カンデサルタンシレキセチル多形体
【課題】カンデサルタンシレキセチルの治療効果に対しては、製品へのより一層効率的な合成経路に対する要請、並びにカンデサルタンシレキセチルを、精製法のコストもしくは時間を増やしうる更なる化合物のロスもしくは余分な生成段階を伴わずに、高収率且つ高純度で提供する精製法に対する要請がある。
【解決手段】本発明は、カンデサルタンシレキセチル結晶及びそれらを調製する方法を供すること、そしてまた1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製した医薬組成物を提供することを特徴とする。
【解決手段】本発明は、カンデサルタンシレキセチル結晶及びそれらを調製する方法を供すること、そしてまた1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製した医薬組成物を提供することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2005年2月11日に提出されたPCT国際出願(番号未定);2005年2月11日に提出された米国特許出願(番号未定)の優先権を主張し;そして本願は、2004年2月11日に提出された米国仮出願第60/544,131号;2004年5月19日に提出された第60/572,672号;2004年8月3日に提出された第60/607,180号;及び2004年8月28日に提出された第60/613,698号の優先権を主張し;その内容の全ては本明細書中参照によって組み込まれている。
【0002】
発明の分野
本発明は、カンデサルタンシレキセチルの多形及びそれらを調製するための方法に関連する。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と1以上の本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製された医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
カンデサルタンは、長期に渡り作用する、有力な、選択的AT1サブタイプアンジオテンシンIIレセプターアンタゴニストである。カンデサルタンは、とりわけ、循環系の疾患の例えば、高血圧疾患、心臓疾患(例えば、心臓肥大、心機能障害、心筋梗塞など)、動悸、脳出血、及び腎炎などを治療するための有用な治療剤である。カンデサルタンには高い効能があることが求められるが、経口的に投与された場合、吸収されるに乏しい。それ故に、プロドラッグカンデサルタンシレキセチルが開発された。カンデサルタンシレキセチルは、胃腸管からの吸収の間に迅速且つ完全にカンデサルタンへと加水分解される。カンデサルタンの化学名は:2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸である。カンデサルタンシレキセチルの化学名は:(±)−1−[[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ]エチル−2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)[1,1’ビフェニル]−4−イル]メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシレートである。カンデサルタンシレキセチルは白〜オフホワイトの粉末であり、そして驚くほど水及びエタノールに可溶性である。カンデサルタンシレキセチルは、分子のエステル部分に不斉中心を含み、ラセミ混合物として売られている。
【0004】
【化1】
【0005】
アンジオテンシンIIは、アンジオテンシン転換酵素(ACE、キナーゼII)によって触媒される反応においてアンジオテンシンIから形成される。アンジオテンシンIIは、レニン−アンジオテンシン系の主要な抑制因子であり、血管収縮、アルドステロンの合成と放出の刺激、心臓刺激、及びナトリウムの腎再吸収などの効果を伴う。アンジオテンシンIIは、ある人が水分吸収、ナトリウム摂取の状態における変動及び他の生理的変化にあるにもかかわらず血圧を一定に保つのを助ける。アンジオテンシンIIは、ナトリウムの腎臓による排出を抑制すること、ノルフェドリン再吸収を抑制すること及びアルドステロン生合成を刺激することなど調節の仕事をもする。カンデサルタンは、多くの組織、例えば、心臓平滑筋及び副腎において、アンジオテンシンIIがAT1レセプターに対して結合することを選択的に遮断することによって、アンジオテンシンIIの血管収縮及びアルドステロン分泌効果を遮断する。カンデサルタンは、AT1レセプターに対して結合するアンジオテンシンIIを抑制することによって、AT1レセプターが介在する血管収縮を中断させる。アンジオテンシンIIによって血管収縮を遮断させることは、高血圧を伴う患者に対して有利であることが発見されてきた。米国食品医薬局は、カンデサルタンを高血圧の治療のために単独でかあるいは他の抗高血圧剤との組み合わせにおいて承認している。
【0006】
米国特許第5,196,444号は、カンデサルタンシレキセチルの1つの結晶形態のC型結晶(I型結晶)に関連する。この特許は、エステル化を可能にする酸性条件下でI型結晶を生産するための方法にも関連する。
【0007】
カンデサルタンシレキセチルの治療効果は、製品へのより一層効率的な合成経路に対する要請、並びにカンデサルタンシレキセチルを、精製法のコストもしくは時間を増やしうる更なる化合物のロスもしくは余分な生成段階を伴わずに、高収率且つ高純度で提供する精製法に対する要請を生み出す。従って、この要請に応じるために、本発明は、新規カンデサルタンシレキセチル多形及びカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法を供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮出願第60/544,131号
【特許文献2】米国仮出願第60/572,672号
【特許文献3】米国仮出願第60/607,180号
【特許文献4】米国仮出願第60/613,698号
【特許文献5】米国特許第5,196,444号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、結晶質カンデサルタンシレキセチル溶媒和物を包含する。
【0010】
前記カンデサルタンシレキセチルは、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、クロロホルム/アセトニトリル、メタノール又はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよい。
【0011】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、
カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かしてある溶液を形成させ;
当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈澱させる、
ことを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。
【0012】
好適な溶媒は、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。好適に、段階(b)の溶液は、約45℃〜約70℃の温度で、そして一層好適には還流温度で加熱されている。この方法は、更にカンデサルタンシレキセチルを約35℃〜約60℃の温度で乾燥させることを含んで成る。
【0013】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、
カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かしてある溶液を形成させ;
当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
ことを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。
【0014】
好適な溶媒は、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、又はアセトニトリルである。好適に、水を当該溶液に対して滴下して加えている。この方法は更に、当該溶液を、水と組み合わせる前に、約45℃以上の温度で加熱することを含んで成る。
【0015】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る。
【0016】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル形XIV、XIV−1、XXII、又はXXIIIの少なくとも1つをC1〜C4アルコール中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0017】
好適なアルコールはエタノールである。好適に、この溶液を、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させるために、約0℃〜約10℃の温度で冷却している。
【0018】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−I、XXII、又はXXIII型結晶のスラリーをC1〜C4アルコール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することを含んで成る。このスラリーは好適に、約−20℃〜約20℃の温度で冷却されている。
【0019】
本発明の1つの実施態様は、6.1、7.3、14.2、17.5及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XIV型結晶)を包含する。XIV型結晶は、更に、約8.1、10.4、15.3、20.5及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって同定されてよい。XIV型結晶は、ジクロロメタンの溶媒和物であってよく;TGAにより約16重量%のL.O.Dを伴う。
【0020】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;トルエンと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させることを含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を包含する。
【0021】
本発明の1つの実施態様は、約7.3、8.2、14.3、20.5及び23.8度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1における特徴的吸収バンドを伴うFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XIV−1型結晶)を含んで成る。XIV−1型結晶は、約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。
【0022】
本発明の他の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を包含する。その方法とは、トルエンもしくはジクロロメタンの第一分量(portion)、及び第一のC1〜C4アルコール、酸もしくはその両方中でトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを調製し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールを組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0023】
好適に、前記第一又は第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適な酸はギ酸である。この方法は更に、水とトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を組み合わせることを含んで成る。
【0024】
本発明の1つの実施態様は、約10.6、12.1、17.8、19.4及び21.7度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1における特徴的吸収バンドを有するFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XXII型結晶)を包含する。XXII型結晶は、約7.1、8.9、16.3、20.5、及び24.0度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。XXII型結晶はメタノールの溶媒和物であり;約4重量%〜約20重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う。
【0025】
本発明の他の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を包含する。その方法とは、粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適なアルコールはメタノールである。
【0026】
本発明の1つの実施態様は、約6.0、12.0、18.0、21.0、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1759、1727、1464、1438、及び1071cm-1における特徴的吸収バンドを有するFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XXIII型結晶)を包含する。XXIII型結晶は、約10.3、16.3、19.8、21.6、及び23.1度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。XXIII型結晶はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよく;約5重量%〜約45重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う。
【0027】
本発明の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を包含する。その方法とは、トルエンもしくはジクロロメタンの第一分量、第一のC1〜C4アルコール、及び水中でトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を調製し、そしてトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールを組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0028】
好適に、前記第一又は第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。当該混合物には、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させるためにカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を播種してよい。
【0029】
本発明は次のX線粉末回折パターンのピークを特徴とするカンデサルタンシレキセチルをも包含する。6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θ;6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θ;6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θ;6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θ;7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θ;6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θ;6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θ;6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θ;6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θ;6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θ;6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θ;7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4±0.2度2θ;3.6±0.2度2θ;6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θ;6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θ;6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θ;並びに6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θ。
【0030】
本発明は更に他の多形結晶を約5重量%未満有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶を包含する。
【0031】
1つの実施態様において、本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶に最大約500ミクロン、好適には最大約200ミクロン、そして一層好適には最大約50ミクロンの平均粒度を有する。
【0032】
他の実施態様において、本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製された医薬組成物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カンデサルタンシレキセチルIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図2】カンデサルタンシレキセチルIV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図3】カンデサルタンシレキセチルV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図4】カンデサルタンシレキセチルVI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図5】カンデサルタンシレキセチルVII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図6】カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図7】カンデサルタンシレキセチルIX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図8】カンデサルタンシレキセチルX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図9】カンデサルタンシレキセチルXI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図10】カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図11】カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図12】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図13】カンデサルタンシレキセチルXV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図14】カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図15】カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図16】カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図17】カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図18】カンデサルタンシレキセチルXX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図19】カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図20】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図21a】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図21b】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図21c】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図22】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図23】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図24a】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図24b】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図24c】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図25】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【図26】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図27a】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【図27b】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【図27c】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
本発明は、カンデサルタンシレキセチル溶媒和物を包含する。
【0035】
前記カンデサルタンシレキセチルは、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、クロロホルム/アセトニトリル、メタノール又はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよい。
【0036】
本発明は、カンデサルタンシレキセチル結晶及びそれらを調製するための方法を包含する。本発明は、本発明の、粒子の形態にありうるカンデサルタンシレキセチル結晶を含んで成る医薬組成物、及び当該医薬組成物を使用する循環系疾患を治療する方法をも包含する。加えて、本発明は、本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶と1以上の医薬的に許容できる賦形剤を組み合わせることを含んで成る、医薬組成物を調製する方法をも包含する。
【0037】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6〜約8重量%である。III型結晶は、TGAによる乾燥減量(L.O.D)が約8.6重量%である、アセトンの溶媒和物でありうる。III型結晶はテトラヒドロフランの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。III型結晶は、約6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。III型結晶は更に、約12.6、22.7、24.6、25.3、及び25.9度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図1を参照のこと。
【0038】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でIV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約0.2〜0.3重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。IV型結晶はテトラヒドロフランの溶媒和物(約7重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う)であってよい。IV型結晶は、約6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。IV型結晶は更に、約7.3、12.7、22.5、23.4、及び25.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図2を参照のこと。
【0039】
本発明の更なる実施態様は、本明細書中でV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。V型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約6重量%である、アセトンの溶媒和物でありうる。V型結晶は、約6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。V型結晶は更に、約9.2、13.2、17.4、20.0、及び22.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図3を参照のこと。
【0040】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でVI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.4重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約17重量%である。VI型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約17重量%である、ジクロロメタン/ヘプタンの溶媒和物でありうる。VI型結晶は、約6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VI型結晶は更に、約12.6、14.8、15.5、24.0、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図4を参照のこと。
【0041】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でVII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約3〜約7重量%である。VII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約7重量%である、トルエンの溶媒和物でありうる。VII型結晶はジクロロメタン/ヘプタンの溶媒和物(T.G.Aによる約3重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。VII型結晶は、約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VII型結晶は更に、約8.3、14.4、18.8、19.4、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図5を参照のこと。
【0042】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でVIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約3〜約4重量%である。VIII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約4重量%である、メチルエチルケトンの溶媒和物でありうる。VIII型結晶は、約6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VIII型結晶は更に、約11.9、18.9、19.4、22.5、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図6を参照のこと。
【0043】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でIX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.4重量%有する。IX型結晶は、約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。IX型結晶は更に、約9.2、10.2、14.8、19.1、及び20.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図7を参照のこと。
【0044】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約5〜11重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約15〜約17重量%である。X型結晶は、ジオキサン/水の溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。X型結晶は、約6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。X型結晶は更に、約10.8、20.7、22.4、24.9、及び27.9度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図8を参照のこと。
【0045】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.7重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。XI型結晶は、クロロホルム/ヘプタンの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XI型結晶は、約6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XI型結晶は更に、約7.4、13.4、15.8、18.6、及び22.2度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図9を参照のこと。
【0046】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約8重量%である。XIII型結晶は、ジクロロメタン/酢酸イソアミルの溶媒和物(T.G.Aによる約8重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIII型結晶は、約6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIII型結晶は更に、約10.1、18.1、21.3、23.4、及び24.6度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図10を参照のこと。
【0047】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.3重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XIV型結晶は、ジクロロメタンの溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIV型結晶は、約6.1、7.3、14.2、17.5、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIV型結晶は更に、約8.1、10.4、15.3、20.5、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図11を参照のこと。
【0048】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIV−1型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含する。XIV−1型結晶はX線粉末回折又はFTIRのうちの少なくとも1つを特徴とする。このX線粉末回折パターンは、図12に実質的に描かれているように約7.3、8.2、14.3、20.5、及び23.8度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有する。XIV−1型結晶は更に、約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0度2θにおけるX線粉末回折ピークを更に特徴とする。FTIRスペクトルは、約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1に特徴的吸収バンドを有する。図20及び図21のa〜c(拡大図)を参照のこと。
【0049】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.5重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約8重量%である。XV型結晶は、クロロホルム/アセトニトリルの溶媒和物(T.G.Aによる約8重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XV型結晶は、約6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XV型結晶は更に、約9.3、12.0、13.3、18.3、及び23.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図13を参照のこと。
【0050】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXVI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.8重量%有する。XVI型結晶、約7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVI型結晶は更に、約8.3、11.3、15.1、20.5、及び23.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図14を参照のこと。
【0051】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXVII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を1.2重量%有する。XVII型結晶は、約3.6度2θ、±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVII型結晶は更に、図15に示すように、約20.0度2θにおいて最大の広いX線粉末回折ピークによって同定されてよい。
