説明

カメラ装置、携帯端末、フレームレート制御プログラムおよびフレームレート制御方法

【構成】携帯電話機10は、イメージセンサ(52)およびAE評価回路(60)などを含むカメラモジュール36を備える。また、カメラ機能が実行されると、露出評価値が露出目標値となるように露出が調整され、AF制御処理が実行される。たとえば、シャッターキーが操作されると、露出目標値が、通常撮影用の露出目標値よりも低いAF制御用の露出目標値に変更される。また、露出目標値の変更に応じて、フレームレートと相関する露出評価値が露出目標値内となるように、フレームレートが増加される。そして、増加したフレームレートでイメージセンサ(52)から出力されるフレーム毎の画像データに基づいて、AF制御処理が実行される。
【効果】フレーム毎の露出時間が短くなり、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラ装置、携帯端末、フレームレート制御プログラムおよびフレームレート制御方法に関し、特にオートフォーカス(AF)によって画像にピントを合わせる、カメラ装置、携帯端末、フレームレート制御プログラムおよびフレームレート制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートフォーカスによって画像にピントを合わせるカメラ装置を搭載した、携帯端末が広く知られており、この種の装置の一例が特許文献1に開示されている。この背景技術のオートフォーカスシステムは、同じ被写体像が照射される、撮影用の撮像素子とAF(オートフォーカス)専用の撮像素子とを備えている。そのため、フォーカス制御では、AF専用の撮像素子から得られる映像信号に基づいてフォーカスレンズ群が調整される。また、フォーカスシステムでは、光量不足とならない範囲で電子シャッター速度およびフレームレートを高速化して、フォーカスの追従性を向上させている。
【特許文献1】特開2008−145760号公報[G02B 7/28, G03B 13/36, G02B 7/36, H04N 5/232]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のオートフォーカスシステムは、フォーカス制御のために2つの撮像素子を動作させるため、オートフォーカスシステムが採用される回路の回路面積は大きくなり、消費電力も増大する。そのため、小型化がされ、消費電力を抑えることが課題である携帯電話機などの携帯端末に、特許文献1のオートフォーカスシステムが採用されることはない。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、カメラ装置、携帯端末、フレームレート制御プログラムおよびフレームレート制御方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、撮影するときの操作性を向上させることができる、カメラ装置、携帯端末、フレームレート制御プログラムおよびフレームレート制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、画像データを出力するイメージセンサおよびイメージセンサが出力する画像データの露出を自動調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部を有し、イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置において、撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更する変更部、および出力部が出力する評価値が変更部によって変更された第2目標値の範囲内となるように、フレームレートを増加する増加制御部を備え、増加制御部によって増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理が実行されることを特徴とする、カメラ装置である。
【0008】
第1の発明では、カメラ装置(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)のイメージセンサ(52)は、被写界の画像に対応する画像データを出力する。出力部(60)は、画像データが出力されるフレームレートを制御することで、露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する。また、画像データを出力するフレームレートは制御されており、露出が調整されると、イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理が行われる。変更部(24,S3)は、たとえばシャッターキーを押下する撮影操作がされると、目標値を通常撮影用からAF制御用に変更する。また、目標値が変更されると、増加制御部(24,S7)は、評価値が第2目標値の範囲内となるように、イメージセンサのフレームレートを増加する。そして、フレームレートが増加されると、増加されたフレームレートで出力されるフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理が実行される。
【0009】
第1の発明によれば、フレームレートを増加することでフレーム毎の露出時間を短くし、AF制御処理の処理時間を短縮することができる。そして、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性が向上する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、増加制御部によってフレームレートが増加されることによって、出力部が出力する評価値が第2目標値を下回ったとき、イメージセンサのフレームレートを減少させる減少制御部をさらに備える。
