説明

カラーフィルタ検査装置およびカラーフィルタ検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法

【課題】 カラーフィルタのムラを精度よく正確に検査することができるカラーフィルタ検査装置を提供する。
【解決手段】 カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域においてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検出する検出手段と、当該透過光量のムラを、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタ16の透過光量のムラに換算する換算手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;略称LCD)などに備わるカラーフィルタのムラを検査するカラーフィルタ検査装置およびカラーフィルタ検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法に関し、特に、カラーフィルタ本来の色におけるムラの検出に好適なカラーフィルタ検査装置およびカラーフィルタ検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LCDは、カラー表示を可能とするためにカラーフィルタを備えており、LCDの製造工程には、カラーフィルタを成膜する工程が含まれている。しかしながら、成膜工程において、着色された色材(感光性レジスト)の基板上への塗布量が不均一であると、カラーフィルタの透過光量または反射光量が変化し、観測される透過光に周囲に比べて明るさが異なる部分、すなわちスジムラやシミムラ等が生じて不良品となってしまう。それゆえ、カラーフィルタには、スジムラやシミムラ等の欠陥が存在する不良品を出荷しないように全数検査することが求められている。
【0003】
近年、従来よりもLCDの品質に対する要求が厳しくなってきており、製造工程で行われる検査の基準も同様に厳格化の傾向にある。そのため、製造工程で発生するLCDの不良品数は増加傾向にあり、その結果、LCDの単価も上昇している。そこで、製造工程で発生するカラーフィルタのムラを短時間に精度よく発見して、製造工程の調整やメンテナンスを行い、LCD不良品を低減させることが望まれている。
【0004】
カラーフィルタの製造工程で発生するムラ等の欠陥は、従来目視で行われていたが、非常に微小な変化であるため、近年、微小変化の検出感度を高めた検査を行う技術が開発されている。例えば特許文献1においては、被検査体の着色膜の色と補色の関係にある色フィルタまたは当該補色を構成するスペクトル波長の一部を有する補色フィルタを光源と被検査体の間または被検査体と光検出器の間に挿入して、被検査体の着色膜の濃度ムラ等を光検出器の感度を高めて測定する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−142101号公報(平成10(1998)年5月29日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、カラーフィルタ本来の色の補色に関して検査を行っているため、正確にカラーフィルタのムラを検出することができないという問題点がある。
【0006】
カラーフィルタのムラの有無とは、換言すれば、カラーフィルタ本来の色のみを透過させるという、カラーフィルタ本来の機能にムラがあるか否かということである。したがって、最終的には目視によってムラとみなされたものが不良品であり、目視によってムラと認識できないものは良品となる。そのため、カラーフィルタの補色に関するムラの検査のように目視によらずに検査する場合でも、目視によって検査する場合と同様に、カラーフィルタが良品であるか不良品であるかの判断基準はそのカラーフィルタ本来の色に関するムラの有無に置かなければならない。しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、カラーフィルタ本来の色の補色に関するムラの有無を判断基準としている。
【0007】
カラーフィルタ本来の色の補色に関して検査を行う場合は、カラーフィルタ本来の色に関するムラ量と、カラーフィルタ本来の色の補色に関するムラ量との相関関係を求める必要があり、カラーフィルタ本来の色における判断基準と、カラーフィルタ本来の色の補色における判断基準との間の相関関係を予め実験的に定めておく必要がある。
【0008】
しかしながら、カラーフィルタの分光特性は、必ずしも固定されたものではなく、LCDの機種によって適宜変更されるものである。そのため、上記相関関係も固定されたものではなく、カラーフィルタの各分光特性に応じて、上記相関関係を定めておかなければならない。すなわち、カラーフィルタの分光特性が異なる場合でも、カラーフィルタ本来の色に関するムラの有無によって良品か否かを判断するべきであるという判断基準は変わらないが、カラーフィルタの補色のムラは、分光特性によって変化するため、カラーフィルタの補色に関してムラの有無を検査するのみでは、カラーフィルタ本来の色に関するムラの有無を検査する場合のように正確にカラーフィルタのムラを検出することはできない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カラーフィルタの補色に関して測定されたムラ量を、カラーフィルタ本来の色のムラ量に換算することで、いつもカラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいてムラを検査することが可能なカラーフィルタ検査装置およびカラーフィルタ検査方法、並びにカラーフィルタの製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、 カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像に基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
ここで、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域とは、カラーフィルタが透過する波長帯域と重なりが小さいか、あるいは重なりがない波長帯域のことをいう。例えば、赤色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域とは、赤色の補色の波長帯域である。
【0012】
一方、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域とは、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域以外の波長帯域をいう。例えば、赤色のカラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域は、赤色の波長帯域である。赤色のカラーフィルタに色ムラが存在すると、赤色の波長帯域の透過光量が色ムラの存在に起因して変化する割合よりも、赤色の補色の波長帯域の透過光量が色ムラの存在に起因して変化する割合の方が大きい。すなわち、赤色の補色の波長帯域におけるムラの方が検出感度が高く、検出しやすい。
【0013】
上記構成によれば、カラーフィルタの透過光量のムラの検出は、検出感度の高い上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において得られた第1検査画像に基づいて行われるが、当該検出結果は、上述のように、カラーフィルタ本来の色に関してムラを検出したものではない。
【0014】
そこで、換算手段が、当該検出結果を、第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0015】
また、上記構成によれば、上記換算手段は上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行うため、上記撮像手段は、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0016】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第2光学フィルタとを切り替える切り替え手段と、上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像と、上記第2光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、上記撮像手段は、第1検査画像のみならず、第2検査画像をも撮像し、上記換算手段は、これら2つの検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0018】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源と、上記第1光源を用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像に基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源を用いるため、上記光学フィルタを省略することができる。そのため、上記光学フィルタを用いる場合よりもカラーフィルタ検査装置を簡素化することができる。また、上記換算手段は上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行うため、上記撮像手段は、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0020】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源と、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源とを切り替える切り替え手段と、上記第1光源フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像と、上記第2光源を用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源と、カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源とを切り替えて用いることができるので、上記光学フィルタを省略することができる。したがって、上記光学フィルタを用いる場合よりもカラーフィルタ検査装置を簡素化することができる。
【0022】
また、上記構成によれば、上記撮像手段は、第1検査画像のみならず、第2検査画像をも撮像し、上記換算手段は、これら2つの検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0023】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像に基づいて上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。したがって、カラーフィルタのムラを効率よく検出することができるとともに、装置を簡素化することができる。例えば、赤色、緑色、青色の3種類のカラーフィルタを検査するためには、赤色、緑色、青色のそれぞれの補色フィルタを光学フィルタとして備えればよい。
【0025】
また、上記構成によれば、上記換算手段は上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行うため、上記撮像手段は、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置は、撮像手段と、複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択し、残りの光学フィルタから、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。したがって、カラーフィルタのムラを効率よく検出することができるとともに、装置を簡素化することができる。例えば、赤色、緑色、青色の3種類のカラーフィルタを検査するためには、赤色、緑色、青色のそれぞれの補色フィルタを光学フィルタとして備えればよい。
【0028】
また、上記構成によれば、上記撮像手段は、第1検査画像のみならず、第2検査画像をも撮像し、上記換算手段は、これら2つの検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0029】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置では、撮像手段と、複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源とが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光源を切り替える切り替え手段と、上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光源を用いて、上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像に基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタのそれぞれの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源を切り替えて用いることができるため、上記光学フィルタを省略することができる。そのため、上記光学フィルタを用いる場合よりもカラーフィルタ検査装置を簡素化することができる。また、上記換算手段は上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行うため、上記撮像手段は、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0031】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置では、撮像手段と、複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源とが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光源を切り替える切り替え手段と、上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光源を用いて、上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、上記第1検査画像と、上記特定光源以外の任意の光源を用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源と、カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射することができる光源とを切り替えて用いることができるので、上記光学フィルタを省略することができる。したがって、上記光学フィルタを用いる場合よりもカラーフィルタ検査装置を簡素化することができる。
