説明

カメラシステム及び交換レンズ、カメラボディ

【課題】思い通りの写真を撮るために、どのような交換レンズが必要かを容易に知ることができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】本発明のカメラボディは、画像データに基づく画像を表示する表示手段120と、前記画像データに施す効果を指定する効果指定手段と、前記指定された効果に基づいて、前記画像データに画像処理を施す画像処理手段140と、複数の交換レンズの名称と特性情報を記憶する記憶手段140と、制御手段140と、を備え、前記制御手段140は、前記画像処理を施された画像データと前記記憶手段140に記憶された複数の交換レンズの特性情報に基づいて、前記記憶手段140に記憶された複数の交換レンズの名称の中から一の交換レンズの名称を、前記画像処理を施された画像データに基づく画像とともに前記表示手段120に表示させる、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズを取り替えて使用することが可能なカメラシステム及び交換レンズ、カメラボディに関するものである。
【背景技術】
【0002】
交換レンズを取り替えて使用することが可能なカメラシステムの楽しみの一つは、交換レンズを取り替えて撮影することにより、いろいろな被写体に対応できることである。しかしながら、使用者が自分の思い通りに撮影しようと思っても、どの交換レンズを用いれば、所望の撮影画像を得ることができるかどうかわからないので、特に初心者にとっては、ガイド機能が必要である。
【0003】
特許文献1には、カメラ本体と撮影レンズと各種アクセサリとを自由に組み合わせると共に撮影条件を自由に設定させてその撮影条件で撮影したときに得られであろう画像を示すことによって、撮影条件を変化させることによる画像の変化を疑似体験させる撮影シミュレーションシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−114605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザー端末コンピュータを、インターネットを経由してサーバーコンピュータに接続しなければならず、カメラシステムの使用者、特に初心者にとっては困難が伴う。
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、使用者が、思い通りの写真を撮るために、どのような交換レンズが必要かを容易に知ることができるカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のカメラボディは、画像データに基づく画像を表示する表示手段と、前記画像データに施す効果を指定する効果指定手段と、前記指定された効果に基づいて、前記画像データに画像処理を施す画像処理手段と、複数の交換レンズの名称と特性情報を記憶する記憶手段と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記画像処理を施された画像データと前記記憶手段に記憶された複数の交換レンズの特性情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の交換レンズの名称の中から一の交換レンズの名称を、前記画像処理を施された画像データに基づく画像とともに前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の交換レンズは、名称と特性情報を記憶する記憶手段と、カメラボディと通信するための通信手段と、制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記通信手段を介して前記名称と特性情報をカメラボディに送信する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のカメラシステムは、前記カメラボディと、前記交換レンズと、から構成される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、思い通りの写真を撮るために、どのような交換レンズが必要かを知ることができるため、カメラシステムの利便性を高めることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係るカメラシステム1の構成を示すブロック図
【図2】カメラボディ100の背面の操作部材を示す図
【図3】カメラシステム1の撮像準備動作を説明するための信号送受信を示す図
【図4】レンズアシストモード動作を説明するためのフローチャート
【図5】レンズアシストモード動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図
【図6】レンズアシミュレーション動作を説明するためのフローチャート
【図7】レンズシミュレーション動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図
【図8】レンズアシスト情報登録動作を説明するためのフローチャート
【図9】レンズアシスト情報登録動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図
【図10】レンズアシスト情報登録動作を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
1 構成
1−1 概要
図1は、本発明の実施の形態1に係るカメラシステム1の構成を示すブロック図である。カメラシステム1は、カメラボディ100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。カメラシステム1は、カメラコントローラー140で保存されたレンズアシスト情報データに基づいて、画像に適した交換レンズの選択が可能である。本発明は、本実施の形態1のようなレンズ交換式のカメラシステムにおいて、被写体に最も適した撮影を行うことのできるレンズを選択するためになされた発明である。
1−2 カメラボディの構成
