説明

カメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末

【課題】 オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を組み込んでも、小型で軽量に構成できるカメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末を提供することが課題である。
【解決手段】 カメラモジュールを、それぞれに、少なくとも1以上の光学レンズを保持するレンズ保持部本体と、光学レンズの光軸に平行に設けられた軸部材に付勢部材で付勢されて作動部を当接させ、可動共振周波数を前記レンズ保持部本体毎に異ならせたピエゾ素子とを配した複数のレンズ保持部と、それぞれのピエゾ素子に電力を供給する電力供給ラインと、電力供給ラインに異なった周波数の電力を選択的に供給する単一の電力供給手段で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末に関し、特に、小型軽量に構成したカメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電話などの携帯端末に使われるカメラモジュールは、撮像素子(CCD)の高画素化に伴ない、通常の電子カメラ(デジカメ)と同様な、高速、高精度なオートフォーカス(AF)機能や焦点距離の変化(ズーム)機能が要求され、さらに携帯端末そのものの小型化、軽量化によって、必然的にカメラモジュールも小型化、軽量化が望まれている。
【0003】
このようなカメラモジュールに於けるオートフォーカスや焦点距離の変化(ズーム)のためには、レンズ群を光軸方向に移動させることが必要であり、そのため従来では、例えば特許文献1に示されているように、光学系の側面に配置された一つの円筒カムをモータで駆動し、ズームレンズ枠とAFレンズ枠とを駆動するようにしたものや、同じくレンズ枠に隣接して配置した円筒カムをモータにより駆動し、それによってオートフォーカス用レンズ枠とズームレンズ枠とを移動させて、テレとマクロの2点切換をするようにした機構などが用いられている。
【0004】
又円筒カムだけでなく、オートフォーカス用レンズ枠やズーム用レンズ枠をそれぞれに対応したオートフォーカス用リードスクリューやズーム用リードスクリューで駆動するよう構成し、最も被写体側のレンズをケース前面に固定すると共に、これらのリードスクリューをケースにおける一辺の隅に設ける、ケースにレンズ枠のガイド支持部を設ける、さらに、光軸周りの第1象限にズーム用リードスクリューを、第2象限にフォーカス用リードスクリューを、第3象限にレンズ枠のガイドシャフトを配置する、などの構成としたカメラモジュールや、ヘリコイド機構を用いてレンズ群を光軸方向に移動させる機構を有したカメラモジュールなどが存在する。
【0005】
しかしながら、こういった円筒カム、リードスクリュー、ヘリコイドなどを用いた従来のカメラモジュールでは、その駆動源として一般的に回転子を有する電磁モータやパルスモータが用いられているが、こういった回転子を用いた電磁モータは、回転子とその周囲に電磁石や永久磁石が必要であって軸方向長さを短くしたとしても、円柱形状部分が不可欠であるからカメラモジュールを小型化する上でのネックとなり、さらに騒音なども発生する。
【0006】
そこで、こういった電磁モータに於ける欠点を解決するため従来から、レンズ枠を光軸方向へ移動させる駆動源として、電界や磁界の変化に応じて機械的歪みを発生するピエゾ素子(PZT)等の圧電素子で機械振動子を構成し、ロータやスライダをこの機械振動子に接触させて機械振動子の振動を出力として取り出せるようにした摩擦駆動型の駆動源が用いられている。このような摩擦駆動型の駆動源は、低速であるが高トルクで応答性・制御性に優れ、微小な位置決めが可能、無通電時に保持トルク(または保持力)を有する、静粛性に優れる、小型・軽量であるなどの利点を有している。
【0007】
例えば特許文献2及び特許文献3には、レンズ枠駆動の送りネジの端部に圧電素子を接触配置し、歩進的回転を与えるようにしたレンズ移動装置が示され、また特許文献4には、電気信号を印加することで振動する電気−機械エネルギー変換素子と接触し、前記変換素子の振動によって回転させられる送りネジによってレンズ枠を移動させたり、特許文献5に示されているように、リニア駆動式振動波アクチュエータ(圧電素子)を用い、圧電素子の当接により、レンズ枠を直接駆動するものなどが提案されている。
【0008】
さらに、レンズ枠又は鏡筒の何れかに圧電素子を配置し、圧電素子の楕円運動でレンズを駆動するようにしたり、リードスクリュー端部にロータを配置し、ロータの外周面に当接するように圧電素子を配置してロータを回転させ、レンズを移動するように構成したものも提案されており、こういったピエゾ素子(PZT)などを用いた摩擦駆動型の駆動源としては、例えば特許文献6乃至特許文献11などに詳細に示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−63970号公報
【特許文献2】特開平4−212913号公報
【特許文献3】特開平4−212910号公報
【特許文献4】特開平8−47273号公報
【特許文献5】特開平7−104166号公報
【特許文献6】特開平7−184382号公報
【特許文献7】特許2980541号公報
【特許文献8】特開平9−37575号公報
【特許文献9】特開2000−40313号公報
【特許文献10】特表2002−529037号公報
【特許文献11】特開2003−501988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら特許文献2乃至特許文献5に示された技術は、通常の大きさのカメラレンズを駆動する機構であり、携帯電話などの携帯端末に使われるカメラモジュールは常に小型化を要求されているので、こういった携帯端末に適用するには大きすぎる。
【0011】
そのため本発明は、オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を組み込んでも、小型で軽量に構成できるカメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明におけるカメラモジュールは、
少なくとも1以上の光学レンズを保持する第1及び第2のレンズ保持部と、
光軸に略平行に配置された軸部材と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第1のレンズ保持部に収納された第1周波数の信号で駆動可能な第1のピエゾ素子と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第2のレンズ保持部に収納された第2周波数の信号で駆動可能な第2のピエゾ素子と、
前記第1周波数の信号を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に、前記第2周波数の信号を前記第2のピエゾ素子に供給する共通の信号供給部材と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、該カメラモジュールを用いた携帯端末は、
少なくとも1以上の光学レンズを保持する第1及び第2のレンズ保持部と、
光軸に略平行に配置された軸部材と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第1のレンズ保持部に収納された第1周波数の信号で駆動可能な第1のピエゾ素子と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第2のレンズ保持部に収納された第2周波数の信号で駆動可能な第2のピエゾ素子と、