【0033】
また、上記構成によれば、上記撮像手段は、第1検査画像のみならず、第2検査画像をも撮像し、上記換算手段は、これら2つの検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0034】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置では、上記任意の光学フィルタは、その波長帯域と上記特定光学フィルタの波長帯域との重なりが最も少ない光学フィルタであることが好ましい。
【0035】
上記構成によれば、上記特定光学フィルタが透過する波長帯域の光と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタが透過する波長帯域の光とを明確に区別して取り出すことができる。したがって、複数種類のカラーフィルタのムラをより精度よく、正確に検査することができる。
【0036】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査装置では、上記任意の光源は、その波長帯域と上記特定光源の波長帯域との重なりが最も少ない光源であることが好ましい。
【0037】
上記構成によれば、上記特定光源が照射する波長帯域の光と、上記特定光源以外の任意の光源が照射する波長帯域の光とを明確に区別してカラーフィルタに照射することができる。したがって、複数種類のカラーフィルタのムラをより精度よく、正確に検査することができる。
【0038】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記換算手段は、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラを、ランバート・ベールの法則を用いて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算することが好ましい。
【0039】
ここで、カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラは、検出感度が低いので検出しにくいが、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラの検出は、検出感度が高いので比較的容易である。
【0040】
上記構成によれば、換算手段は、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラと、上記正常部分の透過率と、に基づいて、上記法則を用いて演算を行い、上記透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算することができる。
【0041】
したがって、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。それゆえ、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0042】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記換算手段が、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において、透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタの正常部分の透過光量に対する、透過光量のムラを生じる部分であるカラーフィルタのムラ部分の透過光量の比を求め、上記透過光量の比に、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過率の対数に対する上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過率の対数の比をべき乗することで、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算することが好ましい。
【0043】
上記構成によれば、換算手段は、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラと、カラーフィルタにおいて透過光量のムラを生じない部分である正常部分の透過率と、に基づいて、上記演算を行い、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラをカラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算することができる。
【0044】
したがって、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。それゆえ、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0045】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記換算手段が、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において、透過光量のムラを生じる部分であるカラーフィルタのムラ部分の透過光量と、透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタの正常部分の透過光量との透過光量差を求め、上記正常部分の透過光量に対する上記透過光量差の比に、上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記透過率の対数に対する、上記透過率が高透過率となる波長帯域での上記透過率の対数の比を乗算することで、上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算することが好ましい。
【0046】
上記構成によれば、換算手段は、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラと、カラーフィルタにおいて透過光量のムラを生じない部分である正常部分の透過率と、に基づいて、上記演算を行い、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラをカラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算することができる。
【0047】
したがって、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。それゆえ、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0048】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記カラーフィルタは、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、青色のカラーフィルタのいずれかであることが好ましい。
【0049】
上記構成によれば、LCDを構成する赤色、緑色、緑色のカラーフィルタを全て検査対象とすることができる。したがって、LCDのカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0050】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域は、赤色の波長帯域、緑色の波長帯域、青色の波長帯域のいずれかであることが好ましい。
【0051】
上記構成によれば、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域が赤色の波長帯域である場合は、赤色のカラーフィルタの透過光量のムラが換算手段によって算出される。したがって、赤色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0052】
また、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域が緑色の波長帯域である場合は、緑色のカラーフィルタの透過光量のムラが換算手段によって算出される。したがって、緑色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0053】
また、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域が青色の波長帯域である場合は、青色のカラーフィルタの透過光量のムラが換算手段によって算出される。したがって、青色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0054】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域は、以下の(a)から(c)に記載した波長のいずれかであることが好ましい。
【0055】
(a)上記カラーフィルタが赤色のカラーフィルタである場合は、380nm以上570nm以下の全範囲または一部
(b)上記カラーフィルタが緑色のカラーフィルタである場合は、380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部
(c)上記カラーフィルタが青色のカラーフィルタである場合は、530nm以上800nm以下の全範囲または一部
上記構成によれば、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(a)の場合は、赤色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域での透過光量のムラが検出され、換算対象となる。したがって、赤色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0056】
また、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(b)の場合は、緑色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域での透過光量のムラが検出され、換算対象となる。したがって、緑色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0057】
また、上記カラーフィルタの透過率が低い波長帯域が(c)の場合は、青色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域での透過光量のムラが検出され、換算対象となる。したがって、青色のカラーフィルタのムラを精度よく、正確に検出することができる。
【0058】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記光学フィルタは、バンドパスフィルタであることが好ましい。上記構成によれば、カラーフィルタが透過した光の中から、バンドパスフィルタの中心波長付近の光を効率良く取り出すことができ、また、有限幅の波長帯域の光のみを取り出すことができる。したがって、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過することが可能となる。
【0059】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記バンドパスフィルタは干渉フィルタであることが好ましい。上記干渉フィルタは、透過分光特性に入射角依存性がある欠点を有する一方、任意の波長を数ナノメートルから数10ナノメートルのバンド幅で取り出すことができる長所を有する。したがって上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光をより正確に透過することが可能となる。
【0060】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置では、上記バンドパスフィルタは、色ガラスフィルタであってもよい。上記色ガラスフィルタは、透過分光特性に入射角依存性がなく、干渉フィルタ程には狭帯域のバンドパス特性を有しないが、上記バンドパスフィルタとして安価であるという利点を持っている。したがって、カラーフィルタ査装置の製造コストを低下させることができる。
【0061】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査方法では、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0062】
上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0063】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0064】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査方法では、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第2光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0065】
上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0066】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0067】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査方法では、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0068】
上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0069】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0070】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査方法では、カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第2光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0071】
上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0072】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0073】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査方法では、複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0074】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。例えば、赤色、緑色、青色の各カラーフィルタを検査するためには、3種類の光学フィルタを備えれば足りる。したがって、簡易に検査を行うことができる。
