説明

カラー画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【目的】 2次転写の抵抗値を容易且つ正確に求め、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良および異常放電を確実に防止できるようにする。
【構成】 プロセスカートリッジ内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ、それらの抵抗値の情報を記憶したICチップ101とアンテナ102からなるICタグ100を取り付けると共に、複写機本体1にアンテナ201を搭載したICタグのリーダ/ライタ200を備え、本体制御部300のCPU301が、各ICタグ100内のICチップ101にそれぞれ記憶されている抵抗値の情報をICタグのリーダ/ライタ200によって読み込み、その各抵抗値を合計した2次転写合成抵抗値を演算し、その演算値に基づいて2次転写出力電流の目標値を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式のカラー複写機,カラープリンタ,カラーファクシミリ装置,カラー複合機等の各種カラー画像形成装置、およびそれらの装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、像担持体(感光体)に対して帯電,露光,現像,転写を含む電子写真プロセスを実行する各種プロセス機器を有するプロセスカートリッジを画像形成装置本体(装置本体)に着脱可能に備えたものがある。
このような画像形成装置においては、画像品質を維持するため、画像形成動作の開始に先立ち、電位センサ,トナー濃度センサ,トナー付着量センサ,色調センサ,トナー飛散量検知センサなど、種々のプロセス制御状態検知センサの検知結果に応じてプロセス制御(プロセスコントロール)を行っている。
【0003】
ここで、プロセスコントロールとは、例えば経時的な露光ユニットの光量低下,光学ユニットを構成する光学部品の汚れ,帯電部や転写部の出力変動,感光体の感度や残留電位等の変動などによる静電潜像の電位変動を電位センサで検知し、帯電,露光,現像,転写の各プロセスにフィードバックして各特性値を制御することにより、常に安定した画像を得ることである。
【0004】
ところで、この種の画像形成装置として、複数個の感光体(第1の像担持体)上にそれぞれ形成された各単色トナーによる単色画像を中間転写体(第2の像担持体)上に順次転写してその各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる複数個の1次転写部(1次転写手段)と、それによって中間転写体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写部(2次転写手段)と、1次転写部および2次転写部に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源部(高圧電源手段)とを一体化したプロセスカートリッジを着脱可能に備えたカラー画像形成装置がある。
【0005】
あるいは、感光体上に順次形成される各単色トナーによる単色画像を中間転写体上に順次転写してその各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる1次転写部と、それによって中間転写体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写部と、1次転写部および2次転写部に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源部とを一体化したプロセスカートリッジを着脱可能に備えたカラー画像形成装置もある。
なお、上述のような各カラー画像形成装置ではいずれも、2次転写部を、2次転写ローラと、中間転写体である中間転写ベルトを張架する複数のローラのいずれか(2次転写対向ローラ)とによって構成しているものとする。
【0006】
上述したようなカラー画像形成装置において、従来から、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良や異常放電の防止策として、プロセスコントロール時に、2次転写の出力電流と出力電圧を検出して2次転写の抵抗値を求め、その抵抗値から2次転写の出力電流の目標値を決定する技術(プロセス仕様)がある。2次転写の抵抗体としては、例えば中間転写ベルト,2次転写ローラ,2次転写対向ローラの3つがある。抵抗変動差の要因としては、各々の抵抗値のばらつきが大きく、3つの合成抵抗値の積み上げ抵抗公差が大きくなってしまう事が挙げられる。定電流制御の2次転写バイアスの場合、抵抗値が小さければ出力電圧がねらい(目標値)に対して小さくなって転写不良が、抵抗値が大きければ出力電圧がねらいに対して大きくなって異常放電がそれぞれ発生することがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した技術を利用する画像形成装置では、以下の問題がった。
すなわち、2次転写の出力電流と出力電圧を画像形成装置本体側でアナログ信号として検出するため、外来ノイズに弱く、誤検知等により正確な検出を行えない場合があり、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良および異常放電を確実に防止することができなかった。また、2次転写の出力電流と出力電圧を検出するため、高圧電源部の回路構成が複雑化し、コスト高となる。さらに、2次転写の出力電流と出力電圧の検出をプロセスコントロール時に行うため、プロセスコントロール時間が増大する。
