説明

カラー印刷方法およびカラー印刷システム

【課題】演算的に安価なカラー印刷方法およびカラー印刷システムを提供する。
【解決手段】カラー印刷方法は、第1の機器従属色空間についての機器独立色空間への第1の多次元色域マッピングを用いて、機器独立色空間において表わされる中間カラーデータにソースカラーデータを変換するステップを含む。機器独立色空間は、中間色成分を有する。方法は、機器独立色空間についての第2の機器従属色空間への第2の多次元色域マッピングを用いて、第2の機器従属色空間において表わされる目標カラーデータへ中間カラーデータを変換するステップをさらに含む。第2の機器従属色空間は、三原色成分と、三原色成分の実質的に等しい色調値によって定義された仮想黒色成分とを有する。第2の多次元色域マッピングは、機器独立色空間の中間色成分から、第2の機器従属色空間の仮想黒色成分へのマッピングを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明の実施形態は、概して、デジタルカラー印刷に関し、より特定的には、デジタルカラー印刷のための色変換のシステムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一実施形態によれば、カラー印刷方法は、第1の機器従属色空間において表わされるソースカラーデータを受信するステップと、少なくとも1つの画像処理装置によって、第1の機器従属色空間についての、機器独立色空間への第1の多次元色域マッピングを用いて、機器独立色空間において表わされる中間カラーデータにソースカラーデータを変換するステップとを備える。機器独立色空間は、中間色成分を有する。カラー印刷方法は、少なくとも1つの画像処理装置によって、機器独立色空間についての、第2の機器従属色空間への第2の多次元色域マッピングを用いて、第2の機器従属色空間において表わされる目標カラーデータへ中間カラーデータを変換するステップをさらに備える。第2の機器従属色空間は、三原色成分と、三原色成分の各々と実質的に等しい色調値によって定義された仮想黒色成分とを有する。第2の多次元色域マッピングは、機器独立色空間の中間色成分から、第2の機器従属色空間の仮想黒色成分へのマッピングを含む。
【0003】
他の実施形態においては、ソースカラーデータは、ソースベクターグラフィックオブジェクトタイプ、ソーステキストオブジェクトタイプ、および/またはソースラスターグラフィックオブジェクトタイプを表わし得る。方法は、仮想黒色成分に対応するソースカラーデータについて、ソーステキストオブジェクトタイプを表わす目標カラーデータの第1の部分を、グレイハーフトーンデータにスクリーニングするステップと、第1の部分を除いた目標カラーデータの第2の部分をカラーハーフトーンデータにスクリーニングするステップとを含み得る。さらに他の実施形態においては、方法は、グレイハーフトーンデータを、黒の着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの純黒色出力画素にレンダリングするステップと、カラーハーフトーンデータを、少なくとも1つの黒でない着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの加工黒色出力画素にレンダリングするステップとをさらに含み得る。
【0004】
他の実施形態においては、ソースカラーデータは、プリンタ定義言語(printer definition language:PDL)指令を含む。方法は、PDL指令を解釈するステップを含み得る。さらに他の実施形態においては、PDLは、PCL5および/またはPCL6のうちの少なくとも1つを含み得る。さらに他の実施形態においては、グレイハーフトーンをレンダリングするステップは、グレイハーフトーンデータの少なくとも一部について、三色レンダリング演算(ROP3)を実行するステップを含み得る。さらに他の実施形態においては、カラーハーフトーンデータをレンダリングするステップは、カラーハーフトーンデータのうちの少なくとも一部について、ROP3を実行するステップを含み得る。
【0005】
他の実施形態においては、方法は、第1の複数の印刷された中間色純黒色出力画素、および第2の複数の印刷された中間色加工黒色出力画素の色調値を測定するステップと、測定された色調値の各々を、予め定められた中間色色調値スケールと比較するステップと、その比較に基づいて、第2の多次元色域マッピングにおいて、機器独立色空間の中間色成分から第2の機器従属色空間の仮想黒色成分までマッピングを調整するステップとを含み得る。
【0006】
他の実施形態においては、第1の多次元色域マッピングは第1の三次元ルックアップテーブル(LUT)を含み、第2の多次元色域マッピングは第2の三次元LUTを含み得る。さらに他の実施形態においては、第1の三次元LUTはL*a*b*色空間LUTへのRGB色空間を含み、第2の三次元LUTはCMY色空間LUTへのL*a*b*色空間を含み得る。
【0007】
他の実施形態においては、ソースカラーデータを中間カラーデータに変換するステップ、および中間カラーデータを目標カラーデータに変換するステップは、第1の多次元色域マッピングと第2の多次元色域マッピングとの連結に対応する三次元LUTにアクセスすることによって実行され得る。たとえば、第1の多次元色域マッピングはRGB色空間からL*a*b*色空間へのマッピングを含み、第2の多次元マッピングはL*a*b*色空間からCMY色空間LUTへのマッピングを含み得る。したがって、三次元LUTは、RGBからL*a*b*、そしてCMYへのマッピングを表わし得る。さらに、この実施形態においては、ソースカラーデータから中間カラーデータへの変換動作、および中間カラーデータから目標カラーデータへの変換動作は、同じ結果を達成するための1つより多くのLUTを用いることに代えて、上述の三次元LUTを用いることによって、効果的に組み合わされ得る。
【0008】
さらに他の実施形態においては、RGB色空間からCMY色空間へのマッピングを含むデバイスリンクテーブルに相当し得る。ここで、RGBからCMY色空間マッピングは、上述のような、仮想黒色成分を含む。
【0009】
