説明

カプラ装置および通信機器

【課題】近隣金属が地板に対向する状況で使用されようとも、カプラ装置の結合特性の劣化を小さく抑える。
【解決手段】通信機器に搭載されて、他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、結合素子、地板および少なくとも1つの接続素子を備える。結合素子は、平板状の導電材料により構成され、基準点へ給電される。地板は、平板状の導電材料により構成され、一部が結合素子の一部と対向する。接続素子は、導電材料により構成されるとともに地板に取り付けられ、地板に対向して通信機器に設けられる金属部材に当接して地板と金属部材とを電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カプラ装置および通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
いずれも平板状の結合素子と地板とを互いに対向させた構造のカプラ装置は特許文献1乃至3により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−151763号公報
【特許文献2】特開平5−183311号公報
【特許文献3】特開2011−114705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の構造のカプラ装置を通信機器に装着すると、通信機器の筐体の金属面や、通信機器に搭載されたデバイスの金属筐体などのような金属(以下、近隣金属と称する)が地板に対向することが多い。
【0005】
そして、このように近隣金属が地板に対向していると、カプラ装置の動作に伴って近隣金属に電流が誘起され、結合特性が劣化するおそれがあった。
【0006】
このような事情から、近隣金属が地板に対向する状況で使用されようとも、カプラ装置の結合特性の劣化を小さく抑えることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のカプラ装置は、通信機器に搭載されて、他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、結合素子、地板および少なくとも1つの接続素子を備える。結合素子は、平板状の導電材料により構成され、基準点へ給電される。地板は、平板状の導電材料により構成され、一部が結合素子の一部と対向する。接続素子は、導電材料により構成されるとともに地板に取り付けられ、地板に対向して通信機器に設けられる金属部材に当接して地板と金属部材とを電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係るカプラ装置の斜視図。
【図2】一実施形態に係るカプラ装置の斜視図。
【図3】図1および図2に示すカプラ装置の分解斜視図。
【図4】図1および図2に示すカプラ装置が搭載される通信機器の一例としての情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図5】図4に示す情報処理装置のブロック図。
【図6】図4に示す情報処理装置における図1および図2に示すカプラ装置の取り付け状態を示す図。
【図7】図1および図3に示す結合素子における電流経路を示す図。
【図8】比較用カプラ装置で給電点へと給電した際の電流分布を示す図。
【図9】図1乃至図3に示すカプラ装置で給電点へと給電した際の電流分布を示す図。
【図10】Sパラメータの測定条件を示す図。
【図11】図1乃至図3に示すカプラ装置および比較用カプラ装置における周波数とSパラメータ(S11,S21)との関係を示す図。
【図12】図1乃至図3に示すカプラ装置の基準カプラに対するずれに応じたS21の変化を表す図。
【図13】図1乃至図3に示すカプラ装置における2つの接続素子の1つを除去したカプラ装置の基準カプラに対するずれに応じたS21の変化を表す図。
【図14】第1の変形例としてのカプラ装置の斜視図。
【図15】第2の変形例としてのカプラ装置の斜視図。
【図16】第3の変形例としてのカプラ装置の斜視図。
【図17】第4の変形例としてのカプラ装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1および図2は本実施形態に係るカプラ装置1の斜視図である。図3はカプラ装置1の分解斜視図である。
【0011】
これら図1乃至図3に示すようにカプラ装置1は、結合素子11、短絡素子12,13、地板14、誘電体15および接続素子16,17を含む。
【0012】
結合素子11、地板14および誘電体15は、いずれも平板状をなし、それぞれの厚み方向をほぼ一致させた状態で、その厚み方向に沿って結合素子11、誘電体15および地板14の順番で配列されている。なお、以下の説明においては、これら結合素子11、誘電体15および地板14の配列方向(厚み方向/高さ方向)をカプラ装置1の表裏方向と定め、かつ結合素子11の側を表側と定める。つまり、結合素子11はカプラ装置1の表側において誘電体15に対向し、かつ地板14はカプラ装置1の裏側において誘電体15に対向する。
【0013】
