説明

オープンカーの側部車体構造

【課題】フェンダに深絞り加工でフランジを形成し、フェンダ外表面の皺の発生を抑制し、フェンダの水漏れ対策及び強度対策を講じることを課題とする。
【解決手段】車体に形成された開口を開閉するように移動可能な可動カバーを有するオープンカーにおいて、可動カバーは、開口の閉時にはフェンダ23の前後に延びる上縁部と当接し、開口の開時にはフェンダ23の上縁部から離間するように構成される。フェンダ23は、前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成されたフェンダフランジ23bと、上下に延びる前縁部が車体内方に曲折されて形成されたフェンダ端面23cとを有する。フェンダフランジ23bとフェンダ端面23cとを連続させずに非連続とし、両者23b,23c間に生成した欠損部23dを覆いながら両者23b,23cを繋ぐ連結部材30を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオープンカーの側部車体構造、特に車体の側部外表を形成するフェンダの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、オープンカーは、ベルトラインより上方のピラーやルーフ部分が除去されて視界が広くなり開放感に富む車両であるが、天候の急変等に対応できるように、展開位置(クローズド状態)と格納位置(オープン状態)とに選択可能な開閉式の屋根を備えるものがある。展開位置では屋根は車室を車外から区画し、格納位置では屋根は車体内部に設けられた格納スペースに格納される。このような開閉式屋根としてソフトトップ方式とハードトップ方式とが知られている。前者は、金属製の骨組みの上に布製の幌を張った構成で、幌を蛇腹のように折り畳んで格納する。一方、後者は、ルーフパネル部分に相当する合成樹脂製前部パネルとリヤピラー部分に相当する合成樹脂製後部パネルとを連結した構成で、ソフトトップ方式よりも耐候性、遮音性、防犯性に優れ、リンク機構を介して前後の両パネルを上下に重ねて格納する。
【0003】
ここで、ソフトトップ方式は屋根が柔軟性に富むので、ルーフ部分の立設範囲内で屋根の展開作業及び格納作業が行えるのに対し、ハードトップ方式は屋根が柔軟性に欠けるので、樹脂製パネルの移動軌跡によっては、ルーフ部分の立設範囲を食み出さないと屋根の展開作業及び格納作業が行えないことがある。したがって、この場合、樹脂製パネルが通過できるように、ルーフ部分の立設範囲より大きな径の開口を例えばシート後方の車体上面に形成することとなるが、車両のデザイン要件等から、ソフトトップ方式とハードトップ方式とで車体の形状を同じに保とうとすると、前記開口を隠蔽するための可動カバー、つまり屋根の格納スペースの上面を覆う可動カバーが必要となる。
【0004】
この点につき図8を参照してさらに説明する。図8(a)は、開閉式屋根が閉じられたクローズド状態の車両の上部側面図、図8(d)は、開閉式屋根が開かれたオープン状態の車両の上部側面図である。図8(a)に示すように、車両はフロントウインドaを有し、このフロントウインドaより後方の部分がハードトップ方式の開閉式屋根とされている。開閉式屋根は、ルーフパネル部分に相当する樹脂製のフロントルーフbと、リヤピラー部分に相当する樹脂製のミドルルーフcとを備え、ミドルルーフcにバックウインドdが着脱自在に嵌め込まれている。
【0005】
一方、車体の側部外表は、前から順に、フロントフェンダf、サイドドアg及びリヤフェンダiで形成され、リヤフェンダiの上縁部とミドルルーフc及びバックウインドdの下縁部との間に、可動カバーとしてのデッキカバーeが前後移動可能に備えられている。このデッキカバーeは、車体後部に設けられた前記開閉式屋根の格納スペース(図8(c)及び図8(d)参照)の上面を覆うものである。ここで、サイドドアgが閉じた状態では、ドアガラスhの上縁部がフロントルーフbの側縁部に当接し、ドアガラスhの後縁部がミドルルーフcの前縁部に当接する。また、サイドドアgの後縁部がリヤフェンダiの前縁部に当接する。
【0006】
このクローズド状態の車両をオープン状態にする開閉式屋根の格納時には、まず、図8(a)に矢印で示したように、デッキカバーeを所定距離だけ後方移動させる。これにより、ルーフ部分の立設範囲より大きな径の開口(図示せず)がシートj(図8(c)参照)より後方の車体上面に現れる。図8(b)はこの状態を示している。
【0007】
次に、前記開口を通過させることにより、フロントルーフb、ミドルルーフc及びバックウインドdを車体内部の格納スペースに格納する。すなわち、図8(c)に示すように、ミドルルーフcを後方に回動させ、その上にバックウインドdを前方に回動させ、さらにその上にフロントルーフbをリンク機構(図示せず)を介して下降移動させる。
【0008】
