説明

カテーテル

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、先端側開口部の位置と方向を特定でき、ガイドワイヤーを血管分岐部の本幹と分岐に容易に通過することを可能としたカテーテルを提供することである。
【解決手段】
本発明は、カテーテルであって、第一先端側開口部と第一基端側開口部を有する第一ルーメンと、該第一ルーメン先端側開口部よりも先端側にある第二先端側開口部と、該第一先端側開口部より手元側にある第二基端側開口部を有する第二ルーメンと、少なくとも第一X線不透過マーカーと、第二X線不透過マーカーと、を備えるカテーテルを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内特に末梢血管、冠状動脈血管系内部の分岐部又は閉塞した病変において、他の血管治療カテーテル又は医療用デバイスを付随して導入したり移動したりする為のガイドワイヤーを導入したり、病変部への薬剤の注入や血圧測定時の用途等多機能にわたり好適に行うことのできる医療用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用拡張カテーテルを用い、体内通路の狭窄又は閉塞箇所を拡張する治療方法は広く知られている。この治療方法においてはカテーテルの拡張体部を患者の体内通路を経て狭窄部位に挿入した後、そこで圧力流体を内部に導入することで拡張体により狭窄又は閉塞した部位を拡張治療する。
こうした医療用拡張カテーテルを使用した治療対象のうちでも特に冠状動脈血管の分岐部病変に対する冠血管インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を施行する場合には、血管本幹のみを拡張すると血管分枝の起始部に再度高度狭窄が生じたり、起始部で分枝が閉塞してしまう場合がある。その為、灌流領域の大きな分枝をもつ分岐部病変に対しては、本幹のみでなく分枝に対してもガイドワイヤーを挿入して分枝の保護を行うか、あるいは分枝に対してもバルーンカテーテルで拡張を行う必要がある。分岐部病変の本幹と分枝をバルーンカテーテルで拡張する方法はキッシングバルーン法(kissing balloon technique:KBT)と呼ばれており、一般に分枝部病変に対して本幹と側枝とを2つのバルーンカテーテルを用いて同時拡張する手技をさす。
この手技を実施する際、バルーンカテーテルにおいてガイドワイヤールーメンの基端側開口部がシャフトの途中に設けられている高速交換型(RX型、モノレール型)が、バルーンカテーテルの交換時に極めて速やかで容易に交換できるメリットがある為よく使用されるが、ガイドワイヤーが絡まったり、血管選択が難しいデメリットもある。この場合特に血管選択の困難な症例で2本のガイドワイヤーを操作する時には、ガイドワイヤールーメンがカテーテルの全長に渡って設けられているオーバー・ザ・ワイヤー型(OTW型)をガイドワイヤー先端近くまで進めておくと、ワイヤーは絡みにくい。オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンの代わりに前述の両方のルーメン形態をもつ特殊なカテーテルを使用すると、血管選択が極めて容易であると共にガイドワイヤーの絡みも防止できる。
前記カテーテルはモノレールとオーバー・ザ・ワイヤーの2つのルーメンが存在するデュアルルーメンカテーテルであり、モノレールルーメンはカテーテル先端に開口しており、オーバー・ザ・ワイヤールーメンは先端から5mm近位部の側面に開口している。カテーテルはモノレールルーメンを用いて、冠動脈内の病変を越えた末梢まで導入することができ、その上でオーバー・ザ・ワイヤールーメンを用いて何らかの操作を行うことが可能なことがこのカテーテルの機能である。前述の様にオーバー・ザ・ワイヤールーメンを通じてガイドワイヤーを分岐部に導入したり、病変より末梢に対して確実に薬剤を注入したり、病変より末梢の圧を測定したりと多機能にわたり使用することが可能である。
最近では分岐部病変においてバルーンカテーテル拡張後引き続きステントを留置することが多くなり、そのステント表面のストラットの間から側枝を選択する際にも、このカテーテルは極めて有用に使用され、当カテーテルのオーバー・ザ・ワイヤールーメンにてガイドワイヤーを側枝に接するルートに誘導するまで確実に手技を繰り返すことが可能であり、ガイドワイヤーによるストラットの変形も最小限に抑えることができる。このような分枝部病変に対し、オーバー・ザ・ワイヤー型の医療用拡張カテーテルをガイドワイヤー通過用カテーテルとしてのみ使用したり、拡張体を有さない単なるチューブ状のカテーテル(例えば脳血管への薬液注入に使われる血管造影用マイクロカテーテル等)を血管分岐部の本幹用と分枝用に2本使用するには価格的に高価である。
そこで、近年、1本のカテーテルで血管分岐部の本幹用と分岐用の2本のワイヤーを通過させるためのカテーテルの開発がなされてきた。
【0003】
先行文献として、特表2003−504127に血管の分岐部に2本のワイヤーを配置する際に使用するための二重管腔カテーテルに関する技術が開示されている。本先行文献は、X線造影モニターを観察しながら、体内で2本のワイヤーを操作する際、ワイヤーが交差し、絡まることなく、進行させるカテーテルの発明を開示している。この発明により、手技時間の短縮が可能となった。さらに、カテーテル自体にX線不透過マーカーが配置されていて、ガイドワイヤーを挿入する際、カテーテル軸方向に対する視覚化が容易となった。しかし、ガイドワイヤーが挿入される方向やカテーテルの開口部の方向は特定できないという欠点があった。
【0004】
また、特表2002−522114に二股ステントの運搬に使用される血管内スリーブに関する発明が開示されている。本先行文献では、X線造影モニターを観察しながら、2本のワイヤーが絡まることなく、操作することが可能で、手技時間の短縮ができる。さらに、血管分岐部の起始部と当接するカテーテルの位置にX線不透過マーカーが配置されていることにより、カテーテルと血管分岐部の起始部との位置関係がわかる。しかし、分岐部を特定するためのマーカーしか配置されていないため、本幹に伸びたカテーテル最先端の位置がわかりにくいことや、ワイヤーと共に使用しなければ、カテーテルの方向と位置がわからないこと、ワイヤーとマーカーが重なって見えにくい可能性があること等があるため、操作は容易ではない。
【0005】
そこで、手技時間の短縮と使用の簡便さの観点から、X線造影下において、いかなるときも先端側開口部の方向と位置を特定でき、ワイヤーを分岐部に容易に通過させることができるカテーテルが市場で必要とされていた。
【特許文献1】特表2003−504127号
【特許文献2】特表2002−522114号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、先端側開口部の位置と方向を特定でき、ガイドワイヤーを血管分岐部の本幹と分岐に容易に通過することを可能としたカテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
よって、本発明が提供するのは、以下のとおりである:
(1)
カテーテルであって、第一先端側開口部と第一基端側開口部を有する第一ルーメンと、該第一ルーメン先端側開口部よりも先端側にある第二先端側開口部と、該第一先端側開口部より手元側にある第二基端側開口部を有する第二ルーメンと、少なくとも第一X線不透過マーカーと、第二X線不透過マーカーと、を備えるカテーテル。