結合素子11は導電材料を図3に示すような形状に形成してなる。すなわち結合素子11は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。
【0014】
結合素子11は、矩形部11a,11b,11c,11d,11eを含む。矩形部11a,11bは、互いに離間してほぼ平行する。矩形部11cは、矩形部11a,11bの配列方向に沿って延び、両端が矩形部11a,11bの中間部にそれぞれ接する。矩形部11d,11eは、矩形部11cの中央から互いに逆向きに突出する。矩形部11a,11b,11cはいずれも、他のカプラ装置との間で授受する高周波信号がほぼ全域に渡り流れる程度の幅を持つ。
【0015】
短絡素子12,13は、矩形の平板状をなし、その厚み方向が結合素子11の厚み方向に直交する。短絡素子12は、矩形部11dの先端において矩形部11dに接する。短絡素子13は、矩形部11eの先端において矩形部11eに接する。ただし、短絡素子12,13が結合素子11に接する位置は、矩形部11d,11eの先端以外のどの位置でも良い。すなわち短絡素子12は、給電点Pから矩形部11dの先端までの間で矩形部11dに接し、短絡素子13は、給電点Pから矩形部11eの先端までの間で矩形部11eに接する。短絡素子12,13は、結合素子11に一体的であっても良いし、別体のものを半田や導電性接着材などによって取り付けても良い。短絡素子12,13は、誘電体15の内部を通過する状態で配置されている。短絡素子12,13は、半田や導電性接着剤などによって地板14に対して電気的に接続されている。なお、図3においては、短絡素子12,13および短絡素子12,13が通過するための誘電体15の開口は図示を省略している。かくして短絡素子12,13は、それぞれ異なる位置で結合素子11と地板14とを短絡する。
【0016】
地板14は、誘電体15の一面のほぼ全面に導電材料よりなる薄い層を形成してなる。地板14は、結合素子11との間で直接的な導通(地板14と結合素子11との間の短絡素子12を介した導通とは異なる)が生じることがない程度に結合素子11に対して離間される。地板14は、上記の導電材料よりなる薄い層を図3に示すような形状に形成してなる。すなわち地板14は、その厚み方向に直交する平面において次のような形状をなす。
【0017】
地板14は、7つの矩形部14a,14b,14c,14d,14e,14f,14gを有する。矩形部14a,14bは、互いに離間してほぼ平行する。矩形部14cは矩形部14a,14bの配列方向に沿って延び、両端が矩形部14a,14bの中間部にそれぞれ接する。矩形部14d,14eは、矩形部14aの両端から矩形部14bに向かって延出する。矩形部14f,14gは、矩形部14bの両端から矩形部14aに向かって延出する。矩形部14d,14eの矩形部14aからの突出量および矩形部14f,14gの矩形部14bからの突出量は、矩形部14dおよび矩形部14fと、矩形部14eおよび矩形部14fとが互いに接することがないように設定される。矩形部14d,14eの矩形部14aからの突出量は、矩形部11a,11bと矩形部14aとの間の水平方向の最小離間幅以下であることが望ましく、矩形部14f,14gの矩形部14bからの突出量は、矩形部11a,11bと矩形部14bとの間の水平方向の最小離間幅以下であることが望ましいが、これに限られるものではない。
【0018】
誘電体15は、誘電材料を平板状に形成してなる。誘電体15は、結合素子11と地板14との間隙に配置される。カプラ装置1において誘電体15は、結合素子11と地板14との間隔にほぼ等しい厚みを有し、結合素子11と地板14との間隙をほぼ埋める。このため短絡素子12は、その大半が誘電体15の内部に位置している。ただし誘電体15の厚みは、結合素子11と地板14との間隔よりも小さくても良い。誘電体15は、その厚みが結合素子11と地板14との間隔よりも小さい場合には、典型的には地板14に接し、かつ結合素子11から離間する状態で誘電体15を配置する。しかしながら、結合素子11に接し、かつ地板14から離間する状態で誘電体15を配置しても良い。あるいは、結合素子11および地板14のいずれからも離間した状態で誘電体15を配置しても良い。さらには、結合素子11に接する第1の誘電体と地板14に接する第2の誘電体とをそれぞれ設けて、これら第1および第2の誘電体を互いに離間して配置しても良い。
【0019】
誘電体15の厚み方向に直交する平面における形状は任意であってよい。
【0020】