そして、図8(c)に矢印で示したように、デッキカバーeを元の位置まで前方移動させる。これにより、前記開口がデッキカバーeで塞がれて、図8(d)に示したオープン状態への移行が完了する。また、このとき、前記開口がデッキカバーeで塞がれることにより、この車両は開閉式屋根がハードトップ方式であるけれども、ソフトトップ方式の車両と同じ車体の形状に保たれる。なお、これとは逆に、オープン状態の車両をクローズド状態にする開閉式屋根の展開時には、図8(d)の状態から、図8(c)、図8(b)、図8(a)の順に作業が進行する。
【0009】
ところで、前記デッキカバーeのように、車体に対して移動可能に設けられ、車体に形成された開口を開閉する可動カバーを備えた場合には、その可動カバーと車体側部材との間の気密性を維持して車室内への雨水や騒音の侵入を防ぐウエザストリップを取り付けることが必要となる。次に、この点につき図9を参照して説明する。図9(a)は、開閉式屋根がソフトトップ方式の車両における図8(a)のr−r線に沿う部分に相当する部分の断面図、図9(b)は、開閉式屋根がハードトップ方式の車両における図8(a)のr−r線に沿う部分の断面図である。
【0010】
まず、図9(a)に示すように、開閉式屋根がソフトトップ方式の場合は、可動カバーとしてのデッキカバーeが無く、リヤフェンダiの上縁部と布製の幌kの下部とが対向して、その間にベルトラインモールmが配設されることとなる。一方、図9(b)に示すように、開閉式屋根がハードトップ方式の場合は、リヤフェンダiの上縁部とミドルルーフcの下縁部との間にデッキカバーeが介在して、リヤフェンダiの上縁部とデッキカバーeの下縁部との間及びミドルルーフcの下縁部とデッキカバーeの上縁部との間にそれぞれウエザストリップn,oが配設されることとなる。すると、リヤフェンダiにおいては、図示したように、前記ウエザストリップnを取り付けるためのフランジpが必要となり、このフランジpは、一般に、深絞り加工によって、リヤフェンダiの上縁部を車体内側で下方に曲折した後、さらに車体内方に曲折することにより形成される。
【0011】
この場合、フェンダフランジpの前部と、サイドドアgの後縁部が当接するフェンダ端面q(リヤフェンダiの前縁部を車体内方に曲折することにより形成される)の上部とが繋がっていると、深絞り加工の際に、フェンダiの外表面に皺が発生し易くなり(特に皺が発生し易いと思われる部分を図9(b)に×印で例示した)、車両の外観ひいては車両の商品価値が著しく損なわれるという問題が生じる。しかも、前述したように、開閉式屋根がハードトップ方式の場合は、リヤフェンダiの上縁部で規定される屋根格納用の開口の径が拡大されているから(このことは図9(b)のリヤフェンダiの上縁部の位置が図9(a)のリヤフェンダiの上縁部の位置よりも外側にシフトしていることから明らかである)、深絞り加工の際の皺発生の問題がより一層顕著化する。
【0012】
このような不具合に対処するためには、例えば、フェンダフランジpとフェンダ端面qとを連続させずに非連続とすること、すなわち、この場合でいえば、フェンダiの前上角部を欠損させること(切り欠くこと)が考えられる。しかし、このリヤフェンダiの前上角部は、図8(a)から明らかなように、サイドドアg、ドアガラスh及びミドルルーフcとの交点に位置するため、この部分においてフェンダiに欠損があると、その欠損部からの水漏れやフェンダi自体の強度不足の問題が懸念される。
【0013】
以上は、フェンダ端面qが車両前後方向の前方を向く前端面の場合であったが、可動カバーの車体における位置によっては、例えばフェンダ端面が車両前後方向の後方を向く後端面の場合にも同様の問題が起こり得る。また、以上は、フェンダiがリヤフェンダの場合であったが、やはり可動カバーの車体における位置によっては、フロントフェンダの場合にも同様の問題が起こり得る。
【0014】
なお、特許文献1には、開閉可能な幌を備えたコンバーチブル車両において、幌の前縁部とフロントウインド上縁部との間、幌の側縁部とドアガラス上縁部との間、幌のリヤクオータ部とドアガラス後縁部との間に、それぞれウエザストリップを備え、かつ、幌側のリヤクオータ部ウエザストリップの下端部を車体側のモケットウエザストリップで支持することが開示されているが、前記不具合を解決するものではない。
【0015】
