説明

カルシム含有化合物および糖アルコールを含む微粒状物

本発明は、治療的および/または予防的に活性な物質としてカルシウム塩のような規則的な形状のカルシム含有化合物およびSEMにより証明される微細構造を有する、例えばソルビトールおよび/もしくはイソマルトのような医薬的に許容される糖アルコールを含む微粒状物質ならびに固形投与形態、特に錠剤に関する。本発明は、微粒状物質および固形投与形態の製造方法にも関する。その方法は、カルシム含有化合物および医薬的に許容される糖アルコールのローラー圧密による凝塊を含む。ローラー圧密により得られる微粒状物質は、その微粒状物質を咀嚼剤のような錠剤にさらに加工する際の使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療的および/または予防的に活性な物質としてカルシウム塩のような規則的な形状のカルシム含有化合物およびSEMにより証明される微細構造を有する、例えばソルビトールおよび/もしくはイソマルトのような医薬的に許容される糖アルコールを含む微粒状物質、ならびに固形投与形態、特に錠剤に関する。本発明は、微粒状物質および固形投与形態の製造方法にも関する。その方法は、カルシム含有化合物および医薬的に許容される糖アルコールのローラー圧密による凝塊形成を含む。ローラー圧密により得られる微粒状物質は、その微粒状物質を咀嚼錠剤のような錠剤にさらに加工する際の使用に適している。
【0002】
本発明は、カルシウム含有化合物が凝塊される凝塊工程の成果が、カルシウム含有化合物の特定の形状および凝塊工程において結合剤として用いられる物質の微細構造に依存することを見出したことに基づいている。
【背景技術】
【0003】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体中の多くの重要な機能に不可欠である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長は、カルシウムにより調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋肉の収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0004】
カルシウム選択チャンネルは、細胞膜の一般的な特徴であり、神経組織の電気的活性および神経分泌顆粒の放電は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyne RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌と重要な酵素および蛋白質の活性は、カルシウムに依存する。最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは、骨格の硬さおよび強さを与える(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は、全身カルシウムの99%以上を含むので、骨格のカルシウムは、主な長期のカルシウム貯蔵所としても働く。
【0005】
例えば炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているかまたは恐れのある患者のカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは、制酸錠剤中の酸中和剤として用いられる。
【0006】
その上、カルシウムは、大腸内で抗癌作用を有し得る。いくつかの予備的な研究は、高カルシウム食またはカルシウム補充の摂取は、大腸・直腸癌の減少に関係することを示している。アセチルサリチル酸(ASA)およびその他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と組み合わせたカルシウムが直腸結腸癌の危険性を減少させる証拠が増えている。
【0007】
最近の調査研究は、カルシウムが月経前症候群(PMS)を緩和し得ることを提案している。いくらかの研究者は、カルシウム調節の乱れが、PMS症候群の進展における根本的な要因であると信じている。ある研究において、米国全体の月経前の女性446人のグループの半分が三回の月経周期について追跡され、周期を通して毎日1200 mgのカルシウム補給物が与えられた。最終結果は、プラセボを摂取した女性の48%がPMS関連症状を示した。カルシウム錠剤を摂取した人では30%のみだった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウム
を必要とするため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。独特の優勢な味またはチョーク(chalk)のフィーリングなしに、快適な味と許容可能なマウスフィーリングを有するカルシウム塩を含むチュアブル錠に製剤化することは難問である。
【0009】
さらに、i) 炭酸カルシウムの高用量(750〜1500 mgの炭酸カルシウム一日二回に相当する通常300〜600 mgのカルシウム元素一日二回)、ii) 圧縮性のような錠剤化の性質に関して、規則的な形状の炭酸カルシウムの固有の乏しい性質、それにより、好適な圧縮性を得るために一以上の医薬的に許容される賦形剤を加える必要性を要求する、およびiii) 特にチョーキネス(chalkiness)に関する、カルシウム塩自身の極めて悪い味とマウスフィーリングは、患者にとって都合よく小さい、適当に小さいサイズを有する錠剤を製造することを非常に困難にする。チュアブル錠に製剤化するときに、十分な味マスキングが、もう一つの主な難問である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、カルシウム含有化合物の凝塊物を含む微粒状物を用いて、例えば、生理学的に忍容可能なカルシウム含有化合物を含むチュアブル錠を製造するための、容易な方法を見出した。その微粒状物は、あらゆる溶媒(例えば、水)の使用なしに得られるが、例えば、錠剤のような固形投与形態へのさらなる工程に適した性質を有する凝塊物を形成するために、カルシウム含有化合物のローラー圧密の方法を含む。
【0011】
EP 0 054 333 (Stauffer Chemical Company)は、粉末を得るために、ローラー圧密手段によるリン酸カルシウムの微細粒子を圧密する方法を記載している。得られる粉末は、出発物質より大きな嵩密度を有し、医薬錠剤を製造する際に、賦形剤としての使用に適する。
【0012】
EP 0 054 333とは対照的に、本発明は、ローラー圧密を、医薬的に許容される賦形剤の嵩密度を増加する目的で使用せず、凝塊のための新規な方法として、すなわち、その物質の、例えば、許容される味および/またはマウスフィーリングを有するチュアブル錠のような錠剤へのさらなる工程に適したサイズに、その平均粒子径を増加するために、粒子の凝塊物を作るための方法として使用される。
【0013】
カルシウム含有化合物の品質およびカルシウム含有化合物を含む医薬組成物の製造方法が、チュアブル錠の許容される味およびマウスフィーリングを得るために非常に重要であることが、以前に記載されている(WO 00/28973)。
【0014】
WO 00/28973とは対照的に、本発明による方法は、湿式造粒法により粒子を一緒に結合させる工程を用いないので、本発明の方法は、湿気に対して感受性のある物質を組み込むことが望まれるときに、有利に用いられ得ることを意味する。そのような物質の例は、医薬的な投与形態中にカルシウム塩と一緒によく入れられる、ビタミンDである。本発明は、例えば湿式造粒を含むような工程の必要性なしに、そのような投与形態を得るための単純で費用効果的な代替法を提供する。
【0015】
発明の詳細
カルシウム含有化合物および結合性を有する医薬的に許容される糖アルコールを一緒にローラー圧密(compaction)することは、それにより得られる圧密物の医薬的使用のための性質を改善するということを、驚くべきことに見出した。
前記のように、本文脈において、粉末のローラー圧密法は、既知の造粒または凝塊法すなわち、湿式造粒または乾燥結合剤を用いる直接圧縮(錠剤を製造するとき)の代替法として用いられる。
【0016】
本発明者は、ローラー圧密法が、許容されるマウスフィーリングと同時に優勢なチョーク様の味またはフィーリングのない製品を得る可能性を害さない、非常に緩和な方法であることを見出した。通常、ローラー圧密は、特別な物質または組成物の嵩密度を増やす目的、例えば医薬組成物の製造において使用をより容易にする、嵩高い物質をより容積の小さい物質に変換するために用いられる。本発明者の知る限りでは、ローラー圧密は、物質(すなわち、カルシウム含有化合物)の重要な性質を維持するかまたは破壊せず、それゆえ、許容される味、マウスフィーリング等が得られる、穏和な造粒法として用いられていない。
【0017】
本発明者は、凝塊工程において、結合物質として医薬的に許容される糖アルコールの使用が、許容される味およびマウスフィーリングをなお有するより小さな錠剤を製造する目的に特に適することを見出した。しかしながら、カルシウム含有化合物を含む、ローラー圧密された組成物の好適な性質を得るために、二つの主な要素、すなわちカルシウム含有化合物自身の性質および凝塊工程で結合剤として用いられる糖アルコールの選択が、重要である。
【0018】
このために、本発明者は、規則的な形状のカルシム含有化合物が用いられるとき、それ自身非常に乏しい圧縮性を有するので、許容される最終結果を得るためには、用いられる糖アルコールは微細構造、すなわちローラー圧密工程の間に個々のカルシウム(および糖アルコール)粒子間で十分な結合を達成するために、錠剤全体を通してある変形と十分な分布を可能にする構造を有することが、非常に重要であることを見出した。
【0019】
本文脈において、カルシウム含有化合物に関する、「規則的な形状の」の用語は、SEMで立証されるように、個々の粒子が、例えば図15に示される立方形の結晶のような、丸みを帯びるかまたは滑らかなような表面を有していることを意味することを意図している。その規則的な形状は、1.5 m2/gより小さい比較的小さい比表面積をもたらす。
【0020】
本文脈において、糖アルコールに関して使用される、「微細構造」の用語は、糖アルコールの単結晶が、より小さなユニットを含む複数の結晶またはファイバー結晶のような多結晶、すなわち、結晶が、SEMにより検出可能な、特定可能な構造を有することを意味する(例えば、図16を参照)。この微細構造は、ローラー圧密工程の間に個々のカルシウム(および糖アルコール)粒子間で十分な結合を達成するために、錠剤全体を通してある変形と十分な分布を可能にする。さらに、十分な圧縮性が必要とされる。以下の実施例を比較。
【0021】
さらに、医薬製剤の分野で一般的に知られていることとは対照的に、本発明者は、ソルビトールのような糖アルコールは、一般的に推奨される標準的な品質では使用には適さないことを見出した。この品質は、約300 μmの平均粒子径を有するが、以下の実施例に示されるように、そのような平均粒子径は、カルシウム含有化合物の粒子の回りにソルビトールの十分な分布を可能にするためには大きすぎ、破砕強度に関して許容できない性質を有する錠剤をもたらす。破砕強度に関して、良好かつ許容される結果を得るためには、例えば、ソルビトールの粒子径は、断然小さくなければならない。
【0022】
したがって、本発明により用いられる、医学的に許容される糖アルコールは、
例えば最大で約110 μm、最大で約100 μm、最大で約90 μm、最大で約80 μm、最大で約70 μm、最大で約60 μm、最大で約50 μm、最大で約40 μm、最大で約30 μm、最大で約20 μmまたは約10 μmのような、最大でも約150 μmの平均粒子径を有する。
【0023】
具体的な態様において、用いられる医薬的に許容される糖アルコールは、例えば約5〜約110 μmまたは約5〜約80 μmのような、約5〜約150 μmの範囲の平均粒子径を有する。
【0024】
さらに、例えば、断然小さい粒子径のソルビトールの使用は、ソルビトールが吸湿性であり、より小さい粒子径はその表面積を増加させ、それにより、例えば周囲からの水分吸収の危険性を増すことが知られているので、安定性の問題に導くだろう。
【0025】
しかしながら、ここに示されるように、カルシウム含有化合物、および例えば300 μmをはるかに下回った平均粒子径を有するソルビトールを含む組成物のローラー圧密により得られる微粒状物を用いて製造される錠剤は、破砕強度に関して安定である。
【0026】
すなわち、開放ペトリ皿中に25℃および60% RHで保管されたとき、製造後5日目に始まり、残りの保管期間、例えば1ヶ月、3ヶ月等の期間の間、その錠剤の破砕強度は、例えば最大で約40%、最大で約30%、最大で約20%、最大で約15%、最大で約10%のような、最大でも約50%変化する。本発明の錠剤の破砕強度は、約70〜約140 Nの範囲にあるべきである。
【0027】
そのような改善された安定性は、ここで記載のようにして得られた物質が、いわゆる(ICH Q1Fで定義されているような)ゾーン3または4の国々、すなわち、比較的高い平均気温および相対湿度を有する国々に適していることを示す。
【0028】
一つの観点において、本発明は、その製造法がカルシウム含有化合物および糖アルコールを含む組成物のローラー圧密を含む、微粒状物質または活性物質として一以上の規則的な形状のカルシウム含有化合物および微細構造を有する一以上の医薬的に許容される糖アルコールを含む固形投与形態の製造法に関する。
本発明は、その微粒状物質自身ならびにその微粒状物質に基づく固形投与形態にも関する。用いられる糖アルコールは結合性および、ソルビトールおよびイソマルトの場合のように、好ましくは甘味性を有する。
【0029】
満足な結果を得るため、糖アルコール(結合剤)は、例えば少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%または少なくとも約20重量%のような、少なくとも約5重量%の濃度の微粒状物質で存在しなければならない。
【0030】
例えば、許容される風味およびマウスフィーリングを有するチュアブル錠の製造の使用に適している微粒状物質を得るために、カルシウム含有化合物の凝塊のための方法としてローラー圧密の使用は、二つの重要なパラメータ、すなわち炭酸カルシウム結晶の形状および糖アルコール結晶の構造を有する。さらに、医薬的に許容される糖アルコール(結合剤)は、通常、約5重量%または約10重量%の最小濃度で存在する。
【0031】
さらに、(例えばスコラライト(Scoralite)の形態の炭酸カルシウムのような)少なくとも約0.7 g/mlの嵩密度を有するカルシム含有化合物が用いられるとき、ローラー圧密に付される(カルシム含有化合物および糖アルコールを含む)組成物の嵩密度は、カルシウム含有化合物自身(すなわち、ローラー圧密以前)の嵩密度より顕著に高くならないことも認められた。
【0032】
したがって、そのような品質の炭酸カルシウムが用いられるとき、ローラー圧密前後の嵩密度は、それほど変化しない、すなわち、得られる微粒状物質と用いられるカルシウム含有化合物との間の嵩密度の変化は、[(d微粒状物質 − dカルシウム含有化合物)/d微粒状物質] × 100%として計算され、例えば最大で約30%または最大で約20%のような、最大でも約40%である。
【0033】
前記のように、本発明は、活性物質として、一以上の規則的な形状のカルシウム含有化合物、および微細構造を有する一以上の医薬的に許容される糖アルコールを含む微粒状物
質に関する。通常、そのような微粒状物質は、錠剤のような簡便な投与形態へさらに加工され、そのような錠剤は通常の取り扱い等に耐えるために適当な技術的性質を有さなければならない。
【0034】
さらに、チュアブル錠が製造されるとき、その錠剤は非常に硬く、すなわち許容できない高い破砕強度を有し、それゆえ患者が咀嚼することを困難にするようであってはならない。
したがって、破砕強度を許容されるレベルに保つことが重要である。以下の実施例に示されるように、特定の糖アルコールが本発明による微粒状物質の製造においての使用に適しているかどうかを決定することは、糖アルコールを二つの試験、すなわち、i) 糖アルコールが微細構造を有することを示すSEM写真、およびii) 糖アルコール自身の圧縮性を示す試験に付すことにより可能である。
【0035】
このために、医薬的に許容される糖アルコールは、11,29 mmの平らな表面のパンチおよび25kNの圧縮力を用いて糖アルコール100重量%を含む錠剤に圧縮されるとき、Schleuniger 硬度自動試験機(Hardness Autotester) 4またはSchleuniger 錠剤試験機(Tablet tester) 6Dおよび破砕強度装置の顎(jaw)に直交する一番長い方向に置かれた錠剤を用いて試験されるとき、(Nで測定される)破砕強度と(Nで測定される)圧縮圧力との間に7×10-3以上の相関関係の傾きを有する。
【0036】
本発明者は、ローラー圧密において、結合性でかつ甘味性を有する医薬的に許容される糖アルコールを用いることが非常に有利であることを見出した。好適な結合剤または甘味剤の例は、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、フルクトース、ラクチトール、イソマルト、タガトースおよびマンニトールである。ソルビトールは、(ショ糖と比較して)0.55の甘味効果を有し;マンニトールは、<1の甘味効果を有し;キシリトールは、1の甘味効果を有し;イソマルトは、<0.5の甘味効果等を有する。
【0037】
ローラー圧密の間に、カルシウム含有化合物の個々の粒子間に医薬的に許容される糖アルコールの十分な分布を保証するため、発明者は、好適な結合剤は、例えば、最大で約100 μm、最大で約90 μm、最大で約80 μm、最大で約70 μm、最大で約60 μm、最大で約50 μm、最大で約40 μm、最大で約30 μm、最大で約20 μmまたは約10 μmのような、最大でも110 μmの平均粒子径を有することを見出した。
【0038】
文献(Pharmaceutical Technology, volume 1 (tabletting technology), Michael H. Rubinstein (ed.), Ellis Horwood Ltd, 1987を参照)において、ソルビトールは良好な錠剤化の性質を有すること、およびこの賦形剤との混合は錠剤強度を増加するだろうことが述べられている。しかしながら、この効果を得るために、ソルビトールは、噴霧乾燥により製造される「インスタント」品質であるべきとも述べられている。ソルビトール「インスタント」の最適粒子径は、篩分析で測定されるとき、212〜500 μmの間に60〜90%分布するとして記載されている。錠剤中に推奨される濃度は30〜80%である。しかしながら、本発明の文脈において、ソルビトールは、ローラー圧密に基づく錠剤中に、(甘味性を有する)結合剤として用いられ得るし、ソルビトールの報告された使用からの重要な逸脱が必要である:
【0039】
1. ソルビトールは、カルシウム含有化合物の粒子間に微細に分散されるかまたは分布されるべきである;これは、ソルビトールの粒子径に関して、限定に導く。
2. D0.5<100 μmに相当する粒子径が適しているようである。粒子径は、Malvern Mastersizerを使用して測定され、その大きさはD(v;0.5)として与えられる。
3. ソルビトールの濃度は、5重量%の濃度を超えるべきであり、約20重量%が優れているようである。
4. もし前記のかつ比較的大きい粒子径が用いられると、前記の「インスタント」品質のソルビトールは完全に失敗するであろう。
【0040】
特に、二つの糖アルコール、すなわちソルビトールおよびイソマルトが、ローラー圧密工程での使用に適していることが証明された。しかしながら、その他の糖アルコールも前記の基準を満たす品質で利用可能であり、そのような糖アルコールは、本発明による使用に適していると認識される。前記の基準を満たし得るその他の糖アルコールを以下に挙げる。
【0041】
特定の態様において、糖アルコールはソルビトール、特に、例えば約35〜約45 μmまたは約30〜約45 μmのような、約25〜約50 μmの範囲の平均粒子径を有するソルビトールである。
【0042】
もう一つの態様において、糖アルコールはイソマルト、特に、例えば約25〜約35 μmまたは約20〜約35 μmのような、約20〜約50 μmの範囲の平均粒子径を有するイソマルトである。
【0043】
但し、前記の基準を満たす一つの糖アルコールが用いられれば、これらの基準を必ずしも満たす必要はないが、その他の性質、例えば甘味性を有する一以上の糖アルコールを用いることは可能である。そのような糖アルコールは、典型的には、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イノシトールおよびラクチトールならびにそれらの混合物よりなる群から選択される。ソルビトールの例は、Roquette Freres, CerestarおよびSPI Polyols Inc.からそれぞれ入手可能な、ネオソルブ(Neosorb)P100T、ソルビデクス(Sorbidex)P1666B0およびソルボゲム(Sorbogem)微細結晶ソルビトールである。マルチソルブ(Maltisorb)P90(マルチトール)はRoquette Freresから入手可能、キシリトールCM50、フルクトフィン(Fructofin)CM(フルクトース)およびラクチトールCM50はDanisco Sweetenersから入手可能、イソマルトST-PF、イソマルトDC100、ガイオ(Gaio)タガトースおよびマンニトールはPalatinit、Arla FoodsおよびRoquette、Freresからそれぞれ入手可能である。好適なサッカライドベースの結合剤/甘味剤のさらなる例は、ショ糖およびデキストロースを含む。前記の基準を満たさない特定の品質のソルビトールおよびイソマルトも勿論添加され得る。
【0044】
特定の態様において、本発明による微粒状物質は、ソルビトールおよびキシリトールの混合物を含み得る。そのような場合、ソルビトールとキシリトールとの間の重量比は、通常、例えば約1:1のような約1:0.1〜約1:1.5の範囲である。イソマルトとキシリトールとの混合物も好適で、そのような場合、イソマルトとキシリトールとの間の重量比は、通常、例えば約1:1のような約1:0.1〜約1:1.5の範囲である。
【0045】
次に示される段落において、カルシウム含有化合物の記載が与えられる。しかしながら、前記のように、本発明によるローラー圧密工程での使用のためのカルシウム含有化合物は、特定品質での炭酸カルシウムのようなカルシウム塩のような規則的な形状を有する。好ましい観点において、カルシウム塩は炭酸カルシウムであり、特に、スコラライト(Scoralite)1Bまたはメルク(Merck)2064のそれに相当する形状および平均粒子径を有するものである。具体的には、炭酸カルシウムはスコラライト1Bまたはメルク2064である。
【0046】
しかしながら、上記の炭酸カルシウムは、例えば次の段落で挙げられるもの、特に、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸三カルシウムを含むリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ビスグリシノカルシウム、クエン酸マレイン酸カルシウム、溶媒和物を含むヒドロキシアパタイトおよびそれらの混合物のような、その他のカルシウム含有化合物との混合物の状態で用いられ得る。
【0047】
通常、微粒状物質中の規則的な形状のカルシウム含有化合物の含量は、例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような約40重量%〜約100重量%の範囲または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%である。
