説明

カスケードラマン共振器および光ファイバレーザ

【課題】簡略な構成で、不要光成分の出力を抑制することができるカスケードラマン共振器および光ファイバレーザを提供すること。
【解決手段】励起光を受け付け、前記励起光に対するラマン散乱の第1〜第nストークス光(nは2以上の整数)に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n入力側光反射器を有する入力側光反射装置と、前記入力側光反射装置に接続し、少なくとも前記励起光によってラマン散乱光を発生させるラマンファイバと、前記ラマンファイバに接続し、前記第1〜第nストークス光に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n出力側光反射器を有する出力側光反射装置と、を備え、前記第1〜第n出力側光反射器のうち第n出力側光反射器以外の少なくとも一つの出力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅が2.4nm以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスケードラマン共振器およびこれを用いた光ファイバレーザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カスケードラマン共振器を用いた高出力の光ファイバレーザが開示されている。たとえば、非特許文献1に開示される光ファイバレーザは、イッテルビウム(Yb)イオン添加型光ファイバレーザ(YDFL)からなる励起用光ファイバレーザと、カスケードラマン共振器とから構成される。そして、この光ファイバレーザにおいては、励起用光ファイバレーザは波長約1117nmの励起用レーザ光を出力し、カスケードラマン共振器は、この励起用レーザ光を受付け、カスケードラマン共振器内における誘導ラマン散乱現象によって、波長が長波長側にシフトした光を次々と発生させ、最終的に波長約1480nmの高強度のレーザ光を発生させて、出力する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】S. G. Grubb, et al., "High-Power 1.48 μm Cascaded Raman Laser in Germanosilicate Fibers," in Optical Amplifiers and Their Applications(1995), paper SaA4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のカスケードラマン共振器は、その内部においてたとえば約1239nm、1310nm、1391nmの光を発生させる。これらの波長の光は、最終的に波長約1480nmの高出力のレーザ光を発生させるための励起光として、カスケードラマン共振器の内部で消費される。
【0005】
しかしながら、カスケードラマン共振器から出力する波長約1480nmのレーザ光を高出力にするにつれて、上記の励起光が、不要光成分として波長約1480nmのレーザ光とともにカスケードラマン共振器から出力するようになる。このため、これらの不要光成分を除去するために光学フィルタ装置等の除去手段が必要となるので、カスケードラマン共振器の部品点数が増加し、構成が複雑化するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡略な構成で、不要光成分の出力を抑制することができるカスケードラマン共振器および光ファイバレーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るカスケードラマン共振器は、励起光を受け付け、前記励起光に対するラマン散乱の第1〜第nストークス光(nは2以上の整数)に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n入力側光反射器を有する入力側光反射装置と、前記入力側光反射装置に接続し、少なくとも前記励起光によってラマン散乱光を発生させるラマンファイバと、前記ラマンファイバに接続し、前記第1〜第nストークス光に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n出力側光反射器を有する出力側光反射装置と、を備え、前記第1〜第n出力側光反射器のうち第n出力側光反射器以外の少なくとも一つの出力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅が2.4nm以上であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るカスケードラマン共振器は、上記の発明において、前