説明

カルシトリオールの低カルシウム血性、高抗増殖性類似体

本発明は、高カルシウム血症を発生するカルシウム代謝に対して良く知られている効果を伴わないで、異常細胞増殖及び/又は細胞分化により特徴づけられる疾病、例えば白血病、骨髄線維症及び乾癬の処理において有用であり得る、化合物、組成物、及び細胞の分化を刺激し、そして一定細胞、例えば癌細胞及び皮膚細胞の過剰細胞増殖を阻害するそれらの化合物及び組成物の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルシトリオールの低カルシウム血性、高抗増殖性類似体に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイドホルモンは、ヒトにおける良好な健康のために必要である(Witzmann, R., Steroids: Keys to Life, Van Nostrand Reinhold Co., New York, NY, 1977; Hammes, S.R., Proc. Nat'l. Acad. Sci. 2003, 1009 21680-21700.)。例えばそれらの化合物は、癌、外皮疾患、骨疾患、副甲状腺疾患、免疫学的障害、創傷治療及びオステオポローシスの処理及び/又は予防において有用である。数年間にわたって、種々のオキサステロイドが、O−原子による-CH2基の置換が生物学的活性に対していかに影響を及ぼすかを調べるために調製されて来た。
【0003】
有意且つ価値ある生物学的有益性が、次のものを包含するいくつかのオキサステロイドについて記録されている:(1)GABAA受容体モジュレーターとしての6−オキサステロイド(Nicoletti, S.R. et al, Steroids 2000, 65, 349-356);(2)有能且つ選択的プロゲステロン受容体アンタゴニストとしての7−オキサステロイド(Kang, F. A. et al.; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2007, 17, 907-910);(3)妊娠誘発剤としての11−オキサステロイド(Engel, CR. et al.; Steroids 1986, 47, 381-399; Cachoux, F.; Tetrahedron Lett. 2000, 41, 1767-1769);及び(4)発情剤としての15−オキサステロイド(Rosen, P. et al.; J. Med. Chem. 1980, 23, 329-330)。
【0004】
ビタミンDセコ−ステロイドのいくつかのオキサステロイドがまた報告されている(Calverley, M.J. et al.; Analogues, U.S. Patents 5,378,695 and 5,401,732 (1995))。天然のホルモン1α、25−ジヒドロキシビタミンD3(カルシトリオールA)の最も注目すべきオキサ類似体は、Chugai Pharmaceutical CompanyのマキサカルシトールB(Kubodera, N., Current Bioactive Compounds 2006, 2, 301-315)である。この22−オキサ−25−OH類似体は、現在、続発性上皮小体亢進症の処理のために臨床学的に使用されている薬物であり、そして乾癬、すなわち免疫−介在性慢性皮膚疾患の局部処理のための薬物候補体である。天然のホルモンAの他の23−オキサ−25−ヒドロキシ類似体が研究されて来たが、しかし好ましくないカルシウム血性活性から抗増殖性及び/又は前分化性活性の好ましい分離の点で、Chugaiの薬物22−オキサ−25−ヒドロキシBを卓越も又はさらに適合もしていない(Steinmeyer, A., et al.; Curr. Pharm. Des. 2000, 6, 767-789)。
【0005】
例えば、23−オキサ−25−ヒドロキシ類似体Aにおける構造−活性関係(SAR)の広い研究においては、Schering社は、所望には高い抗増殖性又は前分化性活性と、所望には低いカルシウム血性活性との間の可能性ある治療窓が、Chugaiの薬物22−オキサ−25−ヒドロキシBについての大きな治療窓(Allewaert, K. et al.; Steroids 1994, 59, 686-690)に比較して、23−オキサカルシトリオール、20−エン−23−オキサカルシトリオール及び22−エン−25−オキサカルシトリオールについて小さかった(Steinmeyer, A., et al.; Curr. Pharm. Des. 2000, 6, 767-789)ことを見出した。
【0006】
従って、当業界において必要とされるものは、所望する薬理学的活性を選択的に示すが、しかし高カルカルシウム血性及び他の所望しない活性を示さないビタミンDセコ−ステロイドの他の類似体である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
1. Peleg, S.; Petersen, K. S.; Suh, B. C; Dolan, P.; Agoston, E. S.; Kensler, T. W.;Posner, G. H. J. Med. Chem. 2006, 49, 7513-7517.
2. Petersen, K. S.; Dolan, P. M.; Kensler, T. W.; Peleg, S.; Posner, G. H. J. Med. Chem. 2007, 50, 5824-5832.
3. Posner, G. H.; Lee, J. K.; White, M. C; Hutchings, R. H.; Dai, H.; Kachinski, J. L.; Dolan, P.; Kensler, T. W. J. Org. Chem. 1997, 62, 3299-3314.
4. Daniewski, A. R.; Garofalo, L. M.; Hutchings, S. D.; Kabat, M. M.; Liu, W.; Okabe, M.; Radinov, R.; Yiannikouros, G. P. J. Org. Chem. 2002, 67, 1580-1587.
5. Posner, G. H.; Suh, B. C; Petersen, K. S.; Dolan, P.' Agoston, E. S.; Kensler, T. W.; Koh, J. T.; Peleg, S. J. Steroid Biochem. MoI. Biol. 2007, 103, 213-221.
【0008】
6. Hatcher, M. A.; Posner, G. H. Tetrahedron Lett. 2002, 43, 5009-5012.
7. Schelper, M.; Meijere, A. Eur. J. Org. Chem. 2005, 3, 582-592.
8. Moman, E. N. D.; Mourino, A. J. Org. Chem. 2004, 69, 4615-4625.
9. Ross T K, Prahl J M, DeLuka H. Overproduction of rat 1,25-dihydroxyvitamin D3 receptor in insect cells using the baculo virus expression system. (1991) Proc Natl Acd Sci USA 88:6555-6559.
10. Wecksler W R, Norman A W. An hydroxylapatite batch assay for the quantitation of lalpha, 25-dihydroxyvitamin D3-receptor complexes (1979) Anal Biochem 92:314- 323.
【0009】
11. Hashimoto Y, Ikeda I, Ikeda M, Takahashi Y, Hosaka M, Uchida H, Kono N, Fukui H, Makino T, Honjo M. Construction of a specific and sensitive sandwich enzyme immunoassay for 20 KD human growth hormone (1998) J Immunol Methods 221 :77- 85.
12. Jone G, Byford V, Makin H L J, Kremer R, Rice R H, deGraffenried, L A, Rnutson J C, Bishop C W. Anti-pro liferative activity and target cell catabolism of the vitamin D analogue lalpha, 24(OH)2D2 in normal and immortalized human epidermal cells (1996) Biochem Pharmacol 52:133-140。
【発明の概要】
【0010】
本発明の開示は、従来の25−OH基を欠いている天然のホルモンAの生物学的活性類似体を供給する(Sinishtaj, S. et al.; Bioorg. Med. Chem. 2006,14,6341- 6348; Agoston, E. S. et al.; Anti-Cancer Agents Med. Chem. 2006, 6,53-71; Kahraman, M. et al.; Sinishtaj, S.; Dolan, P.M.; Kensler, T.W.; Peleg, S.; Saha, U.; Chuang, S.S.; Bernstein, G.; Korczak, B.; Posner, G.H. Potent, selective and low-calcemic inhibitors of CYP24 Hydroxylase: 24-Sulfoximine analogues of the hormone lα,25-dihydroxyvitamin D3. 2004, 47, 6854-6863)。いくつかの態様においては、天然の25−OH基は、除去され、そして天然の23−CH2基は酸素原子により置換される。
【0011】
位置−25からの酸素のこの全体的に安定した除去及び位置−23での酸素の導入が、高い治療能力を有するいくつかの新規ビタミンDエーテル類似体を生成して来た。この開示されるシリーズは、アリル性、ベンジル性及びプロパルギル性エーテル類似体1(ここで、酸素原子がC, D−環側鎖上の位置−23に位置し、そして最初に、標準の側鎖末端−OH基が不在である)を用いて、容易に合成され得る。この末端−OH基の不在にもかかわらず、ビタミンD受容体(VDR)(Feldman, D. et al.; Eds. Vitamin D. 2nd Ed., Elsevier, 2005)への効果的結合のために必要であるが、この開示される類似体は、インビトロでの高い抗増殖活性及びインビボでの所望には低いカルシウム血性活性を有する。
【0012】
【化1】