【0011】
第2の発明では、減少制御部(24,S11)は、たとえば、フレームレートが増加されることで評価値が第2目標値を下回った場合、評価値が第2目標値を僅かに上回るように、フレームレートを減少させる。
【0012】
第2の発明によれば、評価値が目標値を下回らない範囲で、フレームレートを限界まで増加することができるようになる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明に従属し、イメージセンサの出力のゲインを制御するゲイン制御部、増加制御部によってフレームレートが増加されることによって、出力部が出力する評価値が第2目標値を下回ったとき、イメージセンサの出力のゲインが最大かを判断する判断部、および判断部によってイメージセンサの出力のゲインが最大ではないと判断されたとき、イメージセンサの出力のゲインをアップするゲインアップ部をさらに備える。
【0014】
第3の発明では、ゲイン制御部(62)は、たとえばイメージセンサに接続されるAGCを含む回路のゲインを制御する。判断部(24,S21)は、フレームレートの増加によって評価値が第2目標値を下回ったとき、ゲインが最大かを判断する。ゲインアップ部(24,S23)は、イメージセンサの出力が最大でなければ、ゲインをアップする。また、ゲインがアップされると、イメージセンサから出力される画像の輝度も上がる。
【0015】
第3の発明によれば、フレームレートが最大値になる前に、評価値が目標値を下回ったとしても、ゲインをアップすることで評価値も上げることができるため、フレームレートをさらに増加させることができるようになる。
【0016】
第4の発明は、第3の発明に従属し、判断部によってイメージセンサの出力のゲインが最大だと判断されたとき、フレームレートを減少させる減少制御部をさらに備える。
【0017】
第4の発明では、減少制御部(24,S11)は、評価値が第2目標値を下回った状態で、イメージセンサの出力のゲインが最大だと判断されると、フレームレートを減少させる。
【0018】
第4の発明によれば、評価値が目標値を下回った時点でゲインが最大値であれば、フレームレートを減少させる。つまり、第2の発明と同様、評価値が目標値を下回らない範囲で、フレームレートを限界まで増加することができる。
【0019】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、AF制御処理が実行された後、第2目標値を第1目標値に戻す初期化部をさらに備える。
【0020】
第5の発明でも、初期化部(24,S15)は、AF制御処理が実行された後、第2目標値を第1目標値に戻す。
【0021】
第5の発明によれば、AF制御処理が終了すれば、目標値は通常撮影用に戻されるため、撮影処理では明るさが通常通り補正された画像を保存できる。
【0022】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに記載のカメラ装置を備える、携帯端末である。
【0023】
第6の発明によれば、カメラ機能を有する携帯端末でも、第1の発明と同様、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性を向上させることができる。
【0024】
第7の発明は、画像データを出力するイメージセンサ(52)およびイメージセンサが出力する画像データの露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部(60)を有し、イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置(10)のプロセッサ(24)を、撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更する変更部(S3)、および出力部が出力する評価値が変更部によって変更された第2目標値の範囲内となるように、フレームレートを増加する増加制御部(S7)として機能させ、増加制御部によって増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理を実行させる、フレームレート制御プログラムである。
【0025】
第7の発明でも、第1の発明と同様、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性を向上させることができる。
【0026】
第8の発明は、画像データを出力するイメージセンサ(52)およびイメージセンサが出力する画像データの露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部(60)を有し、イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置(10)のフレームレート制御方法であって、撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更し(S3)、そして出力部が出力する評価値が第2目標値の範囲内となるように、イメージセンサのフレームレートを増加し(S7)、増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理が実行される、フレームレート制御方法である。
【0027】
第8の発明でも、第1の発明と同様、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、撮影操作がされてから撮影終了までの時間の中で大きな割合を占める、AF制御処理の制御時間を短縮することができるため、撮影するときの操作性を向上させることができる。
