説明

カラオケシステム

【課題】カラオケに意外性を持たして歌唱者を楽しませることができ、また、複数人でカラオケをする場合、歌唱者以外の人も楽しめるカラオケシステムを提供する。
【解決手段】サーバ10の曲データ記憶部11に第1トラップデータ12dを記憶させ、カラオケ端末20の端末記憶部21に第2トラップデータ21bを記憶させ、また、操作部22の操作に応じて、第3トラップデータを出力できるようにし、各トラップデータに基づいて、音声画像制御部24b、トラップ制御部24cが、トラップ部が生成された演奏音、画像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者が演奏に合わせて歌唱するカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、楽曲の演奏音を出力し、歌唱者が演奏に合わせて歌唱するカラオケ装置があった(例えば、特許文献1)。
しかし、従来のカラオケ装置では、歌唱者は、単に楽曲の演奏に合わせて歌唱するだけなので面白みに欠け、また、複数人でカラオケをする場合、歌唱者以外の人は、退屈してしまう場合があるという問題があった。
【特許文献1】特開平11−272286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、カラオケに意外性を持たして歌唱者を楽しませることができ、また、複数人でカラオケをする場合、歌唱者以外の人も楽しめるカラオケシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、カラオケデータ(12,21a)を記憶する記憶部(11,21)と、前記カラオケデータに基づいて演奏音及び/又は画像を再生する音声画像再生部(24b)と、前記音声画像再生部によって再生される前記演奏音及び/又は画像の一部を変更するトラップ部を生成するトラップ生成部(24c)と、を備えたカラオケシステムである。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたカラオケシステムにおいて、前記記憶部(11,21)は、前記トラップ生成部(24c)にトラップ部を生成することを指示するトラップデータ(12d,21b)を記憶し、前記トラップ生成部は、前記トラップデータに基づいて、前記トラップ部を生成すること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項3の発明は、請求項2に記載されたカラオケシステムにおいて、前記記憶部(11)は、前記カラオケデータ(12,21a)の曲の種類に対応した前記トラップデータ(12d)を記憶していること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載されたカラオケシステムにおいて、前記記憶部(12d)は、このカラオケシステムを、通信網(2)を介して統括的に管理する管理部(10)に設けられ、前記トラップ生成部(24c)は、前記トラップデータ(12d)を、前記記憶部から前記通信網を介して受信し、受信した前記トラップデータに基づいて、前記トラップ部を生成すること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項5の発明は、請求項1に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ生成部(24c)は、その操作に応じて、前記トラップ部を生成する操作部(22)を備え、前記操作部の操作により生成される前記トラップ部を所定の量に制限すること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ生成部(24c)は、複数の方法によって、前記トラップ部を生成可能であり、その操作に応じて、前記トラップ生成部に対して、前記複数の方法のなかから、トラップの生成方法を指示するトラップ生成方法選択部(22)を備えること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記演奏音及び/又は前記画像の再生に応じて歌唱者により入力された音声入力情報と前記カラオケデータ(23a)とを比較し、前記歌唱者の採点データを生成する採点データ生成部(24d)を備えること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ部の種類は、表示部(6)に表示される歌詞テロップ(6a)を変更するものであること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項9の発明は、請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の大きさが小さくなること