カメラボディ100は、CCDイメージセンサー110と液晶モニタ120とカメラコントローラー140とボディマウント150と電源160とカードスロット170とを備える。
【0013】
カメラコントローラー140は、レリーズ釦130等の操作部材からの指示に応じて、CCDイメージセンサー110等のカメラシステム1全体を制御する。カメラコントローラー140は、垂直同期信号をタイミング発生器112に送信する。カメラコントローラー140は、液晶モニタ120に、撮影画像や、メニュー画面等のGUIを表示させる。カメラコントローラー140は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM141をワークメモリとして使用する。
【0014】
CCDイメージセンサー110は、交換レンズ200を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する。生成された画像データは、ADコンバーター111でデジタル化される。ADコンバーター111でデジタル化された画像データは、カメラコントローラー140で様々な画像処理が施される。ここで言う様々な画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理等である。
【0015】
CCDイメージセンサー110は、タイミング発生器112で制御されるタイミングで動作する。CCDイメージセンサー110の動作としては、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作等である。ここで、スルー画像とは、撮像後、メモリカード171に記録しない画像である。スルー画像は、主に動画像であり、静止画像の撮像のための構図を決めるために液晶モニタ120に表示されるものである。
【0016】
液晶モニタ120は、カメラコントローラー140で画像処理された表示用画像データが示す画像又は、メニュー等のGUIを表示する。液晶モニタ120は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。
【0017】
カードスロット170は、メモリカード171を装着可能である。カードスロット170は、カメラコントローラー140からの制御に基づいて、メモリカード171を制御する。メモリカード171は、カメラコントローラー140の画像処理により生成された画像データを格納可能である。例えば、メモリカード171は、JPEG画像ファイルを格納できる。また、メモリカード171は、内部に格納する画像データ又は画像ファイルを出力できる。メモリカード171から出力された画像データ又は画像ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリカード171から取得した画像データ又は画像ファイルを伸張して表示用画像データを生成する。
【0018】
電源160は、カメラシステム1で消費するための電力を供給する。電源160は、例えば、乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源コードにより外部から供給される電力をカメラシステム1に供給するものであってもよい。
【0019】
ボディマウント150は、交換レンズ200のレンズマウント250と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント150は、レンズマウント250を介して、交換レンズ200との間で、データを送受信可能である。また、ボディマウント150は、カメラコントローラー140から受信した制御信号を、レンズマウント250を介してレンズコントローラー240に送信する。また、ボディマウント150は、レンズマウント250を介してレンズコントローラー240から受信した信号をカメラコントローラー140に送信する。また、ボディマウント150は、電源160から受けた電力を、レンズマウント250を介して交換レンズ200全体に供給する。
1−3 交換レンズの構成
交換レンズ200は、光学系とレンズコントローラー240とレンズマウント250とを備える。交換レンズ200の光学系はズームレンズ210、OISレンズ220、フォーカスレンズ230、絞り260を含む。
【0020】
ズームレンズ210は、交換レンズ200の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ210は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。駆動機構211は、使用者が操作可能なズームリング等を含み、使用者による操作をズームレンズ210に伝え、ズームレンズ210を光学系の光軸方向に沿って移動させる。検出器212は、駆動機構211における駆動量を検出する。レンズコントローラー240は、この検出器212における検出結果を取得することにより、光学系におけるズーム倍率を把握することができる。
【0021】
OISレンズ220は、交換レンズ200の光学系で形成される被写体像のぶれを補正するためのレンズである。OISレンズ220は、カメラシステム1のぶれを相殺する方向に移動することにより、CCDイメージセンサー110上の被写体像のぶれを小さくする。OISレンズ220は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。アクチュエータ221は、OIS用IC223からの制御を受けて、光学系の光軸に垂直な面内でOISレンズ220を駆動する。アクチュエータ221は、例えば、マグネットと平板コイルとで実現可能である。位置検出センサー222は、光学系の光軸に垂直な面内におけるOISレンズ220の位置を検出するセンサーである。位置検出センサー222は、例えば、マグネットとホール素子で実現可能である。OIS用IC223は、位置検出センサー222の検出結果及びジャイロセンサー等のぶれ検出器の検出結果に基づいて、アクチュエータ221を制御する。OIS用IC223は、レンズコントローラー240からぶれ検出器の検出結果を得る。また、OIS用IC223は、レンズコントローラー240に対して、光学的像ぶれ補正処理の状態を示す信号を送信する。