【0052】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXVIII型結晶と規定した他のカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約30重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約35重量%である。XVIII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約35重量%である、ジオキサン/水の溶媒和物でありうる。XVIII型結晶はテトラヒドロフラン/水の溶媒和物(T.G.Aによる約27重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XVIII型結晶は、約6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVIII型結晶は更に、約12.8、16.3、18.0、23.3、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図16を参照のこと。
【0053】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有する。XIX型結晶は約11重量%の含水率を有してよく、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XIX型結晶はアセトニトリル/水の溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIX型結晶は、約6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIX型結晶は更に、約9.1、12.0、15.1、20.6、及び25.0度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図17を参照のこと。
【0054】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XX型結晶は、クロロホルム/アセトニトリルの溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XX型結晶は、約6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XX型結晶は更に、約7.4、11.8、21.5、25.0、及び31.4度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図18を参照のこと。
【0055】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXXI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。XXI型結晶は、テトラヒドロフランの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXI型結晶は、約6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XXI型結晶は更に、約10.8、18.3、22.4、23.3、及び25.6度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図19を参照のこと。
【0056】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXXII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.5重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約4重量%〜約8重量%である。XXII型結晶は、メタノールの溶媒和物(T.G.Aによる約4重量%〜約20重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXII型結晶は、X線粉末回折パターン又はFTIRのうちの少なくとも1つを特徴としうる。XXII型結晶は約10.6、12.1、17.8、19.4、及び21.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XXII型結晶は更に、約7.1、8.9、16.3、20.5及び24.0度2θ、それら±0.2度2θにおけるXRDピークによって同定されてよい。XXII型結晶のX線粉末回折ピークは図22に実質的に描かれている。XXII型結晶は、1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルを特徴とする。XXII型結晶のFTIRスペクトルは図23に実質的に描かれている。XXII型結晶の拡大したFTIRスペクトルは図24a〜cに実質的に描かれている。
【0057】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXXIII型結晶と規定した他のカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約0.2〜約0.4重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約5重量%〜約45重量%である。XXIII型結晶は、トルエン/メタノールの溶媒和物(T.G.Aによる約5重量%〜約45重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXIII型結晶は、X線粉末回折又はFTIRのうちの少なくとも1つに由来するデータを特徴としてよい。XXIII型結晶は、6.0、12.0、18.0、21.0、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンを特徴としうる。XXIII型結晶は更に、約10.3、16.3、19.8、21.6、及び23.1度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線回折ピークを更に特徴としてよい。XXIII型結晶のX線粉末回折パターンは、実質的に図25に描かれている。XXIII型結晶は1759、1727、1464、1438、及び1071cm-1に吸収バンドを有するFTIRスペクトルを特徴としうる。XXIII型結晶のFTIRは図26実質的に描かれている。XXIII型結晶の拡大FTIRは実質的に図27のa〜cに描かれている。
【0058】
本発明は多形上純粋なカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶をも包含する。用語「多形上純粋」とはカンデサルタンシレキセチル結晶が他の多形結晶を総重量の約5%未満含むことを意味する。好適に他の多形結晶はI型結晶である。
【0059】
本発明は平均粒子サイズ約500μm超、好適には約300μm超、そして一層好適には約200μm超を有するカンデサルタンシレキセチル多形を包含する。一層更に好適に、カンデサルタンシレキセチル多形は、約100μm超の平均粒子サイズ、そして最も好適には、約50μm超の平均粒子サイズを有する。
【0060】
用語「平均粒子サイズ」とは平均粒子直径を意味し、それは当業者に公知の任意の方法によって測定されてよい。例えば、以下の方法:ふるい、沈降、エレクトロゾーンセンシング(コールターカウンター)、顕微鏡、又は低角度光散乱(LALLS)が使用されてよい。
【0061】
本明細書中で開示されたサイズのカンデサルタンシレキセチルは当業界で周知の方法によって獲得されてよい(米国特許第4,151,273号、4,196,188号、4,302,446号、4,840,799号及び5,271,944号を参照のこと)。粒子サイズを下げる1つの慣用技術は、超微粉砕化による。超微粉砕化とは、粒子に対する力の適用を伴い、それによって粒子の破壊をもたらすことを含む方法である。かかる力は、粒子の高速での衝突によって適用されてよい。超微粉砕化は、例えば、粉砕によってかあるいはエアージェット粉砕装置によって行われてよい。
【0062】
本発明は、本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶を調製するための方法をも包含する。
【0063】
本発明の1つの実施態様において、カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法は、第2の結晶のカンデサルタンシレキセチルを獲得するために、第1の結晶のカンデサルタンシレキセチルを加熱することを含んで成る。この方法は更に、減圧下で加熱することを含んで成ってよい。好適に、温度は約100℃であり、そしてもし加熱が減圧下、例えば20mbarで行われていれば、この温度は約48℃〜約50℃である。表1には方法の変形を要約している。
【0064】
【表1】
【0065】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却せしめ;そして当該沈殿を回収することを含んで成る。任意に、この方法は更に、当該溶液を加熱することを含んで成る。任意に、当該産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させてよい。溶解段階で使用した溶媒、当該溶媒を加熱する温度、冷却温度、及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例3、4、9、15、20及び30は本発明の方法を説明する。溶媒としては、アセトン、アセトニトリル、ブタノール、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、又はテトラヒドロフラン(THF)の少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。第一の溶媒の量は、カンデサルタンシレキセチルを実質的に溶かすために十分であるべきだ。用語「実質的に溶けた」とは、本明細書中で使用される場合、約80%以上のカンデサルタンシレキセチルが解けていることを意味する。当業者は実験をほとんどしない又は全くしなくとも、溶媒の十分な量を容易に決定できる。
【0066】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かし、そしてこの混合物を加熱して溶液を形成させ;水を当該溶液に対して加え、当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却し;そして沈殿を回収することを含んで成る。この溶液に対して水を滴下して加えてよいかあるいはこの溶液を水へと注いでよく、この場合の水の温度は室温(20℃〜25℃)であってよいかあるいは氷浴で冷却されていてよい。任意に、この方法は更に、前記溶液を第二のある時間に渡り冷却する、又は沈殿を乾燥させる、1以上の段階を含んで成る。任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階で使用する溶媒;水を加える方法;溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例2、5、6、19、17及び28は本発明の方法を説明する。この溶媒には、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、又はテトラヒドロフラン(THF)のうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0067】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かし、そしてこの混合物を加熱して溶液を形成させ;第二の溶媒を当該溶液に対して加え、当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却し;そして当該沈殿を回収することを含んで成る。この溶液に対して第二の溶媒を滴下して加えてよい。任意に、この方法は更に、前記溶液をある時間に渡り加熱し;当該溶液を第二のある時間に渡り冷却し;当該沈殿を乾燥させる、1以上の段階を含んで成る。任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階で使用する溶媒;第二の溶媒を加える方法;溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例12、21〜24、及び29は本発明の方法を説明する。この前記第一の溶媒には、クロロホルム又はジクロロメタン(DCM)のうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらには限定されない。前記第二の溶媒には、アセトニトリル、ブタノール、シクロヘキサン、酢酸イソアミル、ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、又はトルエンのうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0068】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液に対して第二の溶媒を加え、当該溶液を第一冷却温度へと冷却せしめ;第三の溶媒を加え;当該溶液を第二の冷却温度に冷却して沈殿を形成させ;そして当該沈澱を回収することを含んで成る。この溶液に対して第二の溶媒及び第三の溶媒を滴下して加えてよい。任意に、前記方法は更に、沈殿を乾燥させることを含んで成りうる。この任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階並びに第二の段階及び第三の段階で使用する溶媒;第二の溶媒又は第三の溶媒を加える方法;第一冷却温度又は第二冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例17は本発明の方法を説明する。
【0069】
好適に、この前記第二の溶媒を、溶液を沈殿させる前に当該溶液に対して注いでいる。第二の溶媒又は第三の溶媒には、アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、又はトルエン少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0070】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶液中で沈殿が形成されるまで粉砕し、そして当該沈殿を加熱することを含んで成る。任意に、この方法は更に、溶液を加熱し;当該溶液を冷却し;又は当該沈殿を乾燥させることの少なくとも1つを含んで成る。この任意に乾燥段階は、産物を特異的温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。粉砕段階で使用する溶媒;当該溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例8及び14は本発明の方法を説明する。
【0071】
溶液を沈殿せしめることは、連続的又は段階的に行われてよい。例えば、冷却段階は、連続的に約20〜27℃で行われてよい。冷却段階は段階的に行われてもよく、最初に約25〜27℃で、そして約0℃〜5℃で行われてよい。段階的冷却の他の例は、溶液を最初の温度の約0〜5℃に至らせ、そして当該溶液を約25℃〜27℃の温度に至らせる。好適に、冷却段階は、溶液を撹拌しながら冷却することを含んで成る。
【0072】
この方法は更に、沈殿を乾燥させる段階を含んで成りうる。本発明の1つの実施態様において、乾燥は、沈殿を、当該沈殿回収のために使用したフィルター上で乾燥させることを含んで成る。本発明の他の実施態様において、沈殿を乾燥させることは、減圧下、例えば20mbar、約40〜50℃で一定の重量にするために行われてよい。沈殿を乾燥させることは、連続的又は段階的に行われてよい。
【0073】
以下は、本発明の各カンデサルタンシレキセチル結晶を調製するための方法である。
【0074】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。溶媒としては、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、アセトニトリル、又はそれらの混合物が挙げられうる。好適に、当該アルコールは、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、又はエタノールのうちの少なくとも1つである。好適に、エステルは酢酸エチルである。
【0075】
本明細書中で開示した他の溶媒を含め、前記溶媒の量は、カンデサルタンシレキセチルを溶かすために実質的に十分な量であるべきだ。用語「実質的に溶解した」とは、約80%以上のカンデサルタンシレキセチルが溶けていることを意味する。当業者は、実験を殆どしないかあるいは全くせずとも、溶媒の十分な量を容易に特定できる。
【0076】
溶液は、約45℃〜約70℃の温度に加熱されてよい。好適に、溶液は約50℃〜約64℃の温度で加熱されている。そしてまた好適に、溶媒がメタノールである場合、この溶液は還流温度で加熱されている。この溶液は、カンデサルタンシレキセチルの溶解を促すために加熱されている。
【0077】
この溶液は、沈殿を形成させるために、好適には室温で冷却されてよい。この溶液は、カンデサルタンシレキセチルを完全に溶かすために予め加熱されており、結晶化を起こすためには極端な冷却は不要であり、そして容易に溶解することにより生じる収率減少がない。物質が容易に溶解する場合、物質を適切に結晶化せしめて収率を高めるためにより低い温度へと冷却することが必須である。
【0078】
回収されたサルタンシレキセチルI型結晶は任意に、約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥されてよい。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、好適に約20mbar〜約30mbarの減圧下で乾燥させられてよい。
【0079】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;水と溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。好適に、前記アルコールは、メタノール、イソプロパノール、又はエタノールのうちの少なくとも1つである。好適に、ケトンはアセトンである。好適にアルキルアミドはジメチルホルミアミドである。
【0080】
この溶液は室温付近で維持されてよく、又はそれは加熱されてよい。この溶液は、好適に約45℃〜約80℃、そして一層好適には約50℃〜約75℃の温度で加熱されてよい。
【0081】
好適に、水は溶液に対して滴下して加えられてよい。溶媒がアセトンである場合、この溶液は好適に水中へと注がれている。この方法において、水がアンチ溶媒(anti−solvent)として使用されている。
【0082】
回収されたカンデサルタンシレキセチルI型結晶は任意に、約35℃〜約60℃、好適に、約40℃〜約50℃の温度で乾燥されている。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、又は約30mbarの圧力下で乾燥されてよい。
【0083】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を加熱することを含んで成る。VII型結晶又はVIII型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には約100℃の温度で加熱されてよい。VII型結晶又はIII型結晶は、約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0084】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−1、XXII又はXXIII型結晶のうちの少なくとも1つをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適に、前記アルコールはエタノールである。
【0085】
この溶液は任意に冷却されてよい。この溶液は、もし冷却されるなら、好適に約0℃〜約10℃、一層好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却されてよい。
【0086】
回収されたカンデサルタンシシレキセチルI型結晶は、任意に約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、好適には、約10mbar未満の圧力で乾燥させられてよい。
【0087】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、無水エタノール中でカンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−I、XXII、又はXXIII型結晶のスラリーを調製し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を当該スラリーから単離することを含んで成る。
【0088】
好適に、前記混合物は、約−20℃〜約20℃、一層好適には約−10℃〜約10℃の温度で冷却されてよい。
【0089】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルを水中で沈殿が形成されるまで粉砕し、そして当該沈殿からII型結晶を回収することを含んで成る。好適に、粉砕されたカンデサルタンシレキセチルはV型結晶である。粉砕は室温で行われてよい。沈殿はろ過によって回収されてよい。
【0090】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、ケトン又はテトラヒドロフランのうちの少なくとも1つである。好適に、前記ケトンはアセトンである。
【0091】
この溶液は任意に加熱されてよい。この溶液は、もし加熱されるなら、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には、約55℃〜約56℃の温度で冷却されてよい。
【0092】
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフランに溶かして溶液を形成させ;そして当該溶液を水と組み合わせて沈殿を形成させ;当該沈殿を単離し;そして当該沈殿を乾燥させカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を獲得することを含んで成る。
【0093】
この溶液は水と組み合わせる前に任意に加熱されてよい。この溶液は、もし加熱されるなら、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には、約55℃〜約56℃で冷却されてよい。
【0094】
この混合物は、水の添加後、任意に冷却されてよい。この混合物は、もし加熱されるなら、好適に約0℃〜約10℃、一層好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却されてよい。
【0095】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、一層好適には約50℃〜約52℃の温度で乾燥されてよい。好適に、この沈殿は、約50mbar未満の圧力の下、好適には約10mbarの圧力の下で乾燥されてよい。
【0096】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を乾燥させ約8.9%の重量減少にすることを含んで成る。
【0097】
好適に、III型結晶は、約40℃〜約60℃、一層好適には約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、III型結晶は、50mbar未満の圧力下、一層好適には約20mbarの圧力の下で乾燥させられている。
【0098】
本発明の他の実施形態は、カンデサルタンシレキセチルV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を乾燥させ約11%の重量減少することを含んで成る。
【0099】
好適に、III型結晶は約40℃〜約60℃、一層好適には、約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、III型結晶は約50mbar未満の圧力下、一層好適には約20mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0100】
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;ヘプタンと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0101】
この混合物はヘプタンの添加後に任意に冷却させられてよい。もし冷却されるなら、当該混合物は約−5℃〜約15℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度で冷却されている。
【0102】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を乾燥させることを含んで成る。
【0103】
好適に、VI型結晶は、一定重量にするために乾燥させられている。用語「一定重量」とは、カンデサルタンシレキセチル結晶の重量が、乾燥法の間に総重量の約3%を越えて変動しないだろうことを意味する。好適に、VI型結晶は、約40℃〜約60℃の温度、一層好適には約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。VI型結晶は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約20mbarの圧力下で行われている。
【0104】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル結晶をトルエン中で沈殿が形成される迄粉砕し、そして当該沈殿を回収することを含んで成る。粉砕は、上昇した温度で、好適には約40℃〜約60℃で、一層好適には約50℃で行われてよい。好適に、カンデサルタンシレキセチルは、約1時間に渡り約50℃の温度で粉砕されている。好適に、粉砕されたカンデサルタンシレキセチルはI型結晶である。
【0105】
そしてまた好適に、カンデサルタンシレキセチルは、約50℃〜約70℃の温度で、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で約24時間に渡り粉砕されている。
【0106】
沈殿は、ろ過によって回収されてよい。沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃〜約52℃の温度で乾燥させられてよい。好適に、沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0107】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;ブタノールと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0108】
前記混合物はブタノールの添加後に任意に冷却させられてよい。もし冷却されるなら、当該混合物は約−5℃〜約−20℃、一層好適には約−11℃〜約−14℃の温度で冷却されている。
【0109】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0110】
この溶液は、約50℃〜約70℃の温度で加熱されている。好適に、この溶液は約60℃〜約62℃の温度で加熱されている。
【0111】
この溶液は、カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させるために任意に冷却させられている。もし冷却されるなら、当該溶液は好適に室温へ、一層好適にはその後、約0℃〜約10℃、最も好適には、約4℃〜約6℃の温度で冷却されている。
【0112】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を溶媒の第一分量と組み合わせて第一混合物を形成させ;当該第一混合物を約10℃未満の温度で冷却し;当該溶媒の第二分量と当該第一混合物を組み合わせて第二混合物を形成させ;そして当該第二混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル、又はトルエンのうちの少なくとも1つである。
【0113】
好適に、溶媒の第一分量は、滴下して加えられている。
【0114】
好適に、前記第一混合物は、溶媒の第二分量を添加する前に、約−10℃〜約10℃、一層好適には、当該第一混合物は約0℃へ氷浴上で冷却されている。
【0115】
前記第二混合物は、溶媒の第二分量を添加した後に、好適に約−25℃〜約5℃、一層好適には、約−15℃〜約0℃の温度で冷却されている。
【0116】
前記沈殿は、任意に約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、前記沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0117】
カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0118】
好適に、前記トルエンは滴下して加えられている。前記混合物は、任意に、トルエンの添加後に、好適に約−25℃〜約5℃、一層好適に約−15℃〜約0℃の温度で冷却されてよい。
【0119】
前記沈殿は、任意に約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、前記沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0120】
カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を加熱することを含んで成る。X型結晶は約90℃〜約120℃、好適には、約100℃の温度で加熱されてよい。X型結晶は約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0121】
本発明の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水と組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0122】
好適に、水は滴下して加えられている。
【0123】
この溶液は、水が組み合わされる前に任意に加熱されてよい。もし加熱されるなら、この溶液は、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には約50℃の温度で加熱される。この混合物は、水の添加後に、好適には氷浴上で任意に冷却されてよい。
【0124】
この沈殿は、約35℃〜約50℃、好適には約40℃〜約45℃の温度で乾燥させられてよい。この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、好適には、約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0125】
カンデサルタンシレキセチルX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0126】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を溶媒と組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、ヘプタン、シクロヘキサン、又はtert−ブチルメチルエーテルのうちの少なくとも1つである。
【0127】
好適に、前記溶媒は、滴下して加えられている。この混合物は、前記溶媒の添加後に、好適には約−10℃〜約10℃の温度で、一層好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0128】
前記沈殿は任意に、約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられてよい。好適に、この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0129】
カンデサルタンシレキセチルXI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をシクロヘキサンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0130】
好適に、前記シクロヘキサンは、滴下して加えられている。この混合物は、シクロヘキサンの添加後に、好適には約−10℃〜約10℃の温度で、一層好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0131】
前記沈殿は任意に、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0132】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を酢酸イソアミルと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0133】
好適に、前記酢酸イソアミルは、滴下して加えられている。この混合物は、前記酢酸イソアミルの添加後に、そして好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0134】
前記沈殿は任意に、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。好適に、この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0135】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0136】
好適に、前記トルエンは、滴下して加えられている。任意に、当該トルエンは2つに小分けして加えられてよく、ここで当該混合物は、トルエンの第一分量を加えた後に、好適に氷浴において冷却され、しかる後に第二分量の添加が続く。この混合物は、XIV型結晶を沈殿させるために、−20℃〜0℃の温度で、一層好適には−10℃で、任意に冷却させられてよい。好適に、前記沈殿は、ろ過によって乾燥させられている。
【0137】
カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XIV型結晶をC1〜C4アルコール中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0138】
カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へとカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換させられてもよい。
【0139】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIV−I型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又はその両方中で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護してカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0140】
濃縮は蒸発によって行われてよい。蒸発は、約50℃〜約70℃の温度で、一層好適には約60℃の温度で行われてよい。蒸発は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で行われてよい。残留物は粘性油の形態であってよい。
【0141】
任意に、水はトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液に対して加えられてよい。好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチル溶液を調製するために使用されるトルエン又はジクロロメタンは、トルエンである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に前記第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコール及び第二のC1〜C4アルコールは同じであり、好適にはメタノールである。好適に、前記酸は、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、臭化水素酸と酢酸の混合物、及び塩化水素酸と硫酸の混合物からなる群から選択されている。一層好適に、前記酸はギ酸である。
