説明

カーシェアリングシステム

【課題】ユーザが使用済の自動車の位置を把握できるようにすることで、利便性を向上する。
【解決手段】ユーザが自動車Cを使用していないと判定された場合に、自動車Cに搭載された自動車端末300から、ユーザが自動車を使用していないことを表す空車情報と位置情報をサーバ200を経由して携帯端末100に送信する。その結果、携帯端末100の表示部110では、受信した位置情報に基づき非使用中である自動車Cの位置を表示する。これにより、ユーザは使用済の自動車Cの位置を把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザが自動車を共同で使用するためのカーシェアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車は社会において必要不可欠と言えるほどに普及している。しかし、特に都市部では、駐車スペースの不足や、高額な駐車料金、または自動車を使用する機会が限られている等の理由により、自動車を購入し保有することをやめる人も少なくない。また、自動車台数の増加による大気汚染等の環境への負荷や、特に都市部における過剰な交通渋滞の発生も問題視されており、これらの低減・抑制が望まれている。このような社会情勢から、一台の自動車を複数のユーザで使用するカーシェアリングシステムが提唱されている。
【0003】
例えば特許文献1には、登録会員が共同利用可能な自動車を、団地、マンション等の共同住宅の駐車場に設置し、自動的に貸出可能とするカーシェアリングシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−288784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のカーシェアリングシステムは、共同住宅の住人であるユーザが駐車場から借りた自動車を元の駐車場へ返却することを前提として成り立っているため、共同住宅の住人同士でしかカーシェアリングを行うことができない。しかしながら、前述した環境負荷の低減や交通渋滞の抑制を図るには、このような閉鎖地域に限定されない、更なるカーシェアリングの拡大を行うことが望まれる。そのためには、ユーザが任意の場所で自動車を乗り捨てできるようにし、利便性の向上を図ることが必須である。
【0005】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、複数のユーザが自動車を共同で使用するためのカーシェアリングシステムであって、前記ユーザによる前記自動車の使用状況に関わる情報(以下、車両使用情報と称する)を生成する使用情報生成手段と、前記使用情報生成手段により生成された前記車両使用情報に対応する前記自動車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記使用情報生成手段により生成された前記車両使用情報、及び前記位置情報取得手段により取得された前記位置情報を送信する使用情報送信手段と、前記使用情報送信手段により送信された前記車両使用情報に応じ、前記位置情報に基づく前記自動車の位置を表示する表示手段と、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のカーシェアリングシステムCSの全体構成例を概念的に示す図である。
【0008】
本実施形態のカーシェアリングシステムCSは、複数のユーザが自動車を共同で使用でき、且つ、ユーザが所望の場所に使用済の自動車を乗り捨てられるカーシェアリングシステムである。図1に示す例では、カーシェアリングシステムCSは、複数のユーザが各々携帯する複数の携帯端末100と、サーバ200と、複数の自動車Cとを有している。なお、図1では煩雑防止のため携帯端末100を1台のみ図示している。
【0009】
図1に示す例では、複数の自動車Cは、1号車C1、2号車C2、3号車C3、4号車C4及び5号車C5の5台の自動車で構成されている。これら5台の自動車C1〜C5にはNo.1〜No.5の車体ナンバーがそれぞれ割り振られている。この例では、各自動車Cのユーザによる使用状況は、1号車C1、3号車C3及び4号車C4については使用中であり、2号車C2及び5号車C5については非使用中である。
【0010】
自動車C1〜C5には自動車端末300がそれぞれ搭載されている。これらの自動車端末300は、サーバ200を介し、複数の携帯端末100と無線通信によりデータ通信可能にそれぞれ接続されている。なお、ここでは携帯端末100と自動車端末300とがサーバ200を介して接続されるようにしたが、サーバ200を介さずに接続されるようにしてもよい。
【0011】
携帯端末100は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末である。この携帯端末100は、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部110と、ユーザが各種操作入力を行うための十字キー121及び操作ボタン122,123から構成される操作部120とを有している。なお、携帯端末100の代わりに携帯電話等を用いてもよい。
【0012】
表示部110(表示手段に相当)は、自動車端末300から送信された、ユーザによる自動車Cの使用状況に関わる情報(車両使用情報に相当。後述する実車情報、空車情報を含む)に応じ、GPS衛生からのGPS信号(位置情報に相当)に基づく自動車Cの位置を表示する。具体的には、自動車端末300から送信された、ユーザが自動車Cを使用していないことを表す空車情報を、サーバ200を経由して受信した場合には、GPS信号に基づく自動車Cの位置を表示する。一方、自動車端末300から送信された、ユーザが自動車Cを使用していることを表す実車情報を、サーバ200を経由して受信した場合には、自動車Cの位置を表示しない。なお、空車情報を受信して自動車Cの位置表示を行っている際に、対応する自動車Cがユーザにより使用され、その実車情報を受信した場合には、自動車Cの位置表示を停止する。
【0013】
したがって、図1に示す例では、携帯端末100の表示部110には、非使用中である2号車C2及び5号車C5について位置表示が行われ、使用中である1号車C1、3号車C3及び4号車C4については位置表示が行われていない。このとき、位置表示された自動車Cについては、その位置を表す車体マークMcと共に、車体ナンバーがそれぞれ車体マークMcの近傍に表示される。また、表示部110の略中心部には、ユーザの現在位置を表す現在地マークMhが表示されている。
【0014】
図2は、携帯端末100の機能構成例を示す機能ブロック図である。
携帯端末100は、各構成要素が図示しないCPU等を含む制御部130により制御されて動作する。
【0015】
自動車Cの自動車端末300とサーバ200を経由して送受信されるデータは、アンテナ131、無線送受信部132により処理される。すなわち、自動車端末300からの送信電波はアンテナ131で受信され、無線送受信部132で復調されて受信信号が生成される。この受信信号は制御部130へ供給される。一方、制御部130から自動車端末300へ送信される送信信号は、無線送受信部132へ送られ、無線送受信部132により変調されてアンテナ131へ供給され、アンテナ131を介し電波として送信される。