【0022】
フォーカスレンズ230は、光学系でCCDイメージセンサー110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ230は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。
【0023】
フォーカスモータ233は、レンズコントローラー240の制御に基づいて、フォーカスレンズ230が光学系の光軸に沿って進退するよう駆動する。これにより、光学系でCCDイメージセンサー110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させることができる。
【0024】
絞り260は、レンズコントローラー240の制御に基づいて、アクチュエータ261を通してレンズの光束を調整する。これにより、光学系でCCDイメージセンサー110上に形成される被写体像の明るさ及び、ボケの状態を変化させることができる。
【0025】
レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140からの制御信号に基づいて、OIS用IC223やフォーカスモータ233等の交換レンズ200全体を制御する。また、検出器212、OIS用IC223等から信号を受信して、カメラコントローラー140に送信する。レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140との送受信の際には、レンズマウント250及びボディマウント150を介して行う。レンズコントローラー240は、制御の際、DRAM241をワークメモリとして使用する。また、フラッシュメモリ242は、レンズコントローラー240の制御の際に使用するプログラムやパラメータ及び、本発明で使用するレンズアシスト情報データを保存する。
1−4 背面操作部の構成
図2は、カメラシステム1の本発明の操作を行うために必要なカメラボディ100の背面の操作部材を示す図である。カメラボディ100の背面には、モード切替スイッチ131、MENUキー132、十字キー133、SETキー134、液晶モニタ120を備える。
【0026】
モード切替スイッチ131は、静止画撮影、動画撮影、画像再生等のモードの切替を行う。MENUキー132は、設定等の操作を液晶モニタ120に表示する等の場合に使用する。十字キー133は、項目の選択に使用する。SETキー134は、項目の決定に使用する。
2 動作
2−1 撮像準備動作
まず、撮像準備のためのカメラシステム1の動作を説明する。図3は、カメラシステム1の撮像準備動作を説明するための信号送受信を示す図である。
【0027】
カメラボディ100に交換レンズ200を装着した状態で、使用者が、カメラボディ100の電源をONすると、電源160は、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、交換レンズ200に電力を供給する。次に、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、交換レンズ200の認証情報を要求する。ここで、交換レンズ200の認証情報には、交換レンズ200が装着されているか否かに関する情報及びアクセサリーが装着されているか否かに関する情報が含まれる。レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140からのレンズ認証要求に応答する。
【0028】
次に、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、初期化動作をするよう要求する。これを受けて、レンズコントローラー240は、絞り260のリセット、OISレンズ220のリセット等の初期化動作を行う。そして、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140に対して、レンズ初期化動作が完了した旨を返信する。
【0029】
次に、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、レンズデータを要求する。レンズデータは、フラッシュメモリ242に格納されている。そこで、レンズコントローラー240は、フラッシュメモリ242からレンズデータを読み出して、カメラコントローラー140に返信する。ここで、レンズデータとは、レンズ名称、Fナンバー、焦点距離等の交換レンズ200特有の特性値である。
【0030】
カメラコントローラー140が、カメラボディ100に装着されている交換レンズ200のレンズデータを把握すると、撮像可能な状態になる。この状態では、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、交換レンズ200の状態を示すレンズ状態データを定期的に要求する。レンズ状態データは、例えば、ズームレンズ210によるズーム倍率情報、フォーカスレンズ230の位置情報、絞り値情報等が含まれる。この要求に応えて、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140に対して、要求されたレンズ状態データを返信する。
【0031】
レンズアシスト情報登録(後述)を行う際には、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、レンズアシスト情報データを要求する。レンズアシスト情報データは、画像データに適した交換レンズを探す際に必要なデータであり、例えば、サンプル画像、MTF曲線、最適シーン、ボケ形状等が含まれる。この要求に応えて、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140に対して、要求されたレンズアシスト情報データを返信する。
2−2 レンズアシストモード動作
