説明

カラー画像形成装置

【課題】カラー画像形成用の画像情報の書き込み及び読み出し制御を工夫して、SDRAM等の記憶手段を高速にアクセスできるようにすると共に、カラー画像を高速に形成できるようにする。
【解決手段】画像形成ユニット毎に遅延量が設定されて画像データを記憶するドラム間遅延用のラインメモリ部31と、主走査有効画像領域のみの画像データをラインメモリ部31へ書き込み及び、当該ラインメモリ部31からLEDヘッド32等へ画像データの読み出しを実行すると共に、画像データの読み出し及び画像データの書き込みを実行していない期間にラインメモリ部31のリフレッシュ処理を実行する制御部15とを備える。従って、画像データの読み出し及び画像データの書き込みを交互に実行する間にリフレッシュ処理を挿入する場合に比べて、SDRAM等のラインメモリ部31と制御部15との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、感光体ドラムに色画像を形成する画像形成ユニットが作像色毎に設けられ、各々の画像形成ユニットで形成された色画像を像担持体上で重ね合わせるタンデム方式のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等に適用して好適なカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タンデム方式のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等が使用される場合が多くなってきた。この種のカラー画像形成装置によれば、カラー画像のR(赤)色、G(緑)色、B(青)色を再現する場合に、例えば、ライン状にLED光源を配置し、感光体ドラムにライン単位に一括露光するLPH(LED Print Head)ユニットを各作像色毎に備え、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の各色のトナー像を各作像色用の感光体ドラムで形成し、各色用の感光体ドラムで形成された各色のトナー像を中間転写ベルト上で重ね合わせるようになされる。中間転写ベルト上で重ね合わされたカラートナー像は、所望の用紙に転写され、その後、定着処理されて排出される。
【0003】
このようなタンデム方式のカラー画像形成装置によれば、各色のトナー像を中間転写ベルト上で再現性良く重ね合わせるために、一方の色用の感光体ドラムと他方の色用の感光体ドラムとの間の距離分に応じて設定される遅延量を考慮した書き込み制御方法を採っている。この書き込み制御方法によれば、Y,M,C,BK色の各作像色毎に、ラインメモリとして機能可能なSDRAM等の記憶装置を設け、各色用のSDRAMに対して、同時ライトタイミングで、カラー画像形成用の画像データのライト動作を実施している。
【0004】
また、ラインメモリとしてのSDRAMからデータを読み出す際に、ドラム間距離に応じたライン遅延量を加算したリードアクセスタイミング信号を生成し、このリードアクセスタイミング信号で、各色用のSDRAMから当該作像色の画像データのリード動作を実施している。
【0005】
このライン遅延量を加算したリードアクセスタイミング信号によるSDRAMのアクセス方法によれば、プリチャージ(PRE)コマンド→アクティブ(ACT)コマンド→ライト(WRITE)コマンド→PREコマンド→ACTコマンド→リード(READ)コマンド等を順に発行し、これらのコマンド発行を繰り返すことにより、異なったバンクやロウアドレス等で画像データの書き込みや読み出し処理に対処するようにしている。
【0006】
READコマンド(リード動作)及びWRITEコマンド(ライト動作)の間でPREコマンド及びACTコマンドを発行するのは、SDRAMをドラム間遅延制御に用いた場合、リードアドレスとライトアドレスのバンク又はロウアドレスが異なってくるためである。なお、SDRAM等の記憶装置においては、リフレッシュ動作が必要となることは周知である。リフレッシュ動作とは、SDRAM等においてデータ消失防止のために定期的に電荷を与えてデータを書き込みし直す動作をいう。
【0007】
この種のライン遅延量(メモリ読み出し遅延制御)を取り扱う装置に関連して特許文献1には、遅延回路が開示されている。この遅延回路によれば、遅延時間設定手段、計数手段、比較手段及びDRAM記憶手段を備え、遅延時間設定手段は、遅延時間を設定し、設定した遅延時間に対応する第1の信号を出力する。計数手段は、クロック信号を計数し、その計数値に対応する第2の信号を出力する。比較手段は、第1及び第2の信号を比較して両信号が所定の関係になったとき、計数手段をリセットする。DRAM記憶手段が第2の信号に応じたアドレスを読み出した後、同一のアドレスに新たなデータを書き込む操作を行って任意のビット単位で遅延時間を得るようにした。このように遅延回路を構成すると、広範囲な遅延時間が設定できるというものである。
【0008】
【特許文献1】特許第2641329号 (第4頁 図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、リフレッシュ動作を備えたSDRAM等を実装したタンデム方式のカラー画像形成装置によれば、次のような問題がある。
【0010】
i.近年のカラー画像形成装置の処理クロックの高速化に伴い、SDRAMアクセス時の動作周波数の高速化が必要となってきている。DDR SDRAM等のような高速メモリも市販されているが、メモリクロックの高周波化(高速化)が要求され、しかも、上述した同様のメモリアクセス方式を採ると、PREコマンドやACTコマンド等がライト動作及びリード動作間に必ず入り込み、タンデム方式のカラー画像形成装置で目的とするSDRAMアクセスの高速化が期待できないという問題がある。
【0011】
ii.上述のメモリアクセス方式によれば、SDRAMと制御系との間で、常に、画像データの書き込み及び読み出しを実行するため、画像データの書き込み及び読み出しを交互に実行している間に、リフレッシュ動作を挿入しなければならない。因みにリード動作又はライト動作が行われる主走査有効画像領域内で、リフレッシュ動作を挿入する動作期間が設定されると、リフレッシュ動作の終了を待って、リード動作又はライト動作に移行することとなり、SDRAMと制御系との間のアクセス速度が大幅に低下してしまう。従って、高速にSDRAM等の記憶装置とアクセスすることが困難となる。
【0012】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、カラー画像形成用の画像情報の書き込み及び読み出し制御を工夫して、SDRAM等の記憶手段を高速にアクセスできるようにすると共に、カラー画像を高速に形成できるようにしたカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に係るカラー画像形成装置は、回転軸を有した感光体ドラムに画像情報に基づく色画像を形成する画像形成ユニットが作像色毎に設けられ、各々の前記画像形成ユニットで形成された色画像を像担持体上で重ね合わせるタンデム方式のカラー画像形成装置において、前記画像形成ユニット毎に遅延量が設定されて前記画像情報を記憶するドラム間遅延用の記憶手段と、前記感光体ドラムの回転軸に沿った方向を主走査方向とし、当該主走査方向の画像書き込みを規制する領域を主走査有効画像領域として、当該主走査有効画像領域のみの前記画像情報を前記記憶手段へ書き込み及び、当該記憶手段から前記画像形成ユニットへ画像情報の読み出しを実行すると共に、前記画像情報の読み出し及び書き込みを実行していない期間に前記記憶手段のリフレッシュ処理を実行する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1に係るカラー画像形成装置によれば、ドラム間遅延用の記憶手段には、画像形成ユニット毎に遅延量が設定されて画像情報が記憶される。これを前提にして、制御手段は、主走査有効画像領域のみの画像情報を記憶手段へ書き込み及び、当該記憶手段から画像形成ユニットへ画像情報の読み出しを実行すると共に、画像情報の読み出し及び書き込みを実行していない期間に記憶手段のリフレッシュ処理を実行する。従って、画像情報の読み出し及び書き込みを交互に実行する間にリフレッシュ処理を挿入する場合に比べて、SDRAM等の記憶手段と制御手段との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。