一実施形態においては、コンピュータ読取可能媒体は、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に上述の方法を実行するコンピュータ実行可能指令を含む。
【0010】
一実施形態においては、カラー印刷システムは、第1の機器従属色空間において表わされるソースカラーデータを受信するためのソースデータ入力と、三原色成分および三原色成分の各々と実質的に等しい色調値によって定義された仮想黒色成分を有する、第2の機器従属色空間において表わされる目標カラーデータを提供するための目標データ出力と、第1の機器従属色空間の第1の多次元色域マッピングを、中間色成分を有する機器独立色空間に記憶するとともに、機器独立色空間の第2の多次元色域マッピングを、第2の機器従属色空間に記憶するためのメモリとを含む。第2の多次元色域マッピングは、機器独立色空間の中間色成分から、第2の機器従属色空間の仮想黒色成分へのマッピングを含む。カラー印刷システムは、メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサをさらに含む。少なくとも1つのプロセッサは、各々がメモリに結合された第1のプロセッサおよび第2のプロセッサを含み、第1のプロセッサは、第1の多次元色域マッピングを用いて、機器独立色空間において表わされる中間カラーデータにソースカラーデータを変換するように構成され、第2のプロセッサは、第2の多次元色域マッピングを用いて、目標カラーデータに中間カラーデータを変換するように構成される。
【0011】
他の実施形態においては、ソースベクターグラフィックオブジェクトタイプ、ソーステキストオブジェクトタイプ、および/またはソースラスターグラフィックオブジェクトタイプを表わし得る。少なくとも1つのプロセッサは、メモリに結合された第3のプロセッサをさらに含み得、第3のプロセッサは、仮想黒色成分に対応するソースカラーデータについて、ソーステキストオブジェクトタイプを表わす目標カラーデータの第1の部分をグレイハーフトーンデータにスクリーニングし、第1の部分を除いた目標カラーデータの第2の部分をカラーハーフトーンデータにスクリーニングするように構成される。
【0012】
他の実施形態においては、第3のプロセッサは、グレイハーフトーンデータを、黒の着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの純黒色出力画素にレンダリングするとともに、カラーハーフトーンデータを、少なくとも1つの黒でない着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの加工黒色出力画素にレンダリングするように構成され得る。さらに他の実施形態においては、少なくとも1つのプロセッサは、メモリに記憶されかつ少なくとも1つの純黒色出力画素に関連する少なくとも1つのKビットをオンにセットするとともに、メモリに記憶されかつ少なくとも1つの純黒色出力画素に関連する少なくとも1つのCMYビットをオフにリセットし、メモリに記憶されかつ少なくとも1つの加工黒色出力画素に関連する少なくとも1つのCMYビットをオンにセットするとともに、メモリに記憶されかつ少なくとも1つの加工黒色出力画素に関連する少なくとも1つのKビットをオフにリセットするように構成され得る。
【0013】
他の実施形態においては、ソースカラーデータは、プリンタ定義言語(PDL)指令を含み得る。PDLは、PCL5および/またはPCL6を含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、PDL指令を解釈するようにさらに構成され得る。
【0014】
他の実施形態においては、少なくとも1つのプロセッサは、グレイハーフトーンデータの少なくとも一部について三色レンダリング演算(ROP3)を実行するとともに、カラーハーフトーンデータのうちの少なくとも一部についてROP3を実行するようにさらに構成され得る。
【0015】
他の実施形態においては、少なくとも1つのプロセッサは、第1の複数の印刷された中間色純黒色出力画素および第2の複数の印刷された中間色加工黒色出力画素の各々の測定された色調値と、予め定められた中間色色調値スケールとの間で実行される比較に基づいて、第2の多次元色域マッピングにおいて、機器独立色空間の中間色成分から第2の機器従属色空間の仮想黒色成分まで、マッピングを調整するようにさらに構成され得る。
【0016】
他の実施形態においては、第1の多次元色域マッピングは第1の三次元ルックアップテーブル(LUT)を含み、第2の多次元色域マッピングは第2の三次元LUTを含み得る。さらに他の実施形態においては、第1の三次元LUTはL*a*b*色空間LUTへのRGB色空間を含み、第2の三次元LUTはCMY色空間LUTへのL*a*b*色空間を含み得る。
【0017】
他の実施形態においては、プロセッサは、第1の多次元色域マッピングと第2の多次元色域マッピングとに対応する三次元LUTにアクセスすることによって、ソースカラーデータを中間カラーデータに変換するとともに、中間カラーデータを目標カラーデータに変換するように構成され得る。たとえば、第1の多次元色域マッピングはRGB色空間からL*a*b*色空間へのマッピングを含み、第2の多次元マッピングはL*a*b*色空間からCMY色空間LUTへのマッピングを含み得る。したがって、三次元LUTは、RGBからL*a*b*、そしてCMYへのマッピングを表わし得る。さらに、この実施形態においては、ソースカラーデータから中間カラーデータへの変換動作、および中間カラーデータから目標カラーデータへの変換動作は、同じ結果を達成するための1つより多くのLUTを用いることに代えて、上述の三次元LUTを用いることによって、効果的に組み合わされ得る。
【0018】
さらに他の実施形態においては、RGB色空間からCMY色空間へのマッピングを含むデバイスリンクテーブルに相当し得る。ここで、RGBからCMY色空間マッピングは、上述のような、仮想黒色成分を含む。
【0019】
添付の図面は、縮尺通りに描かれることが意図されたものではない。図面において、いくつかの図に示される同じまたはほぼ同じ要素の各々は、同じ参照符号によって表わされる。明確化の目的のために、すべての図面において、すべての要素にラベル付けがされているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に従うカラー印刷システムの機能ブロック図である。