【0016】
GPSアンテナ133は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信信号をGPS受信部134へ供給する。GPS受信部134は、複数の電波を利用して携帯端末100の現在位置を求め、位置情報として制御部130へ供給する。
【0017】
さらに制御部130には、メモリ135、大容量記憶部136、上述した表示部110及び操作部120がそれぞれ接続されている。メモリ135は、種々の処理において一時的にデータを記憶するために使用される。また大容量記憶部136は、例えばハードディスクや大容量メモリ等で構成されるものであり、携帯端末100の有する種々の機能を実行するためのプログラムや地図データ等が予め記憶されている。
【0018】
図3は、自動車Cに搭載された自動車端末300の機能構成例を示す機能ブロック図である。
自動車端末300は、上述した携帯端末100と同様に、各構成要素が図示しないCPU等を含む制御部330により制御されて動作する。
【0019】
携帯端末100とサーバ200を経由して送受信されるデータは、アンテナ331、無線送受信部332により処理される。すなわち、携帯端末100からの送信電波はアンテナ331で受信され、無線送受信部332で復調されて受信信号が生成される。この受信信号は制御部330へ供給される。一方、制御部330から携帯端末100へ送信される送信信号は、無線送受信部332へ送られ、無線送受信部332により変調されてアンテナ331へ供給され、アンテナ331を介し電波として送信される。
【0020】
GPSアンテナ333は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、受信信号をGPS受信部334へ供給する。GPS受信部334は、複数の電波を利用して自動車端末300の現在位置を求め、位置情報として制御部330へ供給する。
【0021】
さらに制御部330には、メモリ335、大容量記憶部336、ユーザが各種操作入力を行うための操作部320及び認証情報取得部337がそれぞれ接続されている。メモリ335は、種々の処理において一時的にデータを記憶するために使用される。また大容量記憶部336は、例えばハードディスクや大容量メモリ等で構成されるものであり、自動車端末300の有する種々の機能を実行するためのプログラムや地図データ等が予め記憶されている。
【0022】
認証情報取得部337は、ユーザが所持するIDカードが認証取得デバイス310に差し込まれた際に、当該IDカードから認証情報を取得する。取得された認証情報は、制御部330に供給される。なお、IDカードは、ユーザが例えばカーシェアリングシステムCSのユーザ登録を行った際に各ユーザに対しそれぞれ発行されるものであり、対応するユーザに対し自動車Cの使用を許可するための認証情報が予め記憶されている。また、認証取得デバイス310は、例えばダッシュボード上部等に設けられており、IDカード差し込み用の図示しない差込口を有している。これにより、ユーザは、自動車Cを使用する際、自動車Cに乗車してIDカードを認証取得デバイス310に差し込むことで、認証情報取得部337により認証情報が取得され、その結果、自動車Cの使用が可能となるようになっている。
【0023】
なお、ユーザの認証情報は、上記IDカードに限らず、例えばユーザ登録を行った際に携帯端末100のメモリ135又は大容量記憶部136に書き込まれるようにしてもよいし、ユーザ登録した際に渡される電子キーに記憶されるようにしてもよい。この場合には、ユーザが携帯端末100から認証情報を無線通信により送信する、または電子キーから認証情報を送信することにより、認証情報取得部337により認証情報が取得される。
【0024】
図4は、自動車端末300の制御部330により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。制御部330は、例えば自動車端末300の電源投入時にこのフローを開始し、その後は自動車Cのエンジンの起動・停止に関わらず、常時このフローを繰り返し実行するようになっている。
【0025】
まずステップS10では、制御部330は、自動車Cが空車であるか否か、言い換えればユーザが自動車Cを使用していないか否かを判定する。具体的には、例えば、自動車Cのギアがパーキングに切り替えられている場合、自動車Cのアクセサリー電源が遮断されている場合、自動車Cのキーが抜かれている場合、ユーザが自動車Cから下車したことをドアの開閉等により検知した場合、ユーザがIDカードを認証取得デバイス310から引き抜くことによりユーザの認証情報を取得できなくなった場合、あるいはユーザにより操作部320を用いて使用終了に対応する所定の操作入力があった場合等に、自動車Cは使用されていないと判定する。一方、自動車Cのギアがパーキング以外に切り替えられている場合、自動車Cのアクセサリー電源が投入されている場合、自動車Cのキーが差し込まれている場合、ユーザが自動車に乗車したことをドアの開閉等により検知した場合、ユーザがIDカードを認証取得デバイス310に差し込むことによりユーザの認証情報を取得した場合、あるいはユーザにより操作部320を用いて使用開始や使用継続に対応する所定の操作入力があった場合等に、自動車Cは使用されていると判定する。制御部330は、ユーザが自動車Cを使用していない、すなわち自動車Cが空車であると判定した場合には、次のステップS20を実行する。一方、ユーザが自動車Cを使用している、すなわち自動車Cが実車であると判定した場合には、後述するステップS60を実行する。なお、このステップS10が使用判定手段に相当する。
【0026】
ステップS20では、制御部330は、ユーザが自動車Cを使用していないことを表す空車情報を生成する。この空車情報には、当該自動車端末300が搭載された自動車Cの車体ナンバー情報が含まれている。なお、このステップS20が使用情報生成手段に相当する。
【0027】
次にステップS30では、制御部330は、GPS衛星から受信した複数の電波を利用してGPS受信部334により求められた位置情報を取得する。なお、このステップS30が位置情報取得手段に相当する。
【0028】
次にステップS40では、制御部330は、ステップS20で生成した空車情報及びステップS30で取得した位置情報を、無線送受信部332及びアンテナ331を介してサーバ200に送信する。この送信された空車情報及び位置情報は、サーバ200を経由して各携帯端末100に送信される。なお、このステップS40が使用情報送信手段に相当する。
【0029】
次にステップS50では、制御部330は、自動車Cの走行をロックする。具体的には、例えば自動車Cのギアをパーキングに固定する、自動車Cのキーを差し込み不可とする、エンジンを起動しないようにする、あるいはドアをロックして開かないようにする等により、自動車Cの走行をロックする。なお、ドアを開かないようにして走行をロックする場合には、後述する認証情報の取得をユーザが車外から行えるようにする必要がある。また、このステップS50が走行ロック手段に相当する。その後、後述するステップS80を実行する。
