説明

カラー画像形成装置

【課題】
現像器駆動時の動作音を低減したカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】
感光体に対して複数の現像器を有するカラー画像形成装置において、複数の現像器を駆動する単一のモータと複数の駆動伝達手段とを備えた駆動手段を複数個設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現像器を駆動する駆動手段において、モータとギアによって現像ローラを回転させているが、カラー画像形成装置では複数の現像器を動かす必要がある。個々の現像器を動かすために全ての現像器に1つずつモータをつける方法もあるが、低価格な装置にするため、現像器の数よりも少ないモータ数で構成されている。1つのモータに対して複数の現像器を駆動するために、複数のクラッチを用いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高速のカラー画像形成装置ではモータを高速回転させる必要があり、高回転でクラッチをON/OFFさせる必要がある。これによりクラッチの滑りが発生し、異音を発生したり、画像ムラを発生したりする。また、スイッチングにより現像器を駆動するので、現像器の駆動時に衝突音が発生し、騒音の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、感光体に対して複数の現像器を有するカラー画像形成装置において、複数の現像器を駆動する単一のモータと複数の駆動伝達手段とを備えた駆動手段を、複数個有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、現像器駆動時の動作音を低減したカラー画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例の現像器駆動装置を用いた画像形成装置1の側面図である。この装置は、中間転写体2を4回転させ、4色の画像をかさね合わせてカラー画像の形成が可能なカラーレーザプリンタである。
【0007】
以下に装置1内に配置される各ユニットについて説明する。装置中央部に中間転写体2が配置されており、中間転写体2の周辺には、感光体3、転写装置4が配置されている。また、感光体3の周辺には、帯電器5が配置されている。4色の異なる色の微少着色粉体であるトナーを封入した現像器6K、6Y、6M、6Cが重ねられて配置されており、その下方には露光手段7、また更にその下方には用紙を溜めておく用紙保持手段8、用紙供給装置9が配置されている。
【0008】
画像形成装置上部には、定着装置10が配置されている。このような構成において、帯電器5は感光体3の表面を一様に帯電させる。次にパソコン、イメージスキャナ等による画像、文字の情報を露光装置7によりドット単位で露光が行われ、感光体3の表面に静電潜像を形成させる。
【0009】
その後、静電潜像は、現像装置6K、6Y、6M、6Cのいずれかによりトナーが供給、現像されることにより、トナー像として可視化され、第一転写位置T1へ搬送される。第一転写位置T1では、図示しない電源から供給される感光体3と中間転写体2との電位差により、トナー像が中間転写体2の表面へ転写される。上記工程を各現像装置6K〜6Cにより必要数繰返すことにより、中間転写体2の表面には、画像、文字の情報に見合うトナー像が形成される。
【0010】
その後、トナー像は第二転写位置T2で転写装置4によって、用紙供給装置9により用紙保持手段8から供給された用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、定着装置10に運ばれ、トナー像を用紙に定着し、図示しない用紙排出装置にて排出される。
【0011】
現像器駆動モータ11、12に対して2系統のギア列を有しており、それぞれ途中のギアにはワンウェイクラッチを有している。現像器駆動モータの回転方向に応じて、いずれかのワンウェイクラッチのみが動作し、現像器側のギア13〜16に駆動を伝達する現像器駆動ギア17〜20が同一方向に回転するように構成する。これを実現するために上記ギアの一系統に奇数個のアイドラギア21、22を追加する。例えば現像器6Mと現像器6Cが一つの現像器駆動モータ12によって駆動されている場合、モータが正回転で現像器6Mを駆動することができ、モータが逆回転で現像器6Cを駆動することができる。
【0012】
次に現像器駆動モータが2つの現像器を駆動する仕組みについて説明する。図2は、本発明の実施例の現像駆動装置におけるDCモータ回転数及び回転方向と時間の関係を示す図である。第1の現像器を感光体3に押し付ける時は、現像器駆動モータを正回転で低速度回転させ、感光体3に対する衝撃を抑える。第1の現像器を感光体3に押し付けた後、現像ロールを回転駆動させる時は、現像器駆動モータを高速回転させる。第1の現像器を感光体3から退避させる時は、現像器駆動モータの回転を止める。