記少なくとも一つの出力側光反射器に対応する反射波長を有する前記入力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅が、前記少なくとも一つの出力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅よりも狭いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る光ファイバレーザは、前記励起光を出力する励起用光ファイバレーザと、前記励起用光ファイバレーザに接続した本発明に係るカスケードラマン共振器と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡略な構成で、不要光成分の出力を抑制することができるカスケードラマン共振器および光ファイバレーザを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態1に係る光ファイバレーザの模式図である。
【図2】図2は、図1に示すカスケードラマン共振器の模式図である。
【図3】図3は、光ファイバグレーティングの透過スペクトルの一例を示す図である。
【図4】図4は、カスケードラマン共振器の動作について説明する図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係る光ファイバレーザの出力光スペクトルの一例を示す図である。
【図6】図6は、出力側の第3光ファイバグレーティングの半値全幅を変化させたときの、出力される不要光成分の光スペクトルを模式的に示す図である。
【図7】図7は、実施例および比較例に係る光ファイバレーザにおける、半導体レーザ素子の駆動電流と、出力される不要光成分の光強度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して本発明に係るカスケードラマン共振器および光ファイバレーザの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下では、光の波長や反射波長については、代表的な値を示しており、その値の近傍で適宜調整されるものである。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ファイバレーザの模式図である。この光ファイバレーザ100は、石英ガラス系の光ファイバからなる励起用の光ファイバレーザFLと、光ファイバレーザFLに接続した、石英ガラス系の光ファイバからなるカスケードラマン共振器CRRとを備えている。
【0014】
光ファイバレーザFLは、mを2以上の整数として、励起光源である半導体レーザ素子11〜1と、半導体レーザ素子11〜1が出力する励起光を導波するマルチモード光ファイバ21〜2と、マルチモード光ファイバ21〜2が導波した励起光を結合し、ダブルクラッド光ファイバ5から出力させるTFB(Tapered Fiber Bundle)3、4と、各ダブルクラッド光ファイバ5と接続点C1、C4において接続するダブルクラッド型の光ファイバグレーティング6、7と、光ファイバグレーティング6、7と接続点C2、C3において接続するダブルクラッド型の希土類元素添加光ファイバ8と、TFB4に接続した出力光ファイバ9とを備える。
【0015】
半導体レーザ素子11〜1が出力する励起光の波長は915nm近傍である。また、光ファイバグレーティング6は、反射中心波長が1117nmであり、中心波長およびその周辺の約2nmの幅の波長帯域における反射率が約100%であり、波長915nmの光はほとんど透過する。また、光ファイバグレーティング7は、中心波長が1117nmであり、中心波長における反射率が10〜30%程度であり、反射波長帯域の半値全幅が約0.1nmであり、波長915nmの光はほとんど透過する。したがって、光ファイバグレーティング6、7は、波長1117nmの光に対して光共振器を構成する。また、希土類元素添加光ファイバ8は、コア部に増幅物質であるイッテルビウム(Yb)イオンが添加された増幅光ファイバである。
【0016】
一方、カスケードラマン共振器CRRは、出力光ファイバ9と接続点C5において接続する入力側光反射装置10と、入力側光反射装置10と接続点C6において接続するラマンファイバ11と、ラマンファイバ11と接続点C7において接続する出力側光反射装置12とを備えている。なお、上記接続点C1〜C7は、いずれも融着接続されているものである。
【0017】