(2)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円外かつ前記カテーテル内に該第二マーカーの少なくとも一部分があり、
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(3)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(4)
該第一マーカーと該第二マーカーの少なくとも一方が、リング状形状である(2)または(3)に記載のカテーテル。
(5)
該第一マーカーと該第二マーカーとが、リング状形状であり、どちらか一方が切り欠きを有するリング形状であり、
該第一ルーメンの中心軸と該第二ルーメンの中心軸を含む第一平面を定義し、該第一ルーメン、または、該第二ルーメンの中心軸を含み、該第一平面に垂直な第二平面を定義した場合、該マーカーの切り欠きが、該第二平面と重なる部分を有することをさらに備える、(2)または(3)記載のカテーテル。
(6)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円内かつ前記カテーテル内に該第二マーカーがあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとが、リング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であり、
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(7)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ該カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面は、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円内かつ該カテーテル内に該第二マーカーがあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であり
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(8)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面は、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ該カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(9)
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であることをさらに備える(1)記載のカテーテル。
(10)
該第一マーカーと該第二マーカーの両方が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの、該カテーテル径方向の向きと、該第二マーカーの切り欠きの該カテーテル径方向の向きとが、異なることをさらに備える、(2)〜(9)何れかに記載のカテーテル。
(11)
該第一ルーメンの中心軸が、該第二ルーメンの半径方向に、該第二ルーメンの中心軸からはなれるように湾曲しつつ、第一先端側開口部が開口することを特徴とする(1)〜(10)の何れかに記載のカテーテル。
(12)
該第一ルーメン先端側開口部から該第二ルーメン先端部開口部までの最大外径が該第一ルーメン先端側開口部から該第二ルーメン基端側開口部までの最大外径よりも小さいことを特徴とする(1)〜(11)の何れかに記載のカテーテル。
(13)
該第二ルーメンは、ガイドワイヤーを通すためのルーメンであることを特徴とする(1)〜(12)の何れかに記載のカテーテル。
(14)
該第一ルーメンは、ガイドワイヤーを通すためのルーメンであることを特徴とする(1)〜(13)の何れかに記載のカテーテル。
(15)
該第一ルーメンは、薬剤を運搬するためのルーメンであることを特徴とする(1)〜(13)の何れかに記載のカテーテル。
(16)
該カテーテルが、内層と外層の少なくとも2層から構成されていることを特徴とする(1)〜(15)の何れかに記載のカテーテル。
(17)
該カテーテルの外層の材質が、低密度ポリエチレン、ポリアミドエラストマー及びポリアミドから選ばれる材質により形成される事を特徴とする(16)に記載のカテーテル。
(18)
該カテーテルの内層の材質が、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる材質により形成される事を特徴とする(16)または(17)に記載のカテーテル。
(19)
該第二ルーメン基端側開口部から該第二ルーメン先端側開口部にかけて、徐々に剛性が小さくなるように構成され、少なくとも硬度が異なる外層を二つ有することを特徴とする(1)〜(18)の何れかに記載のカテーテル。
(20)
該カテーテルの外層の材質の曲げ弾性率が15MPa以上、且つ1000MPa以下であるものを含むことを特徴とする(16)〜(19)の何れかに記載のカテーテル。
(21)
該カテーテルの外層の材質がポリアミドエラストマーであり、該ポリアミドエラストマーが、ハードセグメントとソフトセグメントを含むブロック共重合体であり、該ポリアミドエラストマー中のソフトセグメントの割合が30重量%以下であることを特徴とする(16)〜(20)の何れかに記載のカテーテル。
(22)
該カテーテルの内層の材質の曲げ弾性率が150MPa以上、且つ1600MPa以下であることを特徴とする(16)〜(20)の何れかに記載の医療用カテーテル。
(23)
前記先端側シャフトの内層のルーメンの表面全体に微細な凸凹のある粗表面を有することを特徴とする(16)〜(22)の何れかに記載の医療用カテーテル。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明(1)のカテーテルは、第一先端側開口部と第一基端側開口部を有する第一ルーメンと、該第一ルーメン先端側開口部よりも先端側にある第二先端側開口部と、該第一先端側開口部より手元側にある第二基端側開口部を有する第二ルーメンと、少なくとも第一X線不透過マーカーと、第二X線不透過マーカーとを備えるので、X線透視下で患者体内カテーテル位置を監視しつつ、ガイドワイヤーを配置したり、薬剤を注入することが可能となる。さらに、血管分岐部の本幹と分岐に容易にワイヤーを通過することができる。特に、カテーテルが、少なくとも2つのマーカーを備えることで、カテーテルの位置と方向を、少なくとも2箇所で視認することが可能となり、X線視認性に優れるカテーテルが提供される。
さらに、本発明(2)ないし(4)によれば、該カテーテルを体内に挿入し、造影した場合、造影図に写った少なくとも2つのマーカー位置関係により、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0009】
また、本発明(5)によれば、さらに、該第一マーカーと該第二マーカーとが、リング状形状であり、どちらか一方が切り欠きを有するリング形状であり、該第一ルーメンの中心軸と該第二ルーメンの中心軸を含む第一平面を定義し、該第一ルーメン、または、該第二ルーメンの中心軸を含み、該第一平面に垂直な第二平面を定義した場合、該マーカーの切り欠きが、該第二平面と重なる部分を有することで、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。このことにより、さらに、血管分岐部の本幹と分岐に容易にワイヤーを迅速に通過することができる。