【0013】
しかし、現像器駆動モータの回転を止めただけでは、第1の現像器が感光体3から退避できない場合がある。そのため、現像器駆動モータを微小に逆回転させ、第1の現像器を退避させる。同様に第2の現像器を感光体3に押し付ける時は、現像器駆動モータを逆回転で低速度回転させ、感光体3に対する衝撃を抑える。第2の現像器を感光体3に押し付けた後、現像ロールを回転駆動させる時は、現像器駆動モータを逆回転で高速回転させる。
【0014】
第2の現像器を感光体3から退避させる時は、現像器駆動モータの回転を止め、現像器駆動モータを微小に正回転させ、現像器を退避させる。この動作を複数回行うことで、多色のトナーを用紙上に重ね、カラー画像を形成することができる。
【0015】
現像器駆動モータは通常DCモータが使われる。本発明の場合、正回転と逆回転が可能なモータを用いる。上記モータは回転状態を把握できるものが好ましく、エンコーダなどの回転パルスを検知できるものを使用し、回転を制御する。
【0016】
上記DCモータでは、DCモータに印加する電圧を変えることにより速度を変化させることができる。具体的には負荷条件を変えて電圧波高値を変える場合(PAM)や、電圧パルス幅を変えた場合(PWM)などがあるが、どちらを用いてもよい。
【0017】
本発明の別の実施例として、上記DCモータの代わりにパルスモータであるステッピングモータを用いてもよい。図3は、実施例2の現像器駆動装置における単位時間当たりにモータに入力するパルス数(pps)及びモータ回転方向と時間の関係を示す図である。
【0018】
第1の現像器を感光体3に押し付ける時は、現像器駆動モータの回転方向を正回転、モータに入力するパルス数を徐々に上げ、速度の変化を緩やかにすることにより感光体3に対する衝撃を抑える。第1の現像器を感光体3に押し付けた後、現像ロールを回転駆動させる時は、現像器駆動モータを高速回転させる。第1の現像器を感光体3から退避させる時は、現像器駆動モータの回転を止める。
【0019】
しかし、現像器駆動モータの回転を止めただけでは、第1の現像器が感光体3から退避できない場合がある。そのため、現像器駆動モータを微小に逆回転させ、第1の現像器を退避させる。同様に第2の現像器を感光体3に押し付ける時は、現像器駆動モータの回転方向を逆回転、モータに入力するパルス数を徐々に上げ、速度の変化を緩やかにすることにより感光体3に対する衝撃を抑える。第2の現像器を感光体3に押し付けた後、現像ロールを回転駆動させる時は、現像器駆動モータを逆回転で高速回転させる。
【0020】
第2の現像器を感光体3から退避させる時は、現像器駆動モータの回転を止め、現像器駆動モータを微小に正回転させ、現像器を退避させる。このようにステッピングモータはパルスの数及びステップ状態、発振周波数を変化させることによりモータの回転方向及び回転速度を制御できるので、適切な現像器の変位、さらに現像器の駆動速度を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の画像形成装置の断面側面図である。
【図2】本発明のDCモータの回転数及び回転方向と時間の関係を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 画像形成装置
2 中間転写体
3 感光体
4 転写装置
5 帯電器
6K、6Y、6M、6C 現像器
7 露光装置
8 用紙保持手段
9 用紙供給装置
10 定着器
11、12 現像器駆動モータ
13、14、15、16 現像器側のギア
17、18、19、20 現像器駆動ギア
21、22 アイドラギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に対して複数の現像器を有するカラー画像形成装置において、複数の現像器を駆動する単一のモータと複数の駆動伝達手段とを備えた駆動手段を、複数個有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動伝達手段はワンウェイクラッチであり、モータの回転方向によりいずれかのワンウェイクラッチを駆動することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記モータは速度可変のモータであることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記モータがステッピングモータであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−251518(P2006−251518A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−69592(P2005−69592)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】