【0013】
従って、1つの観点においては、本発明は、下記式I:
【化2】

【0014】
[式中、---- は、単又は二重結合であり;
Xは独立して、O、NR2、S、S(O)又はS(O)2であり;
L1は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
L2は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
【0015】
R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR1は任意には、独立して1〜5個のR3基により置換され;
R2は、H、アルキル又はペルフルオロアルキルであり;
【0016】
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール, アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルはそれぞれ任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
【0017】
R4は独立して、H、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール又は置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR4は任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
【0018】
R5、R6、R7及びR8は個々に独立して、直接結合、H、OH、-(CH2)jOR9、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR5、R6、R7及びR8は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;あるいは
【0019】
R7及びR8は、上記の通りであり、そしてR5及びR6は、それらが結合されるN原子と共に置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル又は置換された又は置換されていないヘテロアリールを形成し、ここでR5及びR6は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;そして
【0020】
R9は、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)jOR10、-(CH2)jC(O)R10、-(CH2)jC(NR13)R4、-(CH2)jC(O)OR10、-(CH2)jNR11R12、- (CH2)jC(O)NR11R12、-(CH2)jOC(O)NR11R12、-(CH2)jNR13C(O)R14、-(CH2)jNR13C(O)OR10、 -(CH2)jNR13C(O)NR11R12、-(CH2)jS(O)mR15、-(CH2)jNR13S(O)2R15、あるいは(CH2)jS(O)2NR11R12であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり;そして
【0021】
R10、R11、R12、R13、R14及びR15は個々に独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである]
で表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物を供給する。
【0022】
他の観点においては、本発明は、1又は複数の式Iの化合物を含む医薬組成物;式Iの化合物又は式Iの化合物を含む医薬組成物を投与することによる、異常細胞−増殖及び/又は細胞−分化により特徴づけられる障害の処理方法;式Iの化合物又は式Iの化合物を含む医薬組成物を投与することによる、続発性上皮小体亢進症の処理方法;及び式Iの化合物の調製方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、ラット尿におけるカルシウムレベルに対する開示されるビタミンD3類似体の効果を示すインビボアッセイを示す。
【図2】図2は、化合物1aについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図3】図3は、化合物1bについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図4】図4は、化合物1cについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図5】図5は、化合物1dについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図6】図6は、化合物1fについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図7】図7は、化合物1gについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図8】図8は、化合物1hについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【図9】図9は、化合物1iについてのVDR結合アッセイ結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一般
本明細書に使用される略語は、化学的及び生物学的業界内でのそれらの従来の意味を有する。
置換基が左から右に書かれた、それらの従来の化学式により特定される場合、それらは右から左に構造体を書くことに起因する化学的に同一の置換基を平等に包含し、例えば-CH2O-は-OCH2-と同等である。
【0025】
用語“アルキル”とは、それ自体又はもう1つの置換基の一部として、特にことわらない限り、企画される数の炭素原子(すなわち、C1-C10は1〜10個の炭素を意味する)を有する、十分に飽和化され、単−又は多不飽和化され得、そしてニ−及び多価基を包含することができる、直鎖(すなわち、枝なしの)又は枝分れ鎖、又は環状炭化水素基、又はその組合せを意味する。飽和炭化水素基の例は、次の基を包含するが、但しそれらだけには限定されない:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの相同体及び異性体、及び同様のもの。
【0026】
不飽和アルキル基は、1又は複数の二重結合又は三重結合を有するアルキル基である。不飽和アルキル基の例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及び高次相同体及び異性体。炭化水素基に限定されるアルキル基は、“ホモアルキル”と呼ばれる。
【0027】
用語“アルキレン”とは、それ自体又はもう1つの置換基の一部として、それだけには限定されないが、-CH2CH2CH2CH2-により例示されるような、アルキルに由来する二価の基を意味する。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有し、そして10又はそれよりも少ない炭素原子を有するそれらの基が本発明において好ましい。“低級アルキル”又は“低級アルキレン”とは、一般的に8又はそれよりも少ない炭素原子を有する、より短い鎖のアルキル又はアルキレン基である。
【0028】
用語“ヘテロアルキル”とは、それ自体又はもう1つの用語として組合して、特にことわらない限り、少なくとも1つの炭素原子、及びO, N, P, Si及びSから成る群から選択された少なくとも1つのヘテロ原子から成り、そしてここで、窒素及び硫黄原子は任意には、酸化され得、そして窒素へテロ原子は任意には、四級化され得る、安定した直鎖又は枝分れ鎖、又は環状炭化水素機を意味する。
【0029】
ヘテロ原子O, N, P及びS並びにSiは、ヘテロアルキル基のいずれか内部位置で、又はアルキル基が分子の残りに結合される位置で配置され得る。例としては、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH- CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、 -CH2-CH2-S(O)2- CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、0-CH3、 -O- CH2-CH3及び-CN。2個までのヘテロ原子、例えば-CH2-NH-OCH3 及び-CH2-O-Si(CH3)3は、連続的であり得る。
【0030】
同様に、用語“ヘテロアルキレン”とは、それ自体又はもう1つの置換基の一部として、それらだけには限定されないが、-CH2-CH2-S- CH2-CH2- 及び-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-により例示されるように、ヘテロアルキルに由来する二価の基を意味する。ヘテロアルキレン基に関しては、ヘテロ原子はまた、鎖末端(例えば、アルキレンオキソ、アルキレンジオキソ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ、及び同様のもの)のいずれか又は両者を占有する。さらに、アルキレン及びヘテロアルキレン結合基に関しては、結合基の配向は、結合気の式が書かれている方法により包含されない。例えば、式-C(O)OR’-は、-C(O)OR’-及び-R’OC(O)-の両者を表す。
【0031】
上記のように、ヘテロアルキル基は、本明細書において使用される場合、ヘテロ原子を通して分子の残りに結合されるそれらの基、例えば-C(O)R'、- C(O)NR、-NRR"、-OR'、 -SR、 及び/又は -SO2R'を包含する。“ヘテロアルキル”が引用され、続いて特定のへテロアルキル基、例えば-NR’R’’又は同様のものが引用される場合、用語、ヘテロアルキル及び-NR’R’’は余分であるか又はお互い排他的ではないことが理解されるであろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基が明確さのために引用されている。従って、用語“ヘテロアルキル”とは、特定のヘテロアルキル基、例えば-NR’R’’又は同様のものを排除するものとして、本明細書においては解釈されるべきではない。
【0032】
用語“シクロアルキル”及び“ヘテロシクロアルキル”とは、それら自体又は他の用語の組合して、特にことわらない限り、それぞれ“アルキル”及び“ヘテロアルキル”の環状バージョンを表す。さらに、ヘテロシクロアルキルに関しては、ヘテロ原子は、複素環が分子の残りに結合される位置を占有することができる。シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0033】
ヘテロシクロアルキルの例は、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。用語“シクロアルキレン”及び“ヘテロシクロアルキレン”とは、それぞれ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルの二価誘導体を意味する。
【0034】
用語“シクロアルキル”又は“シクロアルキルアルキル”とはまた、置換されていないアルキレン基を通して分子の残りに結合される、3〜7員のシクロアルキル基を言及する。特定に数の炭素原子(例えば、C1-C10シクロアルキルアルキル)の引用は、アルキレン基における炭素原子の数を意味する。
【0035】
用語“ヘテロシクロアルキル”又は“ヘテロシクロアルキルアルキル”とはまた、置換されていないアルキレン基を通して分子の残りに結合される、3〜7員のヘテロシクロアルキル基を言及する。特定の数の炭素原子(例えば、C1-C10へテロシクロアルキルアルキル)の引用は、アルキレン基における炭素原子の数を意味する。
【0036】
用語“ハロ”又は“ハロゲン”とは、それら自体又はもう1つの置換基の一部として、特にことわらない限り、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。さらに、用語“ハロアルキル”とは、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを包含することも意味する。例えば、用語“ハロ(C1-C4)アルキル”とは、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル及び同様のものを包含することを意味するが、但しそれらだけには限定されない。
【0037】
用語“アリール”とは、特にことわらない限り、一緒に融合されるか又は共有結合される、単環又は多環(好ましくは、1〜3個の環)であり得る芳香族炭化水素置換基を意味する。用語“ヘテロアリール”とは、N, O及びSから選択された、1〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を言及し、ここで前記窒素及び硫黄原子は任意には酸化され、そして前記窒素原子は四級化される。ヘテロアリール基は、炭素又はヘテロ原子を通して分子の残りに結合され得る。アリール及びヘテロアリール基の非制限的例は、次のものを包含する:
【0038】
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリニル、5−イソキノリニル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリニル及び6−キノリニル。上記に示されるアリール及びヘテロアリール環系の個々についての置換基は、下記許容できる置換基群から選択される。用語“アリーレン”及び“ヘテロアリーレン”とは、それぞれアリール及びヘテロアリールの二価誘導体を意味する。
【0039】
手短には、用語“アリール”とは、他の用語(例えば、アリールオキサ、アリールチオオキサ、アリールアルキル)と組合して使用される場合、上記に定義されるように、アリール及びヘテロアリール環の両者を包含する。従って、用語“アリールアルキル”とは、アリール基がアルキル基に結合されるそれらの基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル及び同様のもの)、例えば炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば酸素原子により置換されているそれらのアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキし)プロピル及び同様のもの)を包含することを意味する。
【0040】
用語“オキソ”とは、本明細書において使用される場合、炭素原子にニ重結合される酸素を意味する。
【0041】
上記用語(例えば、“アルキル”、“ヘテロアルキル”、“シクロアルキル”及び“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール及びそれらの二価誘導体)の個々は、その示される基の置換された及び置換されていない形の両者を意味する。個々のタイプの基についての好ましい置換基は、下記に提供される。
【0042】
アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル単価及び二価誘導体基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルキニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルとしてしばしば言及されるそれらを包含する)ための置換基は、次のものから選択された1又は複数の種々の基であり得るが、但しそれらだけには限定されない:0〜(2m’+1)(ここで、m’はそのような基における炭素原子の合計数である)の範囲の数での、-OR'、=0、=NR'、=N-0R'、-NRR"、-SR、 -ハロゲン、-SiRR"R'''、-OC(O)R、-C(O)R'、-CO2R'、-C(O)NRR"、-OC(O)NRR"、-NR"C(0)R、-NR'-C(0)NR"R"'、-NR"C(0)0R、-NR-C(NRR")=NR"、 -S(O)R'、-S(O)2R、-S(O)2NRR"、-NRSO2R、-CN 及び-NO2。R’, R'', R'''及びR''''はお互い好ましくは、独立して、水素、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール(例えば、1〜3個のハロゲンにより置換されたアリール)、置換された又は置換されていないアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又はアリールアルキル基を意味する。
【0043】
本発明の化合物が1よりも多くのR基を含む場合、例えばR基の個々は独立して選択され、同様に、1つよりも多くのそれらのR’, R'', R'''及びR''''基が存在する場合、それらの基の個々は独立して選択される。R’及びR''が同じ窒素原子に結合される場合、それらは、窒素原子と組合わされ、4−、5−、6−又は7−員の環が形成される。例えば、-NR’R''は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを包含することを意味するが、但しそれらだけには限定されない。上記置換基についての論議から、当業者は、用語“アルキルとは、水素基意外の基に結合される炭素原子を包含する基、例えばハロアルキル(例えば、-CF3及び-CH2CF3)及びアシル(例えば、-C(O)CH3、-C(O)CF3、- C(O)CH2OCH3及び同様のもの)を意味することを理解するであろう。
【0044】
上記アルキル基について記載される置換基に類似して、アリール及びヘテロアリール基(及びそれらの二価誘導体)について典型的な置換基は、変化し、そして例えば次のものから選択される:0〜芳香族環系上の開放原子価の合計数までの範囲の数での、ハロゲン、-O R’、-NR’R"、-SR’、-ハロゲン、-SiR’R"R'"、-OC(O)R’、- C(O)R’、-CO2R’、-C(0)NR’R"、 -OC(O)NR’R"、 -NR"C(0)R’、-NR’-C(0)NR"R"'、-NR"C(0)0R’、-NR-C(NR’R"R"')=NR""、-NR-C(NR'R")=NR'"、 -S(O)R’、-S(O)2 R’、-S(O)2NR’R"、-NRSO2 R’、-CN 及び-NO2、-R’、-N3、-CH(Ph)2、フルオロ(C1-C4)アルコキソ、及びフルオロ(C1-C4)アルキル;ここでR’, R'', R'''及びR''''は好ましくは独立して、水素、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール及び置換された又は置換されていないヘテロアリールから選択される。本発明の化合物が1つよりも多くのR基を含む場合、R基の個々は独立して選択され、同様に、1つよりも多くのR’, R'', R'''及びR''''基が存在する場合、それらの基の個々が選択される。
【0045】
アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は任意には、式-T-C(O)-(CRR’)q-U-を形成し、ここでT及びUは独立して、-NR-, -O-, -CRR’-又は単結合であり、そしてqは0〜3の整数である。他方では、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は任意には、式-A-(CH2)r-B-の置換基により置換され得、ここでA及びBは独立して、-CRR’-、-O-、- NR-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR’-又は単結合であり、そしてrは1〜4の整数である。そのようにして形成された新規環の1つの単結合は任意には、二重結合により置換され得る。
【0046】
他方では、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は任意には、式-(CRR’)s-X’-(C"R''')d-の置換基により置換され、ここでs及びdは独立して、0〜3の整数であり、そしてX’は-O-、-NR’-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-又は - S(O)2NR’-である。置換基R’, R'', R'''及びR''''は好ましくは独立して、水素、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール及び置換された又は置換されていないヘテロアリールから選択される。
【0047】
本明細書において使用される場合、用語“ヘテロ原子”又は“環へテロ原子”とは、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)及び珪素(Si)を意味する。
【0048】
本発明の化合物は、塩として存在することができる。本発明のそのような塩を包含する。適用できる塩形の例は、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)−酒石酸塩、(−)−酒石酸塩又はその混合物、例えばセラミ混合物)、琥珀酸塩、安息香酸塩、及びアミノ酸、例えばグルタミン酸との塩を包含する。それらの塩は、当業者に知られている方法により調製され得る。塩基付加塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ又はマグネシウム塩、又は類似する塩もまた包含される。本発明の化合物が比較的塩基性の官能価を含む場合、酸付加塩は、中性形のそのような化合物と、十分な量の所望する酸とを、ストレートに、又は適切な不活性溶媒下で接触することにより得られる。
【0049】
許容できる酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、ニ水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸又はリン酸、及び同様のものに由来するそれらの塩、及び有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、琥珀酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸及び同様のものに由来する塩を包含する。アミノ酸の塩、例えばアルギン酸塩及び同様のもの、及び有機酸、例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸及び同様のものの塩もまた包含される。本発明の一定の特定化合物は、それらの化合物の塩基又は酸付加塩への転換を可能にする塩基及び酸官能価の両者を含む。
【0050】
中性形の化合物は、好ましくは、塩と塩基又は酸とを接触し、そして従来の態様で親化合物を単離することにより再生される。親形の化合物は、一定の物性、例えば極性溶媒における溶解性において、種々の塩形とは異なる。
【0051】
本発明の一定の化合物は、溶媒和されていない形及び溶媒和形、例えば水和化形で存在することができる。一般的に、溶媒和形は、溶媒和されていない形と同等であり、そして本発明の範囲内に包含される。本発明の一定の化合物は、多数の結晶又は非晶形で存在することができる。一般的に、すべての物理形は、本発明により企画される用途のために同等であり、そして本発明の範囲内であることが意図される。
【0052】
本発明の一定の化合物は不斉炭素原子(光学的中心)又は二重結合を有し;鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異体、幾何異性体、立体異性体形(立体化学の点から、(R)−又は(S)−、又は(D)−又は(L)−として定義され得る)及び個々の異性体は、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、合成し、そして/又は単離するのに不安定すぎることが当業界において知られているそれらを包含しない。本発明は、ラセミ形及び光学的純粋形での化合物を包含する。光学的活性(R)−及び(S)−、又は(D)−又は(L)−異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製され、又は従来の技法を用いて分離され得る。本明細書に記載される化合物がオレフィン結合又は幾何学的不斉の他の中心を含む場合、及び特にことわらない限り、化合物はE及びZ幾何異性体の両者を含むことが意図される。
【0053】
用語“互変異体”とは、本明細書において使用される場合、平衡化で存在し、そして1つの異性形から他の形に容易に転換される複数の構造異性体の1つを言及する。
本発明の一定の化合物が互変異形で存在し、すべてのそのような化合物の互変異形は本発明の範囲内にあることは、当業者に明らかであろう。
【0054】
特にことわらない限り、本明細書に示される構造体はまた、その構造体のすべての立体化学形、すなわち個々の不斉中心についてのR及びS形状を包含することを意味する。従って、本発明の単一の立体化学異性体及び鏡像異性体及びジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
【0055】
特にことわらない限り、本明細書に示される構造体はまた、1又は複数の同位体的に富化された原子の存在下でのみ異なる化合物を包含することを意味する。例えば、本発明の構造体を有する化合物(但し、ジュウテリウム又はトリチュウムによる水素の置換、又は13C−又は14C−富化された炭素による炭素の置換を除く)は、本発明の範囲内である。
【0056】
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する1又は複数の原子で非天然の割合の原子異性体を含むことができる。例えば、本発明の化合物は、放射性同位体、例えばとリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素14−(14C)により放射性ラベルされ得る。本発明の化合物のすべての異性体変動は、放射性であっても又はなくとも、本発明の範囲内に包含される。
【0057】
用語“医薬的に許容できる塩”とは、本明細書に記載される化合物上に見出される特定の置換基成分に依存して、比較的非毒性の酸又は塩基により調製される活性化合物の塩を意味する。本発明の化合物が比較的酸性の官能価を含む場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形と、十分な量の所望する塩基とを、ストレートに又は適切な不活性溶媒下で接触することにより得られる。医薬的に許容できる塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、又はマグネシウム塩、又は類似する塩を包含する。本発明の化合物が比較的塩基性の官能価を含む場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形と、十分な量の所望する酸とを、ストレートに又は適切な不活性溶媒下で接触することにより得られる。
【0058】
医薬的に許容できる酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、ニ水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ酸、又は亜リン酸及び同様のもの由来の塩、及び比較的非毒性の有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、琥珀酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸及び同様のもの由来の塩を包含する。アミノ酸の塩、例えばアルギン酸塩及び同様のもの、及び有機酸、例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸及び同様のものの塩もまた包含される(例えば、Berge et al, "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照のこと)。本発明の一定の特定化合物は、それらの化合物の塩基又は酸付加塩への転換を可能にする塩基性及び酸性官能価の両者を含む。
【0059】
塩形の地、本発明は、プロドラッグ形で存在する化合物にも関する。本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、本発明の化合物を供給するために生理学的条件下で化学変化を容易に受けるそれらの化合物である。さらに、ブロドラッグは、エクスビボ環境下で化学又は生化学的方法により本発明の化合物に転換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬を含む経皮用パッチレザバーに配置される場合、本発明の化合物にゆっくり転換され得る。
【0060】
用語“a”、“an”又は“a(n)”は、本明細書における置換基群に関して使用される場合、少なくとも1を意味する。例えば、化合物が“1つの”アルキル又はアリールにより置換される場合、その化合物は任意には、少なくとも1つのアルキル及び/又は少なくとも1つのアリールにより置換される。さらに、1つの成分がR置換基により置換される場合、その基は“R−置換された”として言及され得る。1つの成分がR−置換される場合、その成分は少なくとも1つのR置換基により置換され、そして個々のR置換基は任意には、異なる。
【0061】
本発明の化合物の記載は、当業者に知られている化学結合の原理により制限される。従って、1つの基が多くの置換基の1又は複数の置換基により置換され得る場合、そのような置換基は、化学結合の原理に応じるよう、及び本来、不安定ではなく、そして/又は周囲条件、例えば水性、中性、生理学的条件下でたぶん不安定であるものとして当業者に知られている化合物を付与するために選択される。
【0062】
特定の疾病に関しての用語“処理する”又は“処理”とは、疾病の予防を包含する。
下記式:
【0063】
【化3】