前記第1周波数の信号を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に、前記第2周波数の信号を前記第2のピエゾ素子に供給する共通の信号供給部材と、を含むカメラモジュールと、
操作部材と、表示部材と、バッテリーと、通信部と、
前記カメラモジュール、前記表示部材、前記バッテリー及び前記通信部を収納すると共に厚さ寸法を略前記カメラモジュールの高さに制限した筐体と、を含むことを特徴とする。
【0014】
このように、レンズ保持部本体に設けられたピエゾ素子の駆動周波数をレンズ保持部毎に異ならせることで、供給する電源電力、駆動信号、アース等の(電気)信号の周波数を、動かしたいレンズ保持部が保持しているピエゾ素子に合わせるだけで複数のレンズ保持部を夫々独立して上下に移動させることができ、ピエゾ素子の制御回路も簡単化できる。そのため、このようにカメラモジュールと携帯端末を構成することにより、ピエゾ素子を別々に駆動すれば、複数のレンズ保持部が夫々独立して上下に移動することができ、ズーミングや焦点合わせを行うことができるから、オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を有するカメラモジュールを小型で軽量に構成でき、従って、このカメラモジュールを組み込んだ携帯端末も小型、軽量に構成できる。
【0015】
また、前記信号供給部材に前記第1周波数の信号と前記第2周波数の信号とを選択的に供給可能な第1の信号供給手段を備えることで、単一の信号供給手段で2つの周波数の信号を供給することができる。
【0016】
そして、前記信号供給部材に前記第1周波数の信号と前記第2周波数の信号とを重畳して供給可能な第2の信号供給手段と、前記信号供給部材から供給される信号より前記第1周波数の信号を取得する第1のフィルタ手段と、前記信号供給部材から供給される信号より前記第2周波数の信号を取得する第2のフィルタ手段と、を更に備え、前記第1のフィルタ手段の出力を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に前記第2のフィルタ手段の出力を前記第2のピエゾ素子に供給することで、重畳的な電気信号から第1と第2の周波数の信号を取り出して両ピエゾ素子を同時に駆動することができ、ズーミングや焦点合わせを迅速におこなうことのできるカメラモジュールを提供することができる。
【0017】
さらに、前記軸部材が前記信号供給部材であって、前記レンズ保持部は前記軸部材と摺動可能に接触する摺動部材を備え、前記摺動部材を介して前記信号の供給を行うことで、ピエゾ素子の直近から電気信号を供給することができ、それだけリード線などを短く構成できる。
【0018】
また、前記摺動部材は、前記軸部材を囲繞して前記ピエゾ素子を前記軸部材に当接するよう付勢させる付勢部材で軸部材側に付勢させることにより、特別な付勢部材を用いずに摺動部材を軸部材に当接させることができる。
【0019】
そして、前記レンズ保持部をガイドするガイド軸部材を更に備え、前記ガイド軸部材が前記信号供給部材であって、前記レンズ保持部は前記ガイド軸部材に当接する軸受部を傭え、前記軸受部を介して前記信号の供給を行うことにより、電気信号供給ラインが複数必要な場合でも十分対応できるカメラモジュールとすることができる。またこの軸受部は、摺動部材で構成することで安価に構成できるが、ローラなどを用いて構成しても良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を組み込んだ、小型で軽量に構成できるカメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0022】
図1は実施形態のカメラモジュールの斜視図で、(A)は焦点距離変化用レンズが望遠(テレ)側にある状態を、(B)は同じく焦点距離変化用レンズが広角(ワイド)側に有る状態を示している。図2は、図1における被写体側となる第1のレンズ群を保持する第3レンズ保持部と第2のレンズ群を保持する第2レンズ保持部を取り除き、第3のレンズ群を保持する第1レンズ保持部と、該第1レンズ保持部を上下させるための軸部材とガイド軸部材、及び第2レンズ保持部を移動させる機構の一部を示した斜視図、図3は第1のレンズ保持部の平面図、図4は第1のレンズ保持部に於けるピエゾ素子の保持部をカメラモジュールの外側から見た図(A)と、レンズ側から見た図(B)、図5は実施形態のカメラモジュールにおける焦点距離を変化させるレンズ群の移動と固定のための機構を模式的に示した斜視図、図6は実施形態のカメラモジュールにおける焦点距離を変化させるメカニズムとオートフォーカス時のレンズ移動状態を説明するための図、図7は実施形態のカメラモジュールにおける光学系を構成するレンズが広角(ワイド)側にある状態(A)と望遠(テレ)側に有る状態(B)、及び望遠(テレ)側と広角(ワイド)側における合焦用レンズの移動範囲を説明するための図(C)、図8は実施形態になるカメラモジュールに用いるピエゾ素子の斜視図(A)と、動作原理を説明するための図(B)、(C)、図9は第1のレンズ保持部における変形例の平面図、図10は焦点距離変化用レンズ保持部を移動させる他の実施例を示した斜視図、図11は実施形態になるカメラモジュールの実施例2を示す斜視図、図12は実施例2に於けるレンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成されたレンズ保持部の平面図、図13はレンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成されたレンズ保持部の他の実施形態における平面図(A)と、ピエゾ素子側から見た側面図(B)、及びレンズ保持部の案内シャフトに当接するローラの側面図(C)と斜視図(D)、図14は実施例3のカメラモジュールにおける軸部材からピエゾ素子の駆動電流を取るための実施例を示した図、図15は実施例4のカメラモジュールの斜視図(A)とピエゾ素子部分を示す断面図(B)、図16は複数の可動共振周波数の異なるピエゾ素子を駆動する制御回路の一例、図17は実施形態のカメラモジュールが組み込まれた携帯電話機の一例を概略的に示す図である。図中、同一構成要素には同一番号が付してある。
【実施例1】
【0023】
図1は実施形態のカメラモジュール1の斜視図で、(A)は焦点距離変化用レンズが望遠(テレ)側にある状態を、(B)は同じく焦点距離変化用レンズが広角(ワイド)側に有る状態を示しており、図2は、図1における被写体側となる第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部20と第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21を取り除き、第3のレンズ群4を保持する第1レンズ保持部22と、該第1レンズ保持部22を上下させるための軸部材23とガイド軸部材24、及び第2レンズ保持部21を移動させる機構の一部を示した斜視図である。この実施形態におけるカメラモジュール1は、一例として焦点距離を望遠(テレ)側と広角(ワイド)側に切り替える2焦点型のカメラモジュールとして説明するが、本発明は2焦点型だけでなく、連続して焦点距離を変化させることができる通常のズームレンズにも適用可能である。
【0024】
図1に示した実施形態のカメラモジュール1は、図7に示して後記するように、被写体側となる第1のレンズ群2、その撮像素子5側に配された第2のレンズ群3、さらに図2に示したように、撮像素子5側に配された第3のレンズ群4(図1には図示せず)を有し、それぞれのレンズ群は、第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部20、第2のレンズ群3を保持する円筒状の第2レンズ保持部21、図3、図4で詳細に後述する第3のレンズ群4を保持する第1レンズ保持部22に保持される。
【0025】