【0015】
請求項2に係るカラー画像形成装置は、請求項1において、前記制御手段は、前記記憶手段から前記画像形成ユニットへ読み出した画像情報のアドレスにアクセスして、当該アドレスに次の画像情報を書き込むメモリ制御を実行することを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に係るカラー画像形成装置は、請求項2において、前記画像形成ユニットには、前記感光体ドラムに対向してライン状にLED光源が配置され、ライン単位に画像情報に基づく一括露光が可能なLPH(LED Print Head)ユニットが備えられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係るカラー画像形成装置によれば、画像情報の書き込み及び読み出しを制御する制御手段を備え、この制御手段は、主走査有効画像領域のみの画像情報を記憶手段へ書き込み及び、当該記憶手段から画像情報の読み出しを実行すると共に、画像情報の読み出し及び書き込みを実行していない期間に記憶手段のリフレッシュ処理を実行するものである。
【0018】
この構成によって、画像情報の読み出し及び書き込みを交互に実行する間に、リフレッシュ処理を挿入する場合に比べて、SDRAM等の記憶手段と制御手段との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。これにより、画像情報に基づく色画像を高速に感光体ドラムに形成できるようになるので、動作周波数の格上げや、次期高速DRAMに依存することなく、カラー画像処理の高速化を図ることができる。
【0019】
請求項2に係るカラー画像形成装置によれば、制御手段が記憶手段から画像形成ユニットへ読み出した画像情報のアドレスにアクセスして、当該アドレスに次の画像情報を書き込むメモリ制御(アドレス追跡アクセス方式)を実行するので、画像情報の書き込み動作と読み出し動作の間からPREコマンドやACTコマンド等を省略できるようになり、PREコマンド→ACTコマンド→WRITEコマンド→PREコマンド→ACTコマンド→READコマンドを順に繰り返すSDRAMアクセス方式に比べて、SDRAM等の記憶手段と制御手段との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。
【0020】
請求項3に係るカラー画像形成装置によれば、画像形成ユニットにはLPHユニットが備えられるので、画像情報に基づく色画像を高速に感光体ドラムに形成できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカラー画像形成装置について説明をする。
図1は本発明の実施形態としてのカラープリンタ100の構成例を示す概念図である。図1に示すカラープリンタ100は、タンデム方式のカラー画像形成装置の一例を構成し、作像色毎に画像形成ユニットが設けられ、各々の画像形成ユニットで画像データDin(画像情報)に基づいて形成された色画像を中間転写ベルト6(像担持体)上で色を重ね合わせるものである。画像データDinは、パーソナルコンピュータ等の外部装置から当該カラープリンタ100へ供給され、画像形成部80へ転送される。
【0022】
画像形成部80は、イエロー(Y)色用の感光体ドラム1Yを有する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色用の感光体ドラム1Mを有する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色用の感光体ドラム1Cを有する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色用の感光体ドラム1Kを有する画像形成ユニット10Kと、無終端状の中間転写ベルト6とを備えて構成される。
【0023】
画像形成部80では、当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎に作像処理するようになされ、各色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー像が中間転写ベルト6上で重ね合わされ、色画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kや中間転写ベルト6は像担持体の一例を構成する。
【0024】
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電器2Y、LPHユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して、イエロー(Y)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Yは回転軸を有して、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のトナー像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
【0025】
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙(対向)して、ライン状のレーザ光源(LED素子)が配置され、ライン単位に画像データDout=Wyに基づく一括露光が可能なLPH(LED Print Head)ユニット3Yが配設される。LPHユニット3Yは、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したレーザ光を一括照射するようになされる。このようなLPHユニット3Yを備えることで、感光体ドラム1Yに画像データDout=Wyに基づくY色画像を高速に形成できるようになる。
【0026】
LPHユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
【0027】
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により静電潜像を現像するようになされる。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書き込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
【0028】
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、LPHユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、LPHユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
【0029】
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、LPHユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM、C、Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。
【0030】
上述の1次転写ローラ7Y等には、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。中間転写ベルト6は、1次転写ローラ7Y等によって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)を形成する。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6に形成されたカラートナー像を用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。2次転写ローラ7Aには前回の転写で2次転写ローラ7Aに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
