記録用の圧縮画像データとして選択する。
【特許文献1】特開2003−153068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に開示された撮像装置は、圧縮画像データのデータサイズとは異なるコントラスト評価値を指標として、フォーカスレンズの合焦位置を決定する。つまり、特許文献1に開示された撮像装置は、フォーカスレンズ又は撮像素子の合焦位置を探索し決定する過程では、圧縮画像データのデータサイズを使用していない。このため、特許文献1に開示された撮像装置は、評価値算出回路と画像圧縮回路の両方が必須の構成要素であり、回路規模の削減に制約があるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかるオートフォーカス制御回路は、画像圧縮部及び合焦処理部を有する。前記画像圧縮部は、被写体像を結像することによって生成されたデジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って、合焦用圧縮画像データを生成する。前記合焦処理部は、前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、前記被写体像の合焦位置を決定する。
【0008】
また、本願発明の第2の態様は、オートフォーカス制御方法である。当該方法は、画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成する処理と、前記デジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って圧縮画像データを生成する処理と、前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、被写体像の合焦位置を決定する処理とを含む。
【0009】
また、本発明の第3の態様にかかる撮像装置は、撮影光学系、撮像部、画像圧縮部、及び合焦処理部を有する。前記撮像部は、前記撮影光学系によって結像される被写体像を光電変換する撮像素子を有し、前記撮像素子により取得される撮影画像をA/D変換してデジタル撮影画像データを生成する。前記画像圧縮部は、前記デジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成する。前記合焦処理部は、前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、前記被写体像の合焦位置を決定する。
【0010】
上述した本発明の各態様にかかるオートフォーカス制御回路、オートフォーカス制御方法及び撮像装置は、撮影光学系によって結像される被写体像の合焦位置の調節を圧縮画像データのデータサイズに基づいて行なう。これにより、記録用の圧縮画像データを生成するために撮像装置に設けられる画像圧縮回路と、オートフォーカス処理における合焦位置の探索の指標となるコントラスト評価値を生成する評価値算出回路とを兼用させることができる。したがって、本発明の各態様にかかるオートフォーカス制御回路、オートフォーカス制御方法及び撮像装置によれば、コントラスト評価値を算出するための専用回路(評価値算出回路)を撮像装置に必ずしも設ける必要がない。なお、画像圧縮回路を評価値算出回路として兼用する構成は、本発明にかかる撮像装置の実施形態の1つに過ぎない。すなわち、少なくとも圧縮画像データのデータサイズを指標として撮影光学系による被写体像の結像位置を調節するオートフォーカス制御回路及び撮像装置は、本発明に包含される。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、記録用の圧縮画像データを生成するために撮像装置に設けられる画像圧縮回路と、オートフォーカス処理における合焦位置の探索の指標となるコントラスト評価値を生成する評価値算出回路とを兼用させることができる。
【0012】
また、特許文献1に開示された撮像装置は、メモリに保存された複数の圧縮画像データの中で最もデータサイズが大きいものを記録用の圧縮画像データとして選択するために、一時的に複数枚の圧縮画像データを保持しおく必要がある。このため、オートフォーカスを実行して記録用の圧縮画像データを得るために、大きな作業領域(メモリ領域)を必要とするという他の問題がある。
【0013】
これに対して、上述した本発明の各態様にかかるオートフォーカス制御回路、オートフォーカス制御方法及び撮像装置は、圧縮画像データのデータサイズに基づいて合焦位置を決定する。このため、オートフォーカスを実行する過程において、圧縮画像データのデータサイズ情報の取得が完了した後に、その圧縮画像データを破棄しても構わない。つまり、新たな撮影により得られたデジタル撮影画像データを圧縮した圧縮画像データによって、過去の圧縮画像データを上書きしても支障が無い。したがって、本発明の各態様にかかるオートフォーカス制御回路、オートフォーカス制御方法及び撮像装置によれば、オートフォーカスを実行する過程において多数の圧縮画像データを保持しておく必要が無く、少なくとも1枚の圧縮画像データを格納可能な記憶領域が用意されていればよい。これにより、オートフォーカスを行って記録用の圧縮画像データを得るための作業領域として必要なメモリ量を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