【0064】
で表される構造体は、分子の残りへの成分“R”の結合の点を表す。
構造体:R−「波線」は、α−及びβ−異性体の混合物を表す。
【0065】
カルシトリオールの類似体
本発明は、化合物、組成物、及び細胞の分化を刺激し、そして一定細胞、例えば癌細胞及び皮膚細胞の過度の細胞増幅を阻害するためへのそれらの化合物及び組成物の使用方法を提供する。開示される化合物、組成物及び方法は、異常細胞増殖及び/又は細胞分化により特徴づけられる疾病、例えば高カルシウム血症を生ぜしめる、カルシウム代謝に対する良く知られた効果を伴わない、白血病、骨髄繊維症及び乾癬の処理において有用である。本発明はさらに、異常細胞分化及び/又は細胞増殖により特徴づけられる疾病の処理において有用である、それらの化合物及び組成物、並びにそのような調製物の投与単位を提供する。
【0066】
従って、1つの観点においては、本発明は、下記式I:
【化4】

【0067】
[式中、---- は、単又は二重結合であり;
Xは独立して、O、NR2、S、S(O)又はS(O)2であり;
L1は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
L2は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
【0068】
R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR1は任意には、独立して1〜5個のR3基により置換され;
【0069】
R2は、H、アルキル又はペルフルオロアルキルであり;
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール, アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルはそれぞれ任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
【0070】
R4は独立して、H、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR4は任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
【0071】
R5、R6、R7及びR8は個々に独立して、直接結合、H、OH、-(CH2)jOR9、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR5、R6、R7及びR8は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;あるいは
【0072】
R7及びR8は、上記の通りであり、そしてR5及びR6は、それらが結合されるN原子と共に置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル又は置換された又は置換されていないヘテロアリールを形成し、ここでR5及びR6は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;そして
【0073】
R9は、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)jOR10、-(CH2)jC(O)R10、-(CH2)jC(NR13)R4、-(CH2)jC(O)OR10、-(CH2)jNR11R12、- (CH2)jC(O)NR11R12、-(CH2)jOC(O)NR11R12、-(CH2)jNR13C(O)R14、-(CH2)jNR13C(O)OR10、 -(CH2)jNR13C(O)NR11R12、-(CH2)jS(O)mR15、-(CH2)jNR13S(O)2R15、あるいは(CH2)jS(O)2NR11R12であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり;そして
【0074】
R10、R11、R12、R13、R14及びR15は個々に独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである]
で表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物を提供する。
【0075】
もう1つの観点においては、本発明は、
Xが独立して、Oであり;
L1が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
L2が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
R1が独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
【0076】
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式Iの化合物を供給する。
【0077】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
【0078】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式Iの化合物を供給する。
【0079】
もう1つの観点においては、本発明は、
L1が独立して、直接結合、下記式;
【0080】
【化5】

【0081】
で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【0082】
【化6】

【0083】
【化7】

【0084】
[式中、nは独立して、0〜2の整数である]
で表される基である、式Iの化合物を供給する。
【0085】
もう1つの観点においては、本発明は、
L1が独立して、直接結合、下記式;
【0086】
【化8】

【0087】
で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【0088】
【化9】

【0089】
で表される基である、式Iの化合物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式II又は式III :
【0090】
【化10】

【0091】
を有し;
ここでL1が独立して、直接結合、下記式;
【0092】
【化11】

【0093】
で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【0094】
【化12】

【0095】
で表される基である、式Iの化合物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、
Xが独立して、Oであり;
L1が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
L2が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
【0096】
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式Iの化合物を供給する。
【0097】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3により置換され;そして
【0098】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式Iの化合物を供給する。
【0099】
もう1つの観点においては、本発明は、
L1が独立して、直接結合、下記式;
【0100】
【化13】

【0101】
で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【0102】
【化14】

で表される基である、式Iの化合物を供給する。
【0103】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式II又は式III :
【0104】
【化15】

【0105】
を有し、ここで
L1が独立して、直接結合、下記式;
【0106】
【化16】

【0107】
で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【0108】
【化17】

【0109】
で表される基である、式Iの化合物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、
前記式Iの化合物が、下記式IV:
【0110】
【化18】

【0111】
[式中、qは独立して、0〜2の整数であり;
R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
【0112】
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である]
を有する、式Iの化合物を供給する。
【0113】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
【0114】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8又は-(CH2)jS(O)2NR5R6である、式IVの化合物を供給する。
【0115】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0116】
【化19】

【0117】
【化20】

【0118】
[式中、nは独立して、0〜2の整数である]で表される基である、式IVの化合物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0119】
【化21】

で表される基である、式IVの化合物を供給する。
【0120】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式V又は式VI:
【0121】
【化22】

【0122】
を有し、ここで
R1が独立して、下記式:
【0123】
【化23】

で表される基である、式IVの化合物を供給する。
【0124】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、又は置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
【0125】
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式IVの化合物を供給する。
【0126】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3により置換され;そして
【0127】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8又は- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式IVの化合物を供給する。
【0128】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0129】
【化24】

で表される基である、式IVの化合物を供給する。
【0130】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式V又は式VI:
【0131】
【化25】

【0132】
を有し、ここで
R1が独立して、下記式:
【0133】
【化26】

で表される基である、式IVの化合物を供給する。
【0134】
もう1つの観点においては、本発明は、
前記式Iの化合物が、下記式VII:
【0135】
【化27】

【0136】
[式中、R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
【0137】
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である]を有する、式Iの化合物を供給する。
【0138】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
【0139】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは-(CH2)jS(O)2NR5R6である、式VIIの化合物を供給する。
【0140】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0141】
【化28】

【0142】
【化29】

【0143】
[式中、nは独立して、0〜2の整数である]で表される基である、式VIIの化合物を供給する。
【0144】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0145】
【化30】

で表される基である、式VIIの化合物を供給する。
【0146】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式VIII又は式IX:
【0147】
【化31】

【0148】
を有し、ここで
R1が独立して、下記式:
【0149】
【化32】

で表される基である、式VIIの化合物を供給する。
【0150】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、又は置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
【0151】
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式VIIの化合物を供給する。
【0152】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3により置換され;そして
【0153】
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、式VIIの化合物を供給する。
【0154】
もう1つの観点においては、本発明は、
R1が独立して、下記式:
【0155】
【化33】

【0156】
で表される基である、式VIIの化合物を供給する。
【0157】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式VIII又は式IX:
【0158】
【化34】

【0159】
を有し、ここで
R1が独立して、下記式:
【0160】
【化35】

で表される基である、式VIIの化合物を供給する。
【0161】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記式:
【0162】
【化36】

【0163】
【化37】

を有する、式Iの化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物を供給する。
【0164】
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の1又は複数の式Iの化合物、及び1又は複数の医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成る医薬組成物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の1又は複数の式Iの化合物、及び1又は複数の医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成る、経口形での医薬組成物を供給する。
【0165】
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の1又は複数の式Iの化合物、及び1又は複数の医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成る、局部、経口又は注射形での医薬組成物を供給する。
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の式Iの化合物、又は式Iの化合物を含む組成物を、異常性細胞−増殖及び/又は細胞−分化により特徴づけられる障害の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する患者の処理方法を提供する。
【0166】
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の式Iの化合物、又は式Iの化合物を含む組成物を、乾癬である、異常性細胞−増殖及び/又は細胞−分化により特徴づけられる障害の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する患者の処理方法を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の式Iの化合物、又は式Iの化合物を含む組成物を、続発性上皮小体亢進症の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する患者の処理方法を提供する。
【0167】
もう1つの観点においては、本発明は、有効量の式Iの化合物、又は式Iの化合物を含む組成物を、続発性上皮小体亢進症の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する、慢性腎疾患の患者の処理方法を提供する。
【0168】
もう1つの観点においては、本発明は、
下記のように請求項1記載の式Iの化合物の調製方法であって、
【0169】
【化38】

【0170】
(式中、PGは保護基である)
a)式XIの化合物と塩基とを反応し、その対応するアニオンを形成し;そして
b)前記アニオンを、式XIIの化合物によりカップリングし;そして
c)前記保護基を除去し、式Iの化合物を得ことを含んで成る、式Iの化合物の調製方法を提供する。
【0171】
もう1つの観点においては、本発明は、
a)式XIの化合物と、アルカリ金属又は有機リチウム化合物である塩基とを反応し、その対応するアニオンを形成し;そして
b)前記アニオンを、式XIIの化合物によりカップリングし、ここで前記保護基がシリル保護基であり;そして
c)前記保護基を除去し、式Iの化合物を得ことを含んで成る、式Iの化合物の調製方法を提供する。
【0172】
もう1つの観点においては、本発明は、
a)式XIの化合物と、塩基とを反応し、その対応するアニオンを形成し、個々で前記塩基はアルカリ金属又は有機リチウム化合物であり、前記アルカリ金属が水素化ナトリウム又は水素化リチウムであり、そして前記有機リチウム化合物がn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウムであり;そして
b)前記アニオンを、式XIIの化合物によりカップリングし、ここで前記保護基がシリル保護基であり;そして
c)前記保護基を除去し、式Iの化合物を得ことを含んで成る、式Iの化合物の調製方法を提供する。
【0173】
もう1つの観点においては、本発明は、本明細書に開示されるいずれかの方法により調製される式Iの化合物を供給する。
【0174】
続発性上皮小体亢進症及び慢性腎疾患(SKD)
続発性上皮小体亢進症(SHPT)は、ビタミンD欠乏のために主に進行する障害である。それは、副甲状腺過形成及び一群の代謝性骨疾患に関連するようになる。それは、慢性腎疾患(CKD)の共通する合併症であり、そしてCKDの進行につれて、発生率が上昇する。続発上皮小体亢進症はまた、適切なビタミンD供給を妨げる環境的、文化的又は食事的要因のために、健康な腎臓を有する個人において進行することができる。
【0175】
骨及び関節痛は、続発性上皮小体亢進症における手足奇形のように、通常である。高められたPTHはまた、血液、免疫系及び神経学的システムに対して多面性効果を有する。
【0176】
式Iの化合物は、続発性上皮小体亢進症を有する患者における甲状腺ホルモン(PTH)レベルの制御を処理するために有用であり得る。式Iの化合物は、副甲状腺においてのみならず、また身体じゅうの細胞において、ビタミンD受容体(VDR)に、高い親和性を伴って結合することができる。例えば、最近のデータは、博動性静脈ビタミンD処理(カルシトリオール又はパリカルシトール)が、VDR活性化を通して透析人口における生存利点を付与することを示している。式Iの化合物はまた、特に、心血管疾患からの高い死亡率が最近、記録されているCKDの前透析段階においてVDR活性化をもたらすことができる。
【0177】
段階3及び4のCKDにおけるPTHレベルを調節するためのカルシトリオール処理のこれまでの過少利用はしばしば、高カルシウム血症、高カルシウム尿症又は高リン酸血症の結果としてCKDの進行を促進するためのその能力についての心配のためであった。しかしながら、式Iの化合物は、より選択性のVDR活性を示し、そして従って、腎機能に悪影響を及ぼさないで、副甲状腺過形成及び初期CKDにおける骨損失を妨げるために高い能力を有することができる。さらに、式Iの化合物はまた、初期CKDにおける心血管罹病率及び死亡率を低めることができる。
【0178】
式Iの化合物の調製
本発明の化合物は、安価なビタミンD2から容易に調製され得る。ビタミンD2が断片化され、そしてC, D−環構築ブロック23−アルコール2に転換される(Posner, G. H. et al.; J. Org. Chem. 1997, 62, 3299-3314)。C, D−環23−アルコール2から出発して、Williamsonエーテルカップリング、及びC-8脱シリル化は、23−オキサエーテル4a-d, g-i, fを、30〜80%の収率で生成した(スキームI)。
【0179】
【化39】

【0180】
類似体1iは、CD−環C−22ヨージド(Mascarenas, J. L. et al; J. Org. Chem. 1986, 51, 1269-1272)及びフルフリルアルコールから出発して、不評な態様で製造された。PDC(ピリジニウムジクロメート)による4a-d, g- i, fの酸化は、C-8ケトン5a-d, g- i, fを、75%以上の収率で生成した。既知(Daniewski, A. R. et al.; J Org. Chem. 2002, 67,1580-1587)のA−環リチオホスフィンオキシド6によるC-8ケトンのカップリング、及び続く脱シリル化は、所望する23オキサエーテル類似体KSP-23-オキサ-25-CH2-26TB (Ia)、KSP-23-オキサ-25-エン-26-TB(Ib)、KSP-23-オキサ-25-C(CH2)-McCyclohex(Ic), KSP-23-オキサ-CH2Me2シクロヘキセン(Id)、KSP-23-オキサ-25-C(CH2)-Ph (Ig)、 KSP-23-オキサ-24-CH2Ph (Ih)、KSP-23-オキサ-フルフリル (Ii)及びKSP-23-オキサ- 25yne-TB (If)を、10〜65%の収率で生成した。
【0181】
合成スキームIの集中的性質、及び出発材料と標的類似体との間の比較的少数の化学段階は、先導薬物候補体の大規模製造が可能であり、そして経済的に好ましいことを示唆している。フラン類似体1iを除く、それらの23−オキサ類似体(天然の25−OH基を有さない)のすべては、天然のホルモンAよりもより親油性である(表I)。
式Iの本発明の化合物の他の例は、下記スキームIIに示されるように、類似体1a-1oを包含する。
【0182】
【化40】

【0183】
また、スキームIII に示されるように、式Iの化合物もまた開示される。
【化41】

【0184】
ネズミ角質細胞における新規類似体1a-d, g-i, fの抗増殖活性を決定するための標準のインビトロプロトコール(Posner, G.H. et al.; J. Org. Chem. 1997, 62, 3299- 3314)は、表Iに示されるデータを生み出した。アリール性エーテル類似体1a及び1d及び特にプロパルギル性エーテル類似体1fの例外的に高い抗増殖能力は注目に値する(表I)。2nMのIC50を有するプロパルギル性エーテル類似体1fは、天然のホルモンA(IC50=80nM)よりも約40倍、より抗増殖性である(Peleg, S. et al. J. Med. Chem. 2006, 49, 7513-7517)。
【0185】
【表1】