【0142】
好適に、反応時間は約10時間以上である。反応時間は、反応の進行及び/又は完了をHPLCによってモニタリングすることにより容易に決定されてよい。
【0143】
好適に、残留物を溶解させた後、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、当該混合物を約0℃〜約10℃、好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却させることによって沈殿させられている。
【0144】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XIV−1型結晶をC1〜C4アルコールへと溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0145】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換されてもよい。
【0146】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて沈殿を形成し;当該沈殿を単離し;そして当該沈殿を乾燥させカンデサルタンシレキセチルXV型結晶を回収することを含んで成る。
【0147】
好適に、前記アセトニトリルは、滴下して加えられている。この混合物はアセトニトリルの添加後、好適には氷浴において沈殿が形成される迄、任意に冷却されてよい。
【0148】
好適に、沈殿は約40℃〜約60℃、一層好適には約45℃の温度で乾燥させられている。好適に、当該沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0149】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を加熱することを含んで成る。VI型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には約100℃の温度で加熱されてよい。VI型結晶は約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0150】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶又はXV型結晶を加熱することを含んで成る。XIII型結晶又はXV型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には100℃の温度で加熱されてよい。XIII型結晶又はXV型結晶は、約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0151】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフランに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水へと注いで混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0152】
この溶液は、水に対して注がれる前に任意に加熱されてよい。当該溶液は、もし加熱されるなら、好適に約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で加熱されてよい。
【0153】
前記水は、約−10℃〜約10℃、一層好適には約5℃でありうる。混合物は水の添加の後に、好適には約−5℃〜約10℃、一層好適には約5℃〜約7℃の温度で任意に冷却されてよい。
【0154】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをアセトニトリルに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水に注いで混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0155】
この溶液は、水に対して注がれる前に任意に加熱されてよい。もし加熱されるなら、当該溶液は、好適に約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約64℃の温度で加熱されてよい。
【0156】
水は約−10℃〜約10℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度であってよい。混合物は、水の添加後に、好適には約−10℃〜約10℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度で任意に冷却されてよい。
【0157】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0158】
好適に、アセトニトリルは滴下して加えられている。当該混合物は、アセトニトリルの添加の後、好適には氷浴中で、沈殿が形成される迄任意に冷却されてよい。好適に、沈殿物はろ過によって回収されている。
【0159】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0160】
好適に、カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶は、約7日以上後に、一層好適には約3週後に沈殿せられてよい。
【0161】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、粗製のカンデサルタンを、約45℃以上の温度でC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;そしてカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適に、前記アルコールはメタノールである。
【0162】
好適に、この溶液は約50℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で加熱されている。
【0163】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、当該溶液を、好適には約−10℃〜約20℃の温度で、一層好適には−5℃〜約5℃の温度で、約6時間〜約16時間に渡り、好適には16時間に渡り、沈殿が形成される迄冷却することによって沈殿させられてよい。
【0164】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で任意に乾燥させられてよい。好適に、当該沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には、約10mbarの圧力下で乾燥させられていてよい。
【0165】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXII型結晶をC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0166】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を当該スラリーから単離することによって転換されてよい。
【0167】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール及び水の中で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;トルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと当該残留物を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0168】
好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチル溶液を調製するために使用されるトルエン又はジクロロメタンはトルエンである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に前記第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に、第一のC1〜C4アルコール及び第二のC1〜C4アルコールは同じであり、一層好適にはメタノールである。好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液は、還流温度で約2.5〜約6時間に渡り、好適には約3時間に渡り維持されている。
【0169】
濃縮は蒸発によって行われてよい。蒸発は、約30℃〜約60℃、一層好適には約45℃で行われてよい。蒸発は、約100mbar未満の圧力下、一層好適には約90mbarの圧力下で行われてよい。残留物は粘性油の形態にあってよい。
【0170】
好適に、前記残留物は、ジクロロメタン又はトルエンの第二分量及び第二のC1〜C4アルコールと約45℃〜約55℃、一層好適には約50℃の温度で組み合わされている。生じる混合物は、約35℃〜約45℃の温度で任意に冷却されてよく;そして更に−15℃〜約15℃、好適には約−5℃〜約5℃の温度で約1〜12時間に渡り、沈殿が形成される迄冷却されてよい。任意に、この混合物には、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を獲得するためにカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶が播種されてよい。
【0171】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で任意に乾燥させられてよい。この沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、好適には約10mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0172】
カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXIII型結晶をC1〜C4アルコール中で溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換させられてよい。
【0173】
カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXIII型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換させられてよい。
【0174】
本発明の他の実施態様は、非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII、V、IX、XI又はXIV型結晶を約100℃で約13時間に渡り加熱することを含んで成る。
【0175】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル結晶をジオキサン中で調製して溶液を形成させ;当該溶液を水中へ注いで混合物を形成させ;そして当該混合物から非晶質カンデサルタンシレキセチルを沈殿させることを含んで成る。
【0176】
好適に、この溶液は、約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で加熱されている。好適に、溶液を水へと注いだ後、生じる混合物を撹拌して冷却している。好適に、この混合物を約−15℃〜約15℃、一層好適には約−10℃〜約0℃の温度で冷却している。
【0177】
本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶は、医薬組成物の形態において使用されてよい。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチルを組み合わせることによって調製した医薬組成物を包含する。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチルを含んで成る医薬組成物をも包含する。他の実施態様において、本発明は、本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶と1以上の医薬的に許容できる賦形剤を組み合わせることを含んで成る、医薬組成物を調製する方法をも包含する。
【0178】
本発明は更に、循環系の疾患を治療するための方法であって、治療上有効な量の本発明の組成物を必要とするホニュウ動物に対して投与することを含んで成る方法をも包含する。
【0179】
医薬組成物は1以上の希釈剤又は賦形剤の例えば、担体、充填剤、バルキング剤、結合剤、湿潤剤、錠剤分解促進剤、界面活性剤、潤滑剤などが挙げられる。当業界で共通する公知且つ幅広く使用されている全ての賦形剤が医薬組成物中で使用されてよい。担体としては、限定されないが、ラクトース、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶性セルロース、及びケイ酸が挙げられるがそれらに限定はされない。結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、シンプルシロップ(simple syrup)、グルコース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシルメチルセルロース、シェラク(shelac)、メチルセルロース、リン酸カリウム、及びポリビニルピロリドンが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤分解促進物質としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、アガー粉末、ラミナリア粉末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸のモノグリセリド、デンプン、及びラクトースが挙げられるがそれらに限定されない。分解促進阻害物質としては、白糖、ステアリン、ココナッツバター、及び水素化された油が挙げられるがそれらに限定されない。吸収促進剤としては、第四アンモニウム塩基、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるがそれらに限定されない。湿潤剤としては、グリセリン及びデンプンが挙げられるがそれらに限定されない。吸収剤としては、デンプン、ラクトース、カオリン、ベントナイト、及びコロイド状ケイ酸が挙げられるがそれらに限定されない。使用される流動促進剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、シュウ酸粉末、及びポリエチレングリコールが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤は更に、共通の公知のコーティング物質でコーティングされてよく、例えば、糖コーティングした錠剤、ゼラチンフィルムでコーティングした錠剤、腸溶性コーティングした錠剤、フィルムコーティングした錠剤、二層錠剤、及び多層錠剤が挙げられる。
【0180】
本発明の1つの実施態様は、医薬組成物を調製する方法に向けられており、当該方法は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明によって包含された結晶のいずれかを組み合わせることを含んで成る。様々な型の投与形態がこの方法から、治療目的に応じて調製されてよく、それは例えば、錠剤、ピル、粉末、液体、溶液、懸濁、エマルション、顆粒、カプセル、座薬、注射調製物(溶液及び懸濁)などである。
【0181】
医薬組成物を錠剤化する場合、当業界で共通する公知の全ての賦形剤が使用されてよい。例えば、担体としては、ラクトース、デンプン、ココナッツバター、硬化植物油、カオリン及びタルクなどが挙げられるがそれらに限定されない。結合剤としては、アラビアガム粉末、トラガカントガム粉末、ゼラチン、及びエタノールが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤分解促進物質としては、アガー、及びラミナリアが挙げられるがそれに限定されない。
【0182】
医薬組成物を座薬の形状にするために、当業界で共通する公知の全ての賦形剤が使用されてよい。例えば、賦形剤としては、ポリエチレングリコール、ココナッツバター、高級アルコール、高級アルコールのエステル、ゼラチン、及び合成グリセリドが挙げられるがそれらに限定されない。
【0183】
注射可能医薬組成物を調製する場合、溶液及び懸濁は滅菌され、そして好適に血液に対して等張であるように調製される。注射製剤は、当業界で共通して使用される担体を使用してよい。例えば、注射可能調製物のための担体としては、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシイソステアリルアルコール、ポリオキシイソステアリル、及びポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステルが挙げられるがそれらに限定されない。当業者は、実験を殆どしない又は全くしなくとも、注射可能調製物を等張にするために必要な塩化ナトリウム、グルコース、又はグリセリンの量を容易に決定できるだろう。更なる成分の例えば、可溶化剤、緩衝剤、及び鎮痛剤も加えられてよい。もし必要なら、着色剤、防腐剤、香料、調味料、甘味剤、及び他の医薬も、循環系の疾患を治療する間に所望の調製物に対して加えられてよい。
【0184】
本発明の循環系の疾患を治療するための医薬組成物を投与する方法は、特に限定されてはおらず、年齢、性別、及び患者の症状に依存して、様々な調製物において投与されてよい。例えば、錠剤、ピル、溶液、懸濁、エマルション、顆粒及びカプセルが経口的に投与されてよい。注射製剤は、個々に又は注射輸液の例えば、グルコース溶液及びアミノ酸溶液と混合されて静脈内に投与されてよい。もし必要であれば、注射調製物は、単独で筋内に、皮内に、皮下又は腹膜内に投与されてよい。座薬は直腸に対して投与されてよい。
【0185】
循環系を治療するための医薬組成物中に含まれた治療上有効な量のカンデサルタンシレキセチルは、循環系に関連した症状を治療、改善、又は軽減するために十分な用量であるべきだ。本発明の、循環系疾患を治療するための医薬組成物の投与量は、使用の方法、年齢、性別、及び患者の状態に依存するだろう。典型的に、約4mg〜32mgのカンデサルタンシレキセチルが投与形態単位に含まれていてよい。
【0186】
本発明は初手の好適な実施態様を参照に記載されているが、他の実施態様も、当業者には、本明細書を考慮することで明らかだろう。本発明は、多形結晶及びそれらを調製するための方法を詳細に記載した下の実施例を参照することによって更に特定されるだろう。当業者には、材料と方法の両方に対する変更が本発明の範囲を逸脱することなく行われてよいことが明らかだろう。
【実施例】
【0187】
実施例
カンデサルタンシレキセチル結晶をScintagX線粉末回折計モデルX’TRA、Cu−管固体状態検出器を使用して同定した。サンプルホルダーは丸い標準的なアルミニウムサンプルホルダーであり、25(直径)×0.5mm(深さ)のキャビティーを伴うラフゼロバックグランド石英プレートを伴っていた。走査パラメーターは範囲:2〜40であり、ある場合は2〜30度2θ;走査モード:連続走査;段階サイズ:0.05度;及び3度/分の速度であった。
【0188】
典型的に、熱重量分析(TGA)によって乾燥減量(L.O.D.)を測定するために、試料を約25℃〜200℃へ、加熱速度約10℃/分で、窒素ガスを流速40ml/分でパージングしながら加熱した。
【0189】
実施例1:非晶質カンデサルタンシレキセチルの調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(0.5g)をガラス容器に置き、そして静電オーブン(static oven)中、約100℃で約13時間に渡り加熱し、非晶質カンデサルタンシレキセチルを獲得した。この方法を、V、IX、XI及びXIV型結晶でも行い、非晶質カンデサルタンシレキセチルを獲得した。
【0190】
実施例2:非晶質カンデサルタンシレキセチルの調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をジオキサン(15.5g)に溶かして約60℃〜62℃の温度に加熱し、溶液を形成させた。溶液を水(50g、約20℃〜25℃)に対して注いだ場合、粘性の塊として固体が形成された。その後、この溶液を撹拌して最初に約5℃〜7℃に約30分に渡り冷却し、そして−10℃〜0℃に約30分に渡り冷却し、当該溶液内で沈殿を形成させた。沈殿をろ過にとって回収し、そしてフィルター上で約2時間に渡り乾燥させ、そして湿った非晶質形態(7g)を獲得した。湿った非晶質形態の一部(4.63g)を減圧、20mbar下、約50℃〜52℃で2時間に渡り乾燥させ、非晶質形態(3.41g)を獲得した。
【0191】
実施例3:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をブタノール(64.7g)中にアルゴンの下で溶かし、そして約62℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を20℃〜25℃に冷却して約12時間に渡り撹拌し、その後沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収して(湿った)I型結晶を獲得した。
【0192】
実施例4:カンデサルタンシレキセチル形態Iの調製
実施例3の手順を様々な溶媒及び温度を使用して繰り返した。一般に、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を溶媒中に溶かして、当該混合物をある温度に加熱して溶液を形成させ、当該溶液を約20℃〜25℃の温度に冷却し、そして当該温度を沈殿が形成されるまで(時間)維持し、当該沈殿をろ過によって回収し、そして沈殿を乾燥させた。任意に、もし必要なら、任意に当該沈殿を洗浄してもよい。結果を表1にまとめている。
【0193】
【表2】
【0194】
実施例5:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を溶媒中に溶かして、溶液を形成させた。水を当該溶液に対して沈殿が形成されるまで滴下して加えた。この溶液を約20℃〜25℃に冷却して撹拌した(時間1)。その後、この溶液を氷水で約0℃に冷却して撹拌した(時間2)。沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)で乾燥させ、I型結晶を獲得した。任意に、もし必要なら、任意に当該沈殿を、乾燥前に洗浄(20ml)してもよい。結果を表2にまとめている。
【0195】
【表3】
【0196】
実施例6:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアセトン中に溶かして62℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を水(50g、約20℃〜25℃)に注いで沈殿を形成させた。この溶液を30分に渡り撹拌して粘性の塊を獲得し、次いで約30分に渡り0℃に冷却した。この沈殿をろ過によって回収し、そしてフィルター上で約0.5〜1時間に渡り乾燥させ、湿試料I型結晶を獲得した。それを20mbar、50℃〜52℃で乾燥させて一定重量にし、I型結晶を獲得した。
【0197】
実施例7:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルI型結晶を獲得した。この方法をVIII型結晶でも行った。
【0198】
実施例8:カンデサルタンシレキセチルII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルV型結晶(3.26g)を約20℃〜約25℃で24時間に渡り水(60g)で破砕して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収してフィルター上で約30分に渡り乾燥させ、II型結晶を獲得した。
【0199】
実施例9:カンデサルタンシレキセチルIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下で溶媒中に溶かして55℃〜56℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液をろ過して、約25℃〜27℃へ冷却し、そして約2時間に渡り撹拌し、その時間の間に沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収し、洗浄して、フィルター上約15分に渡り乾燥させ、III型結晶を獲得した。溶媒がアセトンである場合(17.4g)、第一の冷却後に、溶液を約0℃〜5℃で約1時間に渡り撹拌した。この方法によりIII型結晶(5.35g)を獲得した。溶媒がTHF(7g)である場合、この方法によりIII型結晶(4.7g)を獲得した。
【0200】
この方法をTHFで繰り返したが、水(5g)を溶液に対して加えて当該溶液を撹拌しながら最初に約1時間に渡り約20℃〜25℃に冷却し、次いで約5℃〜7℃に冷却し、そしてその後約44時間に渡り4℃〜8℃に冷却した。沈殿が形成され、そしてそれをろ過によって回収し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてII型結晶及びIII型結晶を獲得した。沈殿混合物を減圧下(10mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させIII型結晶を獲得した。
【0201】
実施例10:カンデサルタンシレキセチルIV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(1.78g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約30分)、IV型結晶(1.62g)を獲得した。
【0202】
実施例11:カンデサルタンシレキセチルV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(2.09g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約1時間)、V型結晶(1.86g)を獲得した。
【0203】
実施例12:カンデサルタンシレキセチルVI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下でDCM(6.6ml)中に溶かして約20℃〜25℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液に対してヘプタン(9ml)を徐々に加えて、この溶液を約0℃〜5℃に冷却し、そして約15分に渡り沈殿が形成されるまで撹拌した。この溶液を約25℃〜27℃に加温した。沈殿をろ過によって回収し、ヘプタン(10ml)で洗浄し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてVI型結晶を獲得した。
【0204】
実施例13:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶(2.05g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約1時間)、VII型結晶(1.90g)を獲得した。
【0205】
実施例14:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をトルエン(30ml)により50℃で1時間に渡り粉砕した。懸濁を約20℃〜約25℃に冷却して沈殿を形成した。この沈殿をろ過によって回収し、フィルター上で約30分に渡り乾燥させ、VII型結晶を獲得した。
【0206】
この手順を、I型結晶をトルエン(50ml)中で溶かし、そして約60℃〜62℃に約24時間に渡り加熱することによって繰り返した。沈殿を回収してフィルター上で乾燥させて湿VII型結晶(4.26g)を獲得した。湿VII型結晶(1.73g)の一部分を減圧下(30mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させて一定重量にし、乾燥VII型結晶(1.73g)を獲得した。
【0207】
実施例15:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(1g)をDCM(1.9g)中に約20℃〜25℃で溶かして、溶液を形成させ、しかる後にブタノール(8.1g)を添加した。この溶液を約−11℃〜−14℃で6日に渡り沈殿が形成される迄維持した。この沈殿をろ過(約5時間)によって回収し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてVII型結晶を獲得した。
【0208】
実施例16:カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下MEK(21.1g)中に溶かして約60℃〜約62℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液をろ過し、最初に約25℃〜27℃に冷却せしめ、そして約4℃〜6℃へと48時間に渡り冷却し、その後沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収してフィルター上約30分に渡り乾燥させてVIII型結晶(2.88g)を獲得した。
【0209】
実施例17:カンデサルタンシレキセチルIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を第一の溶媒中に溶かして溶液を形成させ、そして第二の溶媒を約25℃で滴下して加えた。この溶液を0℃に氷浴中で冷却し、第三の溶媒を加えた。この溶液を沈殿が形成される迄冷却した。沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)で乾燥させてIX型結晶を獲得した。結果を下の表3にまとめている。
【0210】
【表4】
【0211】
実施例18:カンデサルタンシレキセチルIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルX型結晶(0.5g)をガラス容器中において静電オーブン中約100℃で13時間に渡り加熱し、カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を獲得した。
【0212】
実施例19:カンデサルタンシレキセチルX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をジオキサン(25ml)中に溶かして、約50℃へと加熱し、そしてこの溶液に対して水(15ml)を沈殿が形成され始める迄滴下して加えた。この溶液を撹拌し、そして冷却して約30分に渡り約25℃にし、そして氷水で冷却して約1時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上水(10ml)で洗浄し、減圧下(30mbar)、40℃〜45℃で約2時間に渡り乾燥させ、X型結晶を獲得した。
【0213】
実施例20:カンデサルタンシレキセチルX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させた。この溶液を20℃〜25℃で約1〜3週に渡り維持して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、そしてフィルター上で乾燥させてX型結晶を獲得した。カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(2g)から、25℃で1週間後、X型結晶が収率65.5%においてもたらされた。3週に渡り放置した場合、ジオキサン(25.4g)中、カンデサルタンシレキセチル(4g)からX型結晶(2.87g)がもたらされた。
【0214】
実施例21:カンデサルタンシレキセチルXI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を第一の溶媒中に溶かして第二の溶媒をこの溶液に対して25℃で滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)、50℃で乾燥させてXI型結晶を獲得した。結果を下の表4にまとめている。
【0215】
【表5】
【0216】
実施例22:カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(2.5g)を約25℃でDCM(3.5ml)に溶かして溶液を形成させ、そして酢酸イソアミル(35ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却し、そして約3時間に渡り撹拌して沈殿を獲得した。この沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)、50℃で約7.5時間に渡り乾燥させ、XIII型結晶を獲得した。
【0217】
実施例23:カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を約25℃でDCM(6.6ml)に溶かして溶液を形成させ、そしてトルエン(15ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却し、そしてトルエン(3ml)を沈殿が形成される迄序々に加えた。この溶液を約−10℃で約2時間に渡り冷却した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上トルエン(5ml)で洗浄し、そして当該フィルター上約30分に渡り乾燥させてXIV型結晶を獲得した。
【0218】
実施例24:結晶化によるXIV型結晶からのI型結晶の調製
XIV型結晶(43.75g 湿)を無水エタノール中(215〜363mL、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクターに戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、冷無水エタノール(23〜35mL)で洗浄して50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0219】
実施例25:再スラリー化によるXIV型結晶からのI型結晶の調製
XIV型結晶(乾燥ベースで40g、L.O.D.<15%)を、無水エタノール(244ml、6ml/g)中25℃で1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃に冷却して、この温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(80ml)で洗浄し、そして50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0220】
実施例26:カンデサルタンシレキセチルXV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル結晶(C)(5g)をクロロホルム(7.5ml)に25℃で溶かして溶液を形成させ、そしてアセトニトリル(55ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で沈殿が形成され始まる迄冷却した。この溶液を約2時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収して、フィルター上で冷アセトニトリル(5ml)で洗浄し、減圧下(30mbar)、45℃で約1時間に渡り撹拌し、XV型結晶(3.7g)を獲得した。
【0221】
実施例27:カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中、約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルXVI型結晶を獲得した。
【0222】