【0010】
また、本発明(6)〜(9)によれば、少なくとも1つのマーカーが切り欠きを有するリング状形状であるので、造影図に写った少なくとも2つのマーカー形状により、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
また、本発明(10)によれば、2つのマーカーが切り欠きを有し、これらの切り欠きの位置が、両方のマーカーに共通する中心軸を含む同一平面上にないことで、該カテーテルを体内に挿入し、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。このことにより、さらに、血管分岐部の本幹と分岐に容易にワイヤーを迅速に通過することができる。
【0011】
また、本発明(11)によれば、第一ルーメンの中心軸が、第二ルーメンの半径方向に、該第二ルーメンの中心軸から離れるように湾曲部を設ける場合、該第一ルーメン基端側開口部から該第一ルーメン先端側開口部へガイドワイヤーを前進させ、ガイドワイヤーの先端部が該第一ルーメン先端側開口部より突出する際に前記湾曲部により斜め方向に偏向して突出される。この湾曲部を設けた構造により分岐部病変の本幹から分枝にガイドワイヤーを導入することを容易とする。
【0012】
また、本発明(12)にように、カテーテルの先端部分を細くすることで、柔軟性、曲路追従性に優れたカテーテルが提供される。
【0013】
また、本発明(13)および(14)により、分岐した血管内にガイドワイヤーを容易に挿通することが可能である。
また、本発明(15)により、局所的に薬剤を注入することを容易にする。
【0014】
また、本発明(16)のように、カテーテルが少なくとも二層から構成されていることによって、使用の目的に応じて、さらにガイドワイヤー操作性と曲路追従性を改良することができる。
【0015】
また、本発明(17)〜(20)のように、カテーテルの外層の材質を調節することで、柔軟性、曲路追従性に優れたカテーテルが提供される。
【0016】
また、本発明(21)、(22)のように、先端側シャフトの内層の材質を選択することによって、更にガイドワイヤーの操作性が改善できる。
【0017】
また、本発明(23)によれば、先端側シャフトの内層のルーメン表面全体に凹凸のある粗表面を有することで、更にガイドワイヤーの滑りがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施態様を、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本発明の一例を図1から図3に示す。
【0020】
該カテーテル1は、図1に示すように第一ルーメン5と第二ルーメン6とを備え、第一ルーメン5は、第一先端側開口部10からカテーテル1の基端方向にわたってあり、第二ルーメン6は、第一ルーメン5の第一先端側開口部10よりも先端側にある第二先端側開口部8から第一ルーメン5の第一先端側開口部10よりも基端側にある第二基端側開口部9までにわたってある。第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0021】
図2、図3は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一ルーメン5の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第一円内に第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第一ルーメン5の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第二円外に第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、それぞれ、内層12、内層11上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。これにより、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。本明細書にいう切り欠きの、カテーテル径方向の向きとは、切り欠き形状の重心点の、カテーテル径方向の向きをいうものとする。
【0022】
なお、本例を含む本発明の各例で使用され得るマーカーの形状の具体例については後述する。
【0023】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0024】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がそれぞれ中空円柱すなわちリング状形状であることがよい。第一マーカー17と第二マーカー18の形状がそれぞれリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易に製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0025】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0026】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの位置と、該第二マーカーの切り欠きの位置とが、両方のマーカーに共通する中心軸を含む同一平面状になければよいが、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば、良い。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0027】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。また、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0028】
本発明の一例を図4から図6に示す。
【0029】
該カテーテル1は、第一マーカー17と第二マーカー18以外は図1から図3と同様である。図4に示すように、第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0030】
図5、図6は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一ルーメン5の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第一円内に第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、それぞれ、内層12、内層11上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。当該位置に固定することで、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。
【0031】
また、第二マーカーが、第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の間にあることは、第二先端側開口部8の位置を容易に特定できるため、好ましい。
