説明

カルシウム流入を制御するための薬剤および該薬剤を利用してカルシウム流入を制御する方法

【課題】 本発明は、非興奮性細胞の活性化を制御するための薬剤および該薬剤を利用して非興奮性細胞の活性化を制御する方法を提供することを目的とする。より詳細には、カルシウム流入を制御するための薬剤および該薬剤を利用してカルシウム流入を制御する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、非興奮性細胞の活性化を制御するための方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御することを特徴とする方法を提供する。また、本発明は、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質を有効成分として含有する、非興奮性細胞の活性化の制御剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルシウム流入を制御するための薬剤および該薬剤を利用してカルシウム流入を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な細胞機能はカルシウムシグナリング機構により厳密に制御されているので、カルシウムシグナリング機構に異常が生じると細胞機能の致命的な障害を引き起こすことが知られている。細胞内へのカルシウム動員機構には2通りある。一つは細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出、もう一つは細胞膜のカルシウムチャネルを介した細胞外からのカルシウム流入である。これらは、時にはシナジェティックに起こり、時にはインディペンデントに起こる。多くの興奮性細胞では膜電位の脱分極によって電位依存性のカルシウムチャネルが開き、カルシウム流入が起こる。さらに、この流入したカルシウムがリアノジン受容体を刺激して細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出を引き起こす(カルシウム誘起性カルシウム放出; CICR)。一方、数種の興奮性細胞と多くの非興奮性細胞では、セカンドメッセンジャー(イノシトール三リン酸; IP3)を介した細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が重要な役割を担っている。また、非興奮性細胞において細胞外からのカルシウム流入は、細胞内カルシウムストアへのカルシウムの供給の他、増殖や分化、サイトカイン等の液性因子の産生・放出に必要であると言われている。
【0003】
これまで、非興奮性細胞では電位依存性カルシウムチャネルの存在が確認されておらず、カルシウム透過性を示す受容体作動性チャネル(Calcium-permeable Receptor-Operated Channels; ROCs)、およびストア作動性チャネル(Calcium-permeable Store-Operated Channels; SOCs)が重要な役割を担っているとされている。ROCsとしては様々な受容体ファミリーが同定されているが、SOCsについてはチャネル分子が同定されておらず、その開閉機構についても仮説の域を越えられていない。
【0004】
SOCsの活性化によるカルシウム流入は容量性カルシウム流入(Capacitative Calcium Entry)とも呼ばれ、カルシウムストアの枯渇によって引き起こされるとされている。SOCsを介したカルシウム流入は、炎症性細胞ではサイトカイン産生および脂質メディエーター遊離等に深く関与していることがわかっている。また、内皮細胞などにも存在することが知られており、SOCsを介した持続的なカルシウム流入によりラジカル障害を受ける事が知られている。さらに、カルシウム流入の阻害により、細胞増殖の抑制作用を有すること、およびインターロイキン2の産生を抑制することも報告されており、SOCsの活性化を制御することは、悪性腫瘍等の増殖や病状の進行を抑制したり、免疫反応を制御して生体内に侵入した異物の排除を強化させたり、自己免疫疾患や組織移植時の拒絶反応を抑制するのに有効な手段である(非特許文献1)。
【0005】
しかしながら、従来技術では、非興奮性細胞のカルシウム流入を阻害するためには、カルシウム流入に対して制御作用を有する化合物を多数の化合物中から探索する必要があった。
【非特許文献1】Putney JW, Jr.、Parmacology of capacitative calcium entry.、“Mol. Interv.”、(USA)、2001年、1巻、p.84-94