【0186】
Loy P値が、ChemAxon's Marvin及び計算器プルギンデモを用いて計算された。類似体1a-d, g-i, fの純度は、HPLC分析に基づいて96%以上であることが判断された。
【0187】
式Iの化合物の生物学的
ネズミ角質細胞における新規類似体1a-d, g-i, fの抗増殖活性を決定するための標準のインビトロプロトコール(Posner, G.H. et al.; J. Org. Chem. 1997, 62, 3299- 3314)は、表Iに示されるデータを生み出した。アリール性エーテル類似体1a及び1d及び特にプロパルギル性エーテル類似体1fの例外的に高い抗増殖能力は注目に値する(表I)。2nMのIC50を有するプロパルギル性エーテル類似体1fは、天然のホルモンA(IC50=80nM)よりも約40倍、より抗増殖性である。
【0188】
組換えヒトVDR及びビタミンD応答ヨウ素(VDRE)を含むレポーター遺伝子を用いての標準プロトコール(Liu, Y.Y. et al.; J. Biol. Chem. 1997, 272, 3336-3345)は、表Iに示されるように、23−オキサ類似体1a-d, g-I, fの転写能力を付与した。Aの能力(ED50=1.5nM)に接近する、アリールエーテル1a(ED50=6nM)の非常に高い転写能力は、注目に値する。
【0189】
ヒトVDRに対しての競争結合についての標準アッセイは、表Iに示されるIC50値を生成した。アリールエーテル1aが天然ホルモンAのわずか1%、ヒトVDRに結合するが、しかしそれにもかかわらず、転写的に有能であり、そしてAよりも抗増殖性であることは注目に値する。また、プロパルギルエーテル1fは、アリルエーテル1aのわずか2倍、ヒトVDRに結合するが、しかし1aよりも約10倍、より抗増殖性であることは注目に値する(Peleg, C. et al; MoI. Endocrinol. 1998, 12, 524-535)。
【0190】
標準のインビボ(Posner, G.H. et al.; J Med. Chem. 1998, 41, 3008-3014)アッセイは、それらの23−オキサ類似体のカルシウム尿性活性を調べた。著しくは、23−オキサアリールエーテル1a及び1d、及び23−オキサプロパルギルエーテル1fは、Aよりも少なくとも50倍、低いカルシウム尿性である(図1)。従って、25−OH基を欠いている23−オキサアリールエーテル1aは、実質的な治療窓を有し、そして25−OH基をまた欠いている23−オキサプロパルギルエーテル1fは、Chugai薬物(Kubodera, N., Current Bioactive Compounds 2006, 2, 301-315; Allewaert, K. et al.; Steroids 1994, 59, 686-690)22-オキサ−25-ヒドロキシBの活性に比較して、さらに良好な治療窓を有する。
【0191】
チトクロムP-450酵素によるこの一連の23−オキサ類似体のインビボ異化(ヒドロキシル化)(Jones, G. et al.; Physiological Reviews 1998, 4, 1193-1231)が、23−酸素原子のラジカル−安定化効果及び隣接するオレフィン性又はアセチレン性多重結合のラジカル−安定化効果のために、C-24で主に生じるであろうことが予測される。そのようなアリル又はプロパルギルラジアル中間体は共鳴非局在化により安定化されるので、それらは、飽和23−オキサ側鎖類似体においてよりもより容易に形成されることが予測される。
【0192】
従って、23−オキサアリルエーテル1a及び1d、及びプロパルギルエーテル1fのインビボ半減期は、天然ホルモンAの半減期よりも短いことが予測され、すべて3種の場合、側鎖断片化及び単に弱い抗増殖性である(データは示されていない)同じ22-CH2-OHアルコールの形成を導く。インビボで比較的短い半減期を有する類似体は、局部的に使用される抗乾癬薬物カルシポトリオールに関して良くあることだが、いずれかの所望しないカルシウム尿性活性を最少にすることにおいて治療的利点を提供する(Masuda, S. et al.; J. Bio. Chem. 1994, 269, 4794-4803] [0196)。
【0193】
Aのそれらの3種の新規親油性類似体は、高い抗増殖活性及び所望には低いカルシウム血性活性の非常に所望する治療プロフィールを有する。それらの3種のうち、23−オキサアリールエーテル1a及び特に23−オキサプロパルギルエーテル1fは、高い抗増殖活性及び低いカルシウム血性活性の誘導を特徴とする。それらの有望な結果、すなわちそれらの容易に且つ集中的に合成された23−オキサビタミンDの薬理学的性質及び医学的能力のさらなる評価に基づけば、新規化学的存在物は、適切であり、且つ時を得ている。
【0194】
保護基
本発明の化合物は、化学合成の業界において一般的に知られている1又は複数の保護基を用いて、合成され得る。用語“保護基”とは、化合物のいくつかの又はすべての反応成分をブロックし、そして保護基が除去されるまで、化学反応に関与することからそのような成分を妨げる化学成分、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed. John Wiley & Sons (1999)に列挙され、そして記載されるそれらの成分を言及する。異なった保護基が使用される場合、個々の(異なった)保護基が異なった手段により除去できることが好都合であり得る。全体的に異なった反応条件下で分解される保護基は、そのような保護基の特異的除去を可能にする。
【0195】
例えば、保護基は、酸、塩基及び水素化分解により除去され得る。例えばトリチル、ジメトキシトリチル、アセタール及びt−ブチルジメチルシリルは酸不安定性であり、そして水素化分解により除去できるCbz基、及び塩基不安定性であるFmoc基により保護されるアミノ基の存在下でカルボキシ及びヒドロキシ反応成分を保護するために使用され得る。カルボン酸及びヒドロキシ反応成分は、塩基不安定基、例えばメチル、エチル、及びアセチル(これらだけには限定されない)により、酸不安定基、例えばt−ブチルカルバメート又は酸及び塩基安定性であるが、しかし加水分解的に除去できるカルバメートによりブロックされたアミノの存在下でブロックされ得る。
【0196】
カルボン酸及びヒドロキシ反応成分はまた、加水分解的に除去できる保護基、例えばベンジル基によりブロックされ得、そして酸と水素結合できるアミノ基は、塩基不安定基、例えばFmocによりブロックされ得る。カルボン酸反応成分は、酸化的に除去できる保護基、例えば2,4−ジメトキシベンジルによりブロックされ得、そして同時存在するアミノ基は、フルオリド不安定性シリルカルバメートによりブロックされ得る。
【0197】
アリルブロック基は、酸−及び塩基−保護基の存在下で有用である。なぜならば、前者は安定し、そして続いて、金属又はpi−酸触媒により除去され得るからである。例えば、アリル−ブロックされたカルボン酸は、酸不安定性t−ブチルカルバメート又は塩基不安定性アセテートアミン保護基の存在下で、パラジウム(O)−触媒された反応により保護解除され得る。保護基のさらなるもう1つの形は、化合物又は中間体が結合され得る樹脂である。残基が樹脂に結合される限り、その官能基はブロックされ、そして反応することはできない。樹脂から開放されると、その官能基は反応に利用できる。
【0198】
シリルエーテルは、アルコキシ基に共有結合される珪素原子を含み、そして通常、アルコールのための保護基として使用される化合物の基である。その一般構造は、R1R2R3Si-O-R4(R4はアルキル基又はアリール基である)そして表されえ得る。R1R2R3は多くのシリルエーテルを供給するために変更され得る異なった基の組合せであるので、この保護基は保護基化学のための広範囲の選択性を提供する。通常のシリルエーテルは次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TEB)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBS/TBDMS)及びトリイソプロピルシリル(TIPS)。それらは温和条件下で非常に選択的に付加され、そして除去されるので、それらは特に有用である。
【0199】
典型的なブロッキング又は保護基は、例えば次の基を包含する:
【化42】

医薬組成物及び投与
もう1つの観点においては、本発明は、1又は複数の式Iの化合物及び1又は複数の医薬的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を供給する。当業者は、その医薬組成物が上記のような式Iの化合物の医薬的に許容できる塩を含むことを理解するである。
【0200】
式Iの本発明の化合物は、上記で言及されたように、異常細胞増殖及び/又は分化により特徴づけられるヒト及び家畜障害の処理において有用である医薬組成物への使用のために意図される。治療及び/又は診断用途においては、本発明の化合物は、種々のモードの投与、例えば全身性及び局部、又は局在化された投与のために配合され得る。技法及び配合は一般的に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.) Lippincott, Williams & Wilkins (2000)に見出され得る。
【0201】
式Iの本発明の化合物は、広範囲の用量範囲にわたって効果的であり得る。例えば、成人の処理においては、1日当たり0.001〜1000mgの用量が適用できる。他の態様においては、用量は、1日当たり0.5〜100mg、1〜50mg、及び/又は5〜50mgであり得る。好ましい用量は、1日当たり1〜30mgであるが、しかしながら、その正確な用量は、投与の経路、化合物が投与される形、処理されるべき対象、処理されるべき対象の体重、及び主治医の経験に依存するであろう。
【0202】
本発明の化合物は、非経口、腸又は局部経路により投与され得る。それらは、腸投与され、そしてこれが全身性障害の処理における好ましい形の投与である場合、良く吸収される。皮膚障害、例えば乾癬の処理においては、局部投与形、例えば軟膏、クリーム又はローションが好ましい。全身性障害の処理においては、式Iの化合物は、0.001〜1000mgの範囲の毎日の用量で投与され得、そして1〜50mgの用量が好ましい。皮膚障害の局部処理においては、0.001〜1000mg/g及び好ましくは1〜50mgの式Iの化合物を含むクリーム又はローションが投与され得る。経口組成物は、用量単位当たり0.001〜1000mg、好ましくは1〜50mgの式Iの化合物を含む、錠剤、カプセル又はドロップとして配合され得る。活性成分が原化学物質として単独で投与されることが可能である場合、それを、医薬製剤として提供することが好ましい。
【0203】
用語“投与単位”とは、単位形、すなわち患者に投与され得、そして容易に取り扱われ、そして包装され得る、活性材料自体、又はそれと、固体又は液体医薬希釈剤又はキャリヤーとの混合物のいずれかを含んで成る物理的に及び化学的に安定した単位用量として存続する単一用量を意味する。
【0204】
家畜及びヒト医学的使用のための本発明の製剤は、活性成分、及び医薬的に許容できるキャリヤー、並びに任意には、他の治療成分を含んで成る。キャリヤーは、製剤中の他の成分と適合し、そしてその受容体に対して有害ではないことの意味において、“許容できる”べきである。
製剤は、経口、直腸、非経口(皮下、筋肉内及び静脈)、及び局部投与のために適切な形でのそれらの製剤を包含する。
【0205】
製剤は便利には、投与単位形で提供され得、そして医薬業界において良く知られている方法のいずれかにより調製され得る。すべての方法は、1又は複数のアクセサリー成分を構成するキャリヤーと活性成分とを結合せしめる段階を包含する。一般的に、製剤は、活性成分と液体キャリヤー又は細かく分解された固体キャリヤー又は両者とを、均等に及び親密に結合せしめ、そして次に、必要なら、その生成物を所望する製剤に形状化することにより調製される。
【0206】
経口投与のために適切な本発明の製剤は、予定された量の活性成分を個々に含む、カプセル、香剤、錠剤又はロゼンジのような別々の単位の形で;粉末又は顆粒の形で;水性液体又は非水性液体中、溶液又は懸濁液の形で;又は水中油エマルジョン又は油水中エマルジョンの形で存在することができる。活性成分はまた、ボーラス、舐剤又はペーストの形で投与され得る。
【0207】
錠剤は、活性成分、及び任意には、1又は複数のアクセサリー成分を圧縮するか又は成形することにより製造され得る。圧縮された錠剤は、任意には、結合剤、滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と共に混合された、さらさらの形、例えば粉末又は顆粒において活性成分を、適切な機械により圧縮することにより調製され得る。成形された錠剤は、粉末化された活性成分及び不活性希釈剤により湿潤された適切なキャリヤーの混合物を、適切な機械により成形することにより製造され得る。
【0208】
直腸投与のための製剤は、活性成分、及びキャリヤー、例えばココアバターを組み込む坐薬の形で、又は浣腸剤の形で存在することができる。
非経口投与のために適切な製剤は、好ましくは受容体の血液と等張性である活性成分の無菌油状又は水性調製物を便利には含んで成る。
【0209】
局部投与のために適切な製剤は、液体又は半液体調製物、例えば塗布剤、ローション、外用;水中油又は油中水エマルジョン、例えばクリーム、軟膏又はペースト;又は溶液又は懸濁液、例えばドロップを包含する。
前記成分の他に、本発明の製剤は、1又は複数の追加の成分、例えば希釈剤、緩衝液、風味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑剤、保存剤、例えばメチルヒドロキシベンゾエート(酸化防止剤を包含する)、乳化剤及び同様のものを含むことができる。
【0210】
医薬的に許容できる塩は一般的に、当業者に良くしられており、そして例によれば、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アセテート、ベンゼンスルホネート、ベシレート、ベンゾエート、炭酸水素塩、酒石酸塩、ブロミド、カルシウムエデテート、カルンシレート、カーボネート、シトレート、エデテート、エジシレート、エストレート、エシレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコリラルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン、臭化水素塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨージド、イセチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、マレート、マレエート、マンデレート、メシレート、ムケート、ナプシレート、ニトレート、パモエート(エンボネート)、パントセネート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロネート、サリシレート、ステアレート、スバセテート、スクシネ−ト、スルフェート、ダンネート、タルトレート又はテオクレート。
【0211】
他の医薬的に許容できる塩は、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.) Lippincott, Williams & Wilkins (2000)に見出され得る。好ましい医薬的に許容できる塩は、例えばアセテート、ベンゾエート、ブロミド、カーボネート、シトレート、グルコネート、臭化水素塩、マレエート、メシレート、ナプシレート、パモエート(エンボネート)、ホスフェート、サリシレート、スクシネート、スルフェート又はタルタレートを包含する。
【0212】
処理される特定の条件に依存して、そのような剤は、液体又は固体投与形中に配合され、そして全身的に又は局部的に投与され得る。この剤は、当業者に知られているように、一定時間後に作動するか又は持効性低開放形で供給され得る。配合及び投与のための技法は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.) Lippincott, Williams & Wilkins (2000)に見出され得る。適切な経路は、経口、頬側、吸入噴霧、舌下、直腸、経皮、膣、経粘膜、鼻又は腸投与;非経口供給、例えば筋肉内、皮下、骨髄内注射、及び鞘内、直接的心室内、静脈、関節内、胸部内、骨液内、肝臓内、創傷内、頭部内、腹膜内、鼻腔内又は眼内注射又は他の態様の供給を包含する。
【0213】
注射に関しては、本発明の剤は、配合され、そして水溶液、例えば生理学的に適合できる緩衝液、例えばハンクス溶液、リンガー溶液又は生理食塩緩衝液により希釈され得る。そのような経粘膜投与に関しては、浸透されるバリヤーに対して適切な浸透剤が配合に使用される。そのような浸透剤は一般的に当業界において知られている。
【0214】
全身性投与のために適切な用量中への本発明の実施のために開示される化合物を配合する医薬的に許容できる不活性キャリヤーの使用は、本発明の範囲内である。キャリヤー及び適切な製造実施の適切な選択により、本発明の組成物、特に溶液として配合されるそれらの組成物は、非経口的に、例えば静脈内注射により投与され得る。化合物は、経口投与のために適切な用量中に、当業界において良く知られている医薬的に許容できるキャリヤーを用いて容易に配合され得る。そのようなキャリヤーは、処理されるべき患者による経口摂取のための錠剤、ピル、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液及び同様のものとしての本発明の化合物の配合を可能にする。
【0215】
鼻又は吸入供給に関しては、本発明の剤はまた、当業者に知られている方法により配合され得、そして例えば溶解、希釈又は分散物質、例えば塩溶液、保存剤、例えばベンジルアルコール、吸収促進剤及びフルオロカーボンを包含することができるが、但しそれらだけには限定されない。
【0216】
本発明への使用のために適切な医薬組成物は、活性成分がその意図された目的を達成するために有効な量で含まれる組成物を包含する。その有効量の決定は、特に本明細書に提供される特定の開示を考慮して、当業者の能力内である。
【0217】
活性成分の他に、それらの医薬組成物は、医薬的に使用され得る製剤への活性化合物の加工を促進する賦形剤及び助剤を含んで成る医薬的に許容できる適切なキャリヤーを含むことができる。経口投与のために配合される製剤は、錠剤、糖剤、カプセル又は溶液の形で存在することができる。
【0218】
経口使用のための医薬製剤は、活性化合物と、固体賦形剤とを組合し、任意には得られる混合物を粉砕し、そして所望には、錠剤又は糖剤コアーを得るために、適切な助剤の添加の後、前記顆粒の混合物を加工することにより得られる。適切な賦形剤は特に、充填剤、例えば糖、例えばラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトール;セルロース調製物、例えばトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル−セルロース(CMC)、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン)である。所望には、砕解剤、例えば架橋されたポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸又はその塩、例えばアルギン酸ナトリウムが添加され得る。
【0219】
糖剤は、適切な被膜を供給される。このためには、任意には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含むことができる濃縮された糖溶液が使用され得る。染料又は色素が、識別のために又は活性化合物用量の異なった組合せを特徴づけるために、錠剤又は糖剤被膜に添加され得る。
【0220】
経口的に使用され得る医薬製剤は、ゼラチンから製造される押込嵌のカプセル、及びゼラチンから製造される密封されたソフトカプセル、並びに可塑剤、例えばグリコール又はソルビトールを含む。押込嵌めカプセルは、充填剤、例えばラクトース、結合剤、例えば澱粉、及び/又は滑剤、例えばタルク又はステアリン酸マグネシウム及び任意には、安定剤と共に活性成分を含むことができる。ソフトカプセルにおいては、活性化合物は、適切な液体、例えば脂肪油、液体パラフィン又は液体ポリエチレングルコール(PEG)に溶解されるか又は懸濁され得る。さらに、安定剤が添加され得る。
【0221】
本発明の組成物はさらに、上記に言及された病理学的状態の処理に通常、適用される他の治療的活性化合物を含むことができる。特定の状態、又は処理されるか又は予防されるべき疾病状態に依存して、その状態を処理するか又は予防するために通常、投与される追加の治療剤が、本発明のインヒビターと共に投与される。例えば、化学療法剤又は他の抗増殖剤が、増殖性疾患及び癌を処理するために、本発明のインヒビターと組合わされ得る。例えば、化学療法剤の例は、アトリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タキソール、インターフェロン及び白金誘導体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0222】
本発明のインヒビターがまた組合わされ得る剤の他の例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:抗炎症剤、例えばコルチコステロイド、TNF遮断薬、IL-I RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、及びスルファサラジン;免疫調節及び免疫抑制剤、例えばサイクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、マイコフェノレートモフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロフォファミド、アザチオプリン、及びスルファサラジン;神経栄養因子、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害薬、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール(riluzole)、及び抗−パーキンソン剤;心血管疾患を処理するための剤、例えばβ−遮断剤、ACE阻害剤、利尿剤、ニトレート、カルシウムチャンネル阻害剤、及びスタチン;肝臓疾患を処理するための剤、例えばコルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、及び抗ウィルス剤;血液障害を処理するための剤、例えばコルチコステロイド、抗白血病剤、及び成長因子;糖尿病を処理するための剤、例えばインシュリン、インシュリン類似体、αグルコシダーゼインヒビター、ビグアニド、及びインシュリン増感剤;及び免疫欠損疾患を処理するための剤、例えばγグロブリン。
【0223】
それらの追加の剤は、インヒビター含有組成物から、複数投与レジメの一部として、別々に投与され得る。他方では、それらの剤は、単一組成物においてインヒビターと共に混合される、単一投与形の一部であり得る。
【0224】
上記化合物は、当業者に知られている配合方法を用いて、医薬的に許容できる製剤として供給され得る。それらの製剤は、標準経路により投与され得る。一般的に、その組合せは、局部、経皮、経口、直腸又は非経口(例えば、静脈、皮下又は筋肉内)経路により投与され得る。さらに、その組合せは、化合物の持効性を可能にする薬物供給が所望される場所に接近して移植される生物分解性ポリマー中に組み込まれ得る。
【0225】
本発明は、例示される態様により制限されず、それらの態様は本発明の1つの観点の例示を意図するものである。実際、本明細書に記載されるそれらの修飾の他に、本発明の種々の修飾が、前述の記載から当業者に明らかに成るであろう。そのような修飾は、本発明の範囲内にある。さらに、本発明のいずれかの態様の1又は複数の特徴のいずれかが、本発明の範囲から逸脱しないで、本発明のいずれか他の態様の1又は複数の他の特徴のいずれかと組合わされ得る。本出願を通して引用される引例は、当業界における技術のレベルの例であり、そしてこれまでに特に組み込まれているか否かに関係なく、すべての目的のために本明細書に引例により組込まれる。
本発明は、次の非制限的例によりさらに説明されるであろう。
【実施例】
【0226】
次の例は、例示的であり、本発明の請求の範囲を制限するものではない。
例1:類似体1a-1iの調製
【化43】