【0032】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0033】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がそれぞれリング状形状であることがよい。第一マーカー17と第二マーカー18の形状がそれぞれリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易で、かつ高収率で製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0034】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0035】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの位置と、該第二マーカーの切り欠きの位置とが、両方のマーカーに共通する中心軸を含む同一平面状になければよいが、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば、好ましい。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。
【0036】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。また、ガイドワイヤーが第一ルーメン5、または、第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0037】
本発明の一例を図7から図9に示す。
【0038】
該カテーテル1は、第一マーカー17と第二マーカー18以外は図1から図3と同様である。図7に示すように、第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0039】
図8、図9は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一ルーメン5の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第一円内に第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第一ルーメン5の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第二円内に第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、それぞれ、内層12上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。これにより、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。
【0040】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0041】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がどちらか一方がリング状形状、他方が切り欠きを有するリング形状であり、切り欠きを有するリング形状を含む断面では、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心を通る直線上に半円の端部が重ならないほうがよい。第一マーカー17と第二マーカー18のどちらかの形状がリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易で、かつ高収率で製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0042】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0043】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの位置と、該第二マーカーの切り欠きの位置とが、両方のマーカーに共通する中心軸を含む同一平面状になければよいが、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば、好ましい。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0044】
また、第一ルーメン5より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。また、ガイドワイヤーが第二ルーメン6内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0045】
本発明の一例を図10から図12に示す。
【0046】
該カテーテル1は、第一マーカー17と第二マーカー18以外は図1から図3と同様である。図10に示すように、第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0047】
図11、図12は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一ルーメン6の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第一円内に第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第一ルーメン6の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第二円内に第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、内層11上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。これにより、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。
【0048】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0049】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がどちらか一方がリング状形状、他方が切り欠きを有するリング形状であり、切り欠きを有するリング形状を含む断面では、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心を通る直線上に半円の端部が重ならないほうがよい。第一マーカー17と第二マーカー18のどちらかの形状がリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易で、かつ高収率で製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0050】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0051】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば、良い。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。
【0052】