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項10の発明は、請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の表示角度が変更されること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項11の発明は、請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の種類が変更されること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項12の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ部の種類は、表示部(6)に表示される背景動画を変更するものであること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項13の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ部の種類は、演奏の再生スピードを変更するものであること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項14の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ部の種類は、特定の楽器の演奏を変更するものであること、を特徴とするカラオケシステムである。
請求項15の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、前記トラップ部の種類は、再生される音程の高さを変更するものであること、を特徴とするカラオケシステムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、演奏音及び/又は画像の一部を変更したトラップ部を生成するので、歌唱者にどきどき感を与え、単に楽曲の演奏に合わせて歌唱するだけではない、意外性のあるカラオケシステムを提供することができる。
【0007】
(2)本発明は、記憶部にトラップデータを記憶するので、例えば、歌唱者は1人でカラオケボックス等に行き、1人でカラオケをする場合にも、トラップ部が設けられたカラオケを楽しむことができる。
【0008】
(3)本発明は、記憶部が演奏データの種類に対応したトラップ部を記憶しているので、その楽曲に適したトラップ部を生成することができる。
【0009】
(4)本発明は、記憶部が通信網を介して接続されているので、カラオケ端末にトラップ部を記憶させるための記憶装置を設ける必要がないため、カラオケ端末の構成をシンプルにすることができる。
【0010】
(5)本発明は、操作部によりトラップ部を生成するので、例えば、複数人でカラオケボックス等に行った場合、歌唱者以外の人も、操作部を操作して、歌唱者の歌唱の邪魔をして楽しむことができる。また、トラップ制限部が、生成されるトラップ部を所定の量に制限するので、歌唱者は、無制限に歌唱を邪魔されることがない。
【0011】
(6)本発明は、複数のなかからトラップ生成方法を、選択することができるので、トラップによる遊び感覚を向上することができる。
【0012】
(7)本発明は、トラップ部が設けられた曲データと歌唱者の音声入力情報とを比較して、採点データを生成するので、トラップ部を歌唱者の採点に反映することができ、単に歌唱の技量のみを評価するもではない、面白さを向上したカラオケシステムを提供することができる。
【0013】
(8)本発明は、トラップ部の種類が歌詞テロップを変更するものであるので、歌唱者に歌詞を確認しにくくすることができる。
【0014】
(9)本発明は、トラップ部の種類が背景動画を変更するものであるので、歌唱者の集中力を減らし、歌唱に集中できなくすることができる。
【0015】
(10)本発明は、トラップ部の種類が演奏の再生スピードを変更するものであるので、歌唱のタイミングを取りにくくすることができる。
【0016】
(11)本発明は、トラップ部の種類が特定の楽器の演奏を変更するものであるので、歌唱しにくくすることができる。
【0017】
(12)本発明は、トラップ部の種類が再生される音程の高さを変更するものであるので、歌唱者に発声する音程を合わせにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、カラオケに意外性を持たして歌唱者を楽しませることができ、また、複数人でカラオケをする場合、歌唱者以外の人も楽しめるカラオケシステムを提供するという目的を、サーバに第1トラップデータを記憶させ、カラオケ端末に第2トラップデータを記憶させ、また、操作部の操作に応じて第3トラップデータを出力できるようにし、各トラップデータに基づいて、トラップ制御部によりトラップ部を生成し、音声画像制御部によりトラップが生成された演奏音、画像を出力することにより実現した。