【0227】
化合物1a−1i(1eを除く)を、前に記載のようにして製造した2
ケトン5e
DMF(2ml)中、23(45mg、0.14mモル)の氷冷却された溶液に、NaH(鉱油中、60%懸濁液11mg、0.28mモル)を添加した。その混合物を淡黄色が進行するまで、室温で1時間、撹拌した。混合物を0℃に冷却した後、4−フルオロベンジルブロミド(34μl、0.28mモル)を、反応フラスコに添加し、そしてその混合物を室温で14時間、撹拌した。反応を、水の添加により急冷し、そしてCH2Cl2(ジクロロメタン)(3×5ml)により抽出した。
【0228】
組合された有機抽出物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、56mgの粗TES保護されたアルコールを得た。その粗TES保護されたアルコールをCH3CN(3ml)に溶解し、そしてHF(160μl、3.86mモル)を添加した。その溶液を2時間、撹拌し、その後、飽和NaHCO3の溶液により急冷した。その混合物を、酢酸エチル(3×5ml)により抽出し、ブラインにより洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、20%酢酸エチル)により、17mgのアルコール4eを、無色の油状物として得た(2段階で40%の収率)。
【0229】
[α]D29 +42.3 (c 0.20, CHCl3); IR (neat, cm-1) 3457 (brs), 2933 (m), 2866 (m), 1604 (w), 1509 (m), 1456 (w), 1222 (m), 1091 (m) 944 (w), 823 (w), 772 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.29 (m, 2H), 7.02 (m, 2H), 4.43 (q, 2H, J= 14.4 Hz), 4.08 (m, IH) 3.41 (dd, IH, J= 9.2, 3.6 Hz), 3.18 (dd, IH, J= 8.8, 7.2 Hz), 1.99 (m, IH), 1.87-1.14 (m, 13H), 1.04 (d, 3H, J= 6.8 Hz), 0.95 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.22 (d, J= 243 Hz), 149.60 (d, J= 4 Hz), 129.18 (d, J= 8 Hz), 115.11 (d, J= 21 Hz), 75.54, 72.35, 69.28, 53.48, 52.37, 41.95, 40.24, 36.35, 33.63, 26.71, 22.60, 17.45, 17.41, 13.57; 19F NMR (282 MHz, CDCl3) δ -115.86 (septet, J= 2.82 Hz)。
【0230】
CH2Cl2(2ml)中、アルコール4e(12mg、0.04mモル)の溶液を、PDC(42mgの0.11mモル)及びオーブン乾燥されたCelite(商標)(45mg)を備えた反応容器中にカニューレにより挿入した。一晩の撹拌の後、その混合物を濾過し、真空下で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、20%酢酸エチル)により精製し、12mgのケトン5eを無色の油状物として得た(96%の収率)。
【0231】
[α]D29 +2.8 (c 0.20, CHCl3); IR (neat, cm-1) 2957 (m), 2874 (m), 1713 (s), 1509 (m), 1456 (w), 1359 (w), 1221 (w), 1091 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.29 (m, 2H), 7.02 (m, 2H), 4.44 (q, 2H, J= 211.6 Hz), 3.41 (dd, 1H, J= 8.8, 3.2 Hz), 3.22 (dd, IH, J= 8.8, 6.8 Hz), 2.44 (m, 1H), 2.24 (m, 2H), 2.11 (m, 1H), 1.83-1.51 (m, 9H), 1.09 (d, 3H, J= 6.4 Hz), 0.64 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 211.73, 162.24 (d, J= 244 Hz), 134.44 (d, J= 3 Hz), 129..19 (d, J= 32 Hz), 115.15 (d, J= 21 Hz), 75.27, 72.42, 61.67, 53.47, 49.89, 40.94, 38.82, 36.52, 27.03, 24.01, 19.16, 17.65, 12.50; 19F NMR (282 MHz, CDCl3) δ -115.68 (septet, J= 5.64 Hz); HRMS: C20H27FO2 [MH+]についての計算値: 319.2073, 実測値:319.2076。
【0232】
類似体1e
鏡像異性体的に純粋なホスフィンオキシド(−)−63及びCD−環ケトン5eを、回転蒸発器上で無色ベンゼン(3×5ml)と共に、別々に共沸乾燥し、そして使用の前、少なくとも48時間、真空(約0.1mmHg)下で保持した。
【0233】
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された10mlの回収フラスコを、ホスフィンオキシド(−)−6(33mg、0.06mモル)により充填した。試薬を、2.0mlの新しく蒸留されたTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、そして−78℃に冷却した。この溶液に、n-BuLi(35μl、0.06mモル、ヘキサン中、1.60M溶液)を数分間にわたって滴下し、この間、深赤色が進行し、そして持続した。この混合物を-78℃で、さらに30分間、撹拌した。一方、火炎−乾燥された10mlのフラスコに含まれるCD−環ケトン5e(7mg、0.021mモル)を、0.75mlの新しく蒸留したTHFに溶解し、そして-78℃に冷却した。CD−環ケトン5eの溶液を、-78℃でカニューレを通して数分間にわたって、ホスフィンオキシドアニオンを含むフラスコ中に少しずつ移した。添加の完結の後、深赤色が持続し、そしてその混合物を、-78℃で4時間、撹拌した。
【0234】
淡黄色の観察後、反応を、5mlの緩衝液(pH7)により急冷し、そして室温に暖めた。その混合物を酢酸エチル(3×15ml)により抽出した。組合された有機抽出物を水及びブラインにより洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、12mgの保護された生成物を得た。その保護された類似物をTHF(2ml)に溶解し、そしてテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中、1.0M、180μl、0.18mモル)を添加した。一晩の撹拌の後、反応をH2Oにより急冷し、そしてCH2Cl2(3×5ml)により抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、50〜75%酢酸エチル)により精製し、6mgの類似物1eを油状物(2段階で53%の収率)として得た。
【0235】
[α]D25 +24.9 (c 0.30, CHCl3); IR (neat, cm-1) 3355 (brs), 2943 (m), 2872 (m), 1604 (w), 1509 (m), 1222 (m), 1056 (w), 824 (w), 756 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.28 (m, 2H), 7.02 (m, 2H), 6.38 (d, 1H, J= 11.2 Hz), 6.02 (d, 1H, J= 11.2 Hz), 5.32 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.45 (m, 3H), 4.23 (m, 1H), 3.43 (dd, 1H, J= 8.8, 3.2 Hz), 3.18 (dd, 1H, J = 8.8, 7.2 Hz), 2.83 (m, 1H), 2.60 (m, 1H) 2.31 (dd, 1H, J= 13.2, 6.4 Hz), 2.08-1.16 (m, 16H), 1.07 (d, 3H, J= 6.8 Hz), 0.56 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 162.22 (d, J = 244 Hz), 147.66, 142.99, 134.57 (d, J= 3 Hz), 132.99, 129.20 (d, J= 8 Hz), 124.95, 117.09, 115.13 (d, J= 21 Hz), 111.76, 75.58, 72.36, 70.84, 66.86, 56.06, 53.34, 46.00, 45.28, 42.89, 40.32, 37.16, 29.07, 27.18, 23.55, 22.36, 17.70, 12.04; 19F NMR (282 MHz, CDCl3) δ -115.83 (septet, J= 8.46 Hz); HRMS: C29H39FO3 [M+]についての計算値: 454.2883, 実測値:454.2875; UV (MeOH) λmax 263 nm (ε 14,702)。
【0236】
例2:類似体1j-1kの調製
【化44】