【図2】一実施形態に従う、画像データを処理するための色変換経路を示すデータフロー図である。
【図3】一実施形態に従う、図2の色変換経路の一部を示すデータフロー図である。
【図4】一実施形態に従う、L*a*b*色空間を示す軸を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の実施形態は、その用途において、以下の説明に記載され、または図面に描かれた要素の配置および構成の詳細には限定されない。本発明の実施形態は、他の実施形態も可能であり、さまざま方法によって実現または実行することができる。また、本明細で使用される語句および用語は、説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではない。本明細書における、「含む」、「備える」、「包含する」、「伴う」およびこれらの変形は、それ以降に列挙された事項およびその均等物、ならびに追加の事項を網羅することを意味する。
【0022】
コンピュータモニタやテレビのような、発光デバイス(LED)によって表示されたカラー画像は、典型的には、付加的な色空間として表わされる。最も付加的な色空間はRGBであり、RGBは、広範な色を生成するように組合せることができる赤、緑、青の成分を有する。中間色は、モノクロ、白黒、および/またはグレイスケールカラー(たとえば、R=G=B)を含む。カラーデータは、多次元的に、すなわち、CIELAB、CIE1976(L*u*v*)(CIELUV)と称される、CIE1976(L*a*b*)(国際照明委員会(Commission Internationale de L’eclairage)色標準)のような機器独立色空間、あるいは、CIE LChおよび/またはCIEJabを含む他の機器独立輝度/クロミナンス色空間で表わすことができる。色空間に応じて、中間軸とも呼ばれるL*軸(たとえば、CIELAB、CIELUV)またはJ軸(たとえば、CIE JCh)についての座標が、明度または輝度を表わす。中間色は、中間軸上またはその近傍である。
【0023】
それに対して、印刷されたカラー画像は、フィルタリングされた光または反射された光から波長を吸収または差し引く、トナーまたはインク内の染料または着色剤を用いて生成される。デジタル印刷に用いられる1つの減法色空間は、CMYK(シアン−マゼンダ−イエロー−ブラック)である。人の眼に対して、CMYKを用いて印刷されたカラー画像は、RGBを用いて表示されたカラー画像と同じように見えるはずである。減法色空間は機器従属であり得、つまり、減法色空間は、特定の印刷機器上の、印刷する画像、テキスト、および他のグラフィックスに対して、異なる染料または着色剤の組み合わせを用いて適合される。たとえば、カラー画素は、CMY色成分についてのシアン、マゼンダ、イエローのそれぞれの着色剤を含む黒でない着色剤、およびK(黒)色成分についての黒色着色剤を用いて、CMYKカラーデータからカラープリンタ上にレンダリングされ得る。4色印刷(たとえば、CMYK)においては、中間色は、黒色(K)着色剤またはCMY着色剤のほぼ等しい組み合わせを用いて生成され得る。
【0024】
典型的に、カラーデータは、色変換または変換テーブルを生成するプリンタ校正結果とともに用いられる色定義に関連する。デジタルドキュメントを印刷するための1つの従来技術は、ソース色空間(たとえば、RGB)内のカラーデータを、さまざまなデータ変換を用いて、プリンタ色空間または目標色空間(たとえば、CMYK)へ変換またはマッピングすることを含む。たとえば、プリンタ色校正が、機器独立色空間(たとえば、CIELAB,CIE LCh,CIELUV,CIEJabなど)から機器従属色空間(たとえば、CMYK空間)へ、カラーマッピングを修正するために用いられ得る。色変換テーブルは、たとえば、カラーデータを、1つの色空間から他の色空間(たとえば、RGBからCIELABへ、またはCIELABからCMYKへ)に変換するための、三次元ルックアップテーブル(LUT)であり得る。LUTは、17×17×17のようなスパースグリッドを有し、したがって、変換はいくらかの補間を含み得る。目標色空間におけるカラーデータは、特定のタイプの媒体(たとえば、紙)に印刷するための的確な色を有する画素としてレンダリングされる。
【0025】
中間色は、典型的に、黒の着色剤で印刷される純黒色画素としてレンダリングされる。純黒色印刷は、高い黒色テキスト品質を提供するとともに、多色印刷よりもコストが少なくなる。1つの従来の中間軸制御技術においては、CIELAB色空間における中間色(すなわち、L*軸に沿った色)は、CMYK色空間の黒(K)成分に変換されるか、あるいは、色除去を用いて黒色画素を生成することを含む色分離ステップの間に変換される。
【0026】
しかしながら、中間色は、代替的には、シアン、マゼンダ、およびイエローの組み合わせを用いて印刷される加工黒色と呼ばれるCMY色としてレンダリングされ得る。シアン、マゼンダ、およびイエローの等価色調値は、白と黒との間のグレイスケールカラーの領域を生成する。この開示において用いられるように、「仮想黒色」は、等しいまたは実質的に等しい色調値(たとえば、C≒M≒Y)を有するCMY色成分を含む。
【0027】
本開示の1つの局面によれば、中間色は、純黒色または加工黒色のいずれかとしてレンダリングされる。中間色レンダリングは、オブジェクトベースであり得る。たとえば、ソースデータにおけるテキストオブジェクトは純黒色としてレンダリングされ、一方、ソースデータにおける、ベクターグラフィックオブジェクトや画像オブジェクトのような他のオブジェクトは加工黒色としてレンダリングされ得る。
【0028】