【0030】
なお、先のステップS10において、ユーザが自動車Cを使用している、すなわち自動車Cが実車であると判定した場合には、制御部330は前述したようにステップS60を実行する。このステップS60では、制御部330は、ユーザが自動車Cを使用していることを表す実車情報を生成する。この実車情報には、当該自動車端末300が搭載された自動車Cの車体ナンバー情報が含まれている。なお、このステップS60が上記ステップS20と共に使用情報生成手段に相当する。
【0031】
次にステップS70では、制御部330は、ステップS60で生成した実車情報を無線送受信部332及びアンテナ331を介してサーバ200に送信する。この送信された実車情報は、サーバ200を経由して各携帯端末100に送信される。なお、このステップS70が上記ステップS40と共に使用情報送信手段に相当する。その後、次のステップS80を実行する。
【0032】
ステップS80では、制御部330は、認証情報を取得したか否かを判定する。具体的には、ユーザによりIDカードが認証取得デバイス310に差し込まれ、そのIDカードから認証情報取得部337を介して認証情報が取得されたか否かを判定する。制御部330は、認証情報を取得していないと判定した場合には、本フローを終了する一方、認証情報を取得したと判定した場合には、次のステップS90を実行する。なお、このステップS80が認証情報取得手段に相当する。
【0033】
ステップS90では、制御部330は、ステップS50で実行した走行ロックを解除する。具体的には、例えば自動車Cのギアをパーキング以外に切替可能とする、自動車Cのキーを差し込み可能とする、エンジンを起動可能にする、あるいはドアロックを解除する等により、自動車Cの走行ロックを解除する。なお、このステップS90が上記ステップS50と共に走行ロック手段に相当する。
【0034】
図5は、携帯端末100の制御部130により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。制御部130は、例えばユーザにより適宜の処理開始操作が行われることによりこのフローを開始し、その後は処理終了操作が行われるまでこのフローを繰り返し実行するようになっている。
【0035】
まずステップS110では、制御部130は、GPS衛星から受信した複数の電波を利用してGPS受信部134により求められた位置情報を取得する。
【0036】
次にステップS120では、制御部130は、ステップS110で取得した位置情報に基づき、大容量記憶部136から地図データを読み出して、携帯端末100の現在位置を地図と共に表示部110に表示させる。これにより、表示部110に図1に示した現在地マークMhが表示される。
【0037】
次にステップS130では、制御部130は、アンテナ131及び無線送受信部132を介し、自動車端末300からサーバ200を経由して送信される空車情報又は実車情報、及び位置情報を受信する。なお、空車情報及び実車情報には、前述したように対応する自動車Cの車体ナンバー情報が含まれている。
【0038】
次にステップS140では、制御部130は、ステップS130で受信した情報が、空車情報であるか否かを判定する。制御部130は、受信した車両使用情報が空車情報である場合には、次のステップS150を実行する。一方、受信した車両使用情報が実車情報である場合には、後述のステップS160を実行する。
【0039】
ステップS150では、制御部130は、ステップS130で自動車端末300から受信した自動車Cの位置情報及び車体ナンバー情報に基づき、自動車Cの位置を表示部110に表示させる。これにより、表示部110に図1に示した車体マークMc及び車体ナンバーが表示される。
【0040】
一方、ステップS160では、制御部130は、表示部110による自動車Cの位置を非表示とする。これにより、非使用中であった自動車Cが使用中となった場合には、表示部110における自動車Cの位置表示が停止されることになる。
【0041】
図6は、携帯端末100の表示部110における表示の推移例を表す図である。なお、この図6に示す例ではユーザの現在地は移動しないものとする。
【0042】
図6(a)は、図1と同様の状態における表示例を示すものである。前述したように、表示部110には、非使用中である2号車C2及び5号車C5について車体マークMc及び車体ナンバーがそれぞれ表示され、使用中である1号車C1、3号車C3及び4号車C4については位置表示が行われていない。
【0043】
図6(b)は、図6(a)に示す状態から5号車C5が使用中になった場合の表示例を示すものである。5号車C5が使用中となることで、5号車C5の自動車端末300からサーバ200を経由して携帯端末100に実車情報が送信される。その結果、表示部110では、5号車C5の車体マークMc及び車体ナンバーの表示がそれぞれ停止される。
【0044】
図6(c)は、図6(b)に示す状態から3号車C3が非使用中になった場合の表示例を示すものである。3号車C3が非使用中となることで、3号車C3の自動車端末300からサーバ200を経由して携帯端末100に空車情報が送信される。その結果、表示部110では、3号車C3の車体マークMc及び車体ナンバーがそれぞれ新たに表示される。
【0045】
なお、表示部110における表示地図の範囲は固定でもよいし、ユーザの選択した縮尺に応じて可変としてもよい。ユーザの選択した縮尺に応じて地図範囲を可変とする場合には、徒歩で移動している場合には近隣範囲、電車で移動している場合には広範囲といったように、各ユーザにより移動可能な距離に応じた空車検索を行うことができる。
【0046】
次に、以上説明したカーシェアリングシステムCSにおいて、ユーザが自動車Cを利用する際の手順例を説明する。まずユーザは、携帯端末100の表示部110の表示を参照し、使用されていない自動車Cがどこに存在するかを把握する。そして、使用する自動車Cを決定したら、当該自動車Cの乗り捨て場所に移動する。次に、自動車Cに乗車してIDカードを認証取得デバイス310に差し込む。これにより、自動車端末300の認証情報取得部337により認証情報が取得され、自動車Cの走行ロックが解除されるため、ユーザは自動車Cを使用することができる。このとき、当該使用中の自動車Cの自動車端末300からは実車情報が送信されるため、他のユーザの携帯端末100では当該自動車Cの位置表示が行われない。
【0047】
そして、ユーザは自動車Cの使用が終了したら、駐車場等に自動車Cを駐車し、IDカードを認証取得デバイス310から引き抜いて下車する。これにより、当該使用済の自動車Cの走行はロックされ、その自動車端末300からは空車情報が送信されるため、他のユーザの携帯端末100に当該自動車Cの位置表示が行われるようになる。これにより、当該使用済の自動車Cは、他のユーザが使用可能となる。このようにして、本実施形態のカーシェアリングシステムCSでは、複数のユーザが自動車Cを共同で使用でき、且つ、ユーザが所望の場所に使用済の自動車Cを乗り捨てることができる。
【0048】