【0008】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、2次転写の抵抗値を容易且つ正確に求め、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良および異常放電を確実に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の目的を達成するため、複数個の第1の像担持体上にそれぞれ形成された各単色トナーによる単色画像あるいは1個の第1の像担持体上に順次形成される各単色トナーによる単色画像を、1個の第2の像担持体上に順次転写して該各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる1次転写手段と、該手段によって上記第2の像担持体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写手段と、上記1次転写手段および上記2次転写手段に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源手段とを一体化したプロセスカートリッジであって、上記2次転写手段に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとから構成される電子タグ(ICタグ)を、上記第2の像担持体に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとから構成される電子タグをそれぞれ取り付けたものである。
【0010】
また、そのプロセスカートリッジを着脱可能に備えたカラー画像形成装置において、無線通信用のアンテナを搭載したリーダ/ライタと、上記プロセスカートリッジ内の上記2次転写手段および上記第2の像担持体にそれぞれ取り付けられている各電子タグのICチップに記憶されている情報を上記リーダ/ライタによって読み込む情報読込手段と、該手段によって読み込まれた情報に基づいて、上記2次転写手段および上記第2の像担持体の各抵抗値の合計値である2次転写合成抵抗値を演算する2次転写合成抵抗値演算手段とを設けたものも提供する。
なお、上記2次転写合成抵抗値演算手段によって演算された2次転写合成抵抗値に基づいて、上記2次転写手段による2次転写の出力電流の目標値を決定する目標値決定手段を設けるとよい。
【0011】
また、上記2次転写合成抵抗値演算手段によって演算された2次転写合成抵抗値が予め設定された仕様範囲外の場合に、エラー情報を表示するエラー情報表示手段を設けてもよい。
さらに、上記情報読込手段が、外部からの指示により、上記プロセスカートリッジ内の上記2次転写手段および上記第2の像担持体にそれぞれ取り付けられている各電子タグのICチップに記憶されている情報を読み込むようにすればよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、2次転写手段に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとからなる電子タグを、第2の像担持体に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとからなる電子タグをそれぞれ取り付けたので、それらの電子タグ内の情報を読み込むことにより、2次転写の抵抗値を容易且つ正確に求めることができ、その抵抗値から2次転写の出力電流(又は出力電圧)の目標値を決定することにより、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良および異常放電を確実に防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明による画像形成装置の一実施例であるカラー複写機の内部構成例を示す構成図である。
このカラー複写機は、タンデム型間接転写方式の電子写真装置であり、複写機本体(装置本体)1の下部に用紙Pを積載する複数段(この例では4段)の給紙カセット22を備えた給紙バンク(給紙部)2を、上部に原稿を自動的にコンタクトガラス31(図2)上に給送する自動原稿給送部(以下「ADF」という)3を、中央部にプリンタ部(画像形成部)20をそれぞれ配置している。なお、給紙バンク2には、必要に応じて別の給紙部を増設することも可能である。
【0014】
ADF3の手前側の複写機本体1の上面に、図示しない操作部が設けられており、そこにはコピー動作を開始するためのスタートキーや、コピー枚数等をセットするためのテンキー、両面モード(用紙の表裏両面に画像を形成するモード)を含む各種モード,用紙サイズ,コピー濃度等を選択するキー、各種の表示を行う液晶表示器などを備えている。
プリンタ部20の上方には原稿画像を読み取るスキャナ部23を、そのプリンタ部20の図2で左側には排紙トレイ(排紙収納部)24をそれぞれ設けており、その排紙トレイ24には画像形成された用紙Pが排紙収納される。
【0015】
プリンタ部20には、それぞれ表面(但し予め帯電されている)が露光されて静電潜像が形成される複数の第1の像担持体となるドラム状の感光体(以下「感光体ドラム」という)26Y,26M,26C,26K(以下総称して「感光体ドラム26」ともいう)と、その各感光体ドラム26の表面に形成された静電潜像をそれぞれ各色のトナーで可視像化して単色のトナー画像(以下「単色画像」という)を形成する各現像部63と、その各感光体ドラム26上に形成された各単色画像が順次1次転写されることによって4色重ねの合成カラー画像が形成される第2の像担持体であるドラム状の中間転写体(以下「中間転写ベルト」という)25とが設けられており、その中間転写ベルト25は矢示A方向に回動するようになっている。
【0016】
図2に示した各感光体ドラム26(26Y,26M,26C,26K)のそれぞれの回りには、その各感光体ドラム26の表面を一様に帯電処理する各帯電部62と、その各感光体ドラム26上の単色画像(可視像)を中間転写ベルト25に1次転写した後に各感光体ドラム26上に残った未転写トナー(残留トナー)を除去回収するクリーニング処理を行う各感光体クリーニング部64とをそれぞれ設けている。
このプリンタ部20の上部には、そのプリンタ部20の各感光体ドラム26上のそれぞれ露光位置(帯電面)に、それぞれ各色の画像情報に対応したレーザ光を照射してそこに静電潜像を形成する露光部7を設けている。
【0017】
また、プリンタ部20の用紙搬送上流側にレジスト部を構成するレジストローラ33を、そのプリンタ部20の用紙搬送下流側に定着部28をそれぞれ設け、そのレジストローラ33により用紙のスキュー補正を行うと共に、その用紙を感光体ドラム26上のトナー画像とタイミングをとって、中間転写ベルト25と2次転写ローラ53との間の2次転写部へ向けて給送するようにしている。そして、その2次転写部で、中間転写ベルト25上に担持した合成カラー画像を給紙バンク2内のいずれかの給紙トレイ22あるいは手差し給紙トレイ70から給紙した用紙Pに順次2次転写し、その合成カラー画像を定着部28で熱と圧力とを加えて定着する。その定着部28の下流側には、定着部28を通過した用紙を排紙トレイ24上に排出する排紙ローラ41を設けている。
