説明

カメラ操作装置、カメラ制御方法、及びカメラシステム

【課題】3Dカメラ対を構成する2機のカメラ装置を同時に制御するための操作を容易に行うことを可能にする。
【解決手段】 このカメラシステムでは、リモートコントローラのマニュアル操作により、複数のカメラ装置のうち任意の2機のカメラ装置をLチャンネル用とRチャンネル用の3Dカメラ対として設定したり、1機の任意のカメラ装置を2Dカメラとして設定したりすることができる。3Dカメラシステムの運用中、リモートコントローラは、ユーザの操作に応じた制御コマンドを3Dカメラ対として設定された2機のカメラ装置に同時に送信することができるように、各々のカメラ装置に割り当てられたIPアドレスを制御コマンドに付加してIPネットワークに送出する。これにより2機のカメラ装置の操作を恰も1機のカメラ装置を操作しているかのごとく行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D映像を撮影する2つのカメラを操作するカメラ操作装置、カメラ制御方法、及びカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3Dコンテンツの製作需要が起用側に拡大しつつあり、3D映像を2つのカメラを用いて撮影する様々な形態の3Dカメラシステムが登場している。3Dカメラシステムは、3Dカメラ対としての2機のカメラと、これらのカメラを制御する制御システムとで構成される。
【0003】
また、LANなどのネットワークを通じて2機のカメラをリモートコントロールする方式も存在する。このようにネットワークを用いた3Dカメラシステムでは、ネットワークとカメラとの間に、2機のカメラで撮影されたビデオ信号を1つにまとめてネットワークを通じて接続された表示装置や記録装置に伝送したり、ネットワーク経由でリモートコントロールパネルから送られてきた、カメラ調整用の各種制御コマンドをカメラで実行可能な形式の制御コマンドに変換してカメラに供給したりするカメラ制御装置が設けられる。
【0004】
特許文献1には、放送業務用のカメラシステムにおいて、ビデオカメラを制御するカメラ制御装置であるカメラコントロールユニットと、カメラコントロールユニットを通じて各ビデオカメラを遠隔制御するためのリモートコントロールパネルを備え、カメラコントロールユニットとリモートコントロールパネルとの間で制御コマンドが入出力される構成が開示されている。ユーザは、画像モニタ等を見ながら、リモートコントロールパネルを操作して、ビデオカメラにおける各種の調整を行うこととされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−285449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1の技術によると、カメラ一台に対して一台のリモートコントロールパネルが必要である。2機のカメラを3Dカメラ対として用いるようにした場合、これら2機のカメラをそれぞれのカメラに対応する2機のリモートコントロールパネルを同時に操作する必要があり、操作に手間がかかるという問題がある。
【0007】
また、カメラ撮影画像の調整項目には、ホワイトバランス調整、アイリス調整、ゲイン調整をはじめ様々な種類がある。これらは3Dカメラ対として用いられる2機のカメラに、同一の調整用の制御コマンドが同時に送信され、それぞれのカメラにおいて同時に制御が行われることが3Dカメラ制御上必要になる。このため、2機のカメラにそれぞれのカメラに対応する2機のリモートコントロールパネルを操作して制御コマンドを送信することになると、制御タイミングの同期をとるための手段や機器が別途必要になる。
【0008】
さらに、2機のカメラに同時に送信されることが制御上有効と定められた調整項目のなかには、実際には同時制御を行うには不適当な項目がいくつか存在する。例えば、ブラックレベル調整、RPN(残留パターンノイズ)調整などは、撮像素子の個体差、例えば、撮像素子の製造時の個体差(画素毎の増幅器の出力特性のバラツキ)や経年劣化の程度の違い、設置場所の照明環境などの諸事情により、同じ調整用パラメータを含む制御コマンドで確実な調整を行うことは困難である。
【0009】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、3Dカメラ対を構成する2機のカメラ装置を同時に制御するための操作を容易に行うことのできるカメラ操作装置、カメラ制御方法、及びカメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るカメラ操作装置は、3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続するためのインタフェース部と、前記3Dカメラ対に対する制御コマンドの送信の指示をユーザより受け付けることが可能な操作部と、前記操作部にて受け付けた指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信するように制御する制御部とを具備する。
【0011】
本発明では、ユーザの操作に応じた制御コマンドを、3Dカメラ対として設定された第1のカメラ装置と第1のカメラ装置に伝送路を通じて同時に送信することができる。これにより、2機のカメラ装置の操作を恰も1機のカメラ装置を操作しているかのごとく行うことができ、操作性が向上する。
【0012】
前記伝送路がIPネットワークであり、前記制御部は、前記第1のカメラ装置のあて先情報として前記第1のカメラ装置に予め割り当てられた第1のIPアドレスを前記制御コマンドに付加し、前記第2のカメラ装置のあて先情報として前記第2のカメラ装置に予め割り当てられた第2のIPアドレスを前記制御コマンドに付加するものであってもよい。