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、非興奮性細胞の活性化を制御するための薬剤および該薬剤を利用して非興奮性細胞の活性化を制御する方法を提供することを目的とする。より詳細には、カルシウム流入を制御するための薬剤および該薬剤を利用してカルシウム流入を制御する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、従来細胞外からのカルシウム流入とは無縁と考えられていたコネキシン分子の形成するチャネルの阻害剤が、SOCsを介したカルシウム流入を抑制する効果を有し、非興奮性細胞の活性化を抑制することを見出した。さらに、コネキシン分子が形成するチャネルの活性化を促す処理が、細胞内へのカルシウム流入を引き起こすことを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、非興奮性細胞の活性化を制御するための方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御することを特徴とする方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、コネキシンチャネル阻害剤により制御される方法を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、上記方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、pHを変化させることにより制御される方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、上記方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、カルシウム濃度を変化させることにより制御される方法を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、上記方法であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、細胞膜電位を変化させることにより制御される方法を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、上記方法であって、細胞内カルシウム濃度をモニターする工程をさらに含む方法を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、上記方法であって、細胞内カルシウム濃度は、カルシウムキレート剤を骨格に持つ蛍光指示薬を用いてモニターされる方法を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、上記方法であって、細胞内カルシウム濃度は、カルシウム感受性の蛍光タンパク質を用いてモニターされる方法を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、上記方法であって、細胞内カルシウム濃度は、カルシウム依存性の発光タンパク質を用いてモニターされる方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質を有効成分として含有する、非興奮性細胞の活性化の制御剤を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、コネキシンチャンネル阻害剤である制御剤を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、炭素数が7〜9であるアルコールである制御剤を提供する。
【0020】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、グリチルリチン酸誘導体である制御剤を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、揮発性麻酔剤である制御剤を提供する。
【0022】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、pH調整剤である制御剤を提供する。
【0023】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、カルシウム濃度調整剤である制御剤を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、上記制御剤であって、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、脱分極刺激が可能な薬剤である制御剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の非興奮性細胞の活性化を制御するための方法は、コネキシン分子が形成するチャネル(コネキシンチャネル)の開閉を制御することを特徴とする。
【0026】
本明細書において、非興奮性細胞とは、カルシウム動員機構として、主にセカンドメッセンジャー(イノシトール三リン酸; IP3)を介した細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が重要な役割を担っている細胞をいう。このような非興奮性細胞は、たとえば内皮細胞を含むが、どの細胞が非興奮性細胞であるかは、当業者には明らかであろう。
【0027】
また、非興奮性細胞の活性化とは、上記非興奮性細胞において、SOCsを介したカルシウム流入に伴って引き起こされる種々の細胞状態の変化をいう。たとえば、炎症性細胞ではサイトカイン産生および脂質メディエーター遊離等などがあげられる。また、内皮細胞などにおける、SOCsを介した持続的なカルシウム流入によるラジカル障害があげられる。また、カルシウム流入の阻害により、細胞増殖の抑制作用を有すること、およびインターロイキン2の産生を抑制することも報告されており、SOCsの活性化による悪性腫瘍等の増殖や病状の進行を抑制、免疫反応を制御して生体内に侵入した異物の排除の強化、自己免疫疾患や組織移植時の拒絶反応を抑制などが含まれる。
【0028】