<発明の実施の形態1>
図1は、本実施の形態にかかる撮像装置1の主要構成を示すブロック図である。以下では、図1に含まれる各構成要素について順に説明する。図1において、撮影光学系10は、後述する撮像素子110の撮像面に被写体像を結像させるため光学レンズ群である。撮影光学系10は、フォーカスレンズ101を含む。フォーカスレンズ101は、後述するレンズ駆動部163の駆動力によって、撮影光学系10と撮像素子110を結ぶ光軸方向に移動可能である。
【0016】
撮像部11は、撮像素子110、アナログ信号処理部111及びA/D変換部112を含む。撮像素子110は、撮影光学系10を介して入射する光信号を光電変換し、アナログ画像信号を出力するセンサである。撮像素子110は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等である。
【0017】
アナログ信号処理部111は、撮像素子110から出力されるアナログ画像信号の増幅処理、相関二重サンプリングによるノイズ除去などの処理を行う。A/D変換部112は、アナログ信号処理部111から出力されるアナログ画像信号をサンプリングすることで、デジタル撮影画像データを生成する。
【0018】
画質調整部12は、A/D変換部112から供給されるデジタル撮影画像データに対して、欠陥補正、ホワイトバランス調整、色補間、階調補正、色分解、空間フィルタ演算等の画像処理を行う。ここで、欠陥補正とは、撮像素子の欠陥画素の画素値を周辺画素の画素値にから計算した補償値によって置換する処理である。また、ホワイトバランス調整とは、撮影画像のホワイトバランスを調整する処理である。また、色補間とは、Bayer配列の色情報を持つデジタル撮影画像データの画素値からRGBの色情報を持つ画素値を生成する処理である。また、階調補正とは、撮像素子の分光感度特性に基づいてデジタル撮影画像データの画素値を調整する処理である。また、色分解とは、RGBの色情報から、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr信号及びCb信号)を生成する処理である。最後に、空間フィルタ演算とは、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタ等を用いて、デジタル撮影画像データに対する輪郭強調及びノイズ除去を行なう処理である。
【0019】
画像圧縮部13は、画質調整後のデジタル撮影画像データのデータ圧縮処理を行う。本実施の形態では、画像圧縮部13は、JPEGフォーマットへの圧縮を行なう。JPEGで採用される符号化方式は、8画素×8画素の64画素を1ブロックの処理単位として離散コサイン変換を行うことによりデジタル撮影画像データの空間周波数情報(DCT係数)を生成し、生成された空間周波数情報をエントロピー符号化(具体的にはハフマン符号化)することによりデータ量を圧縮する方式である。
【0020】
また、本実施の形態にかかる画像圧縮部13は、デジタル撮影画像データの全体を対象とする画像圧縮処理を行うだけでなく、後述するオートフォーカス対象領域決定部(以下、AF対象領域決定部)161によって撮影画像の中からAF対象領域に指定された部分領域のみを対象とする画像圧縮処理を行えるよう構成されている。
【0021】
一時画像メモリ14は、画像圧縮部13により圧縮された圧縮画像データを一時的に格納するメモリである。本実施の形態にかかる一時画像メモリ14は、少なくとも1枚の撮影画像から生成される圧縮画像データを保持可能である。一時画像メモリ14は、画像圧縮部13によって新たに生成された圧縮画像データにより上書き更新される。
【0022】
なお、一時画像メモリ14は、複数枚の圧縮画像データを格納可能な容量を有してもよいことは勿論である。例えば、合焦処理部16における、新たに生成された圧縮画像データのデータサイズと、その直前に生成された圧縮画像データのデータサイズとの比較を容易にするために、一時画像メモリ14を少なくとも2枚の圧縮画像データを保持可能なメモリとしてもよい。この場合、画像圧縮部13は、一時画像メモリ14に格納された2枚の圧縮画像データのうち古い撮影画像に関する1枚を新たに生成された圧縮画像データによって順に上書き更新すればよい。
【0023】
記録用画像メモリ15は、後述する合焦処理部16によるオートフォーカス処理が完了した後に、合焦状態で撮影された撮影画像を圧縮した記録用の圧縮画像データを格納するメモリである。
【0024】
JPEGの符号化方式では、空間周波数スペクトルを示すDCT係数をハフマン符号化することによりデータ圧縮を行なうため、高周波成分を多く含むコントラストの高い撮影画像ほど、圧縮画像データのデータサイズが大きくなる傾向がある。この性質を利用して、合焦処理部16は、画像圧縮部13により生成された圧縮画像データのデータサイズを指標としてオートフォーカスを実行する。