以上のように、上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSは、複数のユーザが自動車Cを共同で使用するためのカーシェアリングシステムであって、ユーザによる自動車Cの使用状況に関わる情報(以下、車両使用情報と称する)を生成する使用情報生成手段S20,S60と、使用情報生成手段S20,S60により生成された車両使用情報(空車情報、実車情報に相当)に対応する自動車Cの位置情報(GPS信号に相当)を取得する位置情報取得手段S30と、使用情報生成手段S20,S60により生成された車両使用情報、及び位置情報取得手段S30により取得された位置情報を送信する使用情報送信手段S40,S70と、使用情報送信手段S40,S70により送信された車両使用情報に応じ、位置情報に基づく自動車Cの位置を表示する表示手段110(表示手段に相当)と、を備える。
【0049】
このカーシェアリングシステムCSにおいては、車両使用情報を使用情報生成手段S20,S60で生成し、この生成した車両使用情報に対応する自動車Cの位置情報を位置情報取得手段S30で取得し、これら生成した車両使用情報及び取得した位置情報を使用情報送信手段S40,S70で表示手段110に送信する。その結果、表示手段110は、受信した車両使用情報に応じ、受信した位置情報に基づく自動車Cの位置を表示する。
【0050】
このようにすると、受信した車両使用情報が、ユーザが自動車Cを使用していない状況に対応する場合に、表示手段110でその自動車Cの位置を表示することが可能となる。したがって、ユーザは、表示手段110の表示を参照することによって、使用されていない自動車Cがどこに存在するかを把握することができる。その結果、一のユーザが自動車Cの使用を終了して所望の場所に乗り捨てた場合であっても、別のユーザがその存在及び乗り捨て場所を把握し、当該場所に赴いて自動車Cを使用することができる。以上のように、ユーザは自由に自動車Cの乗り捨てを行うことができるので、利便性を向上することができる。その結果、更なるカーシェアリングの拡大を行うことができる。
【0051】
上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSにおいては、上述した構成に加えてさらに、ユーザが自動車Cを使用しているか否かを判定する使用判定手段S10を備え、使用情報生成手段S20は、使用判定手段S10によりユーザが自動車Cを使用していないと判定された場合に、車両使用情報として、ユーザが自動車Cを使用していないことを表す空車情報を生成し、位置情報取得手段S30は、使用情報生成手段S20により生成された空車情報に対応する自動車Cの位置情報を取得し、使用情報送信手段S40は、使用情報生成手段S20により生成された空車情報及び位置情報取得手段S30により取得された位置情報を送信し、表示手段110は、使用情報送信手段S40により空車情報が送信された場合に、位置情報に基づく自動車Cの位置を表示する。
【0052】
このようにすると、ユーザは、表示手段110の表示を参照することによって、使用されていない自動車Cがどこに存在するかを把握することができる。したがって、ユーザは自由に自動車Cの乗り捨てを行うことができ、利便性を向上することができる。
【0053】
上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSにおいては、上述した構成に加えてさらに、使用情報生成手段S60は、使用判定手段S10によりユーザが自動車Cを使用していると判定された場合に、車両使用情報として、ユーザが自動車Cを使用していることを表す実車情報を生成し、使用情報送信手段S70は、使用情報生成手段S60により生成された実車情報を送信し、表示手段110は、使用情報送信手段S70により実車情報が送信された場合には、位置表示を停止する。
【0054】
このようにすると、表示手段110では使用中の自動車Cは表示されず、使用されていない自動車Cのみが表示されるので、表示の煩雑化を防止できる。またその結果、ユーザは使用されていない自動車Cがどこに存在するかを容易且つ確実に把握することができる。
【0055】
上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSにおいては、上述した構成に加えてさらに、使用判定手段S10は、自動車Cのギアがパーキングに切り替えられている場合、自動車Cのアクセサリー電源が遮断されている場合、自動車Cのキーが抜かれている場合、ユーザが自動車Cから下車したことを検知した場合、ユーザの認証情報を取得できなくなった場合、若しくはユーザにより使用終了に対応する所定の操作入力があった場合に、自動車Cは使用されていないと判定し、自動車Cのギアがパーキング以外に切り替えられている場合、自動車Cのアクセサリー電源が投入されている場合、自動車Cのキーが差し込まれている場合、ユーザが自動車Cに乗車したことを検知した場合、ユーザの認証情報を取得した場合、若しくはユーザにより使用開始や使用継続に対応する所定の操作入力があった場合に、自動車Cは使用されていると判定する。
【0056】
このように、ユーザが自動車Cの使用を開始又は終了する際に通常行う行為を判定基準とすることで、ユーザによる自動車Cの使用状況を確実に判定することができる。
【0057】
上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSにおいては、上述した構成に加えてさらに、使用判定手段S10によりユーザが自動車Cを使用していないと判定された場合に、自動車Cの走行をロックする走行ロック手段S50,S90と、ユーザの認証情報を取得する認証情報取得手段S80とを備え、走行ロック手段S50,S90は、認証情報取得手段S80により認証情報が取得された場合に、ロックを解除する。
【0058】
このようにすると、例えばユーザ登録を行っていないユーザ等の認証情報を有さないユーザによる自動車Cの不正使用を防止することができると共に、例えばユーザ登録を行ったユーザ等の認証情報を有するユーザに対しては確実に自動車Cの使用を許可することができる。
【0059】
上記実施形態におけるカーシェアリングシステムCSにおいては、上述した構成に加えてさらに、表示手段110は、ユーザが携帯可能な携帯端末100に設けられている。
【0060】
このようにすることで、ユーザは携帯端末100の表示手段110の表示を参照することによって、時間及び場所を問わずに、使用されていない自動車Cがどこに存在するかを把握することができる。その結果、例えば出先で急に自動車Cが必要となったような場合でも対応することが可能となり、利便性をさらに向上することができる。
【0061】
なお、本実施形態は、上記に限られず、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0062】
(1)自動車の使用を予約できる場合
本変形例は、ユーザが携帯端末100の表示部110に表示された非使用中の自動車Cの中から、所望の自動車Cについての使用を予約することができる構成としたものである。なお、本変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、前述した実施形態のカーシェアリングシステムCSとほぼ同様の構成であり、部分的には同様の動作を実行する。このため、本変形例では、同一の構成及び動作については前述した実施形態における図1乃至図6と同一の符号を用いると共に、その説明を適宜省略し、以下では異なる点を中心として説明する。
