説明

カーテンエアバッグ

【課題】 インフレータに必要な出力を抑えながら、特に最後部座席近傍における乗員の車外放出防止性能を向上可能なカーテンエアバッグを提供する。
【解決手段】
車両室内の側面部上方に収納されて側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、膨張展開用ガスを受け、最後部座席の側方に位置する最後部ウィンドウの前側で最後部ウィンドウよりも車内側に突出する前側ピラー上および前側ピラーの前方に膨張する膨張領域130と、布状であって膨張せず、膨張領域の後縁部に取り付けられ、少なくとも一点が前側ピラーの後側で車両に取り付けられる幅広部140と、を備え、幅広部は、膨張展開する膨張領域によって、最後部ウィンドウのうち乗員の衝突が想定される衝突想定領域にわたって略平面状に緊張する形状を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には高い安全性が求められている。この傾向は世界各国に共通していて、現在では世界各国でエアバッグが車両の安全装置としてほぼ標準装備されている。そして、車両開発に関係する事業者ではさらなる安全性向上が重要な開発テーマとして掲げられていて、これに伴って日々新たなエアバッグが開発されている。
【0003】
車両の安全性の評価基準は各国において異なっていて、各事業者は製造品が多国の評価基準に対応し得るよう開発を行っている。例えば世界最大の自動車保有台数をほこる米国では、NHTSA(米国高速道路交通安全局)によってFMVSS(米国連邦自動車安全基準)が制定されている。そして現在、NHTSAが今後定める予定のFMVSSの規則策定の通知(NPRM)には「側突時・ロールオーバ(横転)時において、放出緩和システムによりサイドウィンドウを通した乗員の車外放出の見込みを減少させる」という要件が提案されている(FMVSS226)。この要件は、放出緩和システムを成す車外放出軽減対策装置としてカーテンエアバッグを備えることで達成可能である。
【0004】
カーテンエアバッグは、ドア上方に設置されていて、衝撃発生時に車両のサイドウィンドウに沿って膨張展開して乗員の保護を行うエアバッグである。通常のカーテンエアバッグは、膨張展開した際の圧力持続時間がフロントエアバッグ等よりも長くなっている。側面衝突に続いてロールオーバが発生した場合などは衝撃が発生し得る時間が長いからである。このように、カーテンエアバッグはロールオーバ時にまで膨張状態を維持することで、乗員を拘束して車外放出防止を図っている。
【0005】
上記説明した乗員の車外放出防止を確実に達成するためには、カーテンエアバッグは車両側面部に複数存在するサイドウィンドウの全てを覆って膨張展開する必要がある。例えば、特許文献1に記載のカーテンエアバッグは3列シートの車両に設置されていて、3列目シートの側方の固定式のサイドウィンドウ(いわゆるクォータウィンドウ)も覆うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−237864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のカーテンエアバッグのように、3列目シートの側方まで覆う大容量のカーテンエアバッグを膨張させるためには出力の高いガス発生装置(インフレータ)が必要である。通常、上記の3列目シートおよびクォータウィンドウに代表されるように、最後部座席の側方のサイドウィンドウはその前方の他のサイドウィンドウと比較して、形状が異なっていて面積が狭くなっている場合が多い。このようなサイドウィンドウにまで到達するようむやみに膨張領域を拡大させていては、インフレータの高出力化が必要となって製造コストの増大を招くおそれがある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、インフレータに必要な出力を抑えながら、特に最後部座席近傍における乗員の車外放出防止性能を向上可能なカーテンエアバッグを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明にかかるカーテンエアバッグの代表的な構成は、車両室内の側面部上方に収納されて側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、膨張展開用ガスを受け、最後部座席の側方に位置する最後部ウィンドウの前側で最後部ウィンドウよりも車内側に突出する前側ピラー上および前側ピラーの前方に膨張する膨張領域と、布状であって膨張せず、膨張領域の後縁部に取り付けられ、少なくとも一点が前側ピラーの後側で車両に取り付けられる幅広部と、を備え、幅広部は、膨張展開する膨張領域によって、最後部ウィンドウのうち乗員の衝突が想定される衝突想定領域にわたって略平面状に緊張する形状を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、膨張領域が膨張展開すると、その後端に位置する幅広部は車両中央側への張力(テンション)を受けて略平面状に緊張する。上記の幅広部の「形状」とは、このように幅広部が略平面状になるほどのテンションが加わる形状という意味である。言い換えれば、幅広部の寸法を所定以下に小さくすれば、かかる形状が実現できる。最後部ウィンドウの衝突想定領域が、略平面状に緊張する幅広部に覆われるため、上記構成であれば膨張領域によることなく最後部ウィンドウからの乗員の車外放出が防止できる。したがって膨張領域の容量を増大させる必要がなく、インフレータに求める出力を抑えることが可能である。