そして、第3レンズ保持部20と、図示していないCCDなどの撮像素子5を保持する基台26とにおける略隅部には、第2レンズ保持部21に設けられた支持腕211を挿通させてガイドすると共に、略長方形の板状外形を有し、光軸に対し略直行する方向であって第1レンズ保持部22に配され、図8で詳細を説明する駆動部材たるピエゾ素子10における作動部であるスペーサ15を当接させて、これら第2レンズ保持部21と第1レンズ保持部22を上下に移動させるため、好ましくは光軸を中心に略対称的かつ平行に配置した軸部材23、及びガイド軸部材24が設けられている。なお、軸部材23は、リードスクリューなどで構成したものでも良い。
【0026】
また、第3レンズ保持部20からは、第2レンズ保持部21が保持した第2レンズ群3を広角側と望遠側に位置固定するため、図5に示して後記するように、係止部たるラッチ用アーム25が垂下され、第2レンズ保持部21の外周における上下には、このラッチ用アーム25をラッチさせるための被係止部たる溝212、213が設けられている。さらに第1レンズ保持部22には、第2レンズ保持部21を焦点距離変化のために上下させる際、図2に示されているように、外周側に凸部が設けられ、第2レンズ保持部21に対するラッチ用アーム25のラッチを解除させる係止解除部と共に、第2レンズ保持部21を移動させる係合部を有した第2レンズ保持部移動部材226、及び、第1レンズ保持部22の上下動がスムーズに行われるよう、ローラ部材たるV型ローラ225が第1レンズ保持部22の図上右側には上下2個所に、左側にはバランスを取るため1つだけ設けられている。なお、この第2レンズ保持部21を焦点距離変化のために移動させる機構の詳細については、図5、図6に基づいて詳細に後述する。
【0027】
図7は、実施形態のカメラモジュールにおける光学系を構成するレンズが広角(ワイド)側にある状態(A)と望遠(テレ)側に有る状態(B)、及び望遠(テレ)側と広角(ワイド)側における合焦用レンズの移動範囲を説明するための図(C)であり、前記した被写体側となる第1のレンズ群2、その撮像素子5側に配された焦点距離変化用の第2のレンズ群3、さらに撮像素子5側に配された焦点距離を変化させると共に焦点合わせ(合焦)のための第3のレンズ群4は、図7(A)、(B)に示したように、それぞれ少なくとも1枚以上の光学レンズで構成され、位置が固定された第1のレンズ群2に対し、図7(A)のように第2のレンズ群3、第3のレンズ群4がCCDなどを用いた撮像素子5側に移動したときは望遠(テレ)となり、図7(B)のように第2のレンズ群3、第3のレンズ群4が第1のレンズ群2側に寄ったときは広角(ワイド)となる。
【0028】
そして、この図7(A)、図7(B)に示したレンズ群位置に対応させ、各レンズ群の位置と合焦のための移動範囲を示した図7(C)に示したように、第3のレンズ群4は、合焦のために例えば図7(A)の広角(ワイド)側の場合は図7(C)に6で示した範囲を、図7(B)の望遠(テレ)側の場合は図7(C)に7で示した範囲を移動してピント合わせ(合焦)をおこなう。
【0029】
図1に示した実施形態のカメラモジュール1は、収容したレンズ群のこの移動を図8に示したようなピエゾ素子10を用いて実現するものであり、この図8は、(A)が実施形態になるカメラモジュールに用いるピエゾ素子の斜視図、(B)がピエゾ素子の構成、(C)が動作原理を説明するための図である。ここで用いられるピエゾ素子10は、前記特許文献6乃至11に詳細に述べられているように、図8(A)における略長方形の板状外形に形成された圧電セラミック(ピエゾ素子)11の長手方向と短手方向で形成される第1面12に、図8(B)に示したように4つの電極121、122、及び123、124を、その反対側となる第2面13の全面に一つの電極を設けてある。そして、第1面12の電極121、122、123、124は、対角線方向に配置された電極121、122、及び123、124が、それぞれの電極の連結部分近傍に配置されたワイヤ125及び126によって電気的に接続され、第2面13上の電極は接地されていることが好ましい。
【0030】
また、短手方向の第3面14には、比較的堅いセラミックの作動部であるスペーサ15が例えば接合剤により、好ましくはその辺の中央付近に取り付けられて、相対的に移動させる物体16に係合するようになっている。さらにこの圧電セラミック(ピエゾ素子)11は、図8(B)に示したように、周囲に固定された一対の支持体171、172と、バネ付きの支持体173、174、175により、変形可能に支持される。
【0031】
このように構成された圧電セラミック(ピエゾ素子)11における、電極121、124に正の電圧を、電極122、123に負の電圧を印加すると、圧電セラミック(ピエゾ素子)11は、図8(C)に誇張して示したように図上左側が右側より長くなり、バネ付きの支持体173、174、175で支持されていることで変形が可能なため、スペーサ15が係合している物体16の右方向に移動する。そして、電圧が印加されなくなると圧電セラミック(ピエゾ素子)11は元に戻るが、このとき、例えば立ち下がり時間が立ち上がり時間より少なくとも4倍程度長い、非対称の電圧パルスを電極に印加すると、圧電セラミック(ピエゾ素子)11におけるスペーサ15と物体16の摩擦により、パルスの立ち下がり時にスペーサ15と物体16が係合したままスペーサ15が出発位置に戻り、そのため、パルスの立ち上がり時の変位分、スペーサ15と物体16が相対的に移動する。なお、上記電圧を逆に掛けると、この圧電セラミック(ピエゾ素子)11は逆の方に変形し、従って、スペーサ15と物体16とは相対的に逆の方向に移動する。
【0032】
このように圧電セラミック(ピエゾ素子)11は、連続的に図8(C)に示したような変形が生じるような信号電圧を与えることで、スペーサ15と物体16との間の摩擦によって物体16との相対的な位置を変位させていくため、低速ではあるが高トルクで応答性・制御性に優れ、微小な位置決めが可能で、無通電時に保持トルク(または保持力)を有する、静粛性に優れる、小型・軽量であるなどの利点を有する駆動源となる。
【0033】
図3は、第3のレンズ群4を保持した第1レンズ保持部22における平面図、図4は、第1のレンズ保持部に於けるピエゾ素子の保持部をカメラモジュールの外側から見た図(A)と、レンズ側から見た図(B)である。第3のレンズ群4を保持した第1レンズ保持部22は、第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21を上下させるため、図2に示したように、後記する図5に示したラッチ機構を構成する係止解除部と係合部を有する第2レンズ保持部移動部材226が光軸に対して対称に2つ設けられ、さらに図3の平面図に示したように、中心には前記した第3のレンズ群4が保持されている。また第1レンズ保持部22は、この第3のレンズ群4を配した中心部分221に光軸を中心に略対称的に形成されているスリット223を介して相対し、薄肉部224で接続されて、光軸に対し略直行する方向としたピエゾ素子10の保持部222が設けられて3部分に分割され、さらにレンズ群4の中心光軸に対して回転対称の位置に、図4に示したように、この第1レンズ保持部22を回転止めしながら上下させるローラ部材たるV型ローラ225が、それぞれ上下2個所に配された軸受部が設けられている。なお、前記したように、光軸をはさんで逆側のピエゾ素子10の保持部22は、バランスを取るためこのV型ローラ225が1つだけ設けた軸受部となっている。
【0034】
この第1レンズ保持部22におけるピエゾ素子10の保持部222は、図4に示したように図上左側が開かれてピエゾ素子10における要所を保持するための保持部228が設けられ、内部にピエゾ素子10を入れて保持するための空間が設けられていると共に、その内部でピエゾ素子10が前記図8(C)に示したような変形が可能なように、前記図8(B)に171、172で示した支持体や173、174で示したバネ付きの支持体(175のバネ付き支持体にはコイルバネ227が対応)に相当する部材が設けられている。
