説明

カメラシステム

【課題】被写体を複数の方向から観察可能な画像を容易に撮像し鑑賞することができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】本発明のカメラシステムは、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像時における前記被写体に対する前記撮像部の視線方向を検出する視線方向検出部と、前記撮像部により撮像された画像及び前記視線方向を関連付けて記憶する記憶部と、異なる複数の方向に向かって異なる画像を表示可能な表示部と、前記画像に関連付けられた前記視線方向に基づいて、前記画像を前記表示部において表示する方向を決定する表示制御部と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を複数の方向から観察できるような画像を撮像し表示するカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
同一の被写体を異なる複数の方向から撮影することによって、被写体を複数の方向から観察できるいわゆる3次元画像を撮像する撮像装置は、例えば特開2002−374454号公報に開示されている。特開2002−374454号公報に開示の撮像装置は、被写体を囲む円周に沿って撮像装置を移動させながら複数の画像を撮像する構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−374454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2002−374454号公報に開示の撮像装置は、カメラを正確に移動させるための構成や照明装置が必要であり、また撮像された複数の画像も、例えばパーソナルコンピューターと画像処理ソフトウェアを用いて所定の画像処理を行わなければ3次元画像として鑑賞できない。このため、例えば外出先において見つけた被写体を撮像し、その場で被写体の画像を鑑賞するような、手軽な用途には向いていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被写体を複数の方向から観察可能な画像を容易に撮像し鑑賞することができるカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカメラシステムは、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像時における前記被写体に対する前記撮像部が撮像するときの撮影レンズの光軸方向(以下、視線方向と称する)を検出する視線方向検出部と、前記撮像部により撮像された画像及び前記視線方向を関連付けて記憶する記憶部と、異なる複数の方向に向かって異なる画像を表示可能な表示部と、前記画像に関連付けられた前記視線方向に基づいて、前記画像を前記表示部において表示する方向を決定する表示制御部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被写体を複数の方向から観察可能な画像を容易に撮像し鑑賞することができるカメラシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】カメラシステムの前面側を示す斜視図である。
【図2】カメラシステムの背面側を示す斜視図である。
【図3】カメラシステムを構成する撮像装置と表示装置を分離した状態を示す図である。
【図4】表示装置の前面側を示す斜視図である。
【図5】カメラシステムの概略的な構成を示す図である。
【図6】被写体に対する視線方向を説明する図である。
【図7】複数の視線方向から被写体を撮像した画像を表示装置に表示させた状態を示す図である。
【図8】ステップS03における画像表示部の表示を示す図である。
【図9】複数の視線方向から被写体を撮像した画像を示す図である。
【図10】ステップS24における画像表示部の表示を示す図である。
【図11】ステップS30における画像表示部の表示を示す図である。
【図12】撮像動作のフローチャートである。
【図13】撮像動作のフローチャートである。
【図14】表示装置に表示された画像の様子を示す図である。
【図15】マスコット表示モードのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0010】
本実施形態のカメラシステム1は、図1に示すように、撮像部である撮像装置2及び表示部である表示装置20を具備して構成されている。本実施形態では一例として、撮像装置2及び表示装置20は、図3に示すように、それぞれに設けられた係合部9及び22を介して離合可能に構成されている。なお、撮像装置2及び表示装置20は、一体に構成される形態であってもよいし、分離された状態でそれぞれ別体で動作する形態であってもよい。
【0011】
撮像装置2は、撮影レンズ3と、例えばCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサと称される形態の撮像素子5とを具備し、撮像素子5の受光面(画素領域)上に撮影レンズ3によって結像された被写体像に応じた画像を生成する、一般にデジタルカメラ、電子カメラ等と称される装置である。なお、撮像装置2が撮影する画像は、静止画像及び動画像の少なくとも一方である。
【0012】