【0048】
ローラー圧密により得られる微粒状物質は、カルシウム含有化合物の100重量%を含み得るか、またはそれは錠剤中に含まれるカルシウム含有化合物の全量の例えば約70〜約80重量%のような約50重量%〜約90重量%含み得る。したがって、カルシウム含有化合物の全量の一部をローラー圧密後に加え得る。
【0049】
前記のように、ローラー圧密工程の間に、炭酸カルシウムおよび糖アルコールは、近接状態に引き込まれ、そして糖アルコールの結晶の微細構造により、糖アルコール結晶は炭酸カルシウム結晶間に圧搾される。したがって、錠剤に圧縮されたとき、微粒状物質のSEM写真は、医薬的に許容される糖アルコールの変形した粒子の表面が、一以上のカルシウム含有化合物の結晶の表面と近接状態にあることを示す。
【0050】
本発明による微粒状物質は、一以上の医薬的に許容される賦形剤もしくは添加剤、または一以上の治療的、予防的および/もしくは診断的に活性な物質をさらに含み得る。本文脈での使用に適した医薬的に許容される賦形剤の記載はここに示される。
興味ある特定の活性物質は、ビタミンDである。
【0051】
さらに、本発明による微粒状物質を得るための、カルシウム含有化合物および糖アルコールを含む組成物のローラー圧密は、任意に、例えば最大で約7.5重量%または最大で約5重量%のような最大でも10重量%のグリダント(glidant)と混合される微粒状物質から、一分当たり少なくとも300錠で作動する打錠機を使用して錠剤が製造されるとき、得られる錠剤の質量変動がPh. Eur.に規定された要件を満たすような流動性を有する微粒状物質に導く。打錠機は、例えば1000錠/分または例えば2000錠/分、3000錠/分、4000錠/分、5000錠/分、6500錠/分などのように、さらに高く操作され得る。錠剤製造の間の休止時間は最大でも約1秒である。
【0052】
特定の態様において、本発明による微粒状物質は、その合計が100重量%を超えないという条件で、約60〜約95重量%のカルシウム含有化合物および約5〜約40重量%の医薬的に許容される糖アルコールを含む。
【0053】
もう一つの特定の態様において、本発明による微粒状物質は、成分の合計が100重量%になるという条件で、例えば約65重量%〜約80重量%のような約60〜約94重量%のカルシウム含有化合物、例えば約15〜約30重量%のような約5〜約35重量%の医薬的に許容される糖アルコールならびに約1〜約15重量%の医薬的に許容される賦形剤および/または活性物質を含む。
【0054】
より具体的には、本発明による微粒状物質は、好ましくは、例えば約70重量%〜約75重量%のような約65重量%〜約80重量%のカルシウム含有化合物および例えば約20〜約25重量%のような約15重量%〜約25重量%のソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの混合物を含む。
【0055】
本発明による微粒状物質は、そのまま用いられ得るが、通常、それは適当な固形投与形態へ製造される。その投与形態を製造するために、一以上の医薬的に許容される賦形剤が添加され得る。その投与形態は、例えば錠剤、カプセル、サシェ(sachets)、ビーズ、ペレットなどのような、例えば単一単位投与形態または多数の単位投与形態にある経口投与
用を意図している。
好ましい態様において、本発明による固形投与形態は錠剤の形態である。
【0056】
特定の態様において、錠剤は、本質的に図24に示されるような形状と寸法を有する。特に、この形状は、錠剤が実質的に同じ大きさの半分、すなわち、実質的に同じ量のカルシウムを含んで、容易に割れるようにデザインされている。その切断は、平面、例えばテーブルに錠剤を置き、次いで、例えば錠剤の各端を2本の指で同時に押すことにより得られる。
【0057】
本発明による固形投与形態は、例えば約400〜約600 mgのカルシウムような約300〜約1200 mgのカルシウムに相当する一以上のカルシウム含有化合物の量を含み得る。通常、投与形態中の一以上のカルシウム含有化合物の全濃度は、例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような約40重量%〜約99重量%の範囲または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%である。
【0058】
特定の態様において、投与形態中に含まれる微粒状物質の全濃度は、例えば約70重量%〜約98重量%、約75重量%〜約95重量%、約80重量%〜約95重量%または約85重量%〜約95重量のような、約65重量%〜約100重量%である。
【0059】
もう一つの特定の態様において、本発明による固形投与形態は、その合計が100重量%を超えないという条件で、約60重量%〜約95重量%のカルシウム含有化合物および約5重量%〜約40重量%の医薬的に許容される糖アルコールを含む。あるいは、固形投与形態は、成分の合計が100重量%になるという条件で、例えば約65重量%〜約80重量%のような約60〜約94重量%のカルシウム含有化合物、例えば約15〜約30重量%のような約5〜約35重量の医薬的に許容される糖アルコールならびに約1〜約15重量%の一以上の医薬的に許容される賦形剤および/または活性物質を含む。
【0060】
固形投与形態の破砕された表面のSEM写真は、糖アルコールの変形した表面が一以上のカルシウム含有化合物の表面と近接した状態にあることを示す。
【0061】
前記のように、本発明による固形投与形態は安定である。したがって、開放ペトリ皿中、25℃および60% RHで保管されたとき、錠剤の破砕強度は、製造後5日目に始まり、残りの保管期間の間、例えば最大で約40%、最大で約30%、最大で約20%、最大で約15%、最大で約10%のような最大でも50%変化する。もし、開放ペトリ皿中の全保管期間(例えば、1ヶ月間、3ヶ月間)の間の錠剤が、約70〜約140 Nの範囲の破砕強度を有するなら、許容される安定性が得られる。
【0062】
好ましい態様において、固形投与形態は、咀嚼する、舐めるおよび/または飲み込むことができる錠剤の形態にある。チュアブル錠にとっては、その味が重要であり、本発明のそのような錠剤は、少なくとも6人のプロの/熟練した官能試験パネルによる試験で、甘さ、香りおよびチョーキネスに関して、受容される風味を有さなければならない。
【0063】
本発明による固形投与形態は、デキストロース、フルクトース、グリセリン、グルコース、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルトチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、アリテーム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タウマチン、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)およびそれらの混合物からなる群から選択される甘味剤を含み得る。
【0064】
本発明は、前記で定義されたように、その製造方法が規則的な形状のカルシウム含有化合物および微細構造を有する一以上の医薬的に許容される糖アルコールを含む組成物のローラー圧密を含む、微粒状物質の製造方法にも関する。微粒状物質に関する付加クレームおよび前の記載に示される、この観点に関する詳細は、必要な変更を加えて、本発明のこの観点およびその他の観点に適用される。
【0065】
本発明のさらなる観点は、微粒状物質の製造と錠剤の製造を組み合わせることである。ローラー圧密機でのポケットローラーの使用により、粉末混合物は、直接、固形投与形態、すなわち錠剤に変換され得る。
【0066】
本発明のさらなる観点は、カルシウム含有化合物を含む錠剤の製造方法であり、その方法は、
i) ここに定義された微粒状物質を製造すること、
ii) 任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤もしくは添加剤および/または一以上の活性物質を混合すること、および
iii) その物質を錠剤に圧縮すること
を含む。
【0067】
通常、工程iii)における圧縮は、約16 mmの直径を有する錠剤か、またはカプセル形状(9.4×18.9 mm)にされ、得られる高さが、例えば約9 mm、約8 mmまたは約7 mmのような最大で約10 mmのとき、適用される圧縮力が、例えば最大で70 kN、最大で60 kN、最大で50 kN、最大で約40 kN、最大で約30 kNまたは最大で約20 kNのような、最大でも約80 kNとなるような錠剤の直径と所望の高さに関して調整された圧縮力で行なわれる。
【0068】
特に、本発明は、
i) 炭酸カルシウム、
ii) ソルビトールおよび/またはイソマルト、
iii) ビタンミンD、および
iv) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を製造するための方法に関する。
【0069】
その錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当するという条件で、
i) 約50重量%〜約90重量%の炭酸カルシウム、
ii) 約5〜約30重量%のソルビトールおよび/またはイソマルト、
iii) 約0.01〜約1重量%のビタミンD、ならびに
iv) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む。
【0070】
カルシウム含有化合物
本発明により製造される微粒状物質中に含まれるカルシウム含有化合物は、治療的および/または予防的に活性な、生理学的に忍容され得るカルシウム含有化合物である。
【0071】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体の多くの重要な機能に必須である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長はカルシウムにより調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0072】
カルシウム選択チャンネルは、細胞膜の一般的な特徴であり、神経組織の電気的活性および神経分泌顆粒の放電は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyn
e RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌と重要な酵素および蛋白質の活性は、カルシウムに依存する。最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは、骨格の硬さおよび強さを与える(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は、全身カルシウムの99%以上を含むので、骨格のカルシウムは、主な長期的カルシウム貯蔵所としても働く。
【0073】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているかまたは恐れのある患者のカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは、制酸錠剤中の酸中和剤として用いられる。
【0074】
前記のように、カルシウムは、哺乳類の体内、特にヒトにおいて、多くの重要な機能を有する。さらに、多くの動物モデルにおいて、慢性の低カルシウム摂取はオステオペニアを生じる。オステオペニアは、皮質骨より海綿骨に影響を及ぼし、カルシウムの補足で完全に可逆的になり得ない。もし、その動物が成長していけば、減じられたカルシウムの摂取は発育阻害を招く。早産新生児において、高いカルシウムの摂取は、骨格のカルシウム付着の増加を大きくし、もし十分高ければ、在胎のカルシウム保持と等しくできる。成長の間に慢性的なカルシウムの不足はくる病を招く。思春期前後の両方の健康な子供におけるカルシウムの補完は、骨の質量の増加に導く。思春期において、カルシウムの摂取が高いほど、初潮直後に生じる一番高い保持をもって、カルシウムの保持が大きくなる。
【0075】
総合すれば、これらのデータは、子供および思春期において、カルシウムの適切な摂取が考慮されれば、骨質量のピークを、カルシウムで食生活を補完することにより、最適にすることができる。成長の間に骨格中のカルシウムの沈着を最適にすることに関与するメカニズムは知られていない。それらは、多分、もしカルシウムの供給が高ければ、類骨の最適な石灰化を保証するミネラル化工程の先天的な性質である。カルシウム欠乏の状態での成長の発育阻害に応答する因子は知られていないが、骨格の大きさを調節する成長因子を明らかに含む。
【0076】
大人において、カルシウムの補完は、年齢に関する骨損失の速度を減少させる(Dawson-Hughes B. Am J Clin Nut 1991;54:S274-80)。カルシウムの補完は、食物から最適なカルシウム摂取を達成することができないか、またはできないであろう個体にとって重要である。さらに、カルシウムの補完は、骨粗鬆症等の予防および治療において重要である。
【0077】
その上、カルシウムは、大腸内で抗癌作用を有し得る。いくつかの予備的な研究は、高カルシウム食またはカルシウム補充の摂取は、大腸・直腸癌の減少に関係することを示している。アセチルサリチル酸(ASA)および他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と組み合わせたカルシウムが直腸結腸癌の危険性を減少させる証拠が増えている。
【0078】
最近の調査研究は、カルシウムが月経前症候群(PMS)を緩和し得ることを提案している。いくらかの研究者は、カルシウム調節の乱れが、PMS症候群の進展における根本的な要因であると信じている。ある研究において、米国全体の月経前の女性の446人グループの半分が三回の月経周期について追跡され、周期を通して毎日1200 mgのカルシウム補給物が与えられた。最終結果は、プラセボを摂取した女性の48%がPMS関連症状を示した。カルシウム錠剤を摂取した人では30%のみだった。
【0079】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウムを必要とするため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。独特の優勢な味またはチョーク(chalk)のフィーリングなしに、快適な味と許容可能なマウスフィーリングを有するカルシウム塩を含むチュアブル錠に製剤化することは難問である。
【0080】
本発明による使用のためのカルシウム含有化合物は、例えばビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マレイン酸カルシウム、カルシウムコーネート(calcium cornate)、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート(calcium glubionate)、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート(calcium lactobionate)、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート(calcium pidolate)、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムであり得る。
【0081】
その他のカルシウム源は、水溶性カルシウム塩、または例えばアルギン酸カルシウム、カルシウム-EDTA等のような複合体、または例えば有機リン酸カルシウムのようなカルシウムを含む有機化合物であり得る。骨粉、ドロマイトおよびその他の粗製カルシウム源の使用は、それらが鉛およびその他の毒性汚染物質を含み得るので、思いとどまらされる。しかしながら、そのような供給源は、もしそれらが所望の度合に精製されれば、適切であり得る。
【0082】
カルシウム含有化合物は、単独またはその他のカルシウム含有化合物と組み合わせて用いられ得る。
ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マレイン酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムが特に興味がある。異なるカルシウム含有化合物の混合物も用いられ得る。以下の実施例に示すように、炭酸カルシウムが、カルシウム含有化合物としての使用に特に適しており、炭酸カルシウムは高いカルシウム含有量を有する。
【0083】
炭酸カルシウムが特に興味がある。
通常、本発明による製造される錠剤は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する量のカルシウム含有化合物を含む。
【0084】
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは三つの異なる結晶構造:カルサイト、アラゴナイトおよびバテライトで存在し得る。鉱物学的に、これらは、結晶構造中のカルシウム、炭素および酸素原子の明確な配列に関する特異なミネラルの様相である。これらの明確な様相は、結晶形の形状および対称性に影響を及ぼす。
【0085】
例えば、カルサイトは四つの異なる形状:偏三角状、プリズム状、球状および菱面体状で入手可能であり、アラゴナイト結晶は、例えば別々かまたは房になった針状形として得られる。例えば立方体形(Scoraからのスコラライト1A+B)のような他の形状も入手可能である。
【0086】
以下の例に示されるように、炭酸カルシウムの特に適した品質は、例えば50 μm以下または40 μm以下のような、60 μm以下の平均粒子径を有する炭酸カルシウムである。
さらに、炭酸カルシウムの興味ある品質は、2 g/mLより小さい嵩密度を有する。
【0087】
10〜30 μmの平均粒子径、0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度、および0.3 m2/gの比表面積を有する、炭酸カルシウム2064メルク(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
約3.9 μmの平均粒子径および0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する、炭酸カルシウム2069メルク(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0088】
スコラライト(Scoralite)1A(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、5〜20 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および0.6 m2/gの比表面積を有する;スコラライト1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、10〜25 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.4〜0.6 m2/gの比表面積を有する;
スコラライト1A+1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、7〜25 μmの平均粒子径、0.7〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.35〜0.8 m2/gの比表面積を有する;
【0089】
ファーマカーブ(Pharmacarb) LL(Mahawah New Jersie、Chr. Hansenから入手可能)Lは、12〜16 μmの平均粒子径、1.0〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する;
スツールカル(Sturcal) Hは、約4 μmの平均粒子径、0.48〜0.61 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
スツールカルFは、約2.5 μmの平均粒子径、0.32〜0.43 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0090】
スツールカルMは、7 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および1.0 m2/gの比表面積を有する;
ミクハート(Mikhart) 10、SPL、15、40および65 (フランス、Provencale、Provencaleから入手可能);
ミクハート10は10 μmの平均粒子径を有する、
ミクハートSPLは20 μmの平均粒子径を有する、
ミクハート15は17 μmの平均粒子径を有する、
ミクハート40は30 μmの平均粒子径、1.1〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
ミクハート65は60 μmの平均粒子径、1.25〜1.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0091】
オムヤピュア(Omyapure)35 (フランス、パリ、Omya S.A.Sから入手可能) は、5〜30 μmの平均粒子径、および2.9 m2/gの比表面積を有する;
ソカル(Socal) P2PHV (ベルギー、ブリュッセル、Solvayから入手可能) は、1.5 μmの平均粒子径、0.28 g/mLの見掛け嵩密度、および7.0 m2/gの比表面積を有する;
【0092】
10〜30 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mlの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する、カルシ ピュア(Calci Pure) 250 ヘビー(Heavy)、カルシ ピュア250 エクストラ
ヘビー(Extra Heavy)およびカルシ ピュア GCC HD 212 (セントルイス モンタナ、Particle Dynamic Inc.から入手可能)。
【0093】
本発明により製造される錠剤中のカルシウム含有化合物の含量は、
例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような、約40重量%〜約100重量%の範囲、または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%である。
【0094】
通常、治療または予防目的のためのカルシウムの用量は、一日、約350 mg(例えば新生児)〜約1200 mg(授乳婦)である。錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、錠剤が、一日1〜4回、好ましくは一日1または2回の投与に適するように調整され得る。
前記のように、本発明による方法で得られる微粒状物は、そのままで用いられ得るが、例えば、錠剤、カプセルまたはサシェのような固形投与形態へさらに加工することも非常に適している。
【0095】
当業者は、所望のカルシウム含有製品を得るために、その組成および種々の工程パラメータの調整の仕方を知っているだろう。
本発明の一つの態様において、本方法により得られる微粒状物は、錠剤に加工されることを意図している。しばしば、得られる微粒状物の付着を避け、そして/または流動性を増加するために、一以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば滑沢剤)を加えることが必要である。したがって、本方法は、得られる微粒状物と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程も含み得る。