図1乃至図3に示すカプラ装置1では、誘電体15の形状は、結合素子11の裏側面の全ておよび地板14の表側面の全てを覆う形状とし、かつそのような状態で配置されている。具体的には、誘電体15は図3に示すように矩形部15a,15b,15c,15d,15e,15f,15g,15h,15i,15j,15kを含む。矩形部15a,15bは、互いに離間してほぼ平行する。矩形部15cは矩形部15a,15bの配列方向に沿って延び、両端が矩形部15a,15bの中間部にそれぞれ接する。矩形部15d,15eは、矩形部15aの両端から矩形部15bに向かって延出する。矩形部15f,15gは、矩形部15bの両端から矩形部15aに向かって延出する。矩形部15d,15eの矩形部15aからの突出量および矩形部15f,15gの矩形部15bからの突出量は、矩形部15dおよび矩形部15fと、矩形部15eおよび矩形部15fとが互いに接することがないように設定される。ただし、矩形部15dと矩形部15fとを接合させて、矩形部15cにほぼ平行した1つの矩形部に置き換えても良い。また、矩形部15eと矩形部15gとを接合させて、矩形部15cにほぼ平行した1つの矩形部に置き換えても良い。矩形部15h,15iは、互いに離間してほぼ平行する。矩形部15h,15iの間には、矩形部15cが位置する。矩形部15jの両端は、矩形部15cの中間部と矩形部15hの中間部とにそれぞれ接する。矩形部15kの両端は矩形部15cの中間部と矩形部15iの中間部とにそれぞれ接する。そして矩形部15a,15b,15c,15d,15e,15f,15gは矩形部14a,14b,14c,14d,14e,14f,14gにそれぞれ対向し、矩形部15h,15iは矩形部11a,11bにそれぞれ対向し、矩形部15cが矩形部11cの一部と矩形部11e,11dと対向し、矩形部15j,15kが矩形部11cの一部と対向する。
【0021】
図3中に二点鎖線で示した領域A1は、地板14の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域を示す。領域A2は、誘電体15の表側面に対して表裏方向に結合素子11を投影した場合の投影領域を示す。
【0022】
接続素子16,17は、地板14の裏側面に取り付けられている。地板14における接続素子16,17の取り付け位置は任意であって良いが、図1乃至図3に示すカプラ装置1においては、矩形部14aの中間部に接続素子16を取り付け、矩形部14bの中間部に接続素子17を取り付けている。このため接続素子16,17は、短絡素子12,13の配列方向とほぼ同一の方向に並ぶ。接続素子16,17は、地板14に一体的であっても良いし、別体のものを半田や導電性接着材などによって取り付けても良い。
【0023】
接続素子16,17は、導電材料を含む。例えば接続素子16,17としては、シールドガスケットや、ピン構造の導電接触子などを利用できる。シールドガスケットは、ポリウレタンなどからなる弾性を有する芯材の周囲に導電布や導電メッシュを巻きつけた周知の構造のものである。ピン構造の導電接触子は、近接する部材に対してばねなどによりピンを安定的に当接させるよう周知の構造のものである。
【0024】
図4はカプラ装置1が搭載される通信機器の一例としての情報処理装置30の外観を示す斜視図である。この情報処理装置30は、例えば、バッテリ駆動可能なノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータとして実現されている。情報処理装置30は、タブレット型のパーソナルコンピュータや携帯電話装置などのような他のタイプの装置として実現することも可能である。
【0025】
情報処理装置30は、本体300およびディスプレイユニット350を備えている。ディスプレイユニット350は、回動自在な状態で本体300に支持されている。ディスプレイユニット350は、本体300の上面を露出させる開放状態と、本体300の上面を覆う閉塞状態とを形成し得る。ディスプレイユニット350には、liquid crystal display(LCD)351が設けられている。
【0026】
本体300は薄い箱状の筐体を有している。キーボード301、タッチパッド302および電源スイッチ303は、本体300内に配置されている。キーボード301の一部、タッチパッド302の一部および電源スイッチ303の一部は、筐体の上面より筐体の外部に露出する。また本体300には、その筐体の内部にカプラ装置1が設けられている。本体300内におけるカプラ装置1の向きは任意であって良い。ただし典型的には、図1における表裏方向を本体300の筐体の上面に直交する方向と一致させる。また典型的には、地板14よりも結合素子11を本体300の筐体の上面の近くに位置させる。
【0027】
カプラ装置1は、情報処理装置30と図示しない他の装置との間で近接無線通信を行うために利用される。近接無線通信は、ピアツーピア形式で実行される。通信可能距離は、例えば3cm程度である。通信端末どうしの無線接続は、両通信端末にそれぞれ搭載されたカプラ装置1どうしの間の距離が通信可能距離以内に接近した場合に可能となる。そして、2つのカプラ装置1が通信可能距離以内に接近した時に、当該2つの通信端末の間の無線接続が確立される。そして、ユーザによって指定されたデータファイル、または予め決められた同期対象データファイル等のデータが、2つの通信端末の間で送受信される。
【0028】
図4に示す例では、カプラ装置1は本体300の上面におけるパームレストとして機能する領域の下に配置されている。かくしてパームレストの一部は、通信面として機能する。すなわち、情報処理装置30との間での近接無線通信を行おうとする他の通信端末をパームレストに近接させることで、当該通信端末と情報処理装置30との無線接続を確立できる。
【0029】
図5は情報処理装置30のブロック図である。なお、図4と同一部分には同一符号を付している。
【0030】