【特許文献1】特開2004−149010(図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はオープンカーにおける前記不具合に対処するもので、車体の側部外表を形成するフェンダに深絞り加工によってフランジを形成しながらも、フェンダ外表面における皺の発生を抑制し、かつフェンダの水漏れ対策及び強度対策が講じられたオープンカーの側部車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、車体に対して移動可能に設けられ、車体に形成された開口を開閉する可動カバーが備えられたオープンカーの側部車体構造であって、前記可動カバーは、開口を閉じたときに、車体の側部外表を形成するフェンダの前後に延びる上縁部と当接し、開口を開いたときに、前記フェンダの上縁部から離間するように構成されていると共に、前記フェンダは、前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成されたフェンダフランジと、上下に延びる前縁部又は後縁部が車体内方に曲折されて形成されたフェンダ端面とを有しており、かつ、前記フェンダフランジと前記フェンダ端面とは非連続とされて、両者間に生成した欠損部を覆いながら両者を繋ぐ連結部材が設けられていることを特徴とする。
【0018】
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のオープンカーの側部車体構造であって、前記連結部材は、前記フェンダ端面と重なり合う重合部を有すると共に、少なくとも前記フェンダ端面をシールするシール部材がフェンダに取り付けられ、このシール部材は、前記重合部において、前記フェンダ端面に固定されていることを特徴とする。
【0019】
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のオープンカーの側部車体構造であって、少なくとも前記フェンダフランジをシールする第2のシール部材がフェンダに取り付けられ、この第2のシール部材は、前記重合部において、前記シール部材とは異なる部位で、前記フェンダ端面に固定されていることを特徴とする。
【0020】
次に、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項2又は3に記載のオープンカーの側部車体構造であって、前記連結部材は、前記フェンダフランジと重なり合う重合部をさらに有し、このフェンダフランジとの重合部及び前記フェンダ端面との重合部においてフェンダに結合されていることを特徴とする。
【0021】
そして、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項2から4のいずれかに記載のオープンカーの側部車体構造であって、オープンカーは開閉式の屋根を備え、可動カバーが開閉する前記開口は前記開閉式屋根を車体後部の格納スペースに格納又は格納スペースから展開するための開口であると共に、前記シール部材は、リヤフェンダの前上角部に配置されて、前面下部がサイドドアの上部と当接し、前面上部がドアガラスの下部と当接し、内面上部が前記開閉式屋根の下部と当接し、後面上部が前記可動カバーの前部と当接するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
まず、請求項1に記載の発明によれば、車体に形成された開口を開閉するように車体に対して移動可能な可動カバーが備えられたオープンカーにおいて、前記開口が閉状態のときには、車体の側部外表を形成するフェンダの上縁部と前記可動カバーとが当接し、前記開口が開状態のときには、前記フェンダの上縁部と前記可動カバーとが離間するように構成されている場合に、前記フェンダが、フェンダフランジ(前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成される)と、フェンダ端面(上下に延びる前縁部又は後縁部が車体内方に曲折されて形成される)とを有しているから、もしこれらのフェンダフランジとフェンダ端面とが連続して繋がっていれば、前記フェンダフランジを深絞り加工により形成する際に、フェンダの外表面に皺が発生し易くなるのであるが、本発明においては、前記フェンダフランジと前記フェンダ端面とは非連続とされているから、皺発生の問題を抑制しながら、フェンダフランジを深絞り加工によって良好・円滑に形成することができる。そして、そのうえで、前記フェンダフランジと前記フェンダ端面との間に生成した欠損部(切欠部)を覆いながら前記フェンダフランジと前記フェンダ端面とを繋ぐ連結部材が設けられているから、この連結部材により前記欠損部が閉塞されてフェンダの水漏れ対策が講じられると共に、この連結部材によりフェンダフランジとフェンダ端面とが連続的に一体化されてフェンダの強度対策が講じられることとなる。
【0023】
次に、請求項2に記載の発明によれば、前記連結部材と前記フェンダ端面とが重なり合う重合部が形成されているから、この重合部においては、前記連結部材は補強部材のように機能することとなり、その結果、前記フェンダ端面の強度が高められることとなる。そのうえで、少なくとも前記フェンダ端面をシールするシール部材が前記重合部において前記フェンダ端面に固定されているから、このシール部材のフェンダへの取付強度が確保されることとなる。
【0024】