【0035】
また、この図4(B)に示したように、この保持部228における図上右側には、前記したようにこの保持部228がスムーズに上下できるよう、上下2個所にガイド軸部材24にV型部が当接するローラ部材たるV型ローラ225が設けられている。
【0036】
一方、このピエゾ素子10の保持部222と第2のレンズ群3を配した中心部分221との間には、保持部222に配したピエゾ素子10におけるスペーサ15を軸部材23に所定の押圧力で押しつけるため、V型ローラ225が設けられた位置と対応する位置にコイルバネ227が配されて、ピエゾ素子10の保持部222と第2のレンズ群3を配した中心部分221を互いに離間させる方向の力を加えている。
【0037】
このコイルバネ227は、例えば、第3のレンズ群4を配した中心部分221側にはコイルバネ227を受ける孔を、スリット223を介して相対したピエゾ素子10の保持部222側には、この保持部222の外壁まで通じて内部に雌ねじを切った孔を設け、この孔を通して中心部分221側の孔にコイルバネ227を挿入した後、雄ネジを挿入して穴をふさぐと共にコイルバネ227の圧接力を調節できるようにして設けたり、第3のレンズ群4を配した中心部分221とピエゾ素子10の保持部222側を別々に作成し、コイルバネ227を挿入する孔を両者に設けてコイルバネ227を挿入した後、薄肉部224近辺で互いを螺合、溶接などで接続するようにしたりして設ける。また、薄肉部224をバネ部材で構成し、そのバネ性を利用して第2のレンズ群3を配した中心部分221からピエゾ素子10の保持部222を開き、これらに設けた孔にコイルバネ227を装填するようにしても良い。
【0038】
このように第1レンズ保持部22に、スリット223、コイルバネ227を設けることにより、スリット223によって保持した第3のレンズ群4の円周方向には自由度を、光軸方向には剛性を持たせることができ、さらにコイルバネ227によって保持部222に配したピエゾ素子10におけるスペーサ15を、軸部材23に所定の押圧力で押しつけることができる。そしてその押圧力によって軸部材23に対し、光軸を中心に回転する力を加えられた第1レンズ保持部22は、ガイド軸部材24に当接しているV型ローラ225によって回転が止められ、ピエゾ素子10に前記図8(C)に示したような変形が連続的に生じる信号電圧を与えることで、スペーサ15と軸部材23との間の摩擦力によって、この第1レンズ保持部22が上下に移動することができる。
【0039】
一方、第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21は、図1に示したように、軸部材23方向に延びてこの軸部材23を挿通した支持腕211によって支持され、第1レンズ保持部22の上下に伴って、図1(A)の望遠(テレ)側と図1(B)の広角(ワイド)側の位置に図5、図6に示したラッチメカニズムでラッチされる。
【0040】
図5はこのラッチメカニズムを構成する部品を模式的に示したもので、図6は、この模式的に示したラッチメカニズムにより第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21が、第3のレンズ群4を保持する第1レンズ保持部22の動きによってどのように移動し、どのように固定されるかを示した模式図である。図中21は、図1に21で示した第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21の一部で、その第2レンズ保持部21の上下に設けられた被係止部たる溝212、213は、図1に25で示したラッチ用アームに設けられた係止部たるラッチ部251がラッチするためのラッチ用溝、214は前記図1、図2、図3に226で示した第2レンズ保持部移動部材における第1の係合部226fが係合し、第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部21を図上、下側に移動させるための被係合部、251で示したラッチ用アーム25に於けるレンズ保持部21側に山型に屈曲した部位は係止部たるラッチ部であり、252はラッチ用アーム25におけるラッチ部251のラッチを解除するためのラッチ解除用部位、226b、226c、226dはこのラッチ用アーム25におけるラッチ解除用部位252が乗り上げ、ラッチ部251のラッチを解除するための係止解除部たる傾斜部(226b、226d)と頂部(226c)であり、226a、226eはラッチが行われる平坦部、226fは前記したように第1の係合部、226gは被係合部214と係合する第2の係合部である。
【0041】
図6において(A)は、前記図7(A)に示した第2のレンズ群3と第3のレンズ群4が第1のレンズ群2から離れた広角の状態であり、図6(H)は第2のレンズ群3と第3のレンズ群4が第1のレンズ群2に近寄っている前記図7(B)に示した望遠の状態で、図6(B)から(G)はその中間の状態である。また同様に図6(P)は、第2のレンズ群3と第3のレンズ群4が第1のレンズ群2から離れた広角の状態であり、この間の図6(K)から(N)はその中間の状態である。また、図6(A)に6で示したのは、前記図7(C)に6で示した広角側に於ける第3のレンズ群4が焦点合わせのために動く範囲であり、同じく図6(H)の7は、望遠側に於ける第3のレンズ群4が焦点合わせのために動く範囲である。
【0042】
図6(A)の第2のレンズ群3と第3のレンズ群4が第1のレンズ群2から離れた広角の状態では、図1(B)にも示したように、第3レンズ保持部20から垂下されたラッチ用アーム25におけるラッチ部251が第2レンズ保持部21におけるラッチ用溝212をラッチしてこれを広角位置で固定し、第1レンズ保持部22に設けられた第2レンズ保持部移動部材226は、第1の係合部226fと第2の係合部226gとの間に第2レンズ保持部21における被係合部214が設けられているから、第1レンズ保持部22が焦点合わせ(合焦)のために前記ピエゾ素子10によって駆動されて符号6で示した範囲を移動しても、この被係合部214と接触することなく移動することができる。
【0043】
この状態から前記図7(B)に示した望遠の状態へ移行するときは、図6(B)に示したように、第1レンズ保持部22が前記ピエゾ素子10によって図上上方に駆動され、第2レンズ保持部移動部材226が上昇して、その傾斜部226dがラッチ用アーム25におけるラッチ解除用部位252を押し上げる。そして図6(C)に示したように、ラッチ解除用部位252が第2レンズ保持部移動部材226における頂部226cに達すると、第2レンズ保持部21におけるラッチ用溝212のラッチ部251によるラッチが外れ、更に上昇して図6(D)の状態になり、ラッチ解除用部位252が第2レンズ保持部移動部材226における頂部226cに乗り上げると、ラッチ部251は第2レンズ保持部21と接触しなくなると同時に、被係合部214と第2の係合部226gが接触し、第2レンズ保持部21を押し上げる。
【0044】
そして図6(E)、図6(F)、図6(G)のように第2レンズ保持部21が押し上げられ、図6(H)の状態に達すると、今度はラッチ用アーム25におけるラッチ部251が第2レンズ保持部21におけるラッチ用溝213をラッチし、これを望遠位置で固定する。そのため、前記図6(A)の場合と同様、第1レンズ保持部22に設けられた第2レンズ保持部移動部材226は、第1の係合部226fと第2の係合部226gとの間に第2レンズ保持部21における被係合部214が設けられているから、第1レンズ保持部22が焦点合わせ(合焦)のために前記ピエゾ素子10によって駆動されて符号7で示した範囲を移動しても、この被係合部214と接触することなく移動することができる。
【0045】