【0018】
さて、いま、このカラー複写機を用いてコピーをとるときは、ユーザがADF3の原稿台上に原稿をセットする。または、ADF3を開いてスキャナ部23のコンタクトガラス31上に原稿をセットし、ADF3を閉じてそれで押さえる。
そして、操作部上のスタートキーを押すと、カラー複写機は次のような動作を行う。
すなわち、まず、ADF3の原稿台に原稿がセットされている場合には、その原稿をコンタクトガラス31上へ自動給送した後、コンタクトガラス31上に直接原稿がセットされている場合には、直ちに、スキャナ部23を駆動し、第1走行体32aおよび第2走行体を図2で左右方向に往復移動させる。
【0019】
そして、第1走行体32aで原稿照明用の光源を点灯させると共に原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体32bに向け、第2走行体32bのミラーで反射して結像レンズ34を通してCCD(読み取りセンサ)35に入れ、原稿の画像を読み取る。このとき、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の色分解光毎に光電変換され、電気的なR,G,Bの画像信号が出力される。そのRGB画像信号はデジタル化されて画像処理がなされ、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の画像信号として露光部7へ送られ、その内部のレーザダイオードのPM,PWM変調によって原稿画像に対応するレーザ光が射出される。そして、そのレーザ光により、図示しないポリゴンミラーやレンズを介して各感光体ドラム26の帯電面(帯電部62による)が露光され、そこに静電潜像が形成される。
【0020】
また、スタートキーの押下により、図示しない駆動モータによって駆動ローラ51を回転駆動して他のローラ52,53を従動回転させ、中間転写ベルト25を回動させる。同時に、プリンタ部20で各感光体ドラム26を回転させて各感光体ドラム26上の静電潜像にそれぞれ各現像部63によりY,M,C,Kの各単色トナーを付着させ、各単色のトナー画像(単色画像)を形成する。
そして、中間転写ベルト25の回動とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト25上に4色重ねの合成カラー画像を形成する。
【0021】
すなわち、最初に感光体ドラム26Y上のY画像(イエロー色の画像)を図2の矢示A方向に回動している中間転写ベルト25上に1次転写ローラ65により1次転写し、次にそのY画像が感光体ドラム26Mの位置まで移動したときに、そこにM画像(マゼンタ色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラ65により1次転写する。そのM画像を転写した部分が感光体ドラム26Cの位置まで移動したときに、そこにC画像(シアン色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラ65により1次転写し、更にそのC画像を転写した部分が感光体ドラム26Kの位置まで移動したときに、そこにK画像(ブラック色の画像)を重ね合わせて1次転写ローラ65により1次転写する。
【0022】
そして、そのY,M,C,Kの4色を重ね合わせた合成カラー画像が中間転写ベルト25の回動により、その内側に位置する2次転写ローラ53と外側に位置する2次転写対向ローラ54との間の2次転写位置まで移動すると、そのタイミングに一致するように同期がとられて給送された用紙(記録紙)に、2次転写ローラ53により一括転写する。
このように、このカラー複写機は、中間転写ベルト25が1回動して1つの合成カラー画像を形成する作像プロセスを行う。
そして、その中間転写ベルト25上の4色重ねの合成カラー画像が用紙に一括転写された後は、その中間転写ベルト25上に残留する未転写トナーが中間転写クリーニング部(ベルトクリーニング部)55により除去回収される。
【0023】
合成カラー画像が定着されて定着部28を通過した用紙は、片面モード(用紙の片面にのみ画像を形成するモード)が設定されている場合には、排紙ローラ41により排紙トレイ24に排出される。
また、両面モードが設定されている場合には、定着部28と排紙ローラ41との間の搬送経路上に設けている分岐爪43により、用紙がプリンタ部20の下側に配設している両面部29に送り込まれ、それが反転されて再びレジストローラ33に搬送され、今度は裏面(第2面)に合成カラー画像が形成された後に排紙ローラ41により排紙トレイ24上に排出される。
【0024】
一方、用紙を給送する給紙バンク2には、各給紙段ごとに給紙部4がそれぞれ設けられている。
その各給紙段の給紙部4は、用紙Pを積載する底板5と、その底板5に積載された用紙Pを同図で反時計回り方向に回転することにより給送するピックアップコロ6と、そのピックアップコロ6により給送された用紙Pが複数枚であったときにはそれを1枚に分離するフィードコロとリバースコロとからなる分離手段8とを備えている。
この給紙部4からの給送は、給紙トレイ22の底板5上に収納した未使用の用紙Pが、その底板5が上昇側に回動することにより最上位に位置する用紙がピックアップコロ6に当接する位置まで上昇し、その状態でピックアップコロ6が回転することにより給紙トレイ22から送り出される。
【0025】
そこで、用紙Pが2枚以上送り出されたときには、それが分離手段8によって1枚に分離される。そして、その用紙Pが、停止状態にあるレジストローラ33へ搬送され、そこで一旦停止されて、その先端と中間転写ベルト25上の合成カラー画像との位置関係が正確に一致するタイミングで、そのレジストローラ33が回転を開始することによりプリンタ部20に向けて搬送される。以下、上述したプロセスを経て画像形成が行われ、それが排紙トレイ24に排出される。
【0026】