本実施形態においては、一例として、撮像素子5は矩形状の受光面を有し、撮像装置2は矩形状の画像を生成するものとする。そして、撮像装置2が生成する画像中において、画像の長手方向が水平線と略平行となり、かつ撮影レンズ3の撮像光軸Oが略水平となる撮像装置2及びカメラシステム1の姿勢を正立姿勢と称するものとする。また、撮像装置2が生成する画像中において、画像の長手方向が水平線と略直交し、かつ撮影レンズ3の撮像光軸Oが略水平となる撮像装置2及びカメラシステム1の姿勢を縦位置撮影姿勢と称するものとする。なお、撮像装置2が正方形の画像を生成する場合には、画像の所定の辺が水平線と略平行となる場合を、正立姿勢と称するものとする。
【0013】
ここで、撮像光軸Oとは、被写体側(物体側)から撮影レンズ3に入射する光束の略中心軸である。言い換えれば、撮像光軸Oとは、撮像装置2の視野の略中心に位置している被写体と撮影レンズ3の前玉の略中心とを結ぶ軸のことである。また、この撮像光軸O上において、撮影レンズ3から被写体へ向かう方向を、視線方向と称するものとする。
【0014】
なお、撮像装置2が、撮影レンズ3を着脱可能であって、該撮影レンズ3が取り外された状態にある場合においては、撮像装置2の撮像光軸Oは、撮影レンズ3が装着されている場合における撮像光軸と一致する仮想的な軸を用いて定義するものとする。
【0015】
本実施形態では、撮像素子5は、受光面が撮像光軸Oと直交するように配設されている。したがって、撮像装置2を正立姿勢とした場合には、撮像素子5の受光面の長手方向は、水平線と略平行となる。
【0016】
なお、撮像装置2は、撮影レンズ3の前玉から撮像素子5の受光面に至るまでの光路がミラーやプリズム等によって折り曲げられる構成であってもよい。この場合には、撮像装置2を正立姿勢としても、撮像素子5の受光面の長手方向が、被写体の水平方向と一致しない場合があることは言うまでもない。
【0017】
また説明のために、以下のように、カメラシステム1に固定された軸であるX軸、Y軸及びZ軸を定義し、それぞれの軸に沿う方向の名称を定める。カメラシステム1において、撮像光軸Oに沿う方向をZ軸とする。また、カメラシステム1を正立姿勢とした場合に、撮像光軸Oに直交し、かつ水平となる軸に沿う方向をX軸とする。また、カメラシステム1を正立姿勢とした場合に、撮像光軸O及びX軸に直交する軸をY軸とする。
【0018】
また、カメラシステム1について、被写体に面する面を前面と称し、その反対側の面を背面と称する。また、正立姿勢であるカメラシステム1を被写体とは反対側から見て右を向く面を右側面と称し、その反対を向く面を左側面と称する。また、また、正立姿勢であるカメラシステム1を被写体とは反対側から見て上方を向く面を上面と称し、その反対向く面を底面と称する。
【0019】
上述したように本実施形態では撮像素子5の受光面が撮像光軸Oと直交するように配設されているものであるから、撮像装置2内において、撮像素子5の受光面の長手方向はX軸に沿い、短手方向はY軸に沿う。
【0020】
本実施形態の撮像装置2は、撮像素子5を保持するボディユニット10及び撮影レンズを保持するレンズユニット4とを具備して構成されている。概略的には、ボディユニット10は、内部において撮像素子5を撮像光軸O上に保持するとともに箱状の外装部材を構成している。レンズユニット4は、ボディユニット10の前面において撮影レンズ3を内部に保持するように構成されている。
【0021】
レンズユニット4は、撮影レンズ3を保持するとともに、撮影レンズ3の合焦距離の変更や、焦点距離及び絞りの変更を行うための図示しないアクチュエータを具備して構成されている。なお、レンズユニット4は、ボディユニット10に対して着脱可能な形態であってもよい。また、レンズユニット4は、撮像装置2が非撮影状態である場合には全長を収縮させることができる、いわゆる沈胴可能な形態であってもよい。
【0022】
ボディユニット10は、略直方体形状の外形を有している。本実施形態の撮像装置2では、ボディユニット10の上面には、レリーズスイッチ6及び係合部9が設けられている。レリーズスイッチ6は、撮像装置2の使用者が撮影タイミングの命令を入力するためのスイッチである。また、係合部9は、後述する表示装置20や、外部ストロボ装置または外部ファインダー等を撮像装置1に装着するためのものである。係合部9は、一般にアクセサリーシューと称される。
【0023】
ボディユニット10の背面において、係合部9の下方には、係合部9を介して撮像装置2に装着される装置と、撮像装置2との間の電気的な接続を行うための通信部であるコネクタ部8が設けられている。本実施形態では一例として、コネクタ部8は、いわゆるメス形状の電気コネクタである。
【0024】
係合部9を介して表示装置20を撮像装置2に装着した状態において、コネクタ部8には、表示装置20に設けられたオス形状のコネクタ部23が挿入され、撮像装置2と表示装置20との電気的接続が行われる。
【0025】
また、ボディユニット10には、例えばプッシュスイッチ、ダイヤルスイッチ、タッチセンサ、マイクロフォン等からなる入力装置と、例えば画像表示装置、スピーカ、LED等からなる出力装置が配設されている。本実施形態では、入力装置である操作スイッチ7がボディユニット10の背面に設けられている。
【0026】
また、本実施形態では、出力装置である画像表示部13がボディユニット10の背面に設けられている。画像表示部13の構成は特に限定されるものではなく、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置又は電気泳動表示装置等の画像表示装置を用いることが可能である。なお、画像表示部13は、表示面上に透光性を有するタッチセンサからなる入力装置を備えたいわゆるタッチパネル形式であってもよい。