従来的には、色変換は、ラスタ画像プロセッサ(raster image processor:RIP)によって実行される。RIPは、ソース画像からラスタ画像またはビットマップを生成する、プリンタの要素である。ソースデータは、アドビポストスクリプト、ヒューレッドパッカードプリンタコマンド言語(Printer Command Language:PDL)、ポータブルドキュメントフォーマット(Portable Document Format:PDF)、マイクロソフトXPS(XMLペーパースペシフィケイション)、または他の高度言語のような、ページ記述言語(page description language:PDL)におけるカラーページ記述を含み得る。PDLソースカラーデータは、テキスト、ベクターグラフィックス、および/または画像オブジェクトを典型的に含むが、シェーディングオブジェクトのような他のオブジェクトタイプも含み得る。RIPは、ソースカラーデータ内のPDL指令を解釈し、表示リストを生成する。表示リストは、出力画像を定義する、一連のグラフィック指令を含む。連続階調ビットマップは、表示リスト内の指令を実行することによってレンダリングされる。そして、ビットマップは、従来のスクリーニングまたはハーフトーン処理を用いて、印刷用のハーフトーンに変換される。
【0029】
上述のように、いくつかの周知のPDLは、アドビポストスクリプト、HP PCL5/PCL6、およびマイクロソフトXPSを含む。異なるカラーモデルおよびレンダリング処理が、各PDLにおいて用いられてもよい。たとえば、PCL5/PCL6は、パターン、ソース画像、および目標画像が、出力画像を生成するために、印刷モデルの透過および不透過モードを用いてどのように互いに適用されるかを定義する、3色ラスタ(論理)演算(ROP3)を用いる。1つの従来技術においては、HP PCL5/PCL6は、RGB色空間において、ラスタ演算が、ソース画像、目標画像およびテクスチャについて実行されることを規定する。そして、RGBラスタデータは、CMYKプリンタ従属空間に変換される。レンダリングされたページの各画素が変換されなくてはならないので、色変換処理は、演算的に非常に高価であり、典型的には、ハードウェアアクセレレータによって実行される。
【0030】
1つの局面によれば、色変換はソース色空間、または、目標もしくは出力色空間のいずれかにおいて実行され得る。典型的に、ソースカラーデータの解像度は、目標カラーデータよりも小さい。ソースカラーデータがより小さい解像度を有しているので、色変換演算は、目標色空間において実行するよりもソース色空間において実行するほうが、一般的にはより効率的である。たとえば、600ドット/インチ(dpi)で印刷された、典型的な81/2×11インチの手紙サイズ(Aサイズ)のシート上には、約6600×5100、または33.66百万画素がある。したがって、ソースページが1色のみである場合、ソース色空間における色変換は、ソースベクトルについて1つの画素における実行のみが必要とされるが、目標色空間における色変換では、目標ラスタについての33.66百万画素の各々に対して実行される必要がある。
【0031】
1つの従来技術においては、色変換は、以下のように実行される。(1)RGB色空間におけるソース画像データが、機器(たとえば、プリンタ)従属RGB色空間に変換され、そして(2)機器従属CMY色空間に変換され、その後(3)黒色生成を用いて、およびオブジェクトベースの中間軸制御の下でCMYKへ変換される。CMYK色空間において結果として得られる画像データは、その後、(4)CMY色空間に変換されるとともに、ROP3を用いて実質的にレンダリングされる。レンダリング中に、CMYは4色印刷(すなわち、シアン、マゼンダ、イエロー、およびブラック)のためにCMYKに変換される。4色変換ステップは、演算的に集中している。さらに、CMYKからCMYへの色変換およびCMYからCMYKへの色変換は可逆ではなく、したがって、画質が低下され得る。
【0032】
一実施形態においては、CMYK出力色のための中間軸制御が、RGB色空間からCMY色空間への色変換中に実行される。RGB色空間は、ソース画素領域において(たとえば、テキストオブジェクト、ベクターグラフィックオブジェクト、および/またはソース画像オブジェクトの形式で)、直接的にCMY色空間へ変換される。RGBからCMYへの色変換は、デバイスリンクテーブル(たとえば、三次元変換LUT)、および中間軸制御を含む。デバイスリンクLUTは、ソースRGB色定義、たとえば標準RGB(sRGB)またはアドビRGB1998と、プリンタについてのCMY色定義とを結合する。機器色定義は、ICCプロファイル(インターナショナルカラーコンソーシアム:International Color Consortium)、または、一連のマトリックスおよびルックアップテーブルであり得る。機器色定義は、機器独立色空間(たとえば、CIELAB)と機器従属色空間(たとえば、CMY)との間のマッピングを規定する。二値プリンタまたは多段階階調プリンタについては、CMYデータはハーフトーンにスクリーニングされる。PCL5およびPCL6については、その後、ROP3がハーフトーンデータに適用されて、ラスタ画像またはビットマップを生成する。
【0033】
一実施形態においては、色変換は以下のカラーパスに従って実行される。(1)RGB色空間におけるソースデータが、(たとえば、PCL5エミュレーションおよびPCL6エミュレーションを用い)、中間軸制御すなわちCMY色空間の仮想黒色成分にマッピングされる中間色を有するデバイスリンク(すなわち、LUT)を用いて、機器(たとえば、プリンタ)従属CMY色空間に変換される。そして、目標データは、(2)ハーフトーンにスクリーニングされるとともに、(たとえば、ROP3を用いて)印刷用のビットマップにレンダリングされる。目標データの仮想黒色成分は、たとえば、対応するソースデータのオブジェクト形式に基づいて、純黒色または加工黒色としてレンダリングされ得る。たとえば、テキストオブジェクトは純黒色にレンダリングされ、他のオブジェクト形式は加工黒色としてレンダリングされ得る。しかしながら、他のレンダリング技術が用いられてもよいことが理解されるべきである。カラーパスは、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、1つまたはより多くのプロセッサで実行されるソフトウェアで実現されてもよい。
【0034】