【0031】
この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成できるようになる。
【0032】
カラープリンタ100には画像形成部80の他に、用紙給紙部20及び、定着装置17を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙給紙部20が設けられ、図示しない複数の給紙トレイを有して構成される。各々の給紙トレイ内には所定のサイズの用紙Pが収容される。用紙給紙部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A、22C、ループローラ22B、レジストローラ23等が設けられる。例えば、レジストローラ23は、用紙給紙部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写ローラ7Aの手前で保持し、画像タイミングに合わせて2次転写ローラ7Aへ送り出すようになされる。2次転写ローラ7Aは、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写するようになされる。
【0033】
上述の2次転写ローラ7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、図示しない定着ローラ、加圧ローラ、加熱(IH)ヒータや、定着クリニーグ部17A等を有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。定着クリニーグ部17Aは、前回の定着で定着ローラ等に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
【0034】
この例で、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kには、制御手段の一例を構成する制御部15が接続され、LPHユニット3Yの入出力を制御して感光体ドラム1Yへの画像データWyの書き込みタイミングを制御するようになされる。同様にして、制御部15は、LPHユニット3Mの入出力を制御して感光体ドラム1Mへの画像データWmの書き込みタイミングを制御し、LPHユニット3Cの入出力を制御して感光体ドラム1Cへの画像データWcの書き込みタイミングを制御し、制御部15は、LPHユニット3Kの入出力を制御して感光体ドラム1Kへの画像データWkの書き込みタイミングを制御するようになされる(図3参照)。
【0035】
図2は、画像形成部80におけるLPHユニット3Y等の配置例を示す斜視図である。図2に示す画像形成部80には例えば、Y色用のLPHユニット3Yが設けられ、Y色のカラー画像が形成される。LPHユニット3Yは感光体ドラム1Yに対峙して配置され、感光体ドラム1Yの主走査方向に沿ってライン状に配置された複数のLED光源(以下LEDヘッド32ともいう:図3参照)を有しており、当該感光体ドラム1Yに対してY色用の画像データWyに基づくLED光を1ライン単位に一括露光するように動作する。この一括露光により感光体ドラム1Yに対して1ライン単位に静電潜像が形成される。
【0036】
LPHユニット3Y内のLEDヘッド32は、感光体ドラム1Yの全幅Wに等しい長さlを有しており、Y色用の書き込み許可(インデックス)信号(以下Y−IDX信号という)に基づいて、Y色用の画像データWyを1ライン分又は数ライン分をまとめて主走査方向へ一括書き込みするように動作する(通常動作モード)。通常動作モードでは、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに当該ページの静電潜像を書き込み、当該静電潜像をトナー現像した後にトナー画像を中間転写ベルト6に転写し、中間転写ベルト6に転写されたトナー画像を用紙に転写され、かつ、定着するようになされる。
【0037】
ここに、主走査方向とは図2に示す中間転写ベルト6の幅方向であって、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する(沿った)方向をいう。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副主走査方向とは、主走査方向と直交する方向であって、中間転写ベルト6の長さ方向をいう。上述の中間転写ベルト6は一定の線速度で副走査方向に移動される。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、LPHユニット3Yによる主走査方向へのライン単位の一括露光によって感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。この例では、以下、主走査方向の画像書き込みを規制する領域を主走査有効画像領域といい、副走査方向の画像書き込みを規制する領域を副主走査有効画像領域と呼ぶこととする。
【0038】
図示しないが、他の色用のLPHユニット3M,3C,3Kも、同様な長さを有しており、各色用のM−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号に基づいて、M色用の画像データDm、C色用の画像データDc、BK色用の画像データDkを同様にしてまとめて一括書き込みするように動作する。各色用のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号は図7に示す制御部15から供給される。LPHユニット3Y,3C,3C,3Kには、当該カラープリンタ100で取り扱われる用紙の最大幅にもよるが、LEDヘッド32が1ラインに付き数千〜数万画素を有するものが使用される。
【0039】
なお、図2に示す中間転写ベルト6は、感光体ドラム1Y〜1Kによって形成されたトナー画像を図示しない用紙Pに転写するため、感光体ドラム1Y〜1Kの全幅W(露光可能幅)にほぼ等しいベルト幅W0を有している。例えば、中間転写ベルト6は、A3サイズの用紙Pの短辺よりも長いベルト幅W0を有している。
【0040】
続いて、LPHユニット3Y等の内部構成例について説明する。図3は、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kの内部構成例を示すブロック図である。図4は、Y色用のラインメモリ部31等の内部構成例を示すブロック図である。図3に示すLPHユニット3Yは、Y色用のラインメモリ部31及びY色用のLEDヘッド32から構成され、制御部15に接続される。
【0041】
Y色用のラインメモリ部31は、ドラム間遅延用の記憶手段の一例を構成し、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K毎に遅延量が設定されて画像データDinを記憶するものである。ラインメモリ部31は、例えば、アドレスカウンタ比較値(以下DLY信号という)、書き込み側の副走査有効画像領域信号(以下WVV信号という)、書き込み側の主走査有効画像領域信号(以下WHV信号という)、読み出し側の副走査有効画像領域信号(以下RVV信号という)、読み出し側の主走査有効画像領域信号(以下RHV信号という)に基づいて画像データDin(=Dy)を書き込み及び読み出し処理する。ラインメモリ部31にはSDRAM(Synchronous DRAM)が使用される。
【0042】
ラインメモリ部31には制御部15が接続され、主走査有効画像領域のみの画像データDinをラインメモリ部31へ書き込み及び、当該ラインメモリ部31からLEDヘッド32へ画像データDout=Wyの読み出しを実行すると共に、画像データDoutの読み出し及び書き込みを実行していない期間にラインメモリ部31のリフレッシュ処理を実行する。
【0043】
また、制御部15は、ラインメモリ部31からLEDヘッド32へ読み出した画像データDout=WyのアドレスADRにアクセスして、当該アドレスADRに次の画像データDin=Dyを書き込むリードアドレス追跡アクセス方式によるメモリ制御を実行する。制御部15がリードアドレス追跡アクセス方式によるメモリ制御を実行すると、プリチャージ(PRE)コマンドやアクティブ(ACT)コマンド等の発生回数を削減できるようになる。