【0096】
カルシウム含有化合物より活性なその他の物質を含むことが望まれる場合、その方法は、得られる微粒状物に一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程も含み得る。
そのような物質は、例えば、一以上のビタミンまたはミネラルのような、一以上の栄養剤を含む。具体的には、さらなる活性物質は、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである。
【0097】
ビタミンDまたはその他の活性物質
本発明により得られる微粒状物質ならびに錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含み得る。一以上のビタミンD化合物が特に興味がある。非限定的な例は、ロッシュ(Roche)から入手可能な乾燥ビタミンD3、100 CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3 100 GFPである。
【0098】
本発明により製造される微粒状物質または錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含み得るか、またはそれは、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤を含み得る。例えばビタミンB、ビタミンC、ビタミンDおよび/またはビタミンK、ならびに例えば亜鉛、マグネシウム、セレン等のようなミネラルが特に興味がある。
【0099】
例えばビタミンD2(エルゴカルシフェロール)ならびにロッシュ(Roche)から入手可能な乾燥ビタミンD3、100 CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3 100 GFPを含むビタミンD3(コレカルシフェロール)のような、一以上のビタミンD化合物が特に興味がある。
【0100】
カルシウムおよび骨格の恒常性への作用に加えて、ビタミンDは、身体のいくつかの主なシステムの調節に関与する。ビタミンDの作用は、主に腎臓で作られる1,25-(OH)2 ビタミンD とビタミンD受容体(VDR)との複合体によるゲノムでメディケート(medicated)される。ビタミンD受容体は多くのセルタイプ中に広く分布している。1,25-(OH)2 ビタミンD/VDR複合体は、細胞分化および免疫系において重要な調節の役割を有している。これらの作用のいくつかは、多分、腎臓よりも他のある組織の、局所的に1,25-(OH)2 ビタミンDを作り、傍分泌として作用する能力に依存する(Adams JSら、Endocrinology 1996;137:4514-7)。
【0101】
ヒトにおいて、ビタミンDの欠乏は、小児においてくる病および大人において骨軟化症をもたらす。基本的な異常は、石灰化は骨芽細胞により行なわれるので、類骨から離れる石灰化速度の遅れである(Peacock M. London Livingstone, 1993:83-118)。この遅れが、骨芽細胞における、1,25-(OH)2 ビタミンD-依存メカニズムの破綻によるか、もしくは吸収不良の次のカルシウムおよびホスフェートの供給の減少によるか、または二つの組み合わせによるかどうかは明らかではない。石灰化の遅れに伴い、カルシウムおよびホスフェートの供給減少、低カルシム血症および低リン酸塩血症を伴う重篤な二次性上皮小体機能亢進症および骨交替(turnover)の増加がある。
【0102】
ビタミンDの不足、ビタミンD欠乏の前臨床段階も、欠乏で見られるより緩和な度合ではあるが、カルシウム供給の減少および二次性上皮小体機能亢進症を引き起こす。もし、この状態が慢性になれば、オステオペニアを生じる。このカルシウムの不足状態の根底にある生化学的プロセスは、多分、その基質の25-OHDの還元による1,25-(OH)2 ビタミンDの不適切なレベルである(Francis RMら、Eur J Clin Invest 1983; 13:391-6)。
【0103】
ビタミンD不足の状態は、高齢者において、最も一般的に見られる。年齢に伴い、日光曝露の減少および起こり得る皮膚合成の減少により、血清25-OH ビタミンDにおける減少がある。さらに、高齢者において、カルシウム取り込みの減少および逆説的なカルシウム吸収の減少により、この状態は悪化させられる。腎の1,25-(OH)2 ビタミンD産生の減少を生じる、年齢に伴う腎機能の減少が要因となり得る。
【0104】
高齢者の骨損失における、ビタミンD補完の効果の多くの研究がある。あるヒトはカルシウムの補完なしに、他のヒトはカルシウムの補完を伴う。その研究から、ビタミンD補完は可逆的な欠乏および不足に必要だけれでも、主な骨格の異常はカルシウム欠乏であるので、骨格に関する限りは、カルシウムを補完することがましてやなおさら重要であることが分かる。
【0105】
臨床試験に基づく文献において、最近の発見は、高齢の患者に対して、より高用量のビタミンDの必要性の傾向を提案している(Compston JE. BMJ 1998;317:1466-67)。ビタミンD 150.000〜300.000 IUの1年間注射(約400〜800 IU/日に相当)のオープン準ランダム研究は、治療患者において、体全体の骨折率の有意な減少を示したが、股関節骨折の率には有意な減少を示さなかった(Heikinheimo RJら、Calcif Tissue Int 1992; 51:105-110)。
【0106】
前記から分かるように、カルシウムとビタミンDの組み合わせに興味がある。カルシウムとビタミンD3の推奨される一日許容量(recommended Daily Allowance (RDA))は次のとおりである(欧州委員会、欧州共同体中の骨粗鬆症の報告、予防のための処置、欧州共同体の公報局、ルクセンブルグ 1988):
【0107】
グループ年齢(歳) カルシウム(mg)* ビタミンD3 (μg)
新生児 0-0.5 400 10-25
0.5-1.0 360-400 10-25
小児 1.0-3.0 400-600 10
4.0-7.0 450-600 0-10
8.0-10 550-700 0-10
【0108】
男性 11-17 900-1000 0-10
18-24 900-1000 0-15
25-65 700-800 0-10
65+ 700-800 10
女性 11-17 900-1000 0-15
18-24 900-1000 0-10
25-50 700-800 0-10
51-65 800 0-10
65+ 700-800 10
妊婦 700-900 10
授乳婦 1200 10
* カルシウムのRDAは、国によって変わり、多くの国で再評価中である。
【0109】
ビタミンDは湿気に非常に感受性であり、分解される。それゆえ、ビタミンDは保護マト
リックスの状態でしばしば投与される。したがって、ビタミンDを含んで、錠剤が製造されるとき、錠剤化工程の間に適用される圧縮力が、マトリックスの保護効果を減少せず、それによりビタミンDの安定性を損なわないことが、最も重要である。
【0110】
このために、本発明により製造される微粒状物または錠剤中の種々の成分の組み合わせは、錠剤化の間に比較的低い圧縮力を用い、適当な機械的強度(破砕強度、破砕性)を有する錠剤を達成することができるので、ビタミンDもその組成物中に組み込まれる場合に、非常に適していることが証明された。
【0111】
前記のように、ビタミンDを含む錠剤は、安定性に関して、次の要件を満たすことが意図される:
25℃、60%相対湿度(RH)の閉じられた容器に、例えば少なくとも1年、少なくとも1.5年、少なくとも2年または少なくとも5年のような、少なくとも6ヶ月の保管後、例えば最大で約10重量%または最大で約5重量%のような、最大でも約15重量%のD ビタミンの含量の減少である。
【0112】
40℃、75%相対湿度(RH)の閉じられた容器に、例えば少なくとも2ヶ月、少なくとも4ヶ月または少なくとも6ヶ月のような、少なくとも1ヶ月の保管後、例えば最大で約10重量%または最大で約5重量%のような、最大でも約15重量%のD ビタミンの含量の減少である。
【0113】
具体的には、本発明は、
i) 活性物質としてカルシウム含有化合物、
ii) ビタミンD、および
iii) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤または活性剤(actives)
を含む錠剤を提供する。
【0114】
より具体的には、該錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当するという条件で、
i) 少なくとも200 mgのカルシウム含有化合物(通常の範囲 200〜1500 mg)、
ii) 少なくとも5 μgのビタミンD(通常の範囲 5〜100 μg − 1 μg = 40 IU)、および
iii) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤または活性剤
を含み得る。
【0115】
特定の態様において、本発明は、成分の全量が約100重量%に相当するという条件で、
i) 約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii) 約0.00029重量%〜約0.0122重量%のビタミンD、および
iii) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤または活性剤
を含む錠剤を提供する。
【0116】
特に、錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当するという条件で、
i) 約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii) 約5〜約40重量%の甘味剤、
iii) 約0.12重量%〜約4.9重量%の保護マトリックスを含むビタミンD、
iv) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤または活性剤
を含み得る。
【0117】
医薬的に許容される賦形剤
本文脈において、「医薬的に許容される賦形剤」の用語は、それ自身があらゆる治療的および/または予防的効果を実質的に有しない意味で、不活性であるあらゆる物質を意味する。医薬的に許容される賦形剤は、許容可能な技術的性質を有する医薬組成物を得ることを可能にする目的で、活性薬物に加えられ得る。
医薬的に許容される賦形剤は、活性薬物の放出にいくらかの影響を及ぼすけれども、改良放出を得るため有用な物質はこの定義に含まれない。
【0118】
カルシウム含有化合物および糖アルコールは、ローラー圧密の前後に、一以上の医薬的に許容される賦形剤とも混合され得る。そのような賦形剤は、例えば、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、芳香剤、着色剤のような固形投与形態の製剤化に通常用いられるものを含み、甘味剤、pH調整剤、安定化剤等を含む。
【0119】
典型的には、崩壊剤は、クロスカルメロース ナトリウム(カルボキシメチルセルロース ナトリウムの架橋ポリマー)、クロスポビドン、澱粉NF;ポラクリリン ナトリウムまたはカリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートよりなる群から選択される。
当業者は、圧縮性の錠剤が、30分以内、より望ましくは10分以内、最も望ましくは5分以内に崩壊することが望まれることを理解するであろう。それゆえ、好ましく用いられる崩壊剤は、30分以内、より好ましくは10分以内、最も好ましくは5分以内に錠剤の崩壊をもたらす。
【0120】
用いられ得る崩壊剤の例は、例えば微結晶性セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えばLH 22、LH 21、LH 20、LH 32、LH 31、LH30)を含むセルロース誘導体;馬鈴薯澱粉を含む澱粉;クロスカラメロース ナトリウム(すなわち架橋カルボキシメチルセルロース;例えばアク-ジ-ソル(Ac-Di-Sol)(登録商標));アルギン酸またはアルギネート;不溶性のポリビニルピロリドン(例えばポリビドン(Polyvidon)(登録商標) CL、ポリビドン(登録商標) CL-M、 コリドン(Kolidon)(登録商標) CL、ポリプラスドン(Polyplasdone)(登録商標) XL、ポリプラスドン(登録商標) XL-10);カルボキシメチル澱粉ナトリウム(例えばプリモゲル(Primogel)(登録商標)およびエキシプロタブ(Explotab)(登録商標))である。
【0121】
ポリオール、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール(登録商標)、タガトース(Tagatose)(登録商標)、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、タブレトース(Tabletose)(登録商標)、ファーマトース(Pharmatose)(登録商標)の種々のグレード、ミクロトース(Microtose)またはファスト-フロク(Fast-Floc)(登録商標))、微結晶性セルロース(例えばアビセル(Avicel)(登録商標) PH101、アビセル(登録商標) PH102またはアビセル(登録商標) PH105のようなアビセル(登録商標)の種々のグレード、エルセマ(Elcema)(登録商標) P100、エモセル(Emcocel)(登録商標)、ビバセル(Vivacel) (登録商標)、ミング タイ(Ming Tai)(登録商標)およびソルカ-フロク(Solka-Floc)(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)(例えばL-HPC-CH31、L-HPC-LH11、LH 22、LH 21、LH 20、LH 32、LH 31、LH30)、デキストリン、マルトデキストリン(例えばロデックス(Lodex) (登録商標) 5およびロデックス(登録商標) 10)、澱粉および加工澱粉(馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉およびコメ澱粉を含む)、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムのような充填剤/希釈剤/結合剤が組み込まれ得る。
【0122】
本発明により製造される医薬組成物において、特に、微結晶性セルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、澱粉および加工澱粉が、大変適していることが証明された。
【0123】
本発明の特定の態様において、カルシウム含有化合物は、一以上の医薬的に許容される結合剤と一緒にローラー圧密され得るか、または結合剤がローラー圧密後に加えられ得る。好適な結合剤は、凝塊の間に本質的に液体は存在しないので、湿式造粒法で通常用いられる結合剤は、おそらく同程度に機能することはできないが、医薬の分野で通常用いられるものを含む。
【0124】
より具体的には、例として、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、L-HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微結晶性セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na-CMC)等を含むセルロース誘導体;
デキストロース、フルクトース、グルコース、イソマルト、乳糖、マルトース、ショ糖、タガトース、トレハロース、イヌリンおよびマルトデキストリンを含むモノ-、ジ-、オリゴ-、ポリサッカライド;
例えば、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびイノシトールのような糖アルコールを含むポリオール;
コリドン(Kollidon)K30、コリドン90FまたはコリドンVA64を含むポリビニルピロリドンおよび
カゼインを含む蛋白質を含む。
【0125】
ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、タルク、高融点を有するワックスおよびグリセライド、コロイドシリカ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコールおよび硫酸アルキルのようなグリダントおよび滑沢剤が組み込まれ得る。
【0126】
非イオン性(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポリソルベート120、モノイソステアリン酸ソルビタン、ソルビタンモノラウレート、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸グリセリルおよびポリビニルアルコール)、アニオン性(例えばドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)およびカチオン性(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド)またはそれらの混合物のような界面活性剤が用いられ得る。
【0127】
その他の適当な医薬的に許容される賦形剤は、着色剤、芳香剤および緩衝剤を含み得る。
クレームに示されるように、本発明は、ローラー圧密により得られる微粒状物質を固形投与形態に加工する工程を含む方法を提供する。そのような投与形態は、コーティングがその組成物から活性薬物の放出を実質的に遅らせない条件で、コーティングして提供され得る。典型的には、フィルムコーティングが用いられ得る。
【0128】
好適な滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油等を含む。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
好適な充填剤は、キシリトール、マンニトール、圧縮可能な糖、乳糖、リン酸カルシウムおよび微結晶性セルロースを含む。
【0129】
好適な人工甘味剤は、デキストロース、フルクトース、グリセリン、グルコース、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、アリテーム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タウマチン、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)およびそれらの混合物を含む。
もし所望なら、既知の芳香剤および既知のFD & C着色剤が、組成物に添加され得る。
【0130】
用量調合機用に設計された錠剤に関する特定の様相
現在の世界において、全世界の医療領域は大きな変化に面している。未来は、拡張看護を要求する高齢者人口の増加と共に、さらなる医学の発展を維持する。例えば、高齢者人口のためのコンプライアンスを改良するため、一日の単位/複合用量の包装での医薬を包装すること(「用量調合(dose dispensing)」)が、例えば欧州の国のような、ますます多くの国で実施されている。典型的には、その医薬は2週間用に調剤され、一日の用量包装は、例えば、朝、昼、夕および夜の投薬用の包装/バッグを含む。各袋に、その人および医薬についての情報が印刷されている。
【0131】
用量調合機により調剤されるために十分に強固な錠剤の開発は、その錠剤がチュアブル錠として製剤化されるとき、特に難関である。通常、チュアブル錠は、用量調合機で要求される十分な技術的性質を有さない(例えば錠剤が脆すぎ、充填装置に曝されたとき、それらは充填を困難または不可能にする粉末になる)。今日、治療的および/または予防的に活性な物質としてカルシウム含有化合物を含み、咀嚼可能な、すなわち許容される味およびマウスフィーリングを有し、同時に、用量調合機で調剤することが可能な十分な技術的性質を有する製品は市販されていない。
【0132】
したがって、患者が用量調合機により詰められた、一以上のカルシウム含有チュアブル錠を含む一日用量の包装を得ることはできない。本発明者は、用量調合機による包装に耐えるために十分強固で、同時に、患者または使用者に、錠剤を咀嚼する、舐めるおよび/または飲み込むかの選択の自由を与える、すなわち、改善された技術的性質が、許容される味およびマウスフィーリングを損なわない、錠剤を提供することで、この課題に取り組んだ。
【0133】
上記から分かるように、本発明は、許容される味、およびその錠剤が用量調合機で調剤されるとき、使用に適した機械的性質と大きさを有する咀嚼錠剤(その錠剤はまた舐めるかまたは飲み込まれ得る)を提供することの問題を解決する。
【0134】
一般的に、改良された成果および減じられた費用は、用量調合機を適用するときに、いくつかの利点があり、それは、例えば、
i) 従業員効率を増加させ、従業員を他の職務に解放する、分配時間の減少、
ii) 処方、調剤および/投与エラーの発生の減少、
iii) 患者が適切な時間に適切な薬物投与を受けることを助ける、明瞭にレベルが貼られた単位/複数用量包装による患者管理の改善、および/または
iv) 医薬の浪費の減少
により達成され得る。
【0135】
上記のように、用量調合機により調剤される錠剤に対しての規制要件は比較的高く、それらは、適用、医薬のタイプ、安定性等に関して、国々で異なり得る。
【0136】
いまのところ、市場において、用量調合機の三つの重要なタイプがある、すなわち、トショー(Tosho)マシン メイン-トプラ(Main-Topra)2441 CEタイプ。この機械は、小さいプラスチックバッグに調剤し、244までの異なる組成物を調剤する。もう一つのメイン-トプラ4001タイプは、メイン-トプラ2441 CEと同じ速度(45 バッグ/分)で400までの異なる組成物を調剤する。オートムド テクノロジーズ インク(Automed Technologies Inc)(米国)は、欧州市場に、例えば、ATC 212タイプを有する。この機械は小さなプラスチックバッグに調剤し、212までの異なる組成物を調剤する。その機械は25バッグ/分を詰める。その他の最近のタイプは、詰められる異なる組成物の数(330または520)に関して改良され、その速度は60 バッグ/分まで増えている。
【0137】
ヒュープシン メディカル社(Hyupshin Medical co. Ltd)は、小さいプラスチックバッグに調剤し、352までの異なる組成物を調剤する用量調合機、ATDPSを有する。その速度は60 バッグ/分である。さらに、新しい機械(ATDPS JV-500SLおいびATDPS JV-352SL)が開発されており、それは同じ速度(60 バッグ/分)で500までの異なる組成物を調剤する。
【0138】
錠剤およびカプセルの異なる大きさおよび形状により、機械は、同時に、たった一つの錠剤またはカプセルが調剤されることを保証する、異なるタイプのカセットおよびロータリー部分が供給される。カセットの本体は、光から十分に保護され、それは防塵性および防湿性であるので、カセットは医薬の保管のために適している。カセットの設置間違いは、安全ロックのため不可能である。錠剤およびカプセルは、その組成物の品質を保証する規定された期間以上、カセットに保管されないだろう。機械は、組成物がこの期間以上、カセット中に保管されたとき、警告を発するだろう。
【0139】
錠剤の大きさに関して、錠剤が用量調合機で詰められ得ることを保証するために、次の要件に合致すべきである:その要件は流動的であり、時間が経てば変わり得る。
【0140】
【表1】