【0029】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示すカメラモジュールの電気的な構成を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示される画像明るさの変化を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すプロセッサの第1実施例のフレームレート制御処理の一例を示すフロー図である。
【図6】図6は図1に示すプロセッサの第2実施例のフレームレート制御処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施例>
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、カメラモジュール36およびLED制御回路38が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28にはディスプレイ30が接続される。さらに、LED制御回路38にはLED40が接続される。なお、携帯電話機10は、カメラモジュール36を備えることから、カメラ装置と呼ばれることもある。
【0032】
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0033】
A/D変換器16は、当該A/D変換器16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。なお、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
【0034】
キー入力装置26は操作部と呼ばれ、撮影を行うためのシャッターキー、カーソルキー、通話キーおよび終話キーなどを備える。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。また、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。したがって、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
【0035】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。なお、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
【0036】
カメラモジュール36は、カメラ機能を実行するために必要な素子や回路から構成されている。なお、カメラモジュール36については、図2を用いて詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
【0037】
LED制御回路38は、プロセッサ24の指示の下、当該LED制御回路38に接続されたLED40の発光を制御する。また、カメラ機能が実行されている場合、LED40はフラッシュとして発光することがある。なお、LED制御回路38およびLED40は、発光部と呼ばれることもある。
【0038】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0039】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0040】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0041】
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0042】
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0043】
図2を参照して、カメラモジュール36は撮影部とも呼ばれ、フォーカスレンズ50、イメージセンサ52、CDS/AGC/AD回路54、RAW画像データ処理回路56、Y/Cデータ処理回路58、AE評価回路60、ゲイン制御回路62、露出時間制御回路64、TG66、AF評価回路68、AF駆動回路70およびAFモータ72を含む。
【0044】
被写体の光学像は、フォーカスレンズ50を通して、イメージセンサ52の撮像面に照射される。イメージセンサ52の撮像面には、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されている。また、撮像面では、光電変換によって、被写体の光学像に対応するRAW画像信号(生画像信号)が生成される。
【0045】
たとえば、使用者によってカメラ機能を実行する操作がされると、プロセッサ24はスルー画像処理を実行するべく、プリ露出(プリ露光とも言う。)および間引き読み出しの繰り返しを、AE評価回路60および露出時間制御回路64を介して、TG66に命令する。TG66は、イメージセンサ52の撮像面のプリ露出と、これによって得られた電荷の間引き読み出しとを実行するべく、複数のタイミング信号をイメージセンサ52およびCDS/AGC/AD回路54に与える。撮像面で生成されたRAW画像信号は、1/30〜1/15秒に一回の割合で発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、ラスタ走査に従う順序で読み出される。
【0046】
また、タイミング信号によってイメージセンサ52と同期されている、CDS/AGC/AD回路54は、イメージセンサ52から出力されたRAW画像信号に対して、相関二重サンプリング、自動ゲイン調整およびA/D変換の一連の処理を施す。また、CDS/AGC/AD回路54は、これらの処理を施した、RAW画像データをRAW画像データ処理回路56に出力する。RAW画像データ処理回路56は、RAW画像データに対して白バランス調整などを施して、Y/Cデータ処理回路58およびAE評価回路60に画像データを出力する。