実施例28:カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中、約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルXVII型結晶を獲得した。この手順をXV型結晶でも行った。
【0223】
実施例29:カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をTHF(8.9g)中に溶かして約60℃〜62℃に加熱し溶液を形成させた。この溶液を冷水(50g、約5℃)へと注いで沈殿を形成した。この溶液を約5℃〜7℃に冷却して約1時間に渡り撹拌した。この沈殿をろ過により回収してフィルター上で約30分に渡り乾燥させ、XVIII型結晶を獲得した。
【0224】
実施例30:カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をアセトニトリル(86.5g)中に溶かし、そして約60℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を冷水(250g、約0℃〜5℃)に対して注いで沈殿を形成させた。この溶液を0℃〜5℃で約1時間に渡り撹拌した。この沈殿をろ過によって回収して、フィルター上、約30分に渡り乾燥させ、湿XIX型結晶(5.83g)を獲得した。湿XIX型結晶(3.16g)の一部を減圧下(20mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させ、一定重量にしてXIX型結晶(2.63g)を獲得した。
【0225】
実施例31:カンデサルタンシレキセチルXX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をクロロホルム(7.5ml)中に約25℃で溶かし、溶液を形成させ、そしてアセトニトリル(55ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で沈殿が形成され始まるまで冷やし、そしてこの溶液を約2時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上、冷アセトニトリル(5ml)で洗浄し、XX型結晶を獲得した。
【0226】
実施例32:カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(2g)をTHF(5.2g)中に20℃〜25℃で溶かして溶液を形成させた。この溶液をろ過して約3週に渡り20℃〜25℃で維持し、沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、フィルター上で30分に渡り乾燥させ、XXI型結晶(2.12g)を獲得した。
【0227】
実施例33:カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の調製
粗製のカンデサルタン(31g)をメタノール(198ml)中に50℃で溶かし、この溶液をろ過してリアクターに戻し、この溶液を−5℃〜5℃に冷却して、約16時間に渡りこの温度で維持し、固体をろ過によって回収し、そして冷メタノール(18.6ml)で洗浄してXXII型結晶を獲得し、それを50℃、10mbarで、一定重量になる迄乾燥させてXXII型結晶(25.4g、81.1%)を獲得した。
【0228】
本明細書中で使用している場合、「粗製のカンデサルタン」とは、微量のトルエンを含有するカンデサルタンを意味し、ここでトルエンは、当業者が、不純物であると認識するだろう量で存在している。
【0229】
実施例34:結晶化によるXXII型結晶からのI型結晶の調製
XXII型結晶(25g、湿)を無水エタノール(90〜280ml、5〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクター中に戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(20〜35ml)で洗浄して、白色固体を獲得し、それを50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0230】
実施例35:再スラリー化によるXXII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(乾燥ベースで20g、L.O.D.<15%)を無水エタノール(100ml、5ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(20ml)で洗浄し、I型結晶を獲得した。
【0231】
実施例36:カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCS、350g、410.3mmol)、トルエン(1050ml)、メタノール(2100ml)、及び(17.5ml)を約3時間に渡り還流させた(HPLCコントロール)。この溶媒を45℃、90mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得し、残留物を50℃で、トルエン/メタノール(1041g、95:5w/w)の混合物に溶かして1391gの透明な溶液を獲得した。
【0232】
230gのこの溶液を冷却して約35℃〜約45℃にして、次いでCNS結晶無水物を播種した。混合物を−5℃〜5℃の温度に冷却して;この溶液をこの温度で1時間に渡り維持し;沈殿した固体をろ過によって回収し、トルエンとメタノールの冷混合物(35ml、95:5w/w)で洗浄し、XXIII型結晶を獲得し、それを50℃、10mbarで重量が一定になる迄乾燥させ、白色固体(33.66g、89.1%)XXIII型結晶を獲得した。
【0233】
実施例37:結晶化によるXXIII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(33g、湿)を無水エタノール(170〜280ml、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクター中に戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(20〜35ml)で洗浄して、それを50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0234】
実施例38:再スラリー化によるXXIII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(乾燥ベースで40g、L.O.D.<15%)を無水エタノール(241ml、6ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(40ml)で洗浄し、50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0235】
実施例39:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及び水(1.6ml)を約13時間に渡り還流させた(HPLCコントロール)、そしてこの溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得した。
【0236】
残留物の一部(10.4g)を50℃で、トルエン/メタノール(20.8g、9:1、w/w)の混合物に溶かした。この溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持し、沈殿した固体をろ過し、フィルター上、トルエン/メタノールの混合物(5.0g、9:1w/w)でろ過し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(5.5g、78.6%)としてXIV−1型結晶を獲得した。
【0237】
実施例40:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及びギ酸(1.6g)を約10時間に渡り還流させ(HPLCコントロール)、この溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得した。
【0238】
この残留物を、トルエン/メタノール(73.0g、9:1w/w)の混合物に溶かしてこの溶液を4〜8℃で約22時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過し、フィルター上トルエン/メタノールの冷混合物(15.0g、9:1w/w)で洗浄し、そして50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(16.9g、78.6%)としてXIV−1型結晶を獲得した。
【0239】
実施例41:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及びギ酸(1.6g)及び水(0.63g)の溶液を約10時間に渡り還流させ(HPLCコントロール)、この溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油(約31g、カンデサルタンの理論上の収率は21.47g)として獲得した。
【0240】
残留物の一部(10.8g)を50℃で、トルエン/メタノール(21.6g、8:2、w/w)の混合物に溶かしてこの溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、フィルター上トルエン/メタノールの混合物(5.0g、8:2w/w)の混合物で洗浄し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(4.7g、63.0%)、HPLCによる純度97.66%のXIV−1型結晶を獲得した。
【0241】
残留物の一部(10.1g)を50℃で、トルエン/メタノール(20.2g、7.5:2.5w/w)の混合物に溶かし、この溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持し、この後−11℃〜−13℃で約6時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過し、フィルター上トルエン/メタノールの混合物(5.0g、7.5:2.5w/w)の混合物で洗浄し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(4.8g、67.0%)のXIV−1型結晶を獲得した。
【0242】
実施例42:結晶化によるXIV−1型結晶からのI型結晶の調製
XXV−1型結晶(35g、湿)を無水エタノール(170〜280ml、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液を−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(23〜35ml)で洗浄して、そして50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0243】
実施例43:再スラリー化によるXIV−1型結晶からのI型結晶の調製
XIV−1型結晶(乾燥ベースで445g、L.O.D.<17%)を無水エタノール(2670ml、6ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、冷無水エタノール(450ml)で洗浄し、そして50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしI型結晶を獲得した。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2005年2月11日に提出されたPCT国際出願(番号未定);2005年2月11日に提出された米国特許出願(番号未定)の優先権を主張し;そして本願は、2004年2月11日に提出された米国仮出願第60/544,131号;2004年5月19日に提出された第60/572,672号;2004年8月3日に提出された第60/607,180号;及び2004年8月28日に提出された第60/613,698号の優先権を主張し;その内容の全ては本明細書中参照によって組み込まれている。
【0002】
発明の分野
本発明は、カンデサルタンシレキセチルの多形及びそれらを調製するための方法に関連する。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と1以上の本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製された医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
カンデサルタンは、長期に渡り作用する、有力な、選択的AT1サブタイプアンジオテンシンIIレセプターアンタゴニストである。カンデサルタンは、とりわけ、循環系の疾患の例えば、高血圧疾患、心臓疾患(例えば、心臓肥大、心機能障害、心筋梗塞など)、動悸、脳出血、及び腎炎などを治療するための有用な治療剤である。カンデサルタンには高い効能があることが求められるが、経口的に投与された場合、吸収されるに乏しい。それ故に、プロドラッグカンデサルタンシレキセチルが開発された。カンデサルタンシレキセチルは、胃腸管からの吸収の間に迅速且つ完全にカンデサルタンへと加水分解される。カンデサルタンの化学名は:2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸である。カンデサルタンシレキセチルの化学名は:(±)−1−[[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ]エチル−2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)[1,1’ビフェニル]−4−イル]メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシレートである。カンデサルタンシレキセチルは白〜オフホワイトの粉末であり、そして驚くほど水及びエタノールに可溶性である。カンデサルタンシレキセチルは、分子のエステル部分に不斉中心を含み、ラセミ混合物として売られている。
【0004】
【化1】
【0005】
アンジオテンシンIIは、アンジオテンシン転換酵素(ACE、キナーゼII)によって触媒される反応においてアンジオテンシンIから形成される。アンジオテンシンIIは、レニン−アンジオテンシン系の主要な抑制因子であり、血管収縮、アルドステロンの合成と放出の刺激、心臓刺激、及びナトリウムの腎再吸収などの効果を伴う。アンジオテンシンIIは、ある人が水分吸収、ナトリウム摂取の状態における変動及び他の生理的変化にあるにもかかわらず血圧を一定に保つのを助ける。アンジオテンシンIIは、ナトリウムの腎臓による排出を抑制すること、ノルフェドリン再吸収を抑制すること及びアルドステロン生合成を刺激することなど調節の仕事をもする。カンデサルタンは、多くの組織、例えば、心臓平滑筋及び副腎において、アンジオテンシンIIがAT1レセプターに対して結合することを選択的に遮断することによって、アンジオテンシンIIの血管収縮及びアルドステロン分泌効果を遮断する。カンデサルタンは、AT1レセプターに対して結合するアンジオテンシンIIを抑制することによって、AT1レセプターが介在する血管収縮を中断させる。アンジオテンシンIIによって血管収縮を遮断させることは、高血圧を伴う患者に対して有利であることが発見されてきた。米国食品医薬局は、カンデサルタンを高血圧の治療のために単独でかあるいは他の抗高血圧剤との組み合わせにおいて承認している。
【0006】
米国特許第5,196,444号は、カンデサルタンシレキセチルの1つの結晶形態のC型結晶(I型結晶)に関連する。この特許は、エステル化を可能にする酸性条件下でI型結晶を生産するための方法にも関連する。
【0007】
カンデサルタンシレキセチルの治療効果は、製品へのより一層効率的な合成経路に対する要請、並びにカンデサルタンシレキセチルを、精製法のコストもしくは時間を増やしうる更なる化合物のロスもしくは余分な生成段階を伴わずに、高収率且つ高純度で提供する精製法に対する要請を生み出す。従って、この要請に応じるために、本発明は、新規カンデサルタンシレキセチル多形及びカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法を供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮出願第60/544,131号
【特許文献2】米国仮出願第60/572,672号
【特許文献3】米国仮出願第60/607,180号
【特許文献4】米国仮出願第60/613,698号
【特許文献5】米国特許第5,196,444号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
本発明は、結晶質カンデサルタンシレキセチル溶媒和物を包含する。
【0010】
前記カンデサルタンシレキセチルは、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、クロロホルム/アセトニトリル、メタノール又はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよい。
【0011】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、
カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かしてある溶液を形成させ;
当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈澱させる、
ことを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。
【0012】
好適な溶媒は、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。好適に、段階(b)の溶液は、約45℃〜約70℃の温度で、そして一層好適には還流温度で加熱されている。この方法は、更にカンデサルタンシレキセチルを約35℃〜約60℃の温度で乾燥させることを含んで成る。
【0013】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、
カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かしてある溶液を形成させ;
当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
ことを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。
【0014】
好適な溶媒は、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、又はアセトニトリルである。好適に、水を当該溶液に対して滴下して加えている。この方法は更に、当該溶液を、水と組み合わせる前に、約45℃以上の温度で加熱することを含んで成る。
【0015】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る。
【0016】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル形XIV、XIV−1、XXII、又はXXIIIの少なくとも1つをC1〜C4アルコール中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0017】
好適なアルコールはエタノールである。好適に、この溶液を、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させるために、約0℃〜約10℃の温度で冷却している。
【0018】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−I、XXII、又はXXIII型結晶のスラリーをC1〜C4アルコール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することを含んで成る。このスラリーは好適に、約−20℃〜約20℃の温度で冷却されている。
【0019】
本発明の1つの実施態様は、6.1、7.3、14.2、17.5及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XIV型結晶)を包含する。XIV型結晶は、更に、約8.1、10.4、15.3、20.5及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって同定されてよい。XIV型結晶は、ジクロロメタンの溶媒和物であってよく;TGAにより約16重量%のL.O.Dを伴う。
【0020】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;トルエンと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させることを含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を包含する。
【0021】
本発明の1つの実施態様は、約7.3、8.2、14.3、20.5及び23.8度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1における特徴的吸収バンドを伴うFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XIV−1型結晶)を含んで成る。XIV−1型結晶は、約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。
【0022】
本発明の他の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を包含する。その方法とは、トルエンもしくはジクロロメタンの第一分量(portion)、及び第一のC1〜C4アルコール、酸もしくはその両方中でトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを調製し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールを組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0023】
好適に、前記第一又は第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適な酸はギ酸である。この方法は更に、水とトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を組み合わせることを含んで成る。
【0024】
本発明の1つの実施態様は、約10.6、12.1、17.8、19.4及び21.7度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1における特徴的吸収バンドを有するFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XXII型結晶)を包含する。XXII型結晶は、約7.1、8.9、16.3、20.5、及び24.0度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。XXII型結晶はメタノールの溶媒和物であり;約4重量%〜約20重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う。
【0025】
本発明の他の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を包含する。その方法とは、粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適なアルコールはメタノールである。
【0026】
本発明の1つの実施態様は、約6.0、12.0、18.0、21.0、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおけるピークを有するX線粉末回折、又は約1759、1727、1464、1438、及び1071cm-1における特徴的吸収バンドを有するFTIRスペクトルのうちの1つを特徴とするカンデサルタンシレキセチル結晶質形態(XXIII型結晶)を包含する。XXIII型結晶は、約10.3、16.3、19.8、21.6、及び23.1度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線粉末回折ピークによって更に同定されてよい。XXIII型結晶はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよく;約5重量%〜約45重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う。
【0027】
本発明の実施態様は、以下の方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を包含する。その方法とは、トルエンもしくはジクロロメタンの第一分量、第一のC1〜C4アルコール、及び水中でトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液を調製し、そしてトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールを組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0028】
好適に、前記第一又は第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。当該混合物には、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させるためにカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を播種してよい。
【0029】
本発明は次のX線粉末回折パターンのピークを特徴とするカンデサルタンシレキセチルをも包含する。6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θ;6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θ;6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θ;6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θ;7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θ;6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θ;6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θ;6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θ;6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θ;6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θ;6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θ;7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4±0.2度2θ;3.6±0.2度2θ;6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θ;6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θ;6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θ;並びに6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θ。
【0030】
本発明は更に他の多形結晶を約5重量%未満有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶を包含する。
【0031】
1つの実施態様において、本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶に最大約500ミクロン、好適には最大約200ミクロン、そして一層好適には最大約50ミクロンの平均粒度を有する。
【0032】
他の実施態様において、本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶を組み合わせることによって調製された医薬組成物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】カンデサルタンシレキセチルIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図2】カンデサルタンシレキセチルIV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図3】カンデサルタンシレキセチルV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図4】カンデサルタンシレキセチルVI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図5】カンデサルタンシレキセチルVII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図6】カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図7】カンデサルタンシレキセチルIX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図8】カンデサルタンシレキセチルX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図9】カンデサルタンシレキセチルXI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図10】カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図11】カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図12】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図13】カンデサルタンシレキセチルXV型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図14】カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図15】カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図16】カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図17】カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図18】カンデサルタンシレキセチルXX型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図19】カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図20】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図21a】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図21b】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図21c】カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図22】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のX線回折粉末パターンを示す。
【図23】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図24a】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図24b】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図24c】カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の拡大X線回折粉末パターンを示す。
【図25】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【図26】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶のFTIRスペクトルを示す。
【図27a】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【図27b】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【図27c】カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の拡大したFTIRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
本発明は、カンデサルタンシレキセチル溶媒和物を包含する。
【0035】
前記カンデサルタンシレキセチルは、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、クロロホルム/アセトニトリル、メタノール又はトルエン/メタノールの溶媒和物であってよい。
【0036】
本発明は、カンデサルタンシレキセチル結晶及びそれらを調製するための方法を包含する。本発明は、本発明の、粒子の形態にありうるカンデサルタンシレキセチル結晶を含んで成る医薬組成物、及び当該医薬組成物を使用する循環系疾患を治療する方法をも包含する。加えて、本発明は、本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶と1以上の医薬的に許容できる賦形剤を組み合わせることを含んで成る、医薬組成物を調製する方法をも包含する。
【0037】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6〜約8重量%である。III型結晶は、TGAによる乾燥減量(L.O.D)が約8.6重量%である、アセトンの溶媒和物でありうる。III型結晶はテトラヒドロフランの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。III型結晶は、約6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。III型結晶は更に、約12.6、22.7、24.6、25.3、及び25.9度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図1を参照のこと。
【0038】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でIV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約0.2〜0.3重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。IV型結晶はテトラヒドロフランの溶媒和物(約7重量%のT.G.AによるL.O.D.を伴う)であってよい。IV型結晶は、約6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。IV型結晶は更に、約7.3、12.7、22.5、23.4、及び25.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図2を参照のこと。