【0044】
従って、画像データDin=Dyのライト動作と、画像データDout=Wyのリード動作の間からPREコマンドやACTコマンド等を削減できるようになり、PREコマンド→ACTコマンド→ライト(WRITE)コマンド→PREコマンド→ACTコマンド→リード(READ)コマンドを順に繰り返すSDRAMアクセス方式に比べて、SDRAM等のラインメモリ部31と制御部15との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。
【0045】
ラインメモリ部31は例えば、図4に示すようにアドレス生成部301、コマンド発生部302、SDRAM303、書き込み処理部304、信号分離部305及び読み出し処理部306を有して構成される。
【0046】
アドレス生成部301はDLY信号を入力してアドレスADR、キャリー信号C0及びバンク制御信号BA及びを発生する。アドレス生成部301は例えば、カラム(行)アドレスカウンタ105、バンクカウンタ106、ロウ(列)アドレスカウンタ107、アドレスカウント比較部108及びマルチプレクサ109を有して構成される。
【0047】
カラムアドレスカウンタ105は、RST信号に基づいてキャリー信号C0及び9ビットのカラムアドレスCOLを発生する。RST信号はカラムアドレスカウンタ105をリセットする。カラムアドレスカウンタ105は、メモリ初期設定状態からの遷移を除く、読み出し要求確認動作に遷移するとき、8アドレス分をカウントアップする。8アドレス分をカウントアップするのは、8バースト転送を実行しているためである。
【0048】
この例で、カラムアドレスカウンタ105が、SDRAM303に依存する512カウントアップすると、カラムアドレスカウンタ105をリセットし、キャリー信号C0をバンクカウンタ106とコマンド発生部302とに出力する。カラムアドレスCOLはカラムアドレスカウンタ105からマルチプレクサ109とアドレスカウント比較部108とに出力される。カラムアドレスカウンタ105の次にカウントアップするカウンタは、バンクカウンタ106またはロウアドレスカウンタ107のどちらでもよい。
【0049】
カラムアドレスカウンタ105にはバンクカウンタ106が接続され、RST信号に及びキャリー信号C0に基づいて2ビットのバンク制御信号BA及びキャリー信号C1を発生する。RST信号はバンクカウンタ106をリセットする。バンクカウンタ106は、例えば、キャリー信号C0を入力してカウントアップし、SDRAM303に依存して4回カウントアップすると、当該バンクカウンタ106をリセットし、キャリー信号C1をロウアドレスカウンタ107に出力する。バンク制御信号BA(カウント値)は、バンクカウンタ106からアドレスカウント比較部108とSDRAM303とに出力される。
【0050】
バンクカウンタ106にはロウアドレスカウンタ107が接続され、RST信号に及びキャリー信号C1に基づいて13ビットのロウアドレスROWを発生する。RST信号はロウアドレスカウンタ107をリセットし、キャリー信号Clはロウアドレスカウンタ107をカウントアップする。ロウアドレスROWは、ロウアドレスカウンタ107からアドレスカウント比較部108とマルチプレクサ109とに出力される。
【0051】
ロウアドレスカウンタ107及びカラムアドレスカウンタ105には、マルチプレクサ109が接続され、カラムアドレスCOL及びロウアドレスROWを入力し、ACTコマンドを発生するタイミング信号(以下ACT−T信号という)に基づいてカラムアドレスCOL又はロウアドレスROWを選択してアドレスADRをSDRAM303に出力する。ACT−T信号は、コマンド発生部302からマルチプレクサ109へ出力される。
【0052】
例えば、マルチプレクサ109は、ACT−T信号に基づいてロウアドレスカウンタ107の出力値を選択し、それ以外は、カラムアドレスカウンタ値を選択する。このACT−T信号により、SDRAM303に出力するロウ又はカラムのアドレスADRを選択できるようになる。
【0053】
マルチプレクサ109にはアドレスカウント比較部108が接続され、DLY信号(遅延量設定値)、カラムアドレスCOL(カウント値)、バンク制御信号BA及びロウアドレスROW(カウント値)を入力して、これらのカラムアドレスCOL、バンク制御信号BA(カウント値)、ロウアドレスROW(カウント値)と、遅延量設定値とが等しくなると、アドレスカウンタリセット信号(以下RST信号という)を発生して、RST信号を上述のカラムアドレスカウンタ105、バンクカウンタ106、ロウアドレスカウンタ107に出力するように動作する。
【0054】
アドレスカウント比較部108は、SDRAM303をアクセスする場合、同一バンク、ロウアドレスROW内では、PREコマンド及びACTコマンドを必要としないため、カラムアドレスCOLからカウントアップする。この例でアドレスカウント比較部108の内部に、メモリ初期状態からの遷移を除く、読み出し要求確認動作に遷移するとき、カウントするカウンタを設け、内部のカウント値とDLY信号とを比較してRST信号を出力するようにしてもよい。DLY信号は上位の制御部15からアドレスカウント比較部108へ供給される。
【0055】
上述のカラムアドレスカウンタ105にはコマンド発生部302(制御手段)が接続され、リード(読み出し)動作またはライト(書き込み)動作を行わない主走査有効画像領域外でも、カラムアドレスカウンタ105、バンクカウンタ106及びロウアドレスカウンタ107をカウントアップし、リフレッシュ動作を挿入するようになされる。例えば、リード動作又はライト動作を行わない主走査有効画像領域外にリフレッシュ動作を挿入すると、コマンド発生部302とSDRAM303との間で高速なアクセスを実現できるようになる。
【0056】
アドレスカウント比較部108は、DLY信号に基づく遅延量設定値に相当するCOL,BA,ROWと比較して、COL,BA,ROWが遅延量設定値と等しくなると、カラムアドレスカウンタ105、バンクカウンタ106及びロウアドレスカウンタ107をリセットするように動作する。遅延量設定値は、ドラム間遅延量であり、例えば、感光体ドラム1Y等を基準して他の感光体ドラム1M,1C,1Kに書き込む画像データDinの書き込みタイミングを設定する値である。この例では、コマンド発生部302はリード動作またはライト動作を行わない主走査有効画像領域外で、リードまたはライトコマンドを発行せず、リフレッシュ動作を挿入するようになされる。
【0057】
コマンド発生部302は、キャリー信号C0、WVV信号、WHV信号、RVV信号及びRHV信号を入力してACTコマンド発生タイミング信号(以下ACT−T信号という)、ロウアドレスストローブ信号(以下RAS信号という)、カラムアドレスストローブ信号(以下CAS信号という)、ライトイネーブル信号WE、ライトタイミング信号WT及びリードタイミング信号RT,RT1を発生する。なお、各タイミング信号はSDRAM303の種類やその動作作周波数によって異なるものである。
【0058】
例えば、コマンド発生部302はキャリー信号C0を入力し、ライト動作が終了までキャリー信号C0を保持し、ACT−T信号をアサートしてACTコマンドを発行することにより、バンク、ロウアドレスを変更する。更に、コマンド発生部302は、リードタイミング信号RTをアサートしてリードコマンドを出力した後、CASlatency分(3CLK)待ち、当該リードタイミング信号RTを信号分離部305とリードタイミング用のFIFOメモリ103とに出力する。なお、コマンド発生部302におけるアドレス及びバンクカウンタの制御例を図9の動作タイミングチャートに示し、SDRAM303の制御例を図10のフローチャートに示している。
【0059】
コマンド発生部302にはSDRAM303が接続され、アドレスADR、バンク制御信号BA、RAS信号、CAS信号、ライトイネーブル信号WEに基づいて画像データWyをSDRAM303に書き込み、及び、アドレスADR、バンク制御信号BA、RAS信号、CAS信号に基づいて画像データWyをSDRAM303から読み出すように制御される。
【0060】
