説明

カメラ本体、カメラシステム

【課題】好適な撮影が可能なカメラ本体およびカメラシステムを提供する。
【解決手段】レンズが直接にカメラボディのボディ側マウント部に結合された場合に、第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第1閾値以内であると判定された時に表示部39に合焦表示マーク391を表示させ、中間アダプタ301を介してレンズがボディ側マウント部に結合された場合に、第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第2閾値以内であると判定された時に表示部39に合焦表示マーク391を表示させると共に第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第3閾値以内であると判定された時に表示部39に合焦表示マーク392を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ本体およびカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ本体(カメラボディ)に交換レンズを装着したカメラシステムでは、装着した交換レンズの種類によらず焦点検出エリアを一様な表示態様で表示している(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-085535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、好適な撮影が可能なカメラ本体およびカメラシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、第1交換レンズ、及び、第1交換レンズとは異なる第2交換レンズを取付け可能なアダプタを着脱可能なマウント部と、焦点調節状態が第1閾値以内であるときに第1信号を出力可能であり、焦点調節状態が第1閾値外であり、かつ、第2閾値以内であるときに第2信号を出力可能な焦点調節制御部と、焦点調節制御部から第1信号が出力されたとき第1態様の表示を行い、焦点調節制御部から第2信号が出力されたとき第1態様とは異なる第2態様の表示を行う表示部とを含むことを特徴とするカメラ本体である。
請求項4に係る発明は、第1交換レンズ、及び、第1交換レンズとは異なる第2交換レンズを取付け可能なアダプタを着脱可能なマウント部と、マウント部に第1交換レンズが取付けられたか、マウント部にアダプタが取付けられたかを判断可能な判断部と、位相差AFにより焦点調節状態を検出可能な焦点検出部と、焦点検出部の検出結果に応じて焦点調節制御を行う制御部とを含み、制御部は、判断部によりマウント部にアダプタが取付けられたと判断されたとき、マウント部に第1交換レンズが取付けられたと判断されたときよりも焦点検出部の検出範囲を広げることを特徴とするカメラ本体である。
請求項7に係る発明は、交換レンズが着脱可能に結合可能なマウント部を有するカメラ本体であって、装着された交換レンズの焦点調節状態を検出して、焦点検出信号を出力する焦点検出手段と、焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であるか否か、焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であるか否か、焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値よりも大きい第3の閾値以内であるか否かを判定する判定手段と、表示手段と、第1の交換レンズが直接にマウント部に結合された場合に、判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であると判定された時に表示手段に第1の合焦表示を行わせ、マウントアダプタを介して第2の交換レンズがマウント部に結合された場合に、判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であると判定された時に表示手段に第2の合焦表示を行わせると共に判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第3の閾値以内であると判定された時に表示手段に第3の合焦表示を行わせる表示制御手段と、を備えることを特徴とするカメラ本体である。
請求項10に係る発明は、マウント部を有するカメラ本体と、カメラ本体のマウント部に結合可能なマウント部を有し、カメラ本体に装着可能な第1の交換レンズと、カメラ本体のマウント部に結合可能な第1のマウント部と第2のマウント部とを有するマウントアダプタと、マウントの第2のマウント部に結合可能なマウント部を有し、マウントアダプタを介してカメラ本体に装着可能な第2の交換レンズとを備えるカメラシステムであって、カメラ本体は、装着された交換レンズの焦点調節状態を検出して、焦点検出信号を出力する焦点検出手段と、焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であるか否か、焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であるか否か、焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値よりも大きい第3の閾値以内であるか否かを判定する第1の判定手段と、表示手段と、第1の交換レンズが装着されたのか、マウントアダプタを介して第2の交換レンズが装着されたのかを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段によって第1の交換レンズが装着されたと判定された場合に、第1の判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であると判定された時に表示手段に第1の合焦表示を行わせ、第2の判定手段によってマウントアダプタを介して第2の交換レンズが装着されたと判定された場合に、第1の判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であると判定された時に表示手段に第2の合焦表示を行わせると共に第1の判定手段によって焦点検出手段の焦点検出信号が第3の閾値以内であると判定された時に表示手段に第3の合焦表示を行わせる表示制御手段と、を備えることを特徴とするカメラシステムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、好適な撮影が可能なカメラ本体およびカメラシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】Dタイプの撮影レンズ(交換レンズ)とYタイプのカメラボディとからなるカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】撮像素子の正面図である。