【実施例】
【0019】
以下、図面等を参照して、本発明のカラオケシステムの実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明を適用したカラオケシステム1の実施例の構成を示す図である。図2、図3は、本実施例のモニタ6の表示例を示す図である。図4は、音程を変更するトラップ部を説明する図である。
図1に示すように、カラオケシステム1は、インターネット等の通信網2を介して接続されたサーバ10(管理部)とカラオケ端末20とを備えている。歌唱者は、サーバ10に記憶された複数の楽曲のなかから希望の楽曲を選択し、この楽曲の曲データ12等を、サーバ10からカラオケ端末20にダウンロードする。カラオケ端末20は、楽曲の演奏音をスピーカ4から出力し、歌唱者は、この演奏音にあわせてマイク5に歌唱音声を入力する。入力された歌唱音声は、マイク5により一度アナログの音声信号に変換され、カラオケ端末20の増幅器(図示せず)により増幅されて、スピーカ4から出力される。
【0020】
サーバ10は、通信網2を介して、カラオケ端末20を含む複数のカラオケ端末に接続され、カラオケシステム1を統括的に管理し、曲データ12等を配信するコンピュータであり、ハードディスク等の曲データ記憶部11を備えている。
曲データ記憶部11には、楽曲のカラオケデータである曲データ12が記憶されている。曲データ12は、演奏データ12aと、歌詞データ12bと、歌詞表示タイミングデータ12c、第1トラップデータ12dから構成される。
演奏データ12aは、楽曲の演奏音を再生するためのデータであり、例えば、MIDI(musical instrument digital interface)データにより構成される。
歌詞データ12bは、モニタ6に表示するテロップを生成するためのデータである(図2に示すテロップ6a参照)。
歌詞表示タイミングデータ12cは、演奏の進行に応じて、歌唱者に歌唱タイミングを示すために、テロップの色彩を変更するためのデータである。
第1トラップデータ12dは、トラップ制御部24c(後述する)に、トラップ部を生成するように指示するためのデータである。トラップ部とは、スピーカ4から出力される演奏音を変更したり、モニタ6に出力される画像の一部を変更し、歌唱者の歌唱を邪魔するものをいう(詳細は後述する)。
【0021】
カラオケ端末20は、例えば、パーソナルコンピュータ、家庭用通信カラオケ端末、カラオケボックス等に設置される専用端末等である。
カラオケ端末20は、図1に示すように、端末記憶部21と、操作部22と、マイク入力端子23と、制御部24とを備えている。
端末記憶部21は、ハードディスク等の記憶装置であり、動画データ21aと、第2トラップデータ21bとを記憶している。
【0022】
動画データ21aは、モニタ6に表示する背景動画のカラオケデータであり、楽曲の種類に対応して複数記憶されている。
なお、本実施例では、動画データ21aは、カラオケ端末20に記憶されているが、サーバ10の曲データ記憶部11に記憶させ、演奏データ12a等と一緒にカラオケ端末20にダウンロードしてもよい。
第2トラップデータ21bは、サーバ10の第1トラップデータ12dと同様に、トラップ部を生成するためのデータである。第2トラップデータ21bと第1トラップデータ12dとの相違点については後述する。
【0023】
操作部22は、カラオケ端末20を操作するための入力装置であり、例えば、リモコン、パーソナルコンピュータのキーボード等である。また、操作部22は、その操作に応じて、第1トラップデータ12d等と同様に、トラップ部を生成する第3トラップデータ(後述する)を、制御部24に出力する。
なお、後述するように、本実施例のカラオケシステム1は、3つのモードのなかから選択して、複数の方法によって、トラップ部を生成可能であり、ユーザは、操作部22を操作することにより、トラップの生成方法を選択することができる。
マイク入力端子23は、マイク5からの歌唱者の歌唱音声をアナログ信号で入力するための入力部である。
【0024】
制御部24は、カラオケ端末20を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部24は、通信制御部24aと、音声画像制御部24b(音声画像再生部)と、トラップ制御部24c(トラップ生成部)と、採点制御部24d(採点データ生成部)を備えている。これら各制御部は、バスライン24eにより電気的に接続され、必要に応じて情報の伝達をすることができる。
通信制御部24aは、カラオケ端末20とサーバ10との間の情報の送受信を制御するための制御部である。通信制御部24aは、通信網2に接続された通信端子(図示せず)に電気的に接続されており、通信網2を介してサーバ10と情報の送受信を行う。