【0141】
円形および楕円形錠剤用の上記の寸法は変えられ得るし、それでもなお特定の用量調合機に適する。本発明者により行なわれた実験は、±20%、好ましくは±10%の範囲の変動が許容されることを示した。大きさに関し、本発明者が直面した主要な問題の一つは、錠剤の厚さを減少することであった。このことは、活性成分と医薬的に許容される賦形剤との
適当な組み合わせを用いることにより、かつ好適な粒子径および/またはカルシウム含有化合物の結晶形、賦形剤の性質および製造方法の念入りな選択により解決された。
【0142】
該錠剤は粉末を生成せず、かつ前記のように、その錠剤が、用量調合機を使用することにより採用される機械的ストレスに耐えるために、十分に強固でなければならないことが重要である。
【0143】
本発明者は、例えば飲み込み性を向上させるためか、あるいはあらゆる粉末問題または破砕強度もしくは破砕性に関する問題を最小にするために、錠剤に薄いフィルムコーティングを適用することが可能であることを見出した。このために、フィルムコーティングの適用は、破砕強度または破砕性に関し、実質的な問題を修復できないが、それは正しい方向に最終的な押しをまさしく与え得ることに注目すべきである。
【0144】
さらに、薄いフィルムコーティングだけは、許容されるマウスフィーリングを維持するために適用されなければならない。すなわち、コーティングは、コーティングをしていない錠剤を基にして、例えば最大で約1.5重量%、最大で約1重量%のような最大でも約2重量%の錠剤の重量の増加、または約0.25重量%〜0.75重量%の範囲の増加に相当する量で適用され得る。
【0145】
次に、炭酸カルシウムを含む市販の錠剤の寸法が示される。
カルシウム含有錠剤の寸法
【表2】