【図4】Dタイプの撮影レンズ(交換レンズ)と中間アダプタとYタイプのカメラボディとからなるカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図5】Yボディ制御部の機能ブロック図である。
【図6】合焦表示に関する図である。
【図7】合焦表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカメラシステムの概略を示すブロック図である。このカメラシステムはレンズ交換式であり、Xタイプのカメラボディ101とYタイプのカメラボディ102とが含まれる。Xタイプのカメラボディ101には、Aタイプの撮影レンズ(交換レンズ)201が着脱可能である。また、Yタイプのカメラボディ102には、Dタイプの撮影レンズ(交換レンズ)204が着脱可能である。
【0009】
本カメラシステムには更に、中間アダプタ301が含まれている。この中間アダプタ301は、Xタイプのカメラボディ101に適合する撮影レンズ(Aタイプの撮影レンズ201)をYタイプのカメラボディ102に取り付けるためのものである。例えばXタイプのカメラボディ101およびAタイプの撮影レンズ201を所有していたユーザが、新たにYタイプのカメラボディ102を購入したとき、中間アダプタ301を用いることにより、これまで利用していたAタイプの撮影レンズ201をYタイプのカメラボディ102において引き続き利用することが可能になる。以下、これらの各構成要素について順に説明する。
【0010】
なお、以下の説明において、図1に示したXタイプのカメラボディ101を、Xボディ101と表記する。同様に、Yタイプのカメラボディ102をYボディ102、Aタイプの撮影レンズ201をAレンズ201、Dタイプの撮影レンズ204をDレンズ204とそれぞれ表記する。
【0011】
(Dレンズ204とYボディ102とを備えるカメラシステムの説明)
図2は、Dレンズ204とYボディ102とを備えるカメラシステムの構成を示すブロック図である。なお、図2では本発明の説明に必要な部材のみを図示しており、それ以外の部材については図示および説明を省略する。以下の各図についても同様である。
【0012】
Dレンズ204は、レンズ側マウント部83により、Yボディ102のボディ側マウント部84に着脱可能に装着される。Dレンズ204は、Dレンズ制御部13と、フォーカス駆動部14と、フォーカシングレンズ15と、YLタイプ通信接点群17とを有する。
【0013】
Dレンズ制御部13は、YLタイプ通信接点群17を介してYボディ102内のYボディ制御部30とデータ通信を行う。例えば、Dレンズ制御部13はYボディ制御部30から焦点検出信号を受信すると共に、フォーカシングレンズ15の位置情報をYボディ制御部30へ送信する。
【0014】
フォーカス駆動部14は、リニアステッピングモータであり、Dレンズ制御部13の制御に基づいて、フォーカシングレンズ15をDレンズ204の光軸方向に駆動する。Dレンズ制御部13は、Yボディ制御部30から受信した焦点検出信号に基づいて、フォーカス駆動部14を制御してフォーカシングレンズ15を合焦位置に移動させる。
【0015】
Yボディ102はカメラボディ全体を制御するYボディ制御部30と、撮像素子36と、YBタイプ通信接点群37と、表示部39とを有する。Yボディ制御部30はマイクロプロセッサおよびその周辺回路から成り、不図示の記憶媒体に記憶されている所定の制御プログラムを読み込んで実行することにより、Yボディ102の各部を制御する。なお、Yボディ制御部30を、同様の制御を行う電子回路として構成することも可能である。
【0016】
図3は撮像素子36の正面図である。撮像素子36は、その撮像画面上に位相差焦点検出エリアを有しており、図3はその焦点検出エリア近傍を拡大したものである。撮像素子36は、撮像画素310と焦点検出画素312および313から構成される。なお、この焦点検出エリアは撮像画面の内の中心位置を含めて複数の位置に設けられている。
【0017】
撮像画素310は、マイクロレンズと、光電変換部と、赤(R)、緑(G)、または青(B)の色フィルタとを備えており、画像信号を出力する。Yボディ制御部30は、撮像画素310から出力される画像信号を、画像処理と、コントラス焦点検出とに用いる。
【0018】
焦点検出画素312および313は、マイクロレンズと光電変換部とを備え、焦点検出エリアに交互に配列されている。Yボディ制御部30は、焦点検出画素312および313の出力信号を、瞳分割位相差検出に用いる。
【0019】
YBタイプ通信接点群37は、ボディ側マウント部84の近傍に設けられた複数の電気接点である。Yボディ制御部30は、YBタイプ通信接点群37を介して、Yボディ102に装着されたDレンズ204への電力供給と、Dレンズ204のDレンズ制御部13とのデータ通信とを行う。
【0020】
表示部39は、例えばYボディ102の背面にある液晶ディスプレイ又は、電子ビューファインダである。また、表示部39は、Yボディ制御部30の指示に従ってメニュー画面なども表示される。
【0021】
(Yボディ102とAレンズ201と中間アダプタ301とを備えるカメラシステムの説明)
図4は、Aレンズ201を、中間アダプタ301を介してYボディ102に接続したカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【0022】
Aレンズ201は、レンズ側マウント部81により、中間アダプタ301の第1マウント部85に着脱可能に装着される。Aレンズ201は、Aレンズ制御部10と、フォーカス駆動部11と、フォーカシングレンズ12と、XLタイプ通信接点群16とを有する。
【0023】
フォーカス駆動部11は、リニアステッピングモータであり、Aレンズ制御部10の制御に基づいて、フォーカシングレンズ12を光軸方向に駆動する。Aレンズ制御部10は、XLタイプ通信接点群16を介して受信した焦点検出信号に基づいて、フォーカス駆動部14を制御してフォーカシングレンズ15を合焦位置に移動させる。