図2は、図1に示すカスケードラマン共振器CRRの模式図である。ラマンファイバ11は、誘導ラマン散乱を効率よく発生させるために、波長1450nmにおけるモードフィールド径を約4.5μmと小さくして、光学非線形性を高めている。また、入力側光反射装置10は、互いに異なる波長の光を選択的に反射する入力側光反射器としての第1〜第5光ファイバグレーティング10a〜10eを有する。また、出力側光反射装置12は、互いに異なる波長の光を選択的に反射する出力側光反射器としての第1〜第5光ファイバグレーティング12a〜12e、および光ファイバグレーティング12fを有する。各光ファイバグレーティングの反射中心波長については、第1光ファイバグレーティング10a、12aが1175nm、第2光ファイバグレーティング10b、12bが1239nm、第3光ファイバグレーティング10c、12cが1310nm、第4光ファイバグレーティング10d、12dが1391nm、第5光ファイバグレーティング10e、12eが1480nm、光ファイバグレーティング12fが1117nmになっている。
【0018】
ここで、入力側光反射装置10を構成する第1〜第5光ファイバグレーティング10a〜10eはいずれも、反射波長帯域の半値全幅が2nmであり、反射中心波長における反射率が99%以上である。一方、出力側光反射装置12については、第5光ファイバグレーティング12eは、反射波長帯域の半値全幅が約0.1nmであり、反射中心波長における反射率が10%程度である。また、その他の第1〜第4光ファイバグレーティング12a〜12d、および光ファイバグレーティング12fはいずれも、反射波長帯域の半値全幅が2.4nmであり、反射中心波長における反射率が99%以上である。
【0019】
図3は、光ファイバグレーティングの透過スペクトルの一例として、第3光ファイバグレーティング10cの透過スペクトルを示す図である。なお、縦軸は規格化透過率である。図3に示すように、第3光ファイバグレーティング10cは、反射中心波長が約1310nmであり、反射波長帯域の半値全幅Wが2nmである。
【0020】
つぎに、この光ファイバレーザ100の動作について説明する。まず、光ファイバレーザFLにおいて、半導体レーザ素子11〜1が波長915nm近傍の励起光を出力すると、マルチモード光ファイバ21〜2が各励起光を導波し、TFB3、4が、導波した各励起光を結合してダブルクラッド光ファイバ5に出力する。ダブルクラッド光ファイバ5は結合した励起光をマルチモードで伝搬する。その後、光ファイバグレーティング6、7がダブルクラッド光ファイバ5を伝搬した励起光を透過して、希土類元素添加光ファイバ8に到達させる。
【0021】
希土類元素添加光ファイバ8に到達した励起光は、希土類元素添加光ファイバ8の内側クラッド内をマルチモードで伝搬しながら、希土類元素添加光ファイバ8のコア部に添加したYbイオンを光励起し、波長1117nmを含む波長帯域を有する蛍光を発光させる。この蛍光は、光ファイバグレーティング6、7が構成する光共振器内をシングルモードで往復しながら、Ybイオンの誘導放出作用により増幅され、発振波長1117nmにおいてレーザ発振する。そして、光ファイバレーザFLは、出力光ファイバ9から励起用のレーザ光を出力する。
【0022】
出力光ファイバ9から出力したレーザ光は、接続点C5を通過し、入力側光反射装置10からカスケードラマン共振器CRRに入力する。
【0023】
つぎに、カスケードラマン共振器CRRの動作について説明する。図4は、カスケードラマン共振器CRRの動作について説明する図である。カスケードラマン共振器CRRにおいて、入力側光反射装置10が光ファイバレーザFLからの波長1117nmの励起用のレーザ光L1を受け付け、ラマンファイバ11に入力する。すると、ラマンファイバ11は、レーザ光L1を励起光として、ラマン散乱の第1ストークス波長に対応する波長1175nmのラマン散乱光(以下、第1ストークス光と称する)を発生させるとともに、これをラマン増幅する。増幅した第1ストークス光は、対応する波長を選択的に反射する第1光ファイバグレーティング10a、12aが構成する光共振器によって多重反射してその強度が高められ、やがて励起光として機能して波長1239nmの第2ストークス光を発生させる。以下、同様の作用によって、第2光ファイバグレーティング10b、12b、第3光ファイバグレーティング10c、12c、第4光ファイバグレーティング10d、12dが構成する各光共振器とラマンファイバ11のラマン増幅作用によって、それぞれ波長1310nm、1391nm、1480nmの第3ストークス光〜第5ストークス光が発生する。第5ストークス光は、第5光ファイバグレーティング10e、12eが構成する光共振器によって多重反射してその強度が高められ、レーザ発振する。
【0024】
ここで、出力側光反射装置12において、第5光ファイバグレーティング12eの反射率が低いので、この波長1480nmの光がレーザ光L2として光ファイバグレーティング12fから外部に出力する。なお、出力側光反射装置12は反射波長が1117nmの光ファイバグレーティング12fを有しているため、光ファイバレーザFLが出力する波長1117nmのレーザ光L1は光ファイバグレーティング12fによって反射され、ラマンファイバ11内部で効率的に利用される。