また、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。また、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0053】
本発明の一例を図13から図15に示す。
【0054】
該カテーテル1は、第一マーカー17と第二マーカー18以外は図1から図3と同様である。図13に示すように、第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0055】
図14、図15は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一ルーメン6の中心を中心とし、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心との最短距離を半径とする第一円内に第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、内層11上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。これにより、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。
【0056】
また、第二マーカーが、第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の間にあることは、第二先端側開口部8の位置を容易に特定できるため、好ましい。
【0057】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0058】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がどちらか一方がリング状形状、他方が切り欠きを有するリング形状であり、切り欠きを有するリング形状を含む断面では、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心を通る直線上に半円の端部が重ならないほうがよい。第一マーカー17と第二マーカー18のどちらかの形状がリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易で、かつ高収率で製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0059】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0060】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば、良い。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0061】
また、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。また、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0062】
本発明の一例を図16から図18に示す。
【0063】
該カテーテル1は、第一マーカー17と第二マーカー18以外は図1から図3と同様である。図16に示すように、第一マーカー17、第二マーカー18は、それぞれ、カテーテル1の長手方向については、第一ルーメン先端側開口部10と第二ルーメン基端側開口部9の間の第一の位置、第二の位置にある。
【0064】
図17、図18は、それぞれ、第一マーカー17を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面2、第二マーカー18を含む長手方向に対して垂直に切断した第一断面3の概略図を示している。第一断面2は、第一マーカー17がある断面である。第二断面3は、第二マーカー18がある断面である。当該位置に配置することで、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の方向とその位置が特定できる。第一マーカー17、第二マーカー18の材質としては実質的にX線不透過性である限り特に限定されず、金属や樹脂の材料の種類は問われない。第一マーカー、第二マーカーは、内層11上にあり外層13が被覆するかたちで、固定してもよい。これにより、容易に製造できる。また、第一マーカー17、第二マーカー18の形状は問わないが、中空のリング状形状または、切り欠きを有する中空のリング形状であることが好ましい。中空のリング状形状は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、容易に製造できる。切り欠きを有する中空のリング形状は、カテーテル径方向の異なる2つの方向から見ると、異なった形状に見える。よって、方向を容易に判断しやすくなる。さらに、切り欠きを有する中空のリング状形状は、中空の半円柱が好ましい。これにより、製造が容易になる。
【0065】
また、第一マーカー、または、第二マーカーが、第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の間にあることは、第二先端側開口部8の位置を容易に特定できるため、好ましい。
【0066】
また、該第一断面2と該第二断面3は、同じであっても、異なってもよい。好ましくは、該第一断面2と該第二断面3は、異なっていたほうがよい。これにより、カテーテル1の長手方向の位置関係を特定できる。
【0067】
好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18の形状がどちらか一方がリング状形状、他方が切り欠きを有するリング形状であり、切り欠きを有するリング形状を含む断面では、第一ルーメン5の中心と第二ルーメン6の中心を通る直線上に半円の端部が重ならないほうがよい。第一マーカー17と第二マーカー18のどちらかの形状がリング状形状である場合は、X線造影下において、カテーテル1の径方向のどの方向から見ても、同一形状に見えるため,視覚化が容易である。また、製造面においても、径方向にずれることがないため、容易で、かつ高収率で製造できる。また、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0068】
また、第一ルーメン5、または、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、配置されてない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0069】
次に記すのは1例であるが、特に好ましくは、第一マーカー17と第二マーカー18が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの位置と、該第二マーカーの切り欠きの位置とが、両方のマーカーに共通する中心軸を含む同一平面状になければよいが、第一マーカー17に対して、第二マーカー18が90°または、270°の角度を持って、径方向にずれていれば好ましい。これにより、X線造影下において、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。さらに、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。
【0070】