【0024】
中間アダプタ301は、第1マウント部85と第2マウント部86とを備える。第1マウント部85にはレンズ側マウント部81を介してAレンズ201が着脱可能に装着される。第2マウント部86にはボディ側マウント部84を介してYボディ102が着脱可能に装着される。
【0025】
中間アダプタ301は、YLタイプ通信接点群17とXBタイプ通信接点群26とアダプタ制御部40とを備える。YLタイプ通信接点群17は、第2マウント部86の近傍に設けられた複数の電気接点であり、Yボディ102のYBタイプ通信接点群37と接続する。XBタイプ通信接点群26は、第1マウント部85の近傍に設けられた複数の電気接点であり、Aレンズ201のXLタイプ通信接点群16と接続する。
【0026】
Yボディ102のYボディ制御部30が実行するデータ通信と、Aレンズ201のAレンズ制御部10が実行するデータ通信とは、通信プロトコルが異なる。アダプタ制御部40は、Yボディ102が送信した制御信号やデータ信号をAレンズ201向けの信号に変換することによりデータ通信を中継する。また、Aレンズ201が送信した制御信号やデータ信号をYボディ102向けの信号に変換することによりデータ通信を中継する。
【0027】
Yボディ102のYボディ制御部30は、ボディ側マウント部84にDレンズ204や中間アダプタ301などが接続されたら、YBタイプ通信接点群37を介して所定の接続確認信号を送信する。Yボディ102のボディ側マウント部84に中間アダプタ301が接続されている場合、中間アダプタ301がYLタイプ通信接点群17を介して接続確認信号を受信する。接続確認信号を受信したアダプタ制御部40は、YLタイプ通信接点群17を介して接続確認信号に対する所定の第1応答信号を送信する。第1応答信号を受信したYボディ制御部30は、ボディ側マウント部84に接続されたものが中間アダプタ301であると認識する。また、Dレンズ204のDレンズ制御部13も、接続確認信号を受信したら、Dレンズ204のYLタイプ通信接点群17を介して所定の第2応答信号を送信する。第2応答信号を受信したYボディ制御部30は、ボディ側マウント部84に接続されたものがDレンズ204であると認識する。
【0028】
(Yボディ制御部30の機能の説明)
図5は、Yボディ制御部30の機能ブロック図である。Yボディ制御部30は、画像処理部361と表示制御部366とAF制御部710とを有する。AF制御部710は、位相差検出式焦点検出部362と第1焦点検出信号判定部363とコントラスト式焦点検出部364と第2焦点検出信号判定部365と装着機器判定部367とを有する。なお、図5に図示した機能は、Yボディ制御部30の機能の一部であり、図5に図示されていない処理も各種存在する。
【0029】
画像処理部361は、撮像素子36の撮像画素310から出力される画像信号に基づいて画像データを生成する。画像処理部361は、生成した画像データを不図示の記録媒体や表示部39に出力する。
【0030】
位相差検出式焦点検出部362は、撮影レンズの射出瞳の一対の領域を通過した一対の光束をそれぞれ受光する焦点検出画素312および313の出力信号に基づいてデフォーカス量を算出し、算出したデフォーカス量を焦点検出信号として第1焦点検出信号判定部363やYBタイプ通信接点群37へ出力する。
【0031】
第1焦点検出信号判定部363は、位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。第1焦点検出信号判定部363が利用する閾値には、第1閾値と第2閾値と第3閾値とが存在する。第1閾値は第2閾値と同一かそれよりもわずかに小さく定められ、第3閾値は第2閾値よりも大きく定められている。
【0032】
第1焦点検出信号判定部363は、第1〜第3閾値のいずれを利用して判定するかを、ボディ側マウント部84に接続された機器に基づいて選択する。第1焦点検出信号判定部363は、装着機器判定部367の判定結果に基づいて以下の(1)および(2)の判定を行う。
(1)ボディ側マウント部84にDレンズ204が接続されているときは、デフォーカス量が第1閾値以内であるか否かを判定する。デフォーカス量が第1閾値以内とはフォーカシングレンズ15が第1の合焦範囲内(第5の実施の形態の合焦幅D参照)に位置していることを示す。
(2)ボディ側マウント部84に中間アダプタ301が接続されている、すなわち中間アダプタ301を介してAレンズ201が接続されているときは、デフォーカス量が第2閾値(例えば、第1閾値=第2閾値である)以内であるか否かと、デフォーカス量が第3閾値以内であるか否かを判定する。なお、デフォーカス量が第2閾値以内とはフォーカシングレンズ12が第2の合焦範囲内に位置していることを示す。第2の合焦範囲は第1の合焦範囲と同一またはわずかに狭い範囲に定められる。また、デフォーカス量が第3閾値以内とはフォーカシングレンズ12が第3の合焦範囲内に位置していることを示す。第3の合焦範囲は、第2の合焦範囲よりも広い範囲に定められる。
【0033】
コントラスト式焦点検出部364は、撮像素子36の撮像画素310から出力される画像信号に基づいてコントラスト検出方式における評価値を算出する。評価値は、コントラストの大小を表している。コントラスト式焦点検出部364は、評価値がピークとなったフォーカシングレンズ12または15の位置(合焦位置)を算出して焦点検出信号をYBタイプ通信接点群37へ出力する。
【0034】
第2焦点検出信号判定部365は、コントラスト式焦点検出部364から出力される焦点検出信号が所定の合焦範囲内であることを示しているか否かを判定する。
【0035】
表示制御部366は、表示部39を制御する。表示制御部366は、画像処理部361が画像処理した撮像画像を表示部39に表示する。また、表示制御部366は、第1焦点検出信号判定部363や第2焦点検出信号判定部365の判定結果に基づいて、合焦マークを表示部39が表示する撮像画像に重畳して表示する。
【0036】
装着機器判定部367は、ボディ側マウント部84に接続された光学機器を判定する。装着機器判定部367は、ボディ側マウント部84にDレンズ204が接続されたのか、それとも中間アダプタ301が接続された(即ち中間アダプタ301を介してAレンズ201が接続された)のかを判定する。具体的には、装着機器判定部367は、YBタイプ通信接点群37を介して第1応答信号を受信した場合は中間アダプタ301が接続されたと判定し、第2応答信号を受信した場合はDレンズ204が接続されたと判定する。更に、装着機器判定部367は、ボディ側マウント部84に中間アダプタ301が接続されたことを判定した場合に、コントラスト式焦点検出部364の動作を停止させる。このように、中間アダプタ301がYボディ102に装着された場合にはYボディ102は、位相差検出式焦点検出部362が動作可能であり、コントラスト式焦点検出部364が動作停止となる。