【0146】
次の非限定な実施例は、本発明を説明するために示される。
図の説明
図1は、結合剤として、イントラ(intra)顆粒状、エキストラ(extra)顆粒状ソルビトールまたは無ソルビトールの使用、圧縮力の関数としての錠剤硬度の研究を示す。
図2は、圧密力の粒子径分布への影響を示す。
図3は、顆粒物の粒子径分布の変動の錠剤硬度への影響を示す。
図4は、ソルビトールの粒子径における変動、圧縮力の関数としての錠剤硬度の研究を示す。
【0147】
図5は、ソルビトールの量の変動および微結晶性セルロースの添加、圧縮力の関数としての錠剤硬度の研究を示す。
図6は、周囲の空気の水分含量の錠剤硬度への影響を示す。
図7は、他の糖アルコール、すなわちマルチトールの添加の錠剤硬度への影響を示す。
図8は、38μmのランブ(lumb)破壊の省略の錠剤硬度への影響を示す。
【0148】
図9は、顆粒物パッド(pad)における変動、錠剤化の間に引き出されたサンプル中のビタミンD3 ビタミン分析への影響の研究を示す。
図10は、ポビドンK30の混合の錠剤硬度への影響を示す。
図11は、糖アルコールのタイプおよび粒子径の影響を示す。カルシウム源としてスコラライトが用いられている。
図12は、糖アルコールのタイプおよび粒子径の影響を示す。カルシウム源としてメルク2064が用いられている。
【0149】
図13は、異なる粒子径のソルビトールのエキストラ顆粒状混合物の影響を示す。カルシウム源としてスコラライトが用いられている。
図14は、ソルビトールのイントラまたはエキストラ顆粒状混合物の顆粒状粒子径への影響を示す。カルシウム源としてスコラライトが用いられている。
図15は、規則的な形状の炭酸カルシウム結晶のSEM写真(各々、メルク2064およびスコラライト)
図16は、微細構造を有する糖アルコールのSEM写真(各々、メルク2064およびスコラライト)
【0150】
図17は、微細構造を有していない糖アルコールのSEM写真(各々、マルチトール、キシリトールおよびマンニトール)
図18は、各々、スコラライトとソルビトールおよびメルク2064とキシリトールからなるローラー圧密物質のSEM写真
図19は、糖アルコールの圧密性
図20は、スコラライト1Bを用いての安定性
【0151】
図21は、メルク2064を用いての安定性
図22は、破砕強度安定性への混合時間の影響
図23は、スーパー崩壊剤の存在および無存在下の水取り込みを示すDVSマスプトッロ(Mass plot)
図24は、本発明による錠剤の好適なデザインと寸法を示す。
図25は、両方の端に圧力を与えることにより、実質的に同じ大きさの二つの部分に錠剤を切断する方法を示す。錠剤は図24に示されたようなデザインを有する。
【0152】
原料の一覧表
【表3】

【実施例】
【0153】
実施例1
ソルビトールのイントラ(inra)-顆粒状混合物の錠剤強度への影響の研究
研究は次の製剤に基づいた:
表1.製剤
1 炭酸カルシウム(スコラライト) 71.40%
2 ソルビトール(110μm) 22.28%
3 ポビドンK30 2.08%
4 アスパルテーム 0.06%
5 コレカルシフェロール-篩250 μm(ビタミンD3) 0.25%
6 粒状オレンジ臭 3.60%
7 ステアリン酸マグネシウム 0.34%
【0154】
ソルビトールはコーンミル(Quadro U20)中で塊破壊され、その後、高剪断混合機(低インペラー速度およびチョッパー無しでのDiosna P250)中、炭酸カルシウムと60秒間予備混合された。
【0155】
予備混合物は、ローラー圧密機(Gerteis 3W-Polygran)で顆粒状にされ、次いで、その圧密された顆粒は、高剪断混合機(低インペラー速度およびチョッパー無しでのDiosna P250)中、ポビドンK30、アスパルテーム、D3ビタミンおよび香料と一緒に60分間混合された。最後に、高剪断混合機(低インペラー速度およびチョッパー無しでのDiosna P250)中、ステアリン酸マグネシウムで25秒間滑らかにされた。
【0156】
ローラー圧密は、ギザギザが付いたローラーおよびコントロールでの設定に基づいた。重要な設定パラメータは、隙間間隔(GW)、力(F)、ローラー速度(RS)およびスクリーン(screen)サイズである。
得られた微粒状物質は、16 mmの丸い標準窪み錠剤デザインを有する錠剤プレスを十分に備えたFette PT1090で錠剤化される顆粒物であった。錠剤重量は約1,750 mgであった。製造工程の全ての重量及び硬度のデータは、シュロウニガー(Schleuniger)AT4を用いて得られる。
この実施例において、ローラー圧密の条件は、次の通りである。
【0157】
【表4】

【0158】
ソルビトールを混合しないものと比較した、ソルビトール(Malvernレザー寸法測定器の使用による測定で、平均粒子径約110 μmを有する)混合することの錠剤硬度への影響が、図1に示される。
【0159】
図1において、炭酸カルシウムだけからなる錠剤と比較したとき、ソルビトールの存在
は、錠剤硬度の増加に導くことが示される。さらに、110 μmのイントラ-またはエキストラ顆粒状ソルビトールを混合することは、錠剤硬度に同じ影響を有することが明らかにされる。
【0160】
実施例2
ローラー圧密力の変動の錠剤強度への影響
この実験は、表2に記載された変動で、実施例1に従って行なわれた。
【0161】
【表5】

【0162】
さらに、ソルビトールは約38 μmの平均粒子径を有した。
得られる粒子径分布および硬度プロファイルが図2および3に示される。
図2および3から、ローラー圧密力の変動は粒子径の変動に導くけれど、錠剤の硬度プロファイは変化しないことが明らかにされる。しかしながら、圧密力の増加は、125 μm未満のフラクションの減少により、顆粒物の流動性を改善する。
【0163】
実施例3
ソルビトールの粒子径における変動の錠剤硬度への影響
この実験は次の変動で、実施例1に従って行なわれた:
GW、F、RSおよびスクリーンサイズの大きさの実効値は次の通りである:
GW 3.5 mm、
F 12 kN/cm、
RS 10 rpm、
スクリーンサイズ 1.5 mm。
【0164】
平均粒子径約11 μmまたは38 μmまたは110 μmを有するソルビトールの三品質が用いられた。11 μmおよび38 μmの品質は、110 μmの品質を製粉することにより得られた。
錠剤デザインは、二重半径(double radius)を有する14 mmの丸窪みであった。
ソルビトールの粒子径における変動の影響が図4に示される。
図4から、ソルビトールの粒子径の減少は、一定の圧縮力に対する錠剤硬度の明らかな増加に導くことが分かる。
【0165】
実施例4
ソルビトールのイントラ-粒状濃度の変動および微結晶性セルロースの存在の錠剤強度への影響
この実験は、次の表3および表4に記載されるような変動で、実施例1に従って行なわれた。ローラー圧密は、炭酸カルシウムとソルビトールだけ(その後、リストに挙げられた他の賦形剤が混合される)で行なわれる全ての場合に存在した。
【0166】
【表6】