【0027】
また、撮像装置2は、姿勢検出部11及び方位検出部12からなる視線方向検出部を備えている。姿勢検出部11は、カメラシステム1の撮像光軸Oが水平面に対して略直交し、かつカメラシステム1の前面が下方を向いた状態であるか否かを判定することが可能な構成を有している。言い換えれば、姿勢検出部11は、カメラシステム1の撮像装置2の視線方向が、重力方向真下であるか否かを判定する。
【0028】
姿勢検出部11の構成は、撮像装置2の視線方向が重力方向真下であるか否かを判定することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば傾斜センサや加速度センサ等によって実現可能である。
【0029】
具体的に本実施形態では一例として、姿勢検出部11は、互いに直交する3つの軸方向についての加速度を測定することができる、いわゆる3軸加速度計を具備して構成されている。本実施形態では、姿勢検出部11はX軸、Y軸及びZ軸に沿う方向の加速度を測定する。このような本実施形態の姿勢検出部11は、撮像光軸Oと水平面とがなす角度である仰角αを検出することが可能である。
【0030】
なお以下では、仰角αの値は、撮像装置2の撮影レンズ3が水平から上方を向く方向を正とし、撮像装置2の撮影レンズ3が水平から下方を向く方向を負とする。すなわち、撮像装置2が、撮影レンズ3の節点よりも上方に位置する被写体を視野の略中心に捉える場合には、仰角αは正の値となる。また、反対に、撮像装置2が、撮影レンズ3の節点よりも下方に位置する被写体を視野の略中心に捉える場合には、仰角αは負の値となる。したがって、本実施形態では、カメラシステム1が正立姿勢である場合には、仰角αの値は0°であり、撮像装置2の視線方向が重力方向真下である場合には、仰角αの値は−90°となる。
【0031】
本実施形態において、姿勢検出部11は、仰角αの値が−90°±d1の範囲内である場合に、カメラシステム1の撮像装置2の視線方向が重力方向真下であると判定する。なお、姿勢検出部11は、撮影時における撮像装置2の移動を検出して撮像素子5または撮影レンズ3の一部を移動させることによって像のブレを防止する、いわゆる手振れ防止機構に用いられてもよい。また姿勢検出部11は、撮像装置2によって撮像された画像中における天地方向を検出するために用いられてもよい。
【0032】
方位検出部12は、地表に固定された所定の基準方位に対する、カメラシステム1の向きを検出する事が可能な構成を有している。ここで、所定の基準方位とは、水平面上において予め定められた単一の方向のことであって、例えば地軸を基準にした北である真北や、地磁気を基準とした北である磁北のことである。また、所定の基準方位は、カメラシステム1の使用者が予め定めた方向であってもよい。
【0033】
より詳しくは、方位検出部12は、システムカメラ1が正立姿勢である場合において、水平面上に投影された視線方向が所定の基準方位に対してなす第1方位角βと、システムカメラ1の視線方向が重力方向真下である場合において、水平面上に投影された視線方向が所定の基準方位に対してなす第2方位角γと、を少なくとも検出することが可能である。
【0034】
方位検出部12の構成は、所定の基準方位に対するカメラシステム1の向きを検出することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば磁気センサや角加速度センサ等によって実現可能である。
【0035】
具体的に本実施形態では一例として、方位検出部12は、互いに直交する3つの軸について地磁気を検出可能であって、地磁気の検出結果から磁北に対するシステムカメラ1の向き算出することができる、いわゆる3軸電子コンパスを具備して構成されている。本実施形態では、方位検出部12は、X軸、Y軸及びZ軸が水平面上に投影された場合に、それぞれが磁北に対してなす角度を算出する。
【0036】
すなわち、本実施形態では、システムカメラ1が正立姿勢である場合において、Z軸が磁北に対してなす角度が第1方位角βである。第1方位角βの値は、視線方向が磁北と一致する場合を0°とし、上方から見た場合の時計回りを正方向とする。例えば、システムカメラ1が正立状態であって、かつ視線方向が磁東を向いている場合には、第1方位角βの値は90°となる。
【0037】
また、本実施形態では、システムカメラ1の視線方向が重力方向真下である場合において、Y軸が磁北に対してなす角度が第2方位角γである。第2方位角γの値は、Y軸上においてカメラシステム1の底面から上面に向かう方向が、磁北に一致する場合を0°とし、上方から見た場合の時計回りを正方向とする。例えば、システムカメラ1の視線方向が重力方向真下であって、かつシステムカメラ1の上面が磁東を向いている場合には、第2方位角γの値は90°となる。言い換えれば、第2方位角γは、システムカメラ1の視線方向が重力方向真下である場合に撮像装置2によって撮像された画像中の上方向が磁北に対してなす角度を表す。
【0038】
次に、表示装置20の構成を説明する。表示装置20は、異なる複数の方向へ向かってそれぞれ異なる画像を表示することができるように構成されている。図3及び図4に示すように、本実施形態では一例として、表示装置20は略立方体形状の外形を有しており、前面、背面、右側面、左側面及び上面にそれぞれ画像表示装置からなる前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tが配設されている。