【0075】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0076】
また、上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタの各々について、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0077】
また、本発明にかかるカラーフィルタ検査方法では、複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0078】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択し、残りの光学フィルタから、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタを選択すればよい。例えば、赤色、緑色、青色の各カラーフィルタを検査するためには、3種類の光学フィルタを備えれば足りる。したがって、簡易に検査を行うことができる。
【0079】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0080】
また、上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタの各々について、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0081】
本発明に係るカラーフィルタの検査方法では、複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0082】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光源を選択すればよい。この場合は、上記光学フィルタを用いる必要がないため、より簡易に検査を行うことができる。
【0083】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0084】
さらに、上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタの各々について、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0085】
また、本発明に係るカラーフィルタ検査方法では、複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記特定光源以外の任意の光源を用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0086】
上記構成によれば、複数種類のカラーフィルタを検査する場合でも、上記カラーフィルタのそれぞれに対応させて、各カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光源を選択し、残りの光源から、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光源を選択すればよい。この場合は、上記光学フィルタを用いる必要がないため、より簡易に検査を行うことができる。
【0087】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができる。
【0088】
また、上記構成によれば、検査対象となるカラーフィルタの各々について、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。これにより、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができる。
【0089】
また、本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴としている。
【0090】
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われ、それぞれのカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定しつつ、カラーフィルタを製造することができる。
【0091】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、カラーフィルタの製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0092】
また、本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴としている。
【0093】
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われ、それぞれのカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定しつつ、カラーフィルタを製造することができる。
【0094】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができるため、高度にムラの発生を管理しつつカラーフィルタを製造することができる。
【0095】
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴としている。
【0096】
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われ、それぞれのカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定しつつ、カラーフィルタを製造することができる。
【0097】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、カラーフィルタの製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0098】
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、上記特定光源以外の任意の光源を用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴としている。
【0099】
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われ、それぞれのカラーフィルタについて、低透過率の波長帯域における透過光量のムラが検出され、それが高透過率の波長帯域における透過光量のムラに換算される。したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定しつつ、カラーフィルタを製造することができる。
【0100】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができるため、高度にムラの発生を管理しつつカラーフィルタを製造することができる。
【0101】
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成する画像選択ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検査するムラ検出ステップと、上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0102】
上記構成によれば、N種類のカラーフィルタを検査するためにN回の撮像を行い、その中から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成し、ムラの検出および換算を行えばよい。したがって、N種類のカラーフィルタについて、検査を一度行うだけでよいという利点を有する。
【0103】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、カラーフィルタの製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0104】
また、本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成するとともに、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第2検査画像を生成する画像選択ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検査するムラ検出ステップと、上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0105】
上記構成によれば、N種類のカラーフィルタを検査するためにN回の撮像を行い、その中から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成し、ムラの検出および換算を行えばよい。したがって、N種類のカラーフィルタについて、検査を一度行うだけでよいという利点を有する。
【0106】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができるため、高度にムラの発生を管理しつつカラーフィルタを製造することができる。
【0107】
また、本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する特定光源を用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光源を用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成する画像選択ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0108】
上記構成によれば、N種類のカラーフィルタを検査するためにN回の撮像を行い、その中から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成し、ムラの検出および換算を行えばよい。したがって、N種類のカラーフィルタについて、検査を一度行うだけでよいという利点を有する。
【0109】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは上記第1検査画像のみに基づいてムラの換算が行われるため、その他の検査画像を撮像する必要がない。したがって、カラーフィルタの製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0110】
また、本発明にかかるカラーフィルタの製造方法は、1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する特定光源を用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光源を用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成するとともに、上記特定光源以外の任意の光源を用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第2検査画像を生成する画像選択ステップと、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴としている。
【0111】
上記構成によれば、N種類のカラーフィルタを検査するためにN回の撮像を行い、その中から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する検査画像を生成し、ムラの検出および換算を行えばよい。したがって、N種類のカラーフィルタについて、検査を一度行うだけでよいという利点を有する。
【0112】
また、上記構成によれば、上記換算ステップでは、第1検査画像のみならず、第1検査画像および第2検査画像に基づいてムラの換算を行う。したがって、第1検査画像のみに基づいてムラの換算を行う場合と比較して、より正確なムラ量を求めることができるため、高度にムラの発生を管理しつつカラーフィルタを製造することができる。
【発明の効果】
【0113】
本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、以上のように、撮像手段と、第1光学フィルタまたは第1光源と、検出手段と、換算手段と、を備える構成である。また、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、以上のように、撮像手段と、切り替え手段と、検出手段と、換算手段と、を備える構成である。
【0114】
それゆえ、カラーフィルタのムラの検出感度を光学的に向上させることができるとともに、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいて、カラーフィルタのムラを検査することができる。したがって、カラーフィルタのムラを精度よく、正確に検査することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0115】
本発明の一実施形態について図1ないし図12に基づいて説明すると以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0116】
(カラーフィルタ検査装置の構成)
図1は、本実施の形態に係るカラーフィルタ検査装置1の構成の概略を示す図である。図1に示すように、カラーフィルタ検査装置1は、ランプハウス11、光学フィルタ12、光学フィルタ切り替え装置(切り替え手段)13、カメラ(撮像手段)14、画像処理装置(検出手段および換算手段)15、テーブル18を備えて構成されている。カラーフィルタ16およびカラーフィルタ16が形成された基板17は、テーブル18上に載置される。
【0117】
画像処理装置15は、カメラ14が撮像した検査画像に基づいて、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域においてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検出するとともに、当該透過光量のムラを、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタ16の透過光量のムラに換算するものである。上記透過光量のムラの検出および換算については後述する。
【0118】
ここで、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域とは、カラーフィルタが透過する波長帯域と重なりが小さいか、あるいは重なりがない波長帯域のことをいう。例えば、赤色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域とは、赤色の補色の波長帯域である。一方、上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域とは、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域以外の波長帯域をいう。例えば、赤色のカラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域は、赤色の波長帯域である。