また、非興奮性細胞の活性化の制御とは、上記非興奮性細胞の活性化を減少または増大させることをいう。したがって、SOCsを介したカルシウム流入を減少または増大させることも含まれる。
【0029】
上記コネキシンチャネルの開閉は、コネキシンチャネル阻害剤によって制御することができる。コネキシンチャネル阻害剤としては、種々の物質が当該技術分野において既知であるが、たとえば炭素数が7〜9であるアルコールおよびグリチルリチン酸誘導体、揮発性麻酔剤が含まれる。上記炭素数が7〜9であるアルコールには、たとえばヘプタノール、1-オクタノール、ノナノールが含まれる。上記グリチルリチン酸誘導体には、たとえば18-α-グリチルリチン酸、カルベノキソロンが含まれる。上記揮発性麻酔剤には、たとえばハロセン、エンフルレン、イソフルレンが含まれる。上記コネキシンチャネル阻害剤を非興奮性細胞に作用させると、SOCsを介したカルシウム流入が抑制されることにより、非興奮性細胞の活性化が抑制される。コネキシンチャネル阻害剤は、非興奮性細胞に対するカルシウム流入を抑制することができる濃度であれば、いかなる濃度で使用することもできるが、たとえば、1-オクタノールであれば、200μMでもカルシウム流入が抑制され、800μMでは、実質的にカルシウム流入を完全に抑制することができ、たとえば、カルベノキソロンであれば、20μM〜100μMでもカルシウム流入が抑制され、200μMでは、実質的にカルシウム流入を完全に抑制することができるが、これらの濃度に限定されない。
【0030】
また、上記コネキシンチャネルの開閉は、pHを変化させることにより制御することができる。コネキシンチャネルは、pHの影響を強く受けることが知られている。酸性pH下では、細胞内カルシウム濃度はわずかに変化するだけであるが、アルカリ性pH下(たとえば、pH8.0)では、コネキシンチャネルが開き、細胞内カルシウム濃度の上昇を生じさせることができる。pH調整剤としては、当業者に既知の種々の薬剤を使用することができるが、たとえばNaOHを使用することができる。適切な量のNaOHを添加することにより、溶液のpHをアルカリ性にすることができる。
【0031】
また、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、カルシウム濃度を変化させることにより制御することができる。卵母細胞の発現系を用いた研究では、mMオーダーの細胞外カルシウムの存在下においてコネキシンチャンネルが閉じるという報告がなされており、細胞外液中のカルシウム濃度を減少させることによりコネキシンチャンネルを開くことができると考えられる。細胞外液中のカルシウム濃度の減少は、たとえばCaCl2濃度を減少させることによって行うことができる。また、培地中のCaCl2濃度を減少させると浸透圧が変化してしまうが、たとえばCaCl2濃度を下げ(たとえば0.5mM)るかわりに、BaCl2を添加して浸透圧を調節することができる(たとえば終濃度1.5mMのBaCl2にする)。また、カルシウム濃度調整剤としては、当該技術分野において既知の種々の薬剤を使用することができ、たとえばEGTA、BAPTAなどのカルシウムキレート剤があげられる。
【0032】
さらに、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、細胞膜電位を変化させることにより制御することができる。コネキシンチャンネルの開閉は、膜電位に依存しており、脱分極により開くことが知られている。脱分極刺激が可能な薬剤としては、たとえばK+濃度の比率を上げた、またはCl-濃度の比率を下げた基本塩溶液があげられるが、これらに限定されず、当業者に既知の種々の脱分極刺激が可能な種々の薬剤を使用することができる。
【0033】
上記pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、および脱分極刺激が可能な薬剤は、適切な濃度になるように、すなわち非興奮性細胞に対するカルシウム流入を抑制または増大することができる濃度で、非興奮性細胞を含む環境に添加することができる。また、これらの薬剤は、それぞれ単独で添加するだけでなく、組み合わせて添加することもできる。たとえば、非刺激のミクログリア細胞では、膜電位の変化だけではコネキシンチャンネルの開閉が行われないため、pH調整剤またはカルシウム濃度調整剤と組み合わせて、非興奮性細胞に対するカルシウム流入を制御することが好ましい。
【0034】
また、本発明の非興奮性細胞の活性化を制御するための方法は、コネキシンチャネルの開閉を制御するとともに、細胞内カルシウム濃度をモニターする工程をさらに含んでいてもよい。細胞内カルシウム濃度をモニターすることにより、非興奮性細胞の活性化状態を的確に把握することができる。
【0035】
細胞内カルシウム濃度は、たとえばカルシウムキレート剤を骨格に持つ蛍光指示薬を用いてモニターすることができる。カルシウムキレート剤を骨格に持つ蛍光指示薬は、カルシウムと結合すると蛍光波長が変化するため、該蛍光を検出することによってカルシウムの存在を検出および定量することができる。カルシウムキレート剤を骨格に持つ蛍光指示薬としては、fura-2、indo-1などがあげられるが、これらに限定されず、当業者に既知の種々の蛍光指示薬を使用することができる。
【0036】