【0039】
前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tは、それぞれ独立して異なる画像を表示可能であって、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置又は電気泳動表示装置等によって構成されている。すなわち、表示装置20は、互いに略直交する5つの方向に向かって、異なる画像を表示することができるように構成されている。
【0040】
ここで、前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R及び左側面表示部21Lの表示における上下方向はX軸に沿うものとし、上方が表示装置20の上面側を向くものとする。また、上面表示部21Tの表示における上下方向はZ軸に沿うものとし、上方が表示装置20の背面側に向くものとする。
【0041】
表示装置20の底面には、係合部22及び通信部であるコネクタ部23が配設されている。係合部22は、撮像装置2の上面に設けられた係合部9と係合することによって、表示装置20と撮像装置2とを機械的に結合する構成を有している。
【0042】
コネクタ部23は、いわゆるオス形状の電気コネクタである。係合部22が撮像装置2の係合部9に係合した状態において、コネクタ部23は、表示装置20に設けられたメス形状のコネクタ部8に挿入され、撮像装置2と表示装置20との電気的接続が行われる。この撮像装置2と表示装置20との電気的接続によって、撮像装置2と表示装置20との間における通信が可能となる。
【0043】
なお、本実施形態の表示装置20は、異なる複数の方向へ向かってそれぞれ異なる画像を表示するための構成として、複数の方向に面する複数の表示部を具備する構成を有しているが、本発明はこの形態に限られるものではない。例えば、表示装置は、単一の画像表示装置を備え、レンチキュラーレンズによって、異なる方向に向かって異なる画像を表示する形態であってもよい。
【0044】
以上に説明したカメラシステム1の概略的な内部構成を以下に説明する。図5に示すように、撮像装置2には、電源部15、撮像素子駆動部14、制御部30、及び記憶部16が配設されている。
【0045】
電源部15は、カメラシステム1の各部構成の動作に必要な電力を供給するための一次電池または二次電池からなる。電源部15の電力は、図示しない電源供給回路を介して所定の電圧でカメラシステム1の各部構成に供給される。
【0046】
なお、電源部15は、撮像装置2のボディユニット10内に内蔵される形態であってもよいし、ボディユニット10に着脱可能な構成であってもよい。また、電源部15は、ボディユニット10の外部に配設される構成であって、有線又は無線によってカメラシステム1に電力を供給する形態であってもよい。
【0047】
撮像素子駆動部14は、撮像素子5に電気的に接続されており、撮像素子5の駆動制御及び撮像素子5から出力された信号に基づいて画像を生成する構成を有する。撮像素子駆動回路14は、生成した画像を制御部30へ出力する。
【0048】
制御部30は、演算装置、記憶装置、入出力装置及び電力制御装置等を具備して構成されており、カメラシステム1の各部の動作を、所定のプログラムに基づいて制御する。制御部30には、画像処理を行うための画像処理部31が設けられている。なお、画像処理部31の制御部30への実装は、画像処理用の演算ハードウェアを搭載するハードウェア的な形態であってもよいし、制御部30の演算装置が所定の画像処理プログラムに基づいて画像処理を行うソフトウェア的な形態であってもよい。
【0049】
記憶部16は、情報を記憶可能な装置であり、本実施形態では、撮像装置2により撮像された画像及び画像に関連付けられた情報等を記憶する。記憶部16は、例えば半導体の不揮発メモリや、小型のハードディスクドライブ等の記録媒体を具備して構成されている。なお、記憶部16は、ボディユニット10とは別体であって、有線又は無線の通信形式によりボディユニット10との間で情報の授受が可能なものであってもよい。
【0050】
一方、表示装置20には、記憶部24、表示制御部25及び電源部26が配設されている。
【0051】
記憶部24は、情報を記憶可能な装置であり、本実施形態では、撮像装置2により撮像された画像及び画像に関連付けられた情報等を記憶する。記憶部24は、例えば半導体の不揮発メモリや、小型のハードディスクドライブ等の記録媒体を具備して構成されている。
【0052】
表示制御部25は、演算装置、記憶装置、入出力装置及び電力制御装置等を具備して構成されており、表示装置20の動作を、所定のプログラムに基づいて制御する。表示装置20が撮像装置2に装着されている場合には、表示制御部25は、撮像装置2の制御部30に電気的に接続される。
【0053】
表示制御部25は、所定のプログラムに基づいて、表示装置20において画像を表示する方向を決定する。具体的には、表示制御部25は、表示装置20設けられた互いに異なる方向に面した前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tについて、記憶部24に記憶されている複数の画像から、後述する方法によって各表示部に表示する画像を決定し、それぞれの表示部に表示させる。また、表示制御部25は、前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tにおいて、画像を所定の方向に回転させて表示させることが可能である。