通信制御部24aは、サーバ10から曲データ12を受信すると、演奏データ12a、歌詞データ12b、歌詞表示タイミングデータ12cを音声画像制御部24bに伝達し、第1トラップデータ12dをトラップ制御部24cに伝達する。
【0025】
音声画像制御部24bは、スピーカ4への音声出力、モニタ6への画像出力を制御するための制御部である。
音声画像制御部24bは、通信制御部24aから伝達された演奏データ12aをデジタル信号からアナログ信号に変換し、アナログ信号に変換した演奏データ12aと、マイク入力端子25からの歌唱者の音声信号とを合成する。合成された信号は、増幅器(図示せず)により増幅され、スピーカ4から出力される。
また、音声画像制御部24bは、通信制御部24aから伝達された歌詞データ12b及び歌詞表示タイミングデータ12cと、端末記憶部21の動画データ21aとを合成し、歌唱タイミングに応じて、テロップが適宜変化するように、モニタ6に出力する(図2参照)。
【0026】
トラップ制御部24cは、サーバ10から受信し通信制御部24aから伝達された第1トラップデータ12d、端末記憶部21に記憶された第2トラップデータ21b、操作部22からの第3トラップデータに基づいて、トラップ部を生成するための制御部である。
【0027】
採点制御部24dは、演奏音、画像の再生に応じて、マイク入力端子25から入力された歌唱者の歌唱音声信号(音声入力情報)と、曲データ12の演奏データ12aとを比較し、歌唱者の採点データを生成するための制御部である。採点制御部24dは、演奏音にトラップ部が設けられている場合、トラップ部が設けられた演奏データ12aと歌唱者の歌唱音声信号とを比較して、採点データを生成する。これにより、トラップ部を歌唱者の採点に反映することができるので、カラオケシステム1は、単に歌唱の技量のみを評価するもではない、面白さを向上したカラオケシステムを提供することができる。なお、採点制御部24dは、歌唱終了時に、採点結果を集計し、採点結果表示6cがモニタ6に出力される(図3参照)。
採点制御部24dは、両者の比較を、アナログ信号の状態で行っても、デジタル信号の状態で行ってもよい。
両者をアナログ信号で比較する場合、カラオケ端末20は、アナログ信号に変換された演奏データ12aと、アナログ信号の状態で入力された歌唱音声信号とを比較すればよい。一方、デジタル信号で比較する場合、デジタル信号の状態の演奏データ12aと、アナログ信号の状態で入力された歌唱音声信号をデジタル信号に変換して、両者を比較すればよい。
【0028】
次に、各トラップデータについて詳しく説明する。
サーバ10の曲データ記憶部11に記憶された第1トラップデータ12dは、曲データ12の種類に対応するように予め設定されている。これにより、楽曲の歌唱が難しい部分やさびの部分にトラップ部を生成し、歌唱しにくくすることができ、また、例えば、歌唱部分がない楽器のみの部分で、音程を下げたりすることがない。つまり、第1トラップデータ12dは、その楽曲に適したトラップ部を生成することができる。
また、第1トラップデータ12dを記憶する曲データ記憶部11は、通信網2を介してカラオケ端末20接続されている。このため、本実施例では、カラオケ端末20にもトラップデータを記憶させているが、カラオケ端末20にトラップデータを記憶させない場合であっても、トラップ部を生成することができる。これにより、カラオケシステム1は、カラオケ端末20の構成をシンプルにすることができる。
【0029】
端末記憶部21に記憶された第2トラップデータ21bは、楽曲の種類とは対応していない。このため、本実施例では、サーバ10にもトラップデータを記憶させているが、サーバ10にトラップデータを記憶させない場合であっても、楽曲の種類に関係なくトラップ部を生成することができる。つまり、カラオケサービス提供者等は、各楽曲専用のトラップデータを作成する必要がなく、簡便にシステムを構築することができる。
【0030】
なお、第1トラップデータ12d、第2トラップデータ21bは、曲データ記憶部11、端末記憶部21に予め記憶されている。これにより、歌唱者は、例えば、1人でカラオケボックス等に行き、1人でカラオケをする場合にも、これらのトラップデータを用いて、トラップ部が設けられたカラオケを楽しむことができる。
【0031】
操作部22による第3トラップデータは、歌唱者の歌唱中に、操作部22を操作することにより生成され、任意の歌唱ポイントで、トラップ部を生成するデータである。これにより、例えば、複数人でカラオケボックス等に行った場合、歌唱者以外の人も、操作部22を操作して、歌唱者の歌唱の邪魔をして楽しむことができる。