SDRAM303はデータバス幅が32ビットであり、ロウアドレス幅が13ビットで、バンク制御信号BAが2ビットである。この例では、主走査有効画像領域の最大値が7500画素で、1ラインを100μsecで書き込むものとする。画像データDinの1画素を1CLK信号でデータ書き込み読み出し処理を行う。
【0061】
画像データDin(パッキングデータDQ)は、SDRAM303への書き込み及びその読み出しを8つのデータ(D1〜D8)を連続して転送する8バースト転送で実行される。この例で、ラインメモリ部31のデータ処理用のクロック(CLK)信号の周波数と、SDRAM303の動作周波数とは同じ80MHzに設定される。
【0062】
また、ラインメモリ部31が取り扱うパッキングデータDQは、主走査有効画像領域の画像データDin=Dyであるため、主走査有効画像領域外はリード及びライト動作を行う必要がないので、カラムアドレスカウンタ105、バンクカウンタ106及びロウアドレスカウンタ107を動作させる必要がない。しかし、リードアドレスと同一のライトアドレスにパッキングデータDQ(画像データDin)を書き込むために、主走査有効画像領域外でも、カラムアドレスカウンタ105、バンクカウンタ106及びロウアドレスカウンタ107を敢えて動作させる。なお、SDRAM303におけるリード動作例を図5に示し、ライト動作例を図6に示し、リフレッシュ動作例を図7に示し、プリチャージバンクアクティブ動作例を図8に各々示している。
【0063】
コマンド発生部302には書き込み処理部304が接続される。書き込み処理部304は、データパッキング部101及びライトタイミング用のFIFOメモリ102を有して構成される。データパッキング部101には主走査有効画像領域信号(HV)及び副走査有効画像領域信号(VV)に同期した例えば、1画素が8ビットで表現される画像データDin=Dyが入力される。データパッキング部101は、8ビットの画像データDin=Dyを、例えば、4画素ごとにパッキング処理する。なお、画像ビット幅、データバス幅、周波数によってパッキングする画素数は、如何様にしてもよい。
【0064】
データパッキング部101にはFIFOメモリ102が接続され、パッキング処理したデータ(以下でパッキングデータDQともいう)を当該FIFOメモリ102に格納するようになされる。FIFOメモリ102は、画像データWyをパッキング処理したパッキングデータDQをライトタイミング信号WTに基づいてSDRAM303に書込むように動作する。
【0065】
FIFOメモリ102には信号分離部305が接続され、リードタイミング信号RTに基づいて書き込み時の画像データDyと、読み出し時の画像データWyとを信号分離するように動作する。信号分離部305には読み出し処理部306が接続される。読み出し処理部306は、リードライトタイミング用のFIFOメモリ103及びデータアンパッキング部104を有して構成される。FIFOメモリ103は、リードタイミング信号RTを入力し、SDRAM303から読み出したパッキングデータDQ(画像データDout=Wyとなる)の書き込むように動作する。リードタイミング信号RT1に基づいてデータアンパッキング部104へ読み出すように動作する。リードタイミング信号RT1は、RVV信号及びRHV信号を遅延して生成した信号である。
【0066】
データアンパッキング部104は、FIFOメモリ103から読み出したパッキングデータDQをアンパッキング処理した画像データDout=Wyを1画素ずつに分けてLEDヘッド32に一斉に供給するように動作する。
【0067】
Y色用のラインメモリ部31には、LED素子がライン状に配置されたY色用のLEDヘッド32が接続され、ラインメモリ部31のFIFOメモリ103から読み出された画像データDoutに基づいて感光体ドラム1Yを露光し、Y色用の静電潜像を形成するように動作する。
【0068】
なお、図3に示したLPHユニット3Yは、Y色用のラインメモリ部31及びY色用のLEDヘッド32から構成される。LPHユニット3Mは、M色用のラインメモリ部33及びM色用のLEDヘッド34から構成される。LPHユニット3Cは、C色用のラインメモリ部35及びC色用のLEDヘッド36から構成される。LPHユニット3Kは、BK色用のラインメモリ部37及びBK色用のLEDヘッド38から構成される。
【0069】
上述の制御部15にはLPHユニット3Y〜3Kが接続される。制御部15は、LPHユニット3Yに関して、主走査有効画像領域のみの画像データDin=DyをLPHユニット3Yのラインメモリ部31へ書き込み、及び、当該ラインメモリ部31からLEDヘッド32へ画像データDout=Wyの読み出しを実行すると共に、画像データDoutの読み出し及び書き込みを実行していない期間にLPHユニット3Yのラインメモリ部31のリフレッシュ処理を実行する。
【0070】
同様にして、制御部15にはLPHユニット3Mに関して、主走査有効画像領域のみの画像データDin=DmをLPHユニット3Mのラインメモリ部33へ書き込み、及び、当該ラインメモリ部33からLEDヘッド34へ画像データDout=Wmの読み出しを実行すると共に、画像データDoutの読み出し及び書き込みを実行していない期間にLPHユニット3Mのラインメモリ部33のリフレッシュ処理を実行する。
【0071】
また、制御部15は、LPHユニット3Cに関して、主走査有効画像領域のみの画像データDin=DcをLPHユニット3Cのラインメモリ部35へ書き込み、及び、当該ラインメモリ部35からLEDヘッド36へ画像データDout=Wmの読み出しを実行すると共に、画像データDoutの読み出し及び書き込みを実行していない期間にLPHユニット3Cのラインメモリ部35のリフレッシュ処理を実行する。
【0072】
更に、制御部15は、LPHユニット3Kに関して、主走査有効画像領域のみの画像データDin=DkをLPHユニット3Kのラインメモリ部37へ書き込み、及び、当該ラインメモリ部37からLEDヘッド38へ画像データDout=Wkの読み出しを実行すると共に、画像データDoutの読み出し及び書き込みを実行していない期間にLPHユニット3Kのラインメモリ部37のリフレッシュ処理を実行する。
【0073】
リフレッシュ処理(動作)は、64msecに一度の割合で全てのロウアドレス分だけ行われる。この例で1ラインの露光時間を100μsecとすると、64msec中に640ライン)存在するので、1ライン中に13回(8192/640=12.8)だけリフレッシュ処理が行われる。1ラインの露光時間が100μsecなので、感光体ドラム1Yに画像データWyを書き込むタイミング合わせに使用している同期信号(Y−INDX信号)の間隔は、処理クロックを80MHzとすると、8000CLKとなる。
【0074】
主走査有効画像領域信号(RHV)の最大は、7500CLKなので、必ず500CLKは、リード動作及びライト動作を行わない期間がある。リードサイクル(ライトサイクルより長い)とライトサイクルとの交互にリフレッシュを設定しても、200CLK周期でリフレッシュを行うことができる。従って、500CLK中に25回のリード動作と、リフレッシュ処理を行うことができ、800画素分の読み出しと、25回のリフレッシュ処理が可能となる。500CLK中の画素数は500画素なので、読み出し画素数、リフレッシュ回数とも問題はない。このリフレッシュ方式が成り立つのは、LPH系のタンデムカラー画像形成装置の場合であり、ドラム間遅延を行う量がクロック単位で常に遅延量が等しい場合である。
【0075】
続いて、SDRAM303におけるリード、ライト及びリフレッシュ動作例等について説明する。図5A〜Jは、SDRAM303におけるリード動作例を示す動作タイミングチャートである。この例のSDRAM303によれば、図5Aに示すクロック信号(CLK)、図5Bに示すリードコマンド(READ)、図5Cに示すRAS信号、図5Dに示すCAS信号、図5Eに示すライトイネーブル信号WE、図5Fに示すライトタイミング信号WT、図5Gに示すリードタイミング信号RT、図5Hに示すACT−T信号及び、図5Iに示すアドレスADRに基づいて図5Jに示すパッキングデータDQが読み出される。パッキングデータDQはアンパッキング処理後に画像データDout=Wyとなる。
【0076】