図1は、一実施形態に従うカラー印刷システム100の機能ブロック図である。システム100は、メモリ120に結合されたプロセッサ110を含む。メモリ120は、特に、デバイスリンクテーブル130、表示リスト140、および目標データ150を記憶するために用いられ得る。システム100(たとえば、プロセッサ110)は、データソース170からソースデータ160を受信し、レンダリングされたデータ180を印刷機器190へ提供する。データソース170の例は、コンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、携帯機器、スキャナ、またはテキストデータまたは画像データを提供することができる他の機器を含む。本開示において用いられるように、画像データは、生のもしくは構造化されたものを含む任意のフォーマットの、テキスト、グラフィックス、写真、または、他のデータを表わす任意のデータを称する。プロセッサ110は、たとえば、ニューヨーク州アーモンクのIBM社により製造されたパワーPC(登録商標)プロセッサや、ARMベースのプロセッサ、専用(proprietary)プロセッサ、または、他の適当なタイプのプロセッサを含み得る。印刷機器190は、レンダリングされたデータ180から、テキストおよび/またはグラフィックスを、ハードコピー媒体(たとえば、トナーベースプリンタ、インクジェットプリンタ、昇華型プリンタ、感熱式プリンタ、ドットマトリクスプリンタ、紫外線プリンタなど)上に生成する周辺機器を含み得る。いくつかの実施形態においては、システム100は、印刷機器190内において実現されるが、システム100と印刷機器190は分離された要素であってもよい。
【0035】
以下にさらに詳細に説明されるように、一実施形態によれば、デバイスリンクテーブル130は、ソースデータ160の目標データ150への変換のために用いられる少なくとも1つの多次元LUT(たとえば、三次元変換LUT)を含む。
【0036】
図2は、一実施形態に従う、図1のシステム100での、画像データを処理するための色変換経路200を示すデータフロー図である。機器従属でありかつ図1のソースデータ160に含まれ得るソースカラー画像データ210が、RGB色空間内に提供される。ソースカラー画像データ210は、図2に示されるように、三原色成分である赤、緑、青を表わし、たとえば、PCL5データまたはPCL6データを含み得る。ソースカラー画像データ210は、まず、三原色成分であるシアン、マゼンダ,イエローを含む機器独立CMY色空間における目標色画像データ220へ変換される。色変換経路200の一部240において、RGBソースカラー画像データ210は、少なくとも1つのLUTを用いてCMY目標色画像データ220へマッピングされ、これは図3に関連して以下で示されるように、中間軸制御を有するデバイスリンク215と称される。
【0037】
CMY目標色画像データ220は、引き続いて、ハーフトーン画像データにスクリーニングされる。そして、ハーフトーン画像データは、たとえばROP3(すなわち、三色ラスタ演算)を用いて、ビットマップを含むレンダリングされたデータにレンダリングされる。レンダリングされたデータ230は、CMYおよび仮想黒色(K)の4つの色成分を含み、プリンタによって用いられて、レンダリングされたデータによって表わされるテキストまたはグラフィックスを印刷する。
【0038】
図3は、一実施形態に従う、図2の色変換経路200の一部240を示すデータフロー図であり、より特定的には、中間軸制御を有するデバイスリンク215を示す。上述のように、中間軸制御を有するデバイスリンク215は、ソースRGB色定義(たとえば、sRGBまたはアドビRGB1998)と、プリンタCMY色定義とを結合し、RGBからCMYへの色変換を実行する。RGB色空間におけるソースデータ210は、第1の多次元色域マッピング、または第1の変換LUT310に、三原色成分である赤212、緑214、および青216として適用される。第1のLUT310は、たとえば、ソース画素領域におけるソース機器色空間(RGB)の色域と、CIELAB、CIELCH、CIELUV、CIEJab、または他の機器従属輝度/クロミナンス色空間のような機器従属色空間の色域との間のマッピングを提供する、三次元LUTである。
【0039】
上述のように、および図4に示されるように、CIELABは、3つのカラー軸L*410、a*412、およびb*414を有する、多次元の機器従属色空間400である。一実施形態に従えば、縦軸L*410、または中間軸は、黒(0)と白(100)との間の中間色の範囲としての明度を表わす。水平軸a*412、b*414は互いに直角であり、それぞれの中央において中間軸410と交差する。a*軸412は赤と緑との間の色を表わし、b*軸414は黄と青との間の色を表わす。3つの軸410,412,414が交差する点416は黒を表わす。点416の上方の、a*軸412およびb*軸414がL*軸410と交差する点418は、黒と白との間の中間色、またはグレイスケールである。他の実施形態においては、中間軸410の周囲の仮想的な円筒420内、必須ではないが円筒上の他の点も、また、おおよそ中間色であり得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、中間色は、中間軸410上およびその周囲の点を含むものとして定義され得る。
【0040】
一実施形態においては、中間色は、(たとえば、黒のトナーまたは黒のインクで印刷されるような)純黒色、(たとえば、C,M,Y色の組み合わせを用いる)加工黒色、またはそれらの双方としてレンダリングされる。純黒色は中間軸410上の色を含み、加工黒色は中間軸上。および/または仮想的な円筒420内の色を含む。たとえば、加工黒色は、C=M=Yのところ(すなわち、中間軸410に沿った点)、または、C,M,Yが実質的に等しいところ(すなわち、仮想的な円筒420内部)で生成される。なぜなら、シアン、マゼンダ、イエローの等しいまたは実質的に等しい色調値が、黒に近いグレイを示すからである。
【0041】
図3を再び参照して、RGB色空間におけるソースデータ210は、第1の変換LUT310を用いて、CIELAB空間における中間データ320に変換される。変換結果は、3つの色成分L*312、a*314、b*316であり、L*は明度(たとえば、中間色)を表わし、a*およびb*は、黄色さ/青さおよび赤さ/緑さをそれぞれ表わす。