【0025】
図1の構成例では、合焦処理部16は、AF対象領域決定部161、制御部162及びレンズ駆動部163を有する。AF対象領域決定部161は、撮影画像の中からAF対象領域とする領域を決定する。例えば、AF対象領域決定部161は、撮影画像中のコントラストの高い領域をAF対象領域とする。また、例えば、AF対象領域決定部161は、公知の顔検出アルゴリズムを使用して、撮像部11により生成された撮影画像中から検出された人の顔を含む領域をAF対象領域としてもよい。
【0026】
制御部162は、画像圧縮部13により生成され一時画像メモリ14に格納された圧縮画像データのデータサイズを指標として、撮像素子110の撮像面における合焦状態の判定を行い、合焦状態が得られるフォーカスレンズ101の位置を合焦位置に決定する。より具体的に述べると、制御部162は、フォーカスレンズ101の位置を移動させながら撮像部11に撮影画像を順次取得させ、画像圧縮後のデータサイズが極大となるフォーカスレンズ101の位置を決定する。例えば、圧縮画像データのデータサイズが増加する方向にフォーカスレンズ101を移動させながら撮影を継続するともに、新たな撮影により得られた圧縮画像データのデータサイズを直前の撮影により得られた圧縮画像データのデータサイズと比較する。そして、圧縮画像データのデータサイズが減少に転じたときに、制御部162は、直前の撮影により得られた圧縮画像データのデータサイズを極大値を判定し、直前の撮影時のフォーカスレンズ101の位置を合焦位置に決定すればよい。なお、ガウス曲線及び二次曲線等の近似曲線又は実験により得られた特性曲線によってフォーカスレンズ101の位置と圧縮画像データのデータサイズの関係を近似し、データサイズが極大となる合焦位置を予測してもよい。また、これらの具体例に限らず、制御部162における圧縮画像データのデータサイズを指標とした合焦状態の判定には、"山登り制御"に関する公知の様々な合焦位置探索のためのアルゴリズムを適用可能である。
【0027】
レンズ駆動部163は、制御部162による制御の下で、フォーカスレンズ101を光軸方向に沿って移動させる。
【0028】
続いて以下では、撮像装置1による撮影実行手順、及び合焦処理部16により実行されるオートフォーカスの処理手順について詳細に説明する。図2は、撮像装置1による撮影実行手順を示すフローチャートである。ステップS11では、AF対象領域決定部161がAF対象領域を決定する。ステップS12では、制御部162による制御下で、オートフォーカスが実行され、フォーカスレンズ101の合焦位置が決定される。
【0029】
ステップS13では、オートフォーカス処理に引き続いて、撮影画像が適正な明るさとなるように自動露光(AE:Auto Exposure)処理が実行される。最後に、ステップS14では、オートフォーカス処理及び自動露光処理が完了した状態で、新たな撮影が行われる。ステップS104で得られた圧縮画像データは、記録用画像メモリ15に格納される。なお、撮像装置1は、図2に示したAF対象領域の決定(S11)、オートフォーカス処理(S12)、自動露光処理(S13)、撮影の実行(S14)を含む一連の処理を、例えば、撮像装置1に設けられたシャッターボタン(不図示)を撮影者が押下する動作に応答して実行すればよい。
【0030】
図3は、オートフォーカス処理(図2のS12)の詳細手順の一例を示すフローチャートである。ステップS101及びS102では、フォーカスレンズ101を所定の速度で移動させながら、撮像部11による撮影画像の取得を行なう。なお、フォーカスレンズ101を所定のステップ幅で移動させて、撮影画像を取得してもよい。ステップS103では、画質調整部12が、撮像部11により生成されたデジタル撮影画像データの画質調整を行なう。ステップS104では、画像圧縮部13が、画質調整後のデジタル撮影画像データのAF領域に対応する部分画像を圧縮し、JPEGフォーマットの圧縮画像データを生成する。生成された圧縮画像データは、一時画像メモリ14に格納される。
【0031】
ステップS105では、制御部162が、一時画像メモリ14に格納された圧縮画像データのデータサイズを取得する。ステップS106では、制御部162が、圧縮画像データのデータサイズの極大値を与えるフォーカスレンズ101の位置(以下、ピーク位置と呼ぶ)を探索するアルゴリズムを実行する。具体的には、上述したように、圧縮画像データのデータサイズを指標として、公知の山登り制御アルゴリズムを実行し、圧縮画像データのデータサイズの極大値を探索すればよい。
【0032】
制御部162は、ステップS105で取得したデータサイズと、過去の圧縮画像データのデータサイズとの比較によって、ピーク位置を検出した場合、当該位置を合焦位置に決定してAF処理を終了する。一方、ステップS105で取得したデータサイズが過去の圧縮画像データのデータサイズと比べて単調増加傾向を示す場合等には、制御部162はピーク位置を検出できない。このため、ステップS101に戻って処理を継続する。