【0037】
図6は、表示制御部366が表示部39の撮像画像に重畳する合焦表示を説明するための図である。表示制御部366は、装着機器判定部367の判定結果と第1焦点検出信号判定部363と第2焦点検出信号判定部365とに基づいて、合焦した焦点検出エリアの表示態様を選択する。
【0038】
図6(a)は、表示部39による合焦表示マーク391を示すものである。この合焦表示マーク391は、実線で示した矩形枠の形状であり、表示部39に表示されたスルー画像すなわちライブビュー画像に重畳するように表示画面の中央部に表示される。なお、合焦表示マーク391は、表示画面内の中央に位置する焦点検出エリアを示す矩形枠として表示してもよい。この合焦表示マーク391は、(1)第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362のデフォーカス量が第1閾値以内または第2閾値以内と判定されたときや、(2)第2焦点検出信号判定部365によってコントラスト式焦点検出部364の焦点検出信号が合焦範囲にあると判定されたときなどに合焦表示を行う。
【0039】
図6(b)は、表示部39による合焦表示マーク392を示すものである。この合焦表示マーク392は、破線で示した矩形枠の形状であり、表示部39に表示されたスルー画像すなわちライブビュー画像に重畳するように表示画面の中央部に表示される。なお、合焦表示マーク392は、表示画面内の中央に位置する焦点検出エリアを示す矩形枠として表示してもよい。この合焦表示マーク392は、第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362のデフォーカス量が第3閾値以内であるが第2閾値以内ではないと判定されたときに合焦表示を行う。
【0040】
図7は、Yボディ制御部30が位相差検出式焦点検出部362のデフォーカス量に基づき実行する合焦表示処理のフローチャートの一例である。
【0041】
ステップS100では、Yボディ制御部30は、装着機器判定部367の判定結果に基づいて、撮影レンズ(Aレンズ201)が中間アダプタ301を介してYボディ102に装着されているか否(すなわち、Dレンズ204が装着されている)かを判定する。ボディ側マウント部84に中間アダプタ301が接続されていると装着機器判定部367が判定した場合はステップS200に進み、ボディ側マウント部84にDレンズ204が接続されていると判定した場合はステップS300に進む。
【0042】
ステップS200では、Yボディ制御部30は、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第3閾値以内か否かを判定する。位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第3閾値以内であると第1焦点検出信号判定部363が判定した場合はステップS400に進み、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第3閾値以内にないと第1焦点検出信号判定部363が判定した場合は図7の処理を終了する。
【0043】
ステップS300では、Dレンズ204がYボディ102に装着された場合において、Yボディ制御部30は、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第1閾値以内か否かを判定する。位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第1閾値以内であると第1焦点検出信号判定部363が判定した場合はステップS600に進み、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第1閾値以内にないと第1焦点検出信号判定部363が判定した場合は図7の処理を終了する。
【0044】
ステップS400では、Yボディ制御部30は、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第2閾値以内か否かを判定する。位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第2閾値以内であると第1焦点検出信号判定部363が判定した場合はステップS600に進み、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第2閾値以内にないと第1焦点検出信号判定部363が判定した場合はステップS500に進む。
【0045】
ステップS500では、Yボディ制御部30は、合焦した焦点検出エリアを図6(b)に示すように合焦表示マーク392を表示する。ステップS600では、Yボディ制御部30は、合焦した焦点検出エリアを図6(a)に示すように合焦表示マーク391を表示する。
【0046】
次に、中間アダプタ301を介してYボディ102にAレンズ201を装着した場合に、位相差検出式焦点検出部362のデフォーカス量に基づき、合焦表示マーク391と合焦表示マーク392とを表示する必要性について、以下に説明する。Yボディ102は、Dレンズ204が装着された場合に最良の焦点調節動作を実行することができる。しかしながら、Yボディ102は、Aレンズ201が装着された場合には、Dレンズ204の装着時に比べて焦点調節性能が低下することがある。例えば、Yボディ102は、Aレンズ201が装着された場合に、狭い第1の合焦範囲内に焦点調節するためには、Dレンズ204の装着時に比べて長い焦点調節時間を要することがある。そこで、第1の合焦範囲よりも多少広く、かつ実質的に鮮明な被写体像を得ることができる第2の合焦範囲を設定して、Aレンズ201のフォーカスレンズがこの第2の合焦範囲内に入った時に合焦表示マーク392を表示して、迅速な合焦を可能とするものである。
【0047】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