【0119】
ランプハウス11は、カラーフィルタ16を照明するためのものであり、基板17の下面を照射する。ランプハウス11の種類は特に限定されるものではなく、例えば、内部に蛍光ランプ、ハロゲンランプあるいは発光ダイオード(Light Emitting Diode:略称LED)等が内蔵された光源を用いることができる。光源は、特に限定されるものではないが、基板17の下面が均一な照度となるように、均一な輝度を有する面光源であることが望ましい。
【0120】
上記光源は、特に限定されるものではないが、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源のみからなるものであってもよい。この場合の検査対象は1種類のカラーフィルタ16であり、上記カラーフィルタ16の透過光量のムラは、上記第1光源から照射され、上記カラーフィルタ16を透過した光に基づいて生成される第1検査画像のみに基づいて検査される。
【0121】
また、ランプハウス11は、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源と、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源とを備えるものであってもよい。この場合の検査対象は1種類のカラーフィルタ16であり、上記第1光源から照射され、上記カラーフィルタ16を透過した光に基づいて生成される第1検査画像と、上記第2光源から照射され、上記カラーフィルタ16を透過した光に基づいて生成される第2検査画像とに基づいて、上記カラーフィルタ16の透過光量ムラが検査される。
【0122】
また、ランプハウス11は、複数種類のカラーフィルタ16の各々に対して、各カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源を備えるものであってもよい。
【0123】
この場合の検査対象は複数種類のカラーフィルタ16であり、ランプハウス11内において、各々のカラーフィルタ16に対して、各カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する上記光源を、1対1の対応関係となるように切り替える光源切り替え装置(切り替え手段)13´を設け、光源をカラーフィルタ16の種類に応じて切り替えて使用すればよい。カラーフィルタ16の透過光量ムラは、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光をカラーフィルタ16に透過させて得た第1検査画像のみに基づいて検査してもよいし、上記第1検査画像と、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光をカラーフィルタ16に透過させて得た第2検査画像とに基づいて検査してもよい。
【0124】
既に、LEDに用いられる光源として、特定の波長近傍のみを発光する光源が幾種類も実用化されている。例えば、低圧ナトリウムランプは、約590nmの波長の光のみを発光する光源である。そこで、例えば、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の3種類のカラーフィルタ16に対応して、所望の波長帯域の光のみを発光する3種類の光源をランプハウス11に内蔵させ、各カラーフィルタ16の種類に応じて、3種類の光源のうち一つを発光させればよい。係る構成により、さらに検査装置を簡素化できる利点がある。
【0125】
また、ランプハウス11は、上述のように複数種類の光源を内蔵するものではなく、一つの光源が複数種類の波長の光を照射することができる波長可変光源であってもよい。
【0126】
なお、図1においてランプハウス11は、基板17を直接照射しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ランプハウス11から照射された光の反射光が基板17に照射されるような構成であっても構わない。
【0127】
光学フィルタ12は、ランプハウス11から照射され、基板17、カラーフィルタ16を透過してきた光を透過するものである。図1に示すように、光学フィルタ12は、第1光学フィルタ12aと、第2光学フィルタ12bとから構成されていても構わない。ただし、これに限定されるものではなく、本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、透過させる光の波長帯域が互いに異なる3枚以上の光学フィルタを備えていても構わない。
【0128】
図1においては、第1光学フィルタ12aは例えば赤色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用いられ、第2光学フィルタ12bは、光学フィルタ切り替え装置13によって切り替えることにより、例えば緑色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタとして用いられる。ただし、これに限定されるものではない。
【0129】
上記光学フィルタ12としては、例えば、干渉フィルタ、色ガラスフィルタ、ダイクロイックフィルタ、エッジフィルタ等を用いることができるが、任意の波長を数ナノメートルから数10ナノメートルのバンド幅で取り出すことができるため、狭帯域のバンドパス特性を有する干渉フィルタが好ましく用いられる。一般に、干渉フィルタは、誘電多層薄膜と金属膜を組み合わせて所望の透過特性を実現している。また、所望の透過特性を実現するために、紫外線カットフィルタや赤外線カットフィルタを適宜追加してもよい。
【0130】
図1では、光学フィルタ12と光学フィルタ切り替え装置13を、カラーフィルタ16とカメラ14との間に配置しているが、これに限られるものではない。例えば、光学フィルタ12と光学フィルタ切り替え装置13とを、カラーフィルタ16とランプハウス11との間に配置してもよい。
【0131】
なお、光学フィルタ12と光学フィルタ切り替え装置13とを、カラーフィルタ16とカメラ14との間に配置する場合は、光学フィルタ12を通過する光学的寸法が小さくなり、結果的に光学フィルタを小さくすることができるという利点がある。光学フィルタ12と光学フィルタ切り替え装置13とを、カラーフィルタ16とランプハウス11との間に配置する場合は、光学フィルタが比較的大きくなるという短所が生じる。
【0132】
上記カメラ14は、光学フィルタ12によって透過されたカラーフィルタ16の透過光に基づいて検査画像を撮像するものである。カメラ14の種類は特に限定されるものではなく、上記の撮像ができるものであればよい。例えば、エリアセンサカメラやラインセンサカメラを用いることができる。ラインセンサカメラを用いる場合は、カラーフィルタ16の全面を検査できるように、ラインセンサに対してテーブル18を稼動できるようにすればよい。
【0133】
なお、カメラ14は複数種類備えていても構わないが、ランプハウス11内に、所望の波長の光のみを発光する光源を内蔵し、カラーフィルタ16の種類に応じて切り替えて使用することが可能であること、一つの光源が複数種類の波長の光を照射可能な波長可変光源であってもよいこと、光学フィルタ切り替え装置13が、第1光学フィルタ12a、第2光学フィルタ12b等を適宜切り替えることが可能であることから、一つあれば、波長帯域の異なる各種のカラーフィルタ16について、それぞれ検査画像を取得することができる。したがって、装置を小型化することができる。
【0134】
上記基板17は、ガラス、プラスチック等からなり、カラーフィルタ16の成膜が行われる部材である。上記テーブル18は基板を支持するものである。
【0135】
(カラーフィルタに存在する透過光量のムラ量の換算原理)
図2は、カラーフィルタ16に存在する透過光量のムラ量の換算原理を説明する図である。まず、カラーフィルタ16に光量I0を入射させ、カラーフィルタ16を透過した透過光量Iを測定する。
【0136】
ここで、透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタ16の正常部分の透過光量をI1、透過光量のムラを生じる部分であるカラーフィルタ16のムラ部分の透過光量をI2とすると、上記正常部分の透過率はT1=I1/I0、上記ムラ部分の透過率はT2=I2/I0となる。上記ムラ部分の透過率は、カラーフィルタ16の透過光量のムラに起因して、上記正常部分の透過率に比べて大きくなっている場合もあり、小さくなっている場合もある。上記ムラ部分の透過率と上記正常部分の透過率の差ΔTは、ΔT=T2−T1=(I2−I1)/I0=ΔI/I0となる。ここで、ΔIは、上記正常部分と上記ムラ部分との透過光量の差である。
【0137】
カメラ14は、上記正常部分の透過光および上記ムラ部分の透過光を撮像して検査画像を生成し、画像処理装置15は、上記検査画像に基づいて、上記カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタ16の透過光量のムラを検出し、当該ムラを上記カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタ16の透過光量のムラに換算する。
【0138】
カラーフィルタ16の透過率は、波長によって異なるので、波長λにおける上記正常部分の透過率をT1(λ)=I1(λ)/I0(λ)、上記ムラ部分の透過率をT2(λ)=I2(λ)/I0(λ)とする。ここで、I0(λ)は波長λにおける入射光量、I1(λ)は波長λにおける上記正常部分の透過光量、I2(λ)は波長λにおける上記ムラ部分の透過光量である。
【0139】
また、カラーフィルタのような着色した膜を透過する光の吸光度Eは、ランバート・ベールの法則(Lambert-Beer’s Law)に従い、カラーフィルタ16の厚みtに比例することが知られている。すなわち、
【0140】
【数1】

【0141】
ここで、Iは透過光量、kは消衰係数、λ0は真空中における波長、tはカラーフィルタ16の厚みである。また、4πk/λ0は、一般に吸光係数と呼ばれる。上記正常部分の透過率と上記ムラ部分の透過率との差ΔTは、上記正常部分の厚みと上記ムラ部分の厚みとの差Δtに起因している。つまり、カラーフィルタ16の透過光量のムラは、厚みムラΔtによって発生している。上記正常部分の吸光度をE1、上記正常部分の厚みをt1とすると、
【0142】
【数2】

【0143】
同様に、上記ムラ部分の吸光度をE2、上記ムラ部分の厚みをt2とすると、
【0144】
【数3】

【0145】
数2と数3から、消衰係数を消去して、
【0146】
【数4】

【0147】
ここで、Rは上記正常部分の透過光量に対する上記ムラ部分の透過光量の比率であり、ムラ量を評価する指標となる。このRが1に近いほどムラが小さいといえる。またRが1から離れるほどムラが大きいといえる。上式を変形すると、
【0148】
【数5】

【0149】
ここで、ηは、上記正常部分の透過光量に対する上記ムラ部分の透過光量変化の比率である。ηは、ムラ量を評価する指標であり、ムラのコントラストに相当する。このηが0に近いほどムラが小さいといえる。また、ηの絶対値が大きいほどムラが大きいといえる。透過率T1が高いほど、すなわち1に近づくほど、ηは0に近くなり、上記正常部分と上記ムラ部分との区別が困難になり、ムラの検出感度は低くなる。
【0150】
一方、透過率T1が低いほど、すなわち0に近づくほど、ηの絶対値は大きくなり、上記正常部分と上記ムラ部分との区別が容易になり、ムラの検出感度は高くなる。したがって、カラーフィルタ16を検査する場合は、高透過率である波長帯域でのムラの検出感度は低くなり、低透過率である波長帯域でのムラの検出感度は高くなる。
【0151】
図3は、赤色のカラーフィルタ16の透過率の分光特性を示すグラフである。赤色のカラーフィルタ16が高透過率となる波長帯域は、赤色の波長帯域であり、約630nmから約800nmである。一方、赤色のカラーフィルタ16が低透過率となる波長帯域は、赤色の補色の波長帯域であり、約380nmから約570nmである。
【0152】
図4は、カラーフィルタ16の透過率と検出感度との関係を示すグラフである。図4において、カラーフィルタ16の厚みの変化率Δt/t1は0.5%とした。例えば、カラーフィルタ16の厚みt1が3μm、上記ムラ部分の厚みの変動Δtが15nmである場合、Δt/t1は0.5%となる。図4において、横軸は上記正常部分の透過率T1(%)、縦軸はカラーフィルタ16における透過光量のムラの検出感度η(%)である。
【0153】
例えば、上記正常部分の透過率が90%の場合は、検出感度ηは−0.05%しかない。つまり、上記正常部分に比べて上記ムラ部分の厚みが0.5%だけ厚い場合に、上記正常部分の透過光量に対して上記ムラ部分の透過光量は0.05%だけしか低下しない。
【0154】
一方、上記正常部分の透過率が10%の場合は、検出感度ηは−1.1%まで向上する。
【0155】
つまり、上記正常部分に比べて上記ムラ部分の厚みが0.5%だけ厚い場合に、上記正常部分の透過光量に対して上記ムラ部分の透過光量は1.1%低下する。このように、上記正常部分の透過率が90%の場合よりも、上記正常部分の透過率が10%の場合の方が検出感度は22倍も向上する。例えば、この透過光量を10ビットで量子化すると、検出感度ηが−0.05%の場合、ムラのコントラストは1023×0.05%=0.5digitsとなり検出することができない。一方、検出感度ηが−1.1%の場合、ムラのコントラストは1023×1.1%=11digitsとなり、検出することができる。
【0156】
すなわち、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の透過光量ムラ(カラーフィルタ16の本来の色に関するムラ)は検出が困難であるが、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の透過光量ムラは比較的検出しやすい。なお、上記計算式において、1023=210−1である。
【0157】
また、検出感度ηの下限値は、理論的には撮像画像のS/N比に基づいて決まる。つまり、被写体および撮像システムのノイズよりも検出されるムラ量が十分大きければ、このムラを検出できることになる。
【0158】
次に、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域で測定した透過光量のムラを、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域での透過光量のムラに換算する方法について説明する。ここで、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長をλ、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長をλ’とする。まず、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域での測定結果から、厚みの変化率Δt/t1を計算する。数4より、
【0159】
【数6】

【0160】