化合物1jは、前に報告されたようにして製造した5
【0237】
類似体1k
鏡像異性体的に純粋なホスフィンオキシド(−)−6及びCD−環ケトン95を、回転蒸発器上で無色ベンゼン(4×5ml)と共に、別々に共沸乾燥し、そして使用の前、少なくとも48時間、真空(約0.1mmHg)下で保持した。
【0238】
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された10mlの回収フラスコを、ホスフィンオキシド(−)−6(28mg、0.048mモル)により充填した。試薬を、2.0mlの新しく蒸留されたTHFに溶解し、そして−78℃に冷却した。この溶液に、n-BuLi(32μl、0.06mモル、ヘキサン中、1.50M溶液)を数分間にわたって滴下し、この間、深赤色が進行し、そして持続した。この混合物を-78℃で、さらに10分間、撹拌した。一方、火炎−乾燥された10mlのフラスコに含まれるCD−環ケトン9(7mg、0.024mモル)を、0.75mlの新しく蒸留したTHFに溶解し、そして-78℃に冷却した。CD−環ケトン9の溶液を、-78℃でカニューレを通して数分間にわたって、ホスフィンオキシドアニオンを含むフラスコ中に少しずつ移した。
【0239】
添加の完結の後、深赤色が持続し、そしてその混合物を、-78℃で3時間、撹拌した。淡黄色の観察後、反応を、5mlの緩衝液(pH7)により急冷し、そして室温に暖めた。その混合物を酢酸エチル(3×15ml)により抽出した。組合された有機抽出物を水及びブラインにより洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、5%酢酸エチル)により精製し、4.3mgの10を27%の収率で得た。化合物10を、無水ピリジン(3ml)に溶解し、そしてヒドロキシアミン塩酸塩(8mg、0.12mモル)を添加した。
【0240】
その混合物をアルゴン下で15時間、撹拌した。反応混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、10%酢酸エチル)を直接使用することにより精製した。保護されたオキシム類似体を、THF(2ml)及びTBAF(THF中、1.0M、200μl)に溶解し、そして1滴のNEt3を添加した。一晩の撹拌の後、反応をH2Oにより急冷し、そしてCH2Cl2(3×5ml)により抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、75%酢酸エチル)により精製し、1.7mgの類似物1kを油状物(2段階で63%の収率)として得た。
【0241】
[α]D23 +28.5 (c 0.085, CHCl3); IR (neat, cm-1) 3328 (brs), 2925 (m), 2853 (m), 2363 (s), 2334 (s), 1464 (w), 1111 (w), 951 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 6.38 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 6.02 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 5.33 (t, 1H, J = 2.0 Hz), 5.00 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 4.24 (m, 3H), 3.93 (m, 2H), 3.45 (dd, 1H, J = 8.8, 3.2 Hz), 3.20 (dd, 1H, J = 8.8, 7.6 Hz), 2.83 (dd, 1H, J = 12.0, 4.0 Hz), 2.60 (dd, 1H, J = 13.2, 3.6 Hz), 2.31 (dd, 1H, J = 13.2, 6.4 Hz), 2.08-1.14 (m, 23H), 1.04 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 0.86 (m, 3H), 0.56 (s, 3H);13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 163.69, 147.63, 142.99, 132.95, 124.97, 117.08, 111.78, 70.84, 66.86, 62.81, 56.05, 53.27, 45.99, 45.26, 42.86, 40.32, 37.03, 36.92, 29.06, 27.93, 27.19, 23.54, 22.35, 17.62, 14.11, 12.05; HRMS: C28H46NO4 [MNa+]についての計算値: 482.3241, 実測値482.3227; UV (MeOH) λmax 264 nm (ε 21,634)。
【0242】
例3:類似体1lの調製
【化45】

【0243】
類似体1l
KH(30%、0.15g、1.1mモル、5当量)をヘキサンにより洗浄し、そして25mlの丸底フラスコにおいて、真空下で2時間、乾燥した。別の10mlの丸底フラスコにおいて、TES保護されたアルコール2(0.07g、0.215mモル、1当量)を、無水THF(1.5ml)に溶解し、そしてKH中にカニューレにより移した。その溶液を、オレンジ色/黄色が持続するまで、2〜3時間、撹拌した。この時点で、1,2−エポキシ−3,3−ジメチルブタンを添加し、そしてその反応を室温で一晩、撹拌した。TLC分析は、反応が完結したことを示し、そしてその反応を水により急冷し、そしてCH2Cl2(3×)により抽出した。
【0244】
組み合わされた有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗アルコールを、さらに精製しないで、次の段階に使用した。アルコールをCH2Cl2に溶解し、そしてPDC(0.62g、1.6mモル、1.5当量)及びCelite(商標)(0.24g)を添加した。その反応混合物を一晩、撹拌した。TLC分析は、反応の完結を示した。反応混合物をCelite(商標)上で濾過し、そしてヘキサン中、25%酢酸エチルを用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するケトン11(0.055g、0.13mモル)を、60%の化学的収率で得た。1H NMRデータは、既知化合物のそのデータと適合した5
【0245】
10mlの丸底フラスコに、無水ピリジン(2ml)中、11(0.04g、0.1mモル、1当量)及びO−アリル−ヒドロキシルアミン(0.06g、0.05mモル、5当量)を添加した。反応を、TLC分析が出発材料の完全な消費を示すまで、室温で撹拌した。反応を水(10ml)により急冷し、そしてCH2Cl2(3×)により抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するTES保護されたオキシム(0.03g、0.98mモル)を、80%の収率で得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.95 (m, 1H); 5.18 (m, 3H); 4.55 (d, 2 H, J= 6 Hz); 4.22 (m, 3H); 3.40 (dd, 1H, J= 8.7, 3.0 Hz); 3.15 (t, 1H, J = 8.7 Hz); 2.0 (m, 1H); 1.85 (m, 3H); 1.7-0.8 (m, 26H)。
【0246】
無水THF(2ml)中、オキシム(0.05g、0.1mモル、1当量)により充填された10mlの丸底フラスコに、-78℃でTHF中、TBAFの1M溶液0.3mlを添加した。反応を室温にゆっくり暖め、そして一晩、撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。次に、反応を水により急冷し、そしてCH2Cl2(3×)により抽出し、無水MgSO4上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するアルコール(0.015g、0.1mモル)を、42%の収率で得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.95 (m, 1H); 5.18 (m, 3H); 4.55 (d, 2 H, J= 6.1 Hz); 4.22 (m, 3H); 3.40 (dd, 1H, J= 8.6, 3.0 Hz); 3.17 (t, 1H, J= 8.6 Hz); 2.0 (m, 1H); 1.85 (m, 3H); 1.7-0.8 (m, 26H)。
【0247】
10mlの丸底フラスコに、無水CH2Cl2(2ml)中、アルコール(0.015g、0.041mモル、1当量)、PDC(0.045g、0.12mモル、2.9当量)及びCelite(商標)(0.05g)を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。次に、反応をCelite(商標)上で濾過し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するケトン12(0.011g、0.036mモル)を、76%の収率で得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 5.96 (m, 1H); 5.29 (m, 2H); 4.55 (m, 2H); 4.13 (q, 2H, J= 21.3 Hz); 3.38 (m, 1H); 3.22 (m, 1H); 2.41 (m, 1H); 2.28 (m, 2H); 2.15-0.81 (25H)。
【0248】
無水THF(2ml)中、ホスフィンオキシド6(0.063g、0.11mモル、2.9当量)により充填された丸底フラスコに、−78℃でTHF中、n-BuLiの1M溶液0.065mlを滴下した。この時点で、反応混合物は明るい赤みがかったオレンジ色に変わり、そして-78℃で20分間、撹拌した。THF(1ml)中、ケトン12(0.012g、0.037mモル、1当量)の予備冷却された溶液を、カニューレを通して、酸化リチウム溶液に添加した。次に、反応を-78℃で7時間、撹拌し、その後、それをpH7の緩衝液により急冷し、水により希釈し、CH2Cl2(3×)により抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するTES保護されたデルタノイド(0.025g、0.035mモル)を、95%の収率で得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.25 (m, 1H); 6.03 (m, 2H); 5.25 (m, 3H); 4.86 (s, 1H); 4.55 (s, 2H); 4.35 (s, 1H); 4.16 (m, 5H); 3.4 (m. 1H); 3.15 (m, 1H); 2.85 (m, 1H); 2.25 (m, 1H); 1.95-0.8 (m, 20H), 0.15 (30H)。
【0249】
無水THF(2ml)中、保護された類似体(0.025g、0.035mモル、1当量)により充填された10mlのアンバーガラス製丸底フラスコに、THF(0.185ml、5当量)中、TBAFの1M溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩、撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示し、そして反応を水により急冷し、CH2Cl2(3×)により抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望するデルタノイド11(0.0077g、0.015mモル)を、43%の収率で得た。
【0250】
[α]21.1D 13.5 (c 0.19, CHCl3); IR (CHCl3, cm-1) 3327, 2924, 2869, 2360, 1647, 1457, 1393, 1363, 1044, 916; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.39 (d, 1H, J= 8.7 Hz), 5.98 (m, 2H), 5.33 (m, 3H), 4.99 (s, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.43 (s, 1H), 4.26 (m, 4H), 3.41 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 2.82 (d, 1H, J= 9.9 Hz), 2.58 (d, 1H, J= 12 Hz), 2.36 (m, 1H), 2.05 (m, 6H), 1.86 (m, 3H), 1.7-1.4 (m, 7H), 1.4-1.1 (m, 4H), 1.04 (d, 5H, J= 5.1 Hz), 0.89 (m, 4H), 0.55 (s, 4H); 13C NMR (IOO MHz, CDCl3) δ 165.0, 162.0, 148.0, 145.0, 134.5, 132.9, 124.9, 117.6, 116.7, 111.8, 74.5, 70.8, 66.8, 62.8, 56.1, 53.3, 45.9, 45.2, 42.7, 40.3, 37.0, 29.7, 29.1, 28.1, 27.2, 23.6, 22.3, 17.7, 12.0; UV (MeOH) λ max 265 nm (ε 7612). HRMS: C31H29NO4Na+ についての計算値= 522.3544; 実測値= 522.3547。
【0251】
例4:類似体1mの調製
【化46】

【0252】
16−エン−24−アルコール14
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された100mlの丸底フラスコを、アルデヒド136(0.146g、0.434mモル)、15mlの無水CH2Cl2により充填し、そして-78℃に冷却した。DIBAL−H(CH2Cl2中、1.0M溶液1.5ml、1.5mモル)をフラスコに注射器により注入し、そして45分間、撹拌した。出発材料の消費がTLC分析により見られる場合、反応を希HCl(0.1N、15ml)により急冷した。溶液をCH2Cl2により抽出し、飽和水性炭酸水素ナトリウム(10ml)により洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そしてカラムクロマトグラフィー(1.5:1、ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、アルコール14を無色の油状物(143mg、98%)として得た。
【0253】
[α]D25 = +38.8 (c = 7.1, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.63 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 5.30 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 4.11 (m, 1H), 2.75-2.66 (m, 1H), 2.58 (dd, J = 8.0, 2.8 Hz, 1H), 2.41 (dd, J = 7.4, 2.0 Hz, 1H), 2.24 (tt, J = 13.2, 1.2 Hz, 1H), 1.92-1.83 (m, 2H), 1.77-1.61 (m, 3H), 1.53-1.44 (m, 2H), 1.43-1.35 (m, 1H), 1.06 (d, 3H), 1.03 (s, 3H), 0.94 (t, J=8.0 Hz, 9H), 0.55 (q, J=8.0 Hz, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 203.09, 158.68, 121.78, 68.79, 54.94, 49.93, 46.89, 35.90, 34.80, 30.75, 26.59, 22.00, 18.98, 18.02, 6.91, 4.88。
【0254】
16−エン−24−オキサ−26−イン−TB15
無水へキサンにより洗浄されたKH(16mg、9.0当量、0.40mモル)を、25mlの受容フラスコに添加した。2.5mlのTHF中、アルコール14(15mg、0.044mモル)の溶液をKHに添加し、そして室温で45分間、撹拌した。プロパルギルトシレート7(61mg、0.23mモル)を添加し、そして反応を室温で一晩、撹拌した。反応を水により急冷し、酢酸エチルにより抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗TES−保護されたアルコールを、2.5mlのTHFに溶解し、そしてTBAF(0.13ml、THF中、1M溶液0.13ml)を前記溶液に添加した。その混合物を一晩、撹拌し、水により急冷し、酢酸エチルにより抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、保護解除されたアルコール15を、2段階に関して62%の収率で得た。
【0255】
[α]D25 = + 27.3 (c 0.75, CHCl3); IR (neat, cm-1) 3466 (br), 2966 (s), 2933 (s), 2700 (m), 2242 (w), 1658 (w), 1475 (w), 1450 (w), 1367 (w), 1259 (w), 1209 (w), 1092 (m), 992 (w), 942 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 4.09 (m, 3H), 3.45 (dd, 1H, J) 8.8, 3.2 Hz), 3.24 (dd, 1H, J) 8.8, 6.8 Hz), 1.99 (m, 1H), 1.92-1.03 (m, 22 H), 1.02 (d, 3H, J) 6.8 Hz), 0.95 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 94.84, 74.80, 74.68, 69.32, 58.62, 53.35, 52.37, 41.88, 40.18, 36.07, 33.61, 30.98, 27.42, 26.63, 22.56, 17.45, 17.41, 13.56; HRMS (FAB) C20H32O2 [M - H+]についての計算値, 317.2481; 実測値, 317.2459。
【0256】
16−エン−24−オキサ−26−イン−TBケトン16
アルコール15(20mg、1.0当量、0.07mモル)、NMO(13mg、1.5当量、0.11mモル)及び4Åの分子節を、50mlの受容フラスコ二おいて2mlのCH2Cl2に溶解した。10分間の撹拌の後、TPAP(テトラプロピルアンモニウムペルルテネート)(1.5mg、0.05当量、0.004mモル)を添加し、そして反応をTLCにより追跡した。3時間後、反応を水により急冷し、濾過し、CH2Cl2により抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、ケトン16を50%の収率で得た。
【0257】
[α]D25 = +1.22 (c 0.50, CHCl3); IR (neat, cm-1) 2968 (s), 2929 (s), 2849 (m), 1714 (s), 1476 (w), 1456 (m), 1381(m), 1358 (m), 1306 (w), 1264 (m), 1239 (w), 1096 (s), 1010 (w), 942 (w), 834 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ4.09 (m, 2H), 3.43 (dd, 1H, J= 8.8, 2.8 Hz), 3.29 (dd, 1H, J= 8.8, 6.4 Hz), 2.45 (dd, 1H, J= 11.6, 7.6 Hz), 2.28-1.28 (m, HH), 1.22 (s, 9H), 1.07 (d, 3H, J= 6.4 Hz), 0.64 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ211.88, 94.98, 74.62, 74.36, 61.68, 58.66, 53.30, 49.85, 40.94, 38.75, 36.24, 30.94, 29.67, 26.94, 24.02, 19.09, 17.65, 12.47; HRMS (FAB) C20H30O2 [MH+]についての計算値, 317.2481; 実測値, 317.2478。
【0258】
類似体1m
鏡像異性体的に純粋なホスフィンオキシド6及びCD−環ケトン16を、回転蒸発器上で無水ベンゼン(3×2ml)と共に、別々に共沸乾燥し、そして使用の前、少なくとも120時間、真空下で保持した。磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコを、1mlの新しく蒸留されたTHFに溶解され、そして−78℃に冷却されたホスフィンオキシド6(35mg、0.060mモル)により充填した。この溶液に、n-BuLi(33μl、0.054mモル、ヘキサン中、1.60M溶液)を5分間にわたって滴下し、この間、深赤色が進行し、そして持続した。この混合物を-78℃で、さらに25分間、撹拌した。一方、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコに含まれるCD−環ケトン16(9mg、0.028mモル)を、1mlのTHFに溶解し、そして-78℃に冷却した。この溶液を、-78℃でカニューレを通して5分間にわたって、ホスフィンオキシドアニオンを含むフラスコ中に少しずつ移した。添加の完結の後、深赤色が持続し、そしてその反応を、-78℃で4時間、撹拌した。淡黄色の観察後、反応を、3mlの緩衝液(pH7)により急冷し、そして室温に暖めた。
【0259】
その混合物を酢酸エチル(1×5ml)及び塩化メチレン(2×5ml)により抽出した。組合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、10%酢酸エチル)により精製し、保護された類似物を得た。その保護された類似物をTHF(2ml)に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中、1.6M溶液、100μl)を添加し、そしてその混合物を一晩撹拌した。反応を水により急冷し、酢酸エチル(1×5ml)及び塩化メチレン(2×5ml)により抽出した。組合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、70%酢酸エチル)により精製し、1m(2.3mg、0.005mモル、58%)を無色の油状物として得た。
【0260】
[α]D25 = + 22.7 (c = 0.35, CHCl3); IR (薄フィルム) 3300, 2960, 2873, 1651, 1487, 1375, 932, 870 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.25 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 6.09 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 5.32 (t, J= 1.6 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 5.00(m, 1H), 4.42-4.44 (m, 1H), 4.20-4.4.26 (m, 1H), 3.80 (bs, 1H), 2.78-2.83 (m, 1H), 2.40- 2.61 (m, 3H), 2.29-2.38 (m, 2H), 2.13-2.24 (m, 2H), 1.90-1.93 (m, 2 H), 1.60-1.89 (m, 6 H), 1.45-1.54 (m, 1H), 1.35 (s, 3H), 1.34 (s, 3H), 1.04 (d, J= 6.8Hz, 3H), 0.66 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.60, 151.55, 147.65, 143.10, 132.91, 124.98, 117.04, 111.76, 94.88, 74.78, 70.84, 66.85, 58.61, 56.07, 53.23, 45.95, 45.27, 42.87, 40.26, 36.86, 31.92, 29.69, 29.07, 27.11, 25.50, 23.55, 18.76, 11.26; HRMS (FAB)、452.3292 、C30H44O3 [(M+H)+]についての計算値, 実測値、452.3290; UV (MeOH) λmax 263 nm (ε 10790)。
【0261】
例5:類似体1nの調製
【化47】