【0042】
中間データ320は、第2の多次元色域マッピング、または第2の変換LUT330に、3つの色成分L*312、a*314およびb*316として入力される。第2のLUT330は、たとえば、機器独立色空間(CIELAB)の色域と、機器従属色空間CMYの色域との間のマッピングを提供する三次元LUTであり得る。変換結果は、目標データ220の部分である、三原色成分のシアン222、マゼンダ224、およびイエロー226である。三原色成分に加えて、CMYは、三原色の等しいまたは実質的に等しい色調値を含む仮想黒色成分(仮想K)である。図4に示されるように、中間軸(L*)410付近またはそれに沿った色は、0から100の間の範囲の値によって表わされ、ここで0は黒であり100は白である。仮想黒色成分は、L*のマッピングされたプリンタCMY出力である。
【0043】
図2のカラーパス200においては、一実施形態によれば、仮想黒色成分(仮想K)は、純黒色または加工黒色としてレンダリングされ得る。加工黒色は、シアン、マゼンダ、イエローの実質的に類似の色調値が組み合わされる場合に、グレイまたは黒を示す。したがって、仮想黒色は、(加工黒色についての)CMY、または(純黒色についての)Kのみとしてレンダリングされ得る。上述のように、中間軸レンダリングは、オブジェクトベースであり得る。たとえば、ソースデータ内のテキストオブジェクトは純黒色としてレンダリングされ、一方、ベクターグラフィックオブジェクトや画像オブジェクトのようなソースデータ内の他のオブジェクトの中間色は、加工黒色としてレンダリングされ得る。
【0044】
図2を参照して、目標データ220がスクリーニングされるとともに、三原色成分のシアン232、マゼンダ234およびイエロー236と、仮想黒色成分238とを有するレンダリングされたデータ230へレンダリングされる。色変換後、仮想黒色成分238は、(たとえば、二値プリンタまたは多段階階調プリンタについて)、純黒色レンダリングについてのグレイハーフトーン、および加工黒色レンダリングについてのカラーハーフトーンに割り当てられる。たとえば、グレイハーフトーンは、1つのスクリーンだけが適用される、ドットオンドットスクリーニングを含み得る。カラーハーフトーンは、たとえば、異なる角度または異なるドット空間分布を有する複数のスクリーンが適用される、ドットオフドットスクリーニングを含む。
【0045】
レンダリングの間、グレイハーフトーン仮想黒色画素は純黒色画素に変換され、カラーハーフトーン仮想黒色画素は加工黒色画素に変換される。たとえば、レンダリングされたデータ230におけるCMYK成分は、各々、単ビットプリンタ(たとえば、白黒)またはマルチビットプリンタについて、メモリ内に二値ビットとして表わされる。各ビットをオンに設定することは、画素内にそれぞれの色成分が存在していることを表わしており、各ビットをオフに設定することはその色が存在していないことを表わしている。たとえば、目標データ220のCMYビット(すなわち、レンダリング前のデータ)がすべてオンである場合、レンダリングされたデータ230における対応する画素のKビットが純黒色についてオンにされ、レンダリングされたデータ230におけるCMYビットはオフにされる。加工黒色については、レンダリングされたデータ230におけるKビットはオフにされ、レンダリングされたデータ230におけるCMYビットはオンにされる。純黒色画素については、黒の着色剤のみが使用される。加工黒色画素については、CMY着色剤が使用されるが、追加的にまたは代替的に黒の着色剤が用いられてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、プリンタ色校正は、追加の中間軸校正が用いられる点を除いて、従来のCMYプリンタ用の校正と同様である。たとえば、いくつかのパッチ(たとえば、13から25)が、異なる公知のCMYK値を用いて印刷される。各パッチの色またはL*a*b*値が、(たとえば、光度計を用いて)測定され、かつCIELAB色空間からCMY色空間へのマッピング、またはLUT(たとえば、図3に関連して上述された第2のLUT330)を生成するために変換される。中間軸校正は、純黒色および加工黒色についての異なる仮想黒色色調値を各々が有するいくつかの追加パッチを印刷することを含む。(たとえば、0から100までの範囲における)各パッチのL*値が、(たとえば、光度計を用いて)測定される。それに応じて、LUT内にマッピングする対応するL*値が調整される。LUTにおけるカラーランピングは、校正の結果として滑らかになるはずである。
【0047】
他の実施形態においては、色変換およびPCL5またはPCL6エミュレーション用の中間軸制御は、レンダリング後に(post-rendering)実行されてもよい。この技術は、データの4つのCMYK色平面、およびデータのオブジェクト識別(tagging)平面を用いる。さらに他の実施形態においては、中間軸制御は、RGBからCMYKへのソース色変換の間に実行され、レンダリングはCMYK ROPを用いて実行される。この実施形態は、四平面表示リストを含む。
【0048】
いくつかの実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、コンピュータ読出可能媒体(たとえば、メモリ、ハードディスクなど)に記憶された指令の形式で実現され得る。コンピュータ読出可能媒体に記憶された指令は、1つまたはより多くのプロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、本明細書に記載した方法、または本明細書に記載した方法と同等の機能を有する方法を実行させる。プロセッサは、たとえば、汎用プロセッサ、市販のプリンタに典型的に設けられるような特定用途用プロセッサ、または、上述のプロセッサのうちの1つであり得る。
【0049】
いくつかの実施形態においては、複数のプロセッサが用いられてもよい。たとえば、第1のプロセッサがソースカラーデータ210を中間データ320へ変換するために用いられ、第2のプロセッサが中間データ320を目標データ220へ変換するために用いられるようにしてもよい。他の実施形態においては、第3のプロセッサが、目標データ220のレンダリングされたデータ230へのスクリーニングおよび/またはレンダリングのために用いられてもよい。