次に、請求項3に記載の発明によれば、前記請求項2に記載の発明と類似して、少なくとも前記フェンダフランジをシールする第2のシール部材が前記重合部において前記フェンダ端面に固定されているから、この第2シール部材のフェンダへの取付強度もまた確保されることとなる。しかも、その場合に、前記第2シール部材は、請求項2のシール部材とは異なる部位で固定されているから、シール部材が複数備えられているときに、各シール部材に作用する荷重が1つの固定部位に集中することがなく分散されることとなり、その結果、各固定部位におけるシール部材のフェンダへの取付強度が確保されると共に、前記重合部の補強強度を増強する必要もなくなる。
【0025】
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記連結部材とフェンダ端面との重合部に加えて、前記連結部材と前記フェンダフランジとが重なり合う重合部がさらに形成されており、これらの両重合部において連結部材がフェンダに結合されているから、シール部材ひいては連結部材に複数の車両部品により様々な方向から荷重が加わるような場合でも、シール部材ひいては連結部材の取付強度が確保できる。つまり、フェンダフランジは前後に延び、フェンダ端面は上下に延びているから、一方の重合部に取付けの耐力の点で弱い剥離方向の荷重が掛かっても、他方の重合部には取付けの耐力の点で強いせん断方向の荷重が掛かることとなり、これにより、シール部材ひいては連結部材に複数の車両部品により様々な方向から荷重が掛かっても、シール部材ひいては連結部材の全体の取付けの耐力が保持されることとなる。
【0026】
そして、請求項5に記載の発明によれば、開閉式屋根とその格納スペースとを備えたオープンカーにおける本発明の好ましい実施形態の1つが実現されることとなる。すなわち、可動カバーは車体後部に設けられた格納スペースの上面を覆うように車体後部にあり、フェンダはリヤフェンダであって、例えば、前記シール部材には、サイドドア及びドアガラスから、その閉時に車体内方への荷重が掛かり、開閉式屋根の下部から、その閉時に車体前方への荷重が掛かり、可動カバーの前部から、その閉時に車体下方への荷重が掛かるような実施形態が実現される。以下、発明の最良の実施形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は本実施形態に係るオープンカー1の斜視図である。このオープンカーは2ドア2シーターのコンバーチブル車両であって、開閉式屋根10は、車室を車外から区画する展開位置(クローズド状態)と、車体内部に設けられた格納スペースに格納される格納位置(オープン状態)とに選択自在に切り替えることができる。なお、図1はクローズド状態を示している。
【0028】
開閉式屋根10は、耐候性、遮音性、防犯性に優れるハードトップ方式のものであって、フロントウインド11より後方でベルトラインより上方のピラーやルーフ部分が車室内の不図示のシートより後方でトランクより前方の格納スペースに格納される。このときの様子は図8を参照してすでに述べたところであるのでここではその説明を省略する。
【0029】
開閉式屋根10は、ルーフパネル部分に相当する合成樹脂製のフロントルーフ12と、リヤピラー部分に相当する合成樹脂製のミドルルーフ13とを備え、両ルーフ12,13はリンク機構で連結されている。また、ミドルルーフ13にバックウインド14が着脱自在に嵌め込まれており、ミドルルーフ13は車体に回動自在に支持されている。
【0030】
開閉式屋根10の後方には、格納スペースの上面を覆うデッキカバー15と、トランクを開閉するトランクリッド16とが配設されている。デッキカバー15は前後移動可能であって、開閉式屋根10の格納時及び展開時には所定距離だけ後方移動する。これにより、ルーフ部分の立設範囲より大きな径の開口がシートより後方の車体上面に現れ、開閉式屋根10のフロントルーフ12やミドルルーフ13がこの開口を支障なく通過することが可能となる。この開口の開時には、デッキカバー15は、次に説明するリヤフェンダ23の前後に延びる上縁部から離間する。一方、開口の閉時には、デッキカバー15は、前方移動してリヤフェンダ23の上縁部と当接する。なお、図1はデッキカバー15が前方移動した状態を示している。
【0031】
一方、このオープンカー1の側部車体構造20は、前から順に、フロントフェンダ21、サイドドア22及びリヤフェンダ23を含んでいる。いずれも車体の側部外表を形成する大型の重要部品である。ここで、サイドドア22が閉じた状態では、ドアガラス24の上縁部がフロントルーフ12の側縁部に当接し、ドアガラス24の後縁部がミドルルーフ13の前縁部に当接している。また、サイドドア22の後縁部がリヤフェンダ23の前縁部に当接している。そして、デッキカバー15は、平面視で両側部が前方に延びた略C字状に形成され、その前方延設部がリヤフェンダ23の上縁部とミドルルーフ13の下縁部との間を通過して、前端部がリヤフェンダ23とミドルルーフ13とサイドドア22とドアガラス24との交点近傍に至っている。本実施形態の特徴は、図1に丸印で囲んだこの交点近傍の構成にあるので、以下この部分を中心に説明する。