操作部22は、例えば、数値キー「1」を1回押すと演奏データの音程が、−0.5度(連続で2回押すと−1度)変更するように設定される(図4に示す範囲A1参照)。また、数値キー「7」を1回押すと演奏データの音程が、+0.5度(連続で2回押すと+1度)変更するように設定される(図4に示す範囲A2参照)。この場合、カラオケシステム1は、再生される演奏音の音程の高さが変更され、歌唱者に発声する音程を合わせにくくすることができる。
なお、操作部22の操作により、トラップ部が無制限に生成されると、楽曲が原形をとどめず、ほとんど歌唱できなくなってしまう。これを防止するために、トラップ制御部24cは、操作部22によるトラップ部の生成を、所定の量(例えば、3回程度)に制限し、歌唱者が無制限に邪魔されることがないようにしている。
【0032】
なお、トラップ部は、前述した音程を変更するものの他、以下の種類及びその例があげられる。
(1)モニタ6に表示される歌詞テロップに関するもの。
・通常は、歌詞テロップが小節ごとに表示されるが、トラップ発生時に表示されない。あるいは、歌詞テロップが、透明色で表示される。
・トラップ発生時に、歌詞テロップが小さい文字になる。
・トラップ発生時に、歌詞テロップがそのときだけ読めないあるいは読みにくい別な文字に置き替わる。例えば、歌詞テロップの文字の種類を変更する(ローマ字表記、アラビア文字にする等)、文字の表示角度を変更する(各文字を回転して斜めに表示する、上下反転する等)等である。
・トラップ発生時に、歌詞テロップを囲うように四角に塗りつぶし、色変りしないと歌詞テロップが読めない。
・トラップ発生時に、歌詞テロップの色彩を変更するスピードが遅くなる、早くなる、止まる。
・トラップ発生時に、歌詞テロップの色彩が変更されないようにする。
このように、歌詞テロップを変更することにより、カラオケシステム1は、歌唱者に歌詞を確認しにくくすることができる。
【0033】
(2)モニタ6に表示される背景動画を変更するもの。
・トラップ発生時に、背景動画だけが一時停止する。
・トラップ発生時に、背景動画だけが倍速再生又はスロー再生される。
・トラップ発生時に、背景動画だけがランダムにトリック再生される(トリック再生とは倍速再生、スロー再生、一時停止、逆再生等をいう。)。
このように、背景動画を変更することにより、カラオケシステム1は、歌唱者の集中力等を減らし、歌唱に集中できなくすることができる。
【0034】
(3)演奏の再生スピードを変更するもの。
・トラップ発生時に、演奏が早く又は遅く再生される。
・トラップ発生時に、演奏が一時停止する。
このように、再生スピードを変更することにより、カラオケシステム1は、歌唱者の歌唱のタイミングを取りにくくすることができる。
【0035】
(4)演奏される演奏楽器の種類等を変更等するもの。
・トラップ発生時に、演奏楽器のリズム楽器の演奏が停止する。
・トラップ発生時に、演奏楽器のリズム楽器の演奏の音だけが小さくなる。
・トラップ発生時に、演奏楽器のリズム楽器の一部又は全てが別な楽器に入れ替わる。
・トラップ発生時に、演奏楽器のメロディー音量だけなくなる。
・トラップ発生時に、演奏楽器のメロディーパート楽器が別なものになる。
・トラップ発生時に、演奏楽器として、別な楽器が加わる。
・トラップ発生時に、演奏楽器として、楽曲に関係ない演奏を追加する。
このように、特定の楽器の演奏を変更することにより、カラオケシステム1は、歌唱者のテンポを狂わせ、歌唱しにくくすることができる。特に、リズム、メロディーに関する演奏楽器に関する変更は、このテンポに関する効果が大きい。
【0036】
次に、本実施例のカラオケシステム1の動作について説明する。
図5は、本実施例のカラオケシステム1の動作を示すフローチャートである。最初にステップ(以下「S」という。)1において、サーバ10及びカラオケ端末20の電源(図示せず)が投入されることにより、処理がスタートする。通信制御部24aは、通信網2を介して、カラオケ端末20とサーバ10とを接続する。
【0037】
S2において、歌唱者が操作部22を操作して、利用曲のカラオケ対戦を選択すると、サーバ10は、この利用曲の曲データ12を、カラオケ端末20に送信する。
S3において、歌唱者等(歌唱者、歌唱者と一緒にカラオケに来ている人)が操作部22を操作して、トラップ部の生成方法を選択すると、これに応じて、トラップ制御部24dに対して、トラップ部の生成方法を指示する信号が出力される。これ以降の処理において、トラップ制御部24dは、その方法によりトラップ部を生成する。
例えば、歌唱者は、操作部22を操作することにより、トラップ生成方法を、生成方法1〜3のなかから選択する。生成方法1は、サーバ10の第1トラップデータ12dによる方法、生成方法2は、カラオケ端末20に予め記憶された第2トラップデータ21bによる方法、生成方法3は、操作部22による第3トラップデータによる方法である。
このように、カラオケシステム1は、トラップ部の生成方法を選択できるので、遊び感覚を向上することができる。
【0038】