【0047】
Y/Cデータ処理回路58は、入力された画像データに対して色分離およびYUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをプロセッサ24に出力する。プロセッサ24は、YUV形式の画像データをRAM34に格納(一時記憶)する。また、格納されたYUV形式の画像データは、RGB形式の画像データに変換される。そして、プロセッサ24は、RGB形式の画像データを表示ドライバ28に与え、RGB形式の画像データがディスプレイ30に出力される。これによって、被写体を表す低解像度のスルー画像がディスプレイ30に表示される。
【0048】
一方、出力部と呼ばれるAE評価回路60では、入力された画像データに基づいて、被写界の明るさを示す露出評価値(または露光評価値とも言う。)を作成する。また、露出評価値とは、イメージセンサ52によって取り込まれる画像において設定されている、AE評価領域の輝度の平均値のことである。
【0049】
作成された露出評価値はプロセッサ24に出力され、プロセッサ24は露出評価値が入力されると、AE評価回路60にAE制御処理の実行命令を与える。AE制御処理の実行命令を受けたAE評価回路60は、露出評価値が第1レジスタ60aに格納されている通常撮影用の露出目標値(第1露出目標値)となるように、ゲイン制御回路62および露出時間制御回路64を制御する。
【0050】
まず、AE評価回路60は露出時間制御回路64を制御することで、フレームレートを変化させ、適切な露出時間(または露光時間とも言う。)に調節する。ここで、フレームレートが増加すると露出時間が短くなるため、画像の輝度が低くなる。また、フレームレートが減少すると露出時間が長くなるため、画像の輝度が高くなる。
【0051】
たとえば、屋外などの明るい環境ではフレームレートが30fps〜15fpsにされるが、低照度環境ではフレームレートが10fps〜3fps程度に調整される。つまり、露出評価値が小さい低照度環境では、1フレームの露出時間を長くして画像を明るくするために、フレームレートを減少させる。これにより、低照度環境でも、明るい画像をイメージセンサ52によって取り込むことができるようになる。
【0052】
次に、AE評価回路60は、ゲイン制御部とも呼ばれるゲイン制御回路62を制御することで、CDS/AGC/AD回路54のゲインが適切な値となるように調節する。たとえば、ゲインが高くなるとRAW画像信号が増幅されるため、画像の輝度が高くなる。また、ゲインが低くなるとRAW画像信号が増幅されなくなるため、画像の輝度が低くなる。
【0053】
なお、プロセッサ24は、露出評価値や使用者の操作に基づいて、LED40を発光させて、画像の輝度を上げることがある。
【0054】
また、AE評価回路60は、画像を適切な明るさに調整すると、画像データをAF評価回路68に出力する。AF評価回路68は、画像データに基づいて被写界の合焦度を示すAF評価値を出力する。プロセッサ24は、AF評価値に基づいて、フォーカスレンズ50のレンズ位置を変化させる命令を、AF駆動回路70に与える。AF駆動回路70は、プロセッサ24から与えられた命令に基づいて、AFモータ72を駆動させてフォーカスレンズ50のレンズ位置を変化させる。
【0055】
たとえば、使用者によってシャッターキーが操作されると、プロセッサ24は、AE評価回路60に命令を発行することで画像を適正な明るさに調整し、AF制御処理を実行する。AF制御処理が実行されると、プロセッサ24は、フレーム毎にAF評価値を記録しながらフォーカスレンズ50を移動させる。また、プロセッサ24は、いわゆる山登り検索によってAF評価値のピーク(最大値)を検索して、AF評価値がピークとなるレンズ位置に、フォーカスレンズ50を移動させたうえで、本撮影処理を実行する。これによって、被写体にピントが合った画像データが保存される。
【0056】
また、本撮影処理が実行されると、イメージセンサ52から出力されるRAW画像信号には信号処理が施され、その処理結果がRAM34に一旦格納される。さらに、フラッシュメモリ32に対する記録処理が実行され、プロセッサ24を通してRAM34から画像データが読み出される。そして、プロセッサ24は、読み出した画像データに、Exifフォーマットのメタ情報を関連付けて、一つのファイルとしてフラッシュメモリ32に記録する。さらに、プロセッサ24は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。
【0057】
なお、携帯電話機10にメモリカードが接続される場合、画像データはメモリカードに保存されてもよい。
【0058】
たとえば、フレームレートが15fpsであり、フォーカスレンズ50が25段階調整可能であるときに、AF評価値のピークが25番目に有るとした場合、AF制御処理の処理時間は、約1.7秒となる。これに対して、低照度環境でフレームレートが3fpsに減少した場合、AF制御処理の処理時間は、約8.3秒になってしまう。このとき、低照度環境ではAF制御処理の間もLED40をフラッシュとして発光させることが考えられるが、LED40を最大出力で長時間発光させることは難しいため、AF制御中のLED40は、長時間発光できる程度の明るさで発光する。この場合、十分な光量が得られないため、露出時間はあまり短くならない。結果として、AF制御処理の処理時間が長くなるため、LED40を発光させるための消費電力が大きくなる。
【0059】
ところが、撮影前の構図を決めるときや、撮影をするときに比べて、AF制御中は画像の明るさに対する要求はほとんど無く、注意が払われることも無い。そのため、AF制御中に表示されるスルー画像が多少暗くなったとしても、使用者が気にすることはほとんど無いと考えられる。