この状態から、前記図6(A)に示した状態に戻るには、図6(K)に示したように、第1レンズ保持部22が前記ピエゾ素子10によって図上、下方に駆動され、第2レンズ保持部移動部材226が下降して、その傾斜部226bがラッチ用アーム25におけるラッチ解除用部位252を押し上げる。そして図6(L)に示したように、ラッチ解除用部位252が第2レンズ保持部移動部材226における頂部226cに達すると、第2レンズ保持部21におけるラッチ用溝213のラッチ部251によるラッチが外れ、更に下降して図6(M)の状態になり、ラッチ解除用部位252が第2レンズ保持部移動部材226における頂部226cに乗り上げると、ラッチ部251は第2レンズ保持部21と接触しなくなると同時に、被係合部214と第1の係合部226fが接触し、第2レンズ保持部21を押し下げる。
【0046】
そして図6(N)のように第2レンズ保持部21が押し下げられ、図6(P)の状態に達すると、今度はラッチ用アーム25におけるラッチ部251が第2レンズ保持部21におけるラッチ用溝212をラッチし、これを広角位置で固定して、前記図6(A)の状態に戻る。
【0047】
このように構成した実施形態のカメラモジュール1は、図示していない制御回路によってピエゾ素子10に駆動信号からなる駆動電流を印加するすることで、前記したようにスペーサ15が振動して往復運動が励起され、このピエゾ素子10を保持した第1レンズ保持部22が、図1における上方または下方に移動する。そのため、例えば図1(A)のように第2レンズ保持部21が望遠の位置(図6においては(H)の状態)にあり、図示していない制御回路によってカメラモジュール1の合焦を行う場合は、第1レンズ保持部22を図7(C)における7で示した範囲を移動させることで、図7(B)における5で示した撮像素子へのピントを合わせることができる。
【0048】
そしてこの状態からカメラモジュール1を、図1(B)に示した広角側(図6における(P)または(A)の状態)にする場合は、図示していない制御回路によってピエゾ素子10に、第1レンズ保持部22を下方に移動させる駆動電流を印加させる。するとこの第1レンズ保持部22が下降し、それに伴って図5に示したラッチ用アーム25のラッチ解除用部位252が第2レンズ保持部移動部材226の傾斜部226bに乗り上げ、ラッチ部251が第2レンズ保持部21に設けられたラッチ用溝213から外れる。
【0049】
そして、そのまま第1レンズ保持部22を下方に移動させると、ラッチ用アーム25におけるラッチ部251がラッチ用溝212にかかって第2レンズ保持部21が図1(B)の状態で固定され、第1レンズ保持部22を、図7(C)における6で示した範囲を移動させることで、図7(A)における5で示した撮像素子へのピントを合わせることができる。従って、第1レンズ保持部22が合焦のために移動する図7(C)に6、7で示した移動範囲は、図5における第2レンズ保持部移動部材226の第1の係合部226fと第2の係合部226gとが、被係合部214と接触せずに動ける範囲となる。なお、広角側から望遠側に移動させるときは、前記図6に基づいて説明したとおりなので省略する。
【0050】
このようにカメラモジュール1を構成することにより、ピエゾ素子10に信号電流を印加するだけでオートフォーカス(AF)や焦点距離の変化を行うことができ、しかもピエゾ素子10は、前記したように低速ではあるが高トルクで応答性・制御性に優れ、微小な位置決めが可能で小型・軽量であるなどの利点を有するから、小型で軽量、焦点距離変化やピント合わせを短時間で行えるカメラモジュールを提供することができる。
【0051】
なお、第3のレンズ群4を保持する図3に示した第1レンズ保持部22の形態や、図5に示したラッチメカニズムの構成は、図示のものだけに限らず、例えば第1レンズ保持部22は図9に示したような形態や、ラッチ用アーム25も図1に示したように第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部20から垂下したものでなく、図10に示したように基台26から立ち上がるようにしたアーム27のような形態のものでもよい。図9に示した第1レンズ保持部は、前記図3に示した第1レンズ保持部22に用いているのと同じ構成要素には、同一番号を付してある。
【0052】
まず、図9に示した第1レンズ保持部は、図3に示した第1レンズ保持部22における軸部材23にピエゾ素子10を当接させ、ガイド軸部材24にV型ローラ225を当接させる点は同じである。しかし、ピエゾ素子10を軸部材23に押圧させるのに、図3の実施形態ではスリット223によって第3のレンズ群4を配した中心部分221とピエゾ素子10の保持部222をわけ、その間にコイルバネ227を入れることで行っていたが、この図9の実施形態では、V型ローラ225の軸保持用部材18を屈曲させて付勢部材19を設けたもので、このようにすることにより、コイルバネ227を第3のレンズ群4を配した中心部分221とピエゾ素子10の保持部222との間に入れる必要がないから、それだけ組立が容易になる。この場合の動作や効果は前記図3に示した実施形態と同様である。
【0053】
また、図10に示したラッチ機構は、図1に示したラッチ用アーム25を第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部20から垂下したものでなく、基台26から立ち上がったアーム27としたもので、他の動作は、前記図5、図6で説明したものと同じであるので、説明は割愛する。
【0054】
なお、以上の説明では第1レンズ保持部22にピエゾ素子10を設け、このピエゾ素子10によって第1レンズ保持部22を上下させて第2レンズ保持部21を移動するよう説明してきたが、第2レンズ保持部21にもピエゾ素子を設け、夫々独立に駆動できるようにしても良い。
【実施例2】
【0055】
図11は実施形態になるカメラモジュール60の実施例2を示す一部省略斜視図であり、図12は実施例2に於けるレンズ4とピエゾ素子10とを保持して上下可能に構成された第1レンズ保持部61の平面図、図13はレンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成された第1レンズ保持部62の他の実施形態における平面図(A)と、ピエゾ素子10側から見た側面図(B)、及び第1レンズ保持部62のガイド軸部材24に当接するローラモジュール621の側面図(C)と斜視図(D)である。
【0056】
なお、図11に示したカメラモジュール60は、説明のため、前記実施例1における第2レンズ保持部21が省略され、また、第3レンズ保持部20は63で、基台26は64で示してある。図中、前記実施例1と同様の構成要素には同一番号が付してあり、4は第3のレンズ群、10はピエゾ素子、15はスペーサ、221は第3のレンズ群4を配した中心部分、222はピエゾ素子10の保持部、223はスリット、224は薄肉部、227はコイルバネ、23は軸部材、24はガイド軸部材である。
【0057】
前記実施例1のカメラモジュール1は、図3に示したように第1レンズ保持部22の回転止めのため、V型ローラ225を2つ用いていたが、例えば製造誤差によっていずれかのV型ローラ225が正確にガイド軸部材24に当接しなくなった場合、コイルバネ227の存在によってどちらのV型ローラ225も自分がガイド軸部材24に当接しようとし、保持した第3のレンズ群4の光軸がふらつくようになってしまう。
【0058】
そのため、この図11に示した実施例2のカメラモジュール60における図12に示した第1レンズ保持部61では、一方のガイド軸部材24に当接するローラを実施例1と同じV型ローラ611とし、他方のガイド軸部材24に当接するローラ612を通常の円筒形型平型ローラとしたものである。このようにすると、平型ローラ612は単にガイド軸24に当接しているだけであるから当接位置を自由に動かすことができ、製造誤差が生じても、V型ローラ611によって第1レンズ保持部61に保持された第3のレンズ群4の光軸位置が規定され、他方の平型ローラ612はそれに追随して第3のレンズ群4の光軸がふらつくことが無い。その他の構成や動作は前記実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0059】