【0025】
図5は、実施の形態1に係る光ファイバレーザ100の出力光スペクトルの一例を示す図である。なお、図5において、縦軸はピーク光強度を基準とした相対光強度を示している。図5に示すように、この出力光スペクトルは、波長1480nmのレーザ光L2の成分S1と、波長1175nm、1239nm、1310nm、1391nmの不要光成分S2とを含んでいる。
【0026】
ここで、このカスケードラマン共振器CRRにおいては、第1〜第5の各ストークス光に対して光共振器を構成する1対の光ファイバグレーティングについて、出力側の光ファイバグレーティングの反射波長帯域の半値全幅が広くなっている。たとえば、波長1310nmの第3ストークス光に対する光共振器を構成する第3光ファイバグレーティング10c、12cについて、反射波長帯域の半値全幅は、入力側の第3光ファイバグレーティング10cが2nmであり、出力側の第3光ファイバグレーティング12cが2.4nmである。このように、このカスケードラマン共振器CRRにおいては、出力側の光ファイバグレーティングの反射波長帯域の半値全幅が広くなっていることによって、出力される不要光成分を抑制することができる。
【0027】
図6は、出力側の第3光ファイバグレーティング12cの半値全幅を変化させたときの、出力される不要光成分の光スペクトルを模式的に示す図である。図6において、縦軸は相対光強度を示し、線L3は半値全幅が2nmの場合、線L4は半値全幅が2.4nmの場合を示している。また、横軸のスケールは図5と比較して大きく拡大している。
【0028】
図6に示すように、不要光成分の光スペクトルには、出力側の光ファイバグレーティングの反射スペクトル形状が反映された窪みが形成されている。また、半値全幅が2nmの場合、その窪みの短波長側の端部にピークPが形成されており、このピークPにおいて光強度が最大となっている。一方、半値全幅が2.4nmの場合、このピークPのようなピークは発生せず、光強度が低くなる。
【0029】
すなわち、カスケードラマン共振器においては、多段のラマン増幅を利用しており、またラマン増幅の増幅帯域が約20nmと広い。したがって、所望の波長のレーザ光出力を安定した強度で得るためには、光共振器を構成する各光ファイバグレーティングの反射中心波長は精度良く設定する必要があり、またその反射波長帯域幅も狭い方が好ましい。しかしながら、反射波長帯域幅が狭い場合、出力される不要光成分において、図6に示すピークが発生する場合がある。
【0030】
これに対して、この光ファイバレーザ100では、出力側の第3光ファイバグレーティング12cの反射波長帯域の半値全幅を2.4nmと広くしているので、不要光成分においてピークの発生が抑制され、その光強度が抑制される。また、第5光ファイバグレーティング12e以外の出力側の第1、第2、第4光ファイバグレーティング12a、12b、12dについても、その反射波長帯域の半値全幅を2.4nmと広くしているので、各波長の不要光成分の光強度も抑制される。
【0031】
また、このように出力する不要光成分の光強度が抑制されるので、各波長の光は励起光としてラマンファイバ11の内部で効果的に消費される。その結果、励起用のレーザ光L1から波長1480nmのレーザ光L2へのエネルギー変換効率も向上する。
【0032】
なお、カスケードラマン共振器においては、そのレーザ光出力の波長および強度の安定性のために、光共振器を構成する光ファイバグレーティングの半値全幅は、たとえば2nmとされる。したがって、出力側の第1〜第4光ファイバグレーティング12a〜12dの反射波長帯域の半値全幅としては、2nmより大きいことが好ましく、2.4nm以上であることがより好ましい。
【0033】
また、この光ファイバレーザ100では、入力側の第1〜第5光ファイバグレーティング10a〜10dについては、その反射波長帯域の半値全幅が、それぞれ対応する出力側の第1〜第5光ファイバグレーティング12a〜12dの反射波長帯域の半値全幅よりも狭く、2nmとされている。その結果、第1〜第5光ファイバグレーティング12a〜12dの反射波長帯域の半値全幅を広くしたにもかかわらず、レーザ光出力の波長および強度の安定性が確保されている。なお、第1〜第5光ファイバグレーティング10a〜10dの反射波長帯域の半値全幅は、2nmに限られず、2nm以下であればよい。
【0034】
(実施例、比較例)