【0011】
上記幅広部の前側および後側におけるそれぞれの取付位置は、カーテンエアバッグが膨張した際に最後部ウィンドウよりも車内側へ突出する位置となっている。したがって幅広部は、最後部ウィンドウから離れた位置、すなわち乗員により近い位置で緊張して最後部ウィンドウを覆うことが可能である。これにより幅広部は、最後部座席の乗員を迅速に受け止めて着座位置からの移動量を減少させることができる。したがって、ロールオーバの発生時において、乗員に対する車外放出防止性能の向上を図ることが可能である。
【0012】
上記のカーテンエアバッグは、膨張領域の後縁部の上部を前側ピラーの上方に固定するタブをさらに備えるとよい。これにより、膨張領域が膨張展開した際にその後縁部近傍は前側ピラーに確実に重畳するため、後縁部に取り付けられる幅広部を最後部ウィンドウからより離れた位置で緊張させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、インフレータに必要な出力を抑えながら、特に最後部座席近傍における乗員の車外放出防止性能を向上可能なカーテンエアバッグを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。
【図2】図1(b)の展開状態のカーテンエアバッグを例示する図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】図1(b)の概略的な断面図である。
【図5】図4の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
図1は、本発明にかかるカーテンエアバッグを例示する図である。図1(a)はカーテンエアバッグ(以下、「エアバッグ100」と記載する。)の非展開時、図1(b)はエアバッグ100の展開時をそれぞれ例示する。以下、図1(a)および図1(b)に例示する車両102の右側面用のカーテンエアバッグを参照して説明を行うが、左側面用のカーテンエアバッグも同様の対称な構造を有する。
【0017】
図1(a)に例示するように、エアバッグ100はガス発生装置であるインフレータ104を備えている。そして、インフレータ104から供給される膨張展開用ガス(以下、単に「ガス」と記載する。)を受給し、膨張して乗員の保護を行う。特に本発明によるエアバッグ100は、インフレータ104に必要な出力を抑えながら、最後部座席近傍における乗員の車外放出防止性能の向上を図ることが可能となっている。
【0018】
エアバッグ100は、図1(a)のように巻回された状態で、または折り畳まれた状態(図示省略)で、車両室内の側面部上方のルーフサイドレール106(図中、仮想線で例示する。)に取り付けられて収納される。通常、ルーフサイドレール106はルーフトリムで覆われ、車両室内からは視認不能である。
【0019】
エアバッグ100は、例えば、その表面を構成する基布を表裏で縫製したり、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織したりすることにより袋状に形成される。
【0020】
本実施形態ではエアバッグ100が実施される車両として、3列シート(車両前方から前部座席108、後部座席110および最後部座席112)を有する車両102を例示している。車両102の側面部には、複数のサイドウィンドウ(車両前方からサイドウィンドウ114、116および最後部ウィンドウ118)が設置されている。車両室内では、最後部ウィンドウ118が最後部座席112の側方に位置している。
【0021】
各サイドウィンドウの前後方向にはルーフ(天井)を支える複数のピラー(柱)が接続している。これらは車両102の前方から、Aピラー120、Bピラー122、Cピラー(後述する前側ピラー124)、Dピラー(後述する後側ピラー126)と呼ばれる。
【0022】
車両102に側面衝突時やロールオーバ(横転)等が発生すると、まず車両102に備えられたセンサ(図示省略)による衝撃の感知に起因して、インフレータ104へ発火信号が発信される。すると、インフレータ104の火薬が燃焼し、発生したガスがエアバッグ100へ供給される。エアバッグ100は、インフレータ104からのガスを受給すると、図1(b)に例示するように、車室の側面部(サイドウィンドウ114等)に沿うように下方へ膨張展開し、乗員の保護を行う。
【0023】
図2は、図1(b)の展開状態のカーテンエアバッグを例示する図である。図2は、エアバッグ100の車室側を一部透過した状態で例示している。
【0024】
図2に例示するように、エアバッグ100は車両102の衝突時や横転時に膨張する膨張領域130と、膨張せずに膨張領域130を区画する非膨張領域132(図中ハッチングで示す)と、を備えている。膨張領域130は非膨張領域132によって複数のチャンバに区画されている。チャンバは、衝突時等の非常事態時において乗員と直接接触する部分である。膨張領域130が複数のチャンバに区画される。
【0025】
複数のチャンバのうち、エアバッグ100の車両前後方向の後端にはリアチャンバ134が設置されている。リアチャンバ134は、図1(b)に例示するように後部座席110の略真横において膨張展開する。リアチャンバ134は後部座席110の乗員に対して最も近い位置に膨張展開するため、後部座席110の乗員の車外放出防止はリアチャンバ134によって達成される。なお、リアチャンバ134の前方にあるチャンバー(符号省略)も後部座席110の乗員の車外放出防止に有効なことはいうまでもない。