【0262】
アルコール18
50mlのCH2Cl2中、パラホルムアルデヒド(272mg、9.1mモル)の懸濁液に、-78℃でヘキサン中、塩化ジメチルアルミニウムの1M溶液13.5ml(13.5mモル)を添加した。30分後、5mlのCH2Cl2中、(+)−176(503mg、2.8mモル)の溶液を、前記混合物に-78℃で添加し、そして次にその反応混合物を-40℃に暖めた。-40℃での16時間の撹拌の後、それを-40℃で10%K2HPO4により急冷し、そして次に、室温に暖めた。反応混合物を酢酸エチル(2×100ml)により抽出し、10%HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインにより洗浄し、乾燥し、真空下で濃縮し、そして次にクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、400mg(68%)の(+)−18を、油状物として得た。
【0263】
[α]D25 +1.63°(c 3.2, CHCl3); IR (CHCl3, cm-1) 3579, 2937, 1727; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.40 (t, J= 1.6 Hz, 1H), 5.21 (m, 1H), 3.57 (m, 2H), 2.34 (m, 1H), 2.10 (m, 2H), 2.04 (s, 3H), 1.81 (m, 4H), 1.57 (m, 3H), 1.41 (m, 1H), 1.01 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 1.00 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 156.97, 121.66, 70.56, 66.57, 52.85, 46.52, 34.82, 34.60, 30.65, 21.34, 18.41, 17.90, 12.35; HRMS m/z C13H21Oについての計算値 193.1593, 実測値 193.1596。
【0264】
アルコール19
無水へキサンにより洗浄されたKH(16mg、9.0当量、0.40mモル)を、25mlの受容フラスコに添加した。2.5mlのTHF中、アルコール18(15mg、0.044mモル)の溶液をKHに添加し、そして室温で45分間、撹拌した。プロパルギルトシレート(61mg、0.23mモル)を添加し、そして反応を室温で一晩、撹拌した。反応を水により急冷し、酢酸エチルにより抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。粗TES−保護されたアルコールを、2.5mlのTHFに溶解し、そしてTBAF(0.13ml、THF中、1M溶液0.13ml)を前記溶液に添加した。その混合物を一晩、撹拌し、水により急冷し、酢酸エチルにより抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、19を、2段階で65%(20mg)の収率で無色の油状物として得た。
【0265】
[α]D25 = + 14.8 (c 0.75, CHCl3); IR (neat, cm-1) 3466 (br), 2966 (s), 2933 (s), 2700 (m), 2242 (w), 1658 (w), 1475 (w), 1450 (w), 1367 (w), 1259 (w), 1209 (w), 1092 (m), 992 (w), 942 (w); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 4.09 (m, 3H), 3.45 (dd, 1H, J= 8.8, 3.2 Hz), 3.24 (dd, 1H, J= 8.8, 6.8 Hz), 1.99 (m, 1H), 1.92-1.03 (m, 22 H), 1.02 (d, 3H, J= 6.8 Hz), 0.95 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 156.97, 121.66, 94.84, 74.80, 74.68, 69.32, 58.62, 53.35, 52.37, 41.88, 40.18, 36.07, 33.61, 30.98, 27.42, 26.63, 22.56, 17.45, 17.41, 13.56; HRMS (FAB) C20H32O2についての計算値、304.24036;実測値, 304.2401。
【0266】
ケトン20
アルコール19(20mg、1.0当量、0.07mモル)、NMO(N-モルホリン-N-オキシド)(13mg、1.5当量、0.11mモル)及び4Åの分子節を、50mlの受容フラスコにおいて2mlのCH2Cl2に溶解した。10分間の撹拌の後、TPAP(1.5mg、0.05当量、0.004mモル)を添加し、そして反応をTLCにより追跡した。3時間後、反応を水により急冷し、濾過し、CH2Cl2により抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、ケトン20を50%の収率で得た。
【0267】
[α]D25 = +1.22 (c 0.50, CHCl3); IR (neat, cm-1) 2968, 2929, 2849, 1714, 1476, 1456, 1381(m), 1358, 1306, 1264, 1239, 1096, 1010, 942, 834; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ4.09 (m, 2H), 3.43 (dd, 1H, J= 8.8, 2.8 Hz), 3.29 (dd, 1H, J= 8.8, 6.4 Hz), 2.45 (dd, 1H, J= 11.6, 7.6 Hz), 2.28-1.28 (m, 11H), 1.22 (s, 9H),1.07 (d, 3H, J= 6.4 Hz), 0.64 (s, 3H); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ211.88, 156.97, 121.66, 94.98, 74.62, 74.36, 61.68, 58.66, 53.30, 49.85, 40.94, 38.75, 36.24, 30.94, 29.67, 26.94, 24.02, 19.09, 17.65, 12.47; HRMS (FAB) C20H30O2についての計算値、 302.2247; 実測値, 302.2250。
【0268】
類似体1n
鏡像異性体的に純粋なホスフィンオキシド6及びCD−環ケトン20を、回転蒸発器上で無水ベンゼン(3×2ml)と共に、別々に共沸乾燥し、そして使用の前、120時間、真空下で保持した。磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコを、1mlの新しく蒸留されたTHFに溶解され、そして−78℃に冷却されたホスフィンオキシド6(35mg、0.060mモル)により充填した。この溶液に、n-BuLi(33μl、0.054mモル、ヘキサン中、1.6M溶液)を5分間にわたって滴下し、この間、深赤色が進行し、そして持続した。この混合物を-78℃で、さらに25分間、撹拌した。一方、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコに含まれるCD−環ケトン20(10mg、0.028mモル)を、1mlのTHFに溶解し、そして-78℃に冷却した。この溶液を、-78℃でカニューレを通して5分間にわたって、ホスフィンオキシドアニオンを含むフラスコ中に少しずつ移した。
【0269】
添加の完結の後、深赤色が持続し、そしてその反応を、-78℃で4時間、撹拌した。淡黄色の観察後、反応を、3mlの緩衝液(pH7)により急冷し、そして室温に暖めた。その混合物を酢酸エチル(1×5ml)及び塩化メチレン(2×5ml)により抽出した。組合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、10%酢酸エチル)により精製し、保護された類似物を得た。その保護された類似物をTHF(2ml)に溶解し、そしてTBAF(THF中、1.6M溶液、100μl)を添加し、そしてその混合物を一晩撹拌した。反応を水により急冷し、酢酸エチル(1×5ml)及び塩化メチレン(2×5ml)により抽出した。組合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、70%酢酸エチル)により精製し、1n(2.3mg、0.005mモル、51%)を無色の油状物として得た。
【0270】
[α]D25 = + 14.6 (c = 0.35, CHCl3); IR (薄フィルム) 3300, 2960, 2873, 1651, 1487, 1375, 932, 870 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.25 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 6.09 (d, J= 11.2 Hz, 1H), 5.32 (t, J= 1.6 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 5.00 (m, 1H), 4.42- 4.44 (m, 1H), 4.20-4.4.26 (m, 1H), 3.80 (bs, 1H), 2.78-2.83 (m, 1H), 2.40-2.61 (m, 3H), 2.29- 2.38 (m, 2H), 2.13-2.24 (m, 2H), 1.90-1.93 (m, 2 H), 1.60-1.89 (m, 6 H), 1.45-1.54 (m, 1H), 1.35 (s, 3H), 1.34 (s, 3H), 1.04 (d, J= 6.8Hz, 3H), 0.66 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.60, 151.55, 147.65, 143.10, 132.91, 124.98, 117.04, 111.76, 94.88, 74.78, 70.84, 66.85, 58.61, 56.07, 53.23, 45.95, 45.27, 42.87, 40.26, 36.86, 31.92, 29.69, 27.11, 25.50, 23.55, 18.76, 11.26; HRMS (FAB) C29H42O3についての計算値、438.3156 ;実測値、438.3156; UV (MeOH) λmax 260 nm (ε 10800)。
【0271】
例6:類似体1oの調製
【化48】