このように、このカラー複写機は、原稿を走査してその画像を読み取り、その画像情報をデジタル化して用紙に画像を形成するデジタル複写機としての機能の他に、図示しない制御部により原稿の画像情報を遠隔地との間で授受するファクシミリ装置としての機能や、コンピュータが扱う画像情報を用紙上に印刷するプリンタとしての機能も有する多機能の画像形成装置である。そして、どの機能によって形成した画像も、全て一つの排紙トレイ24に排出される。
【0027】
次に、プリンタ部20について、図3を参照して具体的に説明する。
図3は、プリンタ部20の構成を詳細に示す構成図である。
プリンタ部20は、前述したように、各感光体ドラム26の回りにそれぞれ、帯電部62,現像部63,1次転写ローラ(1次転写部)65,および感光体クリーニング部64を設け、フルカラーの画像形成を行うために、各感光体ドラム26上にそれぞれ各色に対応する静電潜像を形成し、その各静電潜像にそれぞれ各色のトナーを付着してトナー画像を形成し、その各色のトナー画像を各1次転写部65によって中間転写ベルト25上に順次1次転写することにより、その中間転写ベルト25上に4色重ねの合成カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成部である。
【0028】
各帯電部62はそれぞれ、ローラ状の接触帯電部材(帯電ローラ)であり、対応する感光体ドラム26に接触して電圧を印加することによりその感光体ドラム26の表面を一様に帯電する。もちろん、ローラ状以外の接触帯電部材あるいは非接触のスコロトロンチャージャで帯電を行うこともできる。
各現像部63はそれぞれ、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブに二成分現像剤を供給付着させる攪拌部と、その現像スリーブに付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体ドラム26に転移する現像部とによって構成し、その現像部より攪拌部を低い位置とする。
【0029】
各1次転写ローラ65はそれぞれ、ローラ状の接触転写部材であり、対応する感光体ドラム26上の単色画像を中間転写ベルト25上に1次転写する。もちろん、ローラ状以外の接触転写部材あるいは非接触のスコロトロンチャージャで1次転写を行うこともできる。
各感光体クリーニング部64はそれぞれ、対応する感光体ドラム26上に残留する未転写トナーを除去回収する。
【0030】
中間転写ベルト25は、駆動ローラ51と従動ローラ52と2次転写ローラ53と間に張架され、A方向に回動可能となっている。
この中間転写ベルト25の従動ローラ52と2次転写ローラ53との間に架け渡された部分の表面上には、中間転写クリーニング部55を設けている。
また、各1次転写ローラ65,2次転写ローラ53,および中間転写クリーニング部55にはそれぞれ、高圧電源部(高圧電源手段)57が接続されている。
【0031】
2次転写ローラ53は、2次転写対向ローラ54と共に2次転写部を構成するローラ状の接触転写部材であり、中間転写ベルト25上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する。もちろん、ローラ状以外の接触転写部材あるいは非接触のスコロトロンチャージャで2次転写を行うこともできる。
中間転写体クリーニング部55は、中間転写ベルト25による画像転写後にその表面に残留する未転写トナーを除去回収する。
【0032】
高圧電源部57は、各感光体ドラム26上に形成された単色画像を中間転写ベルト25上に1次転写するために、所定のバイアス電圧を各1次転写ローラ65に印加する1次転写プロセスを行う。また、中間転写ベルト25上に形成された合成カラー画像を用紙上に2次転写するために、所定のバイアス電圧を2次転写ローラ53に印加する2次転写プロセスを行う。さらに、また、中間転写ベルト25上に残留する未転写トナーを除去するため、所定のバイアス電圧を中間転写クリーニング部55に印加する。
【0033】
ここで、高圧電源部57による1,2次転写プロセスについて、もう少し詳しく説明する。
高圧電源部57は、各感光体ドラム26上に形成された単色画像を中間転写ベルト25上に1次転写する場合、マイナス(−)極性の単色画像(トナー画像)と反極性であるプラス(+)極性のバイアス電圧を各1次転写ローラ65に印加する。それによって、各感光体ドラム26上にそれぞれ画像形成された単色画像が中間転写ベルト25の内側から引き寄せられ、その中間転写ベルト25上に転写される。
【0034】
高圧電源部57は、中間転写ベルト25上に形成された合成カラー画像を用紙上に2次転写する場合、マイナス極性の合成カラー画像と同極性であるマイナス極性のバイアス電圧を2次転写ローラ53に印加する。それによって、中間転写ベルト25上に形成された合成カラー画像が中間転写ベルト25の内側から押し出され、用紙上に転写される。つまり、この2次転写プロセスには、2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25を用いた押し出しバイアス方式を使用している。
【0035】
ところで、このカラー複写機では、プリンタ部20の一部をカートリッジ化したプロセスカートリッジ50を複写機本体1に対して着脱可能に備えている。
そのプロセスカートリッジ50は、上述した各1次転写ローラ65と、2次転写ローラ53と、中間転写体クリーニング部55と、中間転写ベルト25と、高圧電源部57とを一体化したものである。
【0036】
図1は、図3に示したプロセスカートリッジ50の要部構成例を示す斜視図である。
このプロセスカートリッジ50において、2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にはそれぞれICチップとアンテナとから構成されるICタグ(電子タグ)100を取り付けている。このICタグ100は、2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25に対して脱着可能な構成とする。そのために、ICタグ100の取り付け面に、両面テープを貼り付けることとする。
【0037】