【0167】
【表7】

【0168】
実施例1からのバッチH310001 sb10を含む図5は、用いられるソルビトールの量および粒子径が変えられたとき、錠剤硬度への影響を示す。これは、カルシウム粒子間に、ソルビトールができるだけ完全に分布されることが重要であることを明らかにする。不適当な分布は、大きすぎる粒子径または低すぎる濃度の結果であろう。さらに、図5は、微結晶性セルロース(mcc)の錠剤硬度への影響は、ソルビトールの影響に比べて軽微であることを明らかにする。
【0169】
実施例5
結合剤としてソルビトールを用いたとき、周囲の空気中の水分含量の錠剤硬度への影響
この実験は、次の表5に記載されるような変動で、実施例1に従って行なわれた。
【0170】
【表8】

【0171】
さらに、錠剤デザインは、二重半径を有する14 mmの丸窪みであった。
製造は、冬および夏の状態の間に行なわれた。冬の状態の間は、周囲の空気のRHは50%未満で、一方、夏の期間においては、RHは70%より上であった。
【0172】
周囲の空気中の水分含量の変動の錠剤硬度への影響が図6に示される。
図6は、110 μmの平均粒子径を有するソルビトールが用いられるとき、顆粒物は水分に非常に感受性であることを示す。
約38 μmの平均粒子径を有するソルビトールに基づく錠剤は、その錠剤化が行なわれた年の時期に対して感受性を示さなかった。
【0173】
実施例6
カルシウム塩を含むローラー圧密された製剤の嵩密度
ローラー圧密の結果としての嵩密度の変化が表6に示される。
【表9】

上記の錠剤のデータに基づき、ローラー圧密工程により生じる密度の増加は最小であることが明らかである。
この実験は、次の変動でもって、実施例1に従って行なわれた:
・顆粒物のみが作られた。ポビドン30、アスパルテーム、D3ビタミンおよび香料は除外された。
・GW、F、RSおよびスクリーンサイズは、次の通りであった:
【0174】
【表10】

【0175】
実施例7
用いられた結合剤のタイプの変動の錠剤硬度への影響
この実験は、次の表7および表8に記載されるような変動をもって、実施例1に従って行なわれた。ローラー圧密は、カルシウムとソルビトールまたはマルチトールのどちらか(その後、リストに挙げられた他の賦形剤が混合される)で行なわれる全ての場合に存在した。
【0176】
【表11】

【0177】
【表12】

【0178】
さらに、錠剤デザインは、9.4 mm * 18.9 mmのカプセル形状であった。
得られた硬度プロファイルが図7に示される。
図7から、結合剤としてマルチトールの使用は、ソルビトールが用いられたときに得られるほど良好な結合性を与えないことが分かる。
【0179】
実施例8
ソルビトールの非最適混合の錠剤強度への影響
この実験は、表9に記載されるような変動をもって、実施例1に従って行なわれた。
【0180】
【表13】

【0181】
ソルビトールは約38 μmの平均粒子径を有した。
図8は、混合前に塊破壊されなかったソルビトールを加えることの錠剤硬度への影響を示す。
図8から、塊破壊が重要であることが分かる。さらに、これは、カルシウム粒子間にソルビトール粒子の最適分布を得ることの重要性を示す。
最適分布を有すれば、図8にも示されるように、錠剤硬度は再現可能である。
【0182】
実施例9
微細粒子径ソルビトールのイントラ-顆粒状混合に基づく錠剤のD3ビタミン分析の研究
この実験は、次の表10に記載されるような変動でもって、実施例1に従って行なわれた。
【0183】
【表14】

【0184】
ソルビトールは、約38 μmの平均粒子径を有した。
圧縮2時間以上のサンプリングから得られたD3ビタミンの分析結果が、図9に示されている。少量のD3ビタミンの混合は、生産規模において可能であることが理解できる。傾向線の傾きは0に近く、この実施例において、2バッチでほとんど同じである。
【0185】
実施例10
結合剤ポビドンK30、湿式結合の典型的な例の混合の錠剤硬度への影響
この実験は、表11および表12に記載されるような変動でもって、実施例1に従って行なわれた。
【0186】
【表15】

【0187】
【表16】

【0188】
図10は、乾燥ポビドンK30の混合は、錠剤硬度への有利な影響を有しないことを示す。
【0189】
実施例11
炭酸カルシウムのタイプおよび糖アルコールのタイプおよび粒子径の変動の錠剤硬度への影響
この実験は、以下に記載されるようにして行なわれた。
以下に記載の実験1〜24の全てにおいて、カルシウム塩の量は最終錠剤質量の76.22重量%であり、糖アルコールの量は、糖アルコールの23.78重量%が、糖アルコールの14.63重量%とプレシロール(Precirol)の9.15重量%で置き換えられる実験4および20を除いて、23.78重量%である。カルシウム源の実際のタイプおよび糖アルコールのタイプは表13に記載される。
【0190】
【表17】

【0191】
カルシウム塩および糖アルコールが、フィルダー(Fielder)高剪断ミキサー中、全量6 kgで混合された。糖アルコールは、混合前に篩の大きさ300 μmで篩に掛けられる。6 kgの混合が二度行なわれ、全収量12 kgが遊星形ミキサー中で混合される。その後、混合物は、次のGW、F、RSおよびスクリーンサイズの値を用いてローラー圧密(イントラ顆粒状糖アルコール)される。(実験25〜26に対して、ローラー圧密が行なわれた後、糖アルコールは手動で混合される(エキストラ顆粒状糖アルコール)。)
【0192】
GW: 3.5 mm
F: 12 kN/cm
RS: 5 rpm
スクリーンサイズ 1.5 mm
【0193】
圧密物は0.34重量%のステアリン酸マグネシウムと混合される。
圧縮は、18.9 mm×9.4 mmのカプセル形状パンチデザインおよび理論的錠剤質量1683 mg
を用いるフェット(Fette)1090で行なわれる。各実験において、錠剤圧縮力と破砕強度の間に相関関係が見られる。破砕強度は、シュロイニガー オートテスト(Schleuniger Autotest)4の使用およびn = 20で測定された。得られた硬度プロファイルを図11〜13に示す。
【0194】
図11〜12から、スコラライトおよびメルク2064炭酸カルシウムの両方に対して、イントラ顆粒状混合微細特定ソルビトールまたはイソマルトは、キシリトール、マンニトール、マルチトールまたは粗特定ソルビトールおよびイソマルトで得られるより、ずっと大きな破砕強度を有する錠剤をもたらすことが分かる。さらに、実験の間に、マンニトール、キシリトールまたはマルチトールの使用は、キャッピング(capping)傾向を有する錠剤に導くことが観察された。
【0195】
理論により拘束されることなく、錠剤破砕強度への異なる糖アルコールの影響は、それらの結合性および錠剤全体への分布に依存するとして記載され得る。規則的な形状の炭酸カルシウム結晶(図15参照)は、密着した錠剤を得るために必要な粘着性を生じないようなので、錠剤全体への糖アルコールの分布が重要である。錠剤全体への均質な分布を得ることができる糖アルコールが特に好適である。そのような糖アルコールの例は、ソルビトールおよびイソマルトの個々の結晶が、微細構造または非圧密微細構造、すなわち個々の結晶が他の種類の粒子間に圧搾されるためのいくらかの変形容積を有することが示される、図16に示されるようなソルビトールおよびイソマルトである。これは、図17に示されるように、同じ種類の微細構造が見られないマンニトール、マルチトールおよびキシリトールの結晶と対照的である。この微細構造が、錠剤圧縮の間の破損により錠剤全体への更なる分布を可能にすると推測される。この微細構造により可能となった糖アルコール分布が図18に示される。それゆえ、記載の微細構造を有する糖アルコールを含む炭酸カルシウム含有錠剤は、記載の微細構造を有しない糖アルコールに基づく錠剤より、満足な破砕強度を有する密着した錠剤になる確立がより高い。
【0196】
しかしながら、たとえ微細構造であっても、糖アルコールの粒子は、微細な特定のソルビトールおよびイソマルトが、粗な粒子で得られるよりもずっと大きな破砕強度を有する錠剤をもたらすことが分かる、図11および12に示されるように十分に小さいことが要求される。
【0197】
糖アルコールの粒子径および微細構造の重要性の上記の議論に基づけば、図13に示される結果は容易に理解され得る。ソーブ(Sorb)300の曲線で示される錠剤は、212〜500 μmの間に60〜90%の粒子径分布を有するインスタントソルビトールが、エキストラ顆粒状糖アルコールとして混合される、Pharmaceutical Technology Vol 1 (Tabletting technology、M. H. Rubinstein著) の教示に基づくけれども、その破砕強度は高圧縮力においてさえも極めて低い。破砕強度は、より微細な粒子径を有するソルビトールの使用により明らかに増加しうる(図13のソーブ38の曲線参照)。実施例1の異なるパンチデザインは、直接の比較を困難にするけれども、110 μm品質のソルビトールが用いられるとき、ソルビトールのイントラおよびエキストラ粒状混合物間に差がないことが示される。それゆえ、ソルビトールがエキストラ顆粒状糖アルコールとして用いられるとき、その粒子径は非常に重要である。このことはその他の糖アルコールにも適用される。
【0198】
しかしながら、純粋な炭酸カルシウムの圧密は、図14に見られる125 μm未満の非常に大きなフラクションによって示されるような、非常に低い結合容積を有する顆粒物をもたらす。このことは、イントラ顆粒状の代わりにエキストラ顆粒状の糖アルコールを加えることにより、錠剤化のための最終混合物は、生産規模での錠剤化を非常に困難にする、極めて乏しい流動性を有することを意味する。
【0199】
さらに、図11から、プレシロールの添加は、破砕強度の主(main)圧縮力の変化に対して
の感度に変化を有しないで、破砕強度を増加する、すなわち、プレシロールは結合剤としてあまり最適でないことが分かる。
【0200】
実施例12
異なる糖アルコールの圧密性の試験
ソルビトール110 μm、ソルビトール38 μm、イソマルト27 μm、マルチトール、マンニトールまたはキシリトールを含む錠剤が、機器を備えたFette Exacta 1/Fシングル パンチ 錠剤 プレスで圧縮され、上部パンチの最大圧縮力のみが記録された。各錠剤の圧縮前に、パンチ先端およびダイ穴はアセトン中の5%ステアリン酸マグネシウム懸濁液を塗られた。錠剤の圧縮前にアセトンは蒸発させた。
糖アルコールが秤量され、ダイ穴に移され、ついで圧縮された(表14を参照)。放出後すぐに、その錠剤の破砕強度試験がなされた。
【0201】
【表18】

【0202】
得られた糖アルコールの錠剤破砕強度は、粒子径に実質的に依存しなことが推定され、このことは、38 μmおよび110 μmの二つの異なる平均粒子径を有するソルビトールを用いて試験された。図19(各点は三つの測定の平均である)から、推定が正しいかったことが分かる。それゆえ、粒子径の試験は、その他のアルコールに対して繰り返されなかった。
【0203】
図19から、ソルビトールが、圧縮力と破砕強度との間の相関関係で急勾配の傾きをもたらす一番良い圧密性(compactability)を有することが分かる。ソルビトールに続いてイソマルトであり、一方、マルチトール、マンニトールおよびキシリトールは非常に乏しい圧密性を有する。これらの結果は、実施例11で議論された結果および図17〜18を支持する。それゆえ、多結晶構造を有する糖アルコールは、圧縮されるときに、多結晶構造を有しない糖アルコールよりもより強い錠剤をもたらすことが結論付けられる。
【0204】
実施例13
炭酸カルシウムならびに糖アルコールのタイプおよび粒子径の変動の錠剤破砕強度安定性への影響
実施例11による錠剤が製造された。70 N〜100 Nの間の初期破砕強度を有する錠剤が安定性試験された。安定性試験の条件は、開放ペトリ皿中、25℃/相対湿度(RH)60%(25/60)で14日間保管された。破砕強度は、安定性試験開始直前、2日、7日および14日後に試験された。破砕強度は、シュロイニガー-2E硬度試験機(Schleuniger-2E Hardness tester)の使用により、n = 10で測定された。
【0205】
破砕強度安定性は、図20〜21に示される。
図20および21から、スコラライトおよびメルク2064炭酸カルシウム両方に対して、イントラ顆粒状混合微細特定ソルビトールまたはイソマルト(微細および粗両方)は、満足な破砕強度安定性を有する錠剤をもたらすことが分かる。しかしながら、粗ソルビトールの使用は、開放ペトリ皿中、25℃/60% RHでの保管中、破砕強度の減少を有する錠剤をもたらす。
【0206】
粗ソルビトールまたは微細ソルビトールもしくはイソマルト(微細および粗両方)のどちらかを含む錠剤の安定性における観察される差の考えられる説明は、次のようであろう:所望の初期破砕強度を有するソルビトール含有錠剤を得るために、微細なものと比較して、粗ソルビトールを含む錠剤に対しては、かなりより強い主圧縮力を必要とした。粗ソルビトールに基づく錠剤は、あまり多孔性でないけれども、その破砕強度は、安定性試験の最初の2日間にかなり減少した。これは、錠剤中の粗ソルビトールの非常に劣った均質分布に起因し得るだろう。
【0207】
イソマルトに対しては、両方の場合に微細なまたは粗な粒子のどちらかの使用は、満足な破砕強度を有する錠剤に導く。これは、イソマルトがソルビトールに比べてかなり吸湿性が劣ることに起因しうるだろう。
【0208】
実施例14
炭酸カルシウム含有錠剤の製造
錠剤は、以下に記載の点を除いて、実施例1に従って製造された。ローラー圧密は、全ての場合、炭酸カルシウムおよびソルビトール上で行なわれ、その後、リストに挙げられたその他の賦形剤が混合された。フィルム液体が以下の記載で塗布された。
錠剤製剤:
【0209】
【表19】