【0013】
前記制御部は、3Dモードおよび2Dモードのうちいずれか一方のモードをユーザに選択させ、前記3Dモードが選択されたとき、前記3Dカメラ対を構成する第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置を前記複数のカメラ装置の中からユーザに選択させることにより設定し、前記2Dモードが選択されたとき、2Dカメラとして使用する1つのカメラ装置を第3のカメラ装置として前記複数のカメラ装置の中からユーザに選択させることにより設定し、前記操作部にて受け付けた指示に応じて生成された前記制御コマンドに前記第3のカメラ装置のあて先情報が付加された第3の制御コマンド情報を生成し、前記インタフェース部を通じて前記第3のカメラ装置に送信するように制御するようにしてもよい。
これにより、3Dカメラシステムと2Dカメラシステムとの切り替えを容易に行うことができる。
【0014】
前記制御部は、少なくともカメラ装置の撮像素子の個体差が調整結果に現れる所定の種類の制御コマンドの送信の指示が前記操作部にて受け付けられたとき、当該制御コマンドの送信を無効にするとともに、警告メッセージをユーザに提示するようにしてもよい。これによりカメラ操作装置を用いた3D制御の信頼性が向上する。
【0015】
本発明の別の観点に基づくカメラ制御方法は、インタフェース部にて、3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続し、制御部が、操作部にて受け付けたユーザからの指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の別の観点に基づくカメラシステムは、3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と、前記3Dカメラ対に対する制御コマンドを送信するカメラ操作装置とを具備し、前記カメラ操作装置は、前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続するためのインタフェース部と、前記3Dカメラ対に対する前記制御コマンドの送信の指示をユーザより受け付けることが可能な操作部と、
前記操作部にて受け付けた指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信するように制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、3Dカメラ対である2機のカメラ装置を同時に制御するための操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るカメラシステムにおいて設定される3Dカメラシステムを示す図である。
【図2】図1の3Dカメラシステムにおいて3Dカメラ対を構成する2機のカメラ装置の構成を示す図である。
【図3】図1の3Dカメラシステムにおけるリモートコントローラの構成を示す図である。
【図4】3Dカメラシステムが設定される前の各機材の接続状態を示す図である。
【図5】3Dカメラシステムが設定される前のカメラ設定テーブルの例を示す図である。
【図6】3Dカメラ対が設定されるまでの操作ディスプレイの画面の遷移の一部を示す図である。
【図7】3Dカメラ対が設定されるまでの操作ディスプレイの画面の遷移の他の部分を示す図である。
【図8】3Dカメラ対が設定された後のカメラ設定テーブルを示す図である。
【図9】図8のカメラ設定テーブルの内容に対応する3Dカメラシステムを示す図である。
【図10】2Dカメラの割り当て操作の例を示す図である。
【図11】2Dカメラが設定された後のカメラ設定テーブルを示す図である。
【図12】図11のカメラ設定テーブルの内容に対応する2Dカメラシステムを示す図である。
【図13】制御コマンドの構成を示す図である。
【図14】本実施形態のカメラシステムにおけるリモートコントローラによるカメラ制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】警告メッセージの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態は、3Dカメラ対を構成可能な2機のカメラ装置と、2機のカメラ装置にネットワークを通じて制御コマンドを送信するリモートコントローラ(カメラ操作装置)とを含むカメラシステムに関するものである。ここで、個々のカメラ装置は、カメラと、カメラを制御するカメラ制御装置とで構成される。
【0020】
このカメラシステムでは、リモートコントローラのマニュアル操作により、複数のカメラ装置のうち任意の2機のカメラ装置をLチャンネル用とRチャンネル用の3Dカメラ対として設定したり、1機の任意のカメラ装置を2Dカメラとして設定したりすることができる。
このように3Dカメラ対として設定された2機のカメラ装置を用いて撮影を行うモードを「3Dモード」と呼び、2Dカメラとして設定された1機のカメラ装置を用いて撮影を行うモードを「2Dモード」と呼ぶ。また、3Dモードが設定されたカメラシステムを「3Dカメラシステム」と呼び、2Dモードが設定されたカメラシステムを「2Dカメラシステム」と呼ぶこととする。
【0021】