【0026】
エアバッグ100の上縁には、取付部材として複数のタブ(タブ136等)が設けられている。タブ136はエアバッグ100を車両102に取り付ける際に用いる帯状の部材である。タブ136には、車両102への締結用のボルトを通すボルト穴138が設けられている。
【0027】
図1(b)に例示するように、当該エアバッグ100では最後部座席112の側方にはチャンバは膨張展開せず、幅広部140が展開する。幅広部140は最後部ウィンドウ118からの最後部座席112の乗員の車外放出防止を図る部位である。図2に例示するように、幅広部140はリアチャンバ134(または膨張領域130)の後縁部142に取り付けられる。幅広部140は幅広な布状であって、膨張せずに略平面状に緊張して乗員を拘束する。
【0028】
本実施形態では、幅広部140は略三角形状となっている。幅広部140の前側の一辺はリアチャンバ134の後縁部142に取り付けられる。また、幅広部140の上側の一辺はルーフサイドレール106または後側ピラー126(図1(b)参照)に沿っている。この上側の一辺の後方にはタブ144が設けられ、後側ピラー126に取付けられる。後側ピラー126は、最後部ウィンドウ118の後側に位置し、最後部ウィンドウ118よりも車内側に突出する部位である(図4参照)。なお、幅広部140はタブ144を用いることなく直接後側ピラー126に取り付けてもよい。
【0029】
幅広部140は、膨張展開後のエアバッグ100によって、略平面状に緊張する寸法の形状を有している。つまり、略平面状になるほどのテンションが膨張展開後のエアバッグ100から車両中央側へ加わるよう、幅広部140の形状は所定の寸法以下に決定されている。言い換えれば、幅広部140の寸法を所定以下に小さくすれば、かかる形状が実現できる。本実施形態では幅広部140を上記寸法の形状とすることで、図1(b)に例示するように、幅広部140は略平面状に緊張し、最後部ウィンドウ118の後述する衝突想定領域E(図3参照)を覆うことが可能となっている。
【0030】
図3は、図2の部分拡大図である。図3に例示するように、幅広部140が最後部ウィンドウ118からの乗員の車外放出防止を図るためには、幅広部140に生じる略平面状に緊張する領域が、最後部ウィンドウ118上の乗員の頭部が車外へ露出し得る領域、すなわち衝突想定領域Eを覆っていればよい。衝突想定領域Eとは、FMVSS(米国連邦自動車安全基準)によって定められた、側面衝突時に乗員頭部が衝突すると想定される領域を意味している。より具体的には、FMVSS226セクション7:車外放出軽減テスト装置仕様(Ejection mitigation test device specification)に記載され定義されるインパクタ(Ejection impactor)を用いて、同FMVSS226セクション5.2:衝撃標的位置の決定(Determination of impact target locations)で定められるターゲットロケーション(Target locations)に向けて車外放出テストを行った時に、当該インパクタが通過する可能性のある領域を衝突想定領域としている。本願の場合、特にリアウインドウについての標的位置決定方法を参照している。通常、FMVSSに基づく側面衝突試験時には、試験装置であるインパクタをこの衝突想定領域Eに衝突させて、カーテンエアバッグ等の安全装置の安全性を試験する。
【0031】
本実施形態では、幅広部140をタブ144によって後側ピラー126の上部に取付けているがこれに限らず、幅広部140はその少なくとも一点が前側ピラー124の後側で車両102に取り付けられていればよい。この一点とは、リアチャンバ134の後縁部142との間に、少なくとも衝突測定領域Eを覆って略平面状に緊張する領域を生じさせる際に頂点となる一点である。このように、幅広部140はその全体が最後部ウィンドウ118を覆う必要はなく、また、略平面状に緊張する領域が衝突想定領域Eを覆い得るのであれば後側ピラー126への取付け位置は適宜変更してよい。また、幅広部140は衝突想定領域Eの主要な領域を覆えばよく、必ずしもその全て覆っていなくてもよい。
【0032】
本実施形態では幅広部140の形状を略三角形状としている。この略三角形状は、換言すると、膨張領域130の後縁部142に取り付けられた部分の上下両端から後側ピラー126に取り付けられた一点を直線で結ぶ略三角形の形状である。かかる形状であれば、膨張領域130が展開したときに、たるみなく平面状に展開することが可能である。ただし、この平面状になる略三角形の形状の周囲に何らかの追加形状を加えて、幅広部全体の面積を増大させてもよい。面積を増大させても、衝突想定領域Eにわたって平面状に緊張する三角形の領域の機能は失われないからである。
【0033】
図4は、図1(b)の概略的なA−A断面図である。図4に例示するように、当該エアバッグ100では、幅広部140はリアチャンバ134の後縁部142に取り付けられている。エアバッグ100の展開時の挙動は、その寸法やルーフサイドレール106への取付位置によって異なるが、エアバッグ100が巻回されていた状態から膨張展開するとき、後縁部142が当初の位置から前方に移動すると仮定する。その場合、この幅広部140の形状は、後側ピラー126上の取付位置(タブ144)から、膨張領域130の膨張展開によって後縁部142が移動しようとする位置までの寸法よりも小さく設定されている。すなわち、幅広部140の形状は、後縁部142が目的の位置まで移動するのを阻むほどに小さい。これにより、膨張展開後には幅広部140は、後縁部142によって車両前方へ引っ張られるように略平面状に緊張する。