【0063】
図7は、本変形例のカーシェアリングシステムCSの全体構成例を概念的に示す図である。
この図7において、前述の実施形態と異なる点は、操作部120が、十字キー121と、予約を行うための予約ボタン124及び予約をキャンセルするための取消ボタン125とで構成されている点である。ユーザは、十字キー121及び予約ボタン124(選択手段に相当)を用いて、表示部110に位置表示された非使用中の自動車Cの中から所望の自動車Cを選択することができる。
【0064】
次に、ユーザが自動車Cを予約する際の手順例を説明する。まずユーザは、予約ボタン124を操作する。これにより、表示部110にはカーソルCsが表示される。このカーソルCsは、表示された非使用中の自動車Cのいずれかを選択するように表示される。次にユーザは、十字キー121を用いてカーソルCsを移動させ、所望の自動車Cの表示上に移動させる。図7に示す例では、カーソルCsは2号車C2上に移動されている。移動が終了したら、選択を決定する。この決定操作は、予約ボタン124を再度操作することにより行ってもよいし、例えば十字キー121の中心部を押すこと等により行ってもよい。これにより選択が決定され、生成された予約情報が携帯端末100からサーバ200を経由して該当する自動車Cの自動車端末300に送信される。
【0065】
なお、上記カーソルCsは、ユーザの現在地から最も距離が近い自動車Cから距離が遠くなる順に移動するようにしてもよい。また、このようにカーソルCsを移動させて選択するのではなく、表示部110をタッチパネルで構成し、ユーザが予約したい自動車Cの表示を直接タッチすることにより選択可能としてもよい。さらに、このようにユーザがマニュアルで選択するのではなく、ユーザの現在地から最も距離が近い自動車Cが自動的に選択されるようにしてもよい。
【0066】
その後、予約情報を受信した自動車端末300は、予約済情報を生成してサーバ200を経由して各携帯端末100に送信する。これにより、各携帯端末100の表示部110では、当該予約された自動車Cの表示色が変更される。これにより、ユーザは自動車Cが予約済であるか否かを把握できるようになっている。
【0067】
図8は、本変形例において、自動車端末300の制御部330により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。この図8において、ステップS10〜ステップS70は、前述の図4と同様であるので説明を省略する。
【0068】
次にステップS71では、制御部330は、携帯端末100からサーバ200を経由して送信された予約情報を、アンテナ331及び無線送受信部332を介して受信したか否かを判定する。制御部330は、予約情報を受信した場合には、次のステップS72を実行する。一方、予約情報を受信しなかった場合には、後述のステップS80を実行する。
【0069】
ステップS72では、制御部330は、予約情報を受信したことを表す予約済情報を生成し、当該生成した予約済情報を無線送受信部332及びアンテナ331を介してサーバ200に送信する。この送信された予約済情報は、サーバ200を経由して各携帯端末100に送信される。なお、このステップS72が予約済情報送信手段に相当する。
【0070】
ステップS80は、前述の図4と同様であり、制御部330は、認証情報を取得したか否かを判定する。制御部330は、認証情報を取得していないと判定した場合には、本フローを終了する一方、認証情報を取得したと判定した場合には、次のステップS81を実行する。
【0071】
ステップS81では、制御部330は、携帯端末100からの予約情報の受信があったか否かを判定する。制御部330は、予約情報の受信があった場合には、次のステップS82を実行する。一方、予約情報の受信がなかった場合には、後述のステップS90を実行する。
【0072】
ステップS82では、制御部330は、ユーザが予約者であるか否かを判定する。具体的には、ユーザが操作部320を用いて入力した予約情報が、ステップS71で受信した予約情報と一致する場合には、ユーザが予約者であると判定する。なお、例えば携帯端末100から送信される予約情報にユーザの認証情報を紐付けして含ませておき、その受信した認証情報と、ステップS80でIDカードから取得した認証情報とが一致する場合に、ユーザが予約者であると判定するようにしてもよい。制御部330は、ユーザが予約者でないと判定した場合には、本フローを終了する一方、ユーザが予約者であると判定した場合には、次のステップS90を実行する。なお、このステップS82が予約者判定手段に相当する。
【0073】
ステップS90は、前述の図4と同様であり、制御部330は、ステップS50で実行した走行ロックを解除する。
【0074】
図9は、本変形例において、携帯端末100の制御部130により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。この図9において、ステップS110〜ステップS160は、前述の図5と同様であるので説明を省略する。
【0075】
次にステップS165では、制御部130は、ユーザにより予約ボタン124が操作されたか否かに応じて、非使用中である自動車Cの使用の予約を行うか否かを判定する。制御部130は、予約ボタン124が操作されない場合には、予約を行わないとみなして本フローを終了する一方、予約ボタン124が操作された場合には、予約を行うとみなして次のステップS170を実行する。
【0076】
ステップS170では、制御部130は、表示部110に予約を実行する自動車Cを選択するためのカーソルCsを表示させる。
【0077】
次にステップS175では、制御部130は、予約する自動車Cの選択がなされたか否かを判定する。具体的には、前述したように、ユーザが所望の自動車Cの表示上にカーソルCsを移動させた状態で、予約ボタン124を再度操作する等により選択を決定したか否かが判定される。制御部130は、選択が決定されるまで本判定を繰り返し、選択が決定されると次のステップS180を実行する。
【0078】
ステップS180では、制御部130は、予約情報を生成する。この予約情報は、当該予約ジョブを識別可能な例えば予約番号等の識別情報である。なお、この生成された予約情報は、メモリ135又は大容量記憶部136に記憶され、ユーザが自動車Cにおいて予約情報を入力する際等に、適宜必要に応じて読み出すことが可能となっている。また、このステップS180が予約情報生成手段に相当する。
【0079】
次にステップS185では、制御部130は、ステップS180で生成した予約情報を、無線送受信部132及びアンテナ131を介してサーバ200に送信する。この送信された予約情報は、サーバ200を経由して選択された自動車Cの自動車端末300に送信される。なお、このステップS185が予約情報送信手段に相当する。
【0080】