また、第二ルーメン6より薬剤を患部に注入したい時に、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されている場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも2方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、2つのルーメンを含む平面を定義した場合の該平面に対してほぼ垂直方向からX線透視した場合のX線造影図において、第一ルーメンの先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置を特定できる。また、ガイドワイヤーが第一ルーメン5内に配置されていない場合においても、カテーテル1の第一ルーメン先端側開口部10、または、第二ルーメン先端側開口部8の少なくとも4方向とその位置が特定できるため、的確に患部に注入できる。すなわち、任意の角度からX線透視して造影した場合、該第一ルーメン先端側開口部と第二ルーメン先端側開口部の位置が特定できる。
【0071】
図19に示すように、従来の構造では軸方向に摺動可能なガイドワイヤー37が第一ルーメン5内を通って先端方向に移動し第一先端側開口部10より突出した時、軸方向に沿ってでていく為場合によっては第二ルーメン6から出たガイドワイヤーと絡まる可能性があった。図20に示すように第一ルーメン5の第一先端側開口部10の遠位端に湾曲部36を設けることにより第一先端側開口部10における中心軸が、第二ルーメン6の中心軸に対して斜めに軸が偏向して配置され、軸方向に摺動可能なガイドワイヤー37が第一ルーメン5内を通って先端方向に移動した時、ガイドワイヤーの先端部38が第一先端側開口部10より斜め方向に偏向して突出される。この湾曲部を設けた構造により、分岐部病変の本幹から分枝にガイドワイヤーを導入することを容易にすることを可能としたことは、このカテーテルの大きな有用性である。
【0072】
更にカテーテル1は第一ルーメン5と第二ルーメン6の二つのルーメンの内面を形成する内層11、12とシャフト外層13からなり、これらの層は互いに異なるプラスティック材質からなる。外層13は内層11、12を形成する材質より柔軟な材質を配置していることを特徴としている。このことにより、カテーテルにコシができ、キンクを防止できる。
【0073】
また、シャフト外層13部分の材質は樹脂である限り特に限定されないが、具体的にはポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミドの樹脂材料があげられる。曲路追従性を向上させる為にカテーテル1は手元側に向けて先端部14、中間部15、基端部16と断続的に曲げ剛性を高めている。ここにいう、曲げ剛性とは、ある一定の曲率まで、曲げるのに要する力を意味する。剛性の測定方法は、カテーテルの両端を支持し、中央部分をある一定距離まで押し、その時の最大荷重を測定する。カテーテル1の外層の材質の曲げ弾性は曲路追従性の観点から15MPa以上、且つ1000MPa以下であるものを含むことが好ましい。より好ましくは、先端部14は、約84MPaであり、中間部15は290〜390MPa、基端部16は約730MPaである。更にカテーテル外層13部分を形成する材質がポリアミドエラストマーである場合、該ポリアミドエラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントを含むブロック共重合体であるポリエーテルエステルアミドエラストマーからなることが好ましい。より好ましくは、該ポリアミドエラストマー中のソフトセグメントの割合が30重量%以下である。特に好ましくは、先端部14の該成分中のソフトセグメントの割合が10重量%以上、且つ30重量%以下であり、中間部15、基端部16では10重量%以下である。なお、該ポリアミドエラストマーが、ハードセグメントとソフトセグメントを含むブロック共重合体であるポリエーテルエステルアミドエラストマーである場合は、ポリエーテルエステルアミドエラストマーからなる上記ソフトセグメントの割合は、H1−NMRによって構造を分析し、標準品のソフトセグメントの割合と比較することによって、決定できる。
また、該カテーテル内層11、12部分の材質は樹脂であるかぎり特に限定されないが、好ましくは、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれ、より好ましくは曲げ弾性率が150MPa以上、且つ1600MPa以下である。もっとも好ましくはカテーテル外層13より高い曲げ弾性率を有する材質にて1600MPaが良い。更にカテーテルの二つのルーメンのルーメン側表面全体に微細な凸凹のある粗表面を有することでガイドワイヤーの摺動性を向上することが可能であり、更に高い曲路追従性を得ることが可能である。
本明細書にいう曲げ断線率は、すべて、ISO178、23℃で測定した値である。
上記各例で挙げたマーカー形状の具体例は図22に示される。中空のリング形状のマーカーの具体例は39が挙げられる。切り欠きを有する中空のリング形状のマーカーの具体例は40および41が挙げられる。切り欠きはマーカーの軸方向一部にわたっても(40)、全長にわたっても(41)よい。中空の半円柱のマーカーの具体例は42が挙げられる。
【実施例】
【0074】
以下に本発明に係る具体的な実施例及び比較例について詳説するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)
高密度ポリエチレン(HB530、日本ポリケム株式会社)を用いて押出成形によりチューブ(内径0.43mm、外径0.58mm)を作製した。該高密度ポリエチレン製チューブ1、2を40mmにカットした。第一ルーメンを形成する該チューブ1の第一先端側開口部を形成する一端から5mmの位置に白金−タングステン合金(タングステン含量8wt%)からなる切り欠きを有するリング形状の第一X線不透過マーカー(外径0.62mm、内径0.58mm、長さ1.0mm)を配置した。第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から8mmの位置に白金−タングステン合金(タングステン含量8wt%)からなる半円の第二X線不透過マーカー(外径0.62mm、内径0.58mm、長さ1.0mm)を配置した。
【0076】
ポリアミドエラストマー(PEBAX7233SA01、elf atochem社)を用いて押出成形によりチューブ3(内径1.21mm、外径1.33mm)を作製した。該チューブ3を37mmにカットした。
【0077】
ポリアミドエラストマー(PEBAX7233SA01、elf atochem社)を用いて押出成形によりチューブ4(内径0.62mm、外径0.74mm)を作製した。該チューブ4を5mmにカットした。
【0078】
チューブ2の第二先端側開口部を形成する一端から5mmの位置までチューブ4を重ねた。さらに、チューブ2の先端側開口部を形成する一端から3mmの位置に第一先端側開口部を形成するチューブ1の一端を配置した。第一マーカーに対して、第二マーカーが90°または、270°の角度を持って、径方向にすれているように配置し、その上にチューブ3を被せた。これらを熱溶着により一体化した。
【0079】
(実施例2)
第二X線不透過マーカーの配置位置について、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から8mmの位置を0.5mmの位置に変更した以外は実施例1と同様。