以上により、撮像準備が完了したカメラシステム1におけるレンズアシスト動作について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、レンズアシストモード動作を説明するためのフローチャートである。図5は、レンズアシストモード動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図である。
【0032】
カメラコントローラー140は、モード切替スイッチ131によって画像再生モードで動作しているとする。液晶モニタ120には、交換レンズ200を用いて撮像された画像が表示されている。この状態で、MENUキー132を押すと、カメラコントローラー140は、図5(a)に示すように、液晶モニタ120にメニュー画面を表示する。ここで、レンズアシストモード動作を行うために、十字キー133によりレンズアシストモードを選択し、SETキー134により、レンズアシスト動作を開始する。
【0033】
次に、図5(b)に示すように、液晶モニタ120にレンズによる効果の一覧が表示され、使用者は画像に対して行いたい効果を、一覧より十字キー133により選択し、SETキー134により決定する。なお、本実施例では、レンズのボケを変化させる効果を選択した場合を記述している。
【0034】
カメラコントローラー140は、画像より被写体となる候補を算出し、図5(c)に示すように、液晶モニタ120に被写体選択画面を表示する。使用者はピントを合わせたい被写体を十字キー133により選択し、SETキー134により決定する。被写体となる候補は、例えば、カメラボディ100が顔認識機能を搭載している場合は認識された人間の顔、特定の色領域、特定の輝度領域、画像に含まれるエッジ解析により得られた領域等である。図5(c)では、現在選択されている被写体(人間の顔)が実線で、現在選択されていない被写体(木)が破線で、それぞれ囲まれている。この状態でSETキー134を押すと、被写体として人間の顔が選択される。十字キー133を押すと、被写体として木を選択することもできる。
【0035】
カメラコントローラー140は、選択された効果と被写体選択結果から画像に対して画像処理を行い、図5(d)に示すように、液晶モニタ120に表示する。画像処理の例としては、被写体以外の領域を混合平均化処理によってボケさせたり、トリミング処理等によって拡大させたりする処理がある。本実施例では、レンズのボケを変化させる効果が選択されたので、被写体以外の領域を混合平均化処理によってボケさせる。図5(d)では、選択されなかった被写体である木の色を薄くするとともに、二重線で囲むことで、被写体以外の領域が混合平均化処理によってボケさせられている状態を擬似的に示している。
【0036】
なお、図5(b)において、「ブレを取る」が選択された場合は、画像全体にシャープネスをかける画像処理等を行い、「歪みを取る」が選択された場合は、歪曲補正処理等を行い、「拡大する」が選択された場合は、トリミング処理等を行い、「全体にピントを合わせる」が選択された場合は、ピントが合っていない部分にシャープネスをかける画像処理等を行なう。
【0037】
ここで、画像処理後の画像において、最適な交換レンズを探したい場合、MENUキー132を押すことによって最適な交換レンズを検索する処理に移行する。また、続けて効果を加えたい場合はSETキー134を押すと、効果の一覧(図5(b))に移行する。SETキー134を押すことで複数の効果を加えることができる。
【0038】
カメラコントローラー140は、画像処理後の画像のボケ量、画角、コントラスト等の情報から、カメラコントローラー140内の記憶領域に保存されているレンズアシスト情報データの中から、最も撮影に適した交換レンズを選択し、図5(e)に示すように、液晶モニタ120に交換レンズの名称を表示させる。図5(e)において、「F2.0 50mm OIS macro」は選択された交換レンズの名称である。なお、ボケ量は画像の空間周波数データから、画角は現在装着されている交換レンズ200の焦点距離とトリミング処理の情報から、コントラストは画像データから、それぞれ得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、交換レンズ200を用いて撮像された画像に対してレンズアシストモード動作を行うこととしたが、他の交換レンズを用いて撮像されメモリカード171に記録された画像に対してレンズアシストモード動作を行なってもよい。また、本実施の形態では、レンズアシスト情報データがカメラコントローラー140内の記憶領域に保存されているとしたが、これに限らない。例えば、カメラコントローラー140とは別のフラッシュメモリ等に保存されていてもよい。
【0040】
これにより、使用者は、思い通りの写真を撮るために、どのような交換レンズが必要かを知ることができるため、カメラシステムの利便性を高めることが可能となる。
(実施の形態2)
上述したように、本実施の形態1では、使用者が画像に効果を加えてから、最適な交換レンズを検索する方法を用いた。これに対して、本実施の形態2では、使用者があらかじめ確認したい交換レンズを選択し、その交換レンズのレンズアシスト情報データから画像に効果を加える方法を用いる。なお、本発明の実施の形態2に係るカメラシステムは、実施の形態1に係るカメラシステム1と同様の構成であるため、図1に示すブロック図を用いて以下説明する。
【0041】
カメラシステム1におけるレンズシミュレーション動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、レンズシミュレーション動作を説明するためのフローチャートである。図7は、レンズシミュレーション動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図である。
【0042】
カメラコントローラー140は、モード切替スイッチ131によって画像再生モードで動作しているとする。液晶モニタ120には、交換レンズ200を用いて撮像された画像が表示されている。この状態で、MENUキー132を押すと、カメラコントローラー140は、図7(a)に示すように、液晶モニタ120にメニュー画面を表示する。ここで、レンズシミュレーション動作を行うために、十字キー133によりレンズシミュレーションを選択し、SETキー134により、レンズシミュレーション動作を開始する。