次にステップS190では、制御部130は、アンテナ131及び無線送受信部132を介し、自動車端末300からサーバ200を経由して送信される予約済情報を受信したか否かを判定する。制御部130は、予約済情報を受信するまで本判定を繰り返し、予約済情報を受信したら次のステップS195を実行する。
【0081】
ステップS195では、制御部130は、受信した予約済情報に対応する自動車Cの位置表示の表示態様を、例えば異なる色、形、模様、大きさにしたり、テキスト表示を追加する等により変更する。このとき、カーソルCsの表示は停止される。なお、表示態様を変更するのではなく、受信した予約済情報に対応する自動車Cの位置表示を停止するようにしてもよい。
【0082】
図10は、本変形例の携帯端末100の表示部110における表示の推移例を表す図である。なお、図10(c)は、予約を行ったユーザとは別のユーザの携帯端末100aにおける表示例を示すものである。
【0083】
図10(a)は、図7と同様の状態における表示例を示すものである。すなわち前述したように、表示部110には、非使用中である2号車C2及び5号車C5について車体マークMc及び車体ナンバーがそれぞれ表示され、カーソルCsは2号車C2上に移動されている。
【0084】
図10(b)は、図10(a)に示す状態から予約の決定を行った場合の表示例を示すものである。すなわち、ユーザが予約ボタン124を再度操作する等により選択を決定すると、生成された予約情報が携帯端末100からサーバ200を経由して該当する自動車Cの自動車端末300に送信される。これにより、予約情報を受信した自動車端末300は、予約済情報を生成してサーバ200を経由して各携帯端末100に送信する。これにより、各携帯端末100の表示部110では、当該予約された2号車C2の車体マークMcの表示色が変更される。このとき、自動車端末300からの予約済情報はサーバ200を経由して各携帯端末100に送信されるため、予約を行ったユーザとは別のユーザの携帯端末においても同様に表示色が変更される。これにより、全てのユーザはどの自動車Cが未予約であるかを容易に把握することができる。なお、この図10(b)に示す状態において、予約と同様の手順により、さらにキャンセル待ちの予約を実行できるようにしてもよい。
【0085】
図10(c)は、図10(a)及び図10(b)に示すようにして予約を実行したユーザが2号車C2の使用を開始した後に、同じ場所に来た別のユーザの携帯端末100aによる表示例を示すものである。2号車C2が使用中となることで、2号車C2の自動車端末300からサーバ200を経由して携帯端末100に実車情報が送信される。その結果、表示部110では、2号車C2の車体マークMc及び車体ナンバーの表示がそれぞれ停止される。
【0086】
図10(d)は、図10(b)に示す状態において、取消ボタン125が操作された場合の表示例を示すものである。この場合には、予約がキャンセルされて、図に示す通常の表示に戻るようになっている。なお、取消ボタン125が操作されなくても、自動車Cでのユーザが予約者であるか否かの認証が一定時間を経過しても行われない場合には、予約をキャンセルして同様の表示にしてもよい。あるいはこの場合には、予約をキャンセルしてもよいか予約者に問い合わせるようにしてもよい。このとき、上述したキャンセル待ちの予約が入っている場合には、そのキャンセル待ち予約者にも通知し、予約を受け付けるようにしてもよい。
【0087】
図11は、本変形例の携帯端末100の表示部110における別の表示の推移例を表す図である。すなわち、図10に示すように予約した自動車Cの表示態様を変更するのではなく、予約した自動車Cの位置表示を停止する場合の表示例である。
【0088】
図11(a)は、図10(a)と同様の状態における表示例を示すものである。すなわち前述したように、表示部110には、非使用中である2号車C2及び5号車C5について車体マークMc及び車体ナンバーがそれぞれ表示され、カーソルCsは2号車C2上に移動されている。
【0089】
図11(b)は、図11(a)に示す状態から予約の決定を行った場合の表示例を示すものである。この例では、各携帯端末100の表示部110では、当該予約された2号車C2の車体マークMc及び車体ナンバーの表示が停止される。なお、この状態において、予約を実行したユーザが2号車C2の使用を開始しても、同じ場所に来た別のユーザの携帯端末による表示例はそのままとなる。
【0090】
図11(c)は、図11(b)に示す状態において、取消ボタン125が操作された場合の表示例を示すものである。この場合には、予約がキャンセルされて図に示す通常の表示に戻り、2号車C2の車体マークMc及び車体ナンバーの表示が再度行われる。
【0091】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、表示手段110により位置表示された自動車Cの使用を予約するための予約情報を生成する予約情報生成手段S180と、予約情報生成手段S180により生成された予約情報を送信する予約情報送信手段S185と、を備える。
【0092】
このようにすると、ユーザは表示手段110に表示された非使用中の自動車Cの使用を予約することが可能となり、利便性をさらに向上することができる。
【0093】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、表示手段110により位置表示された自動車Cの中から所望の自動車Cをユーザが選択するための選択手段121,124(十字キー、予約ボタンに相当)を備え、予約情報生成手段S180は、選択手段121,124により選択された自動車Cを予約するための予約情報を生成する。
【0094】
このようにすることで、ユーザは非使用中の自動車Cの中から使用したい自動車Cをマニュアル操作で選択して予約することができるので、所望の自動車Cを確実に予約することができ、利便性をさらに向上することができる。
【0095】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、予約情報送信手段S185により送信された予約情報を受信した場合に、予約を受け付けたことを表す予約済情報を送信する予約済情報送信手段S72を備え、表示手段110は、予約済情報送信手段S72により予約済情報が送信された場合には、選択手段121,124により選択された自動車Cの位置表示を停止又はその表示態様を変更する。
【0096】
このようにすることで、表示手段110においては、使用されていない自動車Cのうち予約済の自動車Cについては表示が停止されるか、又は予約の有無に応じて異なる表示態様で表示されるので、ユーザはどの自動車Cが未予約であるかを容易に把握することができる。その結果、乗り捨て場所まで赴いたにも拘わらず他のユーザによって予約されていたため使用できなかったというような事態を防止できる。また、予約の有無に応じて表示態様を変更して表示する場合には、予約済の自動車Cに対しキャンセル待ちを行うことが可能となる。
【0097】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、予約情報送信手段S185により予約情報が送信された場合に、受信した予約情報と、認証情報取得手段S80により取得された認証情報とに基づき、ユーザが予約者であるか否かを判定する予約者判定手段S82を備え、走行ロック手段S50,S90は、予約者判定手段S82によりユーザが予約者であると判定された場合に、ロックを解除する。