【0080】
(実施例3)
第二X線不透過マーカーの配置位置について、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から8mmの位置を、第一ルーメンを形成する該チューブ1の一端から8mmの位置変更した以外は、実施例1と同様。
(実施例4)
第一X線不透過マーカーの配置位置について、第一ルーメンを形成する該チューブ1の一端から5mmの位置を、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から5mmの位置変更した以外は、実施例1と同様。
(実施例5)
第二X線不透過マーカーの配置位置について、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から8mmの位置を、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から0.5mmの位置変更した以外は、実施例4と同様。
(実施例6)
第一X線不透過マーカーの配置位置について、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から5mmの位置を、第二ルーメンを形成する該チューブ2の一端から2mmの位置変更した以外は、実施例5と同様。

比較例1
第一X線不透過マーカーを第一先端側開口部を形成するチューブ1に配置しない以外は、実施例1と同様。
比較例2
第二ルーメンを形成するチューブ2にリング状形状のX線不透過マーカーを二つ配置し、第一ルーメンを形成するチューブ1にはX線不透過マーカーを配置しない以外は実施例1と同様。

図21に示したような回路を作製した。37℃の温水中に図21に示した回路を浸し、カテーテル1を分岐部周辺に配置した。X線を照射し、造影図のみを頼りに、第二ルーメンに第一のワイヤーを通した後,第一ルーメンに第二のワイヤーを通して、分岐部を通過させた。第二のワイヤーを第一ルーメンに挿入してから分岐部を通過するまでの時間を計測した。次に、第二ルーメンに第一のワイヤーを通過させない状態で、第一ルーメンに第二のワイヤーを通して、分岐部を通過させた。第二のワイヤーを第一ルーメンに挿入してから分岐部を通過するまでの時間を計測した。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

第二ルーメンに第一のワイヤーを通した後,第一ルーメンに第二のワイヤーを通して、分岐部を通過させた場合、マーカーが第一のルーメンに配置されているものは、第一ルーメン先端側開口部の方向と位置が明確に確認でき、早く分岐部を通過した。
【0083】
第二ルーメンに第一のワイヤーを通過させない状態で、第一ルーメンに第二のワイヤーを通して、分岐部を通過させた場合、実施例1〜6は、第一ルーメン先端側開口部の方向と位置が少なくとも4つ区別できるため、早く分岐部を通過した。比較例に比べて、実施例はガイドワイヤーを早く通過させることができた。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す一軸方向断面模式図である。
【図2】本発明に係るカテーテルの構造を示す一第一断面図である。
【図3】本発明に係るカテーテルの構造を示す一第二断面図である。
【図4】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す別の一軸方向断面模式図である。
【図5】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第一断面図である。
【図6】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第二断面図である。
【図7】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す別の一軸方向断面模式図である。
【図8】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第一断面図である。
【図9】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第二断面図である。
【図10】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す別の一軸方向断面模式図である。
【図11】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第一断面図である。
【図12】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第二断面図である。
【図13】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す別の一軸方向断面模式図である。
【図14】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第一断面図である。
【図15】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第二断面図である。
【図16】本発明に係るカテーテルの全体構造を示す別の一軸方向断面模式図である。
【図17】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第一断面図である。
【図18】本発明に係るカテーテルの構造を示す別の一第二断面図である。
【図19】従来あるカテーテルのルーメン内からガイドワイヤーが突出する状態を示す断面模式図である。
【図20】本発明に係るカテーテルのルーメン内からガイドワイヤーが突出する状態を示す断面模式図である。
【図21】本発明の係る実施例に用いた実験回路を示す模式図である。
【図22】マーカーの具体例の模式図である。
【符号の説明】
【0085】
1 カテーテル
2 第一断面
3 第二断面
5 第一ルーメン
6 第二ルーメン
11、12 内層
13 外層
14 先端部
15 中間部
16 基端部
17 第一X線不透過マーカー
18 第二X線不透過マーカー
19 本幹部
20 分岐部
36 湾曲部
21、37、38 ガイドワイヤー
39 中空のリング形状のマーカーの具体例
40 切り欠きを有する中空のリング形状のマーカーの具体例
41 切り欠きを有する中空のリング形状のマーカーの具体例
42 中空の半円柱形状のマーカーの具体例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、第一先端側開口部と第一基端側開口部を有する第一ルーメンと、該第一ルーメン先端側開口部よりも先端側にある第二先端側開口部と、該第一先端側開口部より手元側にある第二基端側開口部を有する第二ルーメンと、少なくとも第一X線不透過マーカーと、第二X線不透過マーカーと、を備えるカテーテル。
【請求項2】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円外かつ前記カテーテル内に該第二マーカーの少なくとも一部分があり、
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項3】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項4】