3Dカメラシステムの運用中、リモートコントローラは、ユーザの操作に応じた制御コマンドを、3Dカメラ対として設定された2機のカメラ装置に同時に送信することで、2機のカメラ装置の操作を恰も1機のカメラ装置を操作しているかのごとく行うことが可能である。その際、少なくともカメラ装置の撮像素子の個体差が調整結果に現れる所定の種類の制御コマンドの送信の指示がユーザより入力された場合、リモートコントローラがその制御コマンドの送信を無効にすると共にユーザに警告を提示する。これによりリモートコントローラを用いた3D制御の信頼性が向上する。
以下に、本実施形態のカメラシステムの詳細を図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
[3Dカメラシステム]
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラシステムにおいて設定される3Dカメラシステムを示す図である。
3Dカメラシステム100は、3Dカメラ対を構成する2機のカメラ10L,10Rと、各々のカメラ10L,10Rとケーブル11L,11Rを通じて1対1に接続されたカメラ制御装置(CCU:Camera Control Unit)12L,12Rと、それぞれのカメラ制御装置12L,12RとIPネットワーク14を通じて接続されるリモートコントローラ16(カメラ操作装置)とを備える。ケーブル11L,11Rには、大容量の光デジタル信号を伝送可能な広帯域デジタル光伝送路などが用いられる。
【0023】
3Dカメラ対を構成する2機のカメラ10L,10Rは3Dカメラ対における左右のチャンネルにそれぞれ対応する。それぞれのカメラ10L,10Rはケーブル11L,11Rを通じて接続されたカメラ制御装置12L,12Rより供給される制御コマンドによって制御される。3Dカメラ対を構成する2機のカメラ10L,10Rで得られたビデオ信号はケーブル11L,11Rを通じてカメラ制御装置12L,12Rに伝送される。
【0024】
カメラ制御装置12L,12Rは、リモートコントローラ16からIPネットワーク14を通じて入力される制御コマンドを、ケーブル11L,11Rを通じて接続されたカメラ10L,10Rに伝送したり、ケーブル11L,11Rを通じて接続されたカメラ10L,10Rより伝送される各チャンネルのビデオ信号を受け取り、IPネットワーク14を通じて表示装置(図示せず)や記録装置(図示せず)に出力したりする。
【0025】
リモートコントローラ16は、ユーザからの操作入力に応じて3Dカメラ対を構成するカメラ10L,10Rに対する制御コマンドを生成し、IPネットワーク14を通じてカメラ制御装置12L,12Rに送信する。
【0026】
[カメラ装置の構成]
図2は3Dカメラ対を構成する2機のカメラ装置の構成を示す図である。なお、2機のカメラ装置の構成は同じであるから、ここではカメラ10L及びカメラ制御装置12Lで構成されるLチャンネル用のカメラ装置の構成のみ説明する。
【0027】
カメラ10Lは、撮像素子21L、PLL回路22L、タイミング生成回路23L、ビデオプロセッサ24L、CPU(25L)、I/F(26L)などを有する。
【0028】
撮像素子21Lは、光学像を受けて電気的な信号としてのRAW信号を出力する。撮像素子21Lは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどにより構成される。
【0029】
PLL回路22Lは、カメラ制御装置12Lからのリファレンスクロック信号によりPLL(Phase Locked Loop)クロックを生成してタイミング生成回路23Lに供給する。
【0030】
タイミング生成回路23Lは、PLLクロックから撮像素子21Lのタイミング信号を生成する。
【0031】
ビデオプロセッサ24Lは、撮像素子21LからのRAW信号をデジタル化し、さらに圧縮符号化してビデオ信号を生成する。
【0032】
CPU(25L)は、カメラ10Lの全体的な制御を行うとともに、カメラ制御装置12Lから供給される制御コマンドに応じてカメラ10Lの各種の調整を行う。
【0033】
I/F(26L)は、ケーブル11Lを通じてカメラ制御装置12Lとの間でリファレンスクロック信号、ビデオ信号、制御コマンドの送受信を制御する。
【0034】
なお、Rチャンネル用のカメラ10Rの構成も同様に、撮像素子21R、PLL回路22R、タイミング生成回路23R、ビデオプロセッサ24R、CPU(25R)、I/F(26R)などを有する。
【0035】
カメラ制御装置12Lは、PLL回路31L、タイミング生成回路32L、カメラI/F(33L)、IPネットワークI/F(34L)、CPU(35L)、バッファ36Lなどを有する。
【0036】
PLL回路31Lは、マスター制御ユニット40より供給されるリファレンスクロック信号からPLLクロックを生成する。
【0037】
タイミング生成回路32Lは、PLLクロックからカメラ10Lの動作タイミングを制御するタイミング信号を生成し、ケーブル11Lを通じてカメラ10Lにリファレンスクロック信号として供給する。
【0038】
カメラI/F(33L)は、ケーブル11Lを通じてカメラ10Lとの間でリファレンスクロック信号、ビデオ信号、制御コマンドの送受信を制御する。
【0039】
IPネットワークI/F(34L)は、IPネットワーク14を通じて、リモートコントローラ16からの制御コマンドを受け取り、CPU(35L)に送信したり、カメラ10Lより伝送されたビデオ信号をIPネットワーク14を通じて表示装置および記録装置などの外部装置50に伝送する。さらにIPネットワークI/F(34L)は、IPネットワーク14を通じて、マスター制御ユニット40からリファレンスクロック信号を受信してPLL回路31Lに供給する。
【0040】
CPU(35L)は、カメラ制御装置12Lの全体的な制御を行う。
【0041】