【0039】
本発明の更なる実施態様は、本明細書中でV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。V型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約6重量%である、アセトンの溶媒和物でありうる。V型結晶は、約6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。V型結晶は更に、約9.2、13.2、17.4、20.0、及び22.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図3を参照のこと。
【0040】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でVI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.4重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約17重量%である。VI型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約17重量%である、ジクロロメタン/ヘプタンの溶媒和物でありうる。VI型結晶は、約6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VI型結晶は更に、約12.6、14.8、15.5、24.0、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図4を参照のこと。
【0041】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でVII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約3〜約7重量%である。VII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約7重量%である、トルエンの溶媒和物でありうる。VII型結晶はジクロロメタン/ヘプタンの溶媒和物(T.G.Aによる約3重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。VII型結晶は、約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VII型結晶は更に、約8.3、14.4、18.8、19.4、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図5を参照のこと。
【0042】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でVIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約3〜約4重量%である。VIII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約4重量%である、メチルエチルケトンの溶媒和物でありうる。VIII型結晶は、約6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。VIII型結晶は更に、約11.9、18.9、19.4、22.5、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図6を参照のこと。
【0043】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でIX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.4重量%有する。IX型結晶は、約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。IX型結晶は更に、約9.2、10.2、14.8、19.1、及び20.8度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図7を参照のこと。
【0044】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約5〜11重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約15〜約17重量%である。X型結晶は、ジオキサン/水の溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。X型結晶は、約6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。X型結晶は更に、約10.8、20.7、22.4、24.9、及び27.9度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図8を参照のこと。
【0045】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.7重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。XI型結晶は、クロロホルム/ヘプタンの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XI型結晶は、約6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XI型結晶は更に、約7.4、13.4、15.8、18.6、及び22.2度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図9を参照のこと。
【0046】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXIII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約8重量%である。XIII型結晶は、ジクロロメタン/酢酸イソアミルの溶媒和物(T.G.Aによる約8重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIII型結晶は、約6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIII型結晶は更に、約10.1、18.1、21.3、23.4、及び24.6度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図10を参照のこと。
【0047】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.3重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XIV型結晶は、ジクロロメタンの溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIV型結晶は、約6.1、7.3、14.2、17.5、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIV型結晶は更に、約8.1、10.4、15.3、20.5、及び25.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図11を参照のこと。
【0048】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIV−1型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含する。XIV−1型結晶はX線粉末回折又はFTIRのうちの少なくとも1つを特徴とする。このX線粉末回折パターンは、図12に実質的に描かれているように約7.3、8.2、14.3、20.5、及び23.8度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有する。XIV−1型結晶は更に、約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0度2θにおけるX線粉末回折ピークを更に特徴とする。FTIRスペクトルは、約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1に特徴的吸収バンドを有する。図20及び図21のa〜c(拡大図)を参照のこと。
【0049】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXV型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.5重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約8重量%である。XV型結晶は、クロロホルム/アセトニトリルの溶媒和物(T.G.Aによる約8重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XV型結晶は、約6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XV型結晶は更に、約9.3、12.0、13.3、18.3、及び23.3度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図13を参照のこと。
【0050】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXVI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.8重量%有する。XVI型結晶、約7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVI型結晶は更に、約8.3、11.3、15.1、20.5、及び23.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図14を参照のこと。
【0051】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXVII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を1.2重量%有する。XVII型結晶は、約3.6度2θ、±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVII型結晶は更に、図15に示すように、約20.0度2θにおいて最大の広いX線粉末回折ピークによって同定されてよい。
【0052】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXVIII型結晶と規定した他のカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約30重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約35重量%である。XVIII型結晶はTGAによる乾燥減量(L.O.D)が約35重量%である、ジオキサン/水の溶媒和物でありうる。XVIII型結晶はテトラヒドロフラン/水の溶媒和物(T.G.Aによる約27重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XVIII型結晶は、約6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XVIII型結晶は更に、約12.8、16.3、18.0、23.3、及び25.7度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図16を参照のこと。
【0053】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXIX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.2重量%有する。XIX型結晶は約11重量%の含水率を有してよく、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XIX型結晶はアセトニトリル/水の溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XIX型結晶は、約6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XIX型結晶は更に、約9.1、12.0、15.1、20.6、及び25.0度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図17を参照のこと。
【0054】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXX型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約16重量%である。XX型結晶は、クロロホルム/アセトニトリルの溶媒和物(T.G.Aによる約16重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XX型結晶は、約6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XX型結晶は更に、約7.4、11.8、21.5、25.0、及び31.4度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図18を参照のこと。
【0055】
本発明の更に他の実施態様は、本明細書中でXXI型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.1重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約6重量%である。XXI型結晶は、テトラヒドロフランの溶媒和物(T.G.Aによる約6重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXI型結晶は、約6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XXI型結晶は更に、約10.8、18.3、22.4、23.3、及び25.6度2θ、それら±0.2度2θにX線回折ピークによって同定されてよい。図19を参照のこと。
【0056】
本発明の1つの実施態様は、本明細書中でXXII型結晶と規定したカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を0.5重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約4重量%〜約8重量%である。XXII型結晶は、メタノールの溶媒和物(T.G.Aによる約4重量%〜約20重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXII型結晶は、X線粉末回折パターン又はFTIRのうちの少なくとも1つを特徴としうる。XXII型結晶は約10.6、12.1、17.8、19.4、及び21.7度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンによって同定されてよい。XXII型結晶は更に、約7.1、8.9、16.3、20.5及び24.0度2θ、それら±0.2度2θにおけるXRDピークによって同定されてよい。XXII型結晶のX線粉末回折ピークは図22に実質的に描かれている。XXII型結晶は、1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルを特徴とする。XXII型結晶のFTIRスペクトルは図23に実質的に描かれている。XXII型結晶の拡大したFTIRスペクトルは図24a〜cに実質的に描かれている。
【0057】
本発明の他の実施態様は、本明細書中でXXIII型結晶と規定した他のカンデサルタンシレキセチル結晶を包含し、それは、水を約0.2〜約0.4重量%有し、そしてTGAによって測定された重量減は約5重量%〜約45重量%である。XXIII型結晶は、トルエン/メタノールの溶媒和物(T.G.Aによる約5重量%〜約45重量%のL.O.D.を伴う)であってよい。XXIII型結晶は、X線粉末回折又はFTIRのうちの少なくとも1つに由来するデータを特徴としてよい。XXIII型結晶は、6.0、12.0、18.0、21.0、及び22.4度2θ、それら±0.2度2θにおいてピークを有するX線粉末回折パターンを特徴としうる。XXIII型結晶は更に、約10.3、16.3、19.8、21.6、及び23.1度2θ、それら±0.2度2θにおけるX線回折ピークを更に特徴としてよい。XXIII型結晶のX線粉末回折パターンは、実質的に図25に描かれている。XXIII型結晶は1759、1727、1464、1438、及び1071cm-1に吸収バンドを有するFTIRスペクトルを特徴としうる。XXIII型結晶のFTIRは図26実質的に描かれている。XXIII型結晶の拡大FTIRは実質的に図27のa〜cに描かれている。
【0058】
本発明は多形上純粋なカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶をも包含する。用語「多形上純粋」とはカンデサルタンシレキセチル結晶が他の多形結晶を総重量の約5%未満含むことを意味する。好適に他の多形結晶はI型結晶である。
【0059】
本発明は平均粒子サイズ約500μm超、好適には約300μm超、そして一層好適には約200μm超を有するカンデサルタンシレキセチル多形を包含する。一層更に好適に、カンデサルタンシレキセチル多形は、約100μm超の平均粒子サイズ、そして最も好適には、約50μm超の平均粒子サイズを有する。
【0060】
用語「平均粒子サイズ」とは平均粒子直径を意味し、それは当業者に公知の任意の方法によって測定されてよい。例えば、以下の方法:ふるい、沈降、エレクトロゾーンセンシング(コールターカウンター)、顕微鏡、又は低角度光散乱(LALLS)が使用されてよい。
【0061】
本明細書中で開示されたサイズのカンデサルタンシレキセチルは当業界で周知の方法によって獲得されてよい(米国特許第4,151,273号、4,196,188号、4,302,446号、4,840,799号及び5,271,944号を参照のこと)。粒子サイズを下げる1つの慣用技術は、超微粉砕化による。超微粉砕化とは、粒子に対する力の適用を伴い、それによって粒子の破壊をもたらすことを含む方法である。かかる力は、粒子の高速での衝突によって適用されてよい。超微粉砕化は、例えば、粉砕によってかあるいはエアージェット粉砕装置によって行われてよい。
【0062】
本発明は、本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶を調製するための方法をも包含する。
【0063】
本発明の1つの実施態様において、カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法は、第2の結晶のカンデサルタンシレキセチルを獲得するために、第1の結晶のカンデサルタンシレキセチルを加熱することを含んで成る。この方法は更に、減圧下で加熱することを含んで成ってよい。好適に、温度は約100℃であり、そしてもし加熱が減圧下、例えば20mbarで行われていれば、この温度は約48℃〜約50℃である。表1には方法の変形を要約している。
【0064】
【表1】
【0065】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却せしめ;そして当該沈殿を回収することを含んで成る。任意に、この方法は更に、当該溶液を加熱することを含んで成る。任意に、当該産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させてよい。溶解段階で使用した溶媒、当該溶媒を加熱する温度、冷却温度、及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例3、4、9、15、20及び30は本発明の方法を説明する。溶媒としては、アセトン、アセトニトリル、ブタノール、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、又はテトラヒドロフラン(THF)の少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。第一の溶媒の量は、カンデサルタンシレキセチルを実質的に溶かすために十分であるべきだ。用語「実質的に溶けた」とは、本明細書中で使用される場合、約80%以上のカンデサルタンシレキセチルが解けていることを意味する。当業者は実験をほとんどしない又は全くしなくとも、溶媒の十分な量を容易に決定できる。
【0066】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かし、そしてこの混合物を加熱して溶液を形成させ;水を当該溶液に対して加え、当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却し;そして沈殿を回収することを含んで成る。この溶液に対して水を滴下して加えてよいかあるいはこの溶液を水へと注いでよく、この場合の水の温度は室温(20℃〜25℃)であってよいかあるいは氷浴で冷却されていてよい。任意に、この方法は更に、前記溶液を第二のある時間に渡り冷却する、又は沈殿を乾燥させる、1以上の段階を含んで成る。任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階で使用する溶媒;水を加える方法;溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例2、5、6、19、17及び28は本発明の方法を説明する。この溶媒には、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、又はテトラヒドロフラン(THF)のうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0067】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かし、そしてこの混合物を加熱して溶液を形成させ;第二の溶媒を当該溶液に対して加え、当該溶液を沈殿が形成される十分な時間に渡り冷却し;そして当該沈殿を回収することを含んで成る。この溶液に対して第二の溶媒を滴下して加えてよい。任意に、この方法は更に、前記溶液をある時間に渡り加熱し;当該溶液を第二のある時間に渡り冷却し;当該沈殿を乾燥させる、1以上の段階を含んで成る。任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階で使用する溶媒;第二の溶媒を加える方法;溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例12、21〜24、及び29は本発明の方法を説明する。この前記第一の溶媒には、クロロホルム又はジクロロメタン(DCM)のうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらには限定されない。前記第二の溶媒には、アセトニトリル、ブタノール、シクロヘキサン、酢酸イソアミル、ヘプタン、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、又はトルエンのうちの少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0068】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを第一の溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液に対して第二の溶媒を加え、当該溶液を第一冷却温度へと冷却せしめ;第三の溶媒を加え;当該溶液を第二の冷却温度に冷却して沈殿を形成させ;そして当該沈澱を回収することを含んで成る。この溶液に対して第二の溶媒及び第三の溶媒を滴下して加えてよい。任意に、前記方法は更に、沈殿を乾燥させることを含んで成りうる。この任意の乾燥段階は、産物を特異的な温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。溶解段階並びに第二の段階及び第三の段階で使用する溶媒;第二の溶媒又は第三の溶媒を加える方法;第一冷却温度又は第二冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例17は本発明の方法を説明する。
【0069】
好適に、この前記第二の溶媒を、溶液を沈殿させる前に当該溶液に対して注いでいる。第二の溶媒又は第三の溶媒には、アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、又はトルエン少なくとも1つが挙げられるがそれらに限定されない。
【0070】
本発明に包含される他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶液中で沈殿が形成されるまで粉砕し、そして当該沈殿を加熱することを含んで成る。任意に、この方法は更に、溶液を加熱し;当該溶液を冷却し;又は当該沈殿を乾燥させることの少なくとも1つを含んで成る。この任意に乾燥段階は、産物を特異的温度及び減圧下で乾燥させることを含んで成る。粉砕段階で使用する溶媒;当該溶媒を加熱する温度;冷却温度;及び沈殿を形成させるための時間は、所望の産物に依存する。実施例8及び14は本発明の方法を説明する。
【0071】
溶液を沈殿せしめることは、連続的又は段階的に行われてよい。例えば、冷却段階は、連続的に約20〜27℃で行われてよい。冷却段階は段階的に行われてもよく、最初に約25〜27℃で、そして約0℃〜5℃で行われてよい。段階的冷却の他の例は、溶液を最初の温度の約0〜5℃に至らせ、そして当該溶液を約25℃〜27℃の温度に至らせる。好適に、冷却段階は、溶液を撹拌しながら冷却することを含んで成る。
【0072】
この方法は更に、沈殿を乾燥させる段階を含んで成りうる。本発明の1つの実施態様において、乾燥は、沈殿を、当該沈殿回収のために使用したフィルター上で乾燥させることを含んで成る。本発明の他の実施態様において、沈殿を乾燥させることは、減圧下、例えば20mbar、約40〜50℃で一定の重量にするために行われてよい。沈殿を乾燥させることは、連続的又は段階的に行われてよい。
【0073】
以下は、本発明の各カンデサルタンシレキセチル結晶を調製するための方法である。
【0074】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをある溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。溶媒としては、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、アセトニトリル、又はそれらの混合物が挙げられうる。好適に、当該アルコールは、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、又はエタノールのうちの少なくとも1つである。好適に、エステルは酢酸エチルである。
【0075】
本明細書中で開示した他の溶媒を含め、前記溶媒の量は、カンデサルタンシレキセチルを溶かすために実質的に十分な量であるべきだ。用語「実質的に溶解した」とは、約80%以上のカンデサルタンシレキセチルが溶けていることを意味する。当業者は、実験を殆どしないかあるいは全くせずとも、溶媒の十分な量を容易に特定できる。
【0076】
溶液は、約45℃〜約70℃の温度に加熱されてよい。好適に、溶液は約50℃〜約64℃の温度で加熱されている。そしてまた好適に、溶媒がメタノールである場合、この溶液は還流温度で加熱されている。この溶液は、カンデサルタンシレキセチルの溶解を促すために加熱されている。
【0077】
この溶液は、沈殿を形成させるために、好適には室温で冷却されてよい。この溶液は、カンデサルタンシレキセチルを完全に溶かすために予め加熱されており、結晶化を起こすためには極端な冷却は不要であり、そして容易に溶解することにより生じる収率減少がない。物質が容易に溶解する場合、物質を適切に結晶化せしめて収率を高めるためにより低い温度へと冷却することが必須である。
【0078】
回収されたサルタンシレキセチルI型結晶は任意に、約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥されてよい。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、好適に約20mbar〜約30mbarの減圧下で乾燥させられてよい。
【0079】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;水と溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド、又はアセトニトリルのうちの少なくとも1つである。好適に、前記アルコールは、メタノール、イソプロパノール、又はエタノールのうちの少なくとも1つである。好適に、ケトンはアセトンである。好適にアルキルアミドはジメチルホルミアミドである。
【0080】
この溶液は室温付近で維持されてよく、又はそれは加熱されてよい。この溶液は、好適に約45℃〜約80℃、そして一層好適には約50℃〜約75℃の温度で加熱されてよい。
【0081】
好適に、水は溶液に対して滴下して加えられてよい。溶媒がアセトンである場合、この溶液は好適に水中へと注がれている。この方法において、水がアンチ溶媒(anti−solvent)として使用されている。
【0082】
回収されたカンデサルタンシレキセチルI型結晶は任意に、約35℃〜約60℃、好適に、約40℃〜約50℃の温度で乾燥されている。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、又は約30mbarの圧力下で乾燥されてよい。
【0083】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を加熱することを含んで成る。VII型結晶又はVIII型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には約100℃の温度で加熱されてよい。VII型結晶又はIII型結晶は、約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0084】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−1、XXII又はXXIII型結晶のうちの少なくとも1つをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適に、前記アルコールはエタノールである。
【0085】
この溶液は任意に冷却されてよい。この溶液は、もし冷却されるなら、好適に約0℃〜約10℃、一層好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却されてよい。
【0086】
回収されたカンデサルタンシシレキセチルI型結晶は、任意に約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、減圧下、例えば、約50mbar未満の圧力、好適には、約10mbar未満の圧力で乾燥させられてよい。
【0087】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための他の方法は、無水エタノール中でカンデサルタンシレキセチルXIV、XIV−I、XXII、又はXXIII型結晶のスラリーを調製し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を当該スラリーから単離することを含んで成る。
【0088】
好適に、前記混合物は、約−20℃〜約20℃、一層好適には約−10℃〜約10℃の温度で冷却されてよい。
【0089】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルを水中で沈殿が形成されるまで粉砕し、そして当該沈殿からII型結晶を回収することを含んで成る。好適に、粉砕されたカンデサルタンシレキセチルはV型結晶である。粉砕は室温で行われてよい。沈殿はろ過によって回収されてよい。
【0090】
本発明の1つの実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、ケトン又はテトラヒドロフランのうちの少なくとも1つである。好適に、前記ケトンはアセトンである。
【0091】
この溶液は任意に加熱されてよい。この溶液は、もし加熱されるなら、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には、約55℃〜約56℃の温度で冷却されてよい。
【0092】
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフランに溶かして溶液を形成させ;そして当該溶液を水と組み合わせて沈殿を形成させ;当該沈殿を単離し;そして当該沈殿を乾燥させカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を獲得することを含んで成る。
【0093】
この溶液は水と組み合わせる前に任意に加熱されてよい。この溶液は、もし加熱されるなら、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には、約55℃〜約56℃で冷却されてよい。
【0094】
この混合物は、水の添加後、任意に冷却されてよい。この混合物は、もし加熱されるなら、好適に約0℃〜約10℃、一層好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却されてよい。
【0095】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、一層好適には約50℃〜約52℃の温度で乾燥されてよい。好適に、この沈殿は、約50mbar未満の圧力の下、好適には約10mbarの圧力の下で乾燥されてよい。
【0096】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を乾燥させ約8.9%の重量減少にすることを含んで成る。
【0097】
好適に、III型結晶は、約40℃〜約60℃、一層好適には約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、III型結晶は、50mbar未満の圧力下、一層好適には約20mbarの圧力の下で乾燥させられている。
【0098】
本発明の他の実施形態は、カンデサルタンシレキセチルV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を乾燥させ約11%の重量減少することを含んで成る。
【0099】
好適に、III型結晶は約40℃〜約60℃、一層好適には、約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、III型結晶は約50mbar未満の圧力下、一層好適には約20mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0100】
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;ヘプタンと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0101】
この混合物はヘプタンの添加後に任意に冷却させられてよい。もし冷却されるなら、当該混合物は約−5℃〜約15℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度で冷却されている。
【0102】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を乾燥させることを含んで成る。
【0103】