【0210】
顆粒物は、カプセル形状パンチ(9.4 mm×18.9 mm)を用いて、フェット(Fette)PT1090で
圧縮された。
フィルム液体は、次のパラメータ:
* 入口空気温度 50℃
* 出口空気温度 45℃
* パン(Pan) rpm 2.2
* バッチサイズ 75 kg
の使用により、アクセラ コーター(Accella Coater)150 (Manesty Inc.)中で錠剤に塗布された。
得られた錠剤は133 Nの破砕強度および12分未満の崩壊時間を有した。
【0211】
実施例15
炭酸カルシウム含有錠剤の製造
顆粒物が、次の点を除いて、実施例14に従って製造された。
【0212】
【表20】

【0213】
顆粒物は、カプセル形状パンチ(9.4 mm×18.9 mm)を用いて、フェット(Fette)PT1090で圧縮された。
錠剤は、次のパラメータ:
* 入口空気温度 50℃
* 生成物温度 45℃
* パン(Pan) rpm 2.0
* 液体流量 300 g/分
* バッチサイズ 600 kg
の使用により、オハラ(O'Hara)FC-660 (O'Hara)中でコーティングされた。
得られた錠剤は135 Nの破砕強度および2分未満の崩壊時間を有した。
【0214】
実施例16
糖アルコールおよび芳香剤の使用の官能(sensoric)性への影響
カルシポス(Kalcipos)(登録商標)-D
製造メーカーによる成分:
− 炭酸カルシウム
− ビタミンD3
− マルトデキストリン
− クロスカルメロース ナトリウム
− ゼラチン
− ショ糖
− トウモロシ澱粉
− コロイド状二酸化ケイ素
− ステアリン酸マグネシウム
− ハイプロメロース
− マクロゴル(Macrogol)6000
− パラフィン(Parafin)
− 水和大豆油
− 水和綿実油
【0215】
上記のカルシポス(登録商標)-Dと実施例15に記載されたように製造された錠剤間で、官能比較が行なわれた。
試験は、訓練された8人を用いて、ISO-5495に従って、一対比較法により行なわれた。これは、対照(カルシポス(登録商標)-D)と実施例15の錠剤間に5%レベルで有意差があるかどうかを示す。
【0216】
製造品は次の性質:
*甘味性
*レモン臭
*チョーキネス
に関して比較された。
結果は、カルシポス(登録商標)-Dと比較したとき、実施例15の錠剤に対して、より甘味性、より強いレンモン臭およびより少ないチョーキネスを示す3つの性質全てに関して有意差を有した。
【0217】
実施例17
炭酸カルシウム含有錠剤の製造
錠剤は、実施例14に従って、次の配合で製造された。
【0218】
【表21】

【0219】
個々の量は、各組成物が炭酸カルシウム1250 mgを含み、全量が100 %を超えないように調整される。錠剤は、
*丸の浅い窪み 16 mm
*丸い化合物キャップ 14 mm
*カプセル形状 9.4×18.9 mm
*カプセル形状 8.6×18.9 mm
のようなパンチデザインを用いて、フェット(Fette)PT 2090で圧縮され、約0.5 %以上の量でクロスカルメロースを含む錠剤に対して、70 Nを超える破砕強度および15分未満の崩壊時間を有する錠剤を得る(そのような錠剤は飲み込みによる経口用を意図する)。崩壊時間を30分未満にすべき場合は、(当業者に既知の慣用のコーティングのような)標準水溶性コートが、錠剤に任意に塗布され得る。
もし、錠剤が咀嚼用のみを意図するのなら、崩壊時間は関係がない。
【0220】
実施例18
炭酸カルシウム錠剤の大きさへの異なる製造方法の影響の研究
この実験は、約40.000錠のバッチサイズを有する大量生産で行なわれた。実験は、製品用の顆粒物を製造するために用いられる方法が、錠剤の寸法、特に錠剤の高さへどのような影響を有するかについて研究するために行なわれた。
【0221】
問題の方法は:
i) 流動床顆粒化、および
ii) ローラー圧密
である。
【0222】
【表22】

【0223】
バッチ1の製造
顆粒化液体は、XI中にIVを溶解することにより製造される。IIIは適当なスクリーンを通され、グラット(Glatt)流動床造粒機中でIと混合される。粉末混合物は、流動化工程が進行中の間に、粉末床に顆粒化液体を噴霧することにより顆粒化される。賦形剤VII、IXおよびXの残りの部分が顆粒物に混合され、そして錠剤が、フェットPT1090およびカプセル形状パンチデザイン(9.4×18.9 mm)の使用により圧縮される。
【0224】
バッチ2の製造
IIは適当なスクリーンを通され、Iと一緒に、220 l高剪断ミキサー中、インペラー速度110 rpmおよびチョッパー速度1500 rpmで1分間混合される。粉末混合物は、実施例1に従い、ローラー圧密機を使用して顆粒化される。残りの賦形剤V、VI、VIIおよびXは、高剪断ミキサー(Diosna P250)を使用し、低インペラー速度、無チョッパーで、60秒間混合され、最後に、錠剤が、フェットPT1090およびカプセル形状パンチデザイン(9.4×18.9 mm)の使用により圧縮される。
【0225】
【表23】

【0226】
バッチ1および2の比較は、最も低い錠剤の高さはローラー圧密により得られることを示す。
【0227】
実施例19
炭酸カルシウム錠剤の安定性
この実験は、約693,000錠のバッチサイズを有する大量生産で行なわれた。3バッチが製造された。
実験は、開放ペトリ皿中でのコーティングされた錠剤の安定性および3つの混合時間に対する破砕強度の再現性を調べるために行なわれた。
組成:錠剤当たりの量
【0228】
【表24】

【0229】
バッチは次の記載により製造された。
予備混合およびローラー圧密
炭酸カルシウムがタンブルミキサーに加えられる。
ソルビトールは篩の大きさ2.0 mmで篩い分けられ、タンブラーミキサーへ移される。
炭酸カルシウムおよびソルビトールがタンブラーミキサー中で予備混合される。混合時間15分、速度6 rpm。
予備混合は、ギザギザが付いたローラー、スクリーンサイズ1.5 mmでローラー圧密される。設定:隙間3.5 mm、力12 kN/cm、ローラー速度15 rpm。
【0230】
混合
ステアリン酸マグネシウムを除いた残りの賦形剤が、速度6 rpmを用い、タンブラーミキサー中で顆粒物に混合され、3バッチの混合時間は表19に従った。
【0231】
【表25】

ステアリン酸マグネシウムは、5分間、速度6 rpmで混合された。
【0232】
錠剤化
顆粒物は、カプセル形状パンチデザイン(18.9×9.4mm)の使用により、フェット2090錠剤プレスで圧縮され、110 Nの破砕強度を得る。
コーティング
コーティング パラメータは、実施例15に記載のとおりである。
塗布されるフィルムの量は、0.75 %の理論重量獲得に相当する。
【0233】
開放ペトリ皿中、25℃/60 % RHで保管された安定性の検討が行なわれた。結果は図22に示される。38 μmの平均粒子径を有するソルビトールが用いられても、減少が見られる。この減少は、実施例13からの110 μmのソルビトールに基づく錠剤のそれと同様である。この減少は、エキストラ賦形剤の添加による。しかしながら、破砕強度は、取り扱い可能でそれゆえ許容されるほど、なお十分に高い。
【0234】
実施例20
スーパー崩壊剤の水分吸収への影響
72.26 %の炭酸カルシウム(スコラライト)および22.26 %のソルビトール(38 μm)の混合物が、実施例18に記載のようにローラー圧密された。
ローラー圧密顆粒物は、次の成分で混合された:
【0235】
【表26】

【0236】
錠剤は、カプセル形状パンチデザイン(9.4×18.9 mm)の使用により圧縮される。
錠剤のコーティングは、次の組成に基づき行なわれる。
【0237】
【表27】