このカラーフィルタ16の厚みの変化率Δt/t1を使って、波長λ’における上記正常部分の透過光量に対する上記ムラ部分の透過光量の比率、つまりR(λ’)に換算することができる。
【0161】
【数7】

【0162】
数6を数7に代入すると、
【0163】
【数8】

【0164】
このように、波長λにおけるムラ量R(λ)は、波長λにおける透過率の対数に対する波長λ’における透過率の対数の比をべき乗することで波長λ’におけるムラ量R(λ’)に換算できる。請求項12に記載したカラーフィルタ検査装置においては、換算手段は、上記数8に基づいて波長λにおけるムラ量R(λ)を波長λ’におけるムラ量R(λ’)に換算する。
また、波長λ’におけるムラ量をコントラストη(λ’)で表せば、
【0165】
【数9】

【0166】
η(λ)は0に近い(上述の例では、−1.1%)ので、上式を近似計算すれば
【0167】
【数10】

【0168】
となる。このように、波長λ’におけるムラ量η(λ’)は、波長λにおけるムラ量η(λ)に、波長λにおける透過率の対数に対する波長λ’における透過率の対数の比を乗算することで換算できる。請求項13に記載したカラーフィルタ検査装置においては、換算手段は、上記数10に基づいて、波長λにおけるムラ量η(λ)を波長λ’におけるムラ量η(λ’)に換算する。
【0169】
(カラーフィルタの透過光量ムラの検出および換算:光学フィルタを用いる場合)
次に、図5に基づいて、青色のカラーフィルタ16を例にとり、光学フィルタ12を用いて、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを検出し、当該透過光量のムラを青色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算する場合の手順を、画像処理装置15の処理内容を中心に説明する。
【0170】
図5は、カラーフィルタ検査装置1が、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを検出し、当該透過光量のムラを青色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算する手順を示すフローチャートである。
【0171】
まず、青色のカラーフィルタ16を基板17に成膜する(S11:成膜ステップ)。次に、光学フィルタ切り替え装置13が、光学フィルタ12の中から第3干渉フィルタ123を選択して切り替える(S12)。第3干渉フィルタ123は、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタである。第3干渉フィルタ123をセットする位置は特に限定されるものではないが、青色のカラーフィルタ16の全面を光学的にカバーできる位置にセットすればよい。例えば、青色のカラーフィルタ16を透過したすべての光が第3干渉フィルタ123を透過して観察される位置にセットすればよい。また、第3干渉フィルタ123を青色のカラーフィルタ16の一部のみに重なるようにセットし、第3干渉フィルタ123を青色のカラーフィルタ16上で走査しながら順次観察を行っていくことも可能である。
【0172】
ただし、1種類のカラーフィルタ16(本実施形態においては青色のカラーフィルタ16)を検査する場合で、かつ、第1検査画像のみに基づいてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検査する場合は、上記光学フィルタ切り替え装置13が光学フィルタ12の中から第3干渉フィルタ123を選択して切り替えるステップ(S12)は不要である。すなわち、この場合は検査対象が1種類であり、しかも第2検査画像の撮像が不要となるため、第1検査画像の撮像に必要な上記第3干渉フィルタ123があれば足りることになる。したがって、上記ステップは不要となる。このように、実用上は第2検査画像が不要となる場合があるが、第2検査画像が不要となる場合については後述する。
【0173】
さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、青色のカラーフィルタ16、第3干渉フィルタ123を順に透過した光に基づいて、青色のカラーフィルタ16を撮像して、第1検査画像を生成する(S13:第1検査画像生成ステップ)。ただし、これに限られるものではなく、第3干渉フィルタ123を透過した後に青色のカラーフィルタ16を透過した光に基づいて、青色のカラーフィルタ16を撮像してもよい。つまり、透過光は、光学フィルタ12とカラーフィルタ16のどちらを先に透過していても構わない。
【0174】
次に、光学フィルタ切り替え装置13は、光学フィルタ12の中から第3干渉フィルタ123以外の干渉フィルタを選択して切り替える(S14)。つまり、画像処理装置15が青色のカラーフィルタ16のムラを最も精度よく検出できるように、青色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第1干渉フィルタ121あるいは第2干渉フィルタ122のいずれかを選択すればよい。
【0175】
続いて、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、青色のカラーフィルタ16、選択した第1干渉フィルタ121あるいは第2干渉フィルタ122を順に透過した光に基づいて、青色のカラーフィルタ16を撮像して、第2検査画像を生成する(S15:第2検査画像生成ステップ)。
【0176】
ただし、上述のように、実用上は第2検査画像の撮像を省略することができる。そこで、以下に、第2検査画像の撮像を省略できる理由について説明する。
【0177】
上記数式8に示すムラ量R(λ’)を計算するには、
(1)上記カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長λにおけるカラーフィルタ16の透過率T1(λ)
(2)上記透過率が高透過率となる波長λ’におけるカラーフィルタ16の透過率T1(λ’)
(3)上記透過率が低透過率となる波長λにおけるカラーフィルタ16の透過光量のムラ量R(λ)の3つが必要となる。更に分解すれば、
(1)T1(λ)=I1 (λ)/I0(λ)
(2)T1(λ’)=I1 (λ’)/I0(λ’)
(3)R(λ)=I2(λ)/I1(λ)
となる。このうち、R(λ)はカラーフィルタ16の透過光量のムラ量そのものであるため、被検査物(カラーフィルタ16)毎に測定する必要がある。第1検査画像において、正常部分の画素値をP1(λ)、ムラ部分の画素値をP2(λ)とする。画素値は透過光量に比例するので、P1(λ)=a(λ)・I1(λ)、P2(λ)=a(λ)・I2(λ)となる。ここで、a(λ)は波長λにおける透過光量に対する画素値の比例係数である。従って、P2(λ)/P1(λ)=I2(λ)/I1(λ)=R(λ)となり、第1検査画像からムラ量R(λ)を計算することができる。
【0178】
一方、T1(λ)とT1(λ’)は、透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタ16の正常部分における透過率であり、上記ムラ量とは無関係であるため、予め測定しておくことが可能である。すなわち、上記正常部分においては、被検査物(カラーフィルタ16)毎に透過率の差が生じることはないため、T1(λ)とT1(λ’)は、被検査物(カラーフィルタ16)毎に測定する必要はないことになる。
【0179】
なお、第2検査画像を用いると、正常部分の画素値P1 (λ’)を得ることができる。画素値は透過光量に比例するので、P1(λ’)=a(λ’)・I1(λ’)となる。ここで、a(λ’)は波長λ’における透過光量に対する画素値の比例係数である。従って、T1(λ’)=I1 (λ’)/I0(λ’)=P1 (λ’)/a(λ’)/I0(λ’)となり、第2検査画像からT1(λ’)を計算することができる。
【0180】
数式8において、上記透過率が高透過率となる波長λ’における値が必要となるのはT1(λ’)のみであることから、T1(λ’)を予め測定しておけば、上記透過率が低透過率となる波長におけるデータのみに基づいて上記ムラ量R(λ’)を求めることができる。上述のように、T1(λ’)は予め測定しておくことができるため、必ずしも第2検査画像に基づいて測定する必要はない。そのため、第2検査画像の撮像は不要となり、実用上は第1検査画像のみに基づいてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検査することができる。
【0181】
同様に、数式9に示すムラ量η(λ’)を計算するには、
(1)低透過率となる波長λにおける透過率T1(λ)
(2)高透過率となる波長λ’における透過率T1(λ’)
(3)低透過率となる波長λにおけるムラ量η(λ)
の3つが必要となる。更に分解すれば、
(1)T1(λ)=I1 (λ)/I0(λ)
(2)T1(λ’)=I1 (λ’)/I0(λ’)
(3)η(λ)=[I2(λ)−I1(λ)]/I1(λ)
となる。このうち、η(λ)はムラ量そのものであるため、被検査物(カラーフィルタ)毎に、測定する必要がある。上述の通り、T1(λ)とT1(λ’)は、上記正常部分における透過率であり、予め測定しておくことが可能である。したがって、上述のように、第2検査画像が不要となる。
【0182】
以上のように第2検査画像の撮像を省略した場合は、検査時間を大幅に短縮できるという利点が生じる。
【0183】
一方、第2検査画像を撮像する場合は、被検査物(カラーフィルタ16)毎に、上記T1(λ’)を算出するため、より正確にムラ量を求めることができる。つまり、透過光量のムラを生じない正常な部分とはいえ、被検査物(カラーフィルタ16)毎に異なる微妙な透過率の差に応じて、より正確なムラ量を算出できるという利点がある。したがって、第2検査画像を撮像するか否かは、検査の目的に応じて適宜選択すればよい。
【0184】
次に、画像処理装置15は、上記第1検査画像を入力して、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域において、青色のカラーフィルタ16の透過光量のムラを検出する。
【0185】
青色のカラーフィルタ16の透過光量のムラを検出する手順としては、まず、検査画像に平滑化処理を行い、画像に含まれるノイズを除去する(S16)。平滑化処理としては、ムラ画像をメディアンフィルタ、ローパスフィルタ等で透過することが有効である。さらに、青色のカラーフィルタ16以外の領域をマスクして、検査対象を青色のカラーフィルタ16の領域のみに限定する(S17)。このマスク処理の詳細については、後述する。
【0186】
次に、平滑化処理した画像のムラを強調するために、閾値判定、1次微分、2次微分等を行ってムラ領域を抽出し、ムラの存在場所やその大きさなどを特定する(S18)。続いて、ムラの種類に応じて、ムラ量の各種特徴パラメータを測定する(S19)。例えば、線状ムラならば、線のコントラスト、線の長さ、線の方向、線の幅等を測定する。縞状ムラならば、線状ムラのパラメータに追加して、縞ピッチ、縞本数等を測定する。
【0187】
次に、画像処理装置15は、上記第1検査画像に基づいて、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における上記正常部分の透過率(T1(λ))の測定を行う。
【0188】
カメラ14が上記第2検査画像を撮像した場合は、画像処理装置15は、上記第2検査画像に基づいて、青色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における上記正常部分の透過率(T1(λ´))の測定を行う。上述のように、第2検査画像の撮像を省略することもできる。第2検査画像の撮像を省略する場合は、上記T1(λ´)の測定は、第1検査画像に基づいて行う。
【0189】
さらに、画像処理装置15は、上記第1検査画像に基づいて、上記正常部分の透過光量に対する上記ムラ部分の透過光量の比率(R(λ))を求める(S20:ムラ検出ステップ)。
【0190】
続いて、画像処理装置15は、上述のムラ量換算を行う(S21:換算ステップ)。画像処理装置15は、数式8または数式9、あるいは近似式である数式10に基づいて、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを、青色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算する。最後に、換算したムラ量および、それ以外の特徴パラメータに基づいて、最終的な判断、すなわち良品あるいは不良品の判定を行う(S22)。
【0191】
なお、図5では、第1検査画像の生成後に第2検査画像を生成する構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2検査画像を先に生成後、第1検査画像を生成しても構わないし、上述のように第2検査画像の生成を省略しても構わない。
【0192】
(光学フィルタおよび光学フィルタ切り替え装置の詳細)
図6は、光学フィルタ12および光学フィルタ切り替え装置13の詳細を示す構成図である。本実施形態においては、図6に示すように、光学フィルタ12は、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の3種類のカラーフィルタ16に対して、低透過率となる波長帯域の光を透過するように、3種類の光学フィルタ(第1干渉フィルタ121,第2干渉フィルタ122,第3干渉フィルタ123)から構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、検査対象が1種類のカラーフィルタ16であって、第2検査画像の撮像を行う場合は、上記1種類のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12と、上記1種類のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12とを備えていればよい。また、複数種類のカラーフィルタ16がある場合は、当該カラーフィルタ16の種類と同数の複数種類の光学フィルタ12を備えていればよい。
【0193】
第1干渉フィルタ121は、赤色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光のみを透過する干渉フィルタである。例えば、380nm以上570nm以下の全範囲または一部の波長帯域の光を透過する干渉フィルタである。具体的には、中心波長500nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV038)を用いればよい。
【0194】
第2干渉フィルタ122は、緑色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光のみを透過する干渉フィルタである。例えば、380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部の波長帯域の光を透過する干渉フィルタである。具体的には、中心波長650nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV048)を用いればよい。