バッファ36Lは、ケーブル11Lを通じてカメラ10Lより伝送されたビデオ信号を一時的に保持してIPネットワークI/F(34L)に供給する。
【0042】
なお、Rチャンネル用のカメラ制御装置12Rの構成も同様に、PLL回路31R、タイミング生成回路32R、カメラI/F(33R)、IPネットワークI/F(34R)、CPU(35R)、バッファ36Rなどを有する。
【0043】
[リモートコントローラ16の構成]
図3はリモートコントローラ16の構成を示す図である。
リモートコントローラ16は、IPネットワークI/F(41)、操作パネル42(操作部)、操作ディスプレイ43、CPU44(制御部)、記憶部45などを有している。
【0044】
IPネットワークI/F(41)は、IPネットワーク14を通じて1機または2機のカメラ制御装置12L,12Rに制御コマンドを送信する。
【0045】
操作パネル42は、ユーザからの各種の制御コマンドの入力の指示を受け付ける。
【0046】
操作ディスプレイ43は、例えば液晶表示パネルなどのパネル型表示器と、パネル型表示器の上に設けられたタッチセンサーパネルとで構成される。操作ディスプレイ43には、ユーザからの各種の制御コマンドの入力の指示を受け付けることが可能な操作画面(操作部)が表示されたり、少なくとも撮像素子の個体差が調整結果に現れる所定の種類の制御コマンドの送信が無効とされた際に警告メッセージが表示されたりする。
【0047】
記憶部45には、リモートコントローラ16の制御に必要なプログラムや各種のデータなどが記憶される。
【0048】
CPU44(制御部)は、リモートコントローラ16の全体的な制御を行う。例えば、CPU44は、操作パネル42や、操作ディスプレイ43に表示された操作画面などの操作部に対するユーザの操作を認識し、認識されたユーザ操作に対応した制御コマンドを生成するともに、この制御コマンドのあて先であるカメラ装置のIPアドレスを記憶部45に記憶されたカメラ設定テーブルより取得する。このカメラ設定テーブルについては後で説明する。そしてCPU44は、生成された制御コマンドをペイロード部に格納し、ヘッダ部にIPアドレスを格納したIPパケットを生成し、IPネットワークI/F(41)を通じてIPネットワーク14に送出するように制御を行う。
【0049】
その際、CPU44は、2機のカメラ10L、10RがLチャンネル用とRチャンネル用の3Dカメラ対として設定されている場合(3Dモード時)には次のような処理を行う。まずCPU44は、2機のカメラ10L、10Rにそれぞれ割り当てられたIPアドレスをカメラ設定テーブルより取得する。続いてCPU44は、ユーザにより送信することが指示された制御コマンドに、Lチャンネル用のカメラ10Lに割り当てられたIPアドレスを付加したLチャンネル用のIPパケットと、Rチャンネル用のカメラ10Rに割り当てられたIPアドレスを付加したRチャンネル用のIPパケットをそれぞれ生成する。そしてCPU44は、Lチャンネル用のIPパケット(第1の制御コマンド情報)とRチャンネル用のIPパケット(第2の制御コマンド情報)をIPネットワークI/F(41)を通じてIPネットワーク14に送出するように制御を行う。
【0050】
次に、本実施形態のカメラシステムの動作を説明する。
動作の説明は、
1.カメラ設定
2.カメラ制御
の順で行う。
【0051】
[1.カメラ設定]
図4は図1に示す3Dカメラシステム100が設定される前の各機材の接続状態を示す図である。
4機のカメラ10−1,10−2,10−3,10−4と、これらを個別に制御する4機のカメラ制御装置12−1,12−2,12−3,12−4が存在し、4機のカメラ制御装置12−1,12−2,12−3,12−4はネットワーク14に接続されている。4機のカメラ10−1,10−2,10−3,10−4それぞれのカメラ番号は上から"1"、"2"、"3"、"4"とされている。また、4機のカメラ制御装置12−1,12−2,12−3,12−4にはそれぞれ異なるIPアドレスが割り当てられている。
【0052】
図5は、3Dカメラシステム100の設定前のカメラ設定テーブル60の例である。同図に示すように、カメラ設定テーブル60は、カメラ番号、IPアドレス、3D有効フラグ、2D有効フラグ等で構成される。カメラ番号は、それぞれのカメラ10−1,10−2,10−3,10−4に予め固定的に割り当てられたユニークな番号である。IPアドレスは、カメラ制御装置12−1,12−2,12−3,12−4にIPネットワーク14上で予め割り当てられたIPアドレスである。3D有効フラグは、3Dカメラ対を構成するカメラとして使用することが選択されている場合にセットされるフラグであり、例えば、LまたはRのチャンネルを示す値からなる。2D有効フラグは2Dカメラとして使用することが選択されている場合にセットされるフラグである。3Dカメラシステムも2Dカメラシステムも設定されていない時点では、3D有効フラグおよび2D有効フラグはすべてリセット状態にある。
【0053】
次に、上記の4つのカメラ10−1,10−2,10−3,10−4の中で3Dカメラ対として用いる2つの任意のカメラ10L,10Rをリモートコントローラ16の操作により設定して3Dカメラシステム100を設定する場合の動作を説明する。
図6及び図7は3Dカメラ対が設定されるまでの操作ディスプレイ43の画面の遷移を示す図である。
【0054】