情報処理装置30は、カプラ装置1、キーボード301、タッチパッド302、電源スイッチ303およびLCD351の他に、ハードディスクドライブ(HDD)304、CPU305、主メモリ306、basic input/output system(BIOS)−ROM307、ノースブリッジ308、グラフィクスコントローラ309、ビデオメモリ(VRAM)310、サウスブリッジ311、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)312、電源コントローラ313および近接無線通信デバイス314を含む。
【0031】
ハードディスクドライブ304は、オペレーティングシステム(OS)やBIOS更新プログラム等の各種プログラムを実行するためのコードを格納する。
【0032】
CPU305は、情報処理装置30の動作を制御するために、ハードディスクドライブ304から主メモリ306にロードされた各種プログラムを実行する。CPU305が実行するプログラムには、オペレーティングシステム401、近接無線通信ガジェットアプリケーションプログラム402、認証アプリケーションプログラム403、あるいは送信トレイアプリケーションプログラム404を含む。
【0033】
またCPU305は、ハードウェア制御のために、BIOS−ROM307に格納されたBIOSプログラムを実行する。
【0034】
ノースブリッジ308は、CPU305のローカルバスとサウスブリッジ311との間を接続する。ノースブリッジ308は、主メモリ306をアクセス制御するメモリコントローラを内蔵する。また、ノースブリッジ308は、AGPバスなどを介してグラフィクスコントローラ309との通信を実行する機能を有する。
【0035】
グラフィクスコントローラ309は、LCD351を制御する。グラフィクスコントローラ309は、ビデオメモリ310に記憶された表示データから、LCD351で表示させる表示イメージを表す映像信号を生成する。なお表示データは、CPU305の制御の下にビデオメモリ310に書き込まれる。
【0036】
サウスブリッジ311は、LPCバス上のデバイスを制御する。サウスブリッジ311は、ハードディスクドライブ304を制御するためのATAコントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ311は、BIOS−ROM307をアクセス制御するための機能を有している。
【0037】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)312は、エンベデッドコントローラと、キーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。エンベデッドコントローラは、ユーザによる電源スイッチ303の操作に応じて情報処理装置30をパワーオン/パワーオフするように電源コントローラを制御する。キーボードコントローラは、キーボード301およびタッチパッド302を制御する。
【0038】
電源コントローラ313は、図示しない電源装置の動作を制御する。なお当該電源装置は、情報処理装置30の各部の動作電力を生成する。
【0039】
近接無線通信デバイス314は、PHY/MAC部314aを備える。PHY/MAC部314aは、CPU305による制御の下に動作する。PHY/MAC部314aは、カプラ装置1を介して、他の通信端末と通信する。近接無線通信デバイス314は、本体300の筐体内に収容される。
【0040】
なお、近接無線通信デバイス314とサウスブリッジ311との間のデータの転送は、PCI(peripheral component interconnect)バスによって行われる。なお、PCIの代わりにPCI Expressを用いても良い。
【0041】
図6は情報処理装置30におけるカプラ装置1の取り付け状態を示す図である。
【0042】
カプラ装置1は、本体300の上面(パームレストとして機能する領域)を形成する樹脂部材300aの裏面に、その面に結合素子11を対向させた状態で接着される。そして接続素子16,17は、本体300の内部に配置され、地板14に対向する金属部材300bに当接し、地板14と金属部材300bとを電気的に導通させる。なお金属部材300bは、例えばハードディスクドライブの収納スペースを形成するための部材などである。
【0043】
なおカプラ装置1は、図6に示すように給電線18およびコネクタ19をさらに含む。ただし、図1乃至図3においては、給電線18およびコネクタ19の図示を省略している。
【0044】
給電線18は、地板14および誘電体15を通過する状態で配置されている。給電線18は、一端が結合素子11に、他端がコネクタ19にそれぞれ接続されている。結合素子11における給電線18の接続位置は、矩形部11cの中央の点Pであり、この点Pが給電点となる。
【0045】
コネクタ19は、地板14に面して配置される。このコネクタ19は、近接無線通信デバイス314に接続されたケーブル315と給電線18とを電気的に接続する。
【0046】
ただし、給電方法および実装方法はこれに限られるものではない。
【0047】
次に以上のように構成されたカプラ装置1の動作について説明する。
【0048】