Yボディ102は、Dレンズ204などの撮影レンズが着脱可能に結合可能なボディ側マウント部84を有する。Yボディ102のYボディ制御部30は、位相差検出式焦点検出部362やコントラスト式焦点検出部364を有し、ボディ側マウント部84に装着されたDレンズ204やAレンズ201などの交換レンズの焦点調節状態を検出する。Yボディ102のYボディ制御部30は、第1焦点検出信号判定部363を有し、位相差検出式焦点検出部362により算出されたデフォーカス量が第1閾値以内であるか否か、第2閾値以内であるか否か、第2閾値よりも大きい第3閾値以内であるか否かを判定する。Yボディ102は、表示部39を備える。Dレンズ204が直接にボディ側マウント部84に結合された場合に、第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第1閾値以内であると判定された時に表示部39に実線の枠である合焦表示マーク391を表示させ、中間アダプタ301を介してAレンズ201がボディ側マウント部84に結合された場合に、第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第2閾値以内であると判定された時に表示部39に合焦表示マーク391を表示させると共に第1焦点検出信号判定部363によって位相差検出式焦点検出部362が算出したデフォーカス量が第3閾値以内であると判定された時に表示部39に合焦表示マーク392を表示させる。このようにすることで、種々のレンズタイプに適した制御を行うことができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態において、カメラボディ(Yボディ102)は、Dレンズ204(例えば、レンズ交換式の一眼ミラーレスタイプのカメラ専用レンズ。Dレンズ204のマウントをDタイプマウントと称する)、及び、中間アダプタ301をそれぞれ着脱可能である。
【0050】
中間アダプタ301は、Aレンズ201(例えば、レンズ交換式の一眼レフカメラ専用レンズ。Aレンズ201のマウントをAタイプマウントと称する)を着脱可能である。Aレンズ201は、Dレンズ204よりもAF駆動制御の制御性(例えば、分解能(例えば1パルス当たりどれだけレンズが移動するか)、停止精度など)が悪い場合がある。また、Aレンズ201には、Dレンズ204よりも像面移動量が大きいレンズがある。
【0051】
カメラボディ(Yボディ102)のAF制御部710は、中間アダプタ301が装着されているか、Dレンズ204が装着されているかについて判断可能である。
【0052】
AF制御部710は、Dレンズ204が装着されていると判断したときには、位相差AF及びコントラストAFを用いて焦点調節制御が可能である。例えば、焦点検出時には、位相差AFによる検出及びコントラストAFによる検出を同時に行い、速く検出できたAFを用いてピント位置にAF光学系を駆動する。このため、焦点調節に要する時間を最小限に低減することが可能となる。
【0053】
また、位相差AFの検出範囲が狭く位相差AFによりピント位置を検出できなくても、位相差AFとは異なる方式のコントラストAFを用いてピント位置を検出できる場合があるので、位相差AFのみを用いる場合と比較して、ピント位置を検出できる可能性が高くなる。
【0054】
更に、位相差AFの合焦判定の基準となる閾値を高く(信頼性が高くなるような厳しい閾値)することにより、偽合焦となるおそれを低減できる。
【0055】
一方、AF制御部710は、中間アダプタ301が装着されていると判断したときには、位相差AFを用いて(コントラストAFを使用禁止にして)焦点調節制御を行なう。このとき、AF制御部710は、Dレンズ204が装着されているときよりも位相差AFの検出範囲を広げる。位相差AFの検出範囲を広げるとは、例えば、低コントラストでも位相差AFで検出できるようにすること、位相差AFの合焦判定の基準となる閾値を低くすること等をいう。
【0056】
本実施形態において、AF制御部710はアダプタ301が装着されていると判断したときには、位相差AFのみを用い、かつ、位相差AFの検出範囲を広げる。このため、コントラストAFが使えない場合でも、位相差AFだけで好適なピント位置の検出が可能となる。
【0057】
また、本実施形態のカメラボディは、アダプタ301が装着されているか、Dレンズ204が装着されているかに応じて、検出範囲を変化させて、どちらが装着されていたときでも好適なAFが可能となる。
【0058】
(第3の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1および第2の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0059】
本実施形態において、カメラボディのAF制御部710は、中間アダプタ301を介してAレンズ201を装着したときは、Dレンズ204を装着したときよりも、スキャン速度を速くする。
【0060】
本実施形態において、AF制御部710は、Aレンズ201が装着されたときは、Dレンズ204が装着されたときよりも、スキャン速度を速くするので、Dレンズ204と比較して像面移動量が大きいAレンズ201が装着された場合でも、焦点調節に要する時間を最小限に低減することが可能となり、撮影者の操作感を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態において、カメラボディのAF制御部710は、中間アダプタ301を介してAレンズ201を装着したときは、Dレンズ204を装着したときよりも、画素加算数を少なくする。
【0062】
本実施形態においては、Aレンズ201が装着されたときは、Dレンズ204が装着されたときよりも、スキャン速度を速くするので、ある時刻(t1)におけるAFレンズ位置(x1)と、時刻(t1)よりも後の時刻(t2)におけるAFレンズ位置(x2)との変位が大きくなる。このため、時刻(t1)で取得したAFセンサ出力(α1)と、時刻(t2)で取得したAFセンサ出力(α2)とを加算することが妥当でなくなるからである。
【0063】
また、本実施の形態のAF制御部710は、中間アダプタ301が装着されているか、Dレンズ204が装着されているかに応じて、好適な数の画素加算を行なうから、AFの信頼性を維持しつつ、暗い環境でも好適なAFが可能となる。
【0064】