また、細胞内カルシウム濃度は、カルシウム感受性の蛍光タンパク質を用いてモニターすることができる。カルシウム感受性の蛍光タンパク質は、カルシウムの存在により蛍光波長または吸収波長、蛍光強度が変化するため、該蛍光を検出することによってカルシウムの存在を検出および定量することができる。カルシウム感受性の蛍光タンパク質としては、たとえばカメレオン、ペリカムまたはこれらの変異体などがあげられるが、これらに限定されず、当業者に既知の種々の蛍光タンパク質を使用することができる。
【0037】
また、細胞内カルシウム濃度は、カルシウム依存性の発光タンパク質を用いてモニターすることができる。カルシウム依存性の発光タンパク質は、カルシウムの存在により発光するため、該発光を検出することによってカルシウムの存在を検出および定量することができる。カルシウム依存性の発光タンパク質としては、たとえばエクリオンまたはこの変異体などがあげられるが、これらに限定されず、当業者に既知の種々の発光タンパク質を使用することができる。
【0038】
上記蛍光または発光は、当業者に既知の種々の方法を使用して検出することができる。たとえば、以下の実施例に示したように、
蛍光タンパク質であるペリカムを発現しているミクログリア由来の株化細胞(MG5細胞)を基本塩溶液 (BSS; 130mM NaCl, 5.4mM KCl, 10mM D-Glucose, 2mM CaCl2, 1mM MgSO4, 10mM HEPES-NaOH, pH 7.4)で2回リンスした後、正立顕微鏡(Axioplan2; カールツァイス)のステージ台に置き、20倍の水深対物レンズ(UMPlanFl 20x W; オリンパス)を用いて観察を行う。高速波長切替え装置(C6789: 浜松ホトニクス)を用いて420nmおよび480nmの励起光を交互に照射し、535nmの蛍光をCCDカメラ(C4880-80: 浜松ホトニクス)でコンピュータへ取り込む。画像の解析にはARGUS-HiSCA (浜松ホトニクス)を用いる。薬剤投与および細胞外液の交換は還流(1-2ml/min)により行う、
などの手順にしたがって検出することができる。
【0039】
また、本発明の方法を使用して非興奮性細胞の活性化を制御する際の一態様を図2に示してある。図2において、非興奮性細胞1は、基本塩含有液2(たとえば、BSSなどの通常の細胞の生存維持のための塩溶液)中で培養器3において培養されている。また、非興奮性細胞を適切に加温するためのヒーター4上に培養器を配置してある。この塩溶液にコネキシンチャンネルの開閉を制御するための薬剤を添加する。添加は、薬液投与針5に予め薬剤(たとえば、コネキシンチャンネル阻害剤、pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、並びに脱分極刺激が可能な薬剤)を注入しておき、該薬液投与針5から溶液中に添加することによって汚染を防ぐことが好ましい。また、液送還用チューブ6を介して塩溶液の交換や洗浄操作などを行うことができる。また、観測装置7によって蛍光または発光を検出することにより、カルシウムの存在をモニターすることができる。
【0040】
本発明のもう一つの態様において、コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質を有効成分として含有する非興奮性細胞の活性化の制御剤が提供される。
【0041】
コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質は、上記の通りのコネキシンチャンネル阻害剤、特に炭素数が7〜9であるアルコールおよびグリチルリチン酸誘導体、揮発性麻酔剤、pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、並びに脱分極刺激が可能な薬剤が含まれる。
【0042】
本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、上記pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、または脱分極刺激が可能な薬剤が単独であってもよく、あるいは薬理学的に許容される担体に混合されていてもよい。また、これらの薬剤は、それぞれ単独で含有されるだけでなく、組み合わせて含有することもできる。また、このような非興奮性細胞の活性化の制御剤は、細胞を含有する溶液に添加することによって適用することができる。したがって、本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、溶液の形態であってもよい。さらに、本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、経口的又は非経口的(たとえば、局所、直腸、静脈投与等)に動物に投与することもできる。特に、本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、細胞、組織等に直接適用してもよい。
【0043】
また、これらの薬剤は、当業者であれば、当該技術分野において既知の方法を使用して、容易に製剤とすることができるであろう。本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤の製造に用いられてもよい薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機高分子あるいは無機担体物質があげられ、たとえば、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、および懸濁化剤、あるいは固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等があげられる。さらに必要に応じ、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を含むこともできる。