【0033】
上述したように、本実施の形態にかかる撮像装置1は、圧縮画像データのデータサイズを指標として、撮影光学系10による被写体像の結像位置の調節を行なうこととした。これにより、記録用の圧縮画像データを生成するために撮像装置1に設けられる画像圧縮部13の出力データを利用してオートフォーカスを実行できる。したがって、合焦位置の探索の指標として利用されるコントラスト評価値を生成する評価値算出回路を別途設ける必要がない。
【0034】
また、撮像装置1は、オートフォーカスの実行過程では、圧縮画像データのデータサイズ情報の取得が完了した後に、その圧縮画像データを破棄しても構わない。このため、本実施の形態にかかる撮像装置1は、オートフォーカス用の圧縮画像データを格納する一時画像メモリ14を、新たな撮影に応じて生成された圧縮画像データにより上書き更新してもよい。よって、一時画像メモリ14は、上述したように、1枚又は2枚程度の圧縮画像データを保持可能であればよい。これにより、多数の圧縮画像データの中から最もデータサイズの大きい1枚を選択するために一時画像メモリに多数の圧縮画像データを同時に保持しておく必要がある特許文献1に開示された撮像装置に比べて、撮像装置1は、オートフォーカスを行って記録用の圧縮画像データを得るまでの過程で作業領域として必要な一時画像メモリ14のメモリ量を削減できる。
【0035】
また、近年、撮像素子の画素数は増加の一途を辿っており、撮像素子の画素数の増加に伴って、撮像素子の欠陥や周辺電子回路によるノイズがRAW画像データの画質を低下させている。このRAW画像データの画質低下が、RAW画像データから直接生成されるコントラスト評価値を用いたオートフォーカスの性能低下を招くことが懸念される。これに対して、撮像装置1は、撮像部11が出力するRAW画像データそのものではなく、ノイズ除去、輪郭強調などの画質調整が施された後のデジタル撮影画像データから生成される圧縮画像データのデータサイズを、オートフォーカスの指標とする。このため、撮像装置1は、撮像素子110の欠陥やノイズがオートフォーカスの精度に影響することを抑制でき、合焦位置を精度良く決定することができる。
【0036】
また、RAW画像データを用いて計算されたコントラスト評価値を指標とするオートフォーカス方式では、輝度を良く反映しているうえ、Bayer配列で最も画素数が多いG画素のみを用いてコントラスト評価値を計算することが多い。つまり、撮影画像の輝度変化を頼りにコントラストを評価する。これに対して、撮像装置1は、RGBの全て又は輝度信号(Y)並びに色差信号(Cr及びCb)の全てについて圧縮符号化が行なわれた圧縮画像データのデータサイズをオートフォーカスに利用することができる。つまり、撮像装置1は、撮影画像の輝度変化だけでなく色の変化によるコントラストが反映された指標を用いて合焦位置を決定できる。このため、撮像装置1は、様々な撮影画像に対してオートフォーカスを精度良く行なうことができる。
【0037】
また、撮像装置1は、オートフォーカスの実行過程では、AF対象領域とされた撮影画像の一部分について画像圧縮を行なうため、デジタル撮影画像データの全体について画像圧縮を行なう場合に比べて、画像圧縮に要する演算量を削減でき、オートフォーカスに要する時間を短縮できる。
【0038】
ところで、図1に示したAF対象領域決定部161及び制御部162により実行される処理は、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータにプログラムを実行させることによって実現可能である。
【0039】
CPUを内蔵する撮像装置1の具体的な構成例を図4に示す。図4の構成図は、撮像装置1がデジタルカメラ製品に適用される際に有益なディスプレイ・デバイス等の構成要素を、図1に示した撮像装置1の主要構成に加えて図示したものである。図5において、CPU164は、ROM(Read Only Memory)171、RAM(Random Access Memory)172又はフラッシュメモリ173に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、AF対象領域決定部161及び制御部162に関する処理を実行する。RAM172は、例えば、オートフォーカス用の圧縮画像データを格納するために使用される。この場合、RAM172は、上述した一時画像メモリ14に相当する。一方、フラッシュメモリ173は、例えば、記録用の圧縮画像データを格納するために使用される。この場合、フラッシュメモリ173は、記録用画像メモリ15に相当する。ディスプレイ・デバイス175は、ディスプレイ・インタフェース174を介して供給される画像を表示する。ディスプレイ・デバイス175は、撮像部11が順次出力する撮影画像(スルー画像)の表示、顔検出アルゴリズムの実行によって検出された顔領域の表示、オートフォーカス完了後のスルー画像の表示、撮影者がシャッターボタン(不図示)を操作することによって得られた撮影画像の表示等を行なう。