【0050】
本発明の少なくとも1つの実施形態のさまざまな局面が説明されたが、多くの変更、修正、および改善が容易になされることが、当業者には明らかである。そのような変更、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲内であることが意図される。したがって、上述の説明および図面は、単なる例示にすぎない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー印刷方法であって、
第1の機器従属色空間において表わされるソースカラーデータを受信するステップと、
少なくとも1つの画像処理装置によって、前記第1の機器従属色空間についての、機器独立色空間への第1の多次元色域マッピングを用いて、前記機器独立色空間において表わされる中間カラーデータに前記ソースカラーデータを変換するステップとを備え、
前記機器独立色空間は、中間色成分を有し、
前記方法は、
前記少なくとも1つの画像処理装置によって、前記機器独立色空間についての、第2の機器従属色空間への第2の多次元色域マッピングを用いて、前記第2の機器従属色空間において表わされる目標カラーデータへ前記中間カラーデータを変換するステップをさらに備え、
前記第2の機器従属色空間は、三原色成分と、前記三原色成分の各々と実質的に等しい色調値によって定義された仮想黒色成分とを有し、
前記第2の多次元色域マッピングは、前記機器独立色空間の前記中間色成分から、前記第2の機器従属色空間の前記仮想黒色成分へのマッピングを含む、方法。
【請求項2】
前記ソースカラーデータは、ソースベクターグラフィックオブジェクトタイプ、ソーステキストオブジェクトタイプ、およびソースラスターグラフィックオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つを表わし、
前記方法は、前記仮想黒色成分に対応するソースカラーデータについて、
前記ソーステキストオブジェクトタイプを表わす前記目標カラーデータの第1の部分を、グレイハーフトーンデータにスクリーニングするステップと、
前記第1の部分を除いた前記目標カラーデータの第2の部分をカラーハーフトーンデータにスクリーニングするステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グレイハーフトーンデータを、黒の着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの純黒色出力画素にレンダリングするステップと、
前記カラーハーフトーンデータを、少なくとも1つの黒でない着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの加工黒色出力画素にレンダリングするステップとをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ソースカラーデータは、プリンタ定義言語(printer definition language:PDL)指令を含み、
前記方法は、前記PDL指令を解釈するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記PDLは、PCL5およびPCL6のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記グレイハーフトーンデータをレンダリングするステップは、前記グレイハーフトーンデータの少なくとも一部について、三色レンダリング演算(ROP3)を実行するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カラーハーフトーンデータをレンダリングするステップは、前記カラーハーフトーンデータのうちの少なくとも一部について、前記ROP3を実行するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の複数の印刷された中間色純黒色出力画素、および第2の複数の印刷された中間色加工黒色出力画素の色調値を測定するステップと、
前記測定された色調値の各々を、予め定められた中間色色調値スケールと比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記第2の多次元色域マッピングにおいて、前記機器独立色空間の前記中間色成分から、前記第2の機器従属色空間の前記仮想黒色成分まで、前記マッピングを調整するステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の多次元色域マッピングは、第1の三次元ルックアップテーブル(LUT)を含み、
前記第2の多次元色域マッピングは、第2の三次元LUTを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の三次元LUTは、L*a*b*色空間LUTへのRGB色空間を含み、
前記第2の三次元LUTは、CMY色空間LUTへのL*a*b*色空間を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ソースカラーデータを前記中間カラーデータに変換するステップ、および前記中間カラーデータを目標カラーデータに変換するステップは、前記第1の多次元色域マッピングと前記第2の多次元色域マッピングとの連結に対応する三次元LUTにアクセスすることによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記三次元LUTは、CMY色空間LUTへのRGB色空間を含むデバイスリンクテーブルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に請求項1に従う前記方法を実行するコンピュータ実行可能指令を備える、コンピュータ読出可能媒体。
【請求項14】
カラー印刷システムであって、
第1の機器従属色空間において表わされるソースカラーデータを受信するためのソースデータ入力と、