【0060】
そこで、本実施例では、AF制御処理が実行されている間だけ、AF評価値によってピークを判定できる最低限の明るさまでフレームレートを増加する(明るさを抑える)ことで、AF制御処理の処理時間を短くして、撮影に要する時間を短くする。
【0061】
まず、AF制御処理が実行されている間は、通常撮影用の露出目標値よりも低い、AF制御用の露出目標値(第2露出目標値)が設定される。具体的に説明すると、AF制御用の露出目標値は、AE評価回路60の第2レジスタ60bに格納されている。そのため、シャッターキーの操作が通知されると、AE評価回路60は露出目標値を読み出すレジスタを、第1レジスタ60aから第2レジスタ60bに変更する。そして、露出評価値が、第2レジスタ60bに格納されたAF制御用の露出目標値の範囲内となるように、フレームレートが増加される。また、プロセッサ24は、フレームレートが増加されると、AF制御処理を実行した後に、露出目標値(露光目標値とも言う。)を元に戻す命令をAE評価回路60に与える。さらに、プロセッサ24は、本撮影処理を実行することで、画像データを保存する。
【0062】
上述のようにフレームレートが変更された場合、ディスプレイ30の表示は図3(A)−図3(C)のように変化する。まず、図3(A)を参照して、シャッターキーが操作される前には、ピントが合っていない被写界像が表示される。次に、図3(B)を参照して、シャッターキーが操作されると、表示される画像が暗くなり、AF制御処理によってピントが合った画像が表示される。そして、図3(C)を参照して、AF制御処理が終了すると露出目標値が元に戻るため、ディスプレイ30に表示される画像も、元の明るさに戻る。このとき、表示されている画像に対応する画像データがフラッシュメモリ32に保存される。このように、AF制御処理が終了すれば、露出目標値は通常撮影用に戻されるため、本撮影処理では、明るさが通常通り補正された画像を保存できる。
【0063】
そして、フレームレートが3fpsから10fpsに増加された場合、AF制御処理の処理時間は、約1/3の時間である約2.5秒となる。したがって、撮影に要する時間が短くなるため、撮影時における使用者の操作性が向上する。また、LED40をフラッシュとして発光させている場合は、発光時間も1/3の時間で済むようになり、消費電力を抑えることができる。
【0064】
また、本実施例では、フレームレートを増加した結果、露出評価値がAF制御の露出目標値を下回った場合、フレームレートを1段階減少させる。つまり、フレームレートを1段階減少させることで、露出評価値がAF制御用の露出目標値を上回った状態に戻すことができる。そして、このように処理することで、露出評価値が露出目標値を下回らない範囲で、フレームレートを限界まで増加することができる。なお、たとえばフレームレートが15fpsのときに、フレームレートが1段階減少されると、フレームレートは14fpsとなる。
【0065】
さらに、露出評価値がAF制御用の露出目標値を下回る前に、フレームレートが最大値に達した場合、これ以上、露出時間を短くすることができないため、露出評価値がAF制御用の露出目標値に達していなくても、AF制御処理が実行される。
【0066】
図4は、RAM34のメモリマップを示す図である。RAM34のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0067】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、フレームレート制御プログラム310、AF制御プログラム312および撮影プログラム314などから構成されている。フレームレート制御プログラム310は、イメージセンサ52のフレームレートを制御するためのプログラムであり、シャッターキーが操作されると実行される。AF制御プログラム312は、フォーカスレンズ50によってピントを合わせるためのプログラムである。撮影プログラム314は、イメージセンサ52によって取り込まれた画像をフラッシュメモリ32に保存するためのプログラムである。
【0068】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、電話着信状態を通知するためのプログラムおよび外部と通信するためのプログラムなどが含まれる。
【0069】
続いて、データ記憶領域304には、露出評価値バッファ330、AF評価値バッファ332、フレームレートフラグ334、AEフラグ336およびAGCフラグ338が設けられる。露出評価値バッファ330には、AE評価回路60から出力された露出評価値が格納される。AF評価値バッファ332には、AF評価回路68から出力されたAF評価値が格納される。
【0070】
フレームレートフラグ334は、フレームレートが最大値か否かを判断するためのフラグであり、AE評価回路60の出力に基づいてオン/オフが切り替わる。たとえばフレームレートフラグ334は、1ビットのレジスタで構成される。フレームレートフラグ334がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、フレームレートフラグ334がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
【0071】
AEフラグ336は、露出評価値が露出目標値を下回ったか否かを判断するためのフラグであり、AE評価回路60の出力に基づいてオン/オフが切り替わる。また、AGCフラグ338は、CDS/AGC/AD回路54における、ゲインレベルが最大値か否かを判断するためのフラグであり、AE評価回路60を介してゲイン制御回路62が出力する信号に基づいてオン/オフが切り替わる。