【0040】
<発明の実施の形態2>
上述した発明の実施の形態1では、圧縮画像データのデータサイズを指標として合焦位置の決定を行なう撮像装置の具体例について説明した。しかしながら、発明の実施の形態1は、圧縮画像データのデータサイズを指標としてオートフォーカスを行なう撮像装置の一例に過ぎない。本実施の形態にかかる撮像装置2は、圧縮画像データのデータサイズに加えて、その他のコントラスト評価値を併せて使用して合焦位置の決定を行う撮像装置である。
【0041】
図5は、本実施の形態にかかる撮像装置2の主要構成を示すブロック図である。図1に示したブロック図と図5との相違点は、コントラスト評価値の計算を行なう評価値算出部264が設けられている点、並びに、制御部262が圧縮画像データのデータサイズ及び評価値算出部264により計算されるコントラスト評価値を指標として合焦位置を決定する点である。
【0042】
評価値算出部264は、撮影画像データの中で少なくともAF対象領域に対応する領域に関するコントラスト評価値を計算する。コントラスト評価値としては、撮影画像のコントラストの大きさを反映した様々なパラメータが使用可能である。例えば、AF対象領域の高周波成分の大きさをコントラスト評価値としてもよい。また、例えば、AF対象領域の各々の画素について、水平方向又は垂直方向に隣接する画素との画素値の差分(絶対値)を計算し、得られた画素値の差分をAF対象領域内において積算した積算値をコントラスト評価値としてもよい。
【0043】
制御部262は、一時画像メモリ14に格納された圧縮画像データのデータサイズ、及び評価値算出部264によって計算されたコントラスト評価値の両方を指標として、フォーカスレンズ101の合焦位置を決定する。
【0044】
図6は、撮像装置2におけるオートフォーカス処理の詳細手順の一例を示すフローチャートである。図6に示した処理ステップのうち、図3と同様の処理ステップについては図3と同一の符号(S101〜S105)を付している。これらの処理ステップについての説明は省略する。
【0045】
ステップS203では、評価値算出部264が、撮像部11により生成されたデジタル撮影画像データのコントラスト評価値を算出する。なお、図6では、便宜上、ステップS203とステップS103の順序を規定しているが、これらの実行順序は特に限定されるものではない。ステップS203とステップS103は、並行して実行されても良いし、ステップS103が先に実行されてもよい。
【0046】
ステップS206では、制御部262が、圧縮画像データのデータサイズの極大値及びコントラスト評価値の極大値を与えるフォーカスレンズ101の位置(ピーク位置)を探索する。ピーク位置が検出された場合、検出されたピーク位置を合焦位置に決定してAF処理を終了する。一方、ピーク位置が検出されない場合には、ステップS101に戻って処理を継続する。
【0047】
なお、ステップS206における合焦位置の決定は、例えば、以下のように行なうことができる。例えば、撮影環境の明るさの違いに応じて、撮影環境が明るい場合にはコントラスト評価値を指標に用い、撮影環境が暗い場合には圧縮画像データのデータサイズを指標に用いて合焦位置の決定を行うとよい。薄暗い環境での撮影では、ノイズが強調され、撮影画像の輝度の変化が乏しくなるため、デジタル撮影画像データのG成分を用いたコントラスト評価値を指標としてフォーカスレンズ101のピーク位置を検出することが難しくなる。このため、薄暗い撮影環境では、圧縮画像データのデータサイズを用いることでオートフォーカスの精度を向上させることができる。なお、コントラスト評価値と圧縮画像データのデータサイズのどちらを指標とするかの切り替えは、デジタル撮影画像データの画素値の大きさに基づいて自動的に行ってもよいし、撮像装置2を適用したデジタルカメラの撮影モードの変更に応じて切り替えてもよい。
【0048】
また、2つの評価値(コントラスト評価値及び圧縮画像データのデータサイズ)によるピーク位置の決定を並行して行い、コントラスト評価値を指標として決定されたピーク位置と圧縮画像データのデータサイズを指標として決定されたピーク位置を比較してもよい。2つのピーク位置が異なる場合は、コントラスト評価値及び圧縮画像データのデータサイズのいずれか一方に、ノイズ等の影響による擬似ピークが生じたことに起因する誤判定と考えられる。このため、2つのピーク位置を比較することにより、合焦位置の誤判定を防止し、オートフォーカスの精度を向上させることができる。具体的には、2つの合焦位置のズレが所定の閾値を超えている場合に、以下の手順によって一方のピーク位置を選択し、選択されたピーク位置を合焦位置とすればよい。すなわち、ピーク位置を探索する過程で取得されたコントラスト評価値の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)と、圧縮画像データのデータサイズの最大値と最小値の比率(最大値/最小値)とを比較し、比率の大きい方のピーク位置を選択する。なお、2つの合焦位置のズレが所定の閾値を超えている場合に、オートフォーカスを再実行してもよい。