【0032】
図2−1は前記オープンカー1のリヤフェンダ23の前上角部の正面図、図2−2は左側面図、図2−3は平面図、及び図2−4は右側面図(ただし図2−3の矢視Iによる)である。特に図2−1に明らかなように、リヤフェンダ23は、車体の外観を提供する外表面23aと、前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成されたフェンダフランジ23bと、上下に延びる前縁部が車体内方に曲折されて形成されたフェンダ端面23cとを有している。その場合に、前記フェンダフランジ23bと前記フェンダ端面23cとは非連続とされ、特に図2−3に明らかなように、フェンダフランジ23bの前部とフェンダ端面23cの上部との間は欠損している(切り欠かれている)。つまり、リヤフェンダ23の前上角部は欠損部(切欠部)23dとされている。
【0033】
また、リヤフェンダ23は、この他に、特に図2−3に明らかなように、前記フェンダ端面23cに隣接して、車体内方に、第1段部23e及び第2段部23fが形成されている。また、特に図2−1に明らかなように、前記フェンダ端面23cに、後述するキャブサイドウエザストリップ50の上下の取付孔23g,23i及び後述するウエザストリップ40の取付孔23hが形成されている。
【0034】
次に、図3−1は前記リヤフェンダ23の前上角部に取り付けられる連結部材30の正面図、図3−2は左側面図、図3−3は平面図、及び図3−4は右側面図である。これらから明らかなように、連結部材30は、板状の前面部30bと、この前面部30bの上部から所定長さだけ後方に延びる断面L字状の閉塞面部30aと、同じく前面部30bの上部から所定長さだけ後方に延びる断面湾曲状の上面部30cとを有している。
【0035】
また、連結部材30は、特に図3−1に明らかなように、前記前面部30bに、後述するキャブサイドウエザストリップ50の取付孔30d(前記フェンダ23のキャブサイドウエザストリップ取付孔上部23gに一致する)及び後述するウエザストリップ40の取付孔30e(前記フェンダ23のウエザストリップ取付孔23hに一致する)が形成されている。
【0036】
そして、図4−1は前記リヤフェンダ23の前上角部に前記連結部材30が取り付けられた状態を示す正面図、図4−2は左側面図、図4−3は平面図、及び図4−4は右側面図である。これらから明らかなように、連結部材30は、リヤフェンダ23の前上角部において、該フェンダ23の内部に仕込まれている。そして、連結部材30の前面部30bは、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cの上部に内側から対接し(図4−2参照)、連結部材30の上面部30cは、リヤフェンダ23の外表面23aの上部に内側から対接し(図4−3参照)、連結部材30の閉塞面部30aは、リヤフェンダ23のフェンダフランジ23bに下方から対接している(図4−4参照)。
【0037】
その場合に、特に図4−3に明らかなように、連結部材30の閉塞面部30aは、リヤフェンダ23の欠損部23dを下方から覆っている。そして、この状態で、連結部材30は、特に図4−1及び図4−3に「×」印(スポット溶接点)で示したように、前記フェンダ端面23cと重なり合う重合部(つまり前面部30b)及び前記フェンダフランジ23bと重なり合う重合部(つまり閉塞面部30a)において、リヤフェンダ23に結合されている[請求項4の構成]。これにより、連結部材30は、リヤフェンダ23のフェンダフランジ23bとフェンダ端面23cとを繋ぐこととなる[請求項1の構成]。
【0038】
次に、図5−1は前記連結部材30が取り付けられたリヤフェンダ23の前上角部にウエザストリップ40が取り付けられた状態を示す正面図、及び図5−2は平面図である。これらから明らかなように、このウエザストリップ40は、リヤフェンダ23の前上角部において、該フェンダ23の外部に具備されている。ウエザストリップ40は、リヤフェンダ23のフェンダフランジ23bからフェンダ端面23cに亘って延び、フェンダフランジ23bをシールしながらフェンダ端面23cに固定されている。
【0039】
その場合に、図5−1に明らかなように、このウエザストリップ40は、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cと連結部材30の前面部30bとの重合部において、ファスナー40cでフェンダ23に取り付けられている。ファスナー40cは、図5−2に拡大図示したように、外側から、ウエザストリップ40の取付孔40bと、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cの取付孔23hと、連結部材30の前面部30bの取付孔30eとをこの順に挿通している。ここで、このウエザストリップ40の固定部位、つまりフェンダ端面23cの取付孔23hは、後述するキャブサイドウエザストリップ50の固定部位、つまりフェンダ端面23cの上下の取付孔23g,23iとは異なっている[請求項3の構成]。