この例では、図5Aに示すCLK信号に基づいてリード動作が開始される。このとき、図5Fに示すライトタイミング信号WTはロー・レベル(以下「0」と記す)である。図5Hに示すACT−T信号も「0」である。図5Cに示すRAS信号はハイ・レベル(以下「1」と記す)である。ライトイネーブル信号WE及びリードタイミング信号RTも「1」である。
【0077】
図5Aに示すCLK信号の立ち上がりに同期して、図5Bに示すリードコマンド(READ)が発行される。リードコマンドは、RAS信号=「1」、CAS信号=「0」、ライトイネーブル信号WE=「1」である。リードコマンドが発行されると、図5Dに示すCAS信号が「0」に遷移すると共に、図5Iに示すアドレスADRが生成されてSDRAM303へ出力される。その後、3クロック遅れて、図5Gに示すリードタイミング信号RTが「1」に遷移すると、図5Iに示すアドレスADRに基づいて図5Jに示すパッキングデータDQがSDRAM303から読み出される。パッキングデータDQは、図5Gに示したリードタイミング信号RTが「1」の期間だけ読み出される。
【0078】
図6A〜Jは、SDRAM303におけるライト動作例を示す動作タイミングチャートである。この例のSDRAM303によれば、図6Aに示すCLK信号、図6Bに示すライトコマンド(WRITE)、図6Cに示すRAS信号、図6Dに示すCAS信号、図6Eに示すライトイネーブル信号WE、図6Fに示すライトタイミング信号WT、図6Gに示すリードタイミング信号RT、図6Hに示すACT−T信号及び、図6Iに示すアドレスADRに基づいて図6Jに示すパッキングデータDQが書き込まれる。パッキングデータDQは画像データDin=Dyをパッキング処理したものである。
【0079】
この例では、図6Aに示すCLK信号に基づいてライト動作が開始される。このとき、図6Fに示すライトタイミング信号WTは「1」であり、図6Cに示すRAS信号は「1」である。ライトイネーブル信号WEは「1」であり、リードタイミング信号RTは「0」である。
【0080】
図6Aに示すCLK信号の立ち上がりに同期して、図6Bに示すライトコマンド(WRITE)が発行される。ライトコマンドはRAS信号=「1」、CAS信号=「0」、ライトイネーブル信号WE=「0」であり、図3に示したコマンド発生部302が発生する。ライトコマンドが発行されると、図6Dに示すCAS信号が「0」に遷移すると共に、図6Iに示すアドレスADRが生成されてSDRAM303へ出力される。
【0081】
このとき、既に、図6Fに示すライトタイミング信号WTが「1」に遷移しているので、図6Iに示すアドレスADRに基づいて図6Jに示すパッキングデータDQがSDRAM303へ書き込まれる。図6Bに示すライトコマンドの出力と同時に、8個のパッキングデータDQ(=D1〜D8)を順番にSDRAM303にバースト転送される。
【0082】
図7A〜Jは、SDRAM303におけるリフレッシュ動作例を示す動作タイミングチャートである。この例のSDRAM303によれば、図7Aに示すCLK信号、図7Bに示すプリコマンド(PRE)、リフレッシュコマンド(REF)、ACTコマンド(ACT)、図7Cに示すRAS信号、図7Dに示すCAS信号、図7Eに示すライトイネーブル信号WE、図7Hに示すACT−T信号及び図7Iに示すアドレスADRに基づいてリフレッシュ動作が実行される。
【0083】
この例では、図7Aに示すCLK信号に基づいてリフレッシュ動作が開始される。このとき、図7Fに示すライトタイミング信号WT及び図7Gに示すリードタイミング信号RTは、「0」のままである。図7Bに示すプリコマンド(PRE)が発行されると、図7Cに示すRAS信号及びライトイネーブル信号WEが「0」となる。PREコマンドはRAS信号=「0」、CAS信号=「1」、ライトイネーブル信号WE=「0」である。
【0084】
図7Aに示すCLK信号の立ち上がりから2CLK後に、図7Bに示すリフレッシュコマンド(REF)が発行されると、図7Dに示すCAS信号が再度「0」に遷移すると共に、図7Dに示すCAS信号が「0」に遷移する。REFコマンドは、RAS信号=「0」、CAS信号=「0」、ライトイネーブル信号WE=「1」である。
【0085】
その後の図7Aに示すCLK信号の立ち上がりから5CLK後(REFコマンドを出力して5CLK後)に、図7Bに示すACTコマンド(ACT)が発行される。ACTコマンドは、RAS信号=「0」、CAS信号=「1」、ライトイネーブル信号WE=「1」である。この例で、図7Hに示すACT−T信号が「1」となると、図7Iに示すアドレスADRが生成されてSDRAM303へ出力される。アドレスADRはロウアドレスROWである。
【0086】
これにより、リード及びライト動作を交互に行っている期間に、リフレッシュ動作を挿入する必要がなく、SDRAM303のアクセス中の損失(ロス)を削減できるようになる。しかも、制御部15やコマンド発生部302等は高速にSDRAM303とアクセスできるようになる。
【0087】
図8A〜Iは、SDRAM303におけるプリチャージバンクアクティブ動作例を示す動作タイミングチャートである。この例のSDRAM303によれば、図8Aに示すCLK信号、図8Bに示すプリコマンド(PRE)、ACTコマンド、図8Cに示すRAS信号、図8Dに示すCAS信号、図8Eに示すライトイネーブル信号WE、図8Hに示すACT−T信号及び図8Iに示すアドレスADRに基づいてプリチャージバンクアクティブ動作が実行される。
【0088】
この例では、図8Aに示すCLK信号に基づいてプリチャージバンクアクティブ動作が開始される。このとき、図8Fに示すライトタイミング信号WT及び図8Gに示すリードタイミング信号RTは、「0」のままである。図8Bに示すプリコマンド(PRE)が発行されると、図8Cに示すRAS信号及びライトイネーブル信号WEが「0」となる。
【0089】
図8Aに示すCLK信号の立ち上がりから2CLK後に、図8Bに示すACTコマンド(ACT)が発行されると、図8Dに示すCAS信号が再度「0」に遷移すると共に、図8Dに示すCAS信号が「0」に遷移する。その後の図8Aに示すCLK信号の立ち上がりから5CLK後に、図8Bに示すACTコマンドが発行され、図8Hに示すACT−T信号が「1」となると、図8Iに示すアドレスADRが生成されてSDRAM303へ出力される。アドレスADRはロウアドレスROWである。このロウアドレスROWに基づいてSDRAM303をプリチャージバンクアクティブ動作させることができる。
【0090】
図9A〜Gは、コマンド発生部302におけるアドレス及びバンクカウンタの制御例を示す動作タイミングチャートである。この実施例では、2つのリフレッシュ#1動作及びリフレッシュ#2動作を設定する場合を前提とし、リード動作又はライト動作を行っていない期間(サイクル)に、リフレッシュ#1動作又はリフレッシュ#2動作(サイクル)を実行する。
【0091】
この例で、図4に示したコマンド発生部302のロウアドレスカウンタ107が、図9Aに示すカウンタ値として「0」〜「A」までカウントアップするが、ロウアドレスA−1及びAの動作期間を注目した動作例を挙げる。この動作期間において、図9Bに示すWVV信号及び図9Cに示すRVV信号が共に「1」である。
【0092】
図9D〜図9GはアドレスA−1とアドレスAとの間の信号状態例を拡大した図である。この動作期間にカラムアドレスカウンタ105が図9Dに示すカウンタ値(カラムアドレスCOL)として0〜504×4バンク分をカウントする。このとき、バンクカウンタ106が図9Eに示すカウンタ値として0〜3をカウントする。バンク制御信号BAは、バンクカウンタ106からSDRAM303へ出力される。
【0093】
また、制御部15から供給されるWHV信号及びRHV信号は、ライト及びリード動作で信号論理が変化する。ここで図9Fに示すWHV信号が「1」で、図9Gに示すRHV信号が「0」となる動作期間を期間(1)とする。また、図9Fに示すWHV信号が「1」で、図9Gに示すRHV信号が「1」となる動作期間を期間(2)とする。図9Fに示すWHV信号が「0」で、図9Gに示すRHV信号が「1」となる動作期間を期間(3)とする。更に、図9Fに示すWHV信号が「0」で、図9Gに示すRHV信号が「0」となる動作期間を期間(4)とする。