【0043】
次に、図7(b)に示すように、液晶モニタ120にカメラコントローラー140の記憶領域にレンズアシスト情報データが保存されている交換レンズの一覧が表示され、使用者は確認したい交換レンズを、一覧より十字キー133により選択し、SETキー134により決定する。カメラコントローラー140の記憶領域には、カメラボディ100の出荷時に既に発売されている、あるいは今後発売される交換レンズのレンズアシスト情報データが保存されている。
【0044】
カメラコントローラー140は、画像より被写体となる候補を算出し、図7(c)に示すように、液晶モニタ120に被写体選択画面を表示する。ユーザーはピントを合わせたい被写体を十字キー133により選択し、SETキー134により決定する。図7(c)では、現在選択されている被写体(人間の顔)が実線で、現在選択されていない被写体(木)が破線で、それぞれ囲まれている。この状態でSETキー134を押すと、被写体として人間の顔が選択される。十字キー133を押すと、被写体として木を選択することもできる。
【0045】
カメラコントローラー140は、選択された交換レンズのレンズアシスト情報データと被写体選択結果から画像に対して画像処理を行い、図7(d)に示すように、液晶モニタ120に表示する。図7(d)において、「F2.0 50mm OIS macro」は選択された交換レンズの名称である。
【0046】
なお、本実施の形態では、交換レンズ200を用いて撮像された画像に対してレンズアシストモード動作を行うこととしたが、他の交換レンズを用いて撮像されメモリカード171に記録された画像に対してレンズアシストモード動作を行なってもよい。また、本実施の形態では、レンズアシスト情報データがカメラコントローラー140内の記憶領域に保存されているとしたが、これに限らない。例えば、カメラコントローラー140とは別のフラッシュメモリ等に保存されていてもよい。
【0047】
これにより、使用者は、交換レンズを交換した場合の、画角やボケ具合などのイメージを予め持つことができるため、カメラシステムの利便性を高めることが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1及び2において使用するレンズアシスト情報データは、カメラコントローラー140の記憶領域に保存されているが、ここでは、交換レンズ200内のフラッシュメモリ242に入っているレンズアシスト情報データを、カメラコントローラー140の記憶領域に保存する方法について記述する。なお、本発明の実施の形態3に係るカメラシステムは、実施の形態1に係るカメラシステム1と同様の構成であるため、図1に示すブロック図を用いて以下説明する。
【0048】
カメラシステム1におけるレンズアシスト情報登録動作について、図8及び図9を用いて説明する。
【0049】
図8は、レンズアシスト情報登録動作を説明するためのフローチャートである。図9は、レンズアシスト情報登録動作の際の液晶モニタ120に表示される操作状態表示を示す図である。
【0050】
カメラコントローラー140は、モード切替スイッチ131によって画像再生モードで動作しているとする。この状態で、MENUキー132を押すとカメラコントローラー140は、図9(a)に示すように、液晶モニタ120にメニュー画面を表示する。ここで、レンズアシスト情報登録動作を行うために、十字キー133によりレンズアシスト情報登録を選択し、SETキー134により、レンズアシスト情報登録動作を開始する。
【0051】
次に、図9(b)に示すように、液晶モニタ120に交換レンズ200の名称とレンズアシスト情報の取得の確認をするメニューが表示され、SETキー134により決定する。図9(b)において、「F2.0 50mm OIS macro」はカメラボディ100に装着されている交換レンズ200の名称である。カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240からレンズ名称を含むレンズデータを取得しているので、液晶モニタ120に交換レンズ200の名称を表示することができる。
【0052】
ここで、カメラコントローラー140は、レンズコントローラー240に対して、レンズアシスト情報データを要求する。この要求に応えて、レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140に対して、要求されたレンズアシスト情報データを返信する。
【0053】
カメラコントローラー140は、取得したレンズアシスト情報データを記憶領域内に保存する。図10は、レンズアシスト情報登録動作を示す概念図である。図10において、「交換レンズ記憶領域」は交換レンズ200内のフラッシュメモリ242を示し、「カメラボディ記憶領域」はカメラコントローラー140内の記憶領域を示している。交換レンズ記憶領域には、自らのレンズアシスト情報データである「交換レンズCレンズアシスト情報データ」が保存されている。一方、カメラボディ記憶領域には、既に「交換レンズAレンズアシスト情報データ」と「交換レンズBレンズアシスト情報データ」が保存されている。これらのレンズアシスト情報データは、カメラボディ100の出荷時にカメラボディ記憶領域に保存されたものであってもよいし、ここで述べるレンズアシスト情報登録動作によって、カメラボディ記憶領域に新たに追加されたものであってもよい。いずれにしても、カメラボディ記憶領域には、交換レンズCレンズアシスト情報データが新たに追加される。
【0054】
また、図9(c)に示すように、液晶モニタ120には、レンズアシスト情報データの表示を行うかどうかを確認するメニューが表示され、SETキー134により決定される。レンズアシスト情報データの表示を行うことが決定されると、図9(d)に示すように、液晶モニタ120にはサンプル画像、MTF曲線、ボケ形状などのレンズアシスト情報データの表示が行われる。