【0044】
本発明の制御剤の有効成分としての上記pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、または脱分極刺激が可能な薬剤は、適切な終濃度になるように、すなわち非興奮性細胞に対するカルシウム流入を抑制または増大することができる濃度で、非興奮性細胞を含む環境に添加することができる。本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、添加の際に適切な溶液として細胞培養液などに添加することができる。上記薬剤の添加方法は、当業者であれば容易に選択することができるであろう。
【0045】
また、本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤は、製剤全体に対して約0.1〜100重量%、好ましくは約10〜99.9重量%、さらに好ましくは約20〜90重量%程度である。本発明の非興奮性細胞の活性化の制御剤において、上記pH調整剤、カルシウム濃度調整剤、もしくは脱分極刺激が可能な薬剤、または担体以外の成分の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤全体に対して約10〜99.9重量%、好ましくは約20〜90重量%程度である。
【実施例】
【0046】
実施例1 ミクログリアの容量性カルシウム流入(Capacitative Calcium Entry:CCE)
多様な細胞機能は、カルシウムシグナリング機構により厳密に制御されているので、カルシウムシグナリング機構に異常が生じると細胞機能の致命的な障害を引き起こすことが知られている。細胞内へのカルシウム動員機構には2通りある。一つは細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出、もう一つは細胞膜のカルシウムチャネルを介した細胞外からのカルシウム流入である。これらは、時にはシナジェティックに起こり、時にはインディペンデントに起こる。多くの興奮性細胞では膜電位の脱分極によって電位依存性のカルシウムチャネルが開き、カルシウム流入が起こる。さらに、この流入したカルシウムがリアノジン受容体を刺激して細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出を引き起こす(カルシウム誘起性カルシウム放出; CICR)。一方、数種の興奮性細胞と多くの非興奮性細胞では、セカンドメッセンジャー(イノシトール三リン酸; IP3)を介した細胞内カルシウムストアからのカルシウム放出が重要な役割を担っている。また、非興奮性細胞において細胞外からのカルシウム流入は、細胞内カルシウムストアへのカルシウムの供給の他、増殖や分化、サイトカイン等の液性因子の産生・放出に必要だと言われている。現在まで、ミクログリアでは電位依存性カルシウムチャネルの存在が確認されておらず、カルシウム透過性を示す受容体作動性チャネル(Calcium-permeable Receptor-Operated Channels; ROCs)、およびストア作動性チャネル(Calcium-permeable Store-Operated Channels; SOCs)が重要な役割を担っているとされている。ROCsとしてはATP受容体(P2X型プリン受容体)ファミリーが同定されているが、SOCsについてはチャネル分子が同定されておらず、その開閉機構についても様々な仮説が立てられている。そこで、我々はSOCsの活性化機構を調べるため、カルシウム感受性蛍光タンパクであるPericamを用いたカルシウムイメージング実験を行った。
【0047】
<方法>
蛍光タンパク質であるペリカムを発現しているミクログリア由来の株化細胞(MG5細胞)をBSSで2回リンスした後、正立顕微鏡(Axioplan2; カールツァイス)のステージ台に置き、20倍の水深対物レンズ(UMPlanFl 20x W; オリンパス)を用いて観察を行った。高速波長切替え装置(C6789: 浜松ホトニクス)を用いて420nmおよび480nmの励起光を交互に照射し、535nmの蛍光をCCDカメラ(C4880-80: 浜松ホトニクス)でコンピュータへ取り込んだ。画像の解析にはARGUS-HiSCA (浜松ホトニクス)を用いた。薬剤投与および細胞外液の交換は還流(1-2ml/min)により行った。
【0048】
<結果>
SOCsの活性化によるカルシウム流入はCapacitative Calcium Entry(CCE)とも呼ばれ、カルシウムストアの枯渇によって引き起こされるとされている。Pericamを用いてミクログリアのCCEを観察するため、タプシガルジン(TG)を作用させてストア内のカルシウムレベルを低下させたところ、細胞質での長期にわたる(20分以上)カルシウム濃度上昇が確認できた(図3)。ミクログリアへタプシガルジン(1μM TG; 黒棒線)を3分間作用させると、初めに細胞内のカルシウム濃度が上昇し、その後ゆっくりと下降してくるが、やがて一定(プラトー)となる。この状態が20分以上続いていた。図中の破線は、刺激前の蛍光比(静止時のカルシウム濃度)を示している。
【0049】