(第4の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1乃至第3の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施形態において、Aレンズ201は、A規格の送受信信号でA規格のカメラボディ(Xボディ101)と通信可能である。A規格の送受信信号には、A規格AFレンズ位置情報が含まれる。A規格AFレンズ位置情報は、相対位置(現在のAFレンズ位置からどれだけ駆動させるか)で規定されている。
【0066】
Dレンズ204は、B規格の送受信信号でB規格のカメラボディ(Yボディ102)と通信可能である。B規格AFレンズ位置情報は、絶対位置(例えば、レンズの可動範囲の端点からどれだけ駆動させるか、レンズのメカ的な端点からどれだけ駆動させるか)で規定されている。
【0067】
本実施形態のカメラボディは、B規格のカメラボディ(Yボディ102)である。本実施形態のカメラボディのAF制御部710は、Dレンズ204、又は、中間アダプタ301と通信可能であり、Dレンズ204が装着されているか、中間アダプタ301が装着されているかを判断可能である。
【0068】
本実施形態のAF制御部710は、Dレンズ204が装着されていると判断したときには、B規格の送受信信号でDレンズ204と通信し、中間アダプタ301が装着されていると判断したときには、A規格の送受信信号で中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201と通信する機能を有している。
【0069】
本実施形態のAF制御部710は、Dレンズ204が装着されているか、中間アダプタ301が装着されているかの判断結果に応じて通信方法を変更するので、Dレンズ204が装着されているときでも、中間アダプタ301を介してAレンズ201が装着されているときでも、好適なAF制御が可能である。
【0070】
(第5の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1乃至第4の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施形態のAF制御部710は、中間アダプタ301が装着されていると判断した場合には、Dレンズ204が装着されているときと判断した場合よりも、絞りを絞ったP線図を使用可能である。
【0072】
中間アダプタ301が装着されていると判断したときに、AF制御部710が自動的に絞りを絞ったP線図に変更するものであってもよい。例えば、フォーカスモードがAFモード、かつPモードの場合は、焦点深度優先のアダプタ用Pモード(絞りを絞ったP線図)となるようにしても良い。
【0073】
また、中間アダプタ301を装着した場合に撮影者が選択できるように選択メニューにP線図変更メニューを用意しておき、撮影者がP線図変更メニューを選択したときに絞りを絞ったP線図に変更するものであってもよい。
【0074】
本実施形態では、絞りを絞ったP線図に変更することにより焦点深度を拡大することができる。このため、例えば、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の制御性(例えば、分解能(例えば1パルス当たりどれだけレンズが移動するか)、停止精度等)がDレンズ204よりも悪い場合であっても、Aレンズ201使用時に、Dレンズ204使用時と比べてピントが甘くなるおそれを低減できる。
【0075】
例えば、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201を用いて、絞り優先モード、シャッタスピード優先モード等で撮影する際に、絞り開放付近でピントが甘くなる場合であっても、Dレンズ204使用時と比べてピントが甘くなるおそれを低減できる。
【0076】
Dタイプマウントの合焦幅(以下、合焦幅Dと称する)は、Aタイプマウントの合焦幅(以下、合焦幅Aと称する)よりも狭い。Aレンズ201は、合焦幅Dの範囲内でレンズを停止する精度を持っていない場合がある。中間アダプタ301を介してAレンズ201が装着されているとき、フォーカスレンズを合焦幅Dの範囲内で停止させることができず、フォーカスレンズが合焦幅Dを超えた範囲内で停止する場合がある。この場合でも、絞りを絞ったP線図に変更することにより焦点深度が深くなることによりボケ量を低減できる。
【0077】
本実施形態においては、AF制御部710は、合焦幅Dの範囲では実線で合焦マークを表示し、合焦幅Dを超えた所定の範囲では、破線の合焦マークを表示する(第1の実施の形態参照)。フォーカスレンズを合焦幅Dの範囲内で停止させることができず、フォーカスレンズが合焦幅Dを超えた所定の範囲内で停止したときでも、中間アダプタ301使用時はレリーズを許可するので、ピントが甘くなるおそれがある。しかし、この場合、撮影者は、破線表示によりピントが甘くなるおそれを認識し得るから、撮影者が意図せずピントの甘い写真が撮影されるおそれが低減することになる。
【0078】
(第6の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1乃至第5の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0079】
本実施形態において、カメラボディのAF制御部710は、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の種類に応じて、AF機能を変更する。
【0080】
本実施形態のAF制御部710は、中間アダプタ301から供給された信号に基づいて、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の種類がAF-Sレンズであるか(第1条件)、CPUレンズであるか(第2条件)、非CPUレンズ(第3条件)であるかを判断可能である。
【0081】
中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の種類がAF-Sレンズであると判断された場合(第1条件)、カメラボディは、レンズをAF駆動制御可能である。フォーカスモードについては、AF-Sのみ可能であり、AF-A、AF-C,AF-Fには対応しない。
【0082】
ここで、AF−S(シングルAFサーボ)とは、シャッターボタンを半押しして一度ピントを合わせると、半押ししている間、ピントを固定しておくモードである。AF-C(コンティニュアスAFサーボ)とは、シャッターボタンを半押ししている間、ピント合わせを続けるモードである。AF−A(AFサーボモード自動切り換え)とは、AF−SとAF−Cのふたつの機能をカメラが自動切り換えするモードである。AF−F(常時AFサーボ)とは、被写体にピントを合わせつづけるモードである。