三原色成分と、前記三原色成分の各々と実質的に等しい色調値によって定義された仮想黒色成分とを有する、第2の機器従属色空間において表わされる目標カラーデータを提供するための目標データ出力と、
前記第1の機器従属色空間の第1の多次元色域マッピングを、中間色成分を有する機器独立色空間に記憶するとともに、前記機器独立色空間の第2の多次元色域マッピングを、前記第2の機器従属色空間に記憶するためのメモリとを備え、
前記第2の多次元色域マッピングは、前記機器独立色空間の前記中間色成分から、前記第2の機器従属色空間の前記仮想黒色成分へのマッピングを含み、
前記システムは、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、各々が前記メモリに結合された第1のプロセッサおよび第2のプロセッサを含み、
前記第1のプロセッサは、前記第1の多次元色域マッピングを用いて、前記ソースカラーデータを、前記機器独立色空間において表わされる中間カラーデータに変換するように構成され、
前記第2のプロセッサは、前記第2の多次元色域マッピングを用いて、前記中間カラーデータを前記目標カラーデータに変換するように構成される、システム。
【請求項15】
前記ソースカラーデータは、ソースベクターグラフィックオブジェクトタイプ、ソーステキストオブジェクトタイプ、およびソースラスターグラフィックオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つを表わし、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに結合された第3のプロセッサをさらに含み、
前記第3のプロセッサは、前記仮想黒色成分に対応するソースカラーデータについて、
前記ソーステキストオブジェクトタイプを表わす前記目標カラーデータの第1の部分を、グレイハーフトーンデータにスクリーニングし、
前記第1の部分を除いた前記目標カラーデータの第2の部分をカラーハーフトーンデータにスクリーニングするように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第3のプロセッサは、前記グレイハーフトーンデータを、黒の着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの純黒色出力画素にレンダリングし、
前記カラーハーフトーンデータを、少なくとも1つの黒でない着色剤を用いて印刷されるように、少なくとも1つの加工黒色出力画素にレンダリングするように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに記憶されかつ前記少なくとも1つの純黒色出力画素に関連する少なくとも1つのKビットをオンにセットするとともに、前記メモリに記憶されかつ前記少なくとも1つの純黒色出力画素に関連する少なくとも1つのCMYビットをオフにリセットし、前記メモリに記憶されかつ前記少なくとも1つの加工黒色出力画素に関連する少なくとも1つのCMYビットをオンにセットするとともに、前記メモリに記憶されかつ前記少なくとも1つの加工黒色出力画素に関連する少なくとも1つのKビットをオフにリセットするように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ソースカラーデータは、プリンタ定義言語(PDL)指令を含み、
前記PDLは、PCL5およびPCL6のうちの少なくとも1つを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記PDL指令を解釈するようにさらに構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記グレイハーフトーンデータの少なくとも一部について三色レンダリング演算(ROP3)を実行するとともに、前記カラーハーフトーンデータのうちの少なくとも一部について前記ROP3を実行するようにさらに構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、第1の複数の印刷された中間色純黒色出力画素および第2の複数の印刷された中間色加工黒色出力画素の各々の測定された色調値と、予め定められた中間色色調値スケールとの間で実行される比較に基づいて、前記第2の多次元色域マッピングにおいて、前記機器独立色空間の前記中間色成分から前記第2の機器従属色空間の前記仮想黒色成分まで、前記マッピングを調整するようにさらに構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の多次元色域マッピングは、第1の三次元ルックアップテーブル(LUT)を含み、
前記第2の多次元色域マッピングは、第2の三次元LUTを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の三次元LUTは、L*a*b*色空間LUTへのRGB色空間を含み、
前記第2の三次元LUTは、CMY色空間LUTへのL*a*b*色空間を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記第1の多次元色域マッピングと前記第2の多次元色域マッピングとに対応する三次元LUTにアクセスすることによって、前記ソースカラーデータを前記中間カラーデータに変換するとともに、前記中間カラーデータを目標カラーデータに変換する、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記三次元LUTは、CMY色空間LUTへのRGB色空間を含むデバイスリンクテーブルである、請求項23に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−253774(P2012−253774A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−128179(P2012−128179)
【出願日】平成24年6月5日(2012.6.5)
【出願人】(512147299)シィ・エス・アール・テクノロジー・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CSR TECHNOLOGY INC.
【Fターム(参考)】