【0098】
このようにすることで、予約者でないユーザによる自動車Cの不正使用を防止することができると共に、予約者であるユーザに対しては確実に自動車Cの使用を許可することができる。
【0099】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、予約情報生成手段S180及び予約情報送信手段S185を実行する制御部130、及び選択手段121,124は、携帯端末100に設けられている。
【0100】
このようにすることで、ユーザは携帯端末100の表示手段110の表示を参照することによって、時間及び場所を問わずに、非使用中の自動車Cの予約を行うことができる。その結果、例えば出先で急に自動車Cが必要となったような場合でも即座に自動車Cを予約して確保することが可能となり、利便性をさらに向上することができる。
【0101】
なお、以上説明した変形例では、自動車端末300においてユーザが予約者であるか否かの認証を行うようにしたが、この認証をサーバ200で行うようにしてもよい。具体的には、例えば自動車端末300においてユーザが操作部320を用いて入力した予約情報をサーバ200に送信し、サーバ200において自動車端末300から送信された予約情報と携帯端末100から送信された予約情報とが一致するか否かを判定する。一致する場合には、サーバ200から自動車端末300に走行ロック解除信号を送信し、これにより自動車Cを使用可能とすればよい。
【0102】
(2)携帯端末でなく情報板に表示を行う場合
前述の実施形態では、ユーザが所持する携帯端末100の表示部110に、空車表示等を行うようにしたが、例えば図12に示すシステム構成例のように、自動車Cの乗り場等の所定の場所に設置された情報板400に前述した携帯端末100と同様の機能を持たせ、この情報板400に設けられた表示部410(表示手段に相当)に空車表示等をさせるようにしてもよい。
【0103】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、表示手段410(表示部に相当)は、所定の場所に設置された情報板400に設けられている。このようにすることで、ユーザは所定の場所に設置された情報板400の表示を参照することによって、使用されていない自動車Cがどこに存在するかを把握することができる。またこのように情報板400に情報を表示することで、ユーザが専用の端末等を所持する必要がなくなり、ユーザにかかる労力的負担、経済的負担を低減することができる。
【0104】
またこの場合において、図13に示す外観例のように、情報板400に予約ボタン等からなる操作部420を設け、ユーザが表示部410に表示された非使用中の自動車Cの中から操作部420(選択手段に相当)を用いて所望の自動車Cを選択し、使用を予約することができる構成としてもよい。この場合、例えば予約完了時に情報板400から予約情報及び認証情報が記憶されたユーザ認証カードICが発行され、自動車Cに乗車してユーザ認証カードICを認証取得デバイス310に差し込むことで、予約者認証が行われるようにしてもよい。
【0105】
上記変形例におけるカーシェアリングシステムCSは、上述した構成に加えてさらに、予約情報生成手段S180、予約情報送信手段S185、及び選択手段420は、情報板400に設けられている。このようにすることで、ユーザは所定の場所に設置された情報板400の表示を参照することによって、非使用中の自動車Cを予約することができる。またこのように情報板400で予約を行うようにすることで、ユーザが予約をするための専用の端末等を所持する必要がなくなり、ユーザにかかる労力的負担、経済的負担を低減することができる。
【0106】
(3)地図表示でなく地名等を用いたリスト表示を行う場合
前述の実施形態では、携帯端末100の表示部110に非使用中の自動車Cの位置表示を行う際に地図表示を行うようにしたが、例えば図14に示す表示例のように、地名や目印等を用いたリスト表示を行うようにしてもよい。図15は、この場合において予約を行う場合の表示例であり、カーソルCsが表示されている。
【0107】
(4)その他
以上では、自動車Cのギアがパーキングに切り替えられている等により空車と判定された場合に、自動車端末300から空車情報を送信するようにしたが、駐車後でなく自動車Cがまだ走行中であっても空車情報を送信するようにしてもよい。具体的には、例えば乗り捨てを行う場所が確定した時点でユーザが予定乗り捨て場所を操作入力することにより、そこまでの経路から予定使用終了時刻が算出され、その予定時刻と予定場所と共に空車情報を送信するようにする。これにより、携帯端末100の表示部110は、自動車Cの乗り捨て予定位置を予定時刻と共に表示すればよい。
【0108】
また、携帯端末100の表示管理に合わせ、車外に向けて使用状況の表示を行う表示部を自動車Cに設けてもよい。これにより、ユーザは、表示手段110の表示を参照して使用されていない自動車Cの存在及び乗り捨て場所を把握し、当該場所に赴いた際に、表示部の表示により当該自動車Cが確かに非使用状態であることを確認することができる。したがって、ユーザの利便性をさらに向上することができる。
【0109】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施形態のカーシェアリングシステムの全体構成例を概念的に示す図である。
【図2】携帯端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】自動車に搭載された自動車端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】自動車端末の制御部により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。
【図5】携帯端末の制御部により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。
【図6】携帯端末の表示部における表示の推移例を表す図である。
【図7】自動車の使用を予約できる変形例のカーシェアリングシステムの全体構成例を概念的に示す図である。
【図8】自動車の使用を予約できる変形例において、自動車端末の制御部により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。
【図9】自動車の使用を予約できる変形例において、携帯端末の制御部により実行される処理の手順例を示すフローチャートである。
【図10】自動車の使用を予約できる変形例の携帯端末の表示部における表示の推移例を表す図である。
【図11】自動車の使用を予約できる変形例の携帯端末の表示部における別の表示の推移例を表す図である。
【図12】携帯端末でなく情報板に表示を行う変形例のカーシェアリングシステムの全体構成例を概念的に示す図である。
【図13】携帯端末でなく情報板に表示を行う変形例における情報板の外観例を示す正面図である。
【図14】地図表示でなく地名等を用いたリスト表示を行う変形例における携帯端末の表示例を示す図である。