【0049】
<発明の実施の形態3>
上述した発明の実施の形態2では、圧縮画像データのデータサイズ及びその他のコントラスト評価値を兼用して合焦位置の決定を行なう撮像装置の一例を示した。本実施の形態にかかる撮像装置は、圧縮画像データのデータサイズ及びその他のコントラスト評価値を兼用して合焦位置の決定を行なう撮像装置の他の例を示すものである。
【0050】
なお、本実施の形態にかかる撮像装置の構成は、図4に示した撮像装置2と同様とすればよい。このため、本実施の形態にかかる撮像装置に関する構成図の再掲及びこれに関する詳細説明を省略する。また、以下の説明において本実施の形態にかかる撮像装置の構成要素を参照する際には、図4に示した撮像装置2の各構成要素の符号を使用する。
【0051】
図7は、本実施の形態にかかる撮像装置によって実行されるオートフォーカス処理の詳細手順の一例を示すフローチャートである。図7に示した処理ステップのうち、図3と同様の処理ステップについては図3と同一の符号(S101〜S106)を付している。これらの処理ステップについての説明は省略する。
【0052】
ステップS301では、フォーカスレンズ101の移動速度をV1に設定する。ステップS302及びS303では、フォーカスレンズ101を速度V1で移動させながら、撮像部11による撮影画像の取得を行なう。ステップS304では、評価値算出部264が、撮像部11により生成されたデジタル撮影画像データのコントラスト評価値を算出する。
【0053】
ステップS305では、制御部262が、いわゆる山登り制御によるコントラスト評価値の探索アルゴリズムを実行し、ピーク位置、つまりフォーカスレンズ101の位置がコントラスト評価値の極大値を与える位置を通過したか否かを判定する。具体的には、ステップS304で算出されたコントラスト評価値と、過去のコントラスト評価値との比較によって、単調増加傾向にあったコントラスト評価値が減少に転じたことによって、ピーク位置の通過を判定すればよい。ピーク位置の通過が検出されない場合にはステップS302に戻って処理を繰り返す。一方、ピーク位置の通過が検出された場合には、ステップS306に進む。
【0054】
ステップS306では、レンズ移動速度をV1より低速であり、かつ、逆方向であるV2に変更する。ステップS306に引き続くステップS101及びS102では、フォーカスレンズ101を速度V2で移動させながら、撮像部11による撮影画像の取得を行なう。これ以降は、図3に示したステップS103〜S106と同様の処理によって、圧縮画像データの極大値を与えるフォーカスレンズ101の位置を合焦位置に決定する。なお、上述した合焦位置を決定するためのアルゴリズムは一例であって、その他の公知の山登り制御アルゴリズムを使用してもよいことは勿論である。
【0055】
上述したように、本実施の形態にかかる撮像装置は、レンズ移動速度を高速としたオートフォーカスの前半部分の処理は、評価値算出部264により算出されるコントラスト評価値を指標として合焦位置の粗い探索を行なう。そして、レンズ移動速度を低速としたオートフォーカスの後半部分の処理において、圧縮画像データのデータサイズを指標として合焦位置を決定する。これにより、オートフォーカスの前半部分の処理では、画像圧縮処理が不要となる。したがって、画像圧縮に要する時間とコントラスト評価値の算出に要する時間との差分だけ、オートフォーカスに要する時間を短縮できる。
【0056】
<その他の実施の形態>
上述した発明の実施の形態1乃至3では、撮影光学系10に含まれるフォーカスレンズ101を移動させることによって、被写体像の結像位置を調節する例を示した。しかしながら、被写体像の結像位置の調節は、撮像素子110を移動させることにより行ってもよい。
【0057】
また、上述した発明の実施の形態1乃至3では、一時画像メモリ14に少なくとも1枚の圧縮画像データが格納されるものとして説明した。しかしながら、画像圧縮部13が、圧縮画像データをメモリに出力せずにデータサイズを取得するよう構成してもよい。この場合、制御部162又は262は、画像圧縮部13により取得されたデータサイズを入力して、合焦位置の決定を行えばよい。このような構成によれば、一時画像メモリ14を設ける必要がないため、オートフォーカスを行って記録用の圧縮画像データを得るまでの過程で作業領域として必要なメモリ量をより一層削減できる。
【0058】
また、上述した発明の実施の形態1乃至3では、画像圧縮部13がJPEGの符号化方式により画像圧縮を行なう例を示した。しかしながら、画像圧縮部13に適用される符号化方式は、ウェーブレット変換を行うJPEG2000の符号化方式であってもよい。また、画像圧縮部13には、JPEG及びJPEG2000と同様に、離散フーリエ変換、離散コサイン変換、又はウェーブレット変換等によってデジタル撮影画像データを周波数表現に情報変換した後に圧縮符号化を行う他の符号化方式、つまり周波数表現での情報量と圧縮後のデータサイズの間に正の相関関係がある他の符号化方式を適用しても良い。
【0059】