【0094】
この例では、図9F,Gに示す期間(1)と、期間(2)のように書き込み側のWVV信号と、書き込み側のWHV信号がともに「1」の場合、コマンド発生部302は図6Bに示したライトコマンドをSDRAM303に出力する。また、同図に示した期間(1)、期間(3)、期間(4)のようにRHV信号またはWHV信号が共に「0」の場合、リフレッシュ動作を行うため、コマンド発生部302は図7Bに示したPREコマンドをSDRAM303に出力する。
【0095】
更に、同図に示す期間(2)と期間(3)のように読み出し側のRVV信号と、読み出し側のRHV信号がともに「1」の場合、コマンド発生部302は、図5Bに示したリードコマンドをSDRAM303に出力する。
【0096】
これにより、ロウアドレスA−1及びAの動作期間等において、図9F,Gに示した期間(1)におけるリフレッシュ#1動作、期間(2)におけるリード動作、期間(3)におけるリフレッシュ#2動作、期間(4)におけるリフレッシュ#1動作又はリフレッシュ#2動作の4つ内のいずれかを実行できるようになる。
【0097】
図10は、SDRAM303の制御例を示す動作フローチャートである。この実施例では、2つのリフレッシュ#1動作及びリフレッシュ#2動作を設定する場合を前提とし、リード動作又はライト動作を行っていない期間(サイクル)に、リフレッシュ#1動作又はリフレッシュ#2動作(サイクル)を実行する。この例では、図9F,Gに示した期間(1)におけるリフレッシュ#1動作、期間(2)におけるリード動作、期間(3)におけるリフレッシュ#2動作、期間(4)におけるリフレッシュ#1動作及びリフレッシュ#2動作の4つに分けて説明する。
【0098】
これを動作条件にして、図10のフローチャートのステップST1でコマンド発生部302はメモリ初期設定をする。例えば、コマンド発生部302は各カウンタをクリアしてゼロを設定する処理を実行する。このメモリ初期設定が終了すると、メモリ初期設定状態からステップST2に移行して読み出し要求確認動作を実行する。読み出し要求確認動作では、RHV信号及びRVV信号が共に「1」であるか判定を行う。
【0099】
[期間(1)におけるリフレッシュ#1動作]
図9F,Gに示した期間(1)の場合は、RHV信号及びRVV信号が共に「1」でないため、ステップST4に移行してリフレッシュ#1動作に遷移する。リフレッシュ#1動作に遷移後、コマンド発生部302は、PREコマンド(RAS=「0」、CAS=「1」、WE=「0」)をSDRAM303に出力する。その後、コマンド発生部302は、REFコマンド(RAS信号=「0」、CAS信号=「0」、ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。なお、リフレッシュ#1動作の信号を出力するタイミングの詳細は図7に示している。
【0100】
その後、コマンド発生部302は、ACTコマンド(RAS信号=「0」、CAS信号=「1」、ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。このとき、コマンド発生部302は、ACT−T信号を「1」にし、マルチプレクサ109からロウアドレスROWをSDRAM303に出力するようになされる。リフレッシュ#1動作後は、ステップST5に移行する。
【0101】
ステップST5で、コマンド発生部302は書き込み要求確認動作を実行する。この書き込み要求確認動作では、WHV信号及びWVV信号が共に「1」であるか判定を行う。図9E,Gに示す期間(1)の場合は、WHV信号及びWVV信号が共に「1」なので、ステップST6に移行してライト動作を実行する。ライト動作時の信号を出力するタイミングの詳細は図6に示す。このとき、図4に示したコマンド発生部302は、ライトコマンドにタイミングを合わせ、ライトタイミング信号WTをライトタイミング用のFIFOメモリ102に出力する。FIFOメモリ102はライトタイミング信号WTを入力してパッキングデータDQを出力する。
【0102】
例えば、ライト動作に遷移した後、コマンド発生部302は、ライトコマンド(RAS信号=「1」,CAS信号=「0」,ライトイネーブル信号WE=「0」)をSDRAM303に出力する。このとき、ライトタイミング信号WTを「1」にし、ライトタイミング用のFIFOメモリ102から、パッキングデータDQ(画像データDin=Dy等)を読み出してSDRAM303に出力する。これにより、パッキングデータDQをSDRAM303に転送できるようになる。
【0103】
その後、ステップST7に移行してアドレス切り替え確認動作を実行する。アドレス切り替え確認動作では、カラムアドレスカウンタ105がオーバーフローしたとき、コマンド発生部302は、カラムアドレスカウンタ105から出力されるキャリー信号C0が「1」であるか判定し、C0=「1」ならば、ステップST8に移行してアドレス切り替え動作を実行する。C0=「0」ならば、ステップST2に戻って読み出し要求確認動作を実行する。アドレス切り替え動作時の信号を出力するタイミングの詳細は図8に示す。
【0104】
アドレス切り替え動作に遷移した後は、コマンド発生部302は、PREコマンド(RAS信号=「0」、CAS信号=「1」、ライトイネーブル信号WE=「0」)をSDRAM303に出力する。その後、コマンド発生部302は、ACTコマンド(RAS信号=「0」、CAS信号=「1」、ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。
【0105】
このとき、コマンド発生部302は、ACT−T信号を「1」にし、マルチプレクサ109からロウアドレスROWを出力するようになされる。その後、ステップST2に移行して読み出し要求確認動作を実行する。期間(1)では、この動作を繰り返すようになされる。
【0106】
[期間(2)におけるリード動作]
上述のステップST2の読み出し要求確認動作では、RHV信号及びRVV信号が共に「1」であるか判定を行われるが、図9F,Gに示した期間(2)の場合は、RHV信号及びRVV信号が共に「1」なので、ステップST3に移行する。図9E,Gに示した期間(2)の例によれば、RVV信号が「1」で、RHV信号が「1」で、WVV信号も「1」で、WHV信号も「1」となっている場合である。この場合は、パッキングデータDQ(画像データDout=Wy)のリード動作を実行する。リード動作の信号を出力するタイミングの詳細は図5に示す。
【0107】
この例では、リード動作に遷移した後、コマンド発生部302は、リードコマンド(RAS信号=「1」、CAS信号=「0」、ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。その後、コマンド発生部302は、SDRAM303から読み出されたパッキングデータDQに合わせて、リードタイミング信号RTを「1」にし、パッキングデータDQのリードタイミング用のFIFOメモリ103への書き込みを実行する。
【0108】
その後、ステップST5に移行して書き込み要求確認動作を実行する。書き込み要求確認動作では、WHV信号及びWVV信号が共に「1」であるか判定を行う。図9F,Gに示した期間(2)の場合、WHV信号及びWVV信号が共に「1」なので、ライト動作に遷移する。以降、期間(1)の場合と同様に動作し、ステップST2の読み出し要求確認動作まで遷移する。期間(2)では、この動作を繰り返すようになされる。
【0109】
[期間(3)におけるリフレッシュ#2動作]
図9F,Gに示す期間(3)の場合、WVV信号が「1」で、WHV信号が「0」で、RVV信号が「1」でRHV信号が「1」である。この場合、上述のステップST2の読み出し要求確認動作では、RHV信号、RVV信号が共に「1」であるか判定を行う。図9F,Gに示した期間(3)の場合、RHV信号及びRVV信号が共に「1」なので、ステップST3に移行してリード動作を実行する。以降、ステップST5の書き込み要求確認動作に遷移するまで、コマンド発生部302は、期間(2)の場合と同様な動作を実行する。
【0110】