2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54にICタグ100を取り付ける場合、それを各ローラ端部の側面部に取り付ける。中間転写ベルト25にICタグ100を取り付ける場合、それをベルトの内側に取り付ける。これらのICタグ100の取り付け場所は、ICタグ100の脱着作業による損傷から1次転写,2次転写の各転写プロセスに影響を及ぼさないことを考慮している。
【0038】
例えば、中間転写ベルト25の表面側にICタグ100を取り付けた場合、その表面には単色画像が形成されるため、ICタグ100の脱着作業による中間転写ベルト25の損傷からスジ等の画像品質に悪影響を及ぼすこととなる。
また、2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54の表面にICタグ100を取り付けた場合、その表面は2次転写プロセス用のバイアス電圧が印加されるため、ICタグ100の脱着作業による2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54の損傷から転写不良等の画像品質に悪影響を及ぼすこととなる。
【0039】
図4は、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ設けたICタグ100および複写機本体1側に設けた制御系の概略構成例を示すブロック図である。
この実施例のカラー複写機では、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25の各抵抗値の情報を複写機本体1側に転送し、その各抵抗値の情報を複写機本体1内に記憶して後述する演算が可能な構成としている。
【0040】
プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ設けているICタグ100は、ICチップ101および無線通信用のアンテナ102等によって構成されている。
ICチップ101は、不揮発性メモリを内蔵しており、そこに2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25の各抵抗値の情報がそれぞれ記憶(格納)されている。
アンテナ102は、ICチップ101に記憶されている情報を非接触式にて読み出すためのものである。
【0041】
一方、複写機本体1は、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25の各抵抗値の情報を読み込めるように、外装部外側にICタグのリーダ/ライタ200を1個設けている。
ICタグのリーダ/ライタ200は、ICタグ100のICチップ101に記憶されている情報を非接触式でリード/ライトできるように、無線通信用のアンテナ201を搭載している。
複写機本体1はまた、本体制御部300を備えている。
この本体制御部300は、CPU301,ROM302,およびRAM303等によって構成されている。
【0042】
CPU301は、ROM302に格納されたプログラムやデータに従って動作して演算処理を行うなど、カラー複写機全体を統括的に制御する中央処理装置である。このCPU301が、上記プログラムやデータに従って動作することにより、情報読込手段,2次転写合成抵抗値演算手段,目標値決定手段,およびエラー情報表示手段としての機能を果たす。
ROM302は、CPU301が実行するためのプログラムやデータを格納している読み出し専用メモリである。
RAM303は、CPU301がデータ処理等を行う際に使用するワークエリアとして使用される読み書き可能なメモリである。
【0043】
ここで、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100を複写機本体1に取り付けたリーダ/ライタ200の予め定められた非接触距離仕様範囲まで近づけることにより、その各ICタグ100内のICチップ101にそれぞれ記憶されている各抵抗値の情報を複写機本体1側の本体制御部300のCPU301がICタグのリーダ/ライタ200によって読み込むことができる。
そして、その読み取った2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25の各抵抗値の情報を順次RAM303に記憶した後、その各抵抗値の合計値である2次転写合成抵抗値を演算し、その演算した2次転写合成抵抗値に基づいて2次転写の出力電流の目標値を決定することができる。
【0044】
次に、この実施例のカラー複写機における本体制御部300のCPU301によるこの発明に係わる2次転写合成抵抗値の演算処理および2次転写の出力電流の目標値の決定処理について具体的に説明する。なお、従来の2次転写合成抵抗値の演算処理についても簡単に説明するが、その際に説明の都合上、実施例と対応する箇所は同一符号を用いることとする。
図5は、複写機本体1側の本体制御部300および高圧電源部57の構成例を示すブロック図である。なお、破線で示す2次転写出力電圧検出部は実際には存在しない。これは、従来設けられていたものであり、この実施例を従来と比較して説明するために図示している。
【0045】
高圧電源部57は、高圧の2次転写出力を行うために、昇圧回路を構成する駆動トランス351を設けている。
2次転写出力は電流基準の定電流制御方式とし、高圧電源部57内の2次転写出力電流検出部352で2次転写出力電流を検出し、駆動制御部353にフィードバックしている。
駆動制御部353は、本体制御部300より受信したPWM信号が示すPWMデューティ値(PWM DUTY)を2次転写出力電流の目標値として、フィードバックされた2次転写出力電流検出値と比較して演算を行い、電流制御を行う。
なお、従来は、2次転写出力電圧検出部354で2次転写の出力電圧を検出して、本体制御部300に2次転写出力帰還電圧としてフィードバックするようにしている。
【0046】
PWMデューティ値と2次転写出力電流値との関係の一例を図6に示す。
この図を見て分かるように、例えば、PWMデューティ値がP1〔%〕の時には2次転写出力電流値はI1〔μA〕、PWMデューティ値がP2〔%〕の時には2次転写出力電流値はI2〔μA〕、PWMデューティ値がP3〔%〕の時には2次転写出力電流値はI3〔μA〕、PWMデューティ値がP4〔%〕の時には2次転写出力電流値はI4〔μA〕といった関係になる。