【0272】
アルコール22
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎乾燥された10mlの丸底フラスコを、2mlの新しく蒸留したTHF中、218(48mg、0.17mモル)により充填し、そしてO℃に冷却した。この溶液に、n−ブチルリチウム(0.11ml、0.17mモル、ヘキサン中、1.6M)を5分間にわたって滴下し、そしてこの混合物を0℃で20分間、撹拌し、次に室温に暖め、そして16時間撹拌した。出発材料の消費がTLC分析により見出される場合、反応を水(5ml)により冷却した。水性層をジエチルエーテル(3×5ml)により抽出し、そして有機物をブラインの飽和溶液(10ml)により洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、0〜10%ジエチルエーテル)により精製し、中間体エーテルを得た。
【0273】
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎乾燥された10mlの丸底フラスコを、2mlの新しく蒸留されたTHF中、前記中間体エーテル(21mg、0.056mモル)により充填した。この溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.28ml、0.28mモル、THF中、1.0M)を滴下し、そしてこの混合物を16時間、撹拌した。出発材料の消費がTLC分析により見られた場合、反応をH2O(3ml)により急冷した。水性層をCH2Cl2(3×5ml)により抽出した。有機物を、ブラインの飽和溶液(10ml)により洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、10%酢酸エチル)により精製し、22を透明な油状物として得た(13mg、0.051mモル、2段階にわたって30%の収率)。
【0274】
[α]D23 = +7.2 (c = 0.67, CHCl3); IR (薄フィルム) 3477, 2966, 2927, 2864, 1454, 1361, 1263, 1086, 989, 962, 893, 720 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.13 (s, 2H), 4.04 (d, 1H, J= 2.8 Hz), 3.47 (t, 1H, J = 8 Hz), 2.06-1.71 (m, 5H), 1.54-1.24 (m, 7H), 1.21 (s, 9H), 1.01 s, 3H; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 94.5, 87.8, 74.5, 69.2, 57.8, 47.7, 41.9, 38.2, 33.7, 30.9, 27.4, 26.9, 21.7, 17.1, 13.1; HRMS (FAB) C17H29O2 [(M+H)+]についての計算値、265.2168, 実測値、 265.2159。
【0275】
ケトン23
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎乾燥された10mlの丸底フラスコを、20mlの塩化メチレン中、アルコール22(13mg、0.049mモル)により充填した。この溶液に、PDC(55mg、0.15mモル)及びCelite(商標)(60mg)を添加し、そしてその反応を18時間、撹拌した。出発材料の消費がTLC分析により見られる場合、反応をカラムに直接的に充填し、そしてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、0〜15%の酢酸エチル)により精製し、23(11mg、0.043mモル、86%)を、無色の油状物として得た。
【0276】
[α]D25 = -7.3 (c = 0.57, CHCl3); IR (薄フィルム) 2967, 2868, 1715, 1454, 1361, 1263, 1226, 1102, 483 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.14 (q, 2H, J= 13 Hz), 3.79 (t, 1H, J= 8 Hz), 2.42-1.86 (m, 8H), 1.58-1.5 (m, 3H), 1.22 (s, 9H), 0.72 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 209.4, 94.8, 87.1, 74.9, 57.8, 57.6, 49.3, 40.9, 36.7, 30.9, 27.4, 26.9, 23.7, 18.2, 12.0。
【0277】
類似体1o
鏡像異性体的に純粋なホスフィンオキシド6及びC,D−環ケトン23を、回転蒸発器上で無水ベンゼン(3×2ml)と共に、別々に共沸乾燥し、そして使用の前、少なくとも120時間、真空下で保持した。
【0278】
磁気撹拌棒及びArバルーンを備えた、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコを、1mlの新しく蒸留されたTHFに溶解され、そして−78℃に冷却されたホスフィンオキシド6(45mg、0.077mモル)により充填した。この溶液に、n-BuLi(52μl、0.077mモル、ヘキサン中、1.6M溶液)を5分間にわたって滴下し、この間、深赤色が進行し、そして持続した。この混合物を-78℃で、さらに25分間、撹拌した。一方、火炎−乾燥された10mlの丸底フラスコに含まれるC,D−環ケトン23(8mg、0.031mモル)を、1mlのTHFに溶解し、そして-78℃に冷却した。この溶液を、-78℃でカニューレを通して5分間にわたって、ホスフィンオキシドアニオンを含むフラスコ中に少しずつ移した。添加の完結の後、深赤色が持続し、そしてその混合物を、-78℃で6時間、撹拌した。淡黄色の観察後、反応を、3mlの緩衝液(pH7)により急冷し、そして室温に暖めた。
【0279】
その混合物を酢酸エチル(1×5ml)及び塩化メチレン(2×5ml)により抽出した。組合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、0−15%酢酸エチル)により精製し、主要副生成物(4.7mg、0.0075mモル、10%)と共に、保護された類似物を得た。その保護された類似物をアセトニトリル(2ml)に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)(THF中、1.0M溶液、100μl、0.1mモル)を添加した。24時間の撹拌の後、反応を水(5ml)により急冷し、そしてガス発生が止まるまで、撹拌した。水性層を、酢酸エチル(3×5ml)により抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。濾液を真空下で濃縮し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1%NEt3を含む、ヘキサン中、60%酢酸エチル)により精製し、1o(1mg、0.0024mモル、38%)を無色の油状物として得た。
【0280】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.37 (d, 1H, J= 12 Hz), 6.01 (d, 1H, J= 11 Hz), 5.35 (s, 1H), 5.01 (s, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.22 (m, 1H), 4.14 (d, 2H, J= 6 Hz), 3.69 (t, 1H, J= 8 Hz), 2.84 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.34-0.58 (m, 27 H, 1.17 及び 0.58)にでs; HRMS (FAB) C26H38O3Na+ [(M+Na)+]についての計算値、421.2721, 実測値、 421.2708。
【0281】
例7:外皮用クリームの調製
本発明の式Iの化合物のいずれかを、1gのアーモンド油に溶解することができる。この溶液に、40gの鉱油及び20gの自己乳化する蜜蝋を添加することができる。その混合物を加熱し、液化する。40mlの温水の添加の後、その混合物を十分に混合し、ここで得られるクリームは1gのクリーム当たり約10μgの式Iの化合物を含む。
【0282】
例8:カプセルの調製
本発明の式Iの化合物のいずれかを、中鎖脂肪酸のトリグリセリドに溶解し、50μg/mlの油の最終濃度にした。10重量部のゼラチン、5重量部のグリセリン、0.08重量部のソルビン酸カリウム及び14重量部の蒸留水を、加熱しながら一緒に混合し、そしてソフトゼラチンカプセルを形成することができる。それらのカプセルを、100μlの油溶液によりそれぞれ充填し、その結果、個々のカプセルは5μgの式Iの化合物を含んだ。
【0283】
例9:VDR結合実験
競争結合アッセイを、いくつかの改良9,10を伴って、Jones et al. (1980) 及びFujishima et al. (2001)に従って実施した。手短には、結合緩衝液(50 mM Tris-HCl pH 7.4、1.5 mM EDTA、300 mMの KCl、5 mg/mlのゼラチン 及び10 mMの DTT)において調製されたヒト組換えVDR(1 pモル/反応; Biomol, Plymouth Meeting, PA, USA,カタログ番号SE- 140)を、lα,25(OH)2D3 (10-8-10-10 M)又は化合物(10-6−10-10M)と共に、を室温で1時間プレインキュベートした。
【0284】
次に、0.25nMの[3H]lα,25(OH)2D3 (〜20,000 cpm; Perkin Elmer, Boston, MA, USA, カタログ番号NET626)を、前記溶液に添加し、十分に混合し、そして室温で1時間インキュベートした。結合されていない放射性リガンドを、木炭−デキストランと共に30分間、氷上でインキュベートすることにより除去し、そして次に4℃で10分間の2000rpmでの遠心分離によりペレット化した。100μlの上清中の放射能をシンチレーションカウンターを用いて測定した。対照反応は、VDRタンパク質(バックグラウンド)又は競争リガンド(最大結合)も含まなかった。化合物1a、1b、1c、1d、1f、1g、1h及び1iについてVDR結合アッセイ結果が、それぞれ図2−9に示されている。
【0285】
例10:CYP24誘発
アッセイ11,12
細胞培養物、刺激及びプレート化
HPK1a−ras細胞を、80%集密性レベルまで、DMEM+10%FBS(Invitrogen)において増殖した。細胞を遠心分離によりペレット化し、そして1mlの培地当たり100×103個の細胞の濃度まで再懸濁した。24ウェルプレートの個々のウェルに、1mlの細胞懸濁液を添加し、そして37℃+5%CO2下で一晩インキュベートした。
【0286】
細胞処理及びTRIzol添加
細胞をPBSにより洗浄し、そして次に、1mlのDMEM+1%BSA培地をウェル当たり添加した。個々のウェルに、個々の化合物の1, 10及び100nMの作業溶液1μlを添加した。対照として、1μlのイソプロパノールを、末処理の細胞に二重反復して添加した。細胞を37℃+5%CO2下で8時間インキュベートし、TRIzol試薬 (Invitrogen, カタログ番号15596-018)に溶解し、そして-80℃で貯蔵した。個々の処理は二重反復して行われた。
【0287】
RNA単離及びcDNA合成
RNAを、製造業者の説明書(Invitrogen)に従って、相分離、RNA沈殿及びRNA洗浄を通してTRIzol中、細胞溶解物から単離した。RNAの濃度を、260nmの波長で分光光度計を用いて決定し、個々のサンプルの光学密度を測定した。ThermoScriptTM RT-PCR Systemキット (Invitrogen, カタログ番号11146-016)を、その製造業者の説明書に従って使用し、1μgのRNAからcDNAを創造した。
【0288】
CYP24/GAPDH TaqMan(商標)リアルタイムPCR
ヒトCYP24及びGAPDHについて、Applied Biosystems Inc. (ABI - Foster City, CA)からの市販のTaqMan(商標)プローブを用いて、それぞれ、個々のサンプルに存在するCYP24及びGAPDHのmRNAの量を決定した。両遺伝子をABI PRISM96−ウェル光学反応プレートにおいて実施される同じ20μlの反応において検出した。反応を製造業者の説明書に従って設定し、三重反復して実施し、そしてABI Prism 7000 Sequence Detection System(商標)を用いて、50回、循環した。
100nMのいくつかの本発明の化合物によるCYP24の相対的折りたたみ誘発が、下記表2に提供される。
【0289】
【表2】

【0290】
当業者は、抗増殖活性を維持しながら製造され得る、本明細書に記載されるコアー構造体の位置の置換方法を認識するであろう。本明細書に記載される例及び態様は単なる例示目的であり、そして種々の修飾又は変更が当業者に提案され、そして本出願及び請求の範囲内に包含されることが理解される。本明細書に引用されるすべての出版物、特許及び特許出願は、それらのすべて引用により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】

[式中、---- は、単又は二重結合であり;
Xは独立して、O、NR2、S、S(O)又はS(O)2であり;
L1は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
L2は独立して、直接結合、あるいは置換された又は置換されていないアルキルであり、ここでアルキルは任意には、独立して1〜3個のR9基により置換され;
R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR1は任意には、独立して1〜5個のR3基により置換され;
R2は、H、アルキル又はペルフルオロアルキルであり;
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール, アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルはそれぞれ任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
R4は独立して、H、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR4は任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;
R5、R6、R7及びR8は個々に独立して、直接結合、H、OH、-(CH2)jOR9、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアルキル、置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり、ここでR5、R6、R7及びR8は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;あるいは
R7及びR8は、上記の通りであり、そしてR5及びR6は、それらが結合されるN原子と共に置換された又は置換されていないヘテロシクロアルキルあるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールを形成し、ここでR5及びR6は個々に任意には独立して、1〜3個のR9基により置換され;そして
R9は、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)jOR10、-(CH2)jC(O)R10、-(CH2)jC(NR13)R4、-(CH2)jC(O)OR10、-(CH2)jNR11R12、- (CH2)jC(O)NR11R12、-(CH2)jOC(O)NR11R12、-(CH2)jNR13C(O)R14、-(CH2)jNR13C(O)OR10、 -(CH2)jNR13C(O)NR11R12、-(CH2)jS(O)mR15、-(CH2)jNR13S(O)2R15、あるいは(CH2)jS(O)2NR11R12であり、ここで個々のjは独立して、0〜6の整数であり、mは独立して、0〜2の整数であり;そして
R10、R11、R12、R13、R14及びR15は個々に独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである]
で表される化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物。
【請求項2】
Xが独立して、Oであり;
L1が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
L2が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
R1が独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、又は置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
L1が独立して、直接結合、下記式;
【化2】

で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【化3】

【化4】

[式中、nは独立して、0〜2の整数である]
で表される基である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1が独立して、下記式:
【化5】

で表される基である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
下記式II又は式III :
【化6】

を有する、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Xが独立して、Oであり;
L1が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
L2が独立して、直接結合、又は(C1-C6)アルキルであり;
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、又は置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
L1が独立して、直接結合、下記式;
【化7】

で表される基であり;
L1が独立して、直接結合又はCH2であり;そして
R1が独立して、下記式:
【化8】

で表される基である、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
下記式II又は式III :
【化9】

を有する、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
前記式Iの化合物が、下記式IV:
【化10】

[式中、qは独立して、0〜2の整数であり;
R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である]を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは-(CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R1が独立して、下記式:
【化11】

【化12】

[式中、nは独立して、0〜2の整数である]で表される基である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
R1が独立して、下記式:
【化13】

で表される基である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
下記式V又は式VI:
【化14】

を有する、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、又は置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項11記載の化合物。
【請求項17】
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
R1が独立して、下記式:
【化15】

で表される基である、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
下記式V又は式VI:
【化16】

を有する、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
前記式Iの化合物が、下記式VII:
【化17】

[式中、R1は独立して、置換された又は置換されていないアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていないアルキニルであり;そして
R3は独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である]を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
R1が独立して、置換された又は置換されていない(C1-C12)アルキル、置換された又は置換されていない(C3-C12)シクロアルキル、置換された又は置換されていない(C2-C12)アルケニル、置換された又は置換されていない(C4-C12)シクロアルケニル、あるいは置換された又は置換されていない(C2-C12)アルキニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは-(CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
R1が独立して、下記式:
【化18】

【化19】

[式中、nは独立して、0〜2の整数である]で表される基である、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
R1が独立して、下記式:
【化20】

で表される基である、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
下記式VIII又は式IX:
【化21】

を有する、請求項23記載の化合物。
【請求項25】
R1が独立して、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、あるいは置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキルであり;そして
R3が独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、置換された又は置換されていないアルキル、ペルフルオロアルキル、置換された又は置換されていないシクロアルキル、置換された又は置換されていないアルケニル、置換された又は置換されていないシクロアルケニル、置換された又は置換されていないアルキニル、置換された又は置換されていないアリール、置換された又は置換されていないアリールアルキル、置換された又は置換されていないヘテロアリール、置換された又は置換されていないヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項20記載の化合物。
【請求項26】
R1が独立して、置換された又は置換されていないフェニル、 置換された又は置換されていないナフチル、 置換された又は置換されていないフラニル、 置換された又は置換されていないピロリル、 置換された又は置換されていないチオフラニル、 置換された又は置換されていない オキサゾリル、 置換された又は置換されていないイソオキサゾリル、 置換された又は置換されていないピラゾリル、 置換された又は置換されていないイミダゾリル、 置換された又は置換されていないピリジニル、 置換された又は置換されていないピリダジニル、 置換された又は置換されていないピリミジニル、 置換された又は置換されていないピラジニルであり、ここでR1は任意には独立して、1〜3個のR3基により置換され;そして
R3が独立して、F、Cl、Br、I、OH、CN、NO2、アルキル、ペルフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、-(CH2)j0R4、-(CH2)jC(O)R4、-(CH2)jC(NR7)R4、- (CH2)jC(NNR7)R4、-(CH2)jC(O)OR4、 -(CH2)jNR5R6、 -(CH2)jC(O)NR5R6、-(CH2)jOC(O)NR5R6、-(CH2)jNR7C(O)R4、-(CH2)jNR7C(O)OR4、-(CH2)jNR7C(O)NR5R6、-(CH2)jS(O)mR8、-(CH2)jNR7S(O)2R8、あるいは- (CH2)jS(O)2NR5R6である、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
R1が独立して、下記式:
【化22】

で表される基である、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
下記式VIII又は式IX:
【化23】

を有する、請求項27記載の化合物。
【請求項29】
下記式:
【化24】

【化25】

を有する、請求項1記載の化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物。
【請求項30】
下記式:
【化26】

を有する化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物。
【請求項31】
下記式:
【化27】

を有する化合物、又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物。
【請求項32】
有効量の1又は複数の請求項1記載の式Iの化合物、及び1又は複数の医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成る医薬組成物。
【請求項33】
局部、経口又は注射形で存在する、請求項32記載の医薬組成物。
【請求項34】
経口形で存在する、請求項32記載の医薬組成物。
【請求項35】
有効量の請求項1記載の式Iの化合物、又は請求項32記載の組成物を、異常性細胞−増殖及び/又は細胞−分化により特徴づけられる障害の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する患者の処理方法。
【請求項36】
前記異常性細胞増殖及び/又は細胞分化が乾癬である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
有効量の請求項1記載の式Iの化合物、又は請求項32記載の組成物を、続発性上皮小体亢進症の処理に必要な患者に投与することを含んで成る、そのような障害を有する患者の処理方法。
【請求項38】
前記患者が、慢性腎疾患(CKD)を有する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
下記のように請求項1記載の式Iの化合物の調製方法であって、
【化28】

(式中、PGは保護基である)
a)式XIの化合物と塩基とを反応し、その対応するアニオンを形成し;そして
b)前記アニオンを、式XIIの化合物によりカップリングし;そして
c)前記保護基を除去し、式Iの化合物を得る、方法。
【請求項40】
前記塩基がアルカリ金属又は有機リチウム化合物であり;そして前記保護基がシリル保護基である、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記アルカリ金属が水素化ナトリウム又は水素化リチウムであり;前記有機リチウム化合物がn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウムであり、そして前記シリル保護基がtert−ブチルジメチルシランである、請求項40記載の方法。
【請求項42】
請求項39記載の方法により調製される、請求項1記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−524973(P2010−524973A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504292(P2010−504292)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060885
【国際公開番号】WO2008/131267
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(508041161)ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】