【0238】
コーティングは、次のパラメータ:
入口空気温度:48〜50℃
液体流速 3〜4 グラム/分
噴霧圧力:2バール
を用いて、ラボ スケール コーター(Combi Cota, Niro, デンマーク)中で行なわれる。
【0239】
錠剤は、25℃および60% RHで、DVS(動的蒸気吸収(Dynamic Vapour Sorption))装置(Surface Measurement System, UK)中で試験された。各試験は5錠剤に基づいた。結果は図23に示される。図23から、スーパー崩壊剤の添加は、錠剤の技術的性質の安定性へのわずかな影響のみが、スーパー崩壊剤の添加から期待され得ることを意味する、水分吸収のわずかな増加のみをもたらすことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】結合剤として、イントラ(intra)顆粒状、エキストラ(extra)顆粒状ソルビトールまたは無ソルビトールの使用、圧縮力の関数としての錠剤硬度を示した図である。
【図2】圧密力の粒子径分布への影響を示した図である。
【図3】顆粒物の粒子径分布の変動の錠剤硬度への影響を示した図である。
【図4】ソルビトールの粒子径における変動の圧縮力の関数としての錠剤硬度を示した図である。
【0241】
【図5】ソルビトールの量の変動および微結晶性セルロースの添加の圧縮力の関数としての錠剤硬度を示した図である。
【図6】周囲の空気の水分含量の錠剤硬度への影響を示した図である。
【図7】他の糖アルコール、すなわちマルチトールの添加の錠剤硬度への影響を示した図である。
【図8】38μmのランブ(lumb)破壊の省略の錠剤硬度への影響を示した図である。
【0242】
【図9】顆粒物パッド(pad)における変動の錠剤化の間に引き出されたサンプル中のビタミンD3 ビタミン分析への影響を示した図である。
【図10】ポビドンK30の混合の錠剤硬度への影響を示した図である。
【図11】カルシウム源としてスコラライトが用いられての、糖アルコールのタイプおよび粒子径の影響を示した図である。
【図12】カルシウム源としてメルク2064が用いられての、糖アルコールのタイプおよび粒子径の影響を示した図である。
【0243】
【図13】カルシウム源としてスコラライトが用いられての、異なる粒子径のソルビトールのエキストラ顆粒状混合物の影響を示した図である。
【図14】カルシウム源としてスコラライトが用いられての、ソルビトールのイントラまたはエキストラ顆粒状混合物の顆粒状粒子径への影響を示した図である。
【図15】各々、メルク2064およびスコラライトの規則的な形状の炭酸カルシウム結晶のSEM写真である。
【図16】各々、メルク2064およびスコラライトの微細構造を有する糖アルコールのSEM写真である。
【0244】
【図17】各々、マルチトール、キシリトールおよびマンニトールの微細構造を有していない糖アルコールのSEM写真である。
【図18】各々、スコラライトとソルビトールおよびメルク2064とキシリトールからなるローラー圧密物質のSEM写真である。
【図19】糖アルコールの圧密性を示した図である。
【図20】スコラライト1Bを用いての安定性を示した図である。
【0245】
【図21】メルク2064を用いての安定性を示した図である。
【図22】破砕強度安定性への混合時間の影響を示した図である。
【図23】スーパー崩壊剤の存在および無存在下の水取り込みを示すDVSマスプトッロ(Mass plot)図である。
【図24】本発明による錠剤の好適なデザインと寸法を示した図である。
【図25】両方の端に圧力を与えることにより、実質的に同じ大きさの二つの部分に錠剤を切断する方法を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質としての一以上の規則的な形状のカルシウム含有化合物および一以上の医薬的に許容され、微細構造を有する糖アルコールを含む微粒状物質。
【請求項2】
100重量%の糖アルコールを含む錠剤に圧縮されたとき−、医薬的に許容される糖アルコールが、例えば約10×10-3〜約30×10-3の範囲のような、7×10-3以上の(Nで測定される)破砕強度と(Nで測定される)圧縮圧力との間の相関関係の傾きを有する、請求項1に記載の微粒状物質。
【請求項3】
医薬的に許容される糖アルコールが結合性を有する、請求項1または2に記載の微粒状物質。
【請求項4】
一以上のカルシウム含有化合物が、例えば1.3 m2/h以下、1.1 m2/h以下、0.9 m2/h以下、0.7 m2/h以下のような1.5 m2/hより小さい比表面積を有する結晶の形態にある、請求項1〜3のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項5】
微粒状物質中の医薬的に許容される糖アルコールの濃度が、例えば少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%または少なくとも約20重量%のような、少なくとも約5重量%である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項6】
用いられる医薬的に許容される糖アルコールが、例えば最大で約110 μm、最大で約100 μm、最大で約90 μm、最大で約80 μm、最大で約70 μm、最大で約60 μm、最大で約50 μm、最大で約40 μm、最大で約30 μm、最大で約20 μmまたは約10 μmのような、最大でも約150 μmの平均粒子径を有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項7】
用いられる医薬的に許容される糖アルコールが、例えば約5〜約110 μmまたは約5〜約80 μmのような、約5〜約150 μmの範囲の平均粒子径を有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項8】
糖アルコールがソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの混合物である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項9】
糖アルコールがソルビトールである、請求項8に記載の微粒状物質。
【請求項10】
平均粒子径が、例えば約35〜約45 μmまたは約30〜約45 μmのような、約25〜約50 μmの範囲にある、請求項9に記載の微粒状物質。
【請求項11】
糖アルコールがイソマルトである、請求項8に記載の微粒状物質。
【請求項12】
平均粒子径が、例えば約25〜約35 μm または約20〜約35 μmのような、約20〜約50 μmの範囲にある、請求項11に記載の微粒状物質。
【請求項13】
マンニトール、キシリトール、マルチトール、イノシトール、ラクチトールおよびそれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールを含む、請求項1〜12のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項14】
ソルビトールとキシリトールとの混合物を含む、請求項1〜13のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項15】
ソルビトールとキシリトールとの重量比が、例えば約1:1のような、約1:0.1〜約1:1.5の範囲にある、請求項14に記載の微粒状物質。
【請求項16】
イソマルトとキシリトールとの混合物を含む、請求項1〜15のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項17】
イソマルトとキシリトールとの重量比が、例えば約1:1のような、約1:0.1〜約1:1.5の範囲にある、請求項16に記載の微粒状物質。
【請求項18】
カルシウム含有化合物がカルシウム塩である、請求項1〜17のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項19】
カルシウム塩が炭酸カルシウムである、請求項1〜18のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項20】
炭酸カルシウムが、スコラライト1Bまたはメルク2064のそれに相当する形状および平均粒子径を有する、請求項19に記載の微粒状物質。
【請求項21】
炭酸カルシウムがスコラライト1Bまたはメルク2064である、請求項20に記載の微粒状物質。
【請求項22】
微粒状物質中のカルシウム含有化合物の含量が、例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような約40重量%〜約100重量%の範囲または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%にある、請求項1〜21のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項23】
錠剤に圧縮されたとき−、微粒状物質のSEM写真が、医薬的に許容される糖アルコールの変形された粒子の表面が、一以上のカルシウム含有化合物の結晶表面と近接していることを示す、請求項1〜22のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項24】
一以上の医薬的に許容される賦形剤もしくは添加剤、または一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質をさらに含む、請求項1〜23のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項25】
ビタミンDもしくはビタミンKまたはマグネシウムのような、ビタミン類またはミネラル類をさらに含む、請求項1〜24のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項26】
クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸三カルシウムを含むリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ビスグリシノカルシウム、クエン酸マレイン酸カルシウム、溶媒和物を含むヒドロキシアパタイトおよびそれらの混合物よりなる群から選択される一以上の第二のカルシウム含有化合物を含む、請求項1〜25のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項27】
例えば最大で約7.5重量%または最大で約5重量%のような、最大でも10重量%のグリダントと任意に混合された微粒状物質から、一分当たり少なくとも300錠で作動する打錠機を用いて錠剤が製造されるとき−、得られる錠剤の質量変動がPh. Eur.に規定された要件を満たすような流動性を有する、請求項1〜26のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項28】
錠剤製造の間の休止時間が最大で約1秒である、請求項27に記載の微粒状物質。
【請求項29】
合計が100重量%を超えないという条件で、約60〜約95重量%のカルシウム含有化合物および約5〜約40重量%の医薬的に許容される糖アルコールを含む、請求項1〜28のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項30】
成分の合計が100重量%になるという条件で、例えば約65重量%〜約80重量%のような約60〜約94重量%のカルシウム含有化合物、例えば約15〜約30重量%のような約5〜約35重量%の医薬的に許容される糖アルコールならびに約1〜約15重量%の一以上の医薬的に許容される賦形剤および/または活性物質を含む、請求項1〜29のいずれか一つに記載の微粒状物質。
【請求項31】
例えば約70重量%〜約75重量%のような約65重量%〜約80重量%のカルシウム含有化合物および例えば約20〜約25重量%のような約15重量%〜約25重量%のソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの混合物を含む、請求項30に記載の微粒状物質。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか一つで定義された微粒状物質、および任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤または添加剤を含む固形投与形態。
【請求項33】
経口投与用の請求項32に記載の固形投与形態。
【請求項34】
単一単位投与形態または多数の単位投与形態にある、請求項32または33に記載の固形投与形態。
【請求項35】
錠剤、カプセル、サシェ、ビーズ、ペレット等の形態にある、請求項34に記載の固形投与形態。
【請求項36】
錠剤の形態にある、請求項35に記載の固形投与形態。
【請求項37】
錠剤が、本質的に図24に示された形状および大きさを有する、請求項36に記載の固形投与形態。
【請求項38】
約250〜約1000 mgのカルシウムに相当する量の、一以上のカルシウム含有化合物を含む、請求項32〜37のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項39】
一以上のカルシウム含有化合物の量が約400〜約600 mgのカルシウムに相当する、請求項32〜38のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項40】
投与形態中の一以上のカルシウム含有化合物の全濃度が、例えば約45重
量%〜約98重量%、約50重量%〜約95%重量、約55重量%〜約90重量%のような約40重量%〜約99重量%の範囲、または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%である、請求項32〜39のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項41】
投与形態中に含まれる微粒状物質の全濃度が、例えば約70重量%〜約98重量%、約75重量%〜約95重量%、約80重量%〜約95重量%または約85%〜約95重量%のような、約65重量%〜約100重量%である、請求項32〜40のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項42】
合計が100重量%を超えないという条件で、約60重量%〜約95重量%のカルシウム含有化合物および約5重量%〜約40重量%の医薬的に許容される糖アルコールを含む、請求項32〜41のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項43】
成分の合計が100重量%になるという条件で、例えば約65重量%〜約80重量%のような約60〜約94重量%のカルシウム含有化合物、例えば約15〜約30重量%のような約5〜約35重量%の医薬的に許容される糖アルコールならびに約1〜約15重量%の一以上の医薬的に許容される賦形剤および/または活性物質を含む、請求項32〜42のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項44】
固形投与形態の破砕表面のSEM写真が、糖アルコールの変形粒子の表面が一以上のカルシウム含有化合物の結晶表面と近接していることを示す、請求項32〜43のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項45】
25℃および60% RHで開放ペトリ皿中に保管されたとき、製造後5日目に始まり残りの保管期間、1ヶ月、好ましくは3ヶ月の間に、錠剤の破砕強度が、例えば最大で約40%、最大で約30%、最大で約20%、最大で約15%、最大で約10%のような、最大でも50%変化する、錠剤の形態にある、請求項32〜44のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項46】
咀嚼する、舐めるおよび/または飲み込むことのできる錠剤の形態にある、請求項32〜45のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項47】
少なくとも6人のプロの/熟練した官能試験パネルにより試験されたとき、甘さ、香りおよびチョーキネスに関して受容される風味を有する、請求項46に記載の固形投与形態。
【請求項48】
デキストロース、フルクトース、グリセリン、グルコース、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、アリテーム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タウマチン、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)およびそれらの混合物からなる群から選択される甘味剤を含む、請求項32〜47のいずれか一つに記載の固形投与形態。
【請求項49】
規則的な形状のカルシウム含有化合物および微細構造を有する一以上の医薬的に許容される糖アルコールを含む組成物のローラー圧密を含む、請求項1〜31のいずれか一つで定義された微粒状物質の製造方法。
【請求項50】
100重量%の糖アルコールを含む錠剤に圧縮されたとき−、医薬的に許容される糖アルコールが、例えば約10×10-3〜約30×10-3の範囲のような7×10-3以上の(Nで測定される)破砕強度と(Nで測定される)圧縮圧力との間の相関関係の傾きを有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
医薬的に許容される糖アルコールが結合性を有する、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
一以上のカルシウム含有化合物が、球形または立方形を有する結晶の形態にある、請求項49〜51のいずれか一つに記載の方法。
【請求項53】
カルシウム含有化合物がカルシウム塩である、請求項49〜52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項54】
カルシウム塩が炭酸カルシウムである、請求項49〜53のいずれか一つに記載の方法。
【請求項55】
炭酸カルシウムが、スコラライト1Bまたはメルク2064のそれに相当する形状および平均粒子径を有する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
炭酸カルシウムが、スコラライト1Bまたはメルク2064である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
ローラー圧密に付される組成物中の医薬的に許容される糖アルコールの濃度が、例えば少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%または少なくとも約20重量%のような、少なくとも約5重量%である、請求項49〜56のいずれか一つに記載の方法。
【請求項58】
用いられる医薬的に許容される糖アルコールが、例えば最大で約110 μm、最大で約100 μm、最大で約90 μm、最大で約80 μm、最大で約70 μm、最大で約60 μm、例えば約40 μmのような最大で約50μmのような、最大でも約150 μmの平均粒子径を有する、請求項49〜57のいずれか一つに記載の方法。
【請求項59】
用いられる医薬的に許容される糖アルコールが、例えば約5〜約110 μmまたは約5〜約80 μmのような、約5〜約150 μmの範囲の平均粒子径を有する、請求項49〜58のいずれか一つに記載の方法。
【請求項60】
糖アルコールがソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの混合物である、請求項49〜59のいずれか一つに記載の方法。
【請求項61】
糖アルコールがソルビトールである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ソルビトールの平均粒子径が、例えば約35〜約45 μmのような約25〜約50 μmの範囲にある、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
糖アルコールがイソマルトである、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
イソマルトの平均粒子径が、例えば約25〜約35 μmのような約20〜約50
μmの範囲にある、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
ローラー圧密に付される組成物が、合計が100重量%を超えないという条件で、約60〜約95重量%のカルシウム含有化合物および約5〜約40重量%の医薬的に許容される糖アルコールを含む、請求項49〜64のいずれか一つに記載の方法。
【請求項66】
ローラー圧密される組成物が、成分の合計が100重量%になるという条件で、例えば約65重量%〜約80重量%のような約60〜約94重量%のカルシウム含有化合物、例えば約15〜約30重量% のような約5〜約35重量%の医薬的に許容される糖アルコールならびに約1〜約15重量%の一以上の医薬的に許容される賦形剤および/または活性物質を含む、請求項49〜65のいずれか一つに記載の方法。
【請求項67】
組成物が、例えば約70重量%〜約75重量%のような約65重量%〜約80重量%のカルシウム含有化合物および例えば約20〜約25重量%のような約15重量%〜約25重量%のソルビトールもしくはイソマルトまたはそれらの混合物を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
用いられる医薬的に許容される糖アルコールが、カルシウム含有化合物と混合する前に、塊が粉砕される、請求項49〜67のいずれか一つに記載の方法。
【請求項69】
ローラー圧密に付された組成物に、一以上の医薬的に許容される賦形剤もしくは添加剤および/または一以上の活性物質を混合する工程をさらに含む、請求項49〜68のいずれか一つに記載の方法。
【請求項70】
得られた微粒状物質を固形投与形態に成形する工程をさらに含む、請求項工49〜69のいずれか一つに記載の方法。
【請求項71】
固形投与形態が請求項32〜48のいずれか一つで定義されたとおりである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
次の工程:
i) 請求項1〜31または49〜71のいずれか一つで定義された微粒状物質を製造すること、
ii) 一以上の医薬的に許容される賦形剤もしくは添加剤および/または一以上の活性物質を任意に混合すること、および
iii) 上記の物質を錠剤に圧縮すること
を含む、カルシウム含有化合物を含む錠剤の製造方法。
【請求項73】
約16 mmの直径と、例えば約9 mm、約8 mmまたは約7 mmのような最大でも約10 mmの高さを有する錠剤を得るとき、工程iii)における圧縮が、適用される圧縮力が、例えば最大で約70 kN、最大で60 kN、最大で50 kN、最大で約40 kN、最大で約30 kNまたは最大で約20 kNのような、最大でも約80 kNとなるような錠剤の直径と所望の高さに関して調整された圧縮力で行なわれる、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
i) 炭酸カルシウム、
ii) ソルビトールおよび/またはイソマルト、
iii) ビタンミンD、および
iv) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を製造するための、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
成分の全量が約100重量%に相当するという条件で、錠剤が、
i) 約50重量%〜約90重量%の炭酸カルシウム、
ii) 約5〜約30重量%のソルビトールおよび/またはイソマルト、
iii) 約0.01〜約1重量%のビタミンD、ならびに
iv) 任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む、請求項74に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2008−500290(P2008−500290A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513680(P2007−513680)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000338
【国際公開番号】WO2005/115342
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506390753)ニコメド ファーマ エイエス (9)
【氏名又は名称原語表記】NYCOMED PHARMA AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 852,NO−1385 Aster,Norway
【Fターム(参考)】