【0047】
上記2次転写出力電圧と2次転写出力帰還電圧との関係の一例を図7に示す。
この図を見て分かるように、例えば、2次転写出力電圧がKV1〔KV〕の時には2次転写出力帰還電圧はV1〔V〕、2次転写出力電圧がKV2〔KV〕の時には2次転写出力帰還電圧はV2〔V〕、2次転写出力電圧がKV3〔KV〕の時には2次転写出力帰還電圧はV3〔V〕、2次転写出力電圧がKV4〔KV〕の時には2次転写出力帰還電圧はV4〔V〕といった関係になる。
【0048】
上記2次転写出力帰還電圧とPWMデューティ値と2次転写出力電流との関係の一例を図8に示す。
この図を見て分かるように、例えば、2次転写出力帰還電圧V〔V〕がV1<V<V2の範囲内の時には、PWMデューティ値はP3〔%〕,2次転写出力電流はI3〔μA〕、2次転写出力帰還電圧V〔V〕がV2<V<V3の範囲内の時にはPWMデューティ値はP2〔%〕,2次転写出力電流はI2〔μA〕、2次転写出力帰還電圧V〔V〕がV3<V<V4の範囲内の時にはPWMデューティ値はP1〔%〕,2次転写出力電流はI1〔μA〕といった関係になる。
【0049】
よって、従来のカラー複写機では、本体制御部300のCPU301が、図6〜図8に示した内容のソフトテーブルを用い、2次転写出力電流と2次転写出力電圧値との関係から2次転写の抵抗値を求め、その2次転写の抵抗値によって2次転写出力電流の目標値(PWMデューティ値)を決定する構成としている。
【0050】
それに対し、この実施例のカラー複写機では、本体制御部300のCPU301が、上述したようにICタグのリーダ/ライタ200によってプロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100のICチップ101からそれらの抵抗値の情報を直接読み込み、その各抵抗値の合計値である2次転写合成抵抗値を演算(算出)し、その演算した2次転写合成抵抗値に基づいて2次転写出力電流の目標値(PWMデューティ値)を決定する構成としている。
【0051】
この場合の2次転写合成抵抗値とPWMデューティ値と2次転写出力電流との関係の一例を図9に示す。
この図を見て分かるように、例えば、2次転写合成抵抗値R〔MΩ〕がR1<R<R2の範囲内の時にはPWMデューティ値はP3〔%〕,2次転写出力電流はI3〔μA〕、2次転写合成抵抗値R〔MΩ〕がR2<R<R3の範囲内の時にはPWMデューティ値はP2〔%〕,2次転写出力電流はI2〔μA〕、2次転写合成抵抗値R〔MΩ〕がR3<R<R4の範囲内の時にはPWMデューティ値はP1〔%〕,2次転写出力電流はI1〔μA〕といった関係になる。
【0052】
よって、この実施例のカラー複写機では、本体制御部300のCPU301が、2次転写合成抵抗値を演算した後、図9に示した内容のソフトテーブル(ROM302に予め記憶されている)を用い、その2次転写合成抵抗値から2次転写出力電流の目標値(PWMデューティ値)を決定することができる。
【0053】
ところで、本体制御部300のCPU301は、演算した2次転写合成抵抗値が予め設定された仕様範囲外の場合には、2次転写出力を禁止し、図示しない操作部上にエラー情報を表示する。
例えば、演算した2次転写合成抵抗値RがR<R1,R>R4の場合には、図9に示すように、2次転写出力電流の目標値(PWMデューティ値)を0〔%〕固定として2次転写出力を禁止し、2次転写合成抵抗値が仕様範囲外である旨、あるいは2次転写合成抵抗値が仕様範囲外のため2次転写出力を禁止した旨等を知らせるエラー情報を操作部上に表示する。
【0054】
ここで、2次転写出力は定電流制御のため、演算した2次転写合成抵抗値RがR<R1の時には、2次転写の出力電圧が低下するため、転写不良等により画像品質に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。また、演算した2次転写合成抵抗値RがR>R4の時には、2次転写の出力電圧が大きくなるため、異常放電等によって画像品質に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
【0055】
次に、この実施例のカラー複写機における本体制御部300のCPU301によるこの発明に係わる2次転写出力値決定処理について説明するが、その前に従来の2次転写出力値決定処理について説明する。なお、説明の都合上、実施例と対応する箇所は同一符号を用いることとする。
【0056】
図10は、この実施例のカラー複写機における本体制御部300のCPU301によるこの発明に係わる2次転写出力値決定処理を従来の2次転写出力値決定処理と比較して説明するためのフローチャートである。つまり、図10の(a)に従来の2次転写出力値決定処理のプロセスを、図10の(b)にこの発明に係わる2次転写電流値決定処理のプロセスを示している。
【0057】
本体制御部300のCPU301は、従来、プロセスコントロールが開始すると、図10の(a)に示す2次転写出力値決定処理のプロセスを開始し、まず2次転写電流の値(2次転写出力値)をI2〔μA〕として2次転写出力を開始し、2次転写の出力帰還電圧のサンプリング(検出)を開始する。このサンプリングは、所定のサンプル周期にて繰り返し行う。そして、サンプリングした値の平均値を2次転写出力帰還電圧値とし、それと現在の2次転写出力値(2次転写電流の値)との関係から2次転写の抵抗値を演算し、次の所定のタイミングまでの2次転写出力電流の目標値を決定する。その後、2次転写出力を停止し、中間転写ベルト25の駆動も停止する。
【0058】
一方、この実施例では、操作部(外部)からの指示により、図10の(b)に示す2次転写出力値決定処理のプロセスを開始し、まずICタグのリーダ/ライタ200をリードモードにし、そのリーダ/ライタ200によってプロセスカートリッジ50内の中間転写ベルト25,2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100のICチップ101からそれらの抵抗値の情報を順次読み込んで(リードして)RAM303に記憶した後、ICタグのリーダ/ライタ200のリードモードを解除し、その各抵抗値の合計値である2次転写合成抵抗値を演算し、その演算した2次転写合成抵抗値から2次転写出力電流の目標値(PWMデューティ値)を決定する。なお、図の(b)では、図示が省略されているが、演算した2次転写合成抵抗値が予め設定された仕様範囲外の場合には、2次転写出力を禁止し、操作部上にエラー情報を表示する。