近接無線通信デバイス314から高周波信号が送出されると、この高周波信号がケーブル315、コネクタ19および給電線18を介して結合素子11の給電点Pへと供給される。そうすると結合素子11に高周波信号に応じた電流が生じる。このときの結合素子11における電流経路は、図7に太線で示すものとなる。
【0049】
すなわち、電流経路は、給電点Pから矩形部11cに沿って矩形部11a,11bのそれぞれに向かう2つが生じる。矩形部11cにおいては、そのほぼ全域に電流が生じる。従って、矩形部11cにおける電流経路は矩形部11cの中央部を通ると見なすことができる。
【0050】
矩形部11a,11bにおいては、そのほぼ全域に電流が生じる。従って、矩形部11a,11bにおける電流経路は矩形部11a,11bの中央部を通ると見なすことができる。このため、電流経路は矩形部11aの中央で2つに分かれて矩形部11aの端部E1,E2に及ぶ。矩形部11bでも同様に、電流経路は矩形部11bの中央で2つに分かれて矩形部11bの端部E3,E4に及ぶ。
【0051】
このようにして、給電点Pから端部E1,E2,E3,E4のそれぞれまで及ぶ4つの電流経路が形成される。かくして、端部E1,E2,E3,E4は、それぞれ開放端となる。そして4つの電流経路のそれぞれは、一部が他の電流経路と共通になっている。すなわち、矩形部内を矩形部11aに向かう電流経路は、端部E1および端部E2のそれぞれまで及ぶ2つの電流経路が共通であり、矩形部内を矩形部11bに向かう電流経路は、端部E3および端部E4のそれぞれまで及ぶ2つの電流経路が共通である。
【0052】
ところで、結合素子11は、次の(1)〜(3)の条件が満たされるようにその大きさが定められる。
【0053】
(1)4つおのおのの電流経路の長さが、高周波信号の中心周波数の波長λの1/4の整数倍にほぼ相当する。
【0054】
(2)端部E1および端部E2と端部E3および端部E4とがそれぞれ、直線L1を対称軸として略対称な位置にある。
【0055】
(3)端部E1および端部E3と端部E2および端部E4とがそれぞれ、直線L2を対称軸として略対称な位置にある。
【0056】
なお、直線L1,L2は、いずれも給電点Pを通るとともに、互いに直交する直線である。
【0057】
ただし、上記の条件は一例であり、結合素子11をこれらの条件の一部を満たさない別の形状の結合素子に置き換えることも可能である。
【0058】
上記の3つの条件が満たされる場合、4つの電流経路はそれぞれ、互いに略直交した2つの向きをそれぞれ向く部分を含む。さらに、給電点Pから端部E1,E2,E3,E4のそれぞれまで及ぶ4つの電流経路をそれぞれ第1、第2、第3および第4の電流経路と称する場合、第1の電流経路と第3の電流経路とが、あるいは第2の電流経路と第4の電流経路とが、それぞれ直線L1に対して略対称である。また、第1の電流経路と第2の電流経路とが、あるいは第3の電流経路と第4の電流経路とが、それぞれ直線L2に対して略対称である。
【0059】
このため、4つの電流経路のうちの少なくとも2つが、同じ方向(以下、第1の方向と称する)に沿うとともに、互いに逆向きとなる部分を含んでいる。また4つの電流経路のうちの少なくとも2つが、第1の方向に略直交した方向(以下、第2の方向と称する)に沿うとともに、互いに逆向きとなる部分を含んでいる。なお、本実施形態においては、第1の方向は直線L1に沿った方向になり、第2の方向は直線L2に沿った方向になるが、これは必須ではない。
【0060】
なお、給電点Pから短絡素子16に向かって矩形部11dを通る第5の経路の電流と、給電点Pから短絡素子17に向かって矩形部11eを通る第6の経路の電流も図7に示すように生じる。
【0061】
上記のように送信側のカプラ装置1の結合素子11に生じた電流によって、当該送信側のカプラ装置1の周囲に電磁波が生じる。そして、この電磁波によって、受信側のカプラ装置1の結合素子11に電流が誘起される。このようにして、2つのカプラ装置1どうしで高周波信号の送受信が行われる。
【0062】
図8は比較用カプラ装置で給電点Pへと給電した際の電流分布を示す図である。
【0063】
ここで比較用カプラ装置とは、カプラ装置1から接続素子16,17を取り除いたものである。そして図8は、地板14および金属部材300bの電流分布を解析した結果の一部を模式的に示している。
【0064】
図8に示す矢印は、その向きが矢印が示される位置における電流の向きを表し、その太さが電流の大きさを表す。
【0065】
図8から、金属部材300bには、比較用カプラ装置の動作に伴って、地板14に対向する領域に電流が誘起されていることが分かる。そしてこの電流は、地板14の対向する領域における電流とは逆向きとなるために、比較用カプラ装置と他のカプラ装置との間の結合度が低下してしまう。
【0066】
図9はカプラ装置1で給電点Pへと給電した際の電流分布を示す図である。
【0067】
図9は、地板14および金属部材300bの電流分布を解析した結果の一部を模式的に示している。
【0068】
カプラ装置1の場合、地板14に励起された電流が接続素子16,17を通して金属部材300bへと直接的に流れることにより、金属部材300bの地板14に対向する領域に生じる電流は、図9に示すように、地板14の対抗する部位における電流と同じ向きとなる。この結果、金属部材300bがカプラ装置1に近接していることに起因するカプラ装置1と他のカプラ装置との結合度の低下は小さく抑えられる。