【0195】
第3干渉フィルタ123は、青色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光のみを透過する干渉フィルタである。例えば、530nm以上800nm以下の全範囲または一部の波長帯域の光を透過する干渉フィルタである。具体的には、中心波長600nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタ等が好適に用いられる。例えば、メレスグリオ株式会社製の干渉フィルタ(製品番号03FIV046)を用いればよい。
【0196】
あるいは、第3干渉フィルタ123が透過する波長帯域(530nm以上800nm以下)は第2干渉フィルタ122が透過する波長帯域の一部(580nm以上800nm以下)と概ね重なっているため、第3干渉フィルタ123を省いて、第2干渉フィルタ122を第3干渉フィルタ123の代用として用いてもよい。この場合は、光学フィルタ12が2枚のみで足りることとなるため、カラーフィルタ検査装置1を簡素化することができる。
【0197】
なお、上記「透過率が低透過率となる」とは、透過率の絶対値が低いことを意味する。したがって、本発明に係るカラーフィルタ検査装置1は、カラーフィルタ16において周辺よりも透過率が高くなり、領域内外で透過率差が生じることによりムラとして感応されるシミムラであっても、カラーフィルタ16において周辺よりも透過率が低くなり、領域内外で透過率差が生じることによりムラとして感応されるスジムラであっても検出することができる。
【0198】
なお、上記カラーフィルタの透過率がある値以下やある値以上になることで、状況が容易に類推できないぐらいに変化することはない。つまり、透過率が何%以下であれば低透過率であり、透過率が何%以上であれば高透過率であるということを明確に区別することは困難である。ただし、実用上は透過率が10%以下の場合が低透過率であり、透過率が10%を超える場合が高透過率であると考えられる。さらに好ましくは、透過率が10%以下の場合が低透過率であり、透過率が90%以上の場合が高透過率であると考えられる。
【0199】
また、上記「中心波長」とは、半値全幅の中心点の波長のことである(JIS工業用語大辞典第5版、日本規格協会)。例えば、上記中心波長600nm、半値全幅40nmのバンドパスフィルタでは、帯域下限波長が580nm、帯域上限波長が620nmであり、中心波長は、この帯域のちょうど中心の600nmとなる。
【0200】
なお、光学フィルタ12の半値全幅を極端に狭くすることは好ましくない。光学フィルタ12の半値全幅を狭くすると、光学フィルタ12を透過した光の波長帯域が狭帯域となるため、時間コヒーレンス長が長くなる。したがって、比較的厚い平行平板であっても、薄膜干渉が生じてしまう。基板17とカラーフィルタ16は平行平板であることから、光学フィルタ12の半値全幅を狭くすると、干渉縞が発生する可能性がある。干渉縞が発生すると、干渉縞がカラーフィルタ16本来のムラと重なるため、ムラの識別が困難となる。すなわち、ムラの識別においては、干渉縞はノイズとなる。そのため、光学フィルタ12の半値全幅を極端に狭くすることは好ましくない。したがって、干渉縞が発生しない程度まで、半値全幅を広くする必要がある。なお、通常の光源(例えばハロゲンランプや一般的な蛍光灯等)は、時間コヒーレンス長が短いので、干渉縞は発生しない。
【0201】
上記光学フィルタ切り替え装置13は、カラーフィルタ16の種類に応じて光学フィルタ12を切り替えて、一つの光学フィルタを選択するものである。本実施形態においては、光学フィルタ切り替え装置13は、モータ131、回転軸132、ホルダ133から構成され、第1干渉フィルタ121,第2干渉フィルタ122,第3干渉フィルタ123を回転軸132の周りに回転させることにより、カメラ14との対向関係を切り替えることができる。
【0202】
なお、1種類のカラーフィルタ16を検査する場合で、かつ、第1検査画像のみに基づいてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検査する場合は、検査対象が1種類であり、しかも第2検査画像の撮像が不要となるため、第1検査画像の撮像に必要な上記第3干渉フィルタ123が1つあれば足りることになる。したがって、この場合は上記光学フィルタ切り替え装置13は不要となる。
【0203】
ホルダ133は、本実施形態では、3種類の干渉フィルタ121,122,123を同心円周上に配置して固定している。また、図2においては、ホルダ133は円形として記載されているが、特に円形に限られるものではなく、光学フィルタ12を固定でき、各フィルタの位置を相対的に変更することができる構成であれば構わない。
【0204】
モータ131は、動力を発生し、回転軸132に動力を伝達するためのものである。モータの種類としては、特に限定されるものではない。回転軸132は、モータから伝達された動力により回転し、ホルダ133を回転させるものである。
【0205】
モータ131が回転すると、その回転が回転軸132を介して、ホルダ133に伝達され、ホルダ133を回転させる。このようにして、光学フィルタ切り替え装置13は、3種類の干渉フィルタ121,122,123のうち任意の一つを、カラーフィルタ16とカメラ14との間に挿入することができる。なお、他の実施形態においては、モータ131を使用せずに手動でホルダ133を回転させ、光学フィルタ12の位置を変更することも可能である。また、ホルダ133を回転させて光学フィルタ12の位置を変更するのではなく、光学フィルタ12の位置は固定しておき、カラーフィルタ16の位置を変更可能とする構成としても構わない。
【0206】
上記構成によれば、検査対象が1種類のカラーフィルタ16であって、第2検査画像の撮像を行う場合は、上記1種類のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12と、上記1種類のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12とを選択すればよい。
【0207】
また、複数種類のカラーフィルタ16を検査する場合であって、第2検査画像の撮像を行わない場合は、複数種類のカラーフィルタ16のそれぞれに対応させて、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を選択すればよい。
【0208】
さらに、複数種類のカラーフィルタ16を検査する場合であって、第2検査画像の撮像を行う場合は、複数種類のカラーフィルタ16のそれぞれに対応させて、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を選択し、残りの光学フィルタ12から、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する光学フィルタ12を選択すればよい。
【0209】
この場合、第1検査画像を取得するための光学フィルタ12と、第2検査画像を取得するための光学フィルタ12とにおいては、透過させる光の波長帯域の重なりが少ない方が好ましい。例えば、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の各カラーフィルタ16を検査するために、透過させる光の波長帯域が互いに異なる3種類の光学フィルタ12を備えれば足りる。
【0210】
この場合には、例えば、赤色のカラーフィルタ16を検査するために、第1検査画像の取得時には、上記第1干渉フィルタ121を用い、第2検査画像の取得時には、残りの第2干渉フィルタ122および第3干渉フィルタ123のどちらでも用いることができるが、第2干渉フィルタ122と第3干渉フィルタ123のうち、第1干渉フィルタ121との波長帯域の重なりが最も少ない方を選択することが好ましい。
【0211】
(カラーフィルタの透過光量ムラの検出:光学フィルタを用いない場合)
図7は、ランプハウス11内に設けられる光源12´および光源切り替え装置13´の詳細を示す構成図である。図7に示すように、光源12´は、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の3種類のカラーフィルタ16に対して、低透過率となる波長帯域の光を照射するように、3種類の光源(第1光源121´,第2光源122´,第3光源123´)から構成されているが、これに限定されるものではない。
【0212】
例えば、ランプハウス11は、既に説明したように、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源121´のみを備えるものであってもよい。この場合の検査対象は1種類のカラーフィルタ16であり、上記カラーフィルタ16の透過光量のムラは、上記第1光源121´から照射され、上記カラーフィルタ16が透過した光に基づいて生成される第1検査画像のみに基づいて検査される。
【0213】
また、この場合は、検査対象が1種類であり、しかも第2検査画像の撮像が不要となるため、第1検査画像の撮像に必要な上記第1光源121´が1つあれば足りることになる。したがって、この場合は上記光源切り替え装置13´は不要となる。
【0214】
また、ランプハウス11は、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源121´と、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源122´とを備えるものであってもよい。この場合の検査対象は1種類のカラーフィルタ16であり、上記カラーフィルタ16の透過光量ムラは、上記第1光源121´から照射され、上記カラーフィルタ16が透過した光に基づいて生成される第1検査画像と、上記第2光源122´から照射され、上記カラーフィルタ16が透過した光に基づいて生成される第2検査画像とに基づいて検査される。上記第1光源121´と上記第2光源122´とは、光源切り替え装置(切り替え手段)13´により切り替えて使用すればよい。
【0215】
また、ランプハウス11は、各々のカラーフィルタ16に対して、各カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源を備えるものであってもよい。この場合の検査対象は複数種類のカラーフィルタ16であり、ランプハウス11内において、各々のカラーフィルタに対して、各カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する上記光源12´を、1対1の対応関係となるように切り替える光源切り替え装置(切り替え手段)13´を設け、上記光源12´をカラーフィルタ16の種類に応じて切り替えて使用すればよい。図7に示す実施形態においては、光源切り替え装置(切り替え手段)13´は、3種類のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源121´から第3光源123´までを備えているが、これに限定されるものではない。
【0216】
また、図7に示す実施形態においては、光源切り替え装置13´は、モータ131´、回転軸132´、ホルダ133´から構成されている。モータ131´、回転軸132´、ホルダ133´の構成および作用は、既に説明した光学フィルタ切り替え装置13におけるモータ131、回転軸132、ホルダ133と同様である。
【0217】
カラーフィルタ16の透過光量ムラは、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光をカラーフィルタ16に透過させて得た第1検査画像のみに基づいて検査してもよいし、上記第1検査画像と、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域の光をカラーフィルタ16に透過させて得た第2検査画像とに基づいて検査してもよい。既に説明したように、上記第1検査画像のみに基づいて検査する場合は、検査時間を大幅に短縮することができ、上記第1検査画像と上記第2検査画像とに基づいて検査する場合は、ムラをより精度よく検査することができる。
【0218】
また、上述のように、ランプハウス11は、一つの光源が複数種類の波長の光を照射することができる波長可変光源を備えるものであってもよい(図示しない)。この場合は、上記光源12´が照射する光の波長帯域が、各々のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域となるように、波長帯域を切り替えて選択すればよい。
【0219】
これらの場合は、上記光学フィルタ12を用いずに、カラーフィルタ16の透過光量ムラを検査することができ、上記光学フィルタ12を用いないため、カラーフィルタ検査装置1を小型化することができる。
【0220】
(カラーフィルタ検査装置の動作)
次に、図8に基づき、図1に示したカラーフィルタ検査装置1の動作を説明する。図8は、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16が基板17上に1種類成膜される毎に、成膜されたカラーフィルタ16を検査する手順を示すフローチャートである(S31〜S37)。上記のように黒色フィルタのムラを検査する工程は省いてもよいため、省略している。
【0221】
なお、カラーフィルタ16を基板17に成膜する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。従来公知の方法としては、例えば、スピンコート法を挙げることができる。スピンコート法では、上記ガラス基板の全面に、所定の色の顔料を分散させた感光性樹脂をスピンナーによってコーティングして乾燥させ、その後、この感光性樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。この工程を、4回、すなわち赤色、緑色、青色、黒色の4色について繰り返し、カラーフィルタパターンを形成する。また、ガラス基板上の所定の位置のみに赤色、緑色、青色のインクを印刷して色画素パターンを形成するインクジェット法等を用いることもできる。
【0222】
図8に示すカラーフィルタ成膜工程は、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の順に成膜を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーフィルタ16はどのような順番で成膜してもよい。また、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16以外のカラーフィルタ16を成膜する手順を含んでいても構わない。
【0223】
上記構成によれば、カラーフィルタの成膜直後に逐次ムラの検査が行われる。したがって、直前に行われた成膜工程の良否をすぐに判定することができる。
【0224】
(カラーフィルタのマスク処理)