【0072】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、ディスプレイ30に表示される画像や文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0073】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図5に示すフレームレート制御処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0074】
図5はフレームレート制御処理のフロー図である。たとえば、使用者によってシャッターキーが操作されると、プロセッサ24は、ステップS1でフレームレートが最大値か否かを判断する。つまり、フレームレートフラグ334がオンであるか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、つまりフレームレートが最大値であれば、これ以上フレームレートを増加することができないため、ステップS3−S11の処理を実行することなく、ステップS13でAF制御処理を実行する。
【0075】
一方、ステップS1で“NO”であれば、つまりフレームレートが最大値でなければ、ステップS3で露出目標値をAF制御用に変更する。つまり、プロセッサ24は、AF評価回路60に対して、第2レジスタ60bに格納されたAF制御用の露出目標値に基づく、AE制御処理の実行命令を与える。そして、AE評価回路60では、露出目標値を読み出す元を、第1レジスタ60aから第2レジスタ60bに変更する。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は変更部として機能する。
【0076】
続いて、ステップS5では、ステップS1と同様にフレームレートが最大値か否かを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまりフレームレートが最大値でなければ、ステップS7でフレームレートを増加する。たとえば、露出評価値がAF制御用の目標値の間(半分)の値となるように、フレームレートを増加する。また、具体的には、プロセッサ24はAE評価回路60に対して露出時間の短縮命令を与え、AE評価回路60は露出時間制御回路64を制御することで、フレームレートを増加する。ただし、他の実施例では、露出評価値がAF制御用の露出目標値となるように、フレームレートが増加されてもよい。なお、ステップS7の処理を実行するプロセッサ24は増加制御部として機能する。
【0077】
続いて、ステップS9では、露出評価値が露出目標値を下回るか否かを判断する。つまり、フレームレートが増加されると露出評価値が下がるため、AE評価回路60によって現在の露出評価値が露出目標値を下回っていると判断され、AEフラグ336がオンにされているかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり露出評価値が露出目標値を下回っていなければ、フレームレートをさらに増加するためにステップS5に戻る。また、フレームレートが増加された結果、ステップS5で“YES”であれば、つまりフレームレートが最大値になれば、ステップS13に進む。
【0078】
ステップS9で“YES”であれば、つまり露出評価値が露出目標値を下回っていれば、ステップS11でフレームレートを減少させる。つまり、露出評価値が露出目標値を上回るようにするために、フレームレートを1段階減少させる。また、具体的には、プロセッサ24は、AE制御回路60に対して、露出時間延長補正命令を与える。命令を受けたAE制御回路60は、露出時間制御回路64を制御することで、フレームレートを1段階減少させる。なお、ステップS11の処理を実行するプロセッサ24は、減少制御部として機能する。
【0079】
続いて、ステップS13では、AF制御処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、AF評価値のピークを検索し、AF評価値が最大となるレンズ位置に、フォーカスレンズ50を移動させる。続いて、ステップS15では、露出目標値を元に戻す。つまり、プロセッサ24は、AF評価回路60に対して、第1レジスタ60aに格納された通常撮影用の露出目標値に基づく、AE制御処理の実行命令を与える。そして、AE評価回路60では、露出目標値を読み出す元を、第1レジスタ60aに戻す。また、ステップS15の処理が終了すると、プロセッサ24はフレームレート制御処理を終了して、撮影処理を実行する。なお、ステップS15の処理を実行するプロセッサ24は初期化部として機能する。
【0080】
このように、第1実施例では、AF制御に最適化された露出目標値を使用することで、フレームレートを増加することができる。そのため、従来のAF制御処理よりも、AF制御処理の処理時間を短縮することができる。
【0081】
<第2実施例>
第2実施例では、フレームレートを減少させたときに、露出評価値が露出目標値を下回った場合、CDS/AGC/AD回路54のゲインをアップさせて、露出評価値が露出目標値を上回るようにする。これにより、フレームレートが最大値になる前に、露出評価値が露出目標値を下回ったとしても、ゲインをアップすることで露出評価値も上げることができるため、フレームレートをさらに増加させることができるようになる。また、露出評価値が露出目標値を下回った時点でゲインが最大値であれば、フレームレートを減少させる。つまり、第2実施例でも、第1実施例と同様、露出評価値が露出目標値を下回らない範囲で、フレームレートを限界まで増加することができる。
【0082】