【0069】
なお、金属部材300bのうちの図8および図9に矢印を示す領域から離れた領域における電流は、矢印により示す電流に比較して十分に小さい。
【0070】
試験カプラ101を図10に示す状態でTransferJetの基準カプラ102と対向させる条件における周波数とSパラメータ(S11,S21)との関係を図11に示す。ただし図10は、試験カプラ101と基準カプラ102との位置関係を概括的に示しており、試験カプラ101と基準カプラ102との離間距離と、試験カプラ101の大きさとの関係を正しく表していない。
【0071】
図10においては図示を省略しているが、試験カプラ101に備えられる結合素子と基準カプラ102に備えられる結合素子とを互いに対向させている。そして、両結合素子の中心どうしを図10に示す位置関係としている。
【0072】
図11において、曲線C1,C2は試験カプラ101を比較用カプラ装置とした場合に得られるS11およびS21をそれぞれ示し、曲線C3,C4は試験カプラ101をカプラ装置1とした場合に得られるS11およびS21をそれぞれ示す。
【0073】
この図11から、接続素子16,17の存在により、所要周波数帯域内の全ての周波数においてS21が、すなわち透過係数が向上することが明らかである。ちなみに、所要周波数帯域の中心周波数におけるS21の差はおよそ2.2dBである。
【0074】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0075】
接続素子16,17に一方を省略しても良いし、あるいは接続素子を3つ以上備えても良い。ただしこの場合、図7に示した電流経路を地板が存在する平面上に投影したパターンを基準として接続素子が偏って位置することになる。このため、図10に示す状態から試験カプラ101を中心軸に直交する方向に様々にずらした場合は、試験カプラ101がカプラ装置1である場合には図12に示すようにS21のバラツキが小さいが、試験カプラ101がカプラ装置1から接続素子17を省略したカプラ装置である場合には図13に示すようにS21のバラツキが大きくなる。ただし、図12および図13に示す第1乃至第4のずれは、いずれも図10に示す状態から試験カプラ101を、図10に示す第1乃至第4の向きへ10mmずつずらした状態をそれぞれ示す。また、図10においては、試験カプラ101と基準カプラ102との距離を15mmとして示しているが、図12および図13が示す特性値は、図10での試験カプラ101と基準カプラ102との距離が10mmの場合における値である。
【0076】
このため、接続素子を複数備え、かつ結合素子11において電磁結合に寄与する電流の経路を地板14が存在する平面上に投影したパターンを基準として互いに対称な位置にて上記の複数の接続素子が地板14に取り付けられることが望ましい。
【0077】
図14は第1の変形例としてのカプラ装置2の斜視図である。なお、図14において図1乃至図3と同一部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0078】
カプラ装置2は、カプラ装置1における接続素子16,17に代えて4つの接続素子21,22,23,24を備える。接続素子21,22,23,24は、それぞれ接続素子16,17と同様なものであって良い。接続素子21,22が矩形部14aの両端にそれぞれ取り付けられ、接続素子23,24が矩形部14bの両端にそれぞれ取り付けられている。
【0079】
図15は第2の変形例としてのカプラ装置3の斜視図である。なお、図15において図1乃至図3および図14と同一部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0080】
カプラ装置3は、カプラ装置1における接続素子16,17に加えて接続素子21,22,23,24を備える。
【0081】
図16は第3の変形例としてのカプラ装置4の斜視図である。なお、図16において図1乃至図3と同一部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0082】
カプラ装置4は、カプラ装置1における接続素子16,17に代えて2つの接続素子41,42を備える。接続素子41,42は、線状の素子である。接続素子41,42は、矩形部14a,14bにそれぞれ平行する状態で矩形部14a,14bにそれぞれ取り付けられている。なお、接続素子41,42としては、シールドガスケットが好適である。
【0083】
図17は第4の変形例としてのカプラ装置5の斜視図である。なお、図17において図1乃至図3と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