つぎに、本発明の実施例として、図1に示す実施の形態1に係る光ファイバレーザ100と同様の構造の光ファイバレーザを作製した。なお、励起用の光ファイバレーザについては、半導体レーザ素子に1A、9Aの駆動電流を印加した場合に、波長1117nmで強度がそれぞれ6W、97Wのレーザ光を出力するように構成した。また、カスケードラマン共振器については、上記強度6W、97W程度のレーザ光を入力させた場合に、波長1480nmで強度がそれぞれ2W、48Wのレーザ光を出力するように構成した。
【0035】
一方、比較例として、実施例に係る光ファイバレーザにおいて、カスケードラマン共振器の出力側における第1〜第4光ファイバグレーティングを、反射波長帯域の半値全幅が2nmのものに置き換えた光ファイバレーザを作製した。
【0036】
図7は、実施例および比較例に係る光ファイバレーザにおける、半導体レーザ素子の駆動電流と、出力される不要光成分の光強度との関係を示す図である。なお、図7においては、不要光成分の波長は1310nmであり、その光強度は、波長1480nmのレーザ光とのレベル差で示している。
【0037】
図7に示すように、実施例に係る光ファイバレーザでは、いずれの駆動電流においても、比較例よりも上記レベル差が大きくなっており、出力される不要光成分が抑制されていることが確認された。
【0038】
なお、上記実施の形態では、励起用レーザ光の波長を1117nmとし、カスケードラマン共振器からは第5ストークス光をレーザ光出力として出力させているが、特に限定はされず、たとえば、出力させたいレーザ光の波長に応じて、適宜に励起用レーザ光の波長やストークス光の次数を設定できる。
【0039】
また、上記実施の形態では、出力側の第1〜第4光ファイバグレーティングの全ての反値全幅を広くしているが、少なくとも1つの半値全幅を広げるようにすれば、本発明の効果を奏するものとなる。たとえば、光強度が最も高い、または最も不要な波長の不要光成分に対する光ファイバグレーティングの半値全幅のみを広げるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1〜1 半導体レーザ素子
1〜2 マルチモード光ファイバ
3、4 TFB
5 ダブルクラッド光ファイバ
6、7、12f 光ファイバグレーティング
8 希土類元素添加光ファイバ
9 出力光ファイバ
10 入力側光反射装置
10a、12a 第1光ファイバグレーティング
10b、12b 第2光ファイバグレーティング
10c、12c 第3光ファイバグレーティング
10d、12d 第4光ファイバグレーティング
10e、12e 第5光ファイバグレーティング
11 ラマンファイバ
12 出力側光反射装置
100 光ファイバレーザ
C1〜C7 接続点
CRR カスケードラマン共振器
FL 光ファイバレーザ
L1、L2 レーザ光
L3、L4 線
P ピーク
S1 成分
S2 不要光成分
W 半値全幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を受け付け、前記励起光に対するラマン散乱の第1〜第nストークス光(nは2以上の整数)に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n入力側光反射器を有する入力側光反射装置と、
前記入力側光反射装置に接続し、少なくとも前記励起光によってラマン散乱光を発生させるラマンファイバと、
前記ラマンファイバに接続し、前記第1〜第nストークス光に対応する各波長の光を選択的に反射する第1〜第n出力側光反射器を有する出力側光反射装置と、
を備え、前記第1〜第n出力側光反射器のうち第n出力側光反射器以外の少なくとも一つの出力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅が2.4nm以上であることを特徴とするカスケードラマン共振器。
【請求項2】
前記少なくとも一つの出力側光反射器に対応する反射波長を有する前記入力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅が、前記少なくとも一つの出力側光反射器の反射波長帯域の半値全幅よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載のカスケードラマン共振器。
【請求項3】
前記励起光を出力する励起用光ファイバレーザと、
前記励起用光ファイバレーザに接続した請求項1または2に記載のカスケードラマン共振器と、
を備えることを特徴とする光ファイバレーザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−239036(P2010−239036A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−87357(P2009−87357)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】