図13はレンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成された第1レンズ保持部62の他の実施形態における平面図(A)と、ピエゾ素子10側から見た側面図(B)、及び第1レンズ保持部62のガイド軸部材24に当接するローラモジュール621の側面図(C)と斜視図(D)である。
【0060】
この図13に示した実施形態では、図13(A)のピエゾ素子10を保持して上下可能に構成されたレンズ保持部62の平面図から明らかなように、ガイド軸部材24に当接する一方のローラ622は、前記図12に示したローラ612と同様円筒形型平型ローラとし、他方のガイド軸部材24に当接するローラは、円筒形状の平型ローラ624、625をガイド軸部材24に対してV型となるようにローラモジュール621に収容して構成してある。図13(B)は、この第1レンズ保持部22をピエゾ素子10側から見た側面図であり、図13(C)と(D)は、このローラモジュール621の側面図(C)と斜視図(D)で、平型ローラローラ624、625は、このローラモジュール621に設けられたV型の切れこみ626の内部に、U字型に設けられた軸受け627でV型となるように保持されている。
【0061】
すなわち、前記図12に611で示したV型ローラは、製造誤差でスラスト方向に型が生じることがあり、第1レンズ保持部が保持した第3レンズ群4の光軸がふらつくことがある。しかし、このようにガイド軸部材24に当接するローラを構成することで、V型ローラ611を用いた場合のスラスト誤差が生じることが無く、また、製造誤差が生じても、平型ローラ624、625を直交させたときに形成されるV字型の谷間にガイド軸部材24を当接させることで、平型ローラ624、625のスラストガタが第3のレンズ群4の光軸に影響を与えてふらつくということが無くなる。その他の構成や動作は前記実施例1と同様であり、説明は省略する。
【0062】
また、図3に示した2つのV型ローラ225を用いたときに製造誤差で生じる第3レンズ群4の光軸のふらつきを、これら図12、図13に示した方法では、第1レンズ保持部61、62の回転止めのためにガイド軸部材23に当接させるローラを、V型ローラ611、平型ローラ612、平型ローラ624、625をV型となるよう配して用いる、等の方法で防いできたが、これ以外にも、第1レンズ保持部22における第3のレンズ群4を配した中心部分221とピエゾ素子10の保持部222とを離間させる方向に付勢する、それぞれのスリット223に配した2つのコイルバネ227の強さを異ならせても良い。
【0063】
すなわちこのコイルバネ227は、ピエゾ素子10におけるスペーサ15を軸部材23に所定の押圧力で当接させるためのものであるが、この当接力は一定範囲で異ならせることが可能であり、2つのコイルバネ227の強さを異ならせることで、図3、図12に示したV型ローラ225、611、図13に示した円筒形状の平型ローラ624、625をガイド軸部材24に対してV型となるよう当接させたローラは、強さを異ならせたコイルバネ227の強さの差に応じた力でスラスト方向に押しつけられ、例え製造誤差で両者が正規の位置でガイド軸部材24に当接しなくても、強さの強いコイルバネ227で押圧されるローラが軸部材24に当接し、保持した第3のレンズ群4の光軸がふらつくということが無くなる。
【実施例3】
【0064】
以上の説明ではピエゾ素子10への配線については言及してこなかったが、このようにピエゾ素子10がそれを保持している第1レンズ保持部22自体を動かすような場合、通常はフレキシブル基板やフレキシブルケーブルなどを用い、電源電力、駆動信号、アース等の(電気)信号を供給する。しかし本実施形態のように小型、軽量を目指しているカメラモジュール1においては、モジュールそのものが小さいため、フレキシブル基板やフレキシブルケーブルを用いると、第1レンズ保持部22の移動範囲にそのフレキシブル基板が追従できるよう、ある程度の空間を確保しなければならない。そのため、実施形態のカメラモジュールにおいては、この電源の供給を、ガイド軸部材24、または軸部材23、若しくはハウジングなどに設けた電源供給用電極などで行うようにした。
【0065】
まずガイド軸部材24を用いて給電する方法であるが、前記図3におけるV型ローラ225、図12に於けるV型ローラ611、円筒形状平型ローラ612、図13に於けるガイド軸部材24に対してV型となるようにローラモジュール621で保持した円筒形状の平型ローラ624、625等のローラをいずれも金属製とし、かつ、ガイド軸部材24も金属製として、このガイド軸部材24とローラをピエゾ素子10の駆動用電気信号を供給する電気信号供給ラインの一部とし、ガイド軸部材24に駆動用電力を供給する電源を接続する。また、前記ローラからは、ピエゾ素子10に電気信号を供給するための配線を行う。
【0066】
また、軸部材23を用いる方法は、例えば図12に23で示した軸部材を金属で構成し、この軸部材23に駆動用電気信号を供給する電源を接続すると共に、第1レンズ保持部22のピエゾ素子10の保持部222に、図12に70で示したような摺擦ブラシを設け、この摺擦ブラシ70をピエゾ素子10に接続して給電する。この場合摺擦ブラシ70は、図12に示したように一方向だけに設けるのではなく、図14(A)に示すように、ピエゾ素子10の保持部222から軸部材23を挟むように2つの摺擦ブラシ71、72を設け、効率良く集電できるようにしたり、図14(B)に示したように、摺擦ブラシ73によって軸部材23を囲繞し、かつ、摺擦ブラシ73にバネ性を持たせてピエゾ素子10の作動部15が軸部材23に圧接されるよう付勢できるようにしても良い。
【0067】
さらに、このようなガイド軸部材24や軸部材23を用いるだけでなく、カメラモジュール1のハウジングの適当な場所に、通電可能にした金属箔や導電材などを貼り付けたり、予めエッチングなどで導体を形成しておき、それに摺擦ブラシを当接させて給電するようにしても良い。このようにすることにより、フレキシブル基板を用いた場合に必要な、第1レンズ保持部22の移動範囲におけるフレキシブル基板が追従できるようにする空間が不用となり、ガイド軸部材24や軸部材23が長くなっても問題なく給電が可能となるから、カメラモジュール1をより小さく構成できる。
【実施例4】
【0068】
また以上の説明では、図1に示したように、第2レンズ保持部21を第1レンズ保持部22によって移動させて望遠(テレ)と広角(ワイド)の位置に固定する、2焦点型カメラモジュールの場合を例に説明してきたが、前記したように第2レンズ保持部にもピエゾ素子を配して独立に移動可能に構成し、2焦点型としてのカメラモジュールだけでなく、連続して焦点距離を変化させることができる通常のズームレンズとして構成することも可能であり、その場合の実施形態を示したのが図15である。
【0069】
この図15において、(A)はカメラモジュールの斜視図で(B)はピエゾ素子部分を示す断面図である。図中、前記図1における構成要素と同一要素には同一番号が付してあり、2は第1のレンズ群、3は第2のレンズ群、4は第3のレンズ群、5は撮像素子、80は第3のレンズ群4を保持した第1のレンズ保持部、81は第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部、82は第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部、83は作動部84を有する第1のピエゾ素子、85は作動部86を有する第2のピエゾ素子、87はピエゾ素子83、85の作動部84、86を当接させる軸部材、88、89はガイド軸部材、90、91は付勢部材、92、93は軸部材87を挿通して第1レンズ保持部80、第2レンズ保持部81をガイドするガイド部である。