【0083】
本実施形態のAF制御部710は、Aレンズ201の種類に応じて、AF機能を変更するので、Aレンズ201の種類に応じて好適なAF制御が可能である。
【0084】
(第7の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1乃至第6の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0085】
本実施形態において、AF制御部710は、中間アダプタ301が装着されていると判断したとき、使用可能な焦点検出エリアの数を制限する。例えば、撮影画面内に50個の焦点検出エリアがあった場合、中間アダプタ301が装着されていると判断したとき撮影画面内の中央近傍の1−5個の焦点検出エリアのみを使用可能とし、その他の焦点検出エリアを使用不可とする。
【0086】
また、本実施形態において、AF制御部710は、中間アダプタ301が装着されていない(Dレンズ204が装着されている)と判断したとき、AFセンサの出力をコマ収差などの補正をして焦点調節状態を演算する。一方、AF制御部710は、中間アダプタ301が装着されていると判断したとき、AFセンサの出力を収差補正しないで焦点調節状態を演算する。
【0087】
本実施形態では、中間アダプタ301が装着されていると判断される場合には、周縁部付近の焦点検出エリアが使用不可能になり中央付近の焦点検出エリアのみが使用可能になるので、収差補正をしなくても好適な焦点状態の検出が可能となる。
【0088】
(第8の実施の形態)
本実施形態において、上述した第1乃至第7の実施の形態と同様の構成には同様の用語又は符号を付し詳細な説明は省略する。
【0089】
本実施形態において、カメラボディの制御部は、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の種類に応じて、AE機能を変更する。
【0090】
本実施形態のカメラボディは、中間アダプタ301から供給された信号に基づいて、中間アダプタ301を介して装着されたAレンズ201の種類がAF-Sレンズ又はCPUレンズであるか(第1条件)、非CPUレンズ(第2条件)であるかを判断可能である。
【0091】
本実施形態のカメラボディは、CPUレンズが装着されている(第1条件)と判断した場合は、開放測光による、P/S/A/M制御を可能にすることができる。また、CPUレンズが装着されている(第1条件)場合は、開放測光が可能であり、カメラボディより絞り設定が可能となる。
【0092】
一方、非CPUレンズが装着されている(第2条件)と判断した場合は、絞込み測光が可能である。非CPUレンズが装着されている(第2条件)場合は、レンズ絞り環による実絞り設定が可能である。また、A/M制御も可能である。
【0093】
本実施形態の制御部は、中間アダプタ301を介して装着されているAレンズ201の種類に応じて、AE機能を変更するので、Aレンズ201の種類に応じて好適なAE制御が可能である。
【0094】
なお、上述した実施形態において、AF制御部(制御部)は、カメラボディに供えられているが、AF制御部(制御部)は、レンズ鏡筒や中間アダプタ301に備えられていても良いし、カメラボディレンズ鏡筒及び中間アダプタ301に備えられていても良い。
【0095】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施の形態と組み合わせることも可能である。
【0096】
上述の実施の形態にあっては、中間アダプタ301をYボディ102に装着した場合には位相差検出式焦点検出部362を動作させ、コントラスト式焦点検出部364の動作を停止させたが、本発明の変形例では、中間アダプタ301をYボディ102に装着した場合でも位相差検出式焦点検出部362とコントラスト式焦点検出部364との両方を動作可能としてもよい。このような変形例にあっては、中間アダプタ301の装着時に第2焦点検出信号判定部365は、コントラスト式焦点検出部364からの焦点検出信号が所定の第1の閾値及び所定の第2の閾値と比較して、第1の閾値以内であると判定したときには、表示制御部366を介して合焦表示マーク391を表示させ、第2の閾値以内であると判定したときには、表示制御部366を介して合焦表示マーク392を表示させる。
【0097】
第1乃至第8の実施の形態及び上述の変形例は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した各実施の形態によって限定されることはない。すなわち、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
102 Yタイプのカメラボディ(Yボディ)
30 Yボディ制御部
36 撮像素子
39 表示部
391,392 合焦表示マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1交換レンズ、及び、前記第1交換レンズとは異なる第2交換レンズを取付け可能なアダプタを着脱可能なマウント部と、
焦点調節状態が第1閾値以内であるときに第1信号を出力可能であり、焦点調節状態が前記第1閾値外であり、かつ、第2閾値以内であるときに第2信号を出力可能な焦点調節制御部と、
前記焦点調節制御部から前記第1信号が出力されたとき第1態様の表示を行い、前記焦点調節制御部から前記第2信号が出力されたとき前記第1態様とは異なる第2態様の表示を行う表示部とを含むことを特徴とするカメラ本体。
【請求項2】
請求項1に記載されたカメラ本体であって、
前記マウント部に前記第1交換レンズが取付けられたか、前記マウント部に前記アダプタが取付けられたかを判断可能な判断部を有し、
焦点調節制御部は、前記判断部により前記アダプタが取付けられたと判断したときは、前記第1信号又は前記第2信号を出力可能であり、前記判断部により前記第1交換レンズが取付けられたと判断したときは、前記第2信号の出力を禁止することを特徴とするカメラ本体。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラ本体において、
被写体像を撮像し撮像画像データを出力する撮像部を有し、
前記表示部は、前記撮像画像データに重畳させて前記第1態様又は前記第2態様の表示が可能であることを特徴とするカメラ本体。
【請求項4】
第1交換レンズ、及び、前記第1交換レンズとは異なる第2交換レンズを取付け可能なアダプタを着脱可能なマウント部と、