カプラ装置5は、カプラ装置1における結合素子11に代えて結合素子51を備える。結合素子51は、平板状をなし、その厚み方向に直交する平面における形状が矩形部51a,51b,51cを接合した形状である。矩形部51aは、細長い矩形状をなし、その長手方向が地板14における矩形部14cにほぼ直交する。そして矩形部51aの両端は開放端となっている。矩形部51b,51cは、細長い矩形状をなし、矩形部51aの中央から互いに逆向きに突出する。矩形部51b,51cは、その長手方向が地板14における矩形部14cにほぼ平行する。短絡素子12,13は、結合素子51b,51cのそれぞれの先端の近傍で結合素子51に接する。なお図1乃至3においても述べたように、短絡素子12,13が結合素子51に接する位置は、結合素子51b,51cの先端以外の位置でも良い。すなわち短絡素子12は、給電点Pから結合素子51bの先端までの間で結合素子51bに接し、短絡素子13は、給電点Pから結合素子51cの先端までの間で結合素子51cに接する。
【0085】
第4の変形例ではさらに、地板14を、矩形部14c以外の各部の全てまたは一部を省略した形状の別の地板に置き換えても良いし、あるいは矩形部14cとは異なる形状の平板などのような地板14のどの部分とも形状が異なる別の地板に置き換えても良い。また、誘電体15を、矩形部15c以外の各部の全てまたは一部を省略した形状の別の誘電体に置き換えても良いし、あるいは矩形部15cとは異なる形状の平板などのような誘電体15のどの部分とも形状が異なる別の誘電体に置き換えても良い。
【0086】
この他、以下のような変形実施が可能である。
【0087】
結合素子11は、厚み方向に直交する平面における形状が、例えば、矩形部11d,11eのいずれか一方を備えない形状や円形などの様々な形状の結合素子に置き換え可能である。
【0088】
地板14は、厚み方向に直交する平面における形状が、例えば、単純な矩形状や、矩形部14dおよび矩形部14fと矩形部14eおよび矩形部14gとがそれぞれ接合した形状などの様々な形状の地板に置き換え可能である。
【0089】
誘電体15は、設けなくても良い。
【0090】
なお、各図面が示す構造は、各要素の形状や位置関係の概略を表し、一部の要素どうしの寸法比は図示の通りである必要はない。例えば結合素子11は、地板14よりも厚みが大きい場合がある。また、誘電体15が図1に示される厚みである場合、地板14の厚みは図1に示されるよりも小さい場合がある。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1,2,3,4…カプラ装置、11…結合素子、11a,11b,11c,11d,11e…矩形部、12,13…短絡素子、14…地板、14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g…矩形部、15…誘電体、15a,15b,15c,15d,15e,15f,15g,15h,15i,15j,15k…矩形部、16,17,21,22,23,24,41,42…接続素子、18…給電線、19…コネクタ、21,22,23,24…接続素子、30…情報処理装置、300b…金属部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器に搭載されて、他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、
平板状の導電材料により構成され、基準点へ給電される結合素子と、
平板状の導電材料により構成され、一部が前記結合素子の一部と対向する地板と、
導電材料により構成されるとともに前記地板に取り付けられ、前記地板に対向して前記通信機器に設けられる金属部材に当接して前記地板と前記金属部材とを電気的に接続する少なくとも1つの接続素子とを具備するカプラ装置。
【請求項2】
前記結合素子と前記地板との間に配置された誘電体をさらに備える請求項1に記載のカプラ装置。
【請求項3】
前記結合素子と前記地板とを短絡する少なくとも1つの短絡素子をさらに備える請求項1または請求項2に記載のカプラ装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの短絡素子は、それぞれ異なる位置で前記結合素子と前記地板とを短絡する第1および第2の短絡素子を含み、
前記少なくとも1つの接続素子は、前記第1および第2の短絡素子の配列方向とほぼ同一の方向で配列された第1および第2の接続素子を含む請求項3に記載のカプラ装置。
【請求項5】
前記結合素子は、厚み方向に直交する平面における形状が細長い矩形である平板状であり、その長手方向が前記第1および第2の短絡素子の配列方向にほぼ一致し、
前記第1の短絡素子は、前記結合素子の長手方向の両端のうち一方と前記基準点との間で前記結合素子と接し、前記第2の短絡素子は、前記両端のうち他端と前記基準点との間で前記結合素子と接する請求項4に記載のカプラ装置。
【請求項6】
前記接続素子を複数備え、前記結合素子において前記電磁結合に寄与する電流の経路を前記地板が存在する平面上に投影したパターンを基準として互いに対称な位置にて複数の前記接続素子が前記地板に取り付けられる請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のカプラ装置。
【請求項7】
前記結合素子は、長手方向が前記第1および第2の短絡素子の配列方向にほぼ一致する矩形の第1の導電部と、前記第1の導電部の長手方向の両端の間の位置から延出し、開放端を有した第2の導電部とを備える請求項1乃至請求項6に記載のカプラ装置。