【0054】
電源部26は、表示装置20の各部構成の動作に必要な電力を供給するための一次電池または二次電池等からなる。電源部26の電力は、図示しない電源供給回路を介して所定の電圧で表示装置20の各部構成に供給される。
【0055】
表示装置20が撮像装置2に装着されている場合には、表示装置20は撮像装置2の電源部15から供給される電力のみによって動作し、表示装置20の電源部26が蓄える電力は消費されない構成であってもよい。なおこの場合、表示装置20の電源部26は二次電池であって、表示装置20の電源部15から供給される電力によって充電される構成であってもよい。
【0056】
以下に、上述した構成を有するカメラシステム1の動作を説明する。以下では一例として、図6に示すヒト型の人形である被写体50を撮像装置2によって撮像し、得られた画像を表示部20に表示する場合のカメラシステム1の動作を説明する。なお、本実施形態では、被写体50は、水平面51上に載置されているものとする。また、人形である被写体50は、南に身体及び顔を向けた状態であるものとする。
【0057】
本実施形態のカメラシステム1は、撮影動作時において、撮影装置2に表示装置20が装着されている場合に、表示装置20によって異なる方向へ表示するための複数の画像を撮影する動作モードに切り替わる。以下では、この撮影装置2に表示装置20が装着されている場合の動作モードを、マスコット撮像モードを称するものとする。また、マスコット撮像モードによって撮像された複数の画像を、表示装置20によって複数の方向へ向かって表示する場合の動作モードを、マスコット表示モードと称するものとする。
【0058】
マスコット撮像モードにおけるカメラシステム1の動作を、図12及び図13に示すフローチャートを参照して説明する。このマスコット撮像モードにおいては、概略的には、図6に示すような被写体50を異なる互いに略直交する5つの視線方向VN、VS、VE、VW及びVT(図6中に矢印で示す)から撮像する動作が行われる。マスコット撮像モードは、制御部30が所定のプラグラムに従って各部を制御することによって実施される。
【0059】
マスコット撮像モードでは、まずステップS01において、表示装置20が、撮影装置2に装着されているか否かを判定する。ステップS01の判定において、表示装置20が撮影装置2に装着されていないと判定した場合には、ステップS40へ移行し、画像を1枚ずつ撮影する通常の撮像動作を実行する。通常の撮像動作は、周知のものであるため説明を省略する。
【0060】
ステップS01の判定において、表示装置20が撮影装置2に装着されていると判定した場合には、ステップ02へ移行する。すなわち、ステップS02移行の動作が、マスコット撮像モードの動作である。
【0061】
ステップS02において、内部変数であるnの値を1にする。nは整数の変数である。次に、ステップS03において、撮像装置2の背面に設けられた画像表示部13に、撮像素子5によって受光されて生成された画像を逐次に更新しながら表示する、いわゆるスルー画像の表示を行う。またこのとき、図8に示すように、カメラシステム1を正立姿勢とした状態で、被写体50の全体が撮像装置2に視野内に入るように、カメラシステム1を構えることを促す表示を行う。
【0062】
次に、ステップS04において、撮像装置2の設定が、自動正面検出動作が有効であるか否かを判定する。ここで、自動正面検出動作とは、スルー画像に対して画像処理部31の画像処理を行うことによって、スルー画像中の被写体が撮像装置2に正面を向けているか否かを自動で判定する動作である。この撮像装置2の自動正面検出動作を有効または無効とする設定は、使用者が予め定めて撮像装置2に記憶させておくものである。
【0063】
例えば、本実施形態の自動正面検出動作では、被写体が人物や動物または人物や動物を模した模型である場合に、画像処理部31の画像処理によってスルー画像中におけるこれらの顔の位置や角度を検出し、その検出結果から、被写体が撮像装置2に向かって顔を真っ直ぐ向けているか否かを判定する。
【0064】
ステップS04の判定において、自動正面検出動作が有効に設定されている場合には、ステップS05へ移行し、画像処理部31の画像処理によって、スルー画像中における人物や動物の顔の位置や角度を検出する、顔検出動作を開始する。この顔検出動作は、ステップS06に示すように、スルー画像中において被写体の顔が撮像装置2に向かって顔を真っ直ぐ向けている状態を検出するまで繰り返される。すなわち、ステップS05の顔検出動作は、撮像装置2が、被写体の正面に位置するまで繰り返し行われる。
【0065】
本実施形態では、被写体50は、人形であって南を向いた状態で載置されているものであるから、使用者が被写体50の南にカメラシステム1を移動させて、視線方向を北に向けた場合に、撮像装置2が、被写体の正面に位置する。このときのカメラシステム1の視線は、図6中に矢印VNで示されるようになる。
【0066】
ステップS05の顔検出動作において、被写体の顔が撮像装置2に向かって顔を真っ直ぐ向けている状態を検出した場合には、ステップS20へ移行して、画像を撮像し、画像を撮像装置2の記憶部16及び表示装置20の記憶部24の少なくとも一方に記憶する。本実施形態では一例として、マスコット撮像モードにおいて撮像された画像は、表示装置20の記憶部24に記憶される。
【0067】