【0034】
ここで図2に例示するように、幅広部140の前側が取り付けられているリアチャンバ134の後縁部142の上部には、タブ136が設けられている。そして図1(a)に例示するように、タブ136は前側ピラー124の上方に固定されている。前側ピラー124は最後部ウィンドウ118の前側に位置していて、図4に例示するように最後部ウィンドウ118よりも車内側に突出している。これにより、リアチャンバ134(膨張領域130)は前側ピラー124上およびその前方に膨張し、後縁部144の近傍は前側ピラー124に確実に重畳する。そして、エアバッグ100の膨張展開後において幅広部140は、最後部ウィンドウ118よりも車内側へ突出する後側ピラー126と、同じく最後部ウィンドウ118よりも車内側へ突出するリアチャンバ134の後縁部142との間で緊張し、略平面状の姿勢となる(図5参照)。
【0035】
図5は、図4の概略的なB−B断面図である。幅広部140の前側および後側の取付位置を上記車内側へ突出した位置とすることで、図5に例示するように幅広部140は、最後部ウィンドウ118から車内側へ離れた位置、すなわち乗員により近い位置において最後部ウィンドウ118を覆う。これにより幅広部140は、例えばFMVSSの規定を満たすことが可能であって、最後部座席112の乗員を迅速に受け止めて着座位置からの移動量を減少させることができる。したがって、ロールオーバの発生時において、乗員に対する車外放出防止性能の向上を図ることが可能である。
【0036】
上記説明したように、当該エアバッグ100によれば、チャンバ(膨張領域130)によることなく幅広部140によって最後部ウィンドウ118からの乗員の車外放出が防止できる。したがって膨張領域130の容量を最後部ウィンドウ118に到達するまで増大させる必要はなく、インフレータ104に求める出力を抑えることが可能である。
【0037】
なお、本実施形態ではエアバッグ100を3列シートを有する車両102に実施した。しかし、エアバッグ100が実施可能な車両はこれに限らない。最後部座席の側方に位置している窓の後方にさらに他の窓を有する車両にも本発明にかかる技術は適用可能である。また、幅広部140が乗員の車外放出防止を図る対象となるサイドウィンドウは、その形状の如何を問わない。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
【0039】
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0040】
また、上記実施形態においては本発明にかかるカーテンエアバッグを自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、車両の側面衝突時やロールオーバ(横転)時に、乗員保護を目的として車両室内の側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグに利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
E …衝突想定領域、100 …エアバッグ、102 …車両、104 …インフレータ、106 …ルーフサイドレール、108 …前部座席、110 …後部座席、112 …最後部座席、114 …サイドウィンドウ、118 …最後部ウィンドウ、120 …Aピラー、122 …Bピラー、124 …前側ピラー、126 …後側ピラー、130 …膨張領域、132 …非膨張領域、134 …リアチャンバ、136 …タブ、138 …ボルト穴、140 …幅広部、142 …後縁部、144 …タブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両室内の側面部上方に収納されて該側面部に沿って膨張展開するカーテンエアバッグであって、
膨張展開用ガスを受け、最後部座席の側方に位置する最後部ウィンドウの前側で該最後部ウィンドウよりも車内側に突出する前側ピラー上および該前側ピラーの前方に膨張する膨張領域と、
布状であって膨張せず、前記膨張領域の後縁部に取り付けられ、少なくとも一点が前記前側ピラーの後側で車両に取り付けられる幅広部と、
を備え、
前記幅広部は、膨張展開する前記膨張領域によって、該最後部ウィンドウのうち乗員の衝突が想定される衝突想定領域にわたって略平面状に緊張する形状を有することを特徴とするカーテンエアバッグ。
【請求項2】
前記膨張領域の後縁部の上部を前記前側ピラーの上方に固定するタブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−46173(P2012−46173A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165704(P2011−165704)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(503358097)オートリブ ディベロップメント エービー (402)
【復代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
【Fターム(参考)】