次に、図9および図10に基づいて、上記マスク処理について説明する。図9は、カラーフィルタ16の配列の模式図を示すものである。赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色フィルタカラーフィルタ16は、2次元行列的に配列されており、紙面左側から右側へ列が並び、上側から下側へ行が並んでいる。図9では、第1列から3列おきに赤色のカラーフィルタ16、第2列から3列おきに緑色のカラーフィルタ16、第3列から3列おきに青色のカラーフィルタ16を並べている。また、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色フィルタカラーフィルタ16以外の領域は、上述したブラック・マトリクスであり、黒色フィルタが成膜されている。
【0225】
図10は、上記マスク処理の詳細を示す図である。一例として青色のカラーフィルタ16を検査する場合のマスク領域をハッチングで示している。この場合、マスク領域には緑色のカラーフィルタ16と赤色のカラーフィルタ16とが含まれている。すなわち、カラーフィルタ検査装置1は、青色のカラーフィルタ16検査時は、マスク領域を検査対象領域から除外すればよいことになる。
【0226】
図10では、青色のカラーフィルタ16を検査する場合について説明したが、赤色のカラーフィルタ16または緑色のカラーフィルタ16を検査する場合も同様にして実施すればよい。
【0227】
(カラーフィルタ検査装置の他の動作)
次に、図11および図12に基づいて、図1に示したカラーフィルタ検査装置1の他の動作を説明する。図11は、全てのカラーフィルタ16を基板17上に成膜後、カラーフィルタ16のムラを検査する場合のカラーフィルタ検査装置1の動作を示すフローチャートである(S41〜45)。
【0228】
まず、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16および黒色フィルタを順次成膜する(S41〜S44:成膜ステップ)。成膜終了後、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の検査が行われる(S45)。
【0229】
図12は、図11に示した手順のうち、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16を検査する手順を詳しく説明する図である。
【0230】
すべてのカラーフィルタ16および黒色フィルタの成膜終了後、切り替え装置13は、第1干渉フィルタ121を選択して切り替える。(S51)。次に、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、すべてのカラーフィルタ16、第1干渉フィルタ121を順に透過した光に基づいて、すべてのカラーフィルタ16を撮像して、第1の画像を生成する(S52:画像生成ステップ)。
【0231】
次に、切り替え装置13は、第2干渉フィルタ122を選択して切り替える(S53)。さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、すべてのカラーフィルタ16、第2干渉フィルタ122を順に透過した光に基づいて、すべてのカラーフィルタ16を撮像して、第2の画像を生成する(S54:画像生成ステップ)。
【0232】
次に、切り替え装置13は、第3干渉フィルタ123を選択して切り替える(S55)。さらに、カメラ14は、ランプハウス11から放射された光が、基板17、すべてのカラーフィルタ16、第3干渉フィルタ123を順に透過した光に基づいて、すべてのカラーフィルタ16を撮像して、第3の画像を生成する(S56:画像生成ステップ)。
【0233】
このようにして、カメラ14は、第1の画像から第3の画像を生成する。画像処理装置15は、この第1の画像ないし第3の画像の中から、第1検査画像と第2検査画像とを以下のように選択する(S57:画像選択ステップ)。
【0234】
上記第1の画像内の赤色のカラーフィルタ16が成膜された領域(以下、赤色のカラーフィルタ領域という)は、赤色のカラーフィルタ16のムラを十分に含んでいる。一方、上記第1の画像内の赤色のカラーフィルタ16が成膜された領域以外(以下、赤色のカラーフィルタ領域外という)は、第1干渉フィルタ121が緑色のカラーフィルタ16および青色のカラーフィルタ16の透過光量変化には鈍感であるため、緑色のカラーフィルタ16および青色のカラーフィルタ16のムラを概ね含まないものとなる。したがって、上記第1の画像内の赤色のカラーフィルタ領域は、赤色のカラーフィルタ16を検査するときに第1検査画像として用いることができる。また、上記第1の画像内の赤色のカラーフィルタ領域外は、赤色のカラーフィルタ16を検査するときに第2検査画像として用いることができる。
【0235】
同様に、上記第2の画像内の緑色のカラーフィルタ16が成膜された領域は、緑色のカラーフィルタ16を検査するときに第1検査画像として用いることができ、上記第2の画像内の緑色のカラーフィルタ16が成膜された領域以外は、緑色のカラーフィルタ16を検査するときに第2検査画像として用いることができる。
【0236】
さらに、上記第3の画像内の青色のカラーフィルタ16が成膜された領域は、青色のカラーフィルタ16を検査するときに第1検査画像として用いることができ、上記第3の画像内の青色のカラーフィルタ16が成膜された領域以外は、青色のカラーフィルタ16を検査するときに第2検査画像として用いることができる。
【0237】
なお、既に説明したように、第2検査画像の選択は省略することが可能である。したがって、画像処理装置15は、第2検査画像の選択を省略する場合は、上記第1の画像ないし第3の画像の中から第1検査画像のみを選択すればよい。第2検査画像の選択を省略する場合は、検査時間を大幅に短縮することができる。
【0238】
画像処理装置15は、第2検査画像を選択する場合は、第2検査画像に基づいて、カラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における上記正常部分の透過率(T1(λ´))の測定を行う。既に説明したように、第2検査画像を選択する場合は、カラーフィルタ16の透過光量のムラをより精度よく求めることができる。上述のように、第2検査画像の選択は省略することも可能である。
【0239】
また、画像処理装置15は、上記第1検査画像に基づいて、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における上記正常部分の透過率(T1(λ))の測定を行う。さらに、上記第1検査画像に基づいて、上記正常部分の透過光量に対する上記ムラ部分の透過光量の比率(R(λ))を求める(S58:ムラ検出ステップ)。
【0240】
続いて、画像処理装置15は、上述のムラ量換算を行う(S59:換算ステップ)。画像処理装置15は、数式8または数式9、あるいは近似式である数式10に基づいて、赤色のカラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを、赤色のカラーフィルタ16の透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算するとともに、上述のように最終的な良品、不良品の判定を行う(S60)。
【0241】
このように、全てのカラーフィルタを成膜後にまとめて検査する場合は、例えば本実施形態においては、上記第1の画像から上記第3の画像までの3つの画像を生成するだけで、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16を検査する場合の第1検査画像と第2検査画像とを、すべて得ることができる。
【0242】
それゆえ、成膜工程の良し悪しが最終検査工程まで進まないと分からないため、不良発見が遅れるという欠点はあるが、検査を一度だけで済ませることができるという利点がある。
【0243】
なお、図11および図12に示すカラーフィルタ成膜工程は、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16の順に成膜を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カラーフィルタ16はどのような順番で成膜してもよい。また、赤色のカラーフィルタ16、緑色のカラーフィルタ16、青色のカラーフィルタ16以外のカラーフィルタを成膜する手順を含んでいても構わない。また、本実施の形態では、LCDに備わるカラーフィルタの検査について言及したが、LCD以外のカラーフィルタの検査にも適用できる。例えば、CCD等のカラー撮像素子の検査に用いることができる。
【0244】
また、既に説明したように、ランプハウス11は、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源121´のみを備えるものであってもよいし、カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源121´と、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源122´とを備えるものであってもよい。また、各々のカラーフィルタ16に対して、各カラーフィルタ16の透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源12´を備えるものであってもよいし、一つの光源が複数種類の波長の光を照射することができる波長可変光源を備えるものであってもよい。これらの場合は、上記光学フィルタ12を用いずに、カラーフィルタ16の透過光量ムラを検査することができる。
【0245】
なお、1種類のカラーフィルタ16を検査する場合で、かつ、第1検査画像のみに基づいてカラーフィルタ16の透過光量のムラを検査する場合は、検査対象が1種類であり、しかも第2検査画像の撮像が不要となるため、第1検査画像の撮像に必要な単一の光学フィルタ12または単一の光源12´があれば足りることになる。したがって、この場合、上記光学フィルタ切り替え装置13および光源切り替え装置13´は不要となる。
【0246】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0247】
本発明にかかるカラーフィルタ検査装置は、カラーフィルタの補色に関して測定を行い、測定されたムラ量を、カラーフィルタ本来の色のムラ量に換算することができるため、カラーフィルタ本来の色におけるムラ量に基づいてカラーフィルタの透過光量のムラを精度よく正確に検出することができる。したがって、本発明は、カラーフィルタの製造工程の管理手段として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0248】
【図1】本発明にかかるカラーフィルタ検査装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】カラーフィルタに存在する透過光量のムラ量の換算原理を説明する図である。
【図3】赤色のカラーフィルタの透過率の分光特性を示すグラフである。
【図4】カラーフィルタの透過率と検出感度との関係を示すグラフである。
【図5】画像処理装置が青色のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における透過光量のムラを検出し、当該透過光量のムラを青色のカラーフィルタの高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算する手順を示すフローチャートである。
【図6】光学フィルタおよび光学フィルタ切り替え装置の詳細を示す構成図である。
【図7】光源および光源切り替え装置の詳細を示す構成図である。
【図8】カラーフィルタを基板上に1種類成膜する毎に、成膜されたカラーフィルタを検査する手順を示すフローチャートである。
【図9】カラーフィルタの配列を示す模式図である。
【図10】カラーフィルタのマスク処理の詳細を示す図である。
【図11】カラーフィルタを基板上に成膜後、すべてのカラーフィルタをまとめて検査する手順を示すフローチャートである。
【図12】カラーフィルタを基板上にすべて成膜後、カラーフィルタのムラを検査する詳細手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0249】
1 カラーフィルタ検査装置
12 光学フィルタ
12a 第1光学フィルタ
12b 第2光学フィルタ
12´ 光源
13 光学フィルタ切り替え装置(切り替え手段)
13´ 光源切り替え装置(切り替え手段)
14 カメラ(撮像手段)
15 画像処理装置(検査手段)
16 カラーフィルタ
121 第1干渉フィルタ(光学フィルタ)
122 第2干渉フィルタ(光学フィルタ)
123 第3干渉フィルタ(光学フィルタ)
121´ 第1光源(光源)
122´ 第2光源(光源)
123´ 第3光源(光源)
S13 第1検査画像生成ステップ
S15 第2検査画像生成ステップ
S20 ムラ検出ステップ
S21 換算ステップ
S41 成膜ステップ
S42 成膜ステップ
S43 成膜ステップ
S44 成膜ステップ
S52 画像生成ステップ
S54 画像生成ステップ
S56 画像生成ステップ
S57 画像選択ステップ
S58 ムラ検出ステップ
S59 換算ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、
上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像に基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項2】
撮像手段と、
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタと、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第2光学フィルタとを切り替える切り替え手段と、
上記第1光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像と、上記第2光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項3】
撮像手段と、
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源と、
上記第1光源を用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像に基づいて上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項4】
撮像手段と、
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源と、上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源とを切り替える切り替え手段と、
上記第1光源を用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像と、上記第2光源を用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項5】
撮像手段と、
複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、