【0059】
ここで、上記指示は、例えば作業者による機械(カラー複写機)の組み立て時に、その作業者による操作部上の操作によってなされる。
あるいは、プロセスカートリッジの交換時に図10の(b)に示した2次転写出力値決定処理のプロセスを自動的に開始するようにしてもよい。プロセスカートリッジの交換は、例えばプロセスカートリッジ50の取り付け時に変化する信号(例えばプロセスカートリッジ50の着脱を行うのに必要なドアが閉じ、それが図示しないセンサによって検知されると、その出力信号が変化する)によって認識すればよい。
【0060】
このように、この実施例によれば、プロセスカートリッジ50内の2次転写部を構成する2次転写ローラ53および2次転写対向ローラ54と中間転写ベルト25にそれぞれ、それらの抵抗値の情報を記憶したICチップ101と無線通信用のアンテナ102とから構成されるICタグ100を取り付けると共に、複写機本体1に無線通信用のアンテナ201を搭載したICタグのリーダ/ライタ200を備え、複写機本体1内の本体制御部300のCPU301が、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,および中間転写ベルト25にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100内のICチップ101に記憶されている抵抗値の情報をICタグのリーダ/ライタ200によって読み込むことにより、2次転写の抵抗値を部品レベルで容易且つ正確に確認できる。
【0061】
そして、読み込んだ2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,および中間転写ベルト25の各抵抗値の情報に基づいて、その各抵抗値を合計した2次転写合成抵抗値を演算し、その演算した2次転写合成抵抗値に基づいて2次転写出力電流の目標値を決定することにより、2次転写の抵抗変動差から起きる2次転写不良および異常放電を確実に防止することが可能になる。
また、高圧電源部57に、図5に破線で示した2次転写出力帰還電圧フィードバック用の2次転写出力電圧検出部354を備える必要がなくなるため、高圧電源部57の回路構成が簡素化し、高圧電源部57のコストダウンを実現できる。
【0062】
さらに、複写機本体1内の本体制御部300のCPU301が、演算した2次転写合成抵抗値が予め設定された仕様範囲外の場合に、その旨を知らせるエラー情報を操作部上に表示することにより、作業者あるいはユーザが直ちに新たなプロセスカートリッジを用意し、プロセスカートリッジの交換を行うことができる。。
さらにまた、複写機本体1内の本体制御部300のCPU301が、操作部(複写機本体1に接続可能なパーソナルコンピュータ等の外部装置でもよい)からの指示により、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,および中間転写ベルト25にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100内のICチップ101に記憶されている抵抗値の情報をICタグのリーダ/ライタ200によって読み込み、2次転写合成抵抗値の演算および2次転写出力電流の目標値の決定を行うことにより、プロセスコントロール時間が増大せずに済み、結果的にコピー動作(画像形成動作)に要する時間を短縮することができる。
【0063】
なお、複写機本体1内の本体制御部300のCPU301が、プロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,および中間転写ベルト25にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100内のICチップ101に記憶されている抵抗値の情報を、リーダ/ライタ以外の通信機器を使用して読み込むことも可能である。
また、この実施例では、プロセスカートリッジ50内の2次転写部を2次転写ローラ53と2次転写対向ローラ54とによって構成したため、その2次転写ローラ53と2次転写対向ローラ54にそれぞれ取り付けられている各ICタグ100内のICチップ101に記憶されている抵抗値の情報を読み込む必要があるが、2次転写部を1個の2次転写ローラ等の2次転写部材によって構成し、それに取り付けたICタグ内のICチップに記憶されている抵抗値の情報を読み込むようにしてもよい。
【0064】
以上、この発明を、複数個の感光体ドラム(第1の像担持体)上にそれぞれ形成された各単色トナーによる単色画像を1個の中間転写ベルト(第2の像担持体)上に順次転写してその各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる複数個の1次転写部と、それによって中間転写ベルト上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写部と、1次転写部および2次転写部に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源部57とを一体化したプロセスカートリッジ、およびそれを着脱可能に備えたカラー複写機に適用した実施例について説明したが、この発明はこれに限らない。
【0065】
例えば、複数個のドラム状又はベルト状感光体等の像担持体(第1の像担持体)上にそれぞれ形成された各単色トナーによる単色画像を1個のベルト状又はドラム状中間転写体(第2の像担持体)上に順次転写してその各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる複数個の1次転写部と、それによって中間転写体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写部と、1次転写部および2次転写部に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源部57とを一体化したプロセスカートリッジ、およびそれを着脱可能に備えたカラー複写機,カラープリンタ,カラーファクシミリ装置,カラー複合機等のカラー画像形成装置に、この発明を適用することができる。