図6において、リモートコントローラ16の操作ディスプレイ43に表示されるCategory Select画面71からConfigボタン72が操作されるとConfig画面(図示省略)が表示され、このConfig画面からRCPボタンが操作されるとRCP画面(図示省略)に切り替わる。RCP画面でModeボタンが操作されるとRCP Mode画面73が表示される。RCP Mode画面73には3D Settingボタン74が設けられており、この3D Settingボタン74が操作されると3D Setting画面75に変わる。
【0055】
この3D Setting画面75には、3Dモードボタン76、3D CAM Controlボタン77、カメラ番号登録ボタン78が設けられている。
3Dモードボタン76は、リモートコントローラ16を2D対応リモートコントローラとして使用できるモードと3D対応リモートコントローラとして使用できるモードとの間で切り替えるためのボタンである。3Dモードボタン76は初期状態において表示は"OFF"の状態にあり、このときリモートコントローラ16は2D対応リモートコントローラとして使用できる状態にある。この状態から3Dモードボタン76が操作されると、3Dモードボタン76の表示は"OFF"から"ON"に切り替わり、リモートコントローラ16は2機のカメラ10L,10Rを同時に制御可能な3D対応リモートコントローラとして使用できる状態になる。
【0056】
3D CAM Controlボタン77は、3Dカメラ対におけるLチャンネルおよびRチャンネルのどれに対してカメラを割り当てるかを選択するための3D CAM Control画面79の呼び出しのボタンである。この3D CAM Controlボタン77が操作されることによって表示された3D CAM Control画面79にはLチャンネルに対してカメラを割り当てることを選択するためのLeft Onlyボタン79a、LR両チャンネルに対してカメラを割り当てることを選択するためのBothボタン79b、Rチャンネルに対してカメラを割り当てることを選択するためのRight Onlyボタン79cが設けられている。すなわち、これら3つのボタン79a、79b、79cの中から1つのボタンがユーザによって操作されることで、3Dカメラ対におけるLチャンネルおよびRチャンネルのどれに対してカメラを割り当てるかをユーザが選択することができる。
【0057】
カメラ番号登録ボタン78はカメラ番号登録画面(図7)を呼び出すためのボタンである。図7に示すように、カメラ番号登録ボタン78が操作されると3Dカメラ設定のためのカメラ番号登録画面80に切り替わる。このカメラ番号登録画面80には3D CAM Controlボタン77で選択されたチャンネルに対する割り当て候補であるカメラ番号が表示されるカメラ番号表示部81,82が設けられている。ユーザはカメラ番号表示部81,82に表示させる番号を選択し、Setボタン91を操作することで、3D CAM Controlボタン77で選択されたチャンネルに対して任意のカメラ番号が割り当てられる。カメラ番号表示部81,82に表示させる番号の切替操作は、リモートコントローラ16に設けられた調整つまみ85,86の操作等によって行われる。
【0058】
図6および図7の例は、3D CAM Controlボタン77の中のBothボタン79bが操作されたことで、LR両チャンネルに対してカメラを割り当てることが選択され、カメラ番号登録画面80で、Lチャンネルに対してカメラ番号=3が割り当てられ、Rチャンネルに対してカメラ番号=4が割り当てられた場合を示している。この結果、カメラ設定テーブルは図8に示す状態に更新される。また、以上の割り当て操作によって設定された3Dカメラシステム100の構成を図9に示す。
【0059】
次に、4つのカメラ10−1,10−2,10−3,10−4の中で1機のカメラを2Dカメラとして設定する場合の動作を説明する。
【0060】
3D Setting画面75において、ユーザは3Dモードボタン76を"OFF"にし、Config画面(図示せず)を呼び出す。このConfig画面で2Dカメラ設定のためのボタン(図示せず)が操作されると、2Dカメラ設定のためのカメラ番号登録画面が開く。図10は2Dカメラ設定のためのカメラ番号登録画面90を示す図である。このカメラ番号登録画面90には、2Dカメラへの割り当て候補としてのカメラ番号が表示されるカメラ番号表示部87が設けられている。ユーザはこのカメラ番号表示部87に表示させる番号を選択し、Setボタン91を操作することで、任意のカメラ番号のカメラが2Dカメラとして割り当てられる。カメラ番号表示部87に表示させる番号の切替操作は、リモートコントローラ16に設けられた調整つまみ83の操作などによって行われる。
【0061】
図10の例は、カメラ番号=3のカメラ10−3が2Dカメラとして割り当てられた場合を示している。この結果、図11に示すように、カメラ設定テーブルにおいて、カメラ番号=3のカメラ10−3に対して2D有効フラグがセットされる。また、以上の割り当て操作によって設定された2Dカメラシステム200の構成を図12に示す。
【0062】
また、以上のようにして3Dカメラシステム100が設定された後でも、リモートコントローラ16の操作によって2Dカメラシステム200への変更を容易に行うことができる。この場合、ユーザは3D Setting画面75の3Dモードボタン76を"ON"の状態から"OFF"の状態に切り替えた後、前記と同様にConfig画面(図示せず)を呼び出し、このConfig画面で2Dカメラ設定のためのボタン(図示せず)を操作する。すると2Dカメラ設定のためのカメラ番号登録画面90が表示されるので、このカメラ番号登録画面90のカメラ番号表示部87に表示させるカメラ番号を調整つまみ83の操作などにより選択し、最後にSetボタン91を操作すればよい。
【0063】
[2.カメラ制御]