【0040】
そして、図6−1は前記ウエザストリップ40が取り付けられたリヤフェンダ23の前上角部にキャブサイドウエザストリップ50が取り付けられた状態を示す正面図、及び図6−2は左側面図である。これらから明らかなように、このキャブサイドウエザストリップ50は、リヤフェンダ23の前上角部において、該フェンダ23の外部に具備されている。キャブサイドウエザストリップ50は、前記ウエザストリップ40より大型で、該ウエザストリップ40を覆い、かつ、リヤフェンダ23の前上角部全体を覆って、フェンダ端面23cをシールしながらフェンダ端面23cに固定されている。
【0041】
その場合に、図6−1に明らかなように、このキャブサイドウエザストリップ50は、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cと連結部材30の前面部30bとの重合部において、上部ファスナー50bでフェンダ23に取り付けられている[請求項2の構成]。さらに、キャブサイドウエザストリップ50は、下部ファスナー50dによってもフェンダ23に取り付けられている。すなわち、上部ファスナー50bは、詳しくは図示しないが、外側から、キャブサイドウエザストリップ50の上部取付孔50aと、ウエザストリップ40の取付孔40a(図5−1参照)と、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cの上部取付孔23g(図2−1参照)と、連結部材30の前面部30bの取付孔30d(図3−1参照)とをこの順に挿通している。一方、下部ファスナー50dは、詳しくは図示しないが、外側から、キャブサイドウエザストリップ50の下部取付孔50cと、リヤフェンダ23のフェンダ端面23cの下部取付孔23i(図2−1参照)とをこの順に挿通している。
【0042】
そして、このリヤフェンダ23の前上角部に配置されたキャブサイドウエザストリップ50は、特に図6−2に明らかなように、その前面下部が鎖線で示したサイドドア22の上部と当接し(この当接により荷重が掛かる方向は、ドア閉時の車体内方である)、前面上部が同じく鎖線で示したドアガラス24の下部と当接し(この当接により荷重が掛かる方向は、ドア閉時の車体内方である)、内面上部が開閉式屋根10のミドルルーフ13の下部と当接し(この当接により荷重が掛かる方向は、屋根閉時の車体前方である)、後面上部がデッキカバー15の前部と当接する(この当接により荷重が掛かる方向は、デッキカバー15閉時の車体下方である)[請求項5の構成]。
【0043】
なお、図7に示すように、ミドルルーフ13の下縁部には、デッキカバー15の上縁部と当接するウエザストリップ13bがフランジ13aを介して備えられ、一方、リヤフェンダ23の上縁部には、デッキカバー15の下縁部と当接するウエザストリップ23jが前記フェンダフランジ23bを介して備えられている。このリヤフェンダ23のウエザストリップ23jは、その前部が前記図5−1及び図5−2に示したウエザストリップ40の後部に接続している。
【0044】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず、車体に形成された開口を開閉するように車体に対して移動可能なデッキカバー15が備えられたオープンカー1において、前記開口が閉状態のときには、車体の側部外表を形成するフェンダ23の上縁部と前記デッキカバー15とが当接し、前記開口が開状態のときには、前記フェンダ23の上縁部と前記デッキカバー15とが離間するように構成されている。その場合に、前記フェンダ23が、フェンダフランジ(前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成される)23bと、フェンダ端面(上下に延びる前縁部又は後縁部が車体内方に曲折されて形成される)23cとを有しているから、もしこれらのフェンダフランジ23bとフェンダ端面23cとが連続して繋がっていれば、前記フェンダフランジ23bを深絞り加工により形成する際に、フェンダ23の外表面に皺が発生し易くなる。しかしながら、本実施形態では、前記フェンダフランジ23bと前記フェンダ端面23cとは非連続とされ、両者23b,23c間に欠損部(切欠部)23dを設けたから(図2−3参照)、皺発生の問題を抑制しながら、フェンダフランジ23bを深絞り加工によって良好・円滑に形成することができる。そして、そのうえで、前記フェンダフランジ23bと前記フェンダ端面23cとの間に生成した欠損部(切欠部)23dを覆いながら前記フェンダフランジ23bと前記フェンダ端面23cとを繋ぐ連結部材30が設けられているから(図4−3参照)、この連結部材30により前記欠損部23dが閉塞されてフェンダ23の水漏れ対策が講じられると共に、この連結部材30によりフェンダフランジ23bとフェンダ端面23cとが連続的に一体化されてフェンダ23の強度対策が講じられることとなる。