なお、一般的には、CDS/AGC/AD回路54のゲインをアップした場合、RAW画像信号のノイズも増幅されるため、本撮影処理ではゲイン制御の限界は制限される場合が多い。ところが、AF制御処理では画像が保存されるわけではないので、AF制御処理に特化してゲインの最大値を規定することができる。
【0083】
ここで、第2実施例では、第1実施例の電気的な構成などは同じであるため、ブロック図やメモリマップなどの詳細な説明は省略する。
【0084】
図6は、第2実施例のフレームレート制御処理のフロー図である。なお、ステップS9とステップS11との間にステップS21,S23の処理が追加された以外は、第1実施例と同じであるため、重複する説明は省略する。
【0085】
プロセッサ24は、ステップS1でフレームレートが最大値か否かを判断し、“NO”であれば、ステップS3で露出目標値をAF制御用に変更する。続いて、ステップS5でフレームレートが最大値か否かを判断し、“NO”であれば、ステップS7でフレームレートを増加する。続いて、ステップS9で露出評価値が露出目標値を下回るか否かを判断する。
【0086】
ステップS9で“YES”であれば、つまり露出評価値がAF制御用の露出目標値を下回っていれば、ステップS21でゲインが最大か否かを判断する。つまり、ゲイン制御回路62によってCDS/AGC/AD回路54のゲインが最大とされ、AGCフラグ338がオンにされているか否かを判断する。ステップS21で“NO”であれば、つまりCDS/AGC/AD回路54のゲインをさらにアップすることが可能であれば、ステップS23で、露出目標値を上回るまでゲインをアップし、ステップS5に戻る。つまり、ステップS23の処理が実行されると、AE評価回路60は、露出評価値がAF制御用の露出目標値を上回るまで、CDS/AGC/AD回路54のゲインをアップさせる。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24は判断部として機能し、ステップS23の処理を実行するプロセッサ24はゲインアップ部として機能する。
【0087】
また、ステップS21で“YES”であれば、つまりCDS/AGC/AD回路54のゲインが最大であれば、ステップS11でフレームレートを減少させる。続いて、ステップS13でAF制御処理を実行し、ステップS15で露出目標値を元に戻す。
【0088】
そして、ステップS15の処理が終了すれば、プロセッサ24はフレームレート制御処理を終了して、撮影処理を実行する。
【0089】
このように、第2実施例では、単純な露出時間とゲイン補正との制御のみで、AF制御処理を高速化することができる。
【0090】
なお、ステップS23の処理によってゲインをアップしても、露出評価値が露出目標値を上回らない場合、ステップS5ではなくステップS11に進み、フレームレートを減少させる。
【0091】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、イメージセンサ52およびAE評価回路60などを含むカメラモジュール36を備える。また、カメラモジュール36を利用するカメラ機能が実行されると、AE評価回路60は露出評価値が露出目標値となるように露出を調整する。さらに、露出の調整が終わるとフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理が実行される。たとえば、キー入力装置26に含まれるシャッターキーが操作されると、通常撮影用の露出目標値が、その露出目標値よりも小さいAF制御用の露出目標値に変更される。また、露出目標値の変更に応じて、フレームレートと相関する露出評価値が露出目標値内となるように、フレームレートが増加される。そして、増加したフレームレートで出力される、フレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理が実行される。
【0092】
したがって、AF制御処理に係る時間が短縮されるため、撮影するときの操作性を向上させることができる。
【0093】
特に、低照度環境下では、撮影時の最適な画質を目標とした露出状態と、AF制御中の露出状態とを分けることで、シャッターキーの操作から撮影終了までの時間の中で、大きな割合を占めるAF制御処理の制御時間が短縮されるため、使用者の操作性がより向上する。
【0094】
また、AF制御中にLED40をフラッシュとして発光させる場合、AF制御処理の処理時間が短縮されるので、LED40の発光時間も短縮されるため、消費電力を削減するとともに、LED40の寿命を延長させることができる。
【0095】
なお、他の実施例では、AE評価回路60に含まれるレジスタは1つだけでもよい。この場合、プロセッサ24は、実行する処理に応じて、通常撮影用またはAF制御用の露出目標値を1つのレジスタに設定する。
【0096】
また、他の実施例では、AF制御処理におけるピークの検索には、山登り検索ではなく全検索が採用されてもよい。
【0097】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0098】
また、本実施例で用いられたフレームレート制御プログラム310は、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体にフレームレート制御プログラム310を記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、フレームレート制御プログラム310が本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0099】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
【0100】