ステップS05におけるカメラシステム1の視線方向は図6中矢印VNであるから、ステップS05において撮像される画像は、図9に符号60Nで示すように被写体50の正面を捉えた画像となる。
【0068】
次にS21へ移行し、直前のステップS20において画像を撮像した時点において、姿勢検出部11及び方位検出部12によって検出された、仰角αn、第1方位角βn及び第2方位角γnの値を、直前のステップS20において撮像された画像に関連付けて記憶部16及び記憶部24の少なくとも一方に記憶する。ここで、nは変数である。本実施形態では、仰角αn、第1方位角βn及び第2方位角γnの値は、画像に関連付けられて表示装置20の記憶部24に記憶される。
【0069】
ステップS20の撮像時におけるカメラシステム1の視線方向は図6中矢印VNであるから、ステップS21において画像に関連付けられて記憶される値は、仰角α1が0°、第1方位角β1が0°であり、第2方位角γ1は検出されない。
【0070】
一方、ステップS04の判定において、自動正面検出動作が無効に設定されている場合には、ステップS10へ移行し、カメラシステム1を正立姿勢とした状態で、被写体50の正面を撮像装置2に視野内に捉えた後にレリーズスイッチ6を押下するように促す表示を行う。すなわち、使用者が被写体50の正面を定めるように促す。
【0071】
そして、使用者によってレリーズスイッチ6が押下されたら(ステップS11のYES)、先述したステップS20へ移行して画像を撮像して記憶部24に記憶し、さらにステップS21において、撮像時の仰角αn、第1方位角βn及び第2方位角γnの値を画像に関連付けて記憶部24に記憶する。
【0072】
以上で、視線方向VNから被写体50を撮像した画像60Nと、画像60Nの撮像時における仰角α1、第1方位角β1及び第2方位角γ1が、記憶部24に記憶される。
【0073】
次に、ステップS22において、変数nの値に1を加える。そして、ステップS23において、変数nの値が4より大きいか否かを判定する。ステップS23の判定において、変数nの値が4でない場合には、ステップS24へ移行する。
【0074】
ステップS24において、使用者に、n枚目の画像の撮影位置にカメラシステム1を移動させるように促す表示を画像表示部13に表示する。ここで、本実施形態では、カメラシステム1を上方から見て被写体50を略中心として時計回りに90°ずつ被写体50の周りを移動させながら、被写体50を撮像するものとする。すなわち、本実施形態では、視線方向VE、VS及びVWの順に被写体50を撮像し、画像60E、60S及び60Wを得る。
【0075】
したがって、ステップS24では、図10に示すように、カメラシステム1を上方から見て時計方向に90°回して、被写体50を撮像装置2の視野内に捉えるように使用者に促す画像を画像表示部13に表示する。
【0076】
次に、ステップS25において、カメラシステム1が、上方から見て時計方向に90°回されるまで待機する。具体的には、第1方位角βの値が、直前に撮像された画像の撮影時における値から90°変化するまで待機する。その後、ステップS26へ移行して、撮影可能状態であるからレリーズスイッチ6を押下するように促す表示を画像表示部13に表示する。
【0077】
例えば本実施形態では、ステップS25の直前に撮像された画像が、視線方向VNから撮像された画像60Nである場合には、第1方位角βの値が90°になるまで待機する。また例えば、ステップS25の直前に撮像された画像が、視線方向VSから撮像された画像60Sである場合には、第1方位角βの値が−90°になるまで待機する。
【0078】
なお、ステップS25及びS26では、仰角αの値が、最初に画像60Nを撮影した時点の仰角α1の値から所定の範囲を超えて逸脱している場合に、撮影不可能である旨を画像表示部13に表示してもよい。
【0079】
そして、使用者によってレリーズスイッチ6が押下されたら(ステップS27のYES)、ステップS20へ移行して画像を撮像して記憶部24に記憶し、さらにステップS21において、撮像時の仰角αn、第1方位角βn及び第2方位角γnの値を画像に関連付けて記憶部24に記憶する。
【0080】
以上に説明したステップS20からステップS27を、変数nの値が4である場合まで繰り返すことによって、被写体50を視線方向VN、VE、VS及びVWから撮像した画像60N、60E、60S及び60Wが記憶部24に記憶される。また、これらの画像の撮影時における仰角α1〜α4、第1方位角β1〜β4及び第2方位角γ1〜γ4が、各画像に関連付けられて記憶部24に記憶される。
【0081】
変数nの値が5となった場合には、ステップS23の判定によってステップS30へ移行する。
【0082】
ステップS30では、使用者に、5枚目の画像の撮影位置である視線方向VTにカメラシステム1を移動させるように促す表示を画像表示部13に表示する。ここで、本実施形態では、図11に示すように、被写体50を真上から見下ろすように、カメラシステム1を被写体50の上方へ移動させて視線方向を真下に向けるように使用者に促す画像を画像表示部13に表示する。
【0083】
次に、ステップS31において、カメラシステム1の視線方向が重力方向真下を向くまで待機する。具体的には、仰角αの値が、−90°になるまで待機する。その後、ステップS32へ移行して、撮影可能状態であるからレリーズスイッチ6を押下するように促す表示を画像表示部13に表示する。
【0084】