【0055】
なお、本実施の形態では、レンズアシスト情報データがカメラコントローラー140内の記憶領域に保存されるとしたが、これに限らない。例えば、カメラコントローラー140とは別のフラッシュメモリ等に保存されるようにしてもよい。
【0056】
これにより、カメラボディ100がレンズアシスト情報データを持っていない交換レンズ200が装着されても、レンズアシストモード動作や、レンズシミュレーション動作を行うことができるため、カメラシステムの相互互換性を高めることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、思い通りの写真を撮るために、どのような交換レンズが必要かを知ることができるため、交換レンズを取り替えて使用することが可能なカメラシステム及び交換レンズ、カメラボディに適用して有用である。
【符号の説明】
【0058】
100 カメラボディ
110 CCDイメージセンサー
111 ADコンバーター
112 タイミング発生器
120 液晶モニタ
130 レリーズ釦
140 カメラコントローラー
141 DRAM
150 ボディマウント
160 電源
170 カードスロット
171 メモリカード
200 交換レンズ
210 ズームレンズ
211 駆動機構
212 検出器
220 OISレンズ
221 アクチュエータ
222 位置検出センサー
223 OIS用IC
230 フォーカスレンズ
233 フォーカスモータ
240 レンズコントローラー
241 DRAM
242 フラッシュメモリ
250 レンズマウント
260 絞り
261 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記画像データに施す効果を指定する効果指定手段と、
前記指定された効果に基づいて、前記画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
複数の交換レンズの名称と特性情報を記憶する記憶手段と、
制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記画像処理を施された画像データと前記記憶手段に記憶された複数の交換レンズの特性情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された複数の交換レンズの名称の中から一の交換レンズの名称を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とするカメラボディ。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記画像処理を施された画像データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラボディ。
【請求項3】
画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
複数の交換レンズの名称と特性情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の交換レンズの名称の中から一の交換レンズの名称を指定するレンズ指定手段と、
前記記憶手段に記憶された前記指定された名称の交換レンズに対応する特性情報に基づいて、前記画像データに画像処理を施す画像処理手段と、
制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記画像処理を施された画像データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とするカメラボディ。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記指定された交換レンズの名称を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のカメラボディ。
【請求項5】
被写体を指定する被写体指定手段、
をさらに備え、
前記画像処理手段は、
前記画像データの前記指定された被写体以外の部分に画像処理を施す、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のカメラボディ。
【請求項6】
交換レンズと通信するための通信手段、
をさらに備え、
前記制御手段は、
前記通信手段を介して交換レンズの名称と特性情報を受信し、前記記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のカメラボディ。
【請求項7】
前記特性情報は、
サンプル画像、MTF曲線、最適シーン、ボケ形状の少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のカメラボディ。
【請求項8】
名称と特性情報を記憶する記憶手段と、
カメラボディと通信するための通信手段と、
制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記通信手段を介して前記名称と特性情報をカメラボディに送信する、
ことを特徴とする交換レンズ。
【請求項9】
前記特性情報は、
サンプル画像、MTF曲線、最適シーン、ボケ形状の少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の交換レンズ。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のカメラボディと、
請求項8または請求項9に記載の交換レンズと、
から構成される、
ことを特徴とするカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−59642(P2011−59642A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212590(P2009−212590)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】