また、上述した発明の実施の形態1乃至3では、AF対象領域のみの画像圧縮を行なう構成例を示した。しかしながら、撮影画像の全体について圧縮画像データを生成し、これのデータサイズを指標として合焦位置の決定を行ってもよい。この場合、上述した発明の実施の形態1乃至3で示した構成から、AF対象領域決定部161を省略してもよい。
【0060】
また、上述した発明の実施の形態1乃至3にかかる撮像装置は、記録用の圧縮画像データの生成時と、オートフォーカス用の圧縮画像データの生成時とでは、圧縮率、圧縮対象データ等を変更してもよい。例えば、記録用の圧縮画像データは、ユーザにより指定された低圧縮率の高画質データとし、オートフォーカス用の圧縮画像データは、記録用の圧縮画像データに比べて高圧縮率の低画質データとしてもよい。また、例えば、オートフォーカス用の圧縮画像データは、デジタル撮影画像データのG成分のみや輝度成分のみについて生成してもよい。これにより、一時画像メモリ14のサイズを削減できるとともに、オートフォーカス用の圧縮画像データの生成に要する演算量を削減できる。
【0061】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる撮像装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる撮像装置による撮影手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる撮像装置によるオートフォーカス処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる撮像装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる撮像装置によるオートフォーカス処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる撮像装置によるオートフォーカス処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1、2 撮像装置
10 撮影光学系
101 合焦レンズ
11 撮像部
110 撮像素子
111 アナログ信号処理部
112 A/D変換部
12 画質調整部
13 画像圧縮部
14 一時画像メモリ
15 記録用画像メモリ
16 合焦処理部
161 オートフォーカス対象領域決定部
162 制御部
163 レンズ駆動部
164 CPU(Central Processing Unit)
171 ROM
172 RAM
173 フラッシュメモリ
174 ディスプレイ・インタフェース
175 ディスプレイ・デバイス
262 制御部
264 評価値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を結像することによって生成されたデジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成する画像圧縮部と、
前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、前記被写体像の合焦位置を決定する合焦処理部と、
を備えるオートフォーカス制御回路。
【請求項2】
前記合焦処理部は、前記被写体像の結像位置を変更した複数回の撮影により得られる複数の前記合焦用圧縮画像データのデータサイズの変化に基づいて、前記合焦位置を決定する、請求項1に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項3】
前記合焦処理部は、前記合焦用圧縮画像データのデータサイズが極大となる前記被写体像の結像位置を前記合焦位置に決定する請求項2に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項4】
前記合焦用圧縮画像データを格納する一時画像メモリをさらに備え、
前記合焦処理部は、前記一時画像メモリに記録される前記合焦用圧縮画像データのデータサイズを利用して前記合焦位置を決定し、
前記一時画像メモリは、少なくとも前記合焦処理部による前記合焦位置の決定が行なわれている間、新たな撮影により得られた前記合焦用圧縮画像データによって上書き更新されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項5】
前記合焦処理部は、撮影画像の一部領域に対応する前記デジタル撮影画像データを対象として生成された圧縮画像データを前記合焦用圧縮画像データとして用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項6】
前記撮影画像の一部領域をオートフォーカス対象領域に決定するオートフォーカス対象領域決定部をさらに備え、
前記画像圧縮部は、少なくとも前記合焦処理部により前記合焦位置の決定が行われている間、前記デジタル撮影画像データ中の前記オートフォーカス対象領域に対応する部分画像データについて前記合焦用圧縮画像データを生成する請求項5に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項7】