そして、使用者によってレリーズスイッチ6が押下されたら(ステップS33のYES)、ステップS34へ移行して画像を撮像して記憶部24に記憶し、さらにステップS35において、撮像時の仰角α5、第1方位角β5及び第2方位角γ5の値を画像に関連付けて記憶部24に記憶する。
【0085】
ステップS34の撮像時におけるカメラシステム1の視線方向は図6中矢印VTであるから、ステップS35において画像に関連付けられて記憶される値は、仰角α5が−90°であり、第1方位角β5は検出されない。また、ステップS35における、第2方位角γ5は、0°〜360°の値となる。例えば、視線方向VTから、カメラシステム1の上面を磁北に向けた状態で被写体50を撮像した場合、第2方位角γ5の値は0°となる。
【0086】
以上で、視線方向VTから被写体50を撮像した画像60Tと、画像60Tの撮像時における仰角α5、第1方位角β5及び第2方位角γ5が、記憶部24に記憶される。
【0087】
以上で、マスコット撮像モードが終了する。なお、マスコット撮像モードにおいて順次に撮像された5つの画像60N、60E、60S、60W及び60Tは、それぞれに付されるファイル名やメタデータによって関連付けられた状態で一つの画像群として記憶部に記憶される。
【0088】
次に、上述したマスコット撮像モードの実行によって撮像された、画像60N、60E、60S、60W及び60Tを、表示装置20によって表示するマスコット表示モードの動作を、図15に示すフローチャートを参照して説明する。
【0089】
このマスコット表示モードにおいて、カメラシステム1は、概略的には図7に示すように、表示装置20の5つの表示部である前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tのそれぞれに、被写体50を異なる5つの視線方向VN、VS、VE、VW及びVTから撮像した画像を表示する。言い換えれば、表示装置20は、画像60N、60E、60S、60W及び60Tを、それぞれが撮像された際の視線方向とは反対の方向に向かって表示する。
【0090】
マスコット表示モードは、表示制御部25が所定のプラグラムに従って表示装置20の各部を制御することによって実施される。なお、マスコット表示モードは、表示装置20が撮像装置2から取り外された状態で動作可能である。
【0091】
マスコット表示モードでは、まずステップS50において、記憶部24に記憶されている画像群のうちの、被写体50を正面から撮像した画像を前面表示部21Fに表示する。本実施形態では、被写体50を正面から撮像した画像とは、被写体50を視線方向VNから撮像した画像60Nである。また、ステップS50において、画像60Nは、図14に示すように、画像中における被写体の上下方向がX軸に沿うように前面表示部21Fに表示される。
【0092】
なお、記憶部24に記憶された画像群から画像60Nを選択する方法は特に限定されるものではないが、例えば第1方位角βの値が0°に最も近いものを画像60Nとして判別する方法が考えられる。また、それぞれの画像に付されたファイル名やメタデータにおける所定の文字列から画像60Nを判別する方法であってもよい。
【0093】
次に、ステップS51において、記憶部24に記憶されている画像群のうちの、被写体50を背後から撮像した画像を背面表示部21Bに表示する。本実施形態では、被写体50を背後から撮像した画像とは、被写体50を視線方向VSから撮像した画像60Sである。また、ステップS51において、画像60Sは、図14に示すように、画像中における被写体の上下方向がX軸に沿うように背面表示部21Fに表示される。
【0094】
記憶部24に記憶された画像群から画像60Sを選択する方法は、ステップS50の場合と同様に特に限定されるものではないが、例えば第1方位角βの値が180°に最も近いものを画像60Sとして判別する方法が考えられる。また、それぞれの画像に付されたファイル名やメタデータにおける所定の文字列から画像60Bを判別する方法であってもよい。
【0095】
次に、ステップS52において、記憶部24に記憶されている画像群のうちの、被写体50を右側面から撮像した画像を右側面表示部21Rに表示する。本実施形態では、被写体50を右側面から撮像した画像とは、被写体50を視線方向VEから撮像した画像60Eである。また、ステップS52において、画像60Eは、図14に示すように、画像中における被写体の上下方向がX軸に沿うように右側面表示部21Rに表示される。
【0096】
記憶部24に記憶された画像群から画像60Eを選択する方法は、ステップS50の場合と同様に特に限定されるものではないが、例えば第1方位角βの値が90°に最も近いものを画像60Eとして判別する方法が考えられる。また、それぞれの画像に付されたファイル名やメタデータにおける所定の文字列から画像60Eを判別する方法であってもよい。
【0097】
次に、ステップS53において、記憶部24に記憶されている画像群のうちの、被写体50を左側面から撮像した画像を左側面表示部21Lに表示する。本実施形態では、被写体50を左側面から撮像した画像とは、被写体50を視線方向VWから撮像した画像60Wである。また、ステップS53において、画像60Wは、図14に示すように、画像中における被写体の上下方向がX軸に沿うように左側面表示部21Lに表示される。
【0098】
記憶部24に記憶された画像群から画像60Wを選択する方法は、ステップS50の場合と同様に特に限定されるものではないが、例えば第1方位角βの値が−90°に最も近いものを画像60Wとして判別する方法が考えられる。また、それぞれの画像に付されたファイル名やメタデータにおける所定の文字列から画像60Wを判別する方法であってもよい。