次に、細胞外からのカルシウム流入によるCCEの発生を調査した結果を図4に示す。図4に示したとおり、ストア内カルシウムの低下(1μM TG; 黒棒線)により引き起こされた細胞内カルシウム濃度上昇は、外液のカルシウムを除去する(BSS中のCaCl2を0にして、0.1mMのEGTAを加えた。)ことにより消失する。しかし、外液を通常のBSSに戻すと再びカルシウム濃度上昇が見られた。この現象は、TGの作用中(黒棒線)でも見られていた。図中の破線は、刺激前の蛍光比を示している。このように長期的なカルシウム濃度上昇は、キレート剤(0.1mM EGTA)を用いて細胞外のカルシウムを除去することにより消失することから、CCEは細胞外からのカルシウム流入によっておこっていることが示唆された(図4)。
【0050】
SOCsを構成する分子については数多くの研究があり、その候補としてTrp(Transient receptor potential)チャネルファミリーが挙げられているが、未だその分子は同定されていない。しかし、近年の研究により、SOCsが低pH(酸性)や高カルシウム(mMオーダー)、Co2+、Ni2+、La3+、Gd3+でブロックされること、逆に高pH(アルカリ性)や低カルシウム(または無カルシウム)ではチャネルが開くことが明らかになってきた。この性質は、最近注目されているコネキシンヘミチャネルに共通しており、コネキシンチャネルがカルシウム流入に関与している可能性がでてきた。コネキシンファミリーは細胞間でギャップ結合を形成する分子として同定されたが、近年ではギャップ結合を行っていない細胞においても発現が見られ、6量体のヘミチャネルとして機能していることが示されている。そこで、コネキシンチャネル阻害剤を用いて、コネキシンチャネルがストア内カルシウム低下による細胞内へのカルシウム流入に関与しているかどうかを検証した。
【0051】
図5は、1-OctanolによるCCEの阻害を調査した結果を示している。TG(細黒棒線)によってカルシウム動員させた後に200μMおよび800μMの1-Octanolを作用させると(太黒棒線)、1-Octanol濃度依存的に細胞内のカルシウム濃度が減少した。細胞外のカルシウムを除去(Ca-free)することによっても細胞内カルシウム濃度が下がることから、コネキシンチャネルを阻害することにより、カルシウム流入が抑えられている可能性を示している。図中の破線は、刺激前のカルシウム濃度を示している。
【0052】
上記の通り、TGによってカルシウム動員を起こした細胞へコネキシンチャネル阻害剤である1-Octanolを作用させると、濃度依存的にカルシウム流入が抑えられることが明らかになった(図5)。
【0053】
また、図6は、別のコネキシンチャネル阻害剤であるカルベノキソロン(carbenoxolone)を用いた場合のCCEの阻害を調査した結果を示している。TG(細黒棒線)によってカルシウム動員させた後に20μMおよび100μM、200μMのカルベノキソロンを作用させると(太黒棒線)、濃度依存的に細胞内のカルシウム濃度が減少することからも、コネキシンチャネルの阻害により、カルシウム流入が抑えられていることを示している。図中の破線は、刺激前のカルシウム濃度を示している。
【0054】
上記の通り、細胞内カルシウム濃度の上昇曲線が図5とは異なるものの、結果的に濃度依存的なカルシウム流入の阻害が見られた(図6)。
【0055】
実施例2 CCEの発生に関する膜電位および細胞外カルシウム濃度の影響
SOCsを形成する分子としてコネキシンが一応、候補に挙がった。しかし、コネキシンチャネルの開閉は、膜電位に依存しており、脱分極により開くことが知られている一方で、ミクログリアには脱分極刺激によるカルシウム流入は認められない。これは恐らく、非刺激下のミクログリアではコネキシンチャネルがブロックされており、膜電位の変化だけではチャネルの開閉が行われないのであろう。卵母細胞の発現系を用いたコネキシンチャネルの研究で、mMオーダーの細胞外カルシウム存在下ではコネキシンチャネルが閉じるという報告がある。この報告は、通常用いる細胞外液のカルシウム濃度(1〜2mM)ではコネキシンチャネルが阻害されている可能性があることを示している。そこで、細胞外液中のカルシウム濃度を0.5mMにまで下げて高カリウム(60mM)による脱分極刺激を行い、ミクログリアのカルシウム応答を観察した。
【0056】
<方法>
蛍光タンパク質であるペリカムを発現しているミクログリア由来の株化細胞(MG5細胞)をBSSで2回リンスした後、正立顕微鏡(Axioplan2; カールツァイス)のステージ台に置き、20倍の水深対物レンズ(UMPlanFl 20x W; オリンパス)を用いて観察を行った。高速波長切替え装置(C6789: 浜松ホトニクス)を用いて420nmおよび480nmの励起光を交互に照射し、535nmの蛍光をCCDカメラ(C4880-80: 浜松ホトニクス)でコンピュータへ取り込んだ。画像の解析にはARGUS-HiSCA (浜松ホトニクス)を用いた。薬剤投与および細胞外液の交換は還流(1-2ml/min)により行った。
【0057】
<結果>
図7は、カルシウムによるSOCsの阻害を示している。BSS中のCaCl2濃度を0.5mMに下げ、浸透圧を合わせるためにBaCl2を終濃度1.5mMとなるように加えて、カルシウムイメージングを行った。低カルシウム濃度(0.5mM)だけでは、通常のカルシウム濃度(2mM)にもどしてもカルシウム流入は見られなかったが、低カルシウム濃度中で脱分極刺激(60mM KCl)を行った後、通常のカルシウム濃度にもどすとカルシウム動員が観察された(図7)。また、脱分極刺激だけではカルシウム動員が見られなかった(データは省略)。これは、脱分極によるチャネルの開閉が、カルシウムによりブロックされていることを示している。