【請求項8】
前記結合素子は、
(1)第1、第2、第3および第4の開放端を有する平板状をなし、
(2)前記基準点から前記第1、第2、第3および第4の開放端のそれぞれまでおよび、いずれも前記電磁波の中心周波数の波長の1/4の整数倍にほぼ相当する長さを持つ4つの前記電流経路を形成し、
(3)4つの前記電流経路のうちの少なくとも2つの前記電流経路は、一部が第1の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
(4)4つの前記電流経路のうちの少なくとも2つの前記電流経路は、一部が前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
(5)前記基準点から見て前記電流経路が最初に分岐する分岐点を通る第1の直線を対称軸として、前記第1および第3の開放端が略対称な位置にあるとともに、前記第2および第4の開放端が略対称な位置にあり、
(6)前記分岐点を通るとともに前記第1の直線に直交する第2の直線を対称軸として、前記第1および第3の開放端が略対称な位置にあるとともに、前記第2および第4の開放端が略対称な位置にある、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のカプラ装置。
【請求項9】
他のカプラ装置との間での電磁的結合により電磁波を授受するカプラ装置であって、
平板状の導電材料により構成され、基準点へ給電される結合素子と、
平板状の導電材料により構成され、一部が前記結合素子の一部と対向する地板と、
前記地板に対向する金属部材と、
導電材料により構成されるとともに前記地板に取り付けられ、前記金属部材に当接して前記地板と前記金属部材とを電気的に接続する少なくとも1つの接続素子とを具備する通信機器。
【請求項10】
前記結合素子と前記地板との間に配置された誘電体をさらに備える請求項9に記載の通信機器。
【請求項11】
前記結合素子と前記地板とを短絡する少なくとも1つの短絡素子をさらに備える請求項9または請求項10に記載の通信機器。
【請求項12】
前記少なくとも1つの短絡素子は、それぞれ異なる位置で前記結合素子と前記地板とを短絡する第1および第2の短絡素子を含み、
前記少なくとも1つの接続素子は、前記第1および第2の短絡素子の配列方向とほぼ同一の方向で配列された第1および第2の接続素子を含む請求項11に記載の通信機器。
【請求項13】
前記結合素子は、厚み方向に直交する平面における形状が細長い矩形である平板状であり、その長手方向が前記第1および第2の短絡素子の配列方向にほぼ一致し、
前記第1の短絡素子は、前記結合素子の長手方向の両端のうち一方と前記基準点との間で前記結合素子と接し、前記第2の短絡素子は、前記両端のうち他端と前記基準点との間で前記結合素子と接する請求項12に記載の通信機器。
【請求項14】
前記接続素子を複数備え、前記結合素子において前記電磁結合に寄与する電流の経路を前記地板が存在する平面上に投影したパターンを基準として互いに対称な位置にて複数の前記接続素子が前記地板に取り付けられる請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載の通信機器。
【請求項15】
前記結合素子は、長手方向が前記第1および第2の短絡素子の配列方向にほぼ一致する矩形の第1の導電部と、前記長手方向の両端の間の位置から延出し、開放端を有した第2の導電部とを備える請求項9乃至請求項14に記載の通信機器。
【請求項16】
前記結合素子は、
(1)第1、第2、第3および第4の開放端を有する平板状をなし、
(2)前記基準点から前記第1、第2、第3および第4の開放端のそれぞれまでおよび、いずれも前記電磁波の中心周波数の波長の1/4の整数倍にほぼ相当する長さを持つ4つの前記電流経路を形成し、
(3)4つの前記電流経路のうちの少なくとも2つの前記電流経路は、一部が第1の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
(4)4つの前記電流経路のうちの少なくとも2つの前記電流経路は、一部が前記第1の方向に略直交する第2の方向に沿うとともに互いに逆向きであり、
(5)前記基準点から見て前記電流経路が最初に分岐する分岐点を通る第1の直線を対称軸として、前記第1および第3の開放端が略対称な位置にあるとともに、前記第2および第4の開放端が略対称な位置にあり、
(6)前記分岐点を通るとともに前記第1の直線に直交する第2の直線を対称軸として、前記第1および第3の開放端が略対称な位置にあるとともに、前記第2および第4の開放端が略対称な位置にある、
請求項9乃至請求項14のいずれか一項に記載の通信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−98924(P2013−98924A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242555(P2011−242555)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】