前記マウント部に前記第1交換レンズが取付けられたか、前記マウント部に前記アダプタが取付けられたかを判断可能な判断部と、
位相差AFにより焦点調節状態を検出可能な焦点検出部と、
前記焦点検出部の検出結果に応じて焦点調節制御を行う制御部とを含み、
前記制御部は、前記判断部により前記マウント部に前記アダプタが取付けられたと判断されたとき、前記マウント部に前記第1交換レンズが取付けられたと判断されたときよりも前記焦点検出部の検出範囲を広げることを特徴とするカメラ本体。
【請求項5】
請求項4に記載されたカメラ本体であって、
前記焦点検出部は、位相差AFにより焦点調節状態を検出可能な第1検出部と、コントラストAFにより焦点調節状態を検出可能な第2検出部とを含み、
前記制御部は、前記判断部により前記マウント部に前記アダプタが取付けられたと判断されたとき、前記第2検出部の検出結果に基づいた焦点調節制御を行わないように制御することを特徴とするカメラ本体。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載されたカメラ本体であって、
前記制御部は、前記判断部により前記マウント部に前記アダプタが取付けられたと判断されたとき、前記マウント部に前記第1交換レンズが取付けられたと判断されたときと比較して、より低コントラストの状況でも焦点調節状態が検出できるように前記焦点検出部を制御することを特徴とするカメラ本体。
【請求項7】
交換レンズが着脱可能に結合可能なマウント部を有するカメラ本体であって、
装着された交換レンズの焦点調節状態を検出して、焦点検出信号を出力する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であるか否か、前記焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であるか否か、前記焦点検出手段の焦点検出信号が前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値以内であるか否かを判定する判定手段と、
表示手段と、
第1の交換レンズが直接に前記マウント部に結合された場合に、前記判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第1の合焦表示を行わせ、マウントアダプタを介して第2の交換レンズが前記マウント部に結合された場合に、前記判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第2の合焦表示を行わせると共に前記判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第3の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第3の合焦表示を行わせる表示制御手段と、を備えることを特徴とするカメラ本体。
【請求項8】
請求項7に記載のカメラ本体において、
前記焦点検出手段は、焦点検出信号としてデフォーカス量を出力し、
前記第1の閾値と前記第2の閾値とは、同一の値であり、
前記第1の合焦表示と前記第2の合焦表示は、同一の表示態様であることを特徴とするカメラ本体。
【請求項9】
請求項8に記載のカメラ本体において、
装着された交換レンズによる被写体像を撮像し、撮像画像データを出力する撮像手段を更に備え、
前記表示手段は、前記撮像手段の撮像画像データに基づき撮影画像を表示すると共に、前記第1及び第2の合焦表示として前記撮影画像に重畳して実線の枠を表示すると共に前記第3の合焦表示として前記撮影画像に重畳して破線の枠を表示することを特徴とするカメラ本体。
【請求項10】
マウント部を有するカメラ本体と、前記カメラ本体のマウント部に結合可能なマウント部を有し、前記カメラ本体に装着可能な第1の交換レンズと、前記カメラ本体のマウント部に結合可能な第1のマウント部と第2のマウント部とを有するマウントアダプタと、前記マウントの第2のマウント部に結合可能なマウント部を有し、前記マウントアダプタを介して前記カメラ本体に装着可能な第2の交換レンズとを備えるカメラシステムであって、
前記カメラ本体は、
装着された交換レンズの焦点調節状態を検出して、焦点検出信号を出力する焦点検出手段と、
前記焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であるか否か、前記焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であるか否か、前記焦点検出手段の焦点検出信号が前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値以内であるか否かを判定する第1の判定手段と、
表示手段と、
前記第1の交換レンズが装着されたのか、前記マウントアダプタを介して前記第2の交換レンズが装着されたのかを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段によって前記第1の交換レンズが装着されたと判定された場合に、前記第1の判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第1の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第1の合焦表示を行わせ、前記第2の判定手段によって前記マウントアダプタを介して前記第2の交換レンズが装着されたと判定された場合に、前記第1の判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第2の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第2の合焦表示を行わせると共に前記第1の判定手段によって前記焦点検出手段の焦点検出信号が第3の閾値以内であると判定された時に前記表示手段に第3の合焦表示を行わせる表示制御手段と、を備えることを特徴とするカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76719(P2013−76719A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205207(P2011−205207)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】