好適に、VI型結晶は、一定重量にするために乾燥させられている。用語「一定重量」とは、カンデサルタンシレキセチル結晶の重量が、乾燥法の間に総重量の約3%を越えて変動しないだろうことを意味する。好適に、VI型結晶は、約40℃〜約60℃の温度、一層好適には約48℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。VI型結晶は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約20mbarの圧力下で行われている。
【0104】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル結晶をトルエン中で沈殿が形成される迄粉砕し、そして当該沈殿を回収することを含んで成る。粉砕は、上昇した温度で、好適には約40℃〜約60℃で、一層好適には約50℃で行われてよい。好適に、カンデサルタンシレキセチルは、約1時間に渡り約50℃の温度で粉砕されている。好適に、粉砕されたカンデサルタンシレキセチルはI型結晶である。
【0105】
そしてまた好適に、カンデサルタンシレキセチルは、約50℃〜約70℃の温度で、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で約24時間に渡り粉砕されている。
【0106】
沈殿は、ろ過によって回収されてよい。沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃〜約52℃の温度で乾燥させられてよい。好適に、沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0107】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;ブタノールと当該溶液を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0108】
前記混合物はブタノールの添加後に任意に冷却させられてよい。もし冷却されるなら、当該混合物は約−5℃〜約−20℃、一層好適には約−11℃〜約−14℃の温度で冷却されている。
【0109】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン溶媒に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0110】
この溶液は、約50℃〜約70℃の温度で加熱されている。好適に、この溶液は約60℃〜約62℃の温度で加熱されている。
【0111】
この溶液は、カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させるために任意に冷却させられている。もし冷却されるなら、当該溶液は好適に室温へ、一層好適にはその後、約0℃〜約10℃、最も好適には、約4℃〜約6℃の温度で冷却されている。
【0112】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を溶媒の第一分量と組み合わせて第一混合物を形成させ;当該第一混合物を約10℃未満の温度で冷却し;当該溶媒の第二分量と当該第一混合物を組み合わせて第二混合物を形成させ;そして当該第二混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル、又はトルエンのうちの少なくとも1つである。
【0113】
好適に、溶媒の第一分量は、滴下して加えられている。
【0114】
好適に、前記第一混合物は、溶媒の第二分量を添加する前に、約−10℃〜約10℃、一層好適には、当該第一混合物は約0℃へ氷浴上で冷却されている。
【0115】
前記第二混合物は、溶媒の第二分量を添加した後に、好適に約−25℃〜約5℃、一層好適には、約−15℃〜約0℃の温度で冷却されている。
【0116】
前記沈殿は、任意に約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、前記沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0117】
カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0118】
好適に、前記トルエンは滴下して加えられている。前記混合物は、任意に、トルエンの添加後に、好適に約−25℃〜約5℃、一層好適に約−15℃〜約0℃の温度で冷却されてよい。
【0119】
前記沈殿は、任意に約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられている。好適に、前記沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0120】
カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を加熱することを含んで成る。X型結晶は約90℃〜約120℃、好適には、約100℃の温度で加熱されてよい。X型結晶は約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0121】
本発明の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水と組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0122】
好適に、水は滴下して加えられている。
【0123】
この溶液は、水が組み合わされる前に任意に加熱されてよい。もし加熱されるなら、この溶液は、好適に約40℃〜約60℃、一層好適には約50℃の温度で加熱される。この混合物は、水の添加後に、好適には氷浴上で任意に冷却されてよい。
【0124】
この沈殿は、約35℃〜約50℃、好適には約40℃〜約45℃の温度で乾燥させられてよい。この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、好適には、約30mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0125】
カンデサルタンシレキセチルX型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0126】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を溶媒と組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させることを含んで成り、ここで当該溶媒は、ヘプタン、シクロヘキサン、又はtert−ブチルメチルエーテルのうちの少なくとも1つである。
【0127】
好適に、前記溶媒は、滴下して加えられている。この混合物は、前記溶媒の添加後に、好適には約−10℃〜約10℃の温度で、一層好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0128】
前記沈殿は任意に、約35℃〜約60℃、好適には約40℃〜約50℃の温度で乾燥させられてよい。好適に、この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0129】
カンデサルタンシレキセチルXI型結晶を調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をシクロヘキサンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0130】
好適に、前記シクロヘキサンは、滴下して加えられている。この混合物は、シクロヘキサンの添加後に、好適には約−10℃〜約10℃の温度で、一層好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0131】
前記沈殿は任意に、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0132】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液を酢酸イソアミルと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0133】
好適に、前記酢酸イソアミルは、滴下して加えられている。この混合物は、前記酢酸イソアミルの添加後に、そして好適には約0℃で任意に冷却されてよい。
【0134】
前記沈殿は任意に、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で乾燥されてよい。好適に、この沈殿は約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0135】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0136】
好適に、前記トルエンは、滴下して加えられている。任意に、当該トルエンは2つに小分けして加えられてよく、ここで当該混合物は、トルエンの第一分量を加えた後に、好適に氷浴において冷却され、しかる後に第二分量の添加が続く。この混合物は、XIV型結晶を沈殿させるために、−20℃〜0℃の温度で、一層好適には−10℃で、任意に冷却させられてよい。好適に、前記沈殿は、ろ過によって乾燥させられている。
【0137】
カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XIV型結晶をC1〜C4アルコール中に溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0138】
カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へとカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換させられてもよい。
【0139】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIV−I型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又はその両方中で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護してカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0140】
濃縮は蒸発によって行われてよい。蒸発は、約50℃〜約70℃の温度で、一層好適には約60℃の温度で行われてよい。蒸発は、約50mbar未満の圧力下で、一層好適には約30mbarの圧力下で行われてよい。残留物は粘性油の形態であってよい。
【0141】
任意に、水はトリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液に対して加えられてよい。好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチル溶液を調製するために使用されるトルエン又はジクロロメタンは、トルエンである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に前記第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコール及び第二のC1〜C4アルコールは同じであり、好適にはメタノールである。好適に、前記酸は、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、臭化水素酸と酢酸の混合物、及び塩化水素酸と硫酸の混合物からなる群から選択されている。一層好適に、前記酸はギ酸である。
【0142】
好適に、反応時間は約10時間以上である。反応時間は、反応の進行及び/又は完了をHPLCによってモニタリングすることにより容易に決定されてよい。
【0143】
好適に、残留物を溶解させた後、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、当該混合物を約0℃〜約10℃、好適には、約4℃〜約8℃の温度で冷却させることによって沈殿させられている。
【0144】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XIV−1型結晶をC1〜C4アルコールへと溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0145】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換されてもよい。
【0146】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXV型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて沈殿を形成し;当該沈殿を単離し;そして当該沈殿を乾燥させカンデサルタンシレキセチルXV型結晶を回収することを含んで成る。
【0147】
好適に、前記アセトニトリルは、滴下して加えられている。この混合物はアセトニトリルの添加後、好適には氷浴において沈殿が形成される迄、任意に冷却されてよい。
【0148】
好適に、沈殿は約40℃〜約60℃、一層好適には約45℃の温度で乾燥させられている。好適に、当該沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には約30mbarの圧力下で乾燥させられている。
【0149】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を加熱することを含んで成る。VI型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には約100℃の温度で加熱されてよい。VI型結晶は約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0150】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶又はXV型結晶を加熱することを含んで成る。XIII型結晶又はXV型結晶は、約90℃〜約120℃、好適には100℃の温度で加熱されてよい。XIII型結晶又はXV型結晶は、約10時間以上に渡り、好適には約13時間に渡り加熱されてよい。
【0151】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフランに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水へと注いで混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0152】
この溶液は、水に対して注がれる前に任意に加熱されてよい。当該溶液は、もし加熱されるなら、好適に約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で加熱されてよい。
【0153】
前記水は、約−10℃〜約10℃、一層好適には約5℃でありうる。混合物は水の添加の後に、好適には約−5℃〜約10℃、一層好適には約5℃〜約7℃の温度で任意に冷却されてよい。
【0154】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをアセトニトリルに溶かして溶液を形成させ;当該溶液を水に注いで混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0155】
この溶液は、水に対して注がれる前に任意に加熱されてよい。もし加熱されるなら、当該溶液は、好適に約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約64℃の温度で加熱されてよい。
【0156】
水は約−10℃〜約10℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度であってよい。混合物は、水の添加後に、好適には約−10℃〜約10℃、一層好適には約0℃〜約5℃の温度で任意に冷却されてよい。
【0157】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXX型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXX型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0158】
好適に、アセトニトリルは滴下して加えられている。当該混合物は、アセトニトリルの添加の後、好適には氷浴中で、沈殿が形成される迄任意に冷却されてよい。好適に、沈殿物はろ過によって回収されている。
【0159】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0160】
好適に、カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶は、約7日以上後に、一層好適には約3週後に沈殿せられてよい。
【0161】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、粗製のカンデサルタンを、約45℃以上の温度でC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;そしてカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させることを含んで成る。好適に、前記アルコールはメタノールである。
【0162】
好適に、この溶液は約50℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で加熱されている。
【0163】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、当該溶液を、好適には約−10℃〜約20℃の温度で、一層好適には−5℃〜約5℃の温度で、約6時間〜約16時間に渡り、好適には16時間に渡り、沈殿が形成される迄冷却することによって沈殿させられてよい。
【0164】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で任意に乾燥させられてよい。好適に、当該沈殿は、約50mbar未満の圧力下、一層好適には、約10mbarの圧力下で乾燥させられていてよい。
【0165】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXII型結晶をC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換されてよい。
【0166】
カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そしてカンデサルタンシレキセチルI型結晶を当該スラリーから単離することによって転換されてよい。
【0167】
本発明の他の実施態様は、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を調製するための方法に向けられており、当該方法は、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール及び水の中で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルを脱保護し、そしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;当該溶液を濃縮して残留物にし;トルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと当該残留物を組み合わせて混合物を形成させ;そして当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させることを含んで成る。
【0168】
好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチル溶液を調製するために使用されるトルエン又はジクロロメタンはトルエンである。好適に、前記第一のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に前記第二のC1〜C4アルコールはメタノールである。好適に、第一のC1〜C4アルコール及び第二のC1〜C4アルコールは同じであり、一層好適にはメタノールである。好適に、トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液は、還流温度で約2.5〜約6時間に渡り、好適には約3時間に渡り維持されている。
【0169】
濃縮は蒸発によって行われてよい。蒸発は、約30℃〜約60℃、一層好適には約45℃で行われてよい。蒸発は、約100mbar未満の圧力下、一層好適には約90mbarの圧力下で行われてよい。残留物は粘性油の形態にあってよい。
【0170】
好適に、前記残留物は、ジクロロメタン又はトルエンの第二分量及び第二のC1〜C4アルコールと約45℃〜約55℃、一層好適には約50℃の温度で組み合わされている。生じる混合物は、約35℃〜約45℃の温度で任意に冷却されてよく;そして更に−15℃〜約15℃、好適には約−5℃〜約5℃の温度で約1〜12時間に渡り、沈殿が形成される迄冷却されてよい。任意に、この混合物には、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を獲得するためにカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶が播種されてよい。
【0171】
この沈殿は、約40℃〜約60℃、好適には約50℃の温度で任意に乾燥させられてよい。この沈殿は、約50mbar未満の圧力下で、好適には約10mbarの圧力下で乾燥させられてよい。
【0172】
カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXIII型結晶をC1〜C4アルコール中で溶かして溶液を形成させ、そして当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させることによって転換させられてよい。
【0173】
カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶へと、XXIII型結晶のスラリーを無水エタノール中で調製し;そして当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離することによって転換させられてよい。
【0174】
本発明の他の実施態様は、非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法に向けられており、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルIII、V、IX、XI又はXIV型結晶を約100℃で約13時間に渡り加熱することを含んで成る。
【0175】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための他の方法は、カンデサルタンシレキセチル結晶をジオキサン中で調製して溶液を形成させ;当該溶液を水中へ注いで混合物を形成させ;そして当該混合物から非晶質カンデサルタンシレキセチルを沈殿させることを含んで成る。
【0176】
好適に、この溶液は、約50℃〜約70℃、一層好適には約60℃〜約62℃の温度で加熱されている。好適に、溶液を水へと注いだ後、生じる混合物を撹拌して冷却している。好適に、この混合物を約−15℃〜約15℃、一層好適には約−10℃〜約0℃の温度で冷却している。
【0177】
本発明のカンデサルタンシレキセチル結晶は、医薬組成物の形態において使用されてよい。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチルを組み合わせることによって調製した医薬組成物を包含する。本発明は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチルを含んで成る医薬組成物をも包含する。他の実施態様において、本発明は、本発明の1以上のカンデサルタンシレキセチル結晶と1以上の医薬的に許容できる賦形剤を組み合わせることを含んで成る、医薬組成物を調製する方法をも包含する。
【0178】
本発明は更に、循環系の疾患を治療するための方法であって、治療上有効な量の本発明の組成物を必要とするホニュウ動物に対して投与することを含んで成る方法をも包含する。
【0179】
医薬組成物は1以上の希釈剤又は賦形剤の例えば、担体、充填剤、バルキング剤、結合剤、湿潤剤、錠剤分解促進剤、界面活性剤、潤滑剤などが挙げられる。当業界で共通する公知且つ幅広く使用されている全ての賦形剤が医薬組成物中で使用されてよい。担体としては、限定されないが、ラクトース、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶性セルロース、及びケイ酸が挙げられるがそれらに限定はされない。結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、シンプルシロップ(simple syrup)、グルコース溶液、デンプン溶液、ゼラチン溶液、カルボキシルメチルセルロース、シェラク(shelac)、メチルセルロース、リン酸カリウム、及びポリビニルピロリドンが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤分解促進物質としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、アガー粉末、ラミナリア粉末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸のモノグリセリド、デンプン、及びラクトースが挙げられるがそれらに限定されない。分解促進阻害物質としては、白糖、ステアリン、ココナッツバター、及び水素化された油が挙げられるがそれらに限定されない。吸収促進剤としては、第四アンモニウム塩基、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられるがそれらに限定されない。湿潤剤としては、グリセリン及びデンプンが挙げられるがそれらに限定されない。吸収剤としては、デンプン、ラクトース、カオリン、ベントナイト、及びコロイド状ケイ酸が挙げられるがそれらに限定されない。使用される流動促進剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、シュウ酸粉末、及びポリエチレングリコールが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤は更に、共通の公知のコーティング物質でコーティングされてよく、例えば、糖コーティングした錠剤、ゼラチンフィルムでコーティングした錠剤、腸溶性コーティングした錠剤、フィルムコーティングした錠剤、二層錠剤、及び多層錠剤が挙げられる。
【0180】
本発明の1つの実施態様は、医薬組成物を調製する方法に向けられており、当該方法は、1以上の医薬的に許容できる賦形剤と本発明によって包含された結晶のいずれかを組み合わせることを含んで成る。様々な型の投与形態がこの方法から、治療目的に応じて調製されてよく、それは例えば、錠剤、ピル、粉末、液体、溶液、懸濁、エマルション、顆粒、カプセル、座薬、注射調製物(溶液及び懸濁)などである。
【0181】
医薬組成物を錠剤化する場合、当業界で共通する公知の全ての賦形剤が使用されてよい。例えば、担体としては、ラクトース、デンプン、ココナッツバター、硬化植物油、カオリン及びタルクなどが挙げられるがそれらに限定されない。結合剤としては、アラビアガム粉末、トラガカントガム粉末、ゼラチン、及びエタノールが挙げられるがそれらに限定されない。錠剤分解促進物質としては、アガー、及びラミナリアが挙げられるがそれに限定されない。
【0182】
医薬組成物を座薬の形状にするために、当業界で共通する公知の全ての賦形剤が使用されてよい。例えば、賦形剤としては、ポリエチレングリコール、ココナッツバター、高級アルコール、高級アルコールのエステル、ゼラチン、及び合成グリセリドが挙げられるがそれらに限定されない。
【0183】
注射可能医薬組成物を調製する場合、溶液及び懸濁は滅菌され、そして好適に血液に対して等張であるように調製される。注射製剤は、当業界で共通して使用される担体を使用してよい。例えば、注射可能調製物のための担体としては、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシイソステアリルアルコール、ポリオキシイソステアリル、及びポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステルが挙げられるがそれらに限定されない。当業者は、実験を殆どしない又は全くしなくとも、注射可能調製物を等張にするために必要な塩化ナトリウム、グルコース、又はグリセリンの量を容易に決定できるだろう。更なる成分の例えば、可溶化剤、緩衝剤、及び鎮痛剤も加えられてよい。もし必要なら、着色剤、防腐剤、香料、調味料、甘味剤、及び他の医薬も、循環系の疾患を治療する間に所望の調製物に対して加えられてよい。
【0184】
本発明の循環系の疾患を治療するための医薬組成物を投与する方法は、特に限定されてはおらず、年齢、性別、及び患者の症状に依存して、様々な調製物において投与されてよい。例えば、錠剤、ピル、溶液、懸濁、エマルション、顆粒及びカプセルが経口的に投与されてよい。注射製剤は、個々に又は注射輸液の例えば、グルコース溶液及びアミノ酸溶液と混合されて静脈内に投与されてよい。もし必要であれば、注射調製物は、単独で筋内に、皮内に、皮下又は腹膜内に投与されてよい。座薬は直腸に対して投与されてよい。
【0185】
循環系を治療するための医薬組成物中に含まれた治療上有効な量のカンデサルタンシレキセチルは、循環系に関連した症状を治療、改善、又は軽減するために十分な用量であるべきだ。本発明の、循環系疾患を治療するための医薬組成物の投与量は、使用の方法、年齢、性別、及び患者の状態に依存するだろう。典型的に、約4mg〜32mgのカンデサルタンシレキセチルが投与形態単位に含まれていてよい。
【0186】
本発明は初手の好適な実施態様を参照に記載されているが、他の実施態様も、当業者には、本明細書を考慮することで明らかだろう。本発明は、多形結晶及びそれらを調製するための方法を詳細に記載した下の実施例を参照することによって更に特定されるだろう。当業者には、材料と方法の両方に対する変更が本発明の範囲を逸脱することなく行われてよいことが明らかだろう。
【実施例】
【0187】
実施例
カンデサルタンシレキセチル結晶をScintagX線粉末回折計モデルX’TRA、Cu−管固体状態検出器を使用して同定した。サンプルホルダーは丸い標準的なアルミニウムサンプルホルダーであり、25(直径)×0.5mm(深さ)のキャビティーを伴うラフゼロバックグランド石英プレートを伴っていた。走査パラメーターは範囲:2〜40であり、ある場合は2〜30度2θ;走査モード:連続走査;段階サイズ:0.05度;及び3度/分の速度であった。
【0188】
典型的に、熱重量分析(TGA)によって乾燥減量(L.O.D.)を測定するために、試料を約25℃〜200℃へ、加熱速度約10℃/分で、窒素ガスを流速40ml/分でパージングしながら加熱した。
【0189】
実施例1:非晶質カンデサルタンシレキセチルの調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(0.5g)をガラス容器に置き、そして静電オーブン(static oven)中、約100℃で約13時間に渡り加熱し、非晶質カンデサルタンシレキセチルを獲得した。この方法を、V、IX、XI及びXIV型結晶でも行い、非晶質カンデサルタンシレキセチルを獲得した。
【0190】
実施例2:非晶質カンデサルタンシレキセチルの調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をジオキサン(15.5g)に溶かして約60℃〜62℃の温度に加熱し、溶液を形成させた。溶液を水(50g、約20℃〜25℃)に対して注いだ場合、粘性の塊として固体が形成された。その後、この溶液を撹拌して最初に約5℃〜7℃に約30分に渡り冷却し、そして−10℃〜0℃に約30分に渡り冷却し、当該溶液内で沈殿を形成させた。沈殿をろ過にとって回収し、そしてフィルター上で約2時間に渡り乾燥させ、そして湿った非晶質形態(7g)を獲得した。湿った非晶質形態の一部(4.63g)を減圧、20mbar下、約50℃〜52℃で2時間に渡り乾燥させ、非晶質形態(3.41g)を獲得した。
【0191】
実施例3:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をブタノール(64.7g)中にアルゴンの下で溶かし、そして約62℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を20℃〜25℃に冷却して約12時間に渡り撹拌し、その後沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収して(湿った)I型結晶を獲得した。
【0192】
実施例4:カンデサルタンシレキセチル形態Iの調製
実施例3の手順を様々な溶媒及び温度を使用して繰り返した。一般に、当該方法は、カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を溶媒中に溶かして、当該混合物をある温度に加熱して溶液を形成させ、当該溶液を約20℃〜25℃の温度に冷却し、そして当該温度を沈殿が形成されるまで(時間)維持し、当該沈殿をろ過によって回収し、そして沈殿を乾燥させた。任意に、もし必要なら、任意に当該沈殿を洗浄してもよい。結果を表1にまとめている。
【0193】
【表2】
【0194】
実施例5:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を溶媒中に溶かして、溶液を形成させた。水を当該溶液に対して沈殿が形成されるまで滴下して加えた。この溶液を約20℃〜25℃に冷却して撹拌した(時間1)。その後、この溶液を氷水で約0℃に冷却して撹拌した(時間2)。沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)で乾燥させ、I型結晶を獲得した。任意に、もし必要なら、任意に当該沈殿を、乾燥前に洗浄(20ml)してもよい。結果を表2にまとめている。
【0195】
【表3】
【0196】
実施例6:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアセトン中に溶かして62℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を水(50g、約20℃〜25℃)に注いで沈殿を形成させた。この溶液を30分に渡り撹拌して粘性の塊を獲得し、次いで約30分に渡り0℃に冷却した。この沈殿をろ過によって回収し、そしてフィルター上で約0.5〜1時間に渡り乾燥させ、湿試料I型結晶を獲得した。それを20mbar、50℃〜52℃で乾燥させて一定重量にし、I型結晶を獲得した。
【0197】
実施例7:カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルI型結晶を獲得した。この方法をVIII型結晶でも行った。
【0198】
実施例8:カンデサルタンシレキセチルII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルV型結晶(3.26g)を約20℃〜約25℃で24時間に渡り水(60g)で破砕して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収してフィルター上で約30分に渡り乾燥させ、II型結晶を獲得した。
【0199】
実施例9:カンデサルタンシレキセチルIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下で溶媒中に溶かして55℃〜56℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液をろ過して、約25℃〜27℃へ冷却し、そして約2時間に渡り撹拌し、その時間の間に沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収し、洗浄して、フィルター上約15分に渡り乾燥させ、III型結晶を獲得した。溶媒がアセトンである場合(17.4g)、第一の冷却後に、溶液を約0℃〜5℃で約1時間に渡り撹拌した。この方法によりIII型結晶(5.35g)を獲得した。溶媒がTHF(7g)である場合、この方法によりIII型結晶(4.7g)を獲得した。