【0066】
あるいは、1個のドラム状又はベルト状感光体等の像担持体(第1の像担持体)上に順次形成される各単色トナーによる単色画像を1個のベルト状又はドラム状中間転写体(第2の像担持体)上に順次転写してその各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる1個の1次転写部と、それによって中間転写体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写部と、1次転写部および2次転写部に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源部57とを一体化したプロセスカートリッジ、およびそれを着脱可能に備えたカラー複写機,カラープリンタ,カラーファクシミリ装置,カラー複合機等のカラー画像形成装置にも、この発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明は、電子写真方式のカラー複写機,カラープリンタ,カラーファクシミリ装置,カラー複合機等の各種カラー画像形成装置、およびそれらの装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図3に示したプロセスカートリッジ50の要部構成例を示す斜視図である。
【図2】この発明による画像形成装置の一実施例であるカラー複写機の内部構成例を示す構成図である。
【図3】図2に示したプリンタ部20の構成を詳細に示す構成図である。
【図4】図3に示したプロセスカートリッジ50内の2次転写ローラ53,2次転写対向ローラ54,中間転写ベルト25にそれぞれ設けたICタグおよび複写機本体側に設けた制御系の概略構成例を示すブロック図である。
【0069】
【図5】図2に示した複写機本体1側の本体制御部および高圧電源部の構成例を示すブロック図である。
【図6】PWMデューティ値と2次転写出力電流値との関係の一例を示す線図である。
【図7】2次転写出力電圧と2次転写出力帰還電圧との関係の一例を示す線図である。
【図8】2次転写出力帰還電圧とPWMデューティ値と2次転写出力電流との関係の一例を示す図である。
【0070】
【図9】2次転写合成抵抗値とPWMデューティ値と2次転写出力電流との関係の一例を示す図である
【図10】図4のCPU301によるこの発明に係わる2次転写出力値決定処理を従来の2次転写出力値決定処理と比較して説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0071】
1:複写機本体 20:プリンタ部 25:中間転写ベルト 26:感光体ドラム 50:プロセスカートリッジ 53:2次転写ローラ 54:2次転写対向ローラ 57:高圧電源部 62:帯電部 65:1次転写ローラ
100:ICタグ 101:ICチップ 102,201:アンテナ 200:ICタグのリーダ/ライタ 300:本体制御部 301:CPU 302:ROM 303:RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の第1の像担持体上にそれぞれ形成された各単色トナーによる単色画像あるいは1個の第1の像担持体上に順次形成される各単色トナーによる単色画像を、1個の第2の像担持体上に順次転写して該各単色画像を重ね合わせた合成カラー画像を形成させる1次転写手段と、該手段によって前記第2の像担持体上に形成された合成カラー画像を用紙上に一括転写する2次転写手段と、前記1次転写手段および前記2次転写手段に所定のバイアス電圧を印加する高圧電源手段とを一体化したプロセスカートリッジであって、
前記2次転写手段に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとから構成される電子タグを、前記第2の像担持体に、その抵抗値の情報を記憶したICチップと無線通信用のアンテナとから構成される電子タグをそれぞれ取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスカートリッジを着脱可能に備えたカラー画像形成装置において、
無線通信用のアンテナを搭載したリーダ/ライタと、
前記プロセスカートリッジ内の前記2次転写手段および前記第2の像担持体にそれぞれ取り付けられている各電子タグのICチップに記憶されている情報を前記リーダ/ライタによって読み込む情報読込手段と、
該手段によって読み込まれた情報に基づいて、前記2次転写手段および前記第2の像担持体の各抵抗値の合計値である2次転写合成抵抗値を演算する2次転写合成抵抗値演算手段と
を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載のカラー画像形成装置において、
前記2次転写合成抵抗値演算手段によって演算された2次転写合成抵抗値に基づいて、前記2次転写手段による2次転写の出力電流の目標値を決定する目標値決定手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項4】
請求項2記載のカラー画像形成装置において、
前記2次転写合成抵抗値演算手段によって演算された2次転写合成抵抗値が予め設定された仕様範囲外の場合に、エラー情報を表示するエラー情報表示手段を設けたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載のカラー画像形成装置において、
前記情報読込手段は、外部からの指示により、前記プロセスカートリッジ内の前記2次転写手段および前記第2の像担持体にそれぞれ取り付けられている各電子タグのICチップに記憶されている情報を読み込むことを特徴とするカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−11303(P2006−11303A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191976(P2004−191976)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】