【0070】
このようにカメラモジュールを構成した場合、それぞれのレンズ保持部80、81は、焦点距離の変化やピント合わせ(合焦)によってその移動量がその都度、異なってくる。そのため通常は、フレキシブル基板やフレキシブルケーブルを用い、それぞれのレンズ保持部80、81に配されたピエゾ素子83、85へ、別々に駆動用電気信号を送るようにするのが一般的であるが、この方法では、前記実施例3で述べたように、レンズ保持部80、81の移動範囲にフレキシブル基板が緩衝しないよう追従できるようにする空間が必要であり、また、制御回路も別々に必要になる。
【0071】
そのためこの実施形態では、それぞれのレンズ保持部80、81に組み込まれるピエゾ素子83、85における、図8に12で示した長手方向と短手方向で形成される第1面の形状をピエゾ素子83、85毎に異ならせ、それによってピエゾ素子83、85の可動共振周波数を異ならせて、例えばピエゾ素子83を第1の周波数、ピエゾ素子85を第2の周波数という具合に、単一の駆動回路で複数のレンズ保持部80、81に組み込まれたピエゾ素子83、85を別々に駆動できるようにしたものである。
【0072】
すなわち前記特許文献6乃至11に述べられているように、ピエゾ素子83、85は、その形状によって特定の共振周波数の場合にだけ駆動力が生じる。そのため、前記したようにそれぞれのレンズ保持部80、81に組み込まれるピエゾ素子83、85の形状を異ならせることで、異なった共振周波数で駆動できるようにし、焦点距離変化やピント合わせ(合焦)に際し、動かしたいレンズ保持部80、81に保持されているピエゾ素子83、85に対応する共振周波数の駆動電気信号を送り込み、それによって必要なレンズ群のみを動かせるようにしたものである。
【0073】
このようにすると、前記図12、図13で説明したガイド軸部材24や軸部材23を用いてピエゾ素子10に給電する場合でも、単一の駆動回路で別個のレンズ保持部を駆動することができ、例えばズーミングで複数のレンズ保持部を移動する必要がある場合は、それぞれのレンズ保持部に収容されたピエゾ素子10に対応した共振周波数の駆動電流を、時分割で送り込めば迅速なズーミングが可能となる。
【0074】
図16は、このような制御をおこなうためのピエゾ素子駆動制御回路の一例であり、図中92はそれぞれのレンズ保持部の現在位置を検出するレンズ保持部位置センサ、93はズーミングの指示ボタンで、望遠側、広角側への指示信号が発せられる。94はオートフォーカスのための焦点距離算出部で、カメラモジュールに撮像指示が送られて来ると、合焦のための指示を制御部96に送る。95はレンズ保持部80、81に収容されているピエゾ素子83、85の共振周波数を記憶している共振周波数記憶部、96はカメラモジュール全体の制御をおこなう制御部で、ズーミングやフォーカシング行う場合は、レンズ保持部80、81に収容されたピエゾ素子83、85に対応した共振周波数の信号をピエゾ素子ドライバ97に送る。83、85、……はレンズ保持部80、81に収容されたピエゾ素子83、85である。前記したように実施形態のピエゾ素子駆動制御回路では、ピエゾ素子ドライバ97から送られる駆動電流は、単一の信号線で全てのピエゾ素子83、85、……に送られる。
【0075】
この図16に示したピエゾ素子駆動制御回路の動作を説明すると、カメラモジュールの電源がオンされて撮像指示が送られると、レンズ保持部位置センサ92からそれぞれのレンズ保持部80、81の現在位置が制御部96に送られる。そしてズーム指示ボタン93の望遠側、または広角側が押されるとその信号も制御部96に送られ、制御部96は、レンズ保持部位置センサ92からの信号を参照してどのレンズ保持部80、81をどの程度動かしたら良いかの演算を行う。
【0076】
そして、共振周波数記憶部95から、移動させるレンズ保持部80、81に収容されているピエゾ素子83、85の共振周波数を読み出し、複数のレンズ保持部80、81を移動する場合は、それぞれに対応した共振周波数を取得する。そしてレンズ保持部80、81を移動させる順序を決め、別個に移動させる場合は、動かすレンズ保持部のピエゾ素子に対応した共振周波数の信号を生成し、ピエゾ素子ドライバ97に送る。また、複数のレンズ保持部を移動させる場合は、移動させる順番を決め、互いが緩衝しないようにして時分割で、それぞれのピエゾ素子に対応した周波数の信号をピエゾ素子ドライバ97に送る。
【0077】
するとピエゾ素子ドライバ97は、送られてきた周波数の信号でピエゾ素子の駆動電流を生成し、ピエゾ素子83、85、……に接続された信号線に送り出す。すると、それぞれのレンズ保持部に収容されたピエゾ素子83、85、……は、自分に合致した共振周波数の駆動電流が送られてきたときだけ駆動され、レンズ保持部80、81が所定位置に移動される。また、オートフォーカス機能で焦点を合わせる場合は、焦点距離算出部94が指示する合焦動作に合わせて必要なレンズ保持部に収容されたピエゾ素子81、82……が駆動される。
【0078】
このようにピエゾ素子の駆動制御回路を構成することにより、前記したようにそれぞれのピエゾ素子へ直接フレキシブル基板で配線する必要が無く、しかも、単一の駆動制御回路で別個のピエゾ素子を駆動できるから、カメラモジュールを小型に、軽量に構成することができる。
【0079】
なお、以上の説明では、それぞれのピエゾ素子に対応した共振周波数を別々の時間で駆動するよう説明したが、前記複数の共振周波数を重畳し、それをフィルタ手段で分離してそれぞれのピエゾ素子に送るようにしても良い。この場合は、ピエゾ素子、またはレンズ保持部にフィルタ手段を設け、図16に示した制御部96でこの複数の周波数の駆動信号を重畳し、ピエゾ素子ドライバー97で電気信号を送り出すと共に、それぞれのピエゾ素子、またはレンズ保持部に設けたフィルタ手段により、それぞれのピエゾ素子の駆動に必要な周波数の駆動信号のみを取り出して動作させるようにすればよい。
【0080】
図17は、以上説明してきたカメラモジュール1を組み込んだ携帯端末の一例である。この図17に示した携帯端末は、一例として携帯電話機50の場合を示している。図中51は操作部(操作部材)、52はディスプレイ(表示部材)で、この図17はこれら操作部(操作部材)51、ディスプレイ(表示部材)52が見える状態(開状態)で示した平面図であり、図示の携帯電話機50は、操作部51が搭載された第1のケース部53とディスプレイ52が搭載された第2のケース部54とがヒンジ機構55によって連結され、第1及び第2のケース部53及び54は、ヒンジ機構55の回りに回動可能となっている。なお、第1及び第2のケース部53及び54はケース体を構成する。
【0081】
第2のケース54には、図中破線二重丸で示すように、前述したカメラモジュール1が組み込まれており、操作部51の所定のボタンを操作すると、カメラモジュール1によって撮像が行われ、撮像された画像は、例えば、ディスプレイ52上に表示される。なお、カメラモジュール1は、図1に示す上側が第2のケース部54の外側に向けられている。つまり、第2のケース部54には、カメラモジュール1における第3レンズ保持部20に保持された第1のレンズ群2を露出させる開口部が形成され、また、図示はしないが、第1のケース部53にはバッテリー及び通信部等が収納されており、さらに、第2のケース部54の厚さ寸法は、略カメラモジュール1の高さに規制されている。
【0082】
以上種々述べてきたように本実施形態によれば、オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を組み込んだ、小型で軽量に構成できるカメラモジュール及びこのカメラモジュールを備えた携帯端末を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