S4において、音声画像制御部24bは、受信した曲データ12の演奏データ12aに基づいて、演奏音をスピーカ4から出力する。また、音声画像制御部24bは、利用曲に対応した動画データ21aを、端末記憶部21から読み出し、この読み出した動画データ21aと、受信した曲データ12の歌詞データ12b及び歌詞表示タイミングデータ12cとを合成し、合成した画像を、モニタ6に出力する(図2参照)。
これと同時に、採点制御部24dは、歌唱者の歌唱音声信号と曲データ12の演奏データ12aとを比較し、歌唱者の採点データの生成を開始する。
【0039】
S5において、トラップ制御部24cは、各トラップデータに基づいて、トラップ部を生成する。トラップ部が演奏データ12aを変更するものである場合、音声画像制御部24bは、トラップ部が設けられた演奏音を、スピーカ4から出力する。この場合、採点制御部24dは、トラップ部が生成された演奏データ12aと歌唱者の歌唱音声信号とを比較する。なお、トラップ部が発生すると、図2に示すように、歌唱者がトラップ部の発生を確認できるように、「トラップ発生」とモニタ6に表示される。
【0040】
トラップ部が発生すると、例えば、図4に示す範囲A1のように、所定の時間、通常の音程(実線部)が0.5度下げられたり(2点鎖線部)、あるいは、範囲A2のように、通常の音程(実線部)よりも0.5度上げられる(2点鎖線部)。採点制御部24dは、この上下された音程の演奏データ12aと歌唱者の歌唱音声信号とを比較する。つまり、歌唱者は、上下された音程に合わせて、歌唱しなくてはならない。
採点制御部24dは、歌唱者の歌唱音声信号と演奏データ12aとを比較して、音程及びその長さが同一である状態を0点として、減点法で評価する。例えば、歌唱者の音程が、演奏データ12aの音程よりも、0.5度低い場合には、1点減点となる。
なお、カラオケシステム1は、楽曲の採点経過には関わらず、トラップ部を生成する。つまり、歌唱の技量に関わらず、トラップ部を各歌唱者に対して平等に生成することにより、場の雰囲気を盛り上げ、カラオケの遊び感覚を向上することができる。
【0041】
S6において、演奏が終了すると、制御部24は、歌唱終了の処理を開始する。
S7において、採点制御部24dは、採点結果を集計し、音声画像制御部24bは、採点結果表示6cを、モニタ6に出力する(図4参照)。
そして、S8において、制御部24は、一連の処理を終了する。
なお、カラオケシステム1は、この楽曲の採点結果の高い順に、ランキング付けをできるようにしてもよい。この場合、歌唱者をIDナンバ等で識別し、サーバ10に歌唱者とその採点結果のデータを記憶する記憶部を設ければよい。
【0042】
以上説明したように、本実施例のカラオケシステム1は、曲データ12、動画データ21aからなるカラオケデータの一部にトラップ部を生成するので、歌唱者に緊張感、どきどき感を与え、カラオケの楽しさを向上することができる。また、単に楽曲の演奏に合わせて歌唱するだけではない、意外性のあるカラオケシステムを提供することができる。
さらに、カラオケシステム1は、操作部22を操作することによりトラップ部を生成することができるので、歌唱者以外の人も、操作部22を操作して、歌唱者の歌唱の邪魔をして楽しむことができる。これにより、遊び感覚、ゲーム感覚を向上したカラオケを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を適用したカラオケシステムの実施例の構成を示す図である。
【図2】本実施例のモニタの表示例を示す図である。
【図3】本実施例のモニタの表示例を示す図である。
【図4】本実施例の演奏データに設けられたトラップ部を説明する図である。
【図5】本実施例のカラオケシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 カラオケシステム
2 通信網
10 サーバ
11 曲データ記憶部
12 曲データ
12a 演奏データ
12b 歌詞データ
12c 歌詞表示タイミングデータ
12d 第1トラップデータ
20 カラオケ端末
21 端末記憶部
21a 動画データ
21b 第2トラップデータ
22 操作部
24 制御部
24a 通信制御部
24b 音声画像制御部
24c トラップ制御部
24d 採点制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケデータを記憶する記憶部と、
前記カラオケデータに基づいて演奏音及び/又は画像を再生する音声画像再生部と、
前記音声画像再生部によって再生される前記演奏音及び/又は画像の一部を変更するトラップ部を生成するトラップ生成部と、
を備えたカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記記憶部は、前記トラップ生成部にトラップ部を生成することを指示するトラップデータを記憶し、