【図15】地図表示でなく地名等を用いたリスト表示を行う変形例において予約を行う場合の携帯端末の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
100 携帯端末
100a 携帯端末
110 表示部(表示手段に相当)
121 十字キー(選択手段に相当)
124 予約ボタン(選択手段に相当)
400 情報板
410 表示部(表示手段に相当)
C 自動車
CS カーシェアリングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが自動車を共同で使用するためのカーシェアリングシステムであって、
前記ユーザによる前記自動車の使用状況に関わる情報(以下、車両使用情報と称する)を生成する使用情報生成手段と、
前記使用情報生成手段により生成された前記車両使用情報に対応する前記自動車の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記使用情報生成手段により生成された前記車両使用情報、及び前記位置情報取得手段により取得された前記位置情報を送信する使用情報送信手段と、
前記使用情報送信手段により送信された前記車両使用情報に応じ、前記位置情報に基づく前記自動車の位置を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記ユーザが前記自動車を使用しているか否かを判定する使用判定手段を備え、
前記使用情報生成手段は、前記使用判定手段により前記ユーザが前記自動車を使用していないと判定された場合に、前記車両使用情報として、前記ユーザが前記自動車を使用していないことを表す空車情報を生成し、
前記位置情報取得手段は、前記使用情報生成手段により生成された前記空車情報に対応する前記自動車の位置情報を取得し、
前記使用情報送信手段は、前記使用情報生成手段により生成された前記空車情報及び前記位置情報取得手段により取得された前記位置情報を送信し、
前記表示手段は、前記使用情報送信手段により前記空車情報が送信された場合に、前記位置情報に基づく前記自動車の位置を表示する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記使用情報生成手段は、前記使用判定手段により前記ユーザが前記自動車を使用していると判定された場合に、前記車両使用情報として、前記ユーザが前記自動車を使用していることを表す実車情報を生成し、
前記使用情報送信手段は、前記使用情報生成手段により生成された前記実車情報を送信し、
前記表示手段は、前記使用情報送信手段により前記実車情報が送信された場合には、前記位置表示を停止する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記表示手段により位置表示された前記自動車の使用を予約するための予約情報を生成する予約情報生成手段と、
前記予約情報生成手段により生成された前記予約情報を送信する予約情報送信手段と、
を備えることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記表示手段により位置表示された前記自動車の中から所望の前記自動車を前記ユーザが選択するための選択手段を備え、
前記予約情報生成手段は、前記選択手段により選択された前記自動車を予約するための前記予約情報を生成する
ことを備えることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記予約情報送信手段により送信された前記予約情報を受信した場合に、前記予約を受け付けたことを表す予約済情報を送信する予約済情報送信手段を備え、
前記表示手段は、前記予約済情報送信手段により前記予約済情報が送信された場合には、前記選択手段により選択された前記自動車の位置表示を停止又はその表示態様を変更する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記使用判定手段は、前記自動車のギアがパーキングに切り替えられている場合、前記自動車のアクセサリー電源が遮断されている場合、前記自動車のキーが抜かれている場合、前記ユーザが前記自動車から下車したことを検知した場合、前記ユーザの認証情報を取得できなくなった場合、若しくは前記ユーザにより使用終了に対応する所定の操作入力があった場合に、前記自動車は使用されていないと判定し、
前記自動車のギアがパーキング以外に切り替えられている場合、前記自動車のアクセサリー電源が投入されている場合、前記自動車のキーが差し込まれている場合、前記ユーザが前記自動車に乗車したことを検知した場合、前記ユーザの認証情報を取得した場合、若しくは前記ユーザにより使用開始に対応する所定の操作入力があった場合に、前記自動車は使用されていると判定する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記使用判定手段により前記ユーザが前記自動車を使用していないと判定された場合に、前記自動車の走行をロックする走行ロック手段と、
前記ユーザの認証情報を取得する認証情報取得手段とを備え、
前記走行ロック手段は、前記認証情報取得手段により前記認証情報が取得された場合に、前記ロックを解除する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記予約情報送信手段により前記予約情報が送信された場合に、受信した前記予約情報と、前記認証情報取得手段により取得された前記認証情報とに基づき、前記ユーザが予約者であるか否かを判定する予約者判定手段を備え、
前記走行ロック手段は、前記予約者判定手段により前記ユーザが予約者であると判定された場合に、前記ロックを解除する
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記表示手段は、前記ユーザが携帯可能な携帯端末に設けられている
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記予約情報生成手段、前記予約情報送信手段、及び前記選択手段は、前記携帯端末に設けられている
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれかに記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記表示手段は、所定の場所に設置された情報板に設けられている
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記予約情報生成手段、前記予約情報送信手段、及び前記選択手段は、前記情報板に設けられている
ことを特徴とするカーシェアリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−122988(P2010−122988A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297104(P2008−297104)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】