カメラ制御の説明に入る前に、本実施形態のカメラシステムにおいて採用されている制御コマンドの構成について説明する。
【0064】
図13は制御コマンドの構成を示す図である。
制御コマンドは、
1.カメラ制御コマンド
2.リモートコントローラ制御コマンド
に大別される。
【0065】
カメラ制御コマンドは、カメラシステムの運用中にカメラを制御するためのコマンドである。
リモートコントローラ制御コマンドは、カメラ設定、2D/3Dモード設定、各種メンテナンス調整、カメラ固体に固有の調整など、リモートコントローラ16内で処理されるコマンドである。
【0066】
これらカメラ制御コマンドとリモートコントローラ制御コマンドとを識別するために「送信アドレスセレクタオプション」が用意されている。
すなわち、図13に示すように、制御コマンド1はコマンド本体2とオプション部3とで構成される。オプション部3は制御コマンド1の実行内容を選択したり調整したりするための情報である。このオプション部3に格納されるオプションの1つとして上記の送信アドレスセレクタオプション4がある。カメラ制御コマンドには、当該送信アドレスセレクタオプション4がオプション部3に付加される。これにより、制御コマンド1がカメラ制御コマンドであるかリモートコントローラ制御コマンドであるかが容易に判別できるようになっている。
【0067】
また、送信アドレスセレクタオプション4は、カメラ制御コマンドである制御コマンド1が、3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rへ同時に送信されることが制御上有効な制御コマンドであるか、それとも個々のカメラに個別に送信されることが制御上有効な制御コマンドであるかを識別するための識別子5を含む。3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rへ同時に送信されることが制御上有効な制御コマンドであることを示す識別子5を「複数送信識別子」、カメラに個別に送信されることが制御上有効な制御コマンドであることを示す識別子5を「単数送信識別子」と呼ぶ。単数送信識別子には、ユーザによる操作内容に対応してL/Rのどちらのチャンネルのカメラを制御コマンドのあて先とするかを示すL/R識別情報が付加されている。
【0068】
3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rへ同時に送信されることが制御上有効と定められた制御項目とは、運用中の3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rの操作に関する制御項目であり、例えば、カメラ撮影画像の調整項目などがある。カメラ撮影画像の調整項目としては、ホワイトバランス調整、アイリス調整、ゲイン調整、ブラックレベル調整、RPN(残留パターンノイズ)調整などが挙げられる。一方、カメラに個別に送信されることが制御上有効と定められた制御項目とは、IPアドレスの設定に関する項目、1機のカメラに送るだけで目的が達成される制御項目などがある。1機のカメラに送るだけで目的が達成される制御項目には、例えば、タリー、プレビューなどある。タリーとは、カメラの使用時に点灯するランプに関する制御項目である。プレビューとはファインダーに関する制御項目である。
【0069】
以上のような構成を有する制御コマンド1は、リモートコントローラ16のCPU44により、操作パネル42、操作ディスプレイ43上の操作画面などの操作部に対するユーザの操作に応じて生成される。
【0070】
ところで、3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rへ同時に送信されることが制御上有効と定められた制御項目のなかには、実際には同時制御を行うには不適当な制御項目がいくつか存在する。例えば、ブラックレベル調整、RPN(残留パターンノイズ)調整などは、撮像素子の個体差、例えば、撮像素子の製造時の個体差(画素毎の増幅器の出力特性のバラツキ)や経年劣化の違い、設置場所の照明環境などの諸事情により、同じ調整用パラメータを含む制御コマンドで確実な調整を行うことは困難である。
【0071】
そこでリモートコントローラ16のCPU44は、次のような処理を行う。
1.CPU44は、生成された制御コマンドを実行するための制御コマンドの解析過程で、複数送信識別子を有する送信アドレスセレクタオプション4がオプション部3に含まれる制御コマンドを判定する。
2.CPU44は、複数送信識別子を有する送信アドレスセレクタオプション4がオプション部3に含まれる制御コマンド1を判定すると、制御コマンド1のコマンド本体2と、記憶部45に記憶されたリストとを比較する。ここでリストには、同時制御を行うには不適当な制御項目のリストが予め記憶されている。
3.CPU44は、制御コマンド1のコマンド本体2がリストのいずれかの制御項目と合致する場合には、当該制御コマンドの送信を無効にするとともに、その制御コマンドが3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rを同時に制御するコマンドとしては不適当であることを示す警告メッセージを操作ディスプレイ43に表示する。
【0072】
次に、本実施形態のカメラシステムにおけるカメラ制御の流れを説明する。
図14は本実施形態のカメラシステムにおけるリモートコントローラ16によるカメラ制御の流れを示すフローチャートである。
【0073】
まず、リモートコントローラ16のCPU44は、リモートコントローラ16の操作パネル42や、操作ディスプレイ43に表示された操作画面に対するユーザによる操作を認識し(ステップS101)、その認識された操作に対応した制御コマンドを生成する(ステップS102)。