【0045】
次に、前記連結部材30の前面部30bと前記フェンダ端面23cとが重なり合って重合部を形成しているから(図4−2参照)、この重合部においては、前記連結部材30は補強部材(フェンダレインフォースメント)のように機能することとなり、その結果、前記フェンダ端面23cの強度が高められることとなる。そのうえで、少なくとも前記フェンダ端面23cをシールするキャブサイドウエザストリップ50が前記重合部30bにおいて前記フェンダ端面23cに固定されているから(図6−1参照)、キャブサイドウエザストリップ50のフェンダ23への取付強度が確保されることとなる。
【0046】
同様に、少なくとも前記フェンダフランジ23bをシールするウエザストリップ40が前記重合部30bにおいて前記フェンダ端面23cに固定されているから(図5−1参照)、このウエザストリップ40のフェンダ23への取付強度もまた確保されることとなる。しかも、その場合に、このウエザストリップ40の固定部位23hは、キャブサイドウエザストリップ50の固定部位23g,23iとは異なるから(図2−1参照)、複数のウエザストリップ40,50が備えられているときに、各ウエザストリップ40,50に作用する荷重が1つの固定部位に集中することがなく分散されることとなり、その結果、各固定部位23g,23h,23iにおけるウエザストリップ40,50のフェンダ23への取付強度が確保されると共に、前記重合部30bの補強強度を増強する必要もなくなる。
【0047】
さらに、前記連結部材30とフェンダ端面23cとの重合部30bに加えて、前記連結部材30と前記フェンダフランジ23bとが重なり合う重合部30aが形成されており、これらの両重合部30a,30bにおいて、前記連結部材30がフェンダ23に結合されているから(図4−1及び図4−3の「×」印(スポット溶接点)参照)、ウエザストリップ40,50ひいては連結部材30に複数の車両部品(例えば、サイドドア22、ドアガラス24、ミドルルーフ13、デッキカバー15等)により様々な方向(例えば、前後方向、車幅方向、上下方向、あるいはこれらの組み合せ方向等)から荷重が加わるような場合であっても、ウエザストリップ40,50ひいては連結部材30の取付強度が確保できる。つまり、フェンダフランジ23bは前後に延び、フェンダ端面23cは上下に延びているから、一方の重合部30a又は30bに取付けの耐力の点で弱い剥離方向の荷重が掛かっても、他方の重合部30b又は30aには取付けの耐力の点で強いせん断方向の荷重が掛かることとなり、これにより、ウエザストリップ40,50ひいては連結部材30に複数の車両部品により様々な方向から荷重が掛かっても、ウエザストリップ40,50ひいては連結部材30の全体の取付けの耐力が保持されることとなる。
【0048】
そして、開閉式屋根10とその格納スペースとを備えたこのオープンカー1において、デッキカバー15は車体後部に設けられた格納スペースの上面を覆うように車体後部にあり、デッキカバー15はリヤフェンダ23の上縁部に対して当接又は離間するように構成されて、キャブサイドウエザストリップ50には、サイドドア22及びドアガラス24から、その閉時に車体内方への荷重が掛かり、開閉式屋根10のミドルルーフ13及びデッキカバー15から、その閉時に車体前方への荷重が掛かることとなるが、これらのサイドドア22とドアガラス24とミドルルーフ13とデッキカバー15との交点近傍におけるリヤフェンダ23のシール性能及び強度性能が確実に維持されることとなる。
【0049】
なお、前記実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の修正や変更を施してよいことはいうまでもない。例えば、前記実施形態は、フェンダ端面が車両前後方向の前方を向く前端面の場合であったが、デッキカバー15の車体における位置に応じて、例えばフェンダ端面が車両前後方向の後方を向く後端面の場合にも本発明を適用することができる。また、前記実施形態は、リヤフェンダ23の場合であったが、やはりデッキカバー15の車体における位置に応じて、フロントフェンダ21の場合にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、車体の側部外表を形成するフェンダに深絞り加工によってフランジを形成しながらも、フェンダ外表面における皺の発生を抑制し、かつフェンダの水漏れ対策及び強度対策を講じることが可能な技術であるから、オープンカーの側部車体構造、特に車体の側部外表を形成するフェンダの構造の技術分野において広範な産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係るオープンカーの斜視図である。