前記画像圧縮部は、前記合焦処理部による前記合焦位置の決定のために生成される前記合焦用圧縮画像データと、前記合焦位置の決定後に生成される記録用圧縮画像データとでデータ圧縮率を変更する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のオートフォーカス制御回路。
【請求項8】
画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成し、
前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、被写体像の合焦位置を決定するオートフォーカス制御方法。
【請求項9】
前記被写体像の結像位置を変更した複数回の撮影により得られる複数の前記合焦用圧縮画像データのデータサイズの変化に基づいて、前記合焦位置を決定する、請求項8に記載のオートフォーカス制御方法。
【請求項10】
前記合焦用圧縮画像データのデータサイズが極大となる前記被写体像の結像位置を前記合焦位置に決定する請求項9に記載のオートフォーカス制御方法。
【請求項11】
少なくとも前記結像位置の調節が行なわれている間、新たな撮影により得られた前記合焦用圧縮画像データによって一時画像メモリを上書きし、
前記合焦位置の決定は、前記一時画像メモリに順次上書きされる前記合焦用圧縮画像データのデータサイズを使用して行なわれることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のオートフォーカス制御方法。
【請求項12】
撮影画像の一部領域を対象として生成された圧縮画像データを前記合焦用圧縮画像データとして用いることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のオートフォーカス制御方法。
【請求項13】
撮影光学系と、
前記撮影光学系によって結像される被写体像を光電変換する撮像素子を有し、前記撮像素子により取得される撮影画像をA/D変換してデジタル撮影画像データを生成する撮像部と、
前記デジタル撮影画像データに対する画像圧縮処理を行って合焦用圧縮画像データを生成する画像圧縮部と、
前記合焦用圧縮画像データのデータサイズに基づいて、前記被写体像の合焦位置を決定する合焦処理部と、
を備える撮像装置。
【請求項14】
前記合焦処理部は、前記撮像素子又は前記撮影光学系に含まれるフォーカスレンズの少なくとも一方の位置を移動させながら行われる複数回の撮影により得られる複数の前記合焦用圧縮画像データのデータサイズの変化に基づいて前記合焦位置を決定し、前記撮影レンズ又は前記撮像素子の位置を前記合焦位置に移動させる請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記合焦処理部は、前記合焦用圧縮画像データのデータサイズが極大となる前記被写体像の結像位置を前記合焦位置に決定する請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記合焦用圧縮画像データを格納する一時画像メモリをさらに備え、
前記合焦処理部は、前記一時画像メモリに記録される前記合焦用圧縮画像データのデータサイズを利用して前記合焦位置を決定し、
前記一時画像メモリは、少なくとも前記合焦処理部による前記合焦位置の決定が行なわれている間、新たな撮影により得られた前記圧縮画像データによって上書き更新されることを特徴とする請求項14又は15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記合焦処理部は、前記撮影画像の一部領域を対象として生成された圧縮画像データを前記合焦用圧縮画像データとして用いることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記撮影画像の一部領域をオートフォーカス対象領域に決定するオートフォーカス対象領域決定部をさらに備え、
前記画像圧縮部は、少なくとも前記合焦処理部により前記合焦位置の決定が行われている間、前記デジタル撮影画像データ中の前記オートフォーカス対象領域に対応する部分画像データについて前記圧縮画像データを生成する請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記画像圧縮部は、前記合焦処理部による前記合焦位置の決定のために生成される前記合焦用圧縮画像データと、前記合焦位置の決定後に生成される記録用圧縮画像データとでデータ圧縮率を変更する請求項13乃至18のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−109564(P2009−109564A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279032(P2007−279032)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】