【0058】
脱分極刺激中にカルシウム動員が見られなかったのは、外液中のカルシウム濃度が低かったためか、或いはNa/K ATPaseの働きで実際の膜電位がそれ程脱分極されていなかった可能性がある。いずれにせよCCEが起こっているときに外液のカルシウム濃度を下げると細胞内のカルシウム濃度が下がっていることが確認できた。これらの結果から、非刺激時のコネキシンチャネルは、カルシウムによってブロックがかかっており、脱分極によるチャネルの活性化が起こらないが、カルシウムブロックをはずして脱分極刺激を行うと活性化されることを見出した。
【0059】
実施例3 CCEの発生に関する外液pHの影響
コネキシンチャネルはpHの影響を強く受けることが知られているので、細胞外液のpHを変化させたときにミクログリアのカルシウム流入にどのような影響を及ぼすのかを観察した。
【0060】
<方法>
蛍光タンパク質であるペリカムを発現しているミクログリア由来の株化細胞(MG5細胞)をBSSで2回リンスした後、正立顕微鏡(Axioplan2; カールツァイス)のステージ台に置き、20倍の水深対物レンズ(UMPlanFl 20x W; オリンパス)を用いて観察を行った。高速波長切替え装置(C6789: 浜松ホトニクス)を用いて420nmおよび480nmの励起光を交互に照射し、535nmの蛍光をCCDカメラ(C4880-80: 浜松ホトニクス)でコンピュータへ取り込んだ。画像の解析にはARGUS-HiSCA (浜松ホトニクス)を用いた。薬剤投与および細胞外液の交換は還流(1-2ml/min)により行った。
【0061】
<結果>
非刺激時のミクログリアへ酸性pH(pH6.8)のBSSまたはアルカリ性pH(pH8.0)のBBSを作用させたときのカルシウム応答をPericamを用いて測定した。
【0062】
図8は、外液pHによるSOCsへの影響を調査した結果を示している。酸性pH下では、ミクログリアの細胞内カルシウム濃度はわずかに減少したが、中性(pH7.4)域に戻すと元のレベルまで回復した。逆に、アルカリpH下ではカルシウム濃度の上昇が起こり、中性域に戻しても元のカルシウムレベルまでは戻らず、断続的にカルシウム濃度の高い状態(プラトー)が続いていた。カルシウム濃度がプラトーの状態で酸性pHにさらすとカルシウム濃度は低下し、アルカリpHではカルシウム濃度がさらに上昇した(図8)。
【0063】
ミクログリアのカルシウム動員は、膜電位依存性であることが知られている。そこで、膜電位とpH変化の関係を調べるため、外液のカリウム濃度を変えてカルシウム動員に対するpHの影響を調べた。
【0064】
図9は、外液pHによるSOCsへの影響の膜電位依存性を調査した結果を示している。高カリウム(60mM)中では、アルカリpHによるカルシウム流入が見られなかった。しかし、アルカリ性pHのままで高カリウム刺激を止めると大きなカルシウム動員が観察された(図9)。
【0065】
この結果は、アルカリ性pHによるカルシウム動員は、細胞外のカリウムイオン濃度または膜電位に依存していることを示している。
【0066】
実施例4 サイトカイン放出に対するコネキシンチャネルの役割
ミクログリアが活性化されると、さまざまサイトカインを産生・放出することが知られている。また、ミクログリアの活性化に必要な細胞内へのカルシウム流入に、コネキシン分子が形成するチャネルが関与していることが示唆された。これらの結果から、サイトカインの放出にコネキシンチャネルが関与している可能性が考えられる。そこで、サイトカインのうちの1つであるTNF-αの放出について、ギャップ結合阻害剤を用いたときの影響を調べた。
【0067】
細胞をATPで3時間刺激を行い、細胞から放出されたTNF-αの量をELISA法により測定した。
【0068】
<方法>
ミクログリア由来の株化細胞(MG5細胞)を24穴マルチプレートに1×105/ウェルとなるようにまく。プレートに張り付いたことを確認してから、未刺激のグループ、1mMのATPで刺激するグループ、1mMの1-オクタノールまたは100μMのカルベノキソロンを加えてATPによる刺激を行なうグループに分けて刺激を行なった。37℃で3時間刺激を行った後、培養上清を回収してTNF-αの含有量を測定した。TNF-αの測定には、Quantikine mouse TNF-α immunoassay kit (R&D systems)を用い、キットに添付されている方法に従って測定を行なった。有意差の検定には、Student t検定を用いた。
【0069】
<結果>
図10は、ATPで誘導されるTNF-α放出に対するコネキシンチャネル阻害剤の影響を調査した結果を示している。ミクログリアをATPで3時間刺激するとTNF-αを細胞外へ放出する。しかし、コネキシンチャネル阻害剤存在下で細胞を刺激したときにはTNF-α放出量は抑えられていた。刺激後のTNF-α放出が、オクタノール(Oct)存在下では、約34%、カルベノキソロン(CBX)存在下では、約52%に抑えられていた(図10)。
【0070】