そして、本明細書中で挙げた画素数や、fps、レンズ位置の数および処理時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0101】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
36 … カメラモジュール
50 … フォーカスレンズ
52 … イメージセンサ
54 … CDS/AGC/AD回路
60 … AE評価回路
60a,60b … 第1レジスタ、第2レジスタ
62 … ゲイン制御回路
64 … 露出時間制御回路
66 … TG
68 … AF評価回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを出力するイメージセンサおよび前記イメージセンサが出力する画像データの露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部を有し、前記イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、前記イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置において、
撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、前記第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更する変更部、および
前記出力部が出力する評価値が前記変更部によって変更された前記第2目標値の範囲内となるように、フレームレートを増加する増加制御部を備え、
前記増加制御部によって増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理が実行されることを特徴とする、カメラ装置。
【請求項2】
前記増加制御部によってフレームレートが増加されることによって、前記出力部が出力する評価値が前記第2目標値を下回ったとき、フレームレートを減少させる減少制御部をさらに備える、請求項1記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記イメージセンサの出力のゲインを制御するゲイン制御部、
前記増加制御部によってフレームレートが増加されることによって、前記出力部が出力する評価値が前記第2目標値を下回ったとき、前記イメージセンサの出力のゲインが最大かを判断する判断部、および
前記判断部によって前記イメージセンサの出力のゲインが最大ではないと判断されたとき、前記イメージセンサの出力のゲインをアップするゲインアップ部をさらに備える、請求項1記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記判断部によって前記イメージセンサの出力のゲインが最大だと判断されたとき、フレームレートを減少させる減少制御部をさらに備える、請求項3記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記AF制御処理が実行された後、前記第2目標値を前記第1目標値に戻す初期化部をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載のカメラ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラ装置を備える、携帯端末。
【請求項7】
画像データを出力するイメージセンサおよび前記イメージセンサが出力する画像データの露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部を有し、前記イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、前記イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置のプロセッサを、
撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、前記第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更する変更部、および
前記出力部が出力する評価値が前記変更部によって変更された前記第2目標値の範囲内となるように、フレームレートを増加する増加制御部として機能させ、
前記増加制御部によって増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理を実行させる、フレームレート制御プログラム。
【請求項8】
画像データを出力するイメージセンサおよび前記イメージセンサが出力する画像データの露出を調整し、そのときの露出の評価値を出力する出力部を有し、前記イメージセンサが出力する画像データのフレームレートを制御し、前記イメージセンサが出力するフレーム毎の画像データに基づいてAF制御処理を行う、カメラ装置のフレームレート制御方法であって、
撮影操作がされたとき、通常撮影用の第1目標値から、前記第1目標値よりも小さいAF制御用の第2目標値に変更し、そして
前記出力部が出力する評価値が前記第2目標値の範囲内となるように、フレームレートを増加し、
増加されたフレームレートで出力される画像データに基づいて、AF制御処理が実行される、フレームレート制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−137511(P2012−137511A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287692(P2010−287692)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】