【0200】
この方法をTHFで繰り返したが、水(5g)を溶液に対して加えて当該溶液を撹拌しながら最初に約1時間に渡り約20℃〜25℃に冷却し、次いで約5℃〜7℃に冷却し、そしてその後約44時間に渡り4℃〜8℃に冷却した。沈殿が形成され、そしてそれをろ過によって回収し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてII型結晶及びIII型結晶を獲得した。沈殿混合物を減圧下(10mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させIII型結晶を獲得した。
【0201】
実施例10:カンデサルタンシレキセチルIV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(1.78g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約30分)、IV型結晶(1.62g)を獲得した。
【0202】
実施例11:カンデサルタンシレキセチルV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルIII型結晶(2.09g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約1時間)、V型結晶(1.86g)を獲得した。
【0203】
実施例12:カンデサルタンシレキセチルVI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下でDCM(6.6ml)中に溶かして約20℃〜25℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液に対してヘプタン(9ml)を徐々に加えて、この溶液を約0℃〜5℃に冷却し、そして約15分に渡り沈殿が形成されるまで撹拌した。この溶液を約25℃〜27℃に加温した。沈殿をろ過によって回収し、ヘプタン(10ml)で洗浄し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてVI型結晶を獲得した。
【0204】
実施例13:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶(2.05g)を減圧下(20mbar)、約48℃〜50℃で乾燥させて一定重量にし(約1時間)、VII型結晶(1.90g)を獲得した。
【0205】
実施例14:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をトルエン(30ml)により50℃で1時間に渡り粉砕した。懸濁を約20℃〜約25℃に冷却して沈殿を形成した。この沈殿をろ過によって回収し、フィルター上で約30分に渡り乾燥させ、VII型結晶を獲得した。
【0206】
この手順を、I型結晶をトルエン(50ml)中で溶かし、そして約60℃〜62℃に約24時間に渡り加熱することによって繰り返した。沈殿を回収してフィルター上で乾燥させて湿VII型結晶(4.26g)を獲得した。湿VII型結晶(1.73g)の一部分を減圧下(30mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させて一定重量にし、乾燥VII型結晶(1.73g)を獲得した。
【0207】
実施例15:カンデサルタンシレキセチルVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(1g)をDCM(1.9g)中に約20℃〜25℃で溶かして、溶液を形成させ、しかる後にブタノール(8.1g)を添加した。この溶液を約−11℃〜−14℃で6日に渡り沈殿が形成される迄維持した。この沈殿をろ過(約5時間)によって回収し、そしてフィルター上約30分に渡り乾燥させてVII型結晶を獲得した。
【0208】
実施例16:カンデサルタンシレキセチルVIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をアルゴン下MEK(21.1g)中に溶かして約60℃〜約62℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液をろ過し、最初に約25℃〜27℃に冷却せしめ、そして約4℃〜6℃へと48時間に渡り冷却し、その後沈殿が形成された。この沈殿をろ過によって回収してフィルター上約30分に渡り乾燥させてVIII型結晶(2.88g)を獲得した。
【0209】
実施例17:カンデサルタンシレキセチルIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を第一の溶媒中に溶かして溶液を形成させ、そして第二の溶媒を約25℃で滴下して加えた。この溶液を0℃に氷浴中で冷却し、第三の溶媒を加えた。この溶液を沈殿が形成される迄冷却した。沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)で乾燥させてIX型結晶を獲得した。結果を下の表3にまとめている。
【0210】
【表4】
【0211】
実施例18:カンデサルタンシレキセチルIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルX型結晶(0.5g)をガラス容器中において静電オーブン中約100℃で13時間に渡り加熱し、カンデサルタンシレキセチルIX型結晶を獲得した。
【0212】
実施例19:カンデサルタンシレキセチルX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をジオキサン(25ml)中に溶かして、約50℃へと加熱し、そしてこの溶液に対して水(15ml)を沈殿が形成され始める迄滴下して加えた。この溶液を撹拌し、そして冷却して約30分に渡り約25℃にし、そして氷水で冷却して約1時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上水(10ml)で洗浄し、減圧下(30mbar)、40℃〜45℃で約2時間に渡り乾燥させ、X型結晶を獲得した。
【0213】
実施例20:カンデサルタンシレキセチルX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させた。この溶液を20℃〜25℃で約1〜3週に渡り維持して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、そしてフィルター上で乾燥させてX型結晶を獲得した。カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(2g)から、25℃で1週間後、X型結晶が収率65.5%においてもたらされた。3週に渡り放置した場合、ジオキサン(25.4g)中、カンデサルタンシレキセチル(4g)からX型結晶(2.87g)がもたらされた。
【0214】
実施例21:カンデサルタンシレキセチルXI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を第一の溶媒中に溶かして第二の溶媒をこの溶液に対して25℃で滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却して沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)、50℃で乾燥させてXI型結晶を獲得した。結果を下の表4にまとめている。
【0215】
【表5】
【0216】
実施例22:カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(2.5g)を約25℃でDCM(3.5ml)に溶かして溶液を形成させ、そして酢酸イソアミル(35ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却し、そして約3時間に渡り撹拌して沈殿を獲得した。この沈殿をろ過によって回収し、そして減圧下(30mbar)、50℃で約7.5時間に渡り乾燥させ、XIII型結晶を獲得した。
【0217】
実施例23:カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)を約25℃でDCM(6.6ml)に溶かして溶液を形成させ、そしてトルエン(15ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で冷却し、そしてトルエン(3ml)を沈殿が形成される迄序々に加えた。この溶液を約−10℃で約2時間に渡り冷却した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上トルエン(5ml)で洗浄し、そして当該フィルター上約30分に渡り乾燥させてXIV型結晶を獲得した。
【0218】
実施例24:結晶化によるXIV型結晶からのI型結晶の調製
XIV型結晶(43.75g 湿)を無水エタノール中(215〜363mL、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクターに戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、冷無水エタノール(23〜35mL)で洗浄して50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0219】
実施例25:再スラリー化によるXIV型結晶からのI型結晶の調製
XIV型結晶(乾燥ベースで40g、L.O.D.<15%)を、無水エタノール(244ml、6ml/g)中25℃で1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃に冷却して、この温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(80ml)で洗浄し、そして50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0220】
実施例26:カンデサルタンシレキセチルXV型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル結晶(C)(5g)をクロロホルム(7.5ml)に25℃で溶かして溶液を形成させ、そしてアセトニトリル(55ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で沈殿が形成され始まる迄冷却した。この溶液を約2時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収して、フィルター上で冷アセトニトリル(5ml)で洗浄し、減圧下(30mbar)、45℃で約1時間に渡り撹拌し、XV型結晶(3.7g)を獲得した。
【0221】
実施例27:カンデサルタンシレキセチルXVI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルVI型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中、約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルXVI型結晶を獲得した。
【0222】
実施例28:カンデサルタンシレキセチルXVII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶(0.5g)をガラス容器に配置し、そして静電オーブン中、約100℃で約13時間に渡り加熱してカンデサルタンシレキセチルXVII型結晶を獲得した。この手順をXV型結晶でも行った。
【0223】
実施例29:カンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチルI型結晶(C)(5g)をTHF(8.9g)中に溶かして約60℃〜62℃に加熱し溶液を形成させた。この溶液を冷水(50g、約5℃)へと注いで沈殿を形成した。この溶液を約5℃〜7℃に冷却して約1時間に渡り撹拌した。この沈殿をろ過により回収してフィルター上で約30分に渡り乾燥させ、XVIII型結晶を獲得した。
【0224】
実施例30:カンデサルタンシレキセチルXIX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をアセトニトリル(86.5g)中に溶かし、そして約60℃〜64℃に加熱して溶液を形成させた。この溶液を冷水(250g、約0℃〜5℃)に対して注いで沈殿を形成させた。この溶液を0℃〜5℃で約1時間に渡り撹拌した。この沈殿をろ過によって回収して、フィルター上、約30分に渡り乾燥させ、湿XIX型結晶(5.83g)を獲得した。湿XIX型結晶(3.16g)の一部を減圧下(20mbar)、約50℃〜52℃で乾燥させ、一定重量にしてXIX型結晶(2.63g)を獲得した。
【0225】
実施例31:カンデサルタンシレキセチルXX型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(5g)をクロロホルム(7.5ml)中に約25℃で溶かし、溶液を形成させ、そしてアセトニトリル(55ml)を滴下して加えた。この溶液を氷浴中で沈殿が形成され始まるまで冷やし、そしてこの溶液を約2時間に渡り撹拌した。沈殿をろ過によって回収し、フィルター上、冷アセトニトリル(5ml)で洗浄し、XX型結晶を獲得した。
【0226】
実施例32:カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶の調製
カンデサルタンシレキセチル(2g)をTHF(5.2g)中に20℃〜25℃で溶かして溶液を形成させた。この溶液をろ過して約3週に渡り20℃〜25℃で維持し、沈殿を形成させた。この沈殿をろ過によって回収し、フィルター上で30分に渡り乾燥させ、XXI型結晶(2.12g)を獲得した。
【0227】
実施例33:カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶の調製
粗製のカンデサルタン(31g)をメタノール(198ml)中に50℃で溶かし、この溶液をろ過してリアクターに戻し、この溶液を−5℃〜5℃に冷却して、約16時間に渡りこの温度で維持し、固体をろ過によって回収し、そして冷メタノール(18.6ml)で洗浄してXXII型結晶を獲得し、それを50℃、10mbarで、一定重量になる迄乾燥させてXXII型結晶(25.4g、81.1%)を獲得した。
【0228】
本明細書中で使用している場合、「粗製のカンデサルタン」とは、微量のトルエンを含有するカンデサルタンを意味し、ここでトルエンは、当業者が、不純物であると認識するだろう量で存在している。
【0229】
実施例34:結晶化によるXXII型結晶からのI型結晶の調製
XXII型結晶(25g、湿)を無水エタノール(90〜280ml、5〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクター中に戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(20〜35ml)で洗浄して、白色固体を獲得し、それを50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0230】
実施例35:再スラリー化によるXXII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(乾燥ベースで20g、L.O.D.<15%)を無水エタノール(100ml、5ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(20ml)で洗浄し、I型結晶を獲得した。
【0231】
実施例36:カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCS、350g、410.3mmol)、トルエン(1050ml)、メタノール(2100ml)、及び(17.5ml)を約3時間に渡り還流させた(HPLCコントロール)。この溶媒を45℃、90mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得し、残留物を50℃で、トルエン/メタノール(1041g、95:5w/w)の混合物に溶かして1391gの透明な溶液を獲得した。
【0232】
230gのこの溶液を冷却して約35℃〜約45℃にして、次いでCNS結晶無水物を播種した。混合物を−5℃〜5℃の温度に冷却して;この溶液をこの温度で1時間に渡り維持し;沈殿した固体をろ過によって回収し、トルエンとメタノールの冷混合物(35ml、95:5w/w)で洗浄し、XXIII型結晶を獲得し、それを50℃、10mbarで重量が一定になる迄乾燥させ、白色固体(33.66g、89.1%)XXIII型結晶を獲得した。
【0233】
実施例37:結晶化によるXXIII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(33g、湿)を無水エタノール(170〜280ml、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液をろ過してリアクター中に戻し、−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(20〜35ml)で洗浄して、それを50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0234】
実施例38:再スラリー化によるXXIII型結晶からのI型結晶の調製
XXIII型結晶(乾燥ベースで40g、L.O.D.<15%)を無水エタノール(241ml、6ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して、冷無水エタノール(40ml)で洗浄し、50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしてI型結晶を獲得した。
【0235】
実施例39:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及び水(1.6ml)を約13時間に渡り還流させた(HPLCコントロール)、そしてこの溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得した。
【0236】
残留物の一部(10.4g)を50℃で、トルエン/メタノール(20.8g、9:1、w/w)の混合物に溶かした。この溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持し、沈殿した固体をろ過し、フィルター上、トルエン/メタノールの混合物(5.0g、9:1w/w)でろ過し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(5.5g、78.6%)としてXIV−1型結晶を獲得した。
【0237】
実施例40:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及びギ酸(1.6g)を約10時間に渡り還流させ(HPLCコントロール)、この溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油として獲得した。
【0238】
この残留物を、トルエン/メタノール(73.0g、9:1w/w)の混合物に溶かしてこの溶液を4〜8℃で約22時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過し、フィルター上トルエン/メタノールの冷混合物(15.0g、9:1w/w)で洗浄し、そして50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(16.9g、78.6%)としてXIV−1型結晶を獲得した。
【0239】
実施例41:カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶の調製
トリチルカンデサルタンシレキセチル(TCC、30.0g、35.17mmol)、トルエン(180ml)、メタノール(180ml)、及びギ酸(1.6g)及び水(0.63g)の溶液を約10時間に渡り還流させ(HPLCコントロール)、この溶媒を60℃/30mbarで蒸発させ、残留物を粘性油(約31g、カンデサルタンの理論上の収率は21.47g)として獲得した。
【0240】
残留物の一部(10.8g)を50℃で、トルエン/メタノール(21.6g、8:2、w/w)の混合物に溶かしてこの溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、フィルター上トルエン/メタノールの混合物(5.0g、8:2w/w)の混合物で洗浄し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(4.7g、63.0%)、HPLCによる純度97.66%のXIV−1型結晶を獲得した。
【0241】
残留物の一部(10.1g)を50℃で、トルエン/メタノール(20.2g、7.5:2.5w/w)の混合物に溶かし、この溶液を4〜8℃で約17時間に渡り維持し、この後−11℃〜−13℃で約6時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過し、フィルター上トルエン/メタノールの混合物(5.0g、7.5:2.5w/w)の混合物で洗浄し、50℃/10mbarで一定重量になる迄乾燥させ、白色固体(4.8g、67.0%)のXIV−1型結晶を獲得した。
【0242】
実施例42:結晶化によるXIV−1型結晶からのI型結晶の調製
XXV−1型結晶(35g、湿)を無水エタノール(170〜280ml、6〜10体積)に40〜60℃で溶かした。この溶液を−15℃〜5℃に冷却し、そしてこの温度で約2〜24時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、無水エタノール(23〜35ml)で洗浄して、そして50℃/10mbarで一定重量へと乾燥させて、I型結晶を獲得した。
【0243】
実施例43:再スラリー化によるXIV−1型結晶からのI型結晶の調製
XIV−1型結晶(乾燥ベースで445g、L.O.D.<17%)を無水エタノール(2670ml、6ml/g)中25℃で約1〜20時間に渡り再スラリー化した。この溶液を−10℃〜10℃で冷却してこの温度で1〜72時間に渡り維持した。沈殿した固体をろ過して除き、冷無水エタノール(450ml)で洗浄し、そして50℃/10mbarで乾燥させて一定重量にしI型結晶を獲得した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンデサルタンシレキセチル溶媒和物。
【請求項2】
前記溶媒和物が、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、クロロホルム/アセトニトリル、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、メタノール、及びトルエン/メタノールの溶媒和物からなる群から選択されている、請求項1に記載のカンデサルタンシレキセチル溶媒和物。
【請求項3】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、又はアセトニトリルの少なくとも1つである方法。
【請求項4】
前記溶媒和物がC3〜C8エステル又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒がブタノールである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記段階(b)の溶液を約45℃〜約70℃の温度で加熱している、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記段階(b)の溶液を還流温度で加熱している、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
更に、カンデサルタンシレキセチルを約35℃〜約60℃の温度で乾燥させることを含んで成る、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして混合物液を形成させ;
(b)当該溶液を水と組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド又はアセトニトリルの少なくとも1つである方法。
【請求項11】
前記溶媒がケトン、アルキルアミド又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒が、メタノール、イソプロパノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド又はアセトニトリルである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒がブタノールである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
水を滴下して加えている、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
段階(b)の溶液を約45℃以上の温度で加熱することを更に含んで成る、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法。
【請求項17】
約6.1、7.3、14.2、17.5、及び22.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶。
【請求項18】
約8.1、10.4、15.3、20.5及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項17に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項19】
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とトルエンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製した、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶。
【請求項20】
約7.3、8.2、14.3、20.5、及び23.8±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1において特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項21】
約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項20に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項22】
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量(portion)、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又はその両方で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱保護をしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;
(b)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(c)当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項23】
前記方法中の段階(a)及び(c)における第一のC1〜C4アルコール又第二のC1〜C4アルコールがメタノールである、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項24】
前記方法の段階(a)の酸がギ酸である、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項25】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を調製するための前記方法が更に、水と段階(a)の溶液を組み合わせることを含んで成る、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項26】
約10.6、12.1、17.8、19.4及び21.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は約1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項27】
約7.1、8.9、16.3、20.5及び24.0±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項28】
(a)粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項29】
前記方法の段階(a)のアルコールがメタノールである、請求項28に記載のカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項30】
約6.0、12.0、18.0、21.0及び22.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は1759、1727、1464、1438及び1071cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項31】
約10.3、16.3、19.8、21.6及び23.1±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項30に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項32】
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、及び水で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱保護をしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;
(b)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(c)当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項33】
前記方法の段階(a)及び(c)における前記第一のC1〜C4アルコール又前記第二のC1〜C4アルコールがメタノールである、請求項32に記載のカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項34】
前記方法の段階(d)の混合物にカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を播種している、請求項32に記載のカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項35】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)請求項17、20、26又は30のいずれか1項に記載のカンデサルタンシレキセチルの溶液をC1〜C4アルコール中で調製し;そして
(b)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項36】
前記アルコールがエタノールである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記段階(b)の溶液を、約0℃〜約10℃の温度で冷却している、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)請求項17、20、26又は30のいずれか1項に記載のカンデサルタンシレキセチルのスラリーをC1〜C4アルコール中で調製し;そして
(b)当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離する、
段階を含んで成る方法。
【請求項39】
前記スラリーを約−20℃〜約20℃の温度で冷却している、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
約
6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θ;
6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θ;
6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θ;
6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θ;
7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θ;
6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θ;
6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θ;
6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θ;
6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θ;
6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θ;
6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θ;
7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4±0.2度2θ;
3.6±0.2度2θ;
6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θ;
6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θ;
6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θ;又は
6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θ、
にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、カンデサルタンシレキセチル。
【請求項41】
約6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θにピークを有するX線粉回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;そして
(b)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒がケトン又はテトラヒドロフランの少なくとも1つである方法。
【請求項42】
約6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を約40℃〜約60℃の温度で約8.9%の重量減少になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項43】
約6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を約40℃〜約60℃の温度で約11%の重量減少になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項44】
約6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とヘプタンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項45】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を約40℃〜約60℃の温度で一定重量になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項46】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをトルエンで粉砕して混合物を形成させ;そして