この結果から、コネキシンチャネルがサイトカイン(TNF-α)の放出に関わっていることが示唆された。TNF-αを通過させるほどコネキシンチャネルの孔が大きくはないことを考慮すると、コネキシンチャネルを介したカルシウム流入によってサイトカイン放出が制御されていると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の方法の特徴を示すフローチャート図。
【図2】本発明の方法の一実施態様を示す図。
【図3】ストア内カルシウム低下による細胞内カルシウム動員を示す図。
【図4】細胞外からのカルシウム流入によるCCEの発生を示す図。
【図5】1-オクタノールによるCCEの阻害を示す図。
【図6】カルベノキソロンによるCCEの阻害を示す図。
【図7】カルシウムによるSOCsの阻害を示す図。
【図8】外液pHによるSOCsへの影響を示す図。
【図9】外液pHによるSOCsへの影響の膜電位依存性を示す図。
【図10】ATPで誘導されるTNF-α放出に対するコネキシンチャンネル阻害剤の影響を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1・・・細胞
2・・・基本塩含有液
3・・・培養器
4・・・ヒーター
5・・・薬液投与針
6・・・液送還用チューブ
7・・・観測装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非興奮性細胞の活性化を制御するための方法であって、
コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、コネキシンチャネル阻害剤により制御される方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、pHを変化させることにより制御される方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、細胞膜電位を変化させることにより制御される方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉は、カルシウム濃度を変化させることにより制御される方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、細胞内カルシウム濃度をモニターする工程をさらに含む方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記細胞内カルシウム濃度は、カルシウムキレート剤を骨格に持つ蛍光指示薬を用いてモニターされる方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、前記細胞内カルシウム濃度は、カルシウム感受性の蛍光タンパク質を用いてモニターされる方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、前記細胞内カルシウム濃度は、カルシウム依存性の発光タンパク質を用いてモニターされる方法。
【請求項10】
コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質を有効成分として含有する非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項11】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、コネキシンチャンネル阻害剤である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項12】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、炭素数が7〜9であるアルコールである、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項13】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、グリチルリチン酸誘導体である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項14】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、揮発性麻酔剤である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項15】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、pH調整剤である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項16】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、カルシウム濃度調整剤である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。
【請求項17】
前記コネキシン分子が形成するチャネルの開閉を制御する物質が、脱分極刺激が可能な薬剤である、請求項10に記載の非興奮性細胞の活性化の制御剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−83139(P2006−83139A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272274(P2004−272274)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】