【0099】
次に、ステップS54において、記憶部24に記憶されている画像群のうちの、被写体50を真上から撮像した画像を上面表示部21Tに表示する。本実施形態では、被写体50を真上から撮像した画像とは、被写体50を視線方向VTから撮像した画像60Tである。
【0100】
また、ステップS54においては、画像60T中における被写体50の正面がカメラシステム1(表示装置20)の前面側に向くように、画像60Tを回転させて上面表示部21Tに表示する。本実施形態では、図14に示すように、画像60T中における南北方向がZ軸に沿い、かつ南方向が前面側を向くように、画像60Tが回転される。
【0101】
ステップS50の場合と同様に特に限定されるものではないが、例えば仰角αの値が−90°に最も近いものを画像60Tとして判別する方法が考えられる。また、それぞれの画像に付されたファイル名やメタデータにおける所定の文字列から画像60Tを判別する方法であってもよい。
【0102】
また、画像60Tにおける被写体50の正面が表示装置20の前面側を向くように画像60Tを回転させる角度を決定する方法は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、画像60Tを、第2方位角γ5の値だけ反時計回りに回転させる。また、画像処理によって、画像群中の他の画像との相関から画像60Tにおける被写体50の正面を判定して回転角度を決定する方法も考えられる。
【0103】
以上に説明したマスコット表示モードによって、なお、マスコット撮像モードにおいて順次に撮像された5つの画像60N、60E、60S、60W及び60Tが、図7に示すように、表示装置20の5つの表示部である前面表示部21F、背面表示部21B、右側面表示部21R、左側面表示部21L、及び上面表示部21Tのそれぞれに表示される。
【0104】
すなわち、マスコット再生モードでは、表示装置20に、被写体50があたかも表示装置20内に存在するかのように、被写体50を5つの視線方向から見た画像60N、60E、60S、60W及び60Tが、5つの視線方向の反対に向かって表示される。
【0105】
以上に説明した本実施形態のカメラシステム1によれば、被写体50を複数の方向から容易に撮像することができ、かつ被写体50を撮像した複数の方向から被写体50を立体的に鑑賞することができるように、撮像した画像を撮像された複数の方向に向かって表示することができる。
【0106】
なお、上述した本実施形態のカメラシステム1では、姿勢検出部11及び方位検出部12は、撮像装置2に配設されているが、これらは表示装置20に配設される構成であってもよい。
【0107】
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う撮像装置、表示装置及びカメラシステムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、上述の実施形態で説明したデジタルカメラの形態に限らず、撮影機能を備えた録音機器、携帯電話、PDA、パーソナルコンピューター、ゲーム機、デジタルメディアプレーヤー、テレビ、GPS、時計等の電子機器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 カメラシステム、
2 撮像装置(撮像部)、
3 撮影レンズ、
4 レンズユニット、
5 撮像素子、
6 レリーズスイッチ、
7 操作スイッチ、
8 コネクタ部、
9 係合部、
10 ボディユニット、
11 姿勢検出部、
12 方位検出部、
13 画像表示部、
14 撮像素子駆動部、
15 電源部、
16 記憶部、
20 表示装置(表示部)、
21B 背面表示部、
21F 前面表示部、
21L 左側面表示部、
21R 右側面表示部、
21T 上面表示部、
22 係合部、
23 コネクタ部、
24 記憶部、
25 表示制御部、
26 電源部、
30 制御部、
31 画像処理部、
50 被写体、
51 水平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像時における前記被写体に対する前記撮像部の視線方向を検出する視線方向検出部と、
前記撮像部により撮像された画像及び前記視線方向を関連付けて記憶する記憶部と、
異なる複数の方向に向かって異なる画像を表示可能な表示部と、
前記画像に関連付けられた前記視線方向に基づいて、前記画像を前記表示部において表示する方向を決定する表示制御部と、
を具備することを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記画像に関連付けられた前記視線方向と反対の方向に向かって前記画像を表示することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記撮像部と前記表示部とは分離可能であって、
前記表示部は、前記撮像部から分離された状態において、前記画像を表示可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−65260(P2012−65260A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209773(P2010−209773)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】