図9F,Gに示す期間(3)の場合であって、ステップST5でWHV信号及びWVV信号が共に「1」でない場合は、ステップST9に移行してコマンド発生部302は、リフレッシュ#2動作を実行する。リフレッシュ#2動作の信号を出力するタイミングの詳細は図7に示している。リフレッシュ#2動作に遷移後、コマンド発生部302は、PREコマンド(RAS信号=「0」,CAS信号=「1」,ライトイネーブル信号WE=「0」)をSDRAM303に出力する。
【0111】
その後、コマンド発生部302は、REFコマンド(RAS信号=「0」,CAS信号=「0」,ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。更に、コマンド発生部302は、ACTコマンド(RAS信号=「0」,CAS信号=「1」,ライトイネーブル信号WE=「1」)をSDRAM303に出力する。
【0112】
このとき、コマンド発生部302は、ACT−T信号を「1」にし、ステップST8でマルチプレクサ109からSDRAM303へロウアドレスROWを出力するように制御する。その後、ステップST2に戻ってコマンド発生部302は読み出し要求確認動作に遷移する。期間(3)ではこの動作を繰り返すようになされる。
【0113】
[期間(4)におけるリフレッシュ#1動作及びリフレッシュ#2動作]
図9F,Gに示した期間(4)の場合、WVV信号が「1」で、WHV信号が「0」で、RVV信号が「1」でRHV信号が「0」である。この場合、ステップST2の読み出し要求確認動作で、コマンド発生部302は、RHV信号及びRVV信号が共に「1」であるかの判定を行うが、図9F,Gに示した期間(4)の場合は、RHV信号及びRVV信号が共に「1」でないため、リフレッシュ#1動作に遷移する。以降、書き込み要求確認動作に遷移するまで、コマンド発生部302は期間(1)の場合と同様に動作するようになる。
【0114】
また、図9F,Gに示した期間(4)の場合であって、ステップST5でWHV信号及びWVV信号が共に「1」でないので、ステップST9に移行してコマンド発生部302は、リフレッシュ#2動作を実行する。以降、コマンド発生部302は、期間(2)の場合と同様に動作し、ステップST2の読み出し要求確認動作まで遷移する。期間(4)では、この動作を繰り返すようになされる。
【0115】
このように、実施形態としてのカラープリンタ100によれば、画像データDin=Dy,Dm,Dc,Dkの書き込み及び画像データDout=Wy,Wm,Wc,Wkの読み出しを制御する制御部15を備え、この制御部15は、各作像色毎の主走査有効画像領域のみの画像データDin=Dy,Dm,Dc,Dkを各々の作像色毎のラインメモリ部31,33,35,37へ書き込み、及び、当該ラインメモリ部31,33,35,37から画像データDout=Wy,Wm,Wc,Wkの読み出しを実行すると共に、コマンド発生部302の制御によって、画像データDoutの読み出し及び、画像データDinの書き込みを実行していない期間にラインメモリ部31,33,35,37のリフレッシュ処理を実行するものである。
【0116】
従って、画像データDoutの読み出し及び、画像データDinの書き込みを交互に実行する間に、リフレッシュ処理を挿入する場合に比べて、SDRAM等のラインメモリ部31とコマンド発生部302や制御部15等との間のアクセス速度を向上(改善)できるようになる。上述の例では、リードアドレスと同一のライトアドレスにパッキングデータDQ(画像データDin)を書き込むことによリ、コマンドを省くことができるため、パッキングデータDQの書き込みリード動作の高速化を図ることができた。
【0117】
これにより、画像データDinに基づく色画像を高速に感光体ドラム1Y等に形成できるようになるので、動作周波数の格上げや、次期高速DRAMに依存することなく、カラープリンタ100の高速化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
この発明は、感光体ドラムに色画像を形成する画像形成ユニットが作像色毎に設けられ、各々の画像形成ユニットで形成された色画像を像担持体上で重ね合わせるタンデム方式のカラープリンタやカラー複写機、これらのカラー複合機等に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施形態としてのカラープリンタ100の構成例を示す概念図である。
【図2】画像形成部80におけるLPHユニット3Y等の配置例を示す斜視図である。
【図3】LPHユニット3Y,3M,3C,3Kの内部構成例を示すブロック図である。
【図4】Y色用のラインメモリ部31等の内部構成例を示すブロック図である。
【図5】(A)〜(J)は、SDRAM303におけるリード動作例を示す動作タイミングチャートである。
【図6】(A)〜(J)は、SDRAM303におけるライト動作例を示す動作タイミングチャートである。
【図7】(A)〜(J)は、SDRAM303におけるリフレッシュ動作例を示す動作タイミングチャートである。
【図8】SDRAM303におけるプリチャージバンクアクティブ動作例を示す動作タイミングチャートである。
【図9】(A)〜(G)は、コマンド発生部302におけるアドレス及びバンクカウンタの制御例を示す動作タイミングチャートである。
【図10】SDRAM303の制御例を示す動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像担持体)
2Y,2M,2C,2K 帯電器
3Y,3M,3C,3K LPHユニット(画像形成部)
4Y,4M,4C,4K 現像ユニット(画像形成部)
6 中間転写ベルト(像担持体)
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成部)
15 制御部(制御手段)
31,33,35,37 ラインメモリ部
32,34,36,38 LEDヘッド
80 画像形成部
100 カラープリンタ
101 データパッキング部
102 ライトタイミング用のFIFOメモリ
103 リードタイミング用のFIFOメモリ
104 データアンパッキング部
105 カラムアドレスカウンタ
106 バンクカウンタ
107 ロウアドレスカウンタ
108 アドレスカウント比較部
109 マルチプレクサ
301 アドレス生成部
302 コマンド発生部(制御手段)
303 SDRAM
304 書き込み処理部
305 信号分離部
306 読み出し処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有した感光体ドラムに画像情報に基づく色画像を形成する画像形成ユニットが作像色毎に設けられ、各々の前記画像形成ユニットで形成された色画像を像担持体上で重ね合わせるタンデム方式のカラー画像形成装置において、
前記画像形成ユニット毎に遅延量が設定されて前記画像情報を記憶するドラム間遅延用の記憶手段と、
前記感光体ドラムの回転軸に沿った方向を主走査方向とし、当該主走査方向の画像書き込みを規制する領域を主走査有効画像領域として、当該主走査有効画像領域のみの前記画像情報を前記記憶手段へ書き込み及び、当該記憶手段から前記感光体ドラムへの画像情報の読み出しを実行すると共に、前記画像情報の読み出し及び書き込みを実行していない期間に前記記憶手段のリフレッシュ処理を実行する制御手段とを備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記記憶手段から前記感光体ドラムへ読み出された画像情報のアドレスにアクセスして、当該アドレスに次の画像情報を書き込むメモリ制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成ユニットには、
前記感光体ドラムに対向してライン状にLED光源が配置され、ライン単位に画像情報に基づく一括露光が可能なLPH(LED Print Head)ユニットが備えられることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−48979(P2010−48979A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212149(P2008−212149)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】