【0074】
次に、リモートコントローラ16のCPU44は、生成された制御コマンドのオプション部を取得し(ステップS103)、このオプション部に送信アドレスセレクタオプションが含まれているかどうかを判定する(ステップS104)。ここで、オプション部に送信アドレスセレクタオプションが含まれていない制御コマンドは、リモートコントローラ16の中での設定事項など、リモートコントローラ16内のみで処理される制御コマンドであるから、この制御コマンドはリモートコントローラ16内で処理される(ステップS105)。これによりユーザより与えられた制御コマンドに対する処理が終了する。
【0075】
一方、制御コマンドのオプション部に送信アドレスセレクタオプションが含まれていることが判定された場合、続いてリモートコントローラ16のCPU44は、カメラ設定テーブルの3D有効フラグ、2D有効フラグの状態から撮影モード(2D/3D)を判定する(ステップS106)。いずれかのカメラのカメラ番号に対して2D有効フラグがセットされる場合、CPU44は2Dモードが設定されていることを判定し、そのカメラ番号に対して設定されたIPアドレスを制御コマンドに付加して(ステップS107)、ネットワーク14に送出することで、そのカメラに制御コマンドに送信する(ステップS108)。
【0076】
また、ステップS106で3Dモードが設定されていることが判定された場合、リモートコントローラ16のCPU44は、送信アドレスセレクタオプションに含まれる識別子を取得し(ステップS109)、この識別子が複数送信識別子であるか単数送信識別子であるかを判定する(ステップS110)。単数送信識別子である場合、この単数送信識別子に含まれるL/R識別情報をもとにカメラ設定テーブルから該当するカメラに対応するIPアドレスを取得し(ステップS111)、制御コマンドにこのIPアドレスを付加し(ステップS112)、ネットワーク14に送出することで、そのカメラに制御コマンドに送信する(ステップS113)。これにより3Dカメラ対の一方のカメラが制御される。
【0077】
ステップS110で識別子が複数送信識別子であることが判定された場合、リモートコントローラ16のCPU44は、制御コマンドのコマンド本体と記憶部45に記憶されたリストとを比較する。ここで制御コマンドのコマンド本体がリストのいずれの制御項目とも合致しない場合、CPU44は、当該制御コマンドが実際に3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rを同時に制御する制御コマンドとして適当であると判定する(ステップS114のNO)。この場合、CPU44は制御コマンドの複製を作成して2つの制御コマンドを用意し(ステップS115)、一方の制御コマンドに、カメラ設定テーブルに3D有効フラグとしてLチャンネルの値がセットされたカメラ番号に割り当てられたIPアドレスを付加するとともに、他方の制御コマンドに、カメラ設定テーブルに3D有効フラグとしてRチャンネルの値がセットされたカメラ番号に割り当てられたIPアドレスを付加する(ステップS116)。そしてCPU44は、IPアドレスがそれそれ付加された制御コマンドをネットワーク14に送出することで、その3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rに同一の制御コマンドを同時に送信する(ステップS117)。これにより、3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rが同時に制御される。これによりユーザより与えられた制御コマンドに対する処理が終了する。
【0078】
また、制御コマンドのコマンド本体がリストのいずれかの制御項目と合致した場合には、当該制御コマンドが実際には3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rの同時制御を行うには不適当な制御項目の制御コマンドであると判定される(ステップS114のYES)。この場合、CPU44は当該制御コマンドの送信を無効にするとともに、その制御コマンドが3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rを同時に制御するコマンドとしては不適当であることを示す警告メッセージを操作ディスプレイ43に表示する(ステップS118)。これによりユーザより与えられた制御コマンドに対する処理が終了する。
【0079】
図15は、ユーザからリモートコントローラ16に対してブラックレベル調整の制御コマンドを3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rに送信するよう指示が与えられた場合に操作ディスプレイ43に表示される警告メッセージの例である。この例では"Not both controllable item"といった警告メッセージ93が表示される。
【0080】
以上の本実施形態によれば、2機以上用意されたカメラ10−1,10−2,10−3,10−4の中から、リモートコントローラ16の簡単な操作で、3Dカメラシステム100の3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rをユーザが任意に選択して設定することができる。さらに、本実施形態によれば、リモートコントローラ16の簡単な操作で、3Dカメラシステム100と2Dカメラシステム200との切り替えを行うことができる。
【0081】