(b)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項47】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とブタノールを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項48】
約6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン溶媒中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項49】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と溶媒の第一分量を組み合わせて第一混合物を形成させ;
(c)当該第一混合物を約10℃未満の温度で冷却し;
(d)第一混合物を当該溶媒の第二分量と組み合わせて第二混合物を形成させ;そして
(e)当該第二混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒がアセトニトリル、tertブチルメチルエーテル、又はトルエンの少なくとも1つである方法。
【請求項50】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項51】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項52】
約6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)カンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項53】
約6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム又はジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と溶媒を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、ヘプタン、シクロヘキサン、又はtertブチルメチルエーテルの少なくとも1つである方法。
【請求項54】
約6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と酢酸イソアミルを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項55】
請求項17に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とトルエンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項56】
請求項20に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又その両方中で形成させ;
(b)段階(a)の溶液を還流温度で加熱し;
(c)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(d)当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(e)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項57】
約6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とアセトニトリルを組み合わせて沈殿を形成させ;そして
(c)カンデサルタンシレキセチルXV型結晶を単離する、
段階を含んで成る方法。
【請求項58】
約7.0、8.9、16.7、17.4及び19.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を加熱することを含んで成る方法。
【請求項59】
約3.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶又はXV型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項60】
約6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項61】
約6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをアセトニトリル中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約50℃〜約70℃の温度で加熱し;
(c)当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項62】
約6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項63】
約6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約20℃〜約25℃の温度で約7日以上に渡り沈殿が形成される迄維持し;そして
(c)カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を回収する、
段階を含んで成る方法。
【請求項64】
請求項26に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項65】
請求項30に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、及び水中形成させ;
(b)段階(a)の溶液を還流温度で加熱し;
(c)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(d)当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(e)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項66】
カンデサルタンシレキセチルII型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを水で粉砕し;そして
(b)カンデサルタンシレキセチルII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項67】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII、V、IX、XI、又はXIV型結晶を約100℃の温度で約13時間に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項68】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を水に注いで混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物から非晶質カンデサルタンシレキセチルを沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項69】
他の多形結晶を約5重量%未満有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶。
【請求項70】
最大約500ミクロンの平均粒子サイズを有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶。
【請求項71】
最大約200ミクロンの平均粒子サイズを有する請求項70に記載のカンデサルタンシレキセチル結晶。
【請求項72】
最大約50ミクロンの平均粒子サイズを有する請求項71に記載のカンデサルタンシレキセチル結晶。
【請求項73】
1以上の医薬的に許容できる賦形剤とカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶の少なくとも1つを組み合わせることによって調製した医薬組成物。
【請求項1】
カンデサルタンシレキセチル溶媒和物。
【請求項2】
前記溶媒和物が、アセトン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン/ヘプタン、トルエン、メチルエチルケトン、ジオキサン/水、クロロホルム/ヘプタン、ジクロロメタン/酢酸イソアミル、ジクロロメタン、クロロホルム/アセトニトリル、テトラヒドロフラン/水、アセトニトリル/水、メタノール、及びトルエン/メタノールの溶媒和物からなる群から選択されている、請求項1に記載のカンデサルタンシレキセチル溶媒和物。
【請求項3】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、C1〜C4アルコール、C3〜C8エステル、又はアセトニトリルの少なくとも1つである方法。
【請求項4】
前記溶媒和物がC3〜C8エステル又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、ブタノール、メタノール、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒がブタノールである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記段階(b)の溶液を約45℃〜約70℃の温度で加熱している、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記段階(b)の溶液を還流温度で加熱している、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
更に、カンデサルタンシレキセチルを約35℃〜約60℃の温度で乾燥させることを含んで成る、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして混合物液を形成させ;
(b)当該溶液を水と組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、C1〜C4アルコール、ケトン、アルキルアミド又はアセトニトリルの少なくとも1つである方法。
【請求項11】
前記溶媒がケトン、アルキルアミド又はアセトニトリルの少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記溶媒が、メタノール、イソプロパノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド又はアセトニトリルである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒がブタノールである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
水を滴下して加えている、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
段階(b)の溶液を約45℃以上の温度で加熱することを更に含んで成る、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
カンデサルタンシレキセチルVII型結晶又はVIII型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法。
【請求項17】
約6.1、7.3、14.2、17.5、及び22.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶。
【請求項18】
約8.1、10.4、15.3、20.5及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項17に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項19】
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタンに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とトルエンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製した、カンデサルタンシレキセチルXIV型結晶。
【請求項20】
約7.3、8.2、14.3、20.5、及び23.8±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は約1733、1479、1359、1288、1253、及び1085cm-1において特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項21】
約6.4、9.3、16.7、25.3、及び28.0±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項20に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項22】
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量(portion)、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又はその両方で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱保護をしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;
(b)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(c)当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項23】
前記方法中の段階(a)及び(c)における第一のC1〜C4アルコール又第二のC1〜C4アルコールがメタノールである、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項24】
前記方法の段階(a)の酸がギ酸である、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項25】
カンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を調製するための前記方法が更に、水と段階(a)の溶液を組み合わせることを含んで成る、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶。
【請求項26】
約10.6、12.1、17.8、19.4及び21.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は約1759、1723、1429、1351、1279、及び1082cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項27】
約7.1、8.9、16.3、20.5及び24.0±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項22に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項28】
(a)粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項29】
前記方法の段階(a)のアルコールがメタノールである、請求項28に記載のカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶。
【請求項30】
約6.0、12.0、18.0、21.0及び22.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターン、又は1759、1727、1464、1438及び1071cm-1に特徴的な吸収バンドを有するFTIRスペクトルの少なくとも1つから選択されたデータを特徴とする、カンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項31】
約10.3、16.3、19.8、21.6及び23.1±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを更に特徴とする、請求項30に記載のカンデサルタンシレキセチル。
【請求項32】
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、及び水で調製してトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱保護をしてカンデサルタンシレキセチルを獲得し;
(b)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(c)当該残留物とトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法によって調製したカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項33】
前記方法の段階(a)及び(c)における前記第一のC1〜C4アルコール又前記第二のC1〜C4アルコールがメタノールである、請求項32に記載のカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項34】
前記方法の段階(d)の混合物にカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を播種している、請求項32に記載のカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶。
【請求項35】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)請求項17、20、26又は30のいずれか1項に記載のカンデサルタンシレキセチルの溶液をC1〜C4アルコール中で調製し;そして
(b)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項36】
前記アルコールがエタノールである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記段階(b)の溶液を、約0℃〜約10℃の温度で冷却している、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製するための方法であって:
(a)請求項17、20、26又は30のいずれか1項に記載のカンデサルタンシレキセチルのスラリーをC1〜C4アルコール中で調製し;そして
(b)当該スラリーからカンデサルタンシレキセチルI型結晶を単離する、
段階を含んで成る方法。
【請求項39】
前記スラリーを約−20℃〜約20℃の温度で冷却している、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
約
6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θ;
6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θ;
6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θ;
6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θ;
7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θ;
6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θ;
6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θ;
6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θ;
6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θ;
6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θ;
6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θ;
7.0、8.9、16.7、17.4、及び19.4±0.2度2θ;
3.6±0.2度2θ;
6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θ;
6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θ;
6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θ;又は
6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θ、
にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、カンデサルタンシレキセチル。
【請求項41】
約6.5、18.8、20.3、21.9、及び23.6±0.2度2θにピークを有するX線粉回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを溶媒に溶かして溶液を形成させ;そして
(b)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒がケトン又はテトラヒドロフランの少なくとも1つである方法。
【請求項42】
約6.1、10.8、18.4、20.0、及び21.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を約40℃〜約60℃の温度で約8.9%の重量減少になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項43】
約6.2、6.5、7.3、12.0、及び18.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII型結晶を約40℃〜約60℃の温度で約11%の重量減少になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項44】
約6.5、7.3、9.3、17.6、及び19.8±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とヘプタンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項45】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を約40℃〜約60℃の温度で一定重量になるように乾燥させることを含んで成る方法。
【請求項46】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをトルエンで粉砕して混合物を形成させ;そして
(b)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項47】
約7.4、10.1、17.5、20.5、及び23.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とブタノールを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルVII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項48】
約6.4、10.2、17.5、20.5、及び23.5±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン溶媒中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルVIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項49】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをメチルエチルケトン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と溶媒の第一分量を組み合わせて第一混合物を形成させ;
(c)当該第一混合物を約10℃未満の温度で冷却し;
(d)第一混合物を当該溶媒の第二分量と組み合わせて第二混合物を形成させ;そして
(e)当該第二混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒がアセトニトリル、tertブチルメチルエーテル、又はトルエンの少なくとも1つである方法。
【請求項50】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液をトルエンと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項51】
約6.5、7.4、8.4、15.9、及び25.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルX型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項52】
約6.0、12.1、18.1、19.7、及び21.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)カンデサルタンシレキセチルX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項53】
約6.5、8.5、18.0、21.1、及び24.9±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム又はジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と溶媒を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXI型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成り、当該溶媒は、ヘプタン、シクロヘキサン、又はtertブチルメチルエーテルの少なくとも1つである方法。
【請求項54】
約6.2、11.8、16.5、20.1、及び25.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と酢酸イソアミルを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項55】
請求項17に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジクロロメタン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とトルエンを組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項56】
請求項20に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、酸、又その両方中で形成させ;
(b)段階(a)の溶液を還流温度で加熱し;
(c)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(d)当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(e)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIV−1型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項57】
約6.3、7.3、20.0、21.4、及び24.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液とアセトニトリルを組み合わせて沈殿を形成させ;そして
(c)カンデサルタンシレキセチルXV型結晶を単離する、
段階を含んで成る方法。
【請求項58】
約7.0、8.9、16.7、17.4及び19.4±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製する方法であって、カンデサルタンシレキセチルVI型結晶を加熱することを含んで成る方法。
【請求項59】
約3.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルXIII型結晶又はXV型結晶を約90℃〜約120℃の温度で約10時間以上に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項60】
約6.2、10.8、20.1、20.7、及び21.6±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXVIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項61】
約6.4、7.3、8.2、14.7、及び15.7±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをアセトニトリル中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約50℃〜約70℃の温度で加熱し;
(c)当該溶液と水を組み合わせて混合物を形成させ;そして
(d)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXIX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項62】
約6.3、12.5、18.7、20.3、及び23.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをクロロホルム中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液をアセトニトリルと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXX型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項63】
約6.1、7.3、20.0、21.6、及び24.3±0.2度2θにピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする請求項40に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをテトラヒドロフラン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約20℃〜約25℃の温度で約7日以上に渡り沈殿が形成される迄維持し;そして
(c)カンデサルタンシレキセチルXXI型結晶を回収する、
段階を含んで成る方法。
【請求項64】
請求項26に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)粗製のカンデサルタンをC1〜C4アルコールに溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を約45℃以上の温度で加熱し;そして
(c)当該溶液からカンデサルタンシレキセチルXXII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項65】
請求項30に記載のカンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)トリチルカンデサルタンシレキセチルの溶液をトルエン又はジクロロメタンの第一分量、及び第一のC1〜C4アルコール、及び水中形成させ;
(b)段階(a)の溶液を還流温度で加熱し;
(c)当該溶液を濃縮して残留物にし;
(d)当該残留物をトルエン又はジクロロメタンの第二分量、及び第二のC1〜C4アルコールと組み合わせて混合物を形成させ;そして
(e)当該混合物からカンデサルタンシレキセチルXXIII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項66】
カンデサルタンシレキセチルII型結晶を調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルを水で粉砕し;そして
(b)カンデサルタンシレキセチルII型結晶を沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項67】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって、カンデサルタンシレキセチルIII、V、IX、XI、又はXIV型結晶を約100℃の温度で約13時間に渡り加熱することを含んで成る方法。
【請求項68】
非晶質カンデサルタンシレキセチルを調製するための方法であって:
(a)カンデサルタンシレキセチルをジオキサン中に溶かして溶液を形成させ;
(b)当該溶液を水に注いで混合物を形成させ;そして
(c)当該混合物から非晶質カンデサルタンシレキセチルを沈殿させる、
段階を含んで成る方法。
【請求項69】
他の多形結晶を約5重量%未満有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶。
【請求項70】
最大約500ミクロンの平均粒子サイズを有するカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶。
【請求項71】
最大約200ミクロンの平均粒子サイズを有する請求項70に記載のカンデサルタンシレキセチル結晶。
【請求項72】
最大約50ミクロンの平均粒子サイズを有する請求項71に記載のカンデサルタンシレキセチル結晶。
【請求項73】
1以上の医薬的に許容できる賦形剤とカンデサルタンシレキセチルIII、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIII、XIV、XIV−1、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、又はXXIII型結晶の少なくとも1つを組み合わせることによって調製した医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22】
【図23】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図27b】
【図27c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22】
【図23】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図27b】
【図27c】
【公開番号】特開2009−185060(P2009−185060A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−109996(P2009−109996)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【分割の表示】特願2005−134593(P2005−134593)の分割
【原出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109996(P2009−109996)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【分割の表示】特願2005−134593(P2005−134593)の分割
【原出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】
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