【図2−1】前記オープンカーの左リヤフェンダの前上角部の正面図である。
【図2−2】同左側面図である。
【図2−3】同平面図である。
【図2−4】同右側面図である(図2−3の矢視Iによる)。
【図3−1】前記左リヤフェンダの前上角部に取り付けられる連結部材の正面図である。
【図3−2】同左側面図である。
【図3−3】同平面図である。
【図3−4】同右側面図である。
【図4−1】前記左リヤフェンダの前上角部に前記連結部材が取り付けられた状態を示す正面図である。
【図4−2】同左側面図である。
【図4−3】同平面図である。
【図4−4】同右側面図である。
【図5−1】前記連結部材が取り付けられた左リヤフェンダの前上角部にウエザストリップが取り付けられた状態を示す正面図である。
【図5−2】同平面図である。
【図6−1】前記ウエザストリップが取り付けられた左リヤフェンダの前上角部にキャブサイドウエザストリップが取り付けられた状態を示す正面図である。
【図6−2】同左側面図である。
【図7】デッキカバーが閉じたときの状態を示す断面図である。
【図8】開閉式屋根の格納時の作業状態を(a)から(d)へ段階的に示す説明図である。
【図9】発明が解決しようとする課題の説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 オープンカー
10 開閉式屋根
13 ミドルルーフ(屋根の下部)
15 デッキカバー(可動カバー)
20 側部車体構造
22 サイドドア
23 リヤフェンダ
23b フェンダフランジ
23c フェンダ端面
23d 欠損部
23g,23i キャブサイドウエザストリップ取付孔(固定部位)
23h ウエザストリップ取付孔(固定部位)
24 ドアガラス
30 連結部材
30a 閉塞面部(重合部)
30b 前面部(重合部)
40 ウエザストリップ(第2のシール部材)
50 キャブサイドウエザストリップ(シール部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対して移動可能に設けられ、車体に形成された開口を開閉する可動カバーが備えられたオープンカーの側部車体構造であって、
前記可動カバーは、開口を閉じたときに、車体の側部外表を形成するフェンダの前後に延びる上縁部と当接し、開口を開いたときに、前記フェンダの上縁部から離間するように構成されていると共に、
前記フェンダは、前後に延びる上縁部が車体内側で下方に曲折された後、車体内方に曲折されて形成されたフェンダフランジと、上下に延びる前縁部又は後縁部が車体内方に曲折されて形成されたフェンダ端面とを有しており、かつ、
前記フェンダフランジと前記フェンダ端面とは非連続とされて、両者間に生成した欠損部を覆いながら両者を繋ぐ連結部材が設けられていることを特徴とするオープンカーの側部車体構造。
【請求項2】
前記請求項1に記載のオープンカーの側部車体構造であって、
前記連結部材は、前記フェンダ端面と重なり合う重合部を有すると共に、
少なくとも前記フェンダ端面をシールするシール部材がフェンダに取り付けられ、
このシール部材は、前記重合部において、前記フェンダ端面に固定されていることを特徴とするオープンカーの側部車体構造。
【請求項3】
前記請求項2に記載のオープンカーの側部車体構造であって、
少なくとも前記フェンダフランジをシールする第2のシール部材がフェンダに取り付けられ、
この第2のシール部材は、前記重合部において、前記シール部材とは異なる部位で、前記フェンダ端面に固定されていることを特徴とするオープンカーの側部車体構造。
【請求項4】
前記請求項2又は3に記載のオープンカーの側部車体構造であって、
前記連結部材は、前記フェンダフランジと重なり合う重合部をさらに有し、このフェンダフランジとの重合部及び前記フェンダ端面との重合部においてフェンダに結合されていることを特徴とするオープンカーの側部車体構造。
【請求項5】
前記請求項2から4のいずれかに記載のオープンカーの側部車体構造であって、
オープンカーは開閉式の屋根を備え、
可動カバーが開閉する前記開口は前記開閉式屋根を車体後部の格納スペースに格納又は格納スペースから展開するための開口であると共に、
前記シール部材は、リヤフェンダの前上角部に配置されて、前面下部がサイドドアの上部と当接し、前面上部がドアガラスの下部と当接し、内面上部が前記開閉式屋根の下部と当接し、後面上部が前記可動カバーの前部と当接するものであることを特徴とするオープンカーの側部車体構造。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−284010(P2007−284010A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116597(P2006−116597)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】