前記トラップ生成部は、前記トラップデータに基づいて、前記トラップ部を生成すること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
請求項2に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記記憶部は、前記カラオケデータの曲の種類に対応した前記トラップデータを記憶していること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記記憶部は、このカラオケシステムを、通信網を介して統括的に管理する管理部に設けられ、
前記トラップ生成部は、前記トラップデータを、前記記憶部から前記通信網を介して受信し、受信した前記トラップデータに基づいて、前記トラップ部を生成すること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項5】
請求項1に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ生成部は、
前記トラップ生成部の操作に応じて、前記トラップ部を生成する操作部を備え、
前記操作部の操作により生成される前記トラップ部を所定の量に制限すること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ生成部は、複数の方法によって、前記トラップ部を生成可能であり、
その操作に応じて、前記トラップ生成部に対して、前記複数の方法のなかから、トラップの生成方法を指示するトラップ生成方法選択部を備えること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記演奏音及び/又は前記画像の再生に応じて歌唱者により入力された音声入力情報と前記カラオケデータとを比較し、前記歌唱者の採点データを生成する採点データ生成部を備えること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ部の種類は、表示部に表示される歌詞テロップを変更するものであること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項9】
請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の大きさが小さくなること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項10】
請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の表示角度が変更されること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項11】
請求項8に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記歌詞テロップは、前記トラップ部の発生により、文字の種類が変更されること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項12】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ部の種類は、表示部に表示される背景動画を変更するものであること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項13】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ部の種類は、演奏の再生スピードを変更するものであること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項14】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ部の種類は、特定の楽器の演奏を変更するものであること、
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項15】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載されたカラオケシステムにおいて、
前記トラップ部の種類は、再生される音程の高さを変更するものであること、
を特徴とするカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−145932(P2008−145932A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335696(P2006−335696)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】