上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像に基づいて上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項6】
撮像手段と、
複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタとが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光学フィルタを切り替える切り替え手段と、
上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像と、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項7】
撮像手段と、
複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源とが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光源を切り替える切り替え手段と、
上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光源を用いて、上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像に基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項8】
撮像手段と、
複数種類のカラーフィルタの各々と、上記各々のカラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する複数種類の光源とが1対1の対応関係となるように、カラーフィルタの種類に応じて複数種類の光源を切り替える切り替え手段と、
上記複数種類のカラーフィルタの内の或る一つの特定カラーフィルタの透過光量変化に関し、上記切り替え手段によって選択した対応する特定光源を用いて、上記撮像手段が撮像した第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出する検出手段と、
上記第1検査画像と、上記特定光源以外の任意の光源を用いて上記撮像手段が撮像した第2検査画像とに基づいて、上記検出手段が検出した上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算手段と、を備えることを特徴とするカラーフィルタ検査装置。
【請求項9】
上記任意の光学フィルタは、その波長帯域と上記特定光学フィルタの波長帯域との重なりが最も少ない光学フィルタであることを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項10】
上記任意の光源は、その波長帯域と上記特定光源の波長帯域との重なりが最も少ない光源であることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項11】
上記換算手段は、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域におけるカラーフィルタの透過光量のムラを、ランバート・ベールの法則を用いて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項12】
上記換算手段が、
上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において、
透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタの正常部分の透過光量に対する、透過光量のムラを生じる部分であるカラーフィルタのムラ部分の透過光量の比を求め、
上記透過光量の比に、上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記透過率の対数に対する、上記透過率が高透過率となる波長帯域での上記透過率の対数の比をべき乗することで、
上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算することを特徴とする請求項11に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項13】
上記換算手段が、
上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域において、
透過光量のムラを生じる部分であるカラーフィルタのムラ部分の透過光量と、透過光量のムラを生じない部分であるカラーフィルタの正常部分の透過光量との透過光量差を求め、
上記正常部分の透過光量に対する上記透過光量差の比に、
上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記透過率の対数に対する、上記透過率が高透過率となる波長帯域での上記透過率の対数の比を乗算することで、
上記透過率が低透過率となる波長帯域での上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記透過率が高透過率となる波長帯域における透過光量のムラに換算することを特徴とする請求項11に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項14】
上記カラーフィルタは、赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、青色のカラーフィルタのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項15】
上記カラーフィルタの透過率が高透過率となる波長帯域は、赤色の波長帯域、緑色の波長帯域、青色の波長帯域のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項16】
上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域は、以下の(a)から(c)に記載した波長のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載のカラーフィルタ検査装置。
(a)上記カラーフィルタが赤色のカラーフィルタである場合は、380nm以上570nm以下の全範囲または一部
(b)上記カラーフィルタが緑色のカラーフィルタである場合は、380nm以上470nm以下の全範囲もしくは一部、または、580nm以上800nm以下の全範囲もしくは一部
(c)上記カラーフィルタが青色のカラーフィルタである場合は、530nm以上800nm以下の全範囲または一部
【請求項17】
上記光学フィルタは、バンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項18】
上記バンドパスフィルタが干渉フィルタであることを特徴とする請求項17に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項19】
上記バンドパスフィルタは、色ガラスフィルタであることを特徴とする請求項17に記載のカラーフィルタ検査装置。
【請求項20】
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項21】
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する第1光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を透過する第2光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項22】
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項23】
カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する第1光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記透過率が高透過率となる波長帯域の光を照射する第2光源を用いて、上記カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項24】
複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項25】
複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項26】
複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項27】
複数種類のカラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記複数種類のカラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記特定光源以外の任意の光源を用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの検査方法。
【請求項28】
1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、
上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項29】
1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光学フィルタに対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、
上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項30】
1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、
上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項31】
1または複数種類のカラーフィルタについて、カラーフィルタを1種類ずつ成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる互いに異なる波長帯域の光を照射する複数種類の光源の中から選択した特定光源を用いて、上記カラーフィルタの内、上記特定光源に対応する特定カラーフィルタの透過光を撮像する第1検査画像生成ステップと、
上記特定光源以外の任意の光源を用いて、上記特定カラーフィルタの透過光を撮像する第2検査画像生成ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備え、
上記検査画像生成ステップ、ムラ検出ステップおよび換算ステップを、複数種類のカラーフィルタの上記成膜ステップの各実行後に実行することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項32】
1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、
上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成する画像選択ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検査するムラ検出ステップと、
上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項33】
1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を透過する複数種類の光学フィルタの中から選択した特定光学フィルタを用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、
上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光学フィルタを用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成するとともに、上記特定光学フィルタ以外の任意の光学フィルタを用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第2検査画像を生成する画像選択ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検査するムラ検出ステップと、
上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項34】
1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する特定光源を用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、
上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光源を用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成する画像選択ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項35】
1または複数種類の全てのカラーフィルタを二次元的に配列して成膜する成膜ステップと、
上記成膜ステップによって成膜した上記カラーフィルタの各々と1対1の対応関係を持ち、上記カラーフィルタの透過率が低透過率となる波長帯域の光を照射する特定光源を用いて、上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像する画像生成ステップと、
上記カラーフィルタ全体の透過光を撮像した画像から、上記特定光源を用いて撮像した第1の画像を選択し、その第1の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第1検査画像を生成するとともに、上記特定光源以外の任意の光源を用いて撮像した第2の画像を選択し、その第2の画像から上記特定カラーフィルタが成膜された領域に関する第2検査画像を生成する画像選択ステップと、
上記第1検査画像に基づいて、上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを検出するムラ検出ステップと、
上記ムラ検出ステップにより検出された上記透過率が低透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラを、上記第1検査画像および第2検査画像に基づいて、上記透過率が高透過率となる波長帯域における上記カラーフィルタの透過光量のムラに換算する換算ステップと、を備えることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−201142(P2006−201142A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16165(P2005−16165)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】