オートフォーカス(AF)機能やズーム機能を組み込んだカメラモジュールを、小型で軽量に構成することが可能となり、各種の小型携帯端末におけるカメラモジュールとして最適である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施形態のカメラモジュールの斜視図で、(A)は焦点距離変化用レンズが望遠(テレ)側にある状態を、(B)は同じく焦点距離変化用レンズが広角(ワイド)側に有る状態を示している。
【図2】図1における被写体側となる第1のレンズ群を保持する第3レンズ保持部と第2のレンズ群を保持する第2レンズ保持部を取り除き、第3のレンズ群を保持する第1レンズ保持部と、該第1レンズ保持部を上下させるための軸部材とガイド軸部材、及び第2レンズ保持部を移動させる機構の一部を示した斜視図である。
【図3】第3のレンズ保持部の平面図である。
【図4】第3のレンズ保持部に於けるピエゾ素子の保持部をカメラモジュールの外側から見た図(A)と、レンズ側から見た図(B)である。
【図5】実施形態のカメラモジュールにおける焦点距離を変化させるレンズ群の移動と固定のためのラッチ機構を示した斜視図である。
【図6】実施形態のカメラモジュールにおける焦点距離を変化させるメカニズムとオートフォーカス時のレンズ移動状態を説明するための図である。
【図7】実施形態のカメラモジュールにおける光学系を構成するレンズが広角(ワイド)側にある状態(A)と望遠(テレ)側に有る状態(B)、及び望遠(テレ)側と広角(ワイド)側における合焦用レンズの移動範囲を説明するための図(C)である。
【図8】実施形態になるカメラモジュールに用いるピエゾ素子の斜視図(A)と、ピエゾ素子の構成を説明するための図(B)と、動作原理を説明するための図(C)である。
【図9】第1のレンズ保持部における変形例の平面図である。
【図10】焦点距離変化用レンズ保持部を移動させる他の実施例を示した斜視図である。
【図11】実施形態になるカメラモジュールの実施例2を示す斜視図である。
【図12】実施例2に於けるレンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成されたレンズ保持部の平面図である。
【図13】レンズとピエゾ素子とを保持して上下可能に構成されたレンズ保持部の他の実施形態における平面図(A)と、ピエゾ素子側から見た側面図(B)、及びレンズ保持部の案内シャフトに当接するローラの側面図(C)と斜視図(D)である。
【図14】実施例3のカメラモジュールにおける軸部材からピエゾ素子の駆動電流を取るための実施例を示した図である。
【図15】実施例4のカメラモジュールの斜視図(A)とピエゾ素子部分を示す断面図(B)である。
【図16】複数の可動共振周波数の異なるピエゾ素子を駆動する制御回路の一例である。
【図17】実施形態のカメラモジュールが組み込まれた携帯電話機の一例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 カメラモジュール
2 第1のレンズ群
3 第2のレンズ群
4 第3のレンズ群
5 撮像素子
80 第3のレンズ群4を保持した第1のレンズ保持部
81 第2のレンズ群3を保持する第2レンズ保持部
82 第1のレンズ群2を保持する第3レンズ保持部
83 第1のピエゾ素子
84 作動部
85 第2のピエゾ素子
86 作動部
87 軸部材
88、89 ガイド軸部材
90、91 付勢部材
92 レンズ保持部位置センサ
93 ズーミングの指示ボタン
94 オートフォーカスのための焦点距離算出部
95 共振周波数記憶部
96 制御部
97 ピエゾ素子ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の光学レンズを保持する第1及び第2のレンズ保持部と、
光軸に略平行に配置された軸部材と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第1のレンズ保持部に収納された第1周波数の信号で駆動可能な第1のピエゾ素子と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第2のレンズ保持部に収納された第2周波数の信号で駆動可能な第2のピエゾ素子と、
前記第1周波数の信号を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に、前記第2周波数の信号を前記第2のピエゾ素子に供給する共通の信号供給部材と、を備えることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項2】
前記信号供給部材に前記第1周波数の信号と前記第2周波数の信号とを選択的に供給可能な第1の信号供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記信号供給部材に前記第1周波数の信号と前記第2周波数の信号とを重畳して供給可能な第2の信号供給手段と、
前記信号供給部材から供給される信号より前記第1周波数の信号を取得する第1のフィルタ手段と、
前記信号供給部材から供給される信号より前記第2周波数の信号を取得する第2のフィルタ手段と、を更に備え、
前記第1のフィルタ手段の出力を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に前記第2のフィルタ手段の出力を前記第2のピエゾ素子に供給することを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記軸部材が前記信号供給部材であって、
前記レンズ保持部は前記軸部材と摺動可能に接触する摺動部材を備え、前記摺動部材を介して前記信号の供給を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記摺動部材は、前記軸部材を囲繞して前記ピエゾ素子を前記軸部材に当接するよう付勢することを特徴とする請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記レンズ保持部をガイドするガイド軸部材を更に備え、
前記ガイド軸部材が前記信号供給部材であって、
前記レンズ保持部は前記ガイド軸部材に当接する軸受部を備え、前記軸受部を介して前記信号の供給を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカメラモジュール。
【請求項7】
少なくとも1以上の光学レンズを保持する第1及び第2のレンズ保持部と、
光軸に略平行に配置された軸部材と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第1のレンズ保持部に収納された第1周波数の信号で駆動可能な第1のピエゾ素子と、
前記軸部材に当接する作動部を有すると共に、前記第2のレンズ保持部に収納された第2周波数の信号で駆動可能な第2のピエゾ素子と、
前記第1周波数の信号を前記第1のピエゾ素子に供給すると共に、前記第2周波数の信号を前記第2のピエゾ素子に供給する共通の信号供給部材と、を含むカメラモジュールと、
操作部材と、表示部材と、バッテリーと、通信部と、
前記カメラモジュール、前記表示部材、前記バッテリー及び前記通信部を収納すると共に厚さ寸法を略前記カメラモジュールの高さに制限した筐体と、を含むことを特徴とする携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−98595(P2006−98595A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283187(P2004−283187)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】