該第一マーカーと該第二マーカーの少なくとも一方が、リング状形状である請求項2または3に記載のカテーテル
【請求項5】
該第一マーカーと該第二マーカーとが、リング状形状であり、どちらか一方が切り欠きを有するリング形状であり、
該第一ルーメンの中心軸と該第二ルーメンの中心軸を含む第一平面を定義し、該第一ルーメン、または、該第二ルーメンの中心軸を含み、該第一平面に垂直な第二平面を定義した場合、該マーカーの切り欠きが、該第二平面と重なる部分を有することをさらに備える、請求項2または3記載のカテーテル。
【請求項6】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ前記カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面上の、該第一ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円内かつ前記カテーテル内に該第二マーカーがあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとが、リング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であり、
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項7】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面上の、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ該カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第二マーカーを含み長手方向に対して垂直な第二断面を定義した場合に、該第二断面は、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第二円内かつ該カテーテル内に該第二マーカーがあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であり
該第一断面と該第二断面とが、同じまたは異なることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項8】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン基端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第一マーカーを含み長手方向に対して垂直な第一断面を定義した場合に、該第一断面は、該第二ルーメンの中心を中心とし、該第一ルーメンの中心と該第二ルーメンの中心との最短距離を半径とする第一円内かつ該カテーテル内に該第一マーカーがあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項9】
該第一マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第一の位置にあり、
該第二マーカーは、該カテーテル長手方向については、該第一ルーメン先端側開口部と該第二ルーメン先端側開口部の間の第二の位置にあり、
該第一マーカーと該第二マーカーとがリング状形状であり、少なくとも一方が切り欠きを有するリング形状であることをさらに備える請求項1記載のカテーテル。
【請求項10】
該第一マーカーと該第二マーカーの両方が切り欠きを有するリング形状であり、該第一マーカーの切り欠きの、該カテーテル径方向の向きと、該第二マーカーの切り欠きの該カテーテル径方向の向きとが、異なることをさらに備える、請求項2〜9何れかに記載のカテーテル。
【請求項11】
該第一ルーメンの中心軸が、該第二ルーメンの半径方向に、該第二ルーメンの中心軸からはなれるように湾曲しつつ、第一先端側開口部が開口することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のカテーテル。
【請求項12】
該第一ルーメン先端側開口部から該第二ルーメン先端部開口部までの最大外径が該第一ルーメン先端側開口部から該第二ルーメン基端側開口部までの最大外径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のカテーテル。
【請求項13】
該第二ルーメンは、ガイドワイヤーを通すためのルーメンであることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のカテーテル。
【請求項14】
該第一ルーメンは、ガイドワイヤーを通すためのルーメンであることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のカテーテル。
【請求項15】
該第一ルーメンは、薬剤を運搬するためのルーメンであることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のカテーテル。
【請求項16】
該カテーテルが、内層と外層の少なくとも2層から構成されていることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載のカテーテル。
【請求項17】
該カテーテルの外層の材質が、低密度ポリエチレン、ポリアミドエラストマー及びポリアミドから選ばれる材質により形成される事を特徴とする請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
該カテーテルの内層の材質が、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる材質により形成される事を特徴とする請求項16または17に記載のカテーテル。
【請求項19】
該第二ルーメン基端側開口部から該第二ルーメン先端側開口部にかけて、徐々に剛性が小さくなるように構成され、少なくとも硬度が異なる外層を二つ有することを特徴とする請求項1〜18の何れかに記載のカテーテル。
【請求項20】
該カテーテルの外層の材質の曲げ弾性率が15MPa以上、且つ1000MPa以下であるものを含むことを特徴とする請求項16〜19の何れかに記載のカテーテル。
【請求項21】
該カテーテルの外層の材質がポリアミドエラストマーであり、該ポリアミドエラストマーが、ハードセグメントとソフトセグメントを含むブロック共重合体であり、該ポリアミドエラストマー中のソフトセグメントの割合が30重量%以下であることを特徴とする請求項16〜20の何れかに記載のカテーテル。
【請求項22】
該カテーテルの内層の材質の曲げ弾性率が150MPa以上、且つ1600MPa以下であることを特徴とする請求項16〜20の何れかに記載の医療用カテーテル。
【請求項23】
前記先端側シャフトの内層のルーメンの表面全体に微細な凸凹のある粗表面を有することを特徴とする請求項16〜22の何れかに記載の医療用カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−130116(P2007−130116A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324311(P2005−324311)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】