また、リモートコントローラ16は、ユーザの操作に応じた制御コマンドを、3Dカメラ対として設定された3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rを個別に制御する2つのカメラ制御装置12L,12Rにネットワーク14を通じて同時に送信することができる。これにより、3Dカメラ対を構成するカメラ10L、10Rの操作を恰も1機のカメラを操作しているかのごとく行うことができ、操作性が向上する。
【0082】
また、カメラの様々な制御項目において、例えば、ブラックレベル調整、RPN(残留パターンノイズ)調整など、撮像素子の個体差が調整結果に現れる所定の種類の制御コマンドの送信指示がユーザより入力された場合、リモートコントローラ16のCPU44がその制御コマンドの送信を無効にすると共にユーザに警告を提示する。これによりリモートコントローラ16を用いた3D制御の信頼性が向上する。
【0083】
なお、本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…制御コマンド
2…コマンド本体
3…オプション部
4…送信アドレスセレクタオプション
5…識別子
10L、10R…カメラ
11L、11R…ケーブル
12L、12R…カメラ制御装置
14…IPネットワーク
16…リモートコントローラ
42…操作パネル
43…操作ディスプレイ
44…CPU
45…記憶部
100…3Dカメラシステム
200…2Dカメラシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続するためのインタフェース部と、
前記3Dカメラ対に対する制御コマンドの送信の指示をユーザより受け付けることが可能な操作部と、
前記操作部にて受け付けた指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信するように制御する制御部と
を具備するカメラ操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラ操作装置であって、
前記伝送路がIPネットワークであり、
前記制御部は、前記第1のカメラ装置のあて先情報として前記第1のカメラ装置に予め割り当てられた第1のIPアドレスを前記制御コマンドに付加し、前記第2のカメラ装置のあて先情報として前記第2のカメラ装置に予め割り当てられた第2のIPアドレスを前記制御コマンドに付加する
カメラ操作装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラ操作装置であって、
前記制御部は、3Dモードおよび2Dモードのうちいずれか一方のモードをユーザに選択させ、前記3Dモードが選択されたとき、前記3Dカメラ対を構成する第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置を前記複数のカメラ装置の中からユーザに選択させることにより設定し、前記2Dモードが選択されたとき、2Dカメラとして使用する1つのカメラ装置を第3のカメラ装置として前記複数のカメラ装置の中からユーザに選択させることにより設定し、前記操作部にて受け付けた指示に応じて生成された前記制御コマンドに前記第3のカメラ装置のあて先情報が付加された第3の制御コマンド情報を生成し、前記インタフェース部を通じて前記第3のカメラ装置に送信するように制御する
カメラ操作装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカメラ操作装置であって、
前記制御部は、少なくともカメラ装置の撮像素子の個体差が調整結果に現れる所定の種類の制御コマンドの送信の指示が前記操作部にて受け付けられたとき、当該制御コマンドの送信を無効にするとともに、警告メッセージをユーザに提示する
カメラ操作装置。
【請求項5】
インタフェース部にて、3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続し、
制御部が、操作部にて受け付けたユーザからの指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信する
カメラ制御方法。
【請求項6】
3Dカメラ対を構成可能な第1のカメラ装置及び第2のカメラ装置と、
前記3Dカメラ対に対する制御コマンドを送信するカメラ操作装置とを具備し、
前記カメラ操作装置は、
前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置と伝送路を通じて接続するためのインタフェース部と、
前記3Dカメラ対に対する前記制御コマンドの送信の指示をユーザより受け付けることが可能な操作部と、
前記操作部にて受け付けた指示に応じて前記制御コマンドを生成し、この制御コマンドに前記第1のカメラ装置のあて先情報が付加された第1の制御コマンド情報と、前記制御コマンドに前記第2のカメラ装置のあて先情報が付加された第2の制御コマンド情報をそれぞれ生成し、生成された前記第1の制御コマンド情報及び前記第2の制御コマンド情報を前記インタフェース部を通じて前記第1のカメラ装置及び前記第2のカメラ装置にそれぞれ送信するように制御する制御部と
を具備するカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−